広瀬章人八段 vs 藤井 猛九段
対局日:2016年8月20日
解説:谷川浩司九段
聞き手:藤田 綾女流初段

第24期銀河戦、いよいよ決勝戦だ
タニーが例によってブランドスーツで登場、ゴールドのネクタイが高級感を出している
聞き手が藤田さん、NHK杯みたいだな

タニー「広瀬は王位1期獲得したことがあるが、棋戦優勝はない 終盤の切れ味に定評がある
昨年度は負け越したのだが、今年度は好調
藤井は予選から勝ち上がってきている、序盤巧者で様々な新しい構想をを生み出している
封印していた藤井システムを最近指している」

広瀬は今期ここまで12勝3敗、藤井は今期ここまで11勝5敗ということだ
先手広瀬で、▲居飛車穴熊vs△藤井システムから、角交換の力戦になった
藤井の玉形は木村美濃という形で、これは本美濃に劣らず堅そうだ

序盤の終わりに、この一局の肝というべき手が出た
藤井がまだ歩もぶつかっていないのに△8五桂と跳ねたのだ
タニー「思い切りましたね」
これに広瀬が異例の長考、なんと5回も考慮時間を使った
のちに感想戦でも問題になっていたところだった

広瀬は▲5六角という筋違い角で対応したのだが、これが実戦的に、広瀬自身にとって扱いにくい角だったようだ
藤井は相手陣に角を打ち込み、馬を作って様子をうかがっている

広瀬が動いてきたところを、藤井は先ほどの△8五桂を活かして端攻め、穴熊を確実に薄めていく
局面は進むが私には形勢がまだわからず、どうなってるんだと思いながらずっと見ていたのだが、
タニー「藤井としては間違えずに指せば勝てると思っているでしょうね」
と急に言われたので、おいおい、いつの間にそんなに差がついたんだ、と思うことになってしまった(^^;

広瀬はモロに両取りを食らう展開になってしまい、タニー「駒割りは藤井の角一枚の丸得」
そしてそこから藤井の寄せが鮮やかだった
きっちり見切って馬を切り、最後は13手詰みに斬って落とした  112手で藤井の勝利

タニー「藤井が緩急を織り交ぜて、リードを少しづつ広げた会心の一局」

おーい、どこから藤井がそんなに良くなっていたんだ(笑) タニー、対局中にもっと言ってほしかったな
局後に広瀬は「馬と角の差が大きかった」と言っていたから、もうずいぶん前から広瀬が勝ちにくかったのだろう

感想戦で藤井は一手だけ自分に軽い疑問手があったというところを言っていたが、それ以外はパーフェクトだったんじゃないかな
藤井は本局の展開について、本戦Eブロック 8回戦で斎藤と43手目まで全く同一局面を経験していたのが大きかった、と言っていた 

広瀬「穴熊にしたのが浅はかだった、完敗だった」
藤井「経験があるぶんだけ局面のコツがつかめていた、それがたまたま良かった」

タニー「46歳を目前にしての優勝は素晴らしいと思う、藤井システムを駆使しての優勝なのでこれでまた藤井ファンが増えると思うし、また藤井システムが大流行するのではないかなと思っています」

優勝インタビュー 
藤井「この年齢になって早指し棋戦で優勝できると思っていなかったものですから今はただうれしいという気持ちと、あとやっぱり振り飛車ファンは非常に多いのでファンのみなさんが喜んでくれているだろうと思ってそれを本当にうれしく思っています、これを機にもっと振り飛車でがんばりたいと思います」

藤井は、予選で佐藤紳哉、本戦で斎藤、畠山鎮、阿久津、糸谷、決勝トーナメントで船江、梶浦、横山、広瀬を破って9連勝で優勝ということになった
私は阿久津戦以降を観たけど、どれも実に安定していたなあ
阿久津戦以降だけど、藤井が不利になった局面はなかったと記憶している
準決勝の横山戦の中盤で少し紛れがあったくらいで、私が観た6局どれもが完勝という素晴らしい出来栄えだった

藤井は典型的な「先行逃げ切り」タイプだと思うが、その本領を見事に発揮していた印象だ
寄せに関しても、この銀河戦では「藤井なら大丈夫」という安心感が漂っていた 
「終盤のファンタジスタ」の汚名返上と言えるね、パチパチパチパチ

今期銀河戦、これで終了となった  みなさん、お疲れ様でした~
熊倉紫野女流初段 vs 伊藤沙恵女流二段
対局日:2016年7月13日
解説:森内俊之九段
聞き手:山田久美女流四段

囲碁将棋チャンネルでやっている女流王将戦、ベスト8の放映に入った
・・・とは言っても、もう誰が優勝して挑戦者になったか私には分かってしまっているのが寂しいorz

解説の森内「熊倉は四間飛車党から居飛車党に変わった、穏やかな将棋を指す
伊藤は女流になって日は浅いが活躍している、受け将棋で入玉が得意」

入玉が得意って言われる人はめずらしい、そうそう狙えるもんではないと思うけどね

先手熊倉で、相居飛車の持久戦、▲矢倉の早囲いvs△ウソ矢倉となった
森内「じっくりした戦いですね」
森内と山田久美が雑談をしているが、いまいち話が広がらない(笑)
山田久美は女流棋士どうしで女子会をするとたくさん話すことがある、ということだが、森内とではトークが続かないね・・・(^^;

さて、伊藤が角のうまい使い方で、技ありといったところだ
森内「この伊藤の角出はいいタイミングでしたね、これは痛いな」
伊藤に猛攻を食らう熊倉、熊倉の駒損が確定してしまった  
ああ~、こりゃもうダメか、大差だろうな~
伊藤の手堅い指し回しに、思わず苦笑する森内「伊藤は間違いのない棋風ですね」

しかし熊倉、まだ見せ場を作った 
伊藤の守り駒にアタック、必死の食らいつき! 熊倉の攻めを全部受け切ってしまおうという伊藤の構想が、熊倉の攻めを呼び込んでしまっているようだ
これ、なんか危ないな~ めっちゃ局面がゴチャゴチャしてきているぞ
森内「なんか熊倉にもチャンスが来たんじゃないですか? 面白くなりましたね」

いけっ熊倉、逆転してしまえ~
熊倉、がんばって攻めた・・・のだが、どうも駒が足らない
ああ~、残念だったな  違う攻め方をしていれば、もしかしてあるいは、というところだった
伊藤の受けまくる指し手に、森内は感嘆
森内「ひや~、伊藤はすごいな~、大山15世名人もびっくりの受け将棋という感じ」
熊倉の攻め駒が足りず、伊藤に受け切られてしまったね
132手で伊藤の勝ち

森内「熊倉のほうにもチャンスが来たように思えたんですけど、何かなかったですかね
面白いねじり合いが続きました
伊藤がうまく戦機を捕らえて、受けに回り続けた、伊藤の独特の指し回しが見られた」

伊藤の受けつぶし、危ないと思った(笑)  
森内が解説していたとおり、攻め合っていればもっと簡明に短手数で勝てたんじゃないだろうか
ただ全体的には、伊藤が有利になって、熊倉が暴れたところをじっくりと面倒を見て伊藤が勝ち切ったという一局だった

さて今期の森内だが、今日現在で連盟のページに3勝13敗という数字が出ている
かなり調子が悪いね 
解説の様子で何か分からないかと思ったが、森内っていつもこんな感じで何かおどおどしているように思うので、特にわからなかった(^^;
郷田真隆 王将 vs 高見泰地 五段 NHK杯 2回戦
解説 鈴木大介 八段

タイトルホルダーの登場 
しかし郷田は今一つ、羽生三冠、渡辺二冠、天彦名人と比べて目立たないが・・・
高見は1回戦で稲葉に勝ったとのことだが、私は何にも覚えていないのであった(笑)
私の過去ログを見ると、「大熱戦」、「強い勝ち方」と書いてある

郷田は1990年四段、竜王戦2組で優勝、B1 25回目の本戦出場
高見は2011年四段、竜王戦4組、C2 2回目の本戦出場

解説の大介「郷田は居飛車の本格派、プロでも見習うべき点が多い超一流の棋士
高見は屈指の攻め将棋、詰むか詰まないかに強い」

事前のインタビュー
郷田「決断よく持ち味を出せればと思っております
張り切っていい対局にしたいと思います」

高見「郷田王将は居飛車党で言わずと知れたトップ棋士
指したい手を指されて勝たれている印象があってとても尊敬する将棋です
タイトルホルダーに教われる機会は初めてなので自分の力が精一杯出せるように挑戦する気持ちでがんばりたいと思います」

先手郷田で、横歩取りに進んだと思いきや、郷田が横歩を取らず▲5八玉と変化した
これは第1期電王戦第1局の▲PONANZAvs△山崎で出た形だ

相掛かりの変形のような、力勝負に進んだ
大介「郷田が注文をつけて力戦形に」
局面、落ち着くのかと思いきや、郷田が意表の一手を指した
郷田が3筋から、一歩損をする果敢な攻めを敢行!
大介「これは見たことがない手ですねー、いやいやいや」

考え込む高見  高見は自然に対応したように見えたが、進んでみると
大介「郷田がちょっとうまくやった、3手くらい郷田が手数でリードしている」

考慮時間の残り、郷田▲10回vs高見△3回となって、差がついている
大介「それだけ苦心してるんだと思いますね」
郷田は、とにかく決断がいい 自玉に相手の駒が迫っているのに、おかまいなく攻め合い
郷田、超強気だ
大介「相手の攻めは残しているとの郷田の読み、たぶん読みというか感覚の部類じゃないですかね」

局面、郷田優勢が確定したようだ
大介「プロはみなこぞって研究しますね、特に3筋を攻めたあたりは・・・
郷田は一人で剣を研いでいる」

大介「画面で見ると、ちょっと高見、がっかりしている様子が」
高見もなんとかしようと迫りたい気持ちは伝わってきたのだが、郷田の的確な寄せの前に、なすすべなしといったところだ

郷田は最後の手もきれいで、狙われてる自陣の銀をスッとかわして、それが相手玉を寄せる拠点になっているという鮮やかな一手を指した 攻防一体の、華麗な手だね

69手で郷田、完勝! 郷田は5回考慮時間を余していた

大介「久しぶりに上位者、タイトルホルダーの貫禄を見せてもらった気がする
将棋の作りがすごいうまかった
高見としては激しい将棋で力を出し切れなかった
私も実は、対A級は四段になってから十何連敗した
高見にはこれを糧に強くなってもらいたい」

時間があまって、27分も感想戦があった・・・(^^;

郷田「横歩を取って、負けちゃっているんで」
高見「3手差くらいになっちゃった気がしました、体感的に」

郷田の3筋からの攻め、あれが研究範囲だったかについて知りたかった
研究範囲と思うべきだろうけどね
高見は今回は完全な斬られ役だったね  ▲5八玉型がそもそも高見はノーマークだったようだ

郷田は全く緩まず、会心譜だったと思う  素晴らしい出来栄えだった
さすがはタイトルホルダーだ  やはりそれなりの地位にある人は強くあってほしい お見事だった
2016.09.23 今週の銀河戦
囲碁将棋チャンネルの銀河戦、今週は準決勝の2局が放送された

準決勝第1局
▲横山vs△藤井
藤井の「藤井システム」調の出だしから、対抗形の力戦となった
大駒が交錯する中盤、両者の力の見せ所が続いた
そこで上回ったのが藤井だった
終盤も緩まずにしっかり仕留めて、124手で藤井の快勝
解説の天彦「難しい間合いが多かったが、藤井がうまくいなした」
藤井は今期の銀河戦、内容がいい 
観ていて安定感がある、優勝がかなり期待できる
局後の勝利者インタビュー 藤井「負けと思う局面が何度もあったのでツキがあった」
この藤井の言葉が謙遜に聞こえた、次もこの調子でと言いたい

準決勝第2局
▲屋敷vs△広瀬
角換わりの相腰掛け銀
屋敷が積極的に仕掛けていったが、広瀬がうまく受けた
終盤は広瀬が見切り、広瀬の完全な一手勝ち 98手で広瀬の快勝
・・・この戦型は玄人好みの内容になるね(笑)
解説の天彦「広瀬がうまい間合いで受けた、熱くならずちゃんと間合いを計っていた」 
局後の勝利者インタビュー 広瀬「全棋士参加の棋戦での優勝がまだないのでがんばりたい」

2局とも佐藤天彦名人が解説だったわけだが、天彦はなかなか断言しない
天彦「○○○かもしれない」 「○○○のような気がする」という言葉が多い
でも、その○○○の部分が、しっかりしたことを言っているので、それほど気にならない
天彦はしゃべってる最中も、まだ考えてるスタンスだ
名人ほどの棋力の人間が、まだはっきりと分かっていないんだな、とうかがい知ることができるのは参考になる
やはり名人を保持しているということは重大なことだ、同じようにしゃべっても重みが違う(^^;

決勝、私はやはり藤井を応援して観るんだろうなー
藤井の独自の序盤作戦、そして広瀬の沈着冷静な棋風より、藤井のファンタジスタもありきな棋風のほうが面白いもんね
北村桂香女流初段 vs 岩根 忍女流三段
対局日:2016年7月1日
解説:糸谷哲郎八段
聞き手:中村真梨花女流三段

囲碁将棋チャンネルで放送されている女流王将戦、ベスト16の最後の一局
解説と聞き手が糸谷とマリカ、ふっくらコンビだ

糸谷「北村は振り飛車党、ここ1~2年で成長している、中終盤に強さを発揮
岩根も振り飛車党、安定した強さ」

先手北村で、相振りになった 相三間飛車だ
北村の指す手つき、優しいね~ いかにも女性という感じだ
マリカ「北村はふんわりしていて、女流の中でも人気が高い
はんなりしていて、やわらかくて、癒される、京都の人」
マリカ「岩根は長考派で、納得できるまで考える」

お互いに時間を使い、序盤が長い・・・
▲矢倉vs△美濃に進んでいる
マリカ「穏やかな流れですね」
局面が進まないので糸谷とマリカ、特にするべきこともなく、ずーっと雑談していた・・・
立命館大学には、今、香川、和田、北村の3人の女流がいるとか、持ち時間の配分とかに関してだった
とくに面白い話題でもない(^^;

戦いが始まったのは番組が始まって40分以上が過ぎてからだった
ここから観たら良かったな(笑)
と、なんだか局面がおかしい 
岩根の△8四飛に、北村が▲7七飛と屈服したのだ
相振りでよくある「相手の角頭に中段飛車を振って、単純な飛車成り狙い」という手筋に、北村が形悪く▲7七飛と受けるしかないという事態が発生したではないか
糸谷「これは岩根が一本取った」
な、なに~ こんなの、アマチュアの初段以下で決まる技じゃないか
これがプロで決まるんか~(^^;

もう、明らかに形が苦しい北村の飛車と角
ここから、一方的になっていった
糸谷「岩根がうまくやった、自分だけ何手も指している」
うーん、北村に挽回する術は何かないのか? でも、戦いが部分的すぎて、取り返すところが見当たらない
糸谷「ここは耐えがたきを耐え、目を覆(おお)いたくなるような手を、あえて指す!」
北村は耐えるしかないのか ・・・って、北村は耐えるどころか、飛車をぶつけて一気に決着をつけにいったよ(笑)  面白いなー(笑)

もう、誰の目にも優勢になった岩根 
自玉は相手玉より堅い、駒得、攻めてる、もう大優勢だ
なにより、局面が単純なのだ
なんとかフォローする糸谷「将棋はどんな差がついた局面でも2手悪手を指せば逆転します、2手差以上だと元から勝負になっていないので」
だがしかし、岩根の「安定している」という指し回しが炸裂した
もうこれだけ差がつけば何事も起こりません、読み切っています、といわんばかりの時間の使い方で、鮮やかに最短で岩根は寄せきった
そうとうな大差がつき、96手で岩根の勝ち  

糸谷「北村の構えがアンバランスだった、岩根のとがめ方が見事で緩みなく寄せきった快勝譜」

感想戦の時間がかなりあったが、これ、あまりやるところがないなー、と思って観ていた(笑)
序盤の終わりのところぐらいしか、やるべきところがない(^^;
相振りの△8四飛の揺さぶりに、仕方ない▲7七飛で、そこでもう勝負あったというところだろう
糸谷「あんまり△8四飛は見えてなかった?」
北村「はい・・・」
こんな単純な技が決まるなんて・・・ 女流、面白い(笑)

うん、面白いと思うよ 女流だから、こういうのもアリ! 
悪く言うんじゃなくて、結局、女流はメインイベントじゃないんだね
言ってみれば前座だ、だから最高の棋譜を残す必要は全くない
一発狙いの大振りなパンチがモロに決まるのは観ていて楽しいよ
すごい差がついたところからどうなっていくのか、それを観るのも味がある
今回なんかは、岩根さんがスパッと決めてくれて、気持ちよかった
そういう将棋に、解説者が何を言うかも、見所だしね

私は、男子プロの将棋を観るときは息が詰まって気が重くなるときが時々ある
でも、女流の将棋を観るときは解放感でいっぱいだ
手の意味がわかりやすい女流、Good! ビバ、女流! 次回からの2回戦も期待したい
豊島将之 七段 vs 久保利明 九段 NHK杯 2回戦
解説 千田翔太 五段

豊島と久保、好カードだ 久保の振り飛車が観れる
そして解説の千田、どんなしゃべりをするのか
この3人は叡王戦ベスト16にも残っている

豊島は2007年四段、竜王戦1組、B1 8回目の本戦出場
久保は1993年四段、竜王戦1組、B1 21回目の本戦出場

解説の千田「豊島は普段から冷静沈着、軽快ながらも手堅い、負けにくい棋風
久保は振り飛車党、華麗なさばきが見もの」

事前のインタビュー
豊島「久保九段とはこれまでたくさん対局したことがある
読みよりも感覚を大事にされている先生
お互いに攻め将棋だと思うので、積極的に行って主導権を握れるようにしたい」

久保「過去にNHK杯は調子のいいときは勢いよく指せているので、今回も勢いよく指せればいいと思う
振り飛車を観ていただきたい」

これまでの2人の対戦成績が、久保9勝、豊島7勝とのこと

先手豊島で居飛車の超速▲3七銀、後手久保のゴキゲン中飛車となった
久保が揺さぶりをかけ、豊島はさばかれないように耐えている

久保が△1五角という、振り飛車がときどきやる手段、いわゆる「幽霊角」で、角の成りこみに成功
ここまで久保は類似局面をたくさん経験済みの、慣れた手順なのだろう
千田「現局面では振り飛車がまずまずうまくさばけていると思う」

そこで豊島が勝負手を放つ、9筋の端攻めに活路を求めた
千田「こういう端攻めが豊島の技ですね」
豊島、なんとか食い下がるか、というところ
豊島は取れる銀を後回しにして、桂の活用で勝負と迫る
なるほどな~、飛車を相手の馬の利きに逃げたのも、指されてみればなるほどな~と思っていた・・・

しかし、そこで久保の渾身一滴の強手が! 取られる銀を相手の歩頭に捨てる「移動捨て」の妙手一発!
千田「はっはあ、いや、これは気づかなかったです」
ぐはっ! うまい! これは・・・ 成立している・・・ こういう手が出ると、まず指した側が負けないとしたものだ

さらに久保は、玉を狭いほうに、一見危ないほうに逃げた
千田「並の人にはできない」
それが久保の読み切りで、豊島は挽回するところがもうなく、投了に追い込まれた 
92手で久保の快勝だった
最後はかなり差がついた投了図となった

千田「久保が非常にうまく豊島をじらして、巧みに攻めをつなぎましたね
端角に飛び出したさばき方も絶品でしたね」

豊島としては、これは完敗の部類に入るんではないか
久保に終始ほんろうされていた印象だった
久保は振り飛車の職人芸を見せつけ、強かったな・・・ 
千田が「絶品」というだけある、さすがだと思った

千田の解説、符号を言うのが中心で意味を追いにくいところがあったが、しょうがないか
久保も豊島も指し手が早く、大盤で解説しているヒマがなかったか?
中盤の大局観が難しかったね

豊島が強くないんでは、と思えてしまうくらい、序盤から終盤まで久保の会心の指し回しだった
久保には「熟練」という言葉がピッタリくると思えた
銀捨ての妙手も観れて良かった、あれはプロの技だった  久保のナイスゲームだった
2016.09.16 今週の銀河戦
今週の銀河戦、ベスト8の後半の2局が放送された

▲中村太地vs△横山
横歩取りの△8五飛戦法
太地が自然な指し回しをしていたかに見えたが、横山が猛反撃
横山はずっとノーミスだったんじゃないだろうか
一手違いにもならず、横山が圧勝した 118手で横山の勝ち
終局直後、彫刻の「考える人」のように、しばらくうつむく太地の姿があった
「なんでこうなるねん」という太地の声が聞こえてくるようだった・・・
本戦と決勝トーナメントを合わせて7連勝した太地、ここで力尽きた
解説の真田は横山に称賛を惜しまず、真田「横山の切れ味と間違えない指し方を実感した、充実の内容」
横山、いやはや、お見事だった パチパチパチ

▲藤井vs△梶浦
藤井のノーマル四間飛車で、対抗形の力戦になった
盤面の飛車側で、藤井がうまくやり、作戦勝ち模様
そのリードを丁寧に広げた藤井が快勝した 95手で藤井の勝ち
この一局、好局を期待していたのだが、「終盤のない将棋」になってしまった・・・ ガクッ
梶浦、前局では郷田王将に力勝ちしていたのだが、本局では力を出せず、残念!
藤井は今期銀河戦、内容がいいと、解説の中座も言っていた
私はここまで藤井の対局の6局中4局しか観ていないが、完勝ばかりで、ほれぼれする
ファンタジスタのファの字もない藤井、このまま強いところを見せ続けてほしい

来週は広瀬vs屋敷、横山vs藤井の顔ぶれで準決勝の放送がある
日本将棋連盟のホームページ(HP)が、リニューアルされましたね
見づらくなりましたが、慣れでなんとかなりそうです
中継サイト一覧は、よくなったと思います
大々的に場所を取ってるコラムは、こんなノリでずっと行くんでしょうか? 

さて、私が問題だと思ったのは、HPをパソコンで見たときのバナー広告の目立ちようです
連盟と全然関係ないと思われるバナー広告が3つもあります
それがかなりの大きさです
一般企業・団体のHPで、自分のやってることと関係ないバナー広告を載せているところって、どれだけあるんでしょうか?
広告の中身は、求人情報会社、スポーツ番組放送会社、英会話、転職サイト、中古車売値相場・・・
連盟となんの関係があるんでしょうか

結局、バナー広告を貼って、お小遣いを稼ぎたいってことですよね
これじゃ、まるで個人のブログです
連盟は、そこまでお金に困っていたんですね
そりゃ、ドワンゴに頭が上がらないはずですね・・・
小野ゆかりアマ vs 里見咲紀女流2級
対局日:2016年6月29日
解説:佐藤康光九段
聞き手:室谷由紀女流二段

アマチュアの登場、棋力のほどはいかに
対するは里見香奈の妹の里見咲紀

解説の康光「小野は振り飛車党」
聞き手の室谷「小野は女流戦で30局戦って16勝14敗」
康光「私は里見咲紀はよく知らない」
室谷「里見咲紀は2016年度に女流棋士になったばかりで20歳」

先手小野で、相振りになった ▲向かい飛車+金無双vs△三間飛車+美濃
じっくりとした駒組みが終わり、徐々に局面が動いていった

康光「里見はなかなか自在、ちょっと作戦勝ち、巧みな動きでした」
里見はどんどん攻撃態勢を整え、里見の駒が小野の玉頭に4枚も利いているという、絶好の攻めの形
しかし小野のほうも、玉頭は4枚で守っており、ギリギリ耐えている
小野としては、超怖いところだけどなあ

そこで小野が流れを変える一手を指す
いまいち働きのなかった角を、中央にバーンと飛び出して、これで盤上の空気が変わった
小野からも攻めがあるという状況を作り出した
康光「この角は攻防に利いたいい手」

そして、里見が痛恨のミスをしてしまう
桂の跳ね違いが、一見、気持ちよい手に見えて、おかしかったとのこと
康光「んー、桂跳ね、どうでしたかねー」
里見は果敢に先手の玉頭を清算して迫ったのだが、もう一押しが足りない
康光「この里見の攻めは駒を渡すけど、里見の玉は大丈夫でしょうか」

で、康光「小野がうまく受けて、盛り返した」
あら~、里見、せっかくけっこう迫ってたのになー
里見は自玉も、美濃のコビンを吊るし桂の筋で狙われ、美濃が崩壊した・・・ これは困ったか

そしたらなんと、秒に追われた里見さん、単純な王手飛車をモロに食らう手を指してしまった
その瞬間、康光「ん?」 室谷「あ」 康光「あ」 
・・・里見さん、その悪手を指した瞬間に口に手を当てて「やっちゃった」という仕草を見せていた
純粋王手飛車を食らった里見、即、投了! 95手で小野アマの勝ち
まあ小野さんとしては作戦負けではあったけど、快勝というところかな

康光「序盤から中盤にかけて里見のほうがうまく駒組みして充分な態勢を取った
ただそこから小野がうまく持ちこたえて、結果的には里見のミスを誘った
小野が差をつけられないように粘り強く指し継いだ」

相振りで楽しみにしていたんだけど、いまひとつ盛り上がりはなかったように思う
細かい構想が問われてミスできないし(当たり前だけど)、相振りはやはり大変だな~と思う
大技が出なかったのが残念だった
最後の王手飛車は単なる大ポカだからね

もし里見さんが大ポカしてなかったら、どういう局面だったのだろう、やはり里見が悪いのか?
そう思って、投了から2手前を激指14で調べてみると、検討モードのpro+はなんと、「+145で互角」という判断
な、なに~ +145って、ほとんど差がないやん  ああー なんてこったい・・・
深浦康市 九段 vs 先崎学 九段 NHK杯 2回戦
解説 森内俊之 九段

注目の先ちゃんの登場! 私は結局のところ、プロ棋士の中で誰を一番応援しているかというと、この先ちゃんになるだろう
何しろ先ちゃんの書いたエッセイ本、ほとんど持ってて複数回、読み直してるからね
1回戦で見せてくれた、藤倉五段を圧倒した指し回し、あれは実にお見事だった
今回もカッコいいところを見せてくれるのか?

深浦九段は1991年四段、竜王戦1組、A級 24回目の本戦出場
先崎九段は1987年四段、竜王戦5組、B2 18回目の本戦出場

解説の森内「深浦は将棋も正確も着実、後輩から慕われている、研究家で粘り強さに特徴がある
先崎とは歳が同じ、先崎は将棋盤の上で人の思いつかないようなひらめきのある手を指しますし、将棋以外でも文筆活動やお話しなどでも定評があって、多才な棋士ですね」

事前のインタビュー
深浦「先崎さんは指し手が急所にくる感じで、非常に鋭いイメージがあります
色々振り回されるのかも知りませんけども、自分の将棋を指したいと思います」

先崎「深浦さんはすごい粘っこい将棋で、負かすのに骨が折れるタイプです
絶対あきらめないですからね、恐ろしいです
何ちゅうか、相手を何としてもあきらめさせるように、ギャフンと言わせたいと思います」

森内「先崎がいかに乱戦に持ち込むか」
事前の対戦成績は、深浦8勝、先崎4勝とのこと だがここ3戦、先崎が3連勝中とのこと

先手深浦で、ノーマル角換わりの相腰掛け銀になった
どんどん手が進む、編集してあるか・・・(^^;
森内「似たような形はあるが、この形は見たことがない」
という駒組みに進む え、こんな単純な局面が、もう森内でも知らないのか

攻め合いになった 
しかしこの後手の先ちゃんのほう、8一の桂は戦いに参加できない形で、こんなんでいいのか?
先ちゃん、「いやあー」とボヤいている
森内「どう先崎が手をつくるか」 というところ、先ちゃんは意表の飛車の動きで攻めかかる
森内「思い切った手ですね、どっちの攻めが速いか」

森内「先崎さんのネクタイ、目立ちますね」
聞き手の藤田「すごくオシャレなネクタイだなと思った」
森内「ハンドパワーですかね」
・・・白のジャケットに、派手な色のネクタイなんだけど、何、この柄は?
ネクタイでジャンケンでもしてるのか? 変だと思う(笑)

局面、一気の攻め合いに進んでいる  激しい将棋で、面白い
藤田「いやー、これは殴り合いですね」
森内「一つ一つの変化が詰む、詰まないに直結してますし、かなり読める局面ですね」
そろそろ終盤だというのに、まだ放送時間はたっぷり残ってる
まだまだ先が長いということか

深浦に気付きにくい手が出て、森内が称賛している
森内「おおー、これはすごい手ですね、勝ったら絶妙手」
まだまだ放送時間があるのに、森内「マラソンで例えると最後の一勝負」
先ちゃんが「いやあー」とまたボヤいている
これは楽しい一局だな

深浦の厳しい追求に、先崎「いやあ~、いやあ~、いやー、まいった、いやー、まいった」 
最近、対局中に何かつぶやく人というのも、めったに見なくなったが、先ちゃんは豪快だな~(笑)
先ちゃん、守りばかりを強いられ、追いつめられてる・・・
森内「声が出るっていうことは、あきらめてないっていうこと」
おー、なるほどな~ 先ちゃん、耐えろ~

そして手が進むと、なんと、森内「先崎にチャンスが来たんではないですかね」というではないか!
深浦、先崎玉を寄せきれず!
一気に反撃に移る先ちゃん 
森内「深浦玉が捕まりそうな気配になってきましたね」
おおーー、押せ押せだ~ いけいけ先ちゃん~

森内「後手の先崎としてはずいぶん楽になりましたね、局面は後手の勝ちになりました」
おおおおおーー、断言キター もらったーーー
森内「でもここであきらめる深浦ではないですから」

いやいや、これはさすがに勝てるだろう、もう負ける要素がなさそうだもん
先崎陣の8一の桂も、深浦玉の入玉を阻止し、見事にすべての駒が働いたなー、いや先ちゃん、良かったよ~
森内「この先崎の手は手厚い」
先ちゃん、自玉は安泰、相手の駒を取りながら攻めてる、勝った!

ところがところが!? なんか、先ちゃん、決め手を出せないでいる
ただ深浦玉を追っているだけ
手が広かったのはわかるけど、何かなかったかー?
森内「手こずってますね、ちょとあやしい・・・ またわかんなくなってきましたね
深浦の粘り強さはすごいですね、わけがわかりません」
ええええーーー?

先ちゃんは深浦の飛車を取って、飛車交換にしたのだが、深浦がド急所に飛車を打ち込んできた!!
森内「泥仕合になってきました、深浦恐るべしですね」
何この、深浦の飛車の絶大な威力!? 
わざわざ先ちゃんは飛車交換して、深浦にこの飛車打ちを指させてあげたようなもんじゃないか!

気が付けば、もう局面、全然先ちゃんがダメになってる
深浦の勝勢になってる  ・・・・なんでだああああああ
森内「深浦玉はすごい生命力ですね、この玉は捕まりませんね」
深浦玉は中段でずーっと空中遊泳

そしてついに、深浦が明快に先崎玉を詰め上げた 143手で深浦の勝ち
おおおおおおおーーーーいいい、なんでやねーーーーん

森内「2転3転の大熱戦だったと思いますね
先崎がはっきり勝ちだったところもあったと思うんですけど、深浦がものすごい粘りで決め手を与えず再逆転したということで、見ごたえのある大熱戦だったと思います」

この一局、私はショックを受けた
いったん勝ちが確定だと思ったところからの大逆転・・・ ギャフン!
全国の先崎ファンが「ギャフン」と言わされたこの内容、やはり私は先ちゃんのファンだったんだな、とあらためて痛感した

この一局を見た私の友人からメールがあり、「昔の大逆転将棋での矢崎滋を思い出した」と書いてあった・・・orz
せっかく深浦をここまで追いつめる棋力がありながら、最後を寄せそこなうドラマチックな終盤力・・・
「対局者2人が協力で寄せた」と思える先崎玉・・・ 先ちゃん、終盤のファンタジスタだね! 

もうどうしょうもないので、踊りを踊って終わりにしたい
「どうしてこうなった! どうしてこうなった!」  先ちゃん、さようならー
2016.09.09 今週の銀河戦
毎週、火曜と木曜に放送のある銀河戦
私が金曜ぐらいに感想を書いている

決勝トーナメントが今週からベスト8入った

▲菅井vs△屋敷
菅井の先手中飛車! 対抗形になった
菅井は完全に居飛車党になったのかと思いきや、まだ振り飛車も指すのだな
菅井が猛スピードで指し進め、鮮やかにさばき、こりゃー行けるぞ、という雰囲気になっていたのだが・・・
解説のハッシー「菅井に勝ちがありそうだが、見つけられるか」
しかし、菅井、痛恨の受けミスを犯してしまった 
逆転で104手で屋敷の勝ち  
ああー、私はせっかく「さばきの中飛車」を応援していたのに~、となってしまった
中飛車の会心譜のはずが、一手のミスでパーとなった ガクッ 

▲伊奈vs△広瀬
広瀬の5筋位取り中飛車で、対抗形になった
あら、広瀬も完全に居飛車党になったのかと思いきや、まだ振り飛車も指すのだな
この対局、双方が手堅く指し回し、戦いがなかなか起こらない
番組開始から1時間12分のところで、解説の森内が「お互いに方針を見出しづらい将棋になってきましたね」と言っていた・・・
時間がなくなり、広瀬の手に焦らされた伊奈が大技で一発勝負に出たのだが、広瀬に着実に対応され、広瀬の勝ちとなった
100手で広瀬の快勝
これなら、1時間ぐらい早回しして、そこから観てもよかったな・・・(^^;

屋敷と広瀬がベスト4進出となった
来週はベスト8の残りの2試合、横山vs中村太地、藤井vs梶浦が放送される
昨日のニコニコ生放送
叡王戦のベスト16の組み合わせを決めるというもの

事前のPVで、千田五段が、羽生さんがPONANZAと戦った場合のことを話していた
千田五段によれば、羽生さんの勝率を0.5%と予想するということだった
けっこうショックだった・・・ 200回やって1回しか勝てない計算か・・・
じゃあいったい、「適正な手合い」は何になるんだろう?と思った
どの駒を落とせば勝率50%程度になるのだろうか?

さて抽選会、1番目、山崎叡王が「9」を引く
そして2番目、注目の羽生三冠は、なんと「10」 山崎と当たり! 
こりゃ、まるでマンガだと思ったよ  いいねいいね~

羽生三冠が順当に勝ち進めば準決勝で天彦名人と当たりそう、ここが山場かな
決勝まで行けば持ち時間の長い3番勝負
羽生vsソフトが実現するには、まだ先が長いなあ

第2期電王戦は、1日制になったとのこと 
第1期電王戦では、山崎叡王は1日目ですでに事実上の敗勢になってたから・・・(^^;

次に、電王トーナメントの発表もあった
これは例年どおり・・・ しかし、使用するCPUがCore i7-6700ということで、私は残念に思う
せめて、去年と同じCore i7-6700Kのままに、なぜしておかないのか?
(去年のCPUと比べて性能が1割ほど落ちている)
使用するパソコンのせいで、しょぼい大会と思わせるのは残念だ

PONANZAはこの1年でまた去年のバージョンと戦って勝率が7割あるということで、どこまでこのペースを保つのか
自己PR文書で、「僅かな改善を重ねあわせている、つらい」という趣旨のことが書いてあった(笑)

最後に、電王戦合議制マッチ
これはまた、やる意義やルールで問題がありそうだと思った
問題点が4つ考えられた

1、そもそもコンピュータ側は合議で強くなるのか、かえって弱くなってないか
2015年版のPONANZAとnozomiと大樹の枝を使うということだが、PONANZA単体と比べて合議にする利点はあるのか?
これは人間と対局するよりも、3つのソフトの合議vsPONANZA単体で10局ぐらい対戦させてみればわかることなので、試してみてほしい 

2、2015年版を使うのは、もう古い
1年以上も前のソフトを使うのでは、いまひとつ参考にならない
開催が2016年の大晦日なんだから、2016年版のソフトが出てきてほしかった

3、持ち時間をどうするのか
人間側だけの都合を考えると、1手2分+1局2時間の合議タイム  これぐらいが良さそうと思う
この2時間の合議タイムは、使った分だけ減っていくというもの
しかし相手のコンピュータ側はどうするんだという問題が出てくる
今回のソフトたちは合議タイムなんか使わない、ただ3つ用意されただけ                
双方の持ち時間を同じにするには、1手5分くらいでやるしかないか・・・
そうなると、また終局までが長そうな予感がする・・・

4、継盤を使うのか
森下ルールでやった後、森下さん本人が「これは待った(に相当する行為)じゃないかと」と言っていた
あの継盤をまた使ってやるのか? しかし継盤がないと、どうやって3人が検討するのかという話になる

将来的には、ふつうの電王戦はもう終わり、「電王戦○○マッチ」というバラエティ番組ばかりになるかもしれないと思った
以上、感想でした
善治 ~「合唱曲 折り鶴」の替え歌~
叡王戦での羽生善治三冠に捧ぐ

元の歌 https://www.youtube.com/watch?v=-6u58p5GxzU

観る将でよかった それを感じたくて
ニコ生にお金を 私は落としてきた
苦しみのプロ棋士 悲しみの将棋ファン
傷つく電王戦 ここまで観戦した

このハンデルールでも 勝てないプロがいる
この安いパソコンに 負けちゃう棋士がいる

はばたけプロ棋士 ヨネさんの遺言 
はばたけプロ棋士 「おい、みんながんばれよ」

電王戦よかった それを見つけたくて
ドワンゴの興行 私は見つめてきた
この胸のいたみを 替え歌にたくして
ボロ負けの棋譜みて ここまでブログ書いた

観客が減り続けても 開催 意味がある
あとで歴史 振り返れば 戦う意義がある

はばたけ善治 もう勝ち目なくても
はばたけ善治 あなたが叡王へ

戦え善治 最強のソフトと
戦え善治 あなたなら奇跡へ
熊倉紫野女流初段 vs 山口絵美菜女流2級
対局日:2016年6月9日
解説:塚田泰明九段
聞き手:村田智穂女流二段

毎週土曜に囲碁将棋チャンネルで放送されている、女流王将戦
火曜に私が感想を書いている  本局は本戦ベスト16の第6試合だ

今回は熊倉さんと山口さん 熊倉さんは知ってる、おだやかで感じのいい人だ
だけど、山口絵美菜さんというのは全然知らない まだ実績がほとんどない新人なんだね
なんでも京都大学の4回生だそうだ へ~
画面に映った山口さんの顔、前髪に隠れてほとんど見えない・・・ ガクッ

解説の塚田「熊倉は振り飛車党から最近居飛車党に変わった、攻め将棋
山口は四間飛車穴熊を得意とする、攻め将棋」

先手熊倉で、サクサクと相穴熊に進む  山口は、得意の四間穴熊だ
さばき合いになり、熊倉が駒得だが、歩の枚数と駒の働きの関係で形勢は難しいのか・・・
山口が指した手に塚田が称賛、おおー、いいねー

それにしても塚田はよく手がポンポン見えるなあ  攻めの手を解説させたらそうとうなもんだな
・・・と言いたいが、塚田、いかんせん、滑舌が悪いorz 8割くらいしか聞き取れない、どうにかしてくれー(笑)
リモコンに「字幕」というボタンもあるが、大盤で解説するときは字幕が出るが、対局者の盤が映って解説しているときには字幕がでない
それに字幕が邪魔で盤が見にくい 
塚田~、アナウンス学校に行ったらいいのに(^^; 
鈴木カンナちゃんが行っていたそうが、カンナちゃんみたいな滑舌がいい人は、もう行かなくていいんだよなー(笑)

局面進んで、塚田「終盤勝負」
熊倉にうまい手が出て、ちょっとリードか~ 
そこで出た、まだ詰みなんかまだまだ見えないという段階で、山口が角を見捨ててタダで取らせる、かなりの勝負手を出した!
これはすごい発想! こんなん成立してるか~?
塚田「え? え? こうやるもんですか? ん~? 独特ですね、振り飛車穴熊をよくやってる人の手ですね」

そして塚田「熊倉、食いつかれてしまった感がある」
おお、山口の、あの角見捨てたのが良かったのか?
塚田「壮絶な攻め合いになりましたね」
楽しいな~ ここからまだまだ楽しませてくれ~

が、しかし・・・ 塚田「山口、ここは金を引くと危ないですね」
と言ってたのに、山口は金を引いた!
塚田「や~、引いた! いや引くのは危ない」
するとそのとおり、熊倉の攻めが、一気にツボに入ってしまった
急転直下、山口の穴熊がみるみる崩壊し、投了に追い込まれてしまった  
107手で熊倉の「辛勝」といえるだろう 
山口は最後にも、「間違えたら許さん」という勝負手を出したけど、熊倉に的確に詰まされてしまったね
一進一退の好勝負だった

塚田「山口が角を見捨てたのが好発想で、優勢になれそうだったが、そのあとの攻め方をもうちょっと繊細にやれば優勢を保てたはず」

感想戦では山口の守り方よりも、攻め方に問題があったとのことだった

なかなか面白かったよ 相穴熊、私は何年か前まで、全然見ずに、消していたんだけど、今は面白く見れる
独特の食いつきが楽しいね

女流の対局の場合、解説者が的確な解説をしてくれるというのが、すごく大きいプラス材料だと思う
男子どうしの場合、もう何が起こってるのか解説者にも理解不能という場合があるからなあ

ここ2局、塚田の解説は良かった、滑舌の面を除けば(笑)
熊倉さんと山口さん、なかなかのレベルの好勝負だったと思う、充分に楽しめたよ  
糸谷哲郎 八段 vs 渡辺明 竜王 NHK杯 2回戦
解説 中川大輔 八段

好カードだ  腕力自慢の糸谷に、2冠の王者渡辺  これはワクワクする

糸谷は2006年四段、竜王戦1組、B1 8回目の本戦出場
渡辺は2000年四段、A級、竜王・棋王の2冠を保持 15回目の本戦進出

解説の中川「糸谷は居飛車党の作戦家、ときに振る
序盤でリードを広げることを目指す、ただ粘りもすごい、時間攻めをすることもある
渡辺は本格派居飛車党、相手についていく  
後手番のときに作戦を凝らす傾向がある」 

事前のインタビュー
糸谷「渡辺さんには対戦成績も負け越しておりまして(渡辺8勝、糸谷4勝)、竜王戦を戦った相手
序盤から研究が深く、中終盤も力強い  序盤で作戦負けしないように創意工夫をして戦っていこうと思います」

渡辺「糸谷は早見え早指しで特にNHK杯では当たりたくない相手の1人
前回、何年か前に糸谷さんにはひどい目にあったので、だいぶ放送時間も余っちゃったと思うんですけど、今日はそうならないようにしたい、相手のペースにはまらないように気を付けたい」

先手糸谷で、渡辺が早々に角道を止め、持久戦になった
相矢倉での力戦に進む
中川「渡辺が角換わりを避けた、糸谷は乗っているときは相手がどんなに強くてもボンって突き放して勝ってしまうときがある」

渡辺が強硬策に出て、一歩損して攻めに出て、角交換になり、もう全く前例がない力勝負となっていった

すると糸谷が飛車をすーっと6八に振ってきて、6筋の攻めがもう受からないようだが? ありゃりゃ?
中川「ヘタをしたらいっぺんに糸谷の勝ちになる」
渡辺がまぎれを求めて戦線拡大、まだ始まって時間がほとんど経たないのに、すごいことになっている  
中川「もうただじゃ済まない、放送時間を気にしている場合じゃない」

番組開始からまだ22分というのに、決着しそうなぐらいの激しい展開(^^; 面白いな~
マジでこれ、渡辺、どうやって6筋を受けるんだ?と思って見ていると、なんと王手飛車の角打ちのラインで際どく受かっているとのこと!
ぐわー、これ、偶然じゃないんか(笑)  こんな受け方ってあるのか、予定どおりなのか?

そして中川「一時はどうなることかと思いましたが、落ち着いた」
あ、一気に決着とはならなかったか
相当分岐が多かったと思われるのに、2人ともまだ考慮時間を1回も使わないとは、なぜなんだろうか
実際、局後の感想戦では、いっぱい変化を考えていた

糸谷、渡辺陣を乱すべく、歩を2回、叩いて捨てたが、これを局後に後悔していた
その直後に、糸谷は千日手を狙うしかないという、ちょっと悲しい状況に・・・
しかし渡辺が「もう歩をもらったから今更、千日手は許さん」とばかりに打開
さっき、糸谷が2歩を捨てたのが効いてきたとのこと

渡辺の猛攻が始まり、中川「うわ、危なすぎるな、糸谷は大丈夫かなー」

そしてどんどん続く渡辺の攻め  もうどうにも止まらない~
こういう、「自玉が安全で、細い攻めをつなぐ」のをやらせたら、渡辺は棋界でもナンバー1なのではないか、と思うね
中川「パンチが入ってるように思えますねー」

糸谷も懸命に、延命策を模索する  
糸谷、どうにか勝負に持っていけないか、という手順だが、渡辺が逃してくれそうにない
気が付けば糸谷陣はバラバラ、玉は裸で無防備  一方の渡辺玉は無傷・・・
中川「渡辺、一連の鮮やかな攻めでしたね、寄せの筋に入っています」
うーん、この攻め、なかなかこう的確に指せるもんじゃない やはり渡辺は強い!

気が付けば、糸谷の持ち駒は「飛角角歩たくさん」 これじゃ受けれない・・・
中川「渡辺が途中で△2二玉と入った手が光っている、あの玉上がりはさすが」
いくばくもなく、糸谷が投了を告げた 114手で渡辺の快勝だった

中川「意外なところから戦いが勃発しまして、一時はどうなるかと思ったんですけども、6筋の揉み合いで渡辺が冷静に対処しましたね
強襲を見せながら、相手からの侵入をけん制しましたね
一段落したあと、△2二玉とさっと玉を上がった手が本局で一番印象に残る手でしたね
落ち着いて間合いを読まれてましたね」

私には、渡辺の攻めのうまさ、それがやはり強く心に刻まれたなあ
終盤、良くなってから手広かったと思うんだけど、最善と思われる手の連発で、相手をノックアウトしてしまう
最善を指さないと難しくなる局面から、いともあっさりと決めてしまう渡辺の強さ
渡辺はこうでなくっちゃね  いやはや、今回もお見事だった

糸谷は、考慮時間の使い方が失敗だったと思う
序盤がノータイムで飛ばし過ぎたと思えた  渡辺もノータイムだったから、つられたか・・・

最後は大差になったが、それも渡辺の正確無比な指し回しがあってのこと
人間どうしらしい一局で、面白かった  力戦は楽しい

渡辺は感想戦で「序盤が雑だった、勢いでこうなっちゃって」と言っていたが、それを指しこなす力量、頼もしい
まあ、コンピュータならこういう雑な序盤からのまとめかた、渡辺以上だろうな、とは思うが(笑)

あと、話題変わって、昨日、藤井聡太さんが四段になったということで、これから注目されるね  どんな活躍をするか、興味深いね