ぐあー、ショック・・・。
名人がコンピュータに負けたのとはまた違ったショック感がある。

まあ私は竹俣さんが出てるTVはことごとく観てなかった。
クイズ番組は観ないし、ワイドナショーはNHK杯の裏番組なので全く観ない。
激指とやねうら王の読み上げの人という感じ。ブログはたまに見ていた。
早稲田大学を卒業したら、NHK杯や銀河戦で聞き手になってくれることを楽しみにしていたのだがorz
人気の女流棋士に離縁状をつきつけられる将棋界か。
藤井聡太で話題になっても女流棋士ってまだまだ給料が低いんだろう。

女流で美人→アイドル扱い→写真集など出版→あっけなく将棋界を去る

バンカナから高橋和、竹俣紅へと続く、「美人女流棋士定跡」だね。
さようなら竹俣さん。
四間飛車上達法 
藤井猛著 浅川書房 2017年12月25日初版発行 1400円+税
評価 A  難度★★~★★★★ コンセプト<最速有段者への道!藤井理論で四間飛車の真髄を体感せよ>

本書は、みなさんがすでにAmazonや棋書ミシュランで大抵のレビューはしてある。私はそれらとかぶらないようにしたい。

この本のカバーの後ろのページによると、本書は中級向けということだ。
そして、初心者~四段向け、とも書いてある。わざと棋力対象を広くした内容となっている。
私が知りたいのだが、実験で、初心者にこれを読ませたらどうなるかということ。
駒の動きを覚えた、一手詰みを覚えた、対戦もそこそこやった、じゃあ次は戦法か?と普通はなるだろう。
そこで早々にこの本を読ませちゃう。
すると何人かに一人くらいは、四間飛車の真髄をあっさり悟り、ぐんぐん棋力を伸ばすのではないかということ。
本書はそういう期待をさせてしまう内容だ。
本書は他の四間飛車関連本を読むときの助けにもなる。

もちろん私自身、面白く読ませてもらった。第2章の急戦編は最高に楽しかった。
持久戦編は、実戦編が「もっと典型的な棋譜はなかったのか」と思えてしまった。

評価がSでなくAにとどまった最大の理由として、やはりボリューム不足はいなめない。
藤井先生が何度も言う「四間飛車の幹(みき)」or「四間飛車の軸(じく)」が作られるにはこの分量では足りない。
まあそこは他の本で補えということなのだろう。

対抗形の四間飛車側というのは、軸を作りやすい戦法なのだと思う。
この軸というのが作られてないと、いつも行き当たりばったりになってしまう。
実戦が事前の研究(軸)どおり行かないのは当然なのだ。しかし軸を作っておくことで、応用が利く。
野球のバッティングで言えば、まずど真ん中のストレートを打つ練習をする。
あるいはティーバッティングやトスバッティングで打撃のフォームを固める。
それができてのち、変化球を打つ練習や実戦をする。上達を考えれば、これが当然だ。
将棋もそうあるべきだというのが藤井理論の真髄だと思う。

S評価にしたいのだけど、ボリューム不足と、「相振りはどうすんねん問題」があるんで、Aになってます。

以下、初版本で私が確認した誤記
↓ P92 D図 ▲6六飛までの図面。後手番。
「△6四歩には▲7四歩」と本文にはありますが、▲7四歩以下△同銀▲6四飛△6三銀▲6六飛と普通は進みますが、それは元のままの局面で千日手コースです。振り飛車が有利なので千日手は損です。△6四歩には▲7四歩以外にすべし、との激指14とtanuki-2018の検討結果です。

四間飛車上達法P92

P151 第10図 後手の持ち駒に歩があるはず。(図面は省略)
先崎学&中村太地 この名局を見よ!21世紀編 
先崎学・中村太地著 
マイナビ将棋BOOKS 1540円+税 2018年11月30日 初版第1刷発行
評価 A  難度★★☆~  コンセプト<2人が名局を14局選んでポイントを解説>

まず、前作の「20世紀編」を私は買っていない。
この本を読むにあたり、私は盤と駒を用意し、「さあ、久々に棋譜並べをするぞ」と気合を入れていた。
しかし、読み進めるにしたがって、「別に盤駒は必要ないわ」となっていった。

この本の一局ずつの取り上げ方は、一番見せたいテーマ図を冒頭に持ってきていて、なぜその一局が選ばれたのか、読者にわかりやすくなっている。
符号に対して図面の割合も多い。普段「将棋世界」を読んでいる人なら、「図が多いのでありがたい本だな」と思えるだろう。
そのため私は、わざわざリアル盤駒を出して並べようという気が全然起きなかった。
ありがたいといえばありがたいが、拍子抜けといえば拍子抜け。
この本は棋譜並べ用の棋譜集ではなく、読み物だ。(総譜も章末には載ってるが)

冒頭に、次の一手を考えさせる問題図(そこがテーマ)がある。このやり方はとてもいい。読者が自分の頭で考える機会も必要だ。
先崎と中村太地のコンビネーションは安定している。感情を出しボヤく先ちゃんに太地が理詰めでフォロー。グッド。

この本の欠点としては、図面と次の図面が符号ではつながっていない箇所がある。(つまり読者は、突き放される)
そして解説がどの図面からの話をしているのかが、わかりづらい箇所も少々あった。

本の難度だが、5手詰ハンドブックをがんばれば解けるくらいでないと、この本を理解できるかが不安だ。
ただいつも思うが、私は24の初段付近であり、私にはこの本は楽しく読めた、という他ない。
低級者が理解できるかは、実際に低級の人が読んでレビューするしかないと思う。

14局の中で私が1番面白かったのが、▲松尾vs△藤井猛の一局。(2014年7月17日・順位戦B1)
これは藤井猛の「居飛車版・藤井システム」と呼びたくなるような指し回しが炸裂。
先崎と太地、よくぞこれを取り上げてくれたと、拍手ものだ。パチパチ。
2番目は中田功の三間飛車。▲elmo対△Ponanzaも良かった。

先崎さんは「21世紀編というタイトルをつけるということは、もう先はないようである。俺たちの旅はまだはじまったばかりだ!といわせてもらって、シリーズ化を秘かに画策したい」と書いておられる。
棋譜というのは、料理で言えば「食材」だと思う。食材をどう料理するかは、先崎さんのような語り手たる「シェフ」にかかっている。
良質な棋譜はもう山のようにあり、今も毎日量産されている状態だ。
先崎さん、これは美味しい宝の山を見つけたかもしれん。          
出版社・連盟・対局者・著者・読者、全員がWin-Winの関係でシリーズ化なるか?
ひと目の角換わり 
長岡裕也著 マイナビ将棋文庫 2015年2月初版発行 1100円+税
難度 ★☆~★★★★(初級から有段向け)
評価 A
コンセプト<角換わりを次の一手形式で学ぶ>

次の一手が180題。角換わりの基本、棒銀、早繰り銀、腰掛け銀の4章からなります。
最初のほうは、簡単な問題が続いており、「24の有段者をナメんなよ」と私は感じて解いていました。
しかし、腰掛け銀に進んでから、どんどん難しくなりました。
最後のほうは「すいません、私は角換わりをナメてました、もう難しい問題はかんべんしてください」となってしまいました。
本当にムズイ、途中から手に負えない・・・。ただ、長岡先生も第166問では「ここからは定跡化されている非常に難しい終盤戦となります。一手一手正解するつもりではなく、盤にならべながら雰囲気を感じ取ってください」と書いておられます。
24の高段者でも全問正解は到底無理でしょう。
相腰掛け銀は盤全体に戦いが及び、考えることが非常に多い。ちょっとの駒組みの手順前後で攻め方が変わってきます。
そしてギリギリの攻めをつなげる技術も要求されます。
本のタイトルが「ひと目の」ということなのに、この難しさはどうなってんの(^^;

この本では定跡はあまり扱っていません。たとえば棒銀で△5四角と打つ変化などは全く触れられていないです。
角換わりの定跡を学ぶにはまた別の定跡本が必要。この本は次の一手本と割り切るべきです。
角換わりでの次の一手本はこの本ぐらいしかないので評価が高くAとしました。

角換わりのエッセンスが詰まっていると感じました。
今私は一周しただけですが、何週もして身につけるべき本だと思います。
ニコニコ動画 
~松任谷由実「卒業写真」の替え歌~

元の歌 https://www.youtube.com/watch?v=4Vb__BlYNDE

ニコニコ動画のヨネさん
https://www.nicovideo.jp/watch/so20075169


電王戦があると 開くウェブのページ
ニコニコ動画のヨネさんは やさしい目をしてる
ガンで亡くなったとき 何も言えなかった
ニコニコ動画の面影が 激ヤセだったから

Ponanzaに負かされて 変わってゆく棋士らを
あなたは ときどき 遠くでしかって

昔たくさん指した 純文学の矢倉
ソフトの影響で今はもう 急戦で見るだけ

あの頃の指し方を 棋士らは忘れないで
流行りは ソフトの 戦法そのもの

AIに流されて 変わってゆく棋士らを
ファンらは ときどき 遠くでしかって
将棋は 私の 青春そのもの
「将棋神やねうら王」を買って、遊んでいるわけだけども。
買うべきか迷っている人もいると思う。

買う前の私の場合の状況は、
・激指14ではもの足りなくなってきた
・ShogidokoroとShogiGUIをすでにダウンロードしてあり、技巧2などの5つのフリーソフトが使える
・しかしぽんぽこはダウンロードがややこしいため、まだダウンロードしてない

将棋神やねうら王。Amazonで¥10,143 で購入。
まず、インストールに2時間くらいかかりました。これはソフトの仕様のようです。
それからアップデートをしたのですが、これがうまくいかない。
ウイルスセキュリティがらみと思われ、何回か試してようやくアップデートができた。
最初からウイルスセキュリティをオフにしてから、アップデートのファイルをダウンロードしないといけなかったみたい。

将棋神やねうら王のメリットは、なんといっても強いこと。
含まれる5つのソフトの中で最強のtanuki-2018年度バージョンが入手できる。
これがフリーソフトで同じものが入手できるのかは、私にはわからない。
(ぽんぽこは名前が色々あるのでややこしいため)

フリーのGUIに劣るところは、
・形勢グラフがない。そのため棋譜解析もない。
・棋譜コメントが表示されない。
・駒をドラッグしても、駒がついてきてくれない。このため盤面編集がやりづらい。
・検討モードの「深さ」の数字の意味がわからない。15/24とか表示されても、どれだけの棋力なのか。
・スレッドとハッシュの意味がわからないので、カスタムしようにも私には不可能。自動でも遊べるけど。

上記の欠点は、まだアップデートで修正されるかもしれませんが。
形勢グラフがないっていうのは、1万円するソフトでは考えにくい欠点。
検討モードの深さは、ShogiGUIなら例えば「思考中 プロ6.03段」と、わかりやすくしてある。
ShogiGUIは、結局どっちがどれだけ有利かも、左上の点数ではっきり表示している。
激指シリーズの検討モードのわかりやすさは圧倒的。
将棋神やねうら王の検討モードは、Shogidokoroと、ほぼ同じ仕様。

将棋神やねうら王は操作に対するレスポンスは快適で、フリーズなどしたことは一度もないです。
この点は、レスポンスが遅いことがあるShogiGUIに優る。

将棋神やねうら王で、駒落ち(2枚落ち)で何度も挑んだが、序盤はソフトはうまくない。
人間上手のようにはやってきてくれない。しかし中盤以降は、めちゃくちゃ強い。
それも、最強の「将棋神」設定でも一手4秒くらいしかつかわない。
竹俣さんが読み上げをしてくれるのが、何気にやる気を出させてくれる。
私ごときでは2枚落ちで勝つのは無理かも・・・。今のところ勝率1割程度(^^;
もっと私が時間を使って考えれば勝率が上がるのだろうが、私はCPUが相手だとすぐ指してしまう。

tanuki-2018の10級と平手で指したら、角交換した場合、CPUはすぐに取られるところに角を打ち込んで自爆することがある。

結論として、ShogiGUIでぽんぽこ(tanuki-シリーズ)のフリーソフトが使える人は、買わなくてもいいんじゃね?と思う。
それが正直なところ。機能豊富なShogiGUIが無料とは、あらためてそのすごさを思い知った。
将棋神やねうら王より、激指のほうが将棋ソフトとして使いやすさはかなり上。

3回目のアップデートで変わるかもしれないけど、あんまり遅くなるようだとフリーソフトでまた別の強いのが出てくるかもしれない。
私はやねうらおさんを応援したいので、最強ソフトが1万円ならば。
画像を貼り付ける3パターン目。
外部ページに頼らず、Kifu for Windows から局面を取り込む方法。
備忘録として書いておきます。しかし、こんなにややこしいのか?

・Kifu for Windowsのファイルから棋譜と局面を選ぶ
・右クリックして「局面の印刷プレビュー」をする
・青い枠でトリミング(不要な部分の切り取り)をする
・その画面のまま右クリックして、名前をつけて画像を保存する、このときGIF形式を選ぶ
・FC2ブログ(私のブログの場合)の管理ページへ行く
・たくさんのアイコンの中から緑色の「ファイル挿入」のアイコンを選ぶ
・Kifu for Windows のファイルから、すべてから選ぶを選択する
・目的のGIF形式ファイルをドラッグしてF2ブログにドロップ
・「アップロード」をクリック
・「この画像で記事を書く」を選び、文章を書く


 伊藤かりんvs森内 二枚落ち67手

ここで伊藤かりんちゃんの次の一手は? 正解は下に。






かりんちゃんの次の一手は▲6四同飛の決断でした。好手。以下△同玉▲9七角から寄せに行きました。
この後、待ったを一回してしまったものの、森内九段に好勝負をしたことで、かりんちゃんは初段を認定されました。(2018年3月)
引き続き、図面の貼り方を違うパターンでもう一つ試してみます。
「Shogipic」というページから作りました。
<参考>Shogipicで棋譜の取り込みがうまく行かない場合
・先にKifu for Windowsでファイルを選び、編集→局面のコピー→通常としておいてから、Shogipicに張り付けるとうまくいく場合がある。
・最終手強調は、チェックを入れた状態で、最後にマウスでクリックした駒で変わるので、それを使おう。



この図は知っている人が多いはず。ここで菅井が▲4六角と指し、反則負けに。
しかし朝日新聞の25日夕刊によれば、なんと対局相手のハッシーは反則と気づかずに△5五銀打と指し続けたという。
ハッシーは記録係が秒を読むのをやめたので、読み続けるようにうながした。
記録係が菅井に「その角はどこから来たんですか」と訊いて反則を指摘したという。
ハッシーも相当おかしい・・・。

まあそれはいいです。この局面、激指14のpro+によれば、+340で先手有利。
tanuki-2018年版によれば+1628という差がついている。(深さ49分の26)
激指とtanuki-双方、7分くらい考えさせたのだが。
ずいぶんと点数が違うものだなと思わされる。やはり激指14ではもう古いのか。
(もう一度激指14で計測してみたらpro+で+439という数字。さっきよりは上がった)

ところで、私は将棋神やねうら王を買ったのである。
だからtanuki-2018年版を持っているのである。(tanuki-シリーズは、ぽんぽこという名で有名)
そこの説明に、tanuki-2018年版はCPUの温度が上がりやすいので注意してください、と書かれている。
私はCPUの温度がわかるソフトを持っているので、調べてみる。
何もしてないときは23~24度。
激指14で検討中は58~59度。
やねうら王2018年版で検討中は51~53度。
tanuki-2018年版で検討中で53~54度。
あれ、激指14が一番、温度が高い・・・。(上記図を1分くらい検討させたところで温度を計測)
ただし将棋神やねうら王のソフトは、カスタムでハッシュやらスレッド数を変えられる。
私はそれらが分からないので自動のままにして温度を検出した。
まあ将棋神やねうら王については、またそのうち何か書くかもしれない。
試しに図面を載せることにチャレンジしてみます。
「局面図を Webで作成 - 将棋盤局面図を作成」というページで作りました。


囲碁将棋チャンネルで、この10月から始まった瀬川さん特集。
2000年8月31日の第9期銀河戦Aブロック2回戦。(1回戦は瀬川さんの不戦勝)
▲瀬川vs△窪田で、下の図面。今91手目▲7六歩と打って守りを固めたところ。



どう見ても窪田が大優勢だ。もう瀬川さんに手がなく、これは全ゴマされるか、というところ。
しかし、ここで何を思ったか、窪田が△4四角とぶつけたのがココセの超大悪手。一手パスしたほうが100倍マシだった。
以下、▲同馬△同金▲5一角と進み、一気に形勢混沌となった。
終局直後、窪田は「魔が差した・・・」とつぶやき、うなだれた。(^^;
ここから瀬川さんはこのブロックで怒涛の7連勝を挙げる。
もし窪田が△4四角でなく普通に△3五角と指していたら、瀬川さんの運命は変わっていたはず。
囲碁将棋チャンネル、この時期に瀬川特集を再放送したのはナイスな企画。パチパチパチ。
今観ても、瀬川さんの活躍はそうとう面白い。
順位戦の各クラスの今期人数から昇級と降級の確率を計算してみました。
ただの割り算です。少数第2位を四捨五入しました。

<昇級確率>
A→名人挑戦 10人中1人 10%
B1→A 13人中2人 15.4%
B2→B1 24人中2人 8.3%
C1→B2 39人中2人 5.1%
C2→C1 49人中3人 6.1%

<降級確率>
A→B1 10人中2人 20%
B1→B2 13人中2人 15.4%
B2で降級点 24人中4人 16.7%
C1で降級点 39人中7人 17.9%
C2で降級点 49人中9人 18.4%

注・B2とC1は降級点2つで降級。C2は降級点3つで降級。
なおフリークラスは現在28名。

上がるほうでは、C1とC2がキツイ。B1からAに上がるのは他と比べて高い。
落ちるほうは各クラスそんなに差がない。Aが落ちやすく厳しいことがわかる。
C2で降級点も地味にキツイ確率。

ちなみに三段リーグはどうか。10月から始まった最新のリーグは参加が33人。
四段になれるのは2人なので確率は6.1%。ただし半年ごとのリーグ。
コンピュータは将棋をどう変えたか? 
西尾明著 マイナビ出版 2018年10月31日初版第1刷発行 1800円+税
難度 ★★★★~ コンセプト<コンピュータの新しい指し方をまとめた本> 
評価 A

コンピュータは(主にプロの)将棋をどう変えたか。ワクワクして読みました。
内容は期待どおり。勝又教授の新手年鑑に似ています。
本書はプロの最先端の研究と言ってもいいので、凡人が理解するのに苦労します。それはもう仕方ないですね。
中でも激ムズのところは、相矢倉。ここは難度最高で、私の脳レベルではどうにもならず、もう投げ出しました。
そもそも相矢倉の従来の定跡がわからないわけだから、それをコンピュータがどう変えたか、なんて・・・。

ただ、たくさんコンピュータの新手を見れるので、必ずしも理解できずとも私はそれなりに楽しみました。

振り飛車についてのところはかなりボリューム的に寂しく、21ページ分しかありません。(全310ページ)
あとは全部相居飛車についてです。

もうね、コンピュータがプロに影響を与えまくり。新手、新戦法、新構想が、たっぷりです。
コンピュータが全部の戦型に影響を与えてるのがわかります。

電王戦の棋譜をはじめとして、私が知っている棋譜がかなり紹介されています。
知っている棋譜が出てくるとうれしいのはなぜ(^^;
西尾はフラッドゲートからも大量に取材しており、西尾さんはよくがんばるな~と尊敬してしまいます。

これだけコンピュータが新しい指し方を示すと、ため息が出ます。
人間が自分たちの考えだけで指していたら、あと100年かそれ以上、気づかなかっただろうと思える指し方をコンピュータがバンバン見つけてくる。人間はそれをありがたく拝借する。
今後の将棋は、人間はコンピュータの下請け作業をやっているようなものになってしまいませんかね?
これからどうなるのか、心配してるんですけど。

ただ、まだしも救い、なのが、コンピュータによって作戦の幅が狭まるのではなく、あれも有力これも有力、となってきていることです。将棋の可能性はまだまだ広い。それをこの本から感じたのは良かったです。
もう一つの戦い ~浜田省吾「もう一つの土曜日」の替え歌~

元の歌 https://www.youtube.com/watch?v=ZXhDTCKH3qM

昨夜 眠れずに 泣いていたんだよ
プロ棋士がソフトに 負け続けて
ニコ生のコメントで 俺は笑うけど
瞳ふちどる 悲しみの影

息がつまる程 AIに押されて
電子書籍で 将棋世界を読む
ただ週末の わずかな NHK杯を
つなぎ合わせて 俺は生きてる

もう電王戦は 忘れてしまえよ
まだプロは強く その頬の涙
乾かせる聡太が この将棋界で
ファンのために 勝ち続けてる

Woo 指す意味を Ha-Woo 探して 探して

ソフトを想う時 喜びと悲しみ
ふたつの想いに 揺れ動いている
羽生を はるかに上回る その棋力が
時に俺を 傷つけてしまう

今夜 一局指そう スマホのアプリに
飛車角 落として 指導してもらおう
この週末のNHK杯 誰が出るかな
たとえ名も無き C2のプロでも

Woo まっすぐに Ha-Woo 見つめて 見つめて

プロとソフトとの 共存共栄
叶えることなど 出来ないかもしれない
ただいつも プロ棋士に 強くあってほしい
受け取ってほしい この願いを
受け取ってほしい この心を 
本戦Fブロック 1回戦
渡部 愛女流王位 vs 島本 亮五段
対局日:2018年9月7日
解説:横山泰明六段
聞き手:谷口由紀女流二段

昨日、囲碁将棋チャンネルで放送があった銀河戦。
里見は脇に負けたので、残る女性は渡部一人のみ。
渡部愛(わたなべ まな 25歳)という人はあんまり目立ってないイメージがあるが私が知らないだけか。
相手がシマーなら勝ち目があるんじゃないか。

先手渡部で得意戦法だという居飛車。
対してシマーは相居飛車で雁木か、と思いきや、なんと右金を△4三金~△5四金~△6五金で攻めに使ってきて、まるで「玉頭金」戦法。
そこからシマーはさらに四間に振ったので、これには解説の横山も、あ然。
横山「なんていう戦型なのでしょう、急所が全くわからない」 これには笑った。
初心者並だろ、シマーのここまでの駒組みは(^^;

中盤、互いに相手陣を破壊し、一手違いの終盤へ。
渡部の攻め駒が足りないようで、あー、こりゃもう渡部は負けたか、と私は思っていた。
が、渡部がうまい手でシマー玉に詰めろ詰めろで迫る。もう双方30秒将棋。
うわ、こりゃシマーのほうも絶対間違えられない、面白くなってきた! そこでシマーが魅せた、玉の早逃げ2回!
おお、さすが男子プロ! なんともフトコロが深い。

が、その直後、シマーは攻めの手を指し、今打った駒がタダで取られるという状況に。
違和感のある手順。うなだれて、天を仰いだシマー。 な、なに、シマーに何か勘違いが? 
どうなってる? こりゃ大ミスか、渡部さん、金星もらったか!
と私は興奮していたのだが・・・ 早逃げしたシマー玉に迫る手が見当たらない。
しかし渡部玉にはまだ手がかりがないから、もしかして渡部玉は詰まないかも、と思っていたのだが、シマーは手番を握るや、大量の持ち駒を活かして、鮮やかに長手数詰に打ち取った。最後の詰みはシマーはノータイム指し。
124手でシマーの勝ち。

終盤でのシマーの、ミスに見えたタダ捨ては、終わってみれば絶妙手だったぽい。すごい。面白かった。

ああー、渡部さん、力負け。その表現がピッタリ。渡部さんも存分に力が発揮できる力戦形だった。
地力の強いほうが勝ったという一局。負けたのは、もうしょうがないか・・・。
相撲でいえば、技を出し合い、相手を土俵際まで追いつめたものの、こらえられて、豪快にぶん投げられてしまい勝負ありという感じだ。

シマーはユニークな作戦を採用して視聴者を楽しませてくれた。
シマーは色々やって、将棋の可能性を見せてくれているのだ。
これからも変則戦法でよろしく。
シマーのフロンティア精神とサービス精神に拍手を送りたい。パチパチパチ。
リボーンの棋士(1) 小学館 2018年10月3日初版第1刷発行 591円+税
鍋倉夫著  棋譜監修 鈴木肇
評価 A

毎週月曜にスピリッツで連載されています。しかし休載される週も多いです。
そしてスピリッツ自体が合併号のときもあるので、毎週は読めません。
私はコンビニで立ち読みするのを楽しみにしているのです(^^;
で、コミックスが出たので買って読んだら、やっぱりとても面白い!買って良かった。
ちなみに私の母にも無理やり読ませたところ、かなり好評でした。

(いまのところ)このマンガは、挫折を経験した人たちの人間模様を描いてます。深い心理描写が持ち味。
元奨で暗い性格のほうのキャラがツボに入りました。いかにも居そうな性格で。
そして、東大出のエリート商社マンも、ナイスなキャラ設定。奨励会に挑戦することを許されなかったという経歴。このキャラの少年時代のエピソードは心に沁みました。

私のレビューよりも「棋書ミシュラン」のレビューが素晴らしいので、そちらを読んでください。
このマンガ、これからもこの調子で頼みます。
ここから安易なサクセスストーリーにならないようにしてほしいです。
サブキャラでのスピンオフ作品を今から期待してます。
増田康宏の新・将棋観 堅さからバランスへ
増田康宏著 マイナビ将棋BOOKS 2018年10月31日初版第1刷発行
難度★★☆~ コンセプト<増田の工夫を自戦記で12局紹介> 1540円+税
評価 A 

「矢倉は終わった」「詰将棋、意味ない」で知られる若手棋士、増田康宏六段の著作。
私は増田のファンなのです。ビッグマウスは素晴らしい。若手はそれでこそ面白い。
「将棋世界」の「イメージと読みの将棋観」でも、増田は矢倉は終わったと言い続けて郷田と張り合っているのが頼もしい(笑)

雁木、角換わり、相掛かり、対振り飛車の4章に分け、それぞれ3局ずつで計12局の自戦記となっています。
この本の特徴としてあるのが、「聞き手役」が存在し、進行役を務め、かつ的確に質問していることです。聞き手の棋力設定はアマ中級~上級程度でしょうかね。
この聞き手の存在のおかげでそうとう分かりやすくなっています。本にはこの聞き手が誰なのかは書かれていません。
(ただ、構成・内田晶と書かれているので、観戦記者の内田晶氏が聞き手なのかもしれません)
対話形式のおかげで私には楽しく最後まで一気に読めました。読了の所要時間は3時間強~4時間弱くらいでしょうか。

取り扱っているテーマも、個人的に興味深いものが多かったです。新感覚の雁木、角換わりの速攻、相掛かりの棒銀の受け方、対振り飛車での角交換で居飛車の駒組み。これらはどれも私好み。まるで横歩を取れない居飛車党である私のためのチョイスのよう(^^;
しかも増田の先手番が3局のみであとは増田は後手番。(それも先手番3局の内、2局は対角交換振り飛車)
相居飛車の後手番を増田はどう工夫して戦っているか、が分かる内容となっており、とてもうれしいです。
(本の中では後手番のときは便宜上、先後逆で解説されているので読みやすい)

対戦相手は12人中8人が若手です。これもいいと思います。

第1章の雁木は、私には目新しいことが多く、とても楽しかった。指し手の難度も低め。私は後手番で困っているので雁木を採用しようかと。
しかし第2章の角換わりの2局は、指し手の意味が異様に難しいです。
角換わり相腰掛け銀の総力戦、そしてやはり角換わり相腰掛け銀で相手の陣形が乱れるのを待つ手待ち。これは難しかった・・・(^^; 
残る1局は右桂跳ねで一気の速攻、これは痛快。
第3章相掛かりは先手棒銀に対し後手はどう対応するかが2局。もう1局は出だしでの超ありがちな十字飛車対策。
第4章は角交換振り飛車対策が2局。角道止め振り飛車穴熊対策が1局。

1局を通して解説したあと、どこがポイントだったか3~5ページの振り返り解説がありますが、そのおかげで分かりやすさが増しています。

本書で一番重要な肝として、序盤の駒組み~中盤での戦い方、があげられ、それぞれの対局で目新しいところがあるのが素晴らしい。

対話形式でNHKの講座を見ているみたいな感じで読むことができます。
従来の定跡本よりもテレビ番組に近い雰囲気。

しかし問題もあります。「将棋情報局」のホームページに「初級~中級向け」と書かれてあります。
プロの実戦譜が初級者にどれだけ理解できるのでしょうね。いくら対話形式と言っても、限界がありますよ。
この本は最大11手、符号で次の局面(図)に進めていました。
11手を頭の中で動かす必要があるわけで、初級者にそんなことができるとは思えません・・・。
終盤での増田の切れ味は鋭く、すんなり理解できればそれだけでアマ上級以上はあるかと。

読み物としてコラムが5つ、そして巻末には棋譜並べ用に12局の総譜付き。(1局につき2ページ使い、ここにも解説があります)
増田はソフトにも敬意を払っているところがいいです。
私はビッグマウス増田のファンでしたが、この本で増田将棋のファンにもなりました。

こういう対話形式の実戦解説本、新たな流行になるといいですね。構成の内田晶氏のまさに「新・将棋本観」と言えましょう。とても良かったです。私にとっては積読の将棋本にならなかったので、それだけで試みが成功してますよ(笑)  パチパチパチ。

藤井聡太もいいけど、増田康宏にも注目ですね(^^)