このブログがしばらく更新なく、もう取り立てて書くことも何もないかと思っていた。
しかし、今、私は将棋講座を観まくっているのだった(^^;

観る将というのは、「対局を観る将」というのが一般的だろうが、私は「講座を観る将」になっている。

もうスマホに抜かれたプロ棋士たち。24ではAIがガンガン、すさまじいパフォーマンスを見せている。
AIと比べたら、プロの指し手って、穴だらけじゃん? プロどうしの対局を観るのはどうも気が進まない・・・。
おまけに、自分で将棋を指すのもめんどうだ、本を読むのもめんどうだ。

そんな私に、TVでの講座がピッタリと、はまった。
講座ならプロ棋士は、そうとう精度の高い手を見せてくれる。しかも解説も、実にうまい。
対局じゃないから、私が負ける心配もない。電王戦のようにプロが負ける心配もない。
プロが駒を動かしてくれるから、とっても楽ちん。
そして知識が得られる。知識が身につくかは別だが、まあ楽しければいいんだ。

まずNHK。中村太地の角換わり腰掛銀の講座。
これ、私は居飛車党でそこそこの棋力があるから観てて楽しいけど、需要はどれだけあるの?
と心配になる。NHKはなるべく多くの人が観る内容の講座をするべきでは・・・。

以下はスカパーの囲碁将棋チャンネルの講座。
高野秀行は初級者向けが抜群にうまい。学校の先生みたい。
門倉の、石田流と角交換四間、安定感が高い。後手石田流に個人的に興味深々だった。
中川の右四間、力強い。
佐藤慎一、なんでそんなにカッコつけるの(^^; でもキャラが立つので良いね。
遠山の石田流、もっと観たい。
飯野健二先生、歳を取ったなー。
深浦の角換わり腰掛銀、超のつく難度。ムズすぎて6回目で挫折・・・。
増田康宏の雁木、最初の3回はついていけたけど、私は挫折するだろう。
飯塚の奇襲、最高だ。第1回からまた再放送してほしい。
大穴が、三枚堂の、まさかの詰将棋講座。これが意表を突いて、私に合った。
極めつけ、藤井猛の角交換四間は極上の理論的な解説。堪能した。

「探して毎回予約」の録画を多くするもんだから、録画するレコーダーが「これ以上、多くは予約できません」と言ってきた(^^;

囲碁将棋チャンネルの講座の欠点としては、何が、いつ、何本放送されるかが、かなりランダムで、すごく散らかってる感じ。
一本10分で全13回か全26回なんだから、月決めで、月の初めか15日からの放送開始で、そろえるようにしてくれたらいいのになあ。ホームページで調べても、そうとうわかりづらい。知らぬ間に、ひっそりと、別の講座が始まっているんだ。
そして週1本だけ放送のものもあれば、2本、あるいは3本まとめて、があり、入り乱れてる。講座の番組表、もうぐっちゃぐっちゃ。
そこにさらに、藤井聡太の特番生放送がぶち込まれるもんだから、講座の放送が変更だらけの状態。
あと、今の、最新講座が存在しない。今は再放送だけで構成してる。さみしい。よくあることなのか?

私の他の要望としては、女流がもっと講座の講師をしてほしい、ということだ。
藤田女流の初心者向けは、笑えた。あの探偵事務所のオープニングは誰が考えたのか。最高だった。
(藤田綾 講座 でググればニコニコ動画で見れます)

講座は、プロ棋士が精度の高い手を見せて、そして解説してくれて、私は満足している。ビバ、将棋講座!
第28期 銀河戦 本戦Dブロック 2回戦
星野良生四段 vs 里見香奈女流五冠
2019年9月3日
解説:近藤誠也六段
聞き手:谷口由紀女流二段

注目の里見の登場。
先手星野で、▲超速3七銀vs△ゴキゲン中飛車。
ねじりあいが延々続く、大熱戦になった。
最終盤、里見が勝つ権利を手にしたのだが、星野があきらめず、攻防の妙角を放ち、逆転。
133手で星野の薄氷の逆転勝利となった。

里見は負けたが、本局では「里見強し」を印象付ける内容で、とても良かった。
感想戦でも、里見は、すぐに「どうすれば自分が勝っていたか」を指摘して、レベルの高さを証明していた。
充実した里見が見れて、私はとても満足している。
第28期 銀河戦 本戦Bブロック 2回戦
折田翔吾アマ vs 伊藤真吾五段
2019年8月30日
解説:阿部光瑠六段
聞き手:真田彩子女流二段

簡単な紹介だけの記事になってしまう。
先手折田で、極限早繰り銀。伊藤がそれをがっちり受け止める。
中盤、歩の数だけ後手の伊藤がリードした、との解説の阿部の評。

終盤、双方の飛車の働きに差が出て、伊藤がリード。
折田、苦しい。まだ指すか。なかなか投げない折田。
伊藤が完全に勝つ権利を手にし、ついに決めに出た。

伊藤が詰ましにいったからには詰むはず、詰むはずと言う阿部。だがだんだん声が小さくなっていった(笑)
なんと折田玉、詰まず! 劇的な大逆転~! 折田が109手で見事、勝利をつかんだ。やったーーー。

阿部「早指しの怖さが出た」

いやー、この1勝は大きい! もう完全に負けの将棋を拾って、これで2連勝。運も味方しているが、最後まであきらめない執念と、そして複雑なほうに玉を逃げる技術が、折田さんを勝ちに導いていた。感想戦で、折田だけが自玉の明解な詰み筋に気づいていた。
伊藤にしてみたら、明らかに勝ちの局面から、詰ましにいって詰まず、大逆転。そうとう悔しいと思う。
これも将棋の醍醐味だね。
折田さんは次回は黒沢五段と。次も楽しみだ。 ところで阿部光瑠は、やせて電王戦のころとは別人のようだね。

個人的に、「極限早繰り銀に対する後手の守り方」が見れたので、それも貴重だった。
また将棋を観るのが、つらくなってしまった・・・orz
なんか、やる気がある時期と、ないのと、交互に繰り返すようになってしまった。
11月7日に折田アマが銀河戦に出て来る。それまで将棋を休みます。
なんかネタがあればブログに書くんだけど、たぶんないと思う・・・。

先月から、スカパーで音楽専門チャンネルに加入してた。楽しかった。気に入った曲は録音した。
でももう解約する。同じ曲ばっかり流してるんだもん。
米津玄師のLemon、どんだけ流れるんだよ(笑)  ♪あの日の悲しみさえ~
10月22日に書いた、ムリヤリ早石田の▲7七飛戦法。
それを封じる方法を、見つけました。将棋神やねうら王のtanuki-2018が見つけた、そのままです。
私はただ検討モードに表示された候補手をまとめただけ(笑)
居飛車側の対策は理にかなっており、これでもう▲7七飛型は奇襲扱いという結論を私は得ました。

先手:ムリヤリ早石田
後手:居飛車

▲7六歩 △8四歩 ▲7八飛 △8五歩 ▲7七飛
*この手が▲7七飛戦法の骨子。しかしtanuki-はここですでに-450ほどの評価で後手有利と判断している。この後、どうやって後手が有利を保つのか見てみよう。
△8六歩
*これで、一歩交換しておくのがいいとtanuki-の判断。
▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △8二飛
*飛車は深く引いておく。
▲7八金 △4二玉
*落ち着いて玉の整備。
▲7五歩
*先手はこう来るはず。
△3二玉
*これで後手玉は安泰だ。
▲7六飛 △4二銀
*後手の狙いや如何に。
▲3八銀
*先手の陣形の整備。
△5四歩
*後手の作戦が見えてきた。
▲9六歩
*▲9七角の準備。
△5三銀 ▲4八玉 △3一角
*後手の狙いは、引き角だった。これで7五の歩を狙うのだ。
▲6六歩
*▲7七桂~▲6五歩で、後手の銀を追い返そうという意味。
△7二銀
*後手には色々候補手があるが、この棒銀がわかりやすい。
▲7七桂 △8三銀 ▲9七角 △8四銀
*この銀がすごいプレッシャー。△8四銀、△6四銀、△3一角で▲7五歩を狙うのだ。ここではすでに-500点ほど差がついており、後手が有利だ。
▲6五歩 △9四歩
*端から攻める権利も後手が持っている。
▲3九玉
*以下は一例として見て欲しい。
△5二金右 ▲2八玉 △1四歩 ▲1六歩
*評価値は-560ほど後手が有利。
△9五歩 ▲同 歩 △同 銀 ▲7四歩 △同 歩
*ここで▲5三角成△同角▲9五香△同香▲7四飛は、7一に後手の角が利いていて飛車が成れない。▲7四飛以下△7六歩▲同飛△7五香で後手が良い。
▲同 飛 △7三歩 ▲7六飛 △8六歩
*評価値は-700まで行っている。後手有利は明らか。後手は機を見て△4四銀(△6二銀)で角を使おう。
*この引き角+棒銀さえ知っていれば、もう▲7七飛戦法は怖くない!
▲同 歩 △9六銀 ▲8八角 △8七歩
*後手優勢。
まで48手で中断
レートを勝ちとろう ~プロゴルファー猿「夢を勝ちとろう」の替え歌~

元の歌 https://www.youtube.com/watch?v=HP36KI86SAU

わいは二段や!24の二段や!

みなが集まる ネット将棋で
狙うは三段の レーティング
本で覚えた 定跡と
場数で鍛えた 大局観
命をかけた この一手
握るマウスよ 火と燃えよ

指せ! 早く 駒音高く
指せ! 早く 駒音高く
攻め倒し 嵐を呼んで
レート レート レート
レートを勝ちとろう

稲妻 光る この盤上で
狙うは あの玉 あの囲い
延々続く ねじりあい
形勢不明の 終盤に
勝負をかけた この一手
輝く駒よ 星となれ

指せ! 早く 強く 巧く(うまく)
指せ! 早く 強く 巧く
飛車を切り 詰みに討ち取り
夢を 夢を 夢を
夢を勝ちとろう

指せ! 早く 駒音高く
指せ! 早く 駒音高く
凌ぎ切り 嵐を呼んで
レート レート レート
レートを勝ちとろう
攻めて楽しい 痛快!先手中飛車 (2018年2月号将棋世界付録)
西田拓也四段著 Kindle版 110円
評価 A 難度 ★★~ (わかりやすい解説なので低級者でもチャレンジしよう)

次の一手39問。
先手中飛車に対して、居飛車側に持久戦で来られたときの指し方を書いている。
居飛穴or左美濃or角道突かずで対抗されたときに、どう指すか。
居飛車側が急戦で来られた場合は何も触れられてないので注意。

他の中飛車本で定跡を学んで、この本で理解しているかどうかチェックするといい。
この本のとおりに攻めが決まれば痛快だ。

難度を低めに評価したが、一手の形の違いを見抜くことが要求される。
私は半分くらいしか正解できなかった。でも解説を読んで納得。安いので中飛車党は読み得。
あぴまる流将棋奇襲シリーズ①~今日から使える台パン戦法~①アヒル戦法②▲7七飛戦法
アヒル戦法の章 いはてん著  ▲7七飛戦法の章 しめりけ著 Kindle版 500円  
2018年11月出版 全171ページ 評価 A 
難度 アヒル戦法の章 ★☆~(とてもわかりやすい)  ▲7七飛戦法の章 ★★★★~(そうとう深くまで研究が及んでいる)

アマチュア2人が書いた電子書籍。
台パンとは、台をパンチするの略。ゲームをやっていて、相手のクソなやり方に負けて、ブチ切れ、思わず台をぶっ叩いてしまう、というときに使う(笑) 将棋で言えば、盤をひっくり返す、というところ。

次の一手形式で進んでいく。
アヒル戦法の章は、実にわかりやすく解説されている。初級者でも使えると思う。
アヒルをまじめに解説した本なんて、この本以外、見たことがない。よくぞ取り上げてくれたものだ。
この戦法でしか味わえない独特の世界観に、私は読んでいて、実に楽しかった。ワクワクした。
将棋ウォーズの短い時間の切れ負けに向いているだろう。

さて、問題は▲7七飛戦法の章。5手目に▲7七飛として、ムリヤリ早石田に組もうとしてくる。これがどうも成立しているようなのだ。
本書は深くまで手を進めて解説している。難度もそうとうなもので、私は次の一手に正解するどころか、ついていくのがやっとだった。
深くまで詳しく解説しすぎてるような・・・。

居飛車党の私の個人的な感想だが、早石田は居飛車の天敵だ。▲7六飛型に組まれたら、もう居飛車は苦戦必至。先手は一手損しているが、早石田で手損はほとんど響かないと思う。▲8六飛とぶつけてくる筋がある。△8五歩は▲8五桂ポンで狙われる。そして乱戦になると居飛車側の△8四歩~△8五歩の2手が無意味に終わることが多い。

以下は▲7七飛戦法vs▲7六飛型にさせまいとがんばる△居飛車、の図式の手順だ。
本書を参考に、私が激指15で研究した結果をまとめたので、参考にしてほしい。
Kifu for Windowsに張り付けてどうぞ。

先手:ムリヤリ早石田
後手:居飛車

▲7六歩
*初手は▲7六歩と▲7八飛の2通りある。▲7八飛は、▲7六歩を突く前に▲6八銀とする可能性を含みにしている。
△8四歩
*後手は飛車先を突いてくる。それが石田流封じになっている、というのが後手の主張。
▲7八飛
*しかし先手は石田流を目指すのだ。
△8五歩
*こう突かれたら、▲7七角しかないというのが従来の考えだった。
▲7七飛
*しかし、こんな手がある!? 最初に指した人、すげええー!
*後手はここで△8六歩も考えられるが、うまくいかない。一歩交換しても大したことがない。一手損するのが大きい。△8六歩はおススメできない。
△3四歩
*後手としては、こちらのほうがおススメ。
▲7八金
*先に▲7五歩も考えられる。しかし金上がりが手堅い。
*ここで後手がすぐに△7七角成は▲同桂と取られる。次になんでも▲6五桂があり、後手が早くも困る。
*▲7八金△7七角成▲同桂△2二銀▲6五桂で5三の地点と2二の銀は同時には受からない。
△4二玉
*いったん待って玉上がりが本手。
▲7五歩
*これで、次に▲7六飛と安定されると、実戦的にはすでに先手が作戦勝ちと思う。それは私の感覚的なもので、ソフトにはわからないだろう。▲7六飛型を作られては、居飛車が苦戦必至なのだ。
△7七角成
*▲7六飛型を防ぐには、もうこのタイミングしかない。△8六歩からの歩交換は効果なしと覚えておこう。あとから▲7六飛~▲8六飛のぶつけを狙われるだけだ。
▲同 桂
*これを▲同角と取ってくれたら△3三桂で受かる。難敵は▲同桂のほう。次に何でも▲6五桂と跳ねてくるのだ。△4四歩と軽く受けようとすると、▲8五桂△同飛▲7六角であっという間に先手有利。恐ろしい。
△3三桂
*ここでは後手に候補手が多い。以下は一例。先手はガンガン攻めてくる。なんてやっかいなんだ!!
▲7四歩
*こんな攻めをしてくる。以下△6二銀▲7三歩成△同銀▲6五桂△6四銀▲5三桂成△同銀▲5五角打の猛攻がある。
△同 歩
*もう少しだけ進めてみる。
▲6五桂
*次に▲5三桂成で、後手の3三の桂を狙っている。激指15は-131(Pro+7の深さ)とほんのわずか後手に振れてるが、実戦的に完全に互角。居飛車側はどうすりゃいいんだ・・・。
△3二銀
*普通の受け。
▲4六角
*狙い筋の角打ち。
△7二金
*普通の受け。まだ手数は18手なのに、盤上は大変なことになってる。すごい濃密な18手。
▲5五角左
*ここでは-194(Pro+7)でまだ互角だが、こんな先手の攻め、後手の居飛車側を持って、受けきる自信があるだろうか。たしかに▲7六飛型は防いだ。しかしこの展開では後手まったく自信がない・・・。すくなくとも、後手は激指15の検討モードのおススメどおりに指してきたのに、この結果。▲7七飛戦法、なんて恐ろしいんだ!
まで19手で中断
将棋戦法事典100+
マイナビムック 将棋世界Special 1600円+税 2019年10月1日初版第1刷発行
将棋世界編集部編 全223ページ
評価 A 難度 ★★~ (符号で指し手がどんどん進み、理解が難しいときもある) 
コンセプト<戦法を、その戦法の狙いとともに100個以上紹介>

本書の正式名称は、「将棋戦法事典100+(プラス) 王道 流行 珍戦法 完全網羅!」となっている。
大きさは将棋世界と同じ。将棋世界と比べて30ページ分くらい少ないが、ムック形式ということで厚さも同じくらい。

中身はしっかりした作りの本で、さすが専門誌の将棋世界の編集部が書いただけある。
変な紹介のされかたではないので、安心して読める。
決してその戦法のいいところだけをピックアップした本ではない。
なぜなら、例えば「居飛車穴熊」と「藤井システム」の両方の成功例を紹介しているので、両方の立場の観点で戦法を知ることができる。

私が一番驚いたのは、75位の「ムリヤリ早石田」。初手から▲7六歩△8四歩▲7八飛△8五歩▲7七飛!
これを考えた人、すげーー(^^;
金沢五段が何度か使ったという、初手から▲7六歩△3四歩▲6六角! これも、ド素人のような手。

紹介のされかたでは、トマホークのところで紹介されていた、▲1七桂を「裏跳ね」という表現。これは定着させたらいいんじゃないか。
▲9七桂も含めて、端桂を「裏跳ね」と呼ぶことにするのはどうか。

出版されて間もない、今が旬の本。何年か経ったら、新しい指し方が生まれているだろう。
そうなるとこの本も時代遅れになる可能性が高い。鮮度がある本。
でもよくまとめてくれて、こういう本があると、私にとっては知識が増えてブログが書きやすいので助かる。
私は先手中飛車とゴキゲン中飛車の区別がいまいちついてなかった。
本書を出してくれてありがたかった。税込みで1760円するのが難点だけど、内容はしっかりしている。
巻末に索引があって戦法を調べやすいのは、好ポイント。

「結局のところ、将棋の戦法ってどれだけあるのよ?」という人は、本書で解決だ。
そういう意味では本書はS評価。
さすがに、私には知ってることが多かったのでAに留めた。
将棋を覚えて間もない人がこの本を読むとどうなのか、感想を聞きたい。きっと戦法の多様性に驚くと思う。
それだけ将棋は広く深い。それを再認識できる本。

誤字など
P75 第14図 歩の位置が2五歩じゃなくて2六歩の形のはず。
P188下段 後手が飛車香を持っているが、正しくは持ち駒なし。飛車香落ちの図である。
P193 ×B図は~ A図は~の間違いと思われる。
今すぐ指そう ダイレクト向かい飛車 (将棋世界2015年02月号付録)
大石直嗣六段著 Kindle版 110円
難度 ★★★~ (中級以上向け) 評価 A

角交換四間飛車と比べて、一手得をするために知っておくべきこと、を解説した本。
ダイレクト向かい飛車は、居飛車側から▲6五角(△4五角)で乱戦になる可能性があるのだ。
本書は全39問だが、そのうち30問はその乱戦でどう戦うかを解説している。

なので、ベースは角交換四間飛車なのだ。一手違うだけ。そもそも角交換四間飛車を指す気がないのならば、本書は不要。
まずは角交換四間飛車を指してみて、自分に合うとわかったら、次は本書で一手得する手順を知っておこう。
▲6五角(△4五角)の乱戦を嫌うなら、無難に四間に振ってから、向かい飛車にすればいい。
居飛車側も、別に▲6五角(△4五角)を打たずにスルーしても問題はない。乱戦か収めるか、好みの問題だ。

本書ではダイレクトに向かい飛車に振るわけだが、向かい飛車ばかりがいいとも限らない。
四間に飛車を置いたまま、攻める形もあるのだから。
個人的には、わざわざダイレクト向かい飛車にして、乱戦になるのを好まなくてもいいと思う。
乱戦になるのを繰り返しているより、無難に角交換四間飛車を何回も指したほうが、経験値が溜まりやすいのではないか。

ともあれ、▲6五角(△4五角)問題を詳しく解説した書として、貴重な本となっている。とにかく110円は安い。
こういう、「話が限定的で専門的なんだけど、知っておきたい」という変化を解説するには、この付録形式がピッタリマッチしている。マニアとしてはとてもうれしい。ニッチ(隙間)な需要に応えてくれる、ありがたい本だ。
すぐに指せる!角交換四間飛車 (将棋世界2017年12月号付録)
杉本和陽四段著 Kindle版 110円
難度 ★☆~(初級者の得意戦法としても使える) 評価 S

毎度おなじみ、付録シリーズ(^^; 次の一手が39問。
この本は、振り飛車で、何か手っ取り早く得意戦法を身につけたい人にピッタリ。
居飛車党の有段者で、後手番に悩まされている人にも、思い切ってこの戦法を採用するといいかも。
何しろ、藤井猛九段をはじめとするプロも採用しているのだから。

この戦法の特徴として、自分から攻めて行ける可能性が高い。
そして、何より、居飛穴が怖くない。これはものすごく大きい。
藤井システムを身につけるのは大変な労力がかかる。
その点、この角交換四間飛車なら、あっと言う間に居飛穴封じができちゃう。
角を交換して、ハイ、居飛穴封じ。こりゃー、アホみたいに簡単だ。
この発想を、まさにコロンブスの卵というのだろう。

逆棒銀などがこの戦法の主な狙いだが、それもわかりやすい。囲いはとにかく美濃。
一番簡単な振り飛車は何?と訊かれたら、この角交換四間飛車、と私は答えるだろう。
角道を止めるノーマル振り飛車は、定跡を覚えるのが大変だ。
ノーマル振り飛車は、中盤の戦い方で、知識(定跡)がすごい問われる。そして居飛穴対策と右四間対策が必要。
この角交換四間飛車は、いいことずくめ。特に欠点も見当たらない。
狙いが単純すぎる、と言われるかもしれないが、アマにはこれくらい単純なほうがいい。
対局で間違えて負けても、ソフトで調べて「ここが悪かったのか」という反省がやりやすそう。

欠点を上げるならば、千日手模様になってしまう可能性が高いこと。
しかし後手番で採用すれば、千日手はむしろ歓迎ではないか。

この戦法を激指15で検討させてみた。
(ちなみに初期配置では定跡なしでPro+7の深さで+37)
初手から▲7六歩△3四歩▲2六歩△4二飛の局面。
検討モードで+78という数値だった。(考慮の深さはPro+7)
そこから進めて、▲6八玉△8八角成▲同銀の局面は、+77.(深さはPro+7)
居飛車側に100も振れてない。ソフトの判断としても、充分、行ける!

居飛車党としても、相手の狙いを知って、何か対策を考えておくべき。
個人的には、居飛車側はボナンザ囲いにすれば、だいぶ隙がないように思うが・・・。

とにかく、千日手さえOKと思えば、この戦法は最高の友となるだろう。
もちろん、指す人と戦法の相性もあるのだけど。
この付録本の評価はSとしたが、戦法の評価はS以上である。
まずはこの付録本を読んで、自分に合いそうかどうか、面白いと思うかどうか、試してみよう。
110円は安い!
第28期 銀河戦 本戦Dブロック 1回戦
里見香奈女流五冠 vs 大平武洋六段
2019年9月3日
解説:近藤誠也六段
聞き手:谷口由紀女流二段

前期銀河戦では、1回戦でベテランの脇にねじ伏せられた里見。今期はどうか。

里見、先手をゲットしている。大平はでかい。山のフドウだ。
里見は27歳。2019年度男性棋戦成績8勝6敗。
大平は42歳。2019年度6勝6敗。
解説の近藤「里見は振り飛車党で勢いのある攻め将棋。大平は居飛車党でじっくりとした展開を好む、受け将棋」

大平は前期銀河戦本戦で4人抜きしたということだ。里見にとっては勝ちやすい相手かと最初、私は思っていたが、難敵なのだな。

先手里見で、中飛車に振り、対抗形。里見から角交換して、力戦になった。
大平の作戦は飛車先保留で、5筋の位を取り返すというもの。かなり有力と思える。
里見は美濃、大平は舟囲いで戦機をうかがう。

さあ駒がぶつかってきて中盤、大平が驚きの構想を見せた。打った角をすぐ叩き切り、強引に5筋突破。
大平にとっては角桂交換の駒損。
近藤「大胆な一手が出ましたね。不安な攻め方ではある。里見、ちょっと自信がありそうな手つきでしたね」

これは面白くなった。里見、いけ~。角桂交換は大きいだろう!
ところが、大平の1筋の端攻めが勝負手で、絶好のタイミング。
近藤「どっちが勝ってるか、さっぱりわかりません」
▲横から舟囲いに迫る里見vs△端から美濃囲いに迫る大平。

ここから、延々と終盤のねじりあいが続くことになった。どっちの力が優るか。
大平が、手順に里見の「と金」を抜いて、これは里見にとっては痛い、大平が良くなったかと思われた。
しかし里見、持ち駒の角2枚のうち、1枚を敵陣に打ち、馬にして2手かけて自陣に利かせた。
この構想が良かった。もう角を打った時点で、その後に自陣に利かせることを予定していたんだろう。里見、強い。

まだ大平陣は金銀に囲まれて安泰、と見えたのに、里見は舟囲い崩しの手筋、▲3三香と打ち込む、お手本のような一着を放ち、一気に崩しに成功した。
近藤「里見の切れ味が出ましたね」
あっという間に舟囲いが大破。一方の里見の美濃は、まだ余裕がある。
109手、里見が難しい将棋を勝ち切った。 難局をなんとか制したという印象だった。ふうーー。

近藤「途中、お互い攻める場所が違って、大平の角切りが無理攻めに見えたが、端攻めで面白い攻防が見れた。最終盤は里見のかっこいい寄せが見れた」

里見、底力を発揮しての、堂々の指し回しだった。感想戦によれば、お互いに反省点もあったとのこと。
しかし難しいところで間違えない、里見の本領が出ていた好局だった。
前期4人抜きの大平を相手に、ねじりあいの中終盤を制し、力勝ち。見事。

聞き手の谷口が「里見さんが男性に勝っても驚かなくなりました」と最初のほうに言っていた。
ライバルの西山の通算の対男子戦が2勝7敗ということを考えれば、やはり里見だけが特別に強い存在だ。
里見には決勝トーナメント入りを期待。本局もギリギリの勝利で、ここから厳しいとは思うけど。

また2回戦も楽しみにしよう。2回戦は星野良生四段が相手となっている。
第28期 銀河戦 本戦Cブロック 1回戦
出口若武四段 vs 西山朋佳女王
対局日:2019/9/1
解説:三枚堂達也六段
聞き手:井道千尋女流二段

今期銀河戦、注目の、男子vs女子の対決!
私は一年前から、このときを楽しみにしてた(^^;

ここで銀河戦のルールをおさらい。NHK杯とほぼ同じだが、持ち時間が各15分。これが違う。NHK杯は各10分だから。
そして番組の長さが、1時間38分とちょっと長い。火曜と木曜、週2回放送されている。

パラマス式という独特のトーナメント。順位の下位者が、何連勝もしやすい。一番下から出て来るアマには、勝ち星を稼ぐチャンスの棋戦。瀬川、今泉、折田はいずれもアマとして銀河戦で星を稼いだ。今期は出場枠は、アマ5人、女子2人となっている。
棋譜は囲碁将棋チャンネルのHPに出てる。(終局後、けっこうすぐ更新されていてありがたい)

さて、出口というのは、井上門下の若手とのこと。
出口は24歳、今期8勝7敗。
解説の三枚堂「出口は多彩な戦型を指す。激しい展開が得意。他人が考えないような手を指す。
西山は24歳。現役奨励会三段。対男子プロは2勝6敗。
三枚堂「西山は振り飛車党で、さまざまな形を指して、工夫が見られる。力強いさばきを得意としている」

いよいよ対局開始。先手出口で、居飛車。後手西山のゴキゲン中飛車。
出口は超速▲3七銀だったが、西山が変化。6筋の位を取ったのが目新しい。
西山は5筋と6筋の位を両方取ってるが、どうも位が安定しない。歩をかすめ取られそう。
三枚堂「西山はもうなんか攻めて行くんでしょうけど・・・?これをさばくのが振り飛車党のすごいところ」

うーん、三枚堂は、早くも西山はいったいどうすんだ、という雰囲気。
したらば、西山は角をポーンと中央に出て勝負に行った~!
三枚堂「西山、さすがの才能。尋常な手ではさばけなかったですから。出口は頭を抱えてますね~」
おおお、西山、行けるか! やっちまえ~!

しかし、出口はなんと、あっさり西山の手に乗った。さばき合いに応じた出口。
うわ、これ、どっちがだましたんだ・・・。
三枚堂「少し出口がいいかな」
しかし西山も食い下がる。一手指したほうがよく見えるという、ハイレベルな攻防!
きたきたー、こういうのを観たいのよ。西山、踏ん張れ~。

局面、飛車が2枚ある出口のほうが指しやすそう。西山は勝負手を連発しないと・・・。
三枚堂「出口がうまく指し回して、はっきり優勢になった。ただ勝つまでは長くかかる」
出口、香を攻防に自陣に打った手が、この一局で一番私の印象に残った。(▲2七香)
あー、実戦的ないい手だなー。三枚堂も「香は6筋に使いたかったので、考えつきにくい手」と称賛。

出口は考慮時間の使い方が独特で、考慮時間に入ったとたんに指す、というのを2回もやってた。
残り、▲1回vs△6回まで減った。西山の有利なのは残り時間だけ。
出口、手堅く指し回し、実に実戦的。逆転を許さない見本のようだ。
西山もなんとかがんばっているのだが、いかんせん、出口が強い。

聞き手の井道「もっと早い段階で差を広げられてもおかしくなかったのに、西山はさすが」
だが、現実は非情。出口の実に手厚いとしかいいようがない指し方に、観ていた私のほうが心が折れた(笑)
ぐあーー、こりゃ、完封負けだーー。
西山はがんばって迫る。まだやるかーー。いい根性してるわー。
出口の金2枚の壁、かてぇ。三枚堂「西山の美濃より固いかも」

井道「もっと早い終局になってしまうのかな、と思っていたんですが」
うんうん、西山はよく形を作った。負けだけど。
109手、出口の実戦的な手厚い指し回しの前に、西山は屈した。
出口の快勝だった。

三枚堂「西山が思い切りのいい仕掛けを見せた。それに対し、出口の対応が素晴らしかった。西山が次々と技を繰り出したが、それに対する出口の対応が素晴らしかった」
西山、実力は出してた。それだけに、出口との地力の差がモロに出てた。
やっぱ男子の若手は強い! 女子と対戦することで男子のレベルの高さがわかる、これも一つの醍醐味だ。

▲2七香の自陣香について、出口「かなり不安だった」とのこと。
西山「ここで何か(自分から攻めが)ないとダメだった」

序盤の作戦について、出口「6筋の位を取られたのは初めてだった」とのこと。
それにしてはうまく対応したなー。実に強い。定跡から離れただけに、地力が問われたが、出口は見事に指し回していた。

西山は女流を相手に圧倒的な勝ち方をしている女子なのだが、男子プロにかかっては、やはり通用しなかったか。
厳密には、もう序盤の作戦のところまで戻ってやり直さないと、勝ち目がなさそう。
初手からやり直し!と言われてるみたいで、悲しい(^^;

一局を通して、西山に勝ち味はなかったとは言える。しかし双方が持ち味を発揮し、かなり見ごたえはあった一局で、充分楽しめた。
女子にとって、男子プロの壁は高い。でもなんとか挑み続けてほしいものだ。
次回は木曜で、里見が登場! 里見vs大平。ワクワクだ。里見が勝たないかなあー。
二枚落ち新定跡 居玉突貫棒銀 (将棋世界2017年4月号の付録)
泉正樹八段著 Kindle版 108円
難度 ★★★~ 評価 A

二枚落ちで、素人が考えた「居玉棒銀で上手に立ち向かったら、どうなるのか」をプロがシミュレーションしたもの。
これで簡単に上手を崩せるなら、画期的な大発見、となる。

・・・しかし現実はそう甘くなかった(笑) この本を読めば、「けっこう難しい、下手に力が必要」と思えた。
次の一手形式で38問があるが、「とてもじゃないがアマ初段付近では正解は無理」なものがかなりある。求められる解答の手数が長い。この本は何周も解くという前提で書かれている。

「棒銀で攻めを見せておき、場合によってはカニカニ銀で中央突破。そして玉は囲わず、居玉」の戦法となっている。

この戦法でいいところは、上手もマンネリを打破できて、序盤から思考することを要求され、面白く戦えるということ。
上手の悩みとしても、「二枚落ちは下手の戦法が二歩突っ切りと銀多伝ばっかりでつまらない」ということがあるはず。
まだ定跡が完備されていないこの戦法なら、上手と下手、双方が楽しく戦えるだろう。

私が激指15に試してみたところ、戦法としては充分、いけてる。負けるのは私の力不足のせい、という棋譜が数局できあがった。
この戦法は、平手の攻め感覚に近い。そこはいいところ。しかし序盤から失敗が許されない気もする・・・。
下手が居玉でどこまでがんばりきれるのか、未知数。

新定跡を創ろうとする泉八段の心意気は高く評価したい。
駒落ちでの新定跡は、まだまだ眠っていると思う。ソフトを使ってでもいいので、どんどん新しいものを見つけてもらいたい。
ひらけ駒! 
南Q太著 モーニングKC
全8巻 1巻は2011年3月発行、8巻は2013年1月発行
評価 A

将棋を通して、家族愛を描こうとしているマンガ。将棋もメインなんだけど、少女漫画に近いものがある。
派手さが全くない。大冒険でもない。でも面白いのだ。
「なるべく小さな幸せと、なるべく小さな不幸せ、なるべくいっぱい集めよう」がコンセプト。

主人公の小学生、宝くんはかわいい。ママも美人。母一人子一人。ママがどんな仕事をしているのか、最後まで謎(笑)
小さなエピソードの数々が静かに読者の心に触れる、名作。

でもこのマンガ、問題がある。以下、ネタバレ。(知りたくない人は読まないで)







それは、最後が唐突に終わってしまっているのだ。
事情は知らないが、内容から見て、連載が打ち切りにされた可能性が高い。
ドラゴンボールで例えると、悟空がナメック星に旅立った、ところで終わっている。
そんなアホな~、フリーザとの戦いは? ここからどうなんの~、と誰もが思うはずだ。
途中で終わるなら、それなりに終わり方というものがあるはずなのだけど・・・。
・・・人気が出なかったのかなあ。アンケート主義の週刊少年ジャンプだったら、まずありえない類のマンガだった。
モーニングで連載はされたが、最後はジャンプなみの打ち切りか(^^;

去年に、「ひらけ駒!return」というのが新たに始まって、今月2巻目が発売されるそうだ。
しかし「return」はなんと、宝くんが将棋を始めたばかりの頃に時間は巻き戻り、という設定。
続きを描いてくれるんじゃないのか。ええええーー。
パラレルワールドを描くって、なんでそんなややこしいことをするのか、と思ってしまっていて、私はまだreturnは読んでません。