2人「どーもー、よろしくお願いしますー」
右「・・・今、うまい棒のとんかつソース味を1本いただきました。こんなんなんぼあってもいいですからね。どうもありがとうございます」

左「ちょっといきなりですけどね、ウチのオカンが好きな食べ物があるって言うんですけど、その名前をちょっと忘れたらしくて」
右「好きな食べ物の名前を忘れてもうて。どうなってるんや」
左「色々と訊くんやけど、全然わからへんねんな」
右「ほな俺がね、オカンの好きな食べ物、一緒に考えてあげるから。どんな特徴を言うてたか、教えてよ」

左「おやつに食べるもので、甘くて冷たくて、やわらかいクリームをペロペロとなめて食べるものやっていうねん」
右「ほー。それはソフトクリームやないか。その特徴は完全にソフトクリームよ。おいしいから大人から子供まで人気があるんやから。こんなん、すぐわかったやん」

左「でもオカンが言うには、それはどこにでも売ってるっていうねん」
右「うーん、ほなソフトクリームとは違うなあ。ソフトクリームは例えばなかなかスーパーには売ってないのよ。むしろコンビニで、レジで注文を受ける方法で売ってるなあ。売ってるところには売ってる。それがソフトクリームやから。もうちょっと詳しく教えてくれる?」

左「オカンが言うには、よくアイスクリームと間違われるっていうねん」
右「それはソフトクリームや。アイスを日本語にすると氷。ソフトを日本語にするとやわらか。2つには大きな違いがあるんやから。ソフトクリームを買ってきたでー、と家族が言うて、アイスクリームやったらガッカリするんやから。俺の中では、アイスクリームよりソフトクリームのほうが地位が上よ」

左「オカンが言うには、安く買えるから、お財布にも優しいっていうねん」
右「うーん、ほなソフトクリームとは違うなあ。専門の店で買うとたいがい、1個300円くらいもするんやから。なかなか普通の人は買うのをためらうで。他に何か言うてなかったか?」

左「オカンが言うには、牛乳の新鮮さで味が決まるっていうねん」
右「それはソフトクリームや。どれだけ作り手が努力しても、結局は牛乳が新鮮かどうかに味がかかってるのよ。しぼりたての牛乳で作られたソフトクリームは、ものすごくおいしいんやから」

左「オカンが言うには、味はバニラ味しか思いつかないっていうねん」
右「じゃあソフトクリームとは違うなあ。チョコ味、イチゴ味、抹茶味、ブルーベリー味、むらさきいも味。それにミックス。色々あるで。オカンはバニラ味しか食べたことがないんやろ。オカンが子供の頃にはバニラ味しかなかったんや」

左「オカンが言うには、口の中でクリームとコーンをいっしょに食べるのが、めっちゃおいしい。だからコーンを持ち上げてコーンの底をかじってるヤツがよくおるっていうねん」
右「それはソフトクリームや。それがソフトクリームの正しい食べ方や。あとどれくらいコーンが残ってるかなー、と頭の中で計算して、クリームとコーンを同時にきっちりと食べ終わる。それが正しい作法なんやで」

左「オカンが言うには、それを食べてるときに、歯が折れたっていうねん」
右「じゃあソフトクリームとは違うなあ。言葉どおり、とてもソフトなのがソフトクリームなんやから。もう初めから折れてたんとちゃうか?ソフトクリームぐらいで歯が折れたら、水を飲んでも歯は折れてしまうで」

左「オカンが言うには、食べてる途中でクリームが、ポタポタと垂れてくるっていうねん」
右「それはソフトクリームや。ソフトクリームのクリームと、オッパイは時の流れと共にだんだん垂れてくるんやから。それがこの世の法則なんやで。もうソフトクリームって言うたも同然」

左「オカンが言うには、作るとき、機械がクリームを出すときに、コーンをグルグルまわしてクリームを受け止めるのを、楽しそうやから1回やってみたいっていうねん」
右「だから、それはソフトクリーム!もう完全に言うてもうてるやん。オカンが好きな食べ物はソフトクリームや。もう決まり!」

左「でもオカンが言うには、ソフトクリームではないっていうねん」
右「ほなソフトクリームとは違うかー。それを先に言えよ。俺がコーンを持ち上げて、底を食べる話をしてるとき、どう思ってたんや」

左「でもオトンが言うには、コーンフレークと違うかって」
右「いや、絶対ちゃうやろ!どうもありがとうございましたー」
2人「どーもー、よろしくお願いしますー」
右「・・・今、メタボリック症候群の診断書をいただきました。こんなん、別になんぼあっても困りませんからね。すぐ死ぬ病気と違いますから。どうもありがとうございます」

左「ちょっといきなりですけどね、ウチの兄貴が趣味を探してるんです。それで、今度から始めようと思ってる趣味があるって言うんですけど、その名前をちょっと忘れたらしくて」
右「始めようと思ってる趣味の名前を忘れてもうて。どうなってるんや」
左「色々と訊くんやけど、全然わからへんねんな」
右「ほな俺がね、兄貴の始めようとしてる趣味、一緒に考えてあげるから。どんな特徴を言うてたか、教えてよ」

左「二人対戦型ボードゲームで、すごい昔からあって長い歴史があるっていうねん」
右「それは囲碁か将棋やないか。囲碁は2000年前の紀元前からあるし、将棋も400年前の江戸時代からあるんやから。こんなん、すぐわかったやん」

左「でも兄貴が言うには、その趣味を始めるには、お金がかかるっていうねん」
右「ほな囲碁か将棋とは違うなあ。家族や友達とやったらタダ。今はスマホで無料アプリをダウンロードしたら簡単に始められるんやから。対戦相手にも困らんで。もうちょっと詳しく教えてくれる?」

左「兄貴が言うには、その趣味は年寄りくさいと思われてたけど、最近、印象が変わってきたっていうねん」
右「それは囲碁か将棋や。俺が小学生の頃は学校で『囲碁将棋クラブ』なんてほとんど人気がなくて5人くらいしか入ってなかった。だけど、最近は仲邑菫や藤井聡太ブームのせいで、若者が囲碁や将棋で遊んでても違和感がないのよ」

左「でも兄貴が言うには、その趣味はすぐ飽きるっていうねん」
右「ほな囲碁か将棋とは違うなあ。囲碁か将棋が趣味で、辞めた理由が『飽きたから』って言う人、めったに見たことないもんね。いったんルールを覚えたら、一生遊べる飽きない趣味、それが囲碁か将棋なのよ。兄貴、他に何か言うてなかった?」

左「兄貴が言うには、負けたらかなり悔しいっていうねん」
右「ほな囲碁か将棋やんか。囲碁は点数制やから、まだしもやけど、将棋で負けたときの悔しさときたら、もう半端ないんやから。詰むや詰まざるやでトン死したときなんて、悶絶して3日くらい後にまで響くもんね。だから、お金を賭けなくても楽しめる。囲碁か将棋にもう決まりや」

左「でも兄貴が言うには、ジャンルではeスポーツの中に入ってるっていうねん」
右「ほな囲碁か将棋とは違うなあ。eスポーツとはElectronic Sportsの略で、電気を使ったゲームのことやから。囲碁か将棋は電気なんかなくてもやれる、アナログなゲームなんやから。創業以来、基本的に石と木でやってるで」

左「兄貴が言うには、そういう名前の芸人がおるってっていうねん」
右「それは『囲碁将棋』というお笑い芸人コンビや。そこそこ有名らしいけど、特に売れっ子ではないみたいや。ネットで『囲碁 将棋』で検索したときに、この芸人が上位にヒットしてもうて、紛らわしいんや」

左「でも兄貴が言うには、その趣味のプロには簡単になれるっていうねん」
右「ほな囲碁か将棋とは違うなあ。囲碁は院生、将棋は奨励会員というて、小さい頃から才能があって過酷な修行をして、勝ち抜いたごくわずかの人しかプロにはなれないのよ。自分で『俺は今からプロや』と宣言したらなれるパチプロとは違うのよ」

左「兄貴が言うには、それを本格的に趣味にすると、時間が吸い取り紙のようにどんどん吸い取られていくって」
右「それは多分、囲碁か将棋や。インターネットと相性が良くて、棋力の同じような対戦相手が簡単に見つかる。せやから勝ったり負けたりが面白くてついつい何局もやってしまうんや。というか、囲碁か将棋に関わらず、ゲームなんて時間をつぶすためにやってるんやから、時間がかかるのは当たり前なのよ。香川県ではゲーム規制条例が可決されるくらい問題になって、これからどうなるんやろか」

左「兄貴が言うには、近年、AIがめちゃめちゃ強くなったらしい」
右「だから、それは囲碁か将棋や。囲碁はGoogleのアルファ碁、将棋は電王戦のPonanzaに代表されるように、もう人間はAIには勝てないんや。たまにプロ棋士がAI超えしたと言うてマスコミが騒いでるけど、それがニュースになること自体がプロ棋士がAIに勝てなくなった証拠や。プロ棋士だって、最善手を探して指してるんやから、部分的にAIを超えることがあっても当然やと思うんやけどな。だってまだまだAIも完璧ではないんやで。プロ棋士がAI超えしたというニュースを聞くたびに俺はちょっと悲しくなるわ」

左「でも兄貴が言うには、囲碁か将棋ではないっていうねん」
右「ほな囲碁か将棋とは違うかー。それを先に言えよ。俺が将棋で負けて悶絶する話をしてたとき、どう思ってたんや」

左「兄貴が言うには、石を盤に置くのは『打つ』、駒を盤上で動かすのは『指す』やって、知ってるっていうねん」
右「それは囲碁か将棋や!囲碁は『打つ』で将棋は『指す』なんや。いまだに将棋で『打つ』って言うてるワイドショーの司会者もおるけども。お前の兄貴のやろうとしてる趣味は囲碁か将棋や!もう決定!」
左「でも妹が言うには、ジグソーパズルと違うかって」
右「いや、絶対ちゃうやろ!どうもありがとうございましたー」
2人「どーもー、よろしくお願いしますー」
右「・・・今、特別定額給付金の10万円をいただきました。こんなんなんぼあってもいいですからね。どうもありがとうございます」

左「ちょっといきなりですけどね、ウチのオカンが、今のコロナ騒ぎで、もらって手に入れた物があるっていうんですけど、その名前をちょっと忘れたらしくて」
右「もらった物の名前を忘れてもうて。どうなってるんや」
左「色々と訊くんやけど、全然わからへんねんな」
右「ほな俺がね、オカンのもらった物、一緒に考えてあげるから。どんな特徴を言うてたか、教えてよ」

左「政府が配布したもので、小さい布切れみたいな物やっていうねん」
右「それはアベノマスクやないか。2枚1セットで、一住所に一つずつ、配られたのよ。その特徴は完全にアベノマスクや。こんなん、すぐにわかったやん」

左「でもオカンが言うには、それは欲しいときに、いいタイミングで手に入ったっていうねん」
右「ほなアベノマスクとは違うなあ。マスクが世間で品切れ状態になり、政府が配ると決めたのが4月1日。そこから配り終えたのは6月の中旬。そうとうな時間がかかってしまい、アベノマスクが配られたときにはすでに街中にマスクは出回ってたのよ。みんなが一番マスクが欲しいときに、アベノマスクは届かんかったんやから。もうちょっと詳しく教えてくれる?」

左「オカンが言うには、街なかでそれを着けてる人を見たことがないっていうねん」
右「それはアベノマスクや。一般人でこのマスクをしてる人はめったにおらんのやから。ホンマにこれ、1億枚も配られたんやろか?それどころか、自民党の議員でもアベノマスクを着用してる人はおらんと評判なんや。首相だけが着けているありがたいマスク、それがアベノマスクなんや」

左「オカンが言うには、それを着けてると、カッコいいっていうねん」
右「ほなアベノマスクとは違うやんか。小さいマスクで、ビートたけしが『眼帯かと思った』って言うてるんやから。今は、スポーティなカッコいいマスクがいっぱい市販されてるで。安いのでよかったら、100円ショップで3枚100円で売っとる。オカン、他に何か言うてなかった?」

左「オカンが言うには、一住所に2枚を配布ということで、38人が住んでる学生寮に、2枚だけ送られたケースがあるっていうねん」
右「それはアベノマスクや。他では、大学生会館に住んでる304人に対し2枚だけというケースもあったんや。どんな芸人でもこんなギャグは思いつかんで」

左「オカンが言うには、政府は260億円もの税金を使って、それを作って配ったっていうねん」
右「だから、それはアベノマスクや。国民の血税が使われてるから、国民は貴重なアベノマスクをめったに使用せずに、大事にしまってるんや。6月下旬の朝日新聞の世論調査では、アベノマスク配布は役に立たなかった、が81%にのぼってしもうたけどな。オカンがもらった物は、もうアベノマスクに決まりや」

左「でもオカンが言うには、アベノマスクではないっていうねん」
右「ほなアベノマスクとは違うかー。それを先に言えよ」

左「オカンが言うには、その布切れはアベノミクスを文字ってその名が付いたっていうねん」
右「それはアベノマスクや!オカンのもらった物はアベノマスク!もう決定!」
左「でもオトンが言うには、今年のオリンピックは日本開催で楽しみやなって」
右「いや、もうとっくの昔に延期になっとるやろ!どうもありがとうございましたー」
2人「どーもー、よろしくお願いしますー」
右「・・・今、そば殻の枕をいただきました。結局これが一番、頭が楽ですからね。どうもありがとうございます」

左「今日は、将棋と全く関係ない話なんですけども」
右「たまにはそういう話題もええやろ。で、何の話なんや?」

左「俺が昨日の夜、布団で寝たら、いつもと布団が違う感じやったんです。それでオカンが俺の布団を干してくれたのかどうか、訊いたんですけど、オカンは忘れたらしくて」
右「布団を干したかどうか、忘れてもうて。どうなってるんや」
左「色々と訊くんやけど、全然わからへんねんな」
右「ほな俺がね、お前のオカンが布団を干したかどうか、一緒に考えてあげるから。布団がどんな風やったか、教えてよ」

左「俺が寝てみると、布団がいつもよりフカフカで、いい匂いがしてん」
右「それは布団を干したんや。オカンが昼間、布団を外に干してくれたんやろ。こんなんすぐにわかったやん」
左「でも昨日は一日中、ウチのまわりは雨やってんけどな」
右「ほな布団は干してないやんか。雨の日に布団を干すアホはおらんから。もうちょっと詳しく教えてくれる?」

左「俺が寝てみると、布団がいつもの倍の厚さに感じてん」
右「それは布団を干したんや。敷きっぱなしの万年床の場合、布団は押しつぶされてペカペカになってる。それをオカンが干してくれたから、フカフカに戻って分厚くなったんや。おととい、干したんとちゃうか?」
左「でもよく考えたら、昨日は俺が布団を2重に敷いててん」
右「じゃあ布団は干してないやんか。敷布団を2重に引いて、フカフカ感を出すのは、貧乏人がよくやる手口や。お前もやったか。他に何か情報ないか?」

左「俺が布団で寝てみると、いつもよりかなり、暖かかってん。それにいつもはおるダニもおらんかってん」
右「それは布団を干したんや。オカンが干してくれたんや。もう決まりや。お前、ダニがおるなら、もっと早く自分で干せよ」
左「でもときどき、ウチでは布団乾燥機を使ってるねん」
右「じゃあ布団を干したとは言えんか。布団乾燥機は干したのと、さほど変わりない効果を生み出せるんやから。ダニ退治もできるで」

左「それで俺が寝てみると、布団からカナブンが出てきてん」
右「ほな、布団を干したんやろ。干した布団に飛んできたカナブンが絡まったんや。昨日ではないにせよ、最近布団を干したのに決まりや」
左「でもそのカナブンは、とっくに死んでカピカピにひからびとってん」
右「ほな布団は干してないやんか。そんな状態やったら、もう一週間以上、経ってるで。お前のオカンは何て言うとった?」

左「オカンが言うには、オカンはシイタケを干すのは得意やっていうねん」
右「いや、それは布団とは関係ないやんか!今は布団を干したかどうかの話なんやから。オカンが干すと言えば、シイタケか柿か甲羅干しくらいやな。他に何か言うてなかったか?」

左「オカンが言うには、昨日、布団を買い替えたっていうねん」
右「じゃあ干したんではないやんか!そもそも買い替えてたんなら、布団がいつもと違ってても何の不思議もないやんか。今までの話は何やったんや」
左「でもオカンが言うには、新しく買った布団はオカンだけが使ってるっていうねん」
右「オカンだけが使ってるんかい!じゃあお前の布団とは関係ないやんか。お前の布団がフカフカになったんは、やっぱり干したからに決まりや」

左「でもオカンが言うには、私は布団は干してないって」
右「じゃあ干してないかー。オカンが布団は干してないって言うんやから、干してないやんか。それを先に言えよ」
左「でもオトンが言うには、ワシが家族全員の布団を干してあげたんやって」
右「おい、オトンが干してたんかい!それを一番最初に言えよ!どうもありがとうございましたー」
2人「どーもー、よろしくお願いしますー」
右「・・・今、昔のNHK杯の再放送を観させていただきました。名局は何回観てもいいですからね。どうもありがとうございます」

左「ちょっといきなりですけどね、ウチのオトンは将棋が趣味なんです。それで、将棋がかなり好きでハマってるんやけれども、自分がまだ一般人の範囲か、それともすでに将棋オタクなのか、知りたいから、誰かに判別をしてほしいって言うんですけど」
右「将棋オタクかどうか、誰かに判別をしてほしいと」
左「色々と訊いてきたから、判定をよろしく頼むわ」
右「ほな俺がね、お前のオトンが将棋オタクかどうか、一緒に考えてあげるから。どれほど将棋にハマってるか、教えてよ」

左「オトンが言うには、NHK杯を毎週欠かさず観てるっていうねん」
右「ほな将棋オタクとは違うなあ。それぐらいじゃあ、一般人よ。自分で指さなくてもNHK杯は観てるっていう人も多いんやから。もうちょっと詳しく教えてくれる?」

左「加藤一二三の伝説を5つ以上、知ってるっていうねん」
右「それは将棋オタクや。ひふみんの伝説は、長すぎるネクタイ、旅館の滝がうるさいから止めさせた、明治のチョコレートを10枚いっぺんに平らげた、相手側に立って盤を見るひふみんアイ、生涯棒銀一筋、A級在籍中なのに21連敗、近所の野良猫にエサをやって住民たちに訴えられた、まだまだあるで。ネットにまとめサイトが複数、作られるぐらいや。5つ以上言えるならオタクやろ」

左「オトンが言うには、『聖の青春』を読んで感動したっていうねん」
右「うーん、それは将棋オタクとは言えんで。一般人や。『聖の青春』は名著で、将棋ファン以外でも、誰が読んでも面白いんやから。オタクというからには、『将棋の子』『真剣師・小池重明』『泣き虫しょったんの奇跡』『われ敗れたり』『オール・イン』『介護士からプロ棋士へ』これぐらいは全部読むのが必須やで。他に何か言うてなかった?」

左「オトンが言うには、買ったけど読んでない定跡本が10冊以上あるっていうねん」
右「それは将棋オタクや。将棋を本格的に趣味にすると、とにかく本が増えていくのよ。戦法には流行があるから、次々に新しい定跡本が出版されるんや。だからついつい欲しくなる。それで買ったはいいけど、読むヒマと気力がないから、積読本がどんどん増えていくのよ。お金もかかるし、何より置き場所に困るんや。所蔵本が100冊を超えると、目当ての本をどこに置いたか、探すのにも苦労するんやから」

左「オトンが言うには、『りゅうおうのおしごと!』にドハマりしてるっていうねん」
右「うーん、それは将棋オタクとは言えんで。一般人や。アニメと小説、どっちも最高の出来で、大人気で大勢のファンがおるんやから。燃えと萌えをテーマにしたストーリー、そしてキャラクターが抜群に面白いんや。俺もハマってもうて、ドラマCDを全部そろえてしもうた。Amazonでプレミアがついてたけど、買ってもうたわ」

左「オトンが言うには、ネットに羽生結弦の記事が出てるとき、思わず羽生九段の記事か?と反応してしまうっていうねん」
右「それは将棋オタクや。フィギュアスケートの『はにゅう』と将棋の『はぶ』を読み分けるとき、常に『はぶ』が先に思い浮かんでしまう。もう将棋オタクの宿命や」

左「オトンが言うには、2012年からの電王戦も観てて、プロとコンピュータ、どっちが勝つかとても面白かったっていうねん」
右「うーん、たしかに面白かったけど、それは特に将棋オタクとは言えんで。もうすでに『あから2010』の時点でトッププロを超えてたと俺は思っとるから。それでつい最近、現役の奨励会三段が、水匠というソフトに二枚落ちで負けてしもうた。個人的に『水匠ショック』と俺は呼んでるわ」

左「オトンが言うには、将棋倶楽部24のアカウントを、居飛車用と振り飛車用の2つ持ってるっていうねん」
右「ほな将棋オタクやんか。24のアカウントは『携帯電話をお持ちでない場合は登録できません。一つの携帯電話番号に一つしか登録できません。』となっているため、なかなか新規にアカウントが取りにくい。でも、ハンドルネームが2つ欲しい場合もあるわけや。俺は24では友達が増えて、けっこう有名人になってしまったため、お忍びで対戦しにくくなった。それでもう一つ、ハンドルネームを持ってるわ」

左「オトンが言うには、藤井聡太の勝負めしをチェックしてるっていうねん」
右「うーん、それは将棋オタクかどうか微妙や。デビューから29連勝のとき、藤井聡太が何を食べたか、連日、お昼のワイドショーで取り上げられてたんやから。あんなん、よくニュースになると思ったで。正直、豚キムチうどんであろうが、冷やし中華であろうが、どうでもいいと思うんやけど。コロナで大変な今から思えば、あのときは平和やったと思うで」

左「オトンが言うには、矢倉の24手組みを暗記してるっていうねん」
右「それは将棋オタクや。そんなん、ちゃんと知ってるのは、かなりなマニアやで。初手から▲7六歩△8四歩▲6八銀△3四歩・・・と続くんや。矢倉は91手定跡というのもあるくらい、定跡の宝庫なんや。近年では若手プロが『矢倉は終わった』なんて言って話題になったけど、最近また復活しつつあるな」

左「オトンが言うには、ネットの『将棋ワンストップ』というサイトを毎日チェックしてるっていうねん」
右「それは将棋オタクや。そのサイトは将棋界の色んなニュースやツイートがまとめられてて、わかりやすく知ることが出来るんや。ただし、羽生の奥さんが連日のようにウサギの写真をアップしてるから、ウサギも大量に見ることになるけどな」

左「オトンが言うには、詰将棋パラダイスを、解けもしないのに、どんな本か知るために一冊持ってるって」
右「それは将棋オタクや。本人はせいぜい5手詰ハンドブックレベルなのに、詰パラがどんな本か興味あるのはオタクに決まりや」

左「オトンが言うには、将棋ソフトのためだけに、高性能なパソコンを購入してるっていうねん」
右「それは将棋オタクや。機械オンチでろくに性能も引き出せないのに、激指の検討モードを高速で動かしたいために、高いパソコンを持ってるんや。藤井聡太がAMD派なのを知って、自分もIntelから乗り換えようかと考えてるのが将棋オタクや」

左「オトンが言うには、囲碁将棋チャンネルに加入して、『めざせプロ棋士』で奨励会員の棋譜までチェックしてるって」
右「それはどう考えても将棋オタクや。けっこう重症やで。奨励会の級位者の棋譜にまで目を通すようになったら、気を付けたほうがいいで」

左「オトンが言うには、タイトル戦のときなんかには、将棋会館まで解説会を聞きに行ってるって」
右「だから、それはもう完全に将棋オタクや。解説会のマニアやな。俺も大阪に住んでたときは40回以上、行ったで。特に話術のバランスが取れてうまいのは井上先生。そして福崎先生が調子に乗ったときなんて、お客は笑いが止まらず最高やったわ」

左「でもオトンが言うには、自分は将棋オタクではないと」
右「じゃあオタクではないかー。本人がそう言うんなら、それでいいんとちゃうか?本人が楽しんでれば、それが一番や」
左「でもジイちゃんが言うには、末期の将棋オタクやって」
右「うん、俺もそう思うで。どうもありがとうございましたー」
2人「どーもー、よろしくお願いしますー」
右「・・・今、スカパーのアンテナを業者さんに取り付けていただきました。こんなん、素人が自分でやっても失敗しますからね。どうもありがとうございます」

左「ちょっといきなりですけどね、ウチのオトンは将棋が趣味なんです。それで契約してるスカパーのチャンネルがあるって言うんですけど、その名前をちょっと忘れたらしくて」
右「スカパーのチャンネルの名前を忘れてもうて。自分で契約してるのに、どうなってるんや」
左「色々と訊くんやけど、全然わからへんねんな」
右「ほな俺がね、オトンの契約してるスカパーのチャンネル、一緒に考えてあげるから。どんな特徴を言うてたか、教えてよ」

左「囲碁か将棋を一年中、毎日24時間、ずっと流し続けてるっていうねん」
右「それは囲碁将棋チャンネルやんか。囲碁か将棋が好きなら、一日中、ずっと見てられるのよ。囲碁ファンと将棋ファンには根強い人気があるんやから。こんなんすぐにわかったやん」

左「でもオトンが言うには、新規に収録された番組がどんどん流されてるっていうねん」
右「ほな囲碁将棋チャンネルとは違うなあ。再放送が囲碁将棋チャンネルのお家芸やから。番組表が、何年か前に収録したコンテンツでほとんど埋め尽くされとるんやから。新規に収録されたものなんて、ほんのちょっとや。『お好み将棋道場』なんて、5年ぐらい前の再放送を平気で流しとる。あれはさすがにひどいで。もうちょっと詳しく教えてくれる?」

左「オトンが言うには、囲碁には全く興味がないから、半分、損してるように感じるっていうねん」
右「それは囲碁将棋チャンネルや。囲碁と将棋の両方に興味ある人はいいけど、どっちかしか見ない人も多いんとちゃうか。でも両方をセットにしないと、チャンネルが成立しないんなら、しょうがないとあきらめるしかないで。俺は、囲碁の枠でアニメのヒカルの碁をまた再放送してくれたらと思ってるんやけど」

左「でもオトンが言うには、どの番組がいつ放送されてるか、スケジュールがすごくわかりやすいっていうねん」
右「ほな囲碁将棋チャンネルとは違うなあ。たくさんの講座が1回10分で放送されてるけど、3回まとめて放送されたり、10回くらいまとめて放送されたり、もう滅茶苦茶。もともと何回目の再放送かわからんコンテンツだらけで、スケジュールは放送する担当者の気分しだいなんや。最近はそこに藤井聡太の生特番がぶち込まれてくるから、もはや視聴者はホームページの番組表と毎日にらめっこや。スカパー専用録画機の『探して毎回録画機能』でなんとかなってるのが視聴者の現状や。オトン、他に何か言うてなかった?」

左「オトンが言うには、何と言っても銀河戦が楽しみで契約してるっていうねん」
右「ほな囲碁将棋チャンネルやんか。囲碁の竜星戦と将棋の銀河戦は、囲碁将棋チャンネルのメインコンテンツで生命線や。これがなくなったら、このチャンネルの価値は激減やで。ファンにとっては、現役のプロ棋士が公式戦を戦う姿がテレビで見れるんや。そして1時間半で決着がつくから、時間的にも手軽に見れる。火曜と木曜の週2回、銀河戦はあるから、その日はワクワクや。独特のパラマス式トーナメントもいい。毎年アマ枠と女流枠が3名ぐらいずつあり、アマの瀬川さんや折田さんが活躍して、プロ入りの要因になったのも、銀河戦があればこそや。銀河戦を放送してるのは、囲碁将棋チャンネルに決まりや」

左「でもオトンが言うには、料金が高いっていうねん」
右「ほな囲碁将棋チャンネルとは違うなあ。スカパー基本料と囲碁将棋チャンネルの契約料で、毎月2000円弱や。確かに高いといえば高いが、新規の銀河戦だけで月8局以上あるんやから。プロ棋士が出るイベントに参加したと思えば、安いもんや。それに何本も放送されてる講座で、将棋教室に行くよりはるかに効率よく勉強できるんやから」

左「オトンが言うには、『めざせプロ棋士』や『名勝負の解説』がひそかに面白いっていうねん」
右「それは囲碁将棋チャンネルや。『めざせプロ棋士』では奨励会員のどうしの対局をプロが解説してるんやけど、そんなん、需要はどれだけあるんかな?と心配になる。でも、そこには熱い戦いが存在するんや。レベルが高い有段者どうしよりも、級位者どうしのほうが理解しやすくて俺は好きや。しかも対局者からコメントをもらってるという熱の入れようや。そして『名勝負の解説』で、江戸時代の駒落ち対局なんかを延々1時間40分にわたって解説するというコンテンツなんて、まさに平和の象徴やで。あらゆるスカパーの番組のコンテンツの中で、特にのんびりした内容とちゃうか?数百年前に行われたボードゲームの棋譜研究やで。よくぞ放送してくれてると思うわ」

左「でもオトンが言うには、数あるスカパーのチャンネルの中で最もマイナーやっていうねん」
右「じゃあ囲碁将棋チャンネルとは違うなあ。スカパーは、魚釣りをひたすら流してる『釣りビジョン』やら、鉄オタのための『鉄道チャンネル』やら、昭和の歌謡曲を静止画で延々流してるだけの『ミュージック・グラフィティTV』やら、マイナーなチャンネルだらけや。俺も全容は知らんわ。それと比べたら囲碁将棋チャンネルはそこそこ有名やで。メジャーなほうや。ただ契約に至るかどうかは別よ」

左「オトンが言うには、女流棋士の唯一のテレビ棋戦である霧島酒造杯女流王将戦も見どころやっていうねん」
右「それも囲碁将棋チャンネルが気合を入れてやってる棋戦や。毎年、夏から秋にかけてやっとるなあ。あれは面白いんや。ある意味、男子プロの対局よりも楽しい。男子は手の殺し合いやけど、女流は自分のやりたいように指していくから、ノーガードの殴り合いがしょっちゅう見れる。そして、対局のレベルがそれほど高度ではないので、解説者の言うことが的確なんや。今はコンピュータが最強になったわけやけど、勝負の面白さは女流が体現してくれるで」

左「でもオトンが言うには、囲碁将棋チャンネルではないっていうねん」
右「ほな囲碁将棋チャンネルとは違うかー。それを先に言えよ。俺が『めざせプロ棋士』について熱く語ってるとき、どう思ってたんや」

左「オトンが言うには、新型コロナウイルスに負けないで、がんばって番組を作ってねって」
右「そうやなー。銀河戦は収録ができず、放送中断に追い込まれてしもうた。STAY HOMEが叫ばれるこんなときこそ、家で将棋を見たいよなあ。普段、言う機会もないけど、プロ棋士と囲碁将棋チャンネルの関係者さん、いつもありがとうね」
左「でもジイちゃんが言うには、アニマックスと違うかって」
右「いや、絶対ちゃうやろ!どうもありがとうございましたー」
注意・この記事はアニメ「りゅうおうのおしごと!」のネタバレをしています。まだ観ていない人は気をつけてください。

2人「どーもー、よろしくお願いしますー」
右「・・・今、『俺の全盛期は明日』と書かれた掛け軸をいただきました。こんなん、なんぼあっても困りませんからね。どうもありがとうございます」

左「ちょっといきなりですけどね、ウチのオカンはアニメを観るのが趣味なんです。それで、面白い将棋アニメで『りゅうおうのおしごと!』っていうのがあるんですけど、それに出て来る好きなキャラクターの名前をちょっと忘れたらしくて」
右「『りゅうおうのおしごと!』のキャラの名前を忘れてしもうて。どうなってるんや」
左「色々と訊くんやけど、全然わからへんねんな」
右「ほな俺がね、オカンの好きなキャラ、一緒に考えてあげるから。どんな特徴を言うてたか、教えてよ」

左「浪速の白雪姫というニックネームで、すごく将棋が強い14才の女の子やねん」
右「それは、空銀子やんか。その特徴は完全に空銀子や。もうすぐにわかったやん。銀色の髪で白い肌。女流棋士との対戦成績が47戦無敗。女流二冠で奨励会二段という、逸材や」

左「俺も空銀子やと思ったんやけどな、オカンが言うには、そのキャラは将棋を始めて3か月で、将棋図巧を全部解いて図面と手順を暗記しているっていうねん」
右「ほな、空銀子とは違うか。銀子といえどもそこまでの詰将棋の才能はないから。というか、それは雛鶴あいや。あいちゃんが竜王の九頭竜八一(くずりゅうやいち)のもとに押しかけてきて弟子になるところから話が始まるんや。オカン、もうちょっと何か言うてなかったか?」

左「オカンが言うには、超ツンデレで、暴力も辞さない、ドSなキャラやっていうねん」
右「それは空銀子や。裸のあいちゃんを八一が押し倒してしまった場に遭遇すると、銀子は激怒し、八一に『斬首されなさい』と言っとる。そして扇子でバシバシと八一の頭をめった打ちにしとる。女子小学生たちと八一が仲良く寝てるところに遭遇すると、銀子は『証拠保存』と言って、スマホで写真を撮り、『ロリ王のタイトルが誕生しました。関係者に流しておくね』と八一を脅迫しとる。怒らせたら何をするかわからんのが銀子や」

左「でもオカンが言うには、八一の2番弟子で、あいちゃんのライバルやっていうねん」
右「じゃあ空銀子とは違うか。というか、それは、夜叉神天衣(やしゃじんあい)やないか。天衣ちゃんは他人を強烈に罵倒するのが特徴で、ニコ生に出たときに師匠の八一のことを『私はこの変態の弟子よ。残念ながらね』と、しれっと言うとる。天衣ちゃんは暴力こそ振るわないけど、言葉でガンガン責めてくるんや。オカン、他に何か言うてなかった?」

左「オカンが言うには、そのキャラのドSっぷりは恋のライバルが現れたときに最高潮に達し、八一を問い詰めたっていうねん」
右「それは空銀子や。祭神雷(さいのかみいか)という女の子がストーカーとなって八一につきまとうんやが、それを聞いた銀子は八一に激怒。『それをデートっていうのよ。ぶち殺すぞワレ?』と凄んで、ローキックで八一を蹴り倒すと、足で壁ドン。狂暴そのもの。『どうせ祭神雷を都合よくキープしてるんでしょ?持ち駒みたいに』と言って精神的にも八一を追い詰めてくる。恐怖やで」

左「でもオカンが言うには、そのキャラはナイスバディで色気たっぷりやっていうねん」
右「じゃあ空銀子とは違うか。銀子は風呂屋に行ったとき、あいちゃんから『空先生もツルツルじゃないですかー!』と言われて、それを八一に聞かれとる。銀子はナイスバディじゃなくてツルツルペッタンコやから」

左「現実の女流棋士の香川愛生さんが、そのキャラのコスプレをやって、相当な好評を博したっていうねん」
右「それは空銀子や。香川さんはセーラー服はもちろん、青いカラーコンタクトをして、雪の結晶をモチーフにした髪飾りまで再現。その熱意とサービス精神にファンは喜んだんや」

左「でもオカンが言うには、優しく八一を見守ってくれる、年上のお姉さん的存在やっていうねん」
右「じゃあ空銀子とは違うか。というか、それは清滝桂香や。八一は実は桂香さんが好きなんやけど、桂香さんは八一を恋愛対象にしていない。桂香さんは、むしろ、八一と銀子の関係を心配してくれてる、すごく貴重な存在なんや」

左「それで、オカンが言うには、八一が竜王戦を戦っている最中、ついに銀子の本音が出る。『今ならなんでも言うことを聞いてあげるよ。私は八一と一緒に居たい』と告白したって」
右「だから、それは空銀子や!もう銀子って言うてしもうてるやん。だけど八一に『たかが奨励会員に何ができるっていうんだよ。邪魔なんだよ』と、その告白は無情にも拒絶されてしまうんや。それで、銀子は八一をぶんなぐって大泣きしてしまうんや。もう銀子に決まりや」

左「でもオカンが言うには、空銀子ではないって」
右「じゃあ空銀子ではないかー。それを先に言えよ。というかもうそんなこと言っても、無理があるけどな」

左「オカンが言うには、銀子とあいちゃんと天衣ちゃん、そして桂香さん、そのほかの女性たち。いったい誰が八一の心を射止めるのか、視聴者は気が気ではないって」
右「うーん、それは『りゅうおうのおしごと!』のテーマやからな。もう八一が誰を選んでも大問題になるのは必至や。作者はどうするつもりなんやろ。アニメの終わり方はあれでよかったと思う。もっと詳しく知りたい人は、小説版をお勧めするわ。小説版はまた格別な面白さがあるで」

左「でもオトンが言うには、最後は八一はシャルちゃんと結婚するんと違うかって」
右「いや、それはさすがにちゃうやろ!・・・いやでもロリコンの八一のことやから、ひょっとして?どうもありがとうございましたー」
2人「どーもー、よろしくお願いしますー」
右「・・・今、熱い緑茶を一杯いただきました。こんなんなんぼあっても困りませんからね。心が落ち着きます。どうもありがとうございます」

左「ちょっといきなりですけどね、ウチのオトンは将棋が趣味なんです。それで、オトンが将棋でよくやってしまう反則があるって言うんですけど、その反則の名前をちょっと忘れたらしくて」
右「ええ?よくやる反則の名前を忘れてもうたの?将棋が趣味やのに?どうなってるんや」
左「色々と訊くんやけど、全然わからへんねんな」
右「ほな俺がね、オトンのやってしまう反則、一緒に考えてあげるから。どんな特徴を言うてたか、教えてよ」

左「ある駒を縦の列に2枚、並べてしまうという反則やっていうねん」
右「それは二歩やないか。将棋では歩を縦の列に2枚置いてしもうたら、その時点で反則負けや。よく知られてる反則やで。二歩をやってしもうたら、負けになるうえに、すごく恥ずかしくなるんや。こんなん、すぐにわかったやん」

左「でもオトンが言うには、いったん指したのに、違う手に変えてしまうという反則やっていうねん」
右「ほな二歩とは違うなあ。というか、それは『待った』やな。『待った』を認めると勝負の性質が変わってしまう。初心者どうしとか指導対局以外では『待った』は禁止や。もうちょっと詳しく教えてくれる?」

左「オトンが言うには、プロでもたまに、うっかりやらかす反則やっていうねん」
右「それはたぶん二歩や。プロ全体で年に数回あるわ。2015年にNHK杯でハッシーが二歩をやらかしたとき、ハッシーと対局相手の行方(なめかた)の両者が頭を抱えたんや。ハッシーはその後、色紙に『一歩千金、二歩厳禁』と書くようになったんや」

左「でもオトンが言うには、プロの淡路がよくやった反則やっていうねん」
右「う~ん、ほな二歩とは断言はできんか。淡路は生涯で公式戦で7回も反則負けをしとる。二歩を4回、二手指しを2回、角の筋を間違えて進めたのが1回。将棋のバラエティ番組で淡路は米長から、永世反則王の称号をもらったんや。他に何か言うてなかったか?」

左「オトンが言うには、自陣に底歩を打ってあるときに、起こりがちな反則やっていうねん」
右「それは二歩やんか。底歩というのは、打ったことを忘れやすいうえに、下段にあるため視界に入りにくい。だから二歩を打つ原因になってしまうんや。『底歩、二歩のもと』という格言もあるくらいや」

左「でもオトンが言うには、取った駒を自分の駒台じゃなくて、相手の駒台に乗っけてもうた、という反則やっていうねん」
右「ほな二歩とは違うか。めずらしい反則やな。というか、それはプロの糸谷の奨励会時代の反則やないか。落ち込んだ糸谷に対し、当時の奨励会幹事であった井上が、『お前が将来タイトルを取ったときに、この話が伝説になるんや』と言ってあげると、糸谷は喜んだという話が残ってるわ」

左「オトンが言うには、ネットで指すときには、その反則負けをしたことはないっていうねん」
右「それは二歩や。ネットの将棋ウォーズや将棋倶楽部24では、二歩が打てないように設定してあるんや。だからその点は安心や。ただし、指してる本人が『あれ?なんで歩が打てないの?マウスが壊れた?』と思ってびっくりしてしまう。そして、ホンマは反則負けなはずやから、すごく気まずい心境で、手を変えてその後を指し続けることになるんや」

左「でもオトンが言うには、対局開始時間になっても、その場に現れない反則やっていうねん」
右「ほな二歩とは違うか。というか、それは単なる遅刻や。プロでは遅刻は持ち時間から3倍が引かれる。例えば10分遅刻したら持ち時間から30分が引かれる。そして1時間遅刻したら、自動的に負けや。プロで遅刻と言えば中田功(なかたいさお)や。今年の3月5日にも、やってしもうた。中田はこれまでに7回も遅刻による不戦敗で負けとる。中田の弟子の佐藤天彦が、プロ入りしたときの挨拶で『目標は遅刻をしないことです』と言ったのが有名や」

左「オトンが言うには、すごいプロになると、その反則をしても、なかったことにする技を持ってる、というねん」
右「それは二歩や。ただしそれはあくまで指導対局での話や。プロは多面指しというて、一度に何人もの客を相手にすることがある。10面指しなんかは日常茶飯事や。しかも当然、駒落ちで一局ごとに手合いはそれぞれバラバラ。プロは考える時間もほぼ無しで、混乱するのも無理はない。そこでプロでも二歩を打ってしまうことがあるわけや。でも客がその二歩に気づかないときもある。そんなときは、2つあるうちの1つの歩を突き捨ててしまうんや。客がその歩を取ってしまえば、もう証拠は残らん。完全犯罪の成立や。そのテクニックを使うと、プロの先崎がこっそり告白してるで」

左「オトンが言うには、レベルの低い初心者どうしやと、たまに歩が3枚が縦に並んで三歩になってることがあるっていうねん」
右「じゃあ二歩ではないかーって、それは三歩!もう二歩どころじゃないやん!」

左「オトンが言うには、プロの松尾歩(あゆむ)がその反則をやらかしたんで、その日から松尾歩のニックネームが松尾二歩になったっていうねん」
右「だから、それは二歩!もう今、松尾二歩って言うてもうたやん!もう二歩に決まり!」

左「でもオトンが言うには、二歩ではないと」
右「じゃあ二歩とは違うかー。それを先に言えよ。というか、お前のオトン、いろんな反則をしまくってるんと違うか?大丈夫か?」
左「でもジイちゃんが言うには、負けた腹いせに盤をひっくり返す行為と違うかって」
右「いや、そんな相手とは二度と指してくれへんやろ!どうもありがとうございましたー」
2人「どーもー、よろしくお願いしますー」
右「・・・今、棋譜用紙を1枚いただきました。専用の棋譜用紙はAmazonには売ってませんので、こんなんなんぼあっても困りませんからね。どうもありがとうございます」

左「ちょっといきなりですけどね、ウチのオトンは将棋が趣味なんです。それで好きな動き方の駒があるって言うんですけど、その駒の名前をちょっと忘れたらしくて」
右「は?駒の書体とか、盛り上げ駒かとかじゃなくて、8種類のうちの駒の名前を忘れてもうたの?どうなってるんや」
左「色々と訊くんやけど、全然わからへんねんな」
右「ほな俺がね、オトンの好きな駒、一緒に考えてあげるから。どんな特徴を言うてたか、教えてよ」

左「将棋の8種類の駒の中で、最強の動きの駒で、アンケートで一番人気やっていうねん」
右「それは飛車やないか。縦にも横にも、一番動けるのが飛車や。人気が高いのも飛車。『へぼ将棋、王より飛車をかわいがり』や。もうわかったやん」
左「でもオトンが言うには、その駒の利きをよう見落とすっていうねん」
右「ほな飛車とは違うなあ。飛車の利きを見落とすようになったら、もう将棋はできへんよ。それは角と違うか?アマ初段までなら、角のラインはたまに見落とすから。もうちょっと詳しく教えてくれる?」

左「オトンが言うには、その駒の位置でだいたいの作戦が決まるっていうねん」
右「それは飛車や。将棋の作戦は、飛車をそのままの位置で使う居飛車、左に動かして使う振り飛車、その2大作戦に分かれるんや。振り飛車党は飛車を振るときに、脳内麻薬が出る人種なんや」
左「でもオトンが言うには、王様の守りはその駒におまかせやっていうねん」
右「ほな飛車とは違うか。飛車は攻めの中心や。というか、それは金やないか?守りと言えば金やで。『王の守りは金銀3枚』が基本や。他に何か言うてなかったか?」

左「オトンが言うには、その駒は敵陣に入りパワーアップすることによって、弱点のない最強の動きをするようになるっていうねん」
右「それは飛車やんか。飛車が成ると竜という、斜めすら行ける駒になるんやから。竜が作れた時点で、プレーヤーはかなりうれしくなって、目的を達成したかのように思ってしまうんや」
左「でもオトンが言うには、成るかどうか非常に迷う駒やっていうねん」
右「ほな飛車とは違うか。飛車が成らないときなんて、打ち歩詰めを回避する時くらいのもんや。そんなん、実戦ではまずないわ。というか、それは銀やないか?銀は斜め後ろに行けるから、成らないときもよくあるから」

左「オトンが言うには、前後左右に動けるのが楽しくて、初心者は無意味に動かしがちっていうねん」
右「それは飛車や。初手で中飛車に振ったのに、次で居飛車に戻してしまうとかな。ペア将棋で実際にたまにある現象や」
左「オトンが言うには、駒を跳び越えて、斜め前にジャンプできる駒やっていうねん」
右「ほな飛車とは違うか。というか、それは桂馬や。『ふんどしの桂』という手筋で両取りがかけられるんや。桂馬は駒の中で、一番使い方が難しいんや。あまり早く跳ぶと、『桂の高跳び歩のえじき』になる。だけど遅いと何の活躍もしないんや」

左「オトンが言うには、盤に打ちつけたときに、一番割れやすいっていうねん」
右「それは飛車や。縦に筋が入ってるから。彫り駒で割れる可能性があるのは、飛車と香車や。もう飛車って言うたも同然」
左「でもオトンが言うには、その駒が全く動かずに終わる対局も、かなりあるっていうねん」
右「じゃあ飛車とは違うか。飛車は活躍するのが宿命づけられてるから。というか、活躍しないと言えば香車や。隅の4枚の香車は、まったく手付かずに終わる将棋が、しょっちゅうあるで。ただ香車も、いったん持ち駒になってしまえば、その存在感はかなりあるから、ゲームのバランスは取れてるんやけども」

左「オトンが言うには、やねうら王というソフトによると、歩1枚を100点とすると、その駒は1300点ぐらいの価値があるっていうねん」
右「それは飛車や。ソフト的にもその存在感は圧倒的や。人間どうしでは、飛車を持ち駒にしたときのワクワク感は、将棋の醍醐味と言えるやろな」
左「オトンが言うには、その駒の格言も、すごいたくさんあるっていうねん」
右「ほな、飛車とは違うか。というか、格言と言えば歩や。『歩のない将棋は負け将棋』とか、『一歩千金』とか、『開戦は歩の突き捨てから』とか、歩の格言はいっぱいある。飛車の格言なんて、『二枚飛車に追われる夢を見る』と『王飛車接近すべからず』ぐらいしか思いつかないわ」

左「それでオトンが言うには、角でよく王手飛車がかかるっていうねん」
右「それは飛車や!今、飛車って言うてもうたやん!もう飛車に決定!王手飛車をかけられたら、取られたら負けの王よりも、飛車のほうを思わず逃がしたくなる。それが飛車の価値というもんや。飛車を強引に詰ましに行く問題集の『詰め飛車』という本も出たくらいや」

左「でもオトンが言うには、飛車ではないっていうねん」
右「ほな飛車とは違うかー。それを先に言えよ。というか、もう8種類全ての駒を言うたやろ」
左「オトンが言うには、飛ぶ車と書いてその駒になってるっていうねん」
右「それは飛車!オトンの忘れた駒は飛車や!もう決まり!」
左「でもジイちゃんが言うには、チェスのルークと違うかって」
右「いや、それはもう将棋とちゃうやろ!どうもありがとうございましたー」
2人「どーもー、よろしくお願いしますー」
右「・・・今、ミノフスキー粒子を戦闘濃度散布していただきました。これでレーダーは無効ですからね。どうもありがとうございます」

左「ちょっといきなりですけどね、ウチのオカンはアニメのガンダムが好きなんです。それで、好きなガンダムシリーズがあるって言うんですけど、その名前をちょっと忘れたらしくて」
右「好きなガンダムシリーズの名前を忘れてしもうて。どうなってるんや」
左「色々と訊くんやけど、全然わからへんねんな」
右「ほな俺がね、オカンの好きなガンダム、どのガンダムか一緒に考えてあげるから。どんな特徴を言うてたか、教えてよ」

左「主人公の男の子が、名前をバカにされたぐらいで、軍人相手に殴り掛かるっていうねん」
右「それはZガンダムや。主人公のカミーユは、女の名前と勘違いされたぐらいで、ティターンズの軍人をぶん殴ってしまうんや。高校生がヤクザを殴ったようなもんや。カミーユは相当に危ない奴やで。これが第1話やから、視聴者もびっくりや。もうわかったやん」

左「俺もZガンダムやと思ったんやけどな、オカンが言うには、シャアがモビルスーツ戦ですごく強いって」
右「じゃあ、Zガンダムとは違うか。ファーストであれだけ強かったシャアが、大苦戦の連続なんや。ファーストで通常の3倍のスピードだったはずが、Zでは見る影もない。一年戦争から7年の間に赤い彗星にいったい何があったのか。百式でメガバズーカランチャーを発射するときがかっこいいのが救いや。もうちょっと詳しく教えてくれる?」

左「オカンが言うには、アムロとシャアが手を組むのが、観てて最高にうれしいって」
右「それはZガンダムの名場面やな。軟禁されてニート状態で苦しんでいたアムロを、シャアが勇気づけて、アムロを復活させるんや。ファーストから観てる人には、胸が込み上げるものがあるな」

左「それで、オカンが言うには、話が短くて簡潔やって」
右「そしたらZガンダムとは違うか。Zはとにかく話が長くて難解や。ファーストでは地球連邦軍vs独裁国家ジオン軍という、わかりやすい構図やった。それに対し、続編のZガンダムでは、地球連邦軍の一部のエリート軍人の集まりであるティターンズと、ティターンズの暴走を阻止せんとするエゥーゴの戦いなんや。要は地球連邦軍の内部分裂の話で、こんなん、子供向けとは全く言えんで。ロボットアニメというよりも政治色が濃いし、はっきり決着しない攻防が、延々と全50話の中で繰り返されるんや」

左「オカンが言うには、宇宙空間でモビルスーツが変形する意味がわからんって」
右「それはZガンダムや。Zに出て来るモビルスーツの特徴や。大気圏を突破するときには、確かに変形する意味もあると思う。でも、宇宙空間専門のメタスやらハンブラビやらメッサーラは、何のために変形するんやろな?まあかっこいいから、ええけども」

左「でもオカンが言うには、シャアの変装が巧妙やったって」
右「じゃあZガンダムとは違うか。あんなん、名前をクワトロに変えて、サングラスをかけただけ。変装と言えるレベルじゃないで。今ならスマホの顔認証でも同一人物とわかるレベルやで。他に何か言うてなかったか?」

左「オカンが言うには、主題歌が別格に名曲やって」
右「それはZガンダムや。ファーストの『翔べ!ガンダム』が作られたのが1979年。Zの『水の星に愛をこめて』が1985年。たった6年でアニメソングが劇的に進化したのがわかるなあ。今でも『水の星に~』は、まったく色あせておらん。この曲が流れただけでファンには感涙ものや」

左「でもオカンが言うには、『アニメじゃない』っていう主題歌の歌詞がストレートすぎて、ずっこけたって」
右「じゃあZガンダムとは違うか。というか、それは続編のZZガンダムや。ダブルゼータが一番アニメっぽかったのは皮肉な話や。でも後半の主題歌『サイレント・ヴォイス』とエンディングソングの『一千万年銀河』は素晴らしい曲やったな。あれでZZという作品が救われてたわ」

左「オカンが言うには、最終回の盛り上がり方が半端じゃないって」
右「それはZガンダムや。カミーユたち、シロッコ、ハマーンの三つどもえが、一気に対決するんや。今までの停滞はなんやったんやと思うくらい、話も進む。この第50話、最終回では名シーンと名言が盛りだくさんや。時間がない人は、この最終回だけを観るという手もあるくらいや。名言で俺が好きなのは、シャアがカミーユに言った『君のような若者が命を落として、それで世界が救えると思っているのか!』やな」

左「でもオカンが言うには、最後はハッピーエンドやって」
右「じゃあZガンダムとは違うか。とにかく人は死にまくるし、テレビ版のカミーユのラストシーンは、今でも伝説になってるわ」

左「オカンが言うには、カミーユが最終回であんなことになってもうて、その後シャアが絶望して地球に隕石を落とす事につながった経緯がよくわかる、っていうねん」
右「だから、それはZガンダムや!もうカミーユって言うてもうてるやん!物語はZだけでは完結せず、ZZガンダム、そして逆襲のシャアへと続くんや」

左「オカンが言うには、2005年に作られた劇場用3部作も大好評やったって」
右「それは・・・『機動戦士Zガンダム A New Translation』やけど、大好評ではなかったな・・・。1985年当時のテレビ映像と、新しく描いた映像を組み合わせて作ったため、違和感がありすぎたんや。話も前後のつながりが悪いし、俺は正直、がっかりしたで」

左「でもオカンが言うには、Zガンダムではないと」
右「じゃあZガンダムではないかー。それを先に言えよ。俺が最終回のシャアの名言を再現してるとき、どう思ってたんや」
左「でもオトンが言うには、マジンガーZと違うかって」
右「いや、絶対ちゃうやろ!どうもありがとうございましたー」
2人「どーもー、よろしくお願いしますー」
右「・・・今、牛乳ビンのフタを黒く塗って作った碁石をいただきました。こんなん、なんぼあっても困りませんからね。どうもありがとうございます」

左「ちょっといきなりですけどね、ウチのオカンはマンガを読むのが趣味なんです。それで、好きな囲碁マンガがあるっていうんですけど、その名前をちょっと忘れたらしくて」
右「好きな囲碁マンガの名前を忘れてしもうて。どうなってるんや」
左「色々と訊くんやけど、全然わからへんねんな」
右「ほな俺がね、オカンの好きな囲碁マンガ、一緒に考えてあげるから。どんな特徴を言うてたか、教えてよ」

左「主人公の小学生に、平安時代に死んだ囲碁好きな貴族の幽霊がとりつくっていうストーリーやねん」
右「それは、ヒカルの碁やないか。もうわかったやん。もう囲碁マンガという時点で、そうじゃないかと思ってたよ。1999年に第1巻が出版されてるから、20年ほども前になるんやな」
左「俺もヒカルの碁やと思ったんやけどな、オカンが言うには、幽霊はひとりじゃなくて、物語の後半は幽霊どうしの囲碁バトルになるっていうねん」
右「ほな、ヒカルの碁とは違うか。幽霊は佐為ひとりやからね。そんなJOJOのスタンド使いどうしみたいなバトルにはならんから。もうちょっと何か言うてなかった?」

左「オカンが言うには、主人公が囲碁を覚えてからプロになるまでがめっちゃ早いって」
右「それはヒカルの碁や。小6で囲碁を覚えて、中2でプロになってるから。まあバトル系のフィクションにはありがちなスピード出世や」
左「でもオカンが言うには、手の平から気功波を出して、岩をも砕くっていうねん」
右「じゃあヒカルの碁とは違うか。というか、それは、かめはめ波やないか。オカン、ドラゴンボールと間違えてない?他に何か言うてなかった?」

左「オカンが言うには、アニメの出来栄えも最高で、何回観ても面白いっていうねん」
右「それはヒカルの碁や。絵も声優さんもみんなうまくて、主題歌も名曲揃いで、言うことなしや」
左「でもオカンが言うには、主人公が人体のツボを突いたら、体が破裂するっていうねん」
右「じゃあヒカルの碁とは違うか。というか、それは北斗神拳や。オカン、わざと間違えてないか?」

左「マンガとアニメ、あまりの出来の良さに、海外でも人気。コミックマーケットなんかでは、二次創作が大流行したっていうねん」
右「それはヒカルの碁や。男キャラがかっこいいから、一部の腐女子に大人気で、たくさんの『やおい本』が作られたんや」
左「でもオカンが言うには、登場するキャラを読者から募集して、そのアイデアで作った、というねん」
右「じゃあヒカルの碁とは違うか。というか、それはキン肉マンや。オカン、絶対わざと間違えてるやろ」

左「それで、オカンが言うには、幽霊と五冠王の対決が最高に盛り上がるシーンやっていうねん」
右「それはヒカルの碁の頂上決戦や。あれは面白かったな。思えば、アルファ碁が登場する前に、このマンガを作っておいて良かったで」
左「それで、オカンが言うには、戦いで死んだキャラがどんどん生き返るっていうねん」
右「じゃあヒカルの碁とは違うか。そもそも死ぬキャラはおらんかったからな。生き返るといえば男塾やで。粉みじんになった大豪院邪鬼ですら生き返るんやから」

左「オカンが言うには、佐為が成仏していなくなった後、読者にめっちゃ喪失感があったっていうねん」
右「だから、それはヒカルの碁や!もう佐為って言うてもうてるやん!佐為が消えて、ヒカルも号泣したけど、佐為ロスが全読者に広がったんや。祭りの後の静けさみたいな感があったなあ」

左「でもオカンが言うには、ヒカルの碁ではないっていうねん」
右「じゃあヒカルの碁ではないかー。それを先に言えよ。というか、お前のオカン、ジャンプの色んなマンガがごっちゃになってるんや」
左「でもオトンが言うには、幽遊白書と違うかって」
右「いや、絶対ちゃうやろ!どうもありがとうございましたー」
2人「どーもー、よろしくお願いしますー」
右「・・・今、予備の余り駒の歩を1枚いただきました。こんなんなんぼあっても困りませんからね。どうもありがとうございます」

左「ちょっといきなりですけどね、ウチのオトンは将棋が趣味なんです。それで好きな戦法があるって言うんですけど、その名前をちょっと忘れたらしくて」
右「好きな戦法の名前を忘れてもうて。どうなってるんや」
左「色々と訊くんやけど、全然わからへんねんな」
右「ほな俺がね、オトンの好きな戦法、一緒に考えてあげるから。どんな特徴を言うてたか、教えてよ」

左「将棋の戦法の中で、初心者向けで、最も基本的な、数の攻めが覚えられるっていうねん」
右「それは棒銀やないか。将棋教室で一番最初に教えられるのが棒銀やから。すぐわかったやん」
左「でもオトンが言うには、その戦法で来られたら、もう絶対に受けようがないっていうねん」
右「ほな棒銀とは違うなあ。受け方がバッチリあるのが棒銀やから。定跡も整ってるよ。もうちょっと詳しく教えてくれる?」

左「オトンが言うには、銀交換になった後の攻め方がようわからんっていうねん」
右「それは棒銀や。いざ銀交換になっても、別にそれほど相手陣にダメージがないのよ」
左「でもオトンが言うには、その戦法のおかげで将棋観が変わったっていうねん」
右「ほな棒銀とは違うか。狙いは単純な2筋突破作戦やからね。他に何か言うてなかった?」

左「オトンが言うには、加藤一二三がこだわってそれを指し続けたっていうねん」
右「ほな棒銀やんか。ひふみんは生涯棒銀一筋やで。もう決まりや」
左「でもオトンが言うには、藤井猛が開発して愛用しているっていうねん」
右「ほな棒銀とは違うか。藤井猛は藤井システムやからね」

左「オトンが言うには、中盤でさばけずに、出た銀が取り残されがちっていうねん」
右「それは棒銀や。こんなことなら早繰り銀にしておけば、銀が遊ばんかったのに、と後悔すんねん」
左「オトンが言うには、数ある戦法の中で最もマイナーやっていうねん」
右「じゃあ棒銀とは違うか。棒銀はかなり有名やから。ただプロで頻繁に採用されるかどうかは別よ」

左「オトンが言うには、戦法の名前に原始が付くっていうねん」
右「それは棒銀や。原始が付くのは原始棒銀か原始中飛車しかあらへんから。言うたも同然」
左「でもオトンが言うには、棒銀ではないっていうねん」
右「ほな棒銀とは違うかー。それを先に言えよ」

左「オトンが言うには、銀を棒のようにまっすぐ進めて攻めることからその名が付いたっていうねん」
右「それは棒銀!オトンの忘れた戦法は棒銀や!もう決定!」
左「でもジイちゃんが言うには、アヒル戦法と違うかって」
右「いや、絶対ちゃうやろ!どうもありがとうございましたー」