2022.06.30
24のソフトJKishi18gou対初段の人 短手数の一局を紹介
久しぶりの「24でAIを観戦」のコーナー。
24で常駐しているソフト、JKishi18gouの棋譜を紹介。
短手数です。この切れ味、人間技じゃない!
開始日時:2022/06/28
棋戦:R対局 早指し2(猶予1分)
先手:JKishi18gou(4343)
後手:初段の人
▲7六歩
*早指し2で、先手がJKishi18gou。
△3四歩
*後手が初段の人。初段といっても二段に近い点がある人。
▲2六歩
*ソフトの切れ味が出た一局なので、紹介したい。
△4四歩
*以下、駒組みが始まる。
▲6八玉 △3三角 ▲4八銀 △2二飛
*後手は向かい飛車だ。
▲9六歩 △3二銀 ▲9五歩
*JKishi18gouは端の位を取った。
△6二玉 ▲7八銀
*銀が上がって左美濃。この銀の形は堅いと私は思う。
△2四歩
*後手の趣向。先手が端の位を取ったので、先手の手が遅れているのでは、ということだろう。
▲5八金右 △4三銀 ▲4六歩 △3五歩
*後手の狙いが見えた。明確な2筋の逆襲だ。
▲4七銀 △3四銀
*これ、先手が困っているように見える。ソフトはどう対応するのか、見ものだ。
▲3六歩 △同 歩 ▲同 銀
*とりあえずの一歩交換だろうか?
△3五歩
*ここが問題の局面。次のJKishi18gouの手を当ててほしい。
▲同 銀
*まさかの特攻!これで先手が指せるとソフトは見てる。すげえ!
△同 銀 ▲3四歩
*急所に歩は打てたが、このあと先手の手は続くのか?
△4二角 ▲4五歩
*これが思いのほか厳しい。△4三銀打で受かるように見えるが、▲4四歩△同銀引▲4五歩で銀が取り返される。
△5四歩
*後手、苦心の手。次の△6四角狙いだろう。
▲3八飛
*うまい。後手は歩がないので△3六歩が打てない。△3六銀打とすると▲同飛△同銀▲4四角で決まる。
△2六銀
*まだしも△4六銀打だったが、▲4四歩で先手有利。本譜は銀を逃げたが、やはり次の手が・・・。
▲4四角
*あまりに気持ちいい王手飛車。ここで後手の初段の人は投了!後手は何も変な手は指してないはずなのに。33手という超短手数だった。鮮やか、ソフトの指し回し!
まで33手で先手の勝ち
24で常駐しているソフト、JKishi18gouの棋譜を紹介。
短手数です。この切れ味、人間技じゃない!
開始日時:2022/06/28
棋戦:R対局 早指し2(猶予1分)
先手:JKishi18gou(4343)
後手:初段の人
▲7六歩
*早指し2で、先手がJKishi18gou。
△3四歩
*後手が初段の人。初段といっても二段に近い点がある人。
▲2六歩
*ソフトの切れ味が出た一局なので、紹介したい。
△4四歩
*以下、駒組みが始まる。
▲6八玉 △3三角 ▲4八銀 △2二飛
*後手は向かい飛車だ。
▲9六歩 △3二銀 ▲9五歩
*JKishi18gouは端の位を取った。
△6二玉 ▲7八銀
*銀が上がって左美濃。この銀の形は堅いと私は思う。
△2四歩
*後手の趣向。先手が端の位を取ったので、先手の手が遅れているのでは、ということだろう。
▲5八金右 △4三銀 ▲4六歩 △3五歩
*後手の狙いが見えた。明確な2筋の逆襲だ。
▲4七銀 △3四銀
*これ、先手が困っているように見える。ソフトはどう対応するのか、見ものだ。
▲3六歩 △同 歩 ▲同 銀
*とりあえずの一歩交換だろうか?
△3五歩
*ここが問題の局面。次のJKishi18gouの手を当ててほしい。
▲同 銀
*まさかの特攻!これで先手が指せるとソフトは見てる。すげえ!
△同 銀 ▲3四歩
*急所に歩は打てたが、このあと先手の手は続くのか?
△4二角 ▲4五歩
*これが思いのほか厳しい。△4三銀打で受かるように見えるが、▲4四歩△同銀引▲4五歩で銀が取り返される。
△5四歩
*後手、苦心の手。次の△6四角狙いだろう。
▲3八飛
*うまい。後手は歩がないので△3六歩が打てない。△3六銀打とすると▲同飛△同銀▲4四角で決まる。
△2六銀
*まだしも△4六銀打だったが、▲4四歩で先手有利。本譜は銀を逃げたが、やはり次の手が・・・。
▲4四角
*あまりに気持ちいい王手飛車。ここで後手の初段の人は投了!後手は何も変な手は指してないはずなのに。33手という超短手数だった。鮮やか、ソフトの指し回し!
まで33手で先手の勝ち
2021.02.01
昨日の記事の補足
従来の定跡をくつがえす新手発見か、と私が書いた、昨日の記事。
しかし、▲6五馬を詳細に解説したページが、すでに存在しました。
「最速で将棋初段を目指すブログ」の中の、「4手目△3五歩で後手番早石田のススメ」という記事。
https://shogionon.com/hayaisida
この、「4手目△3五歩で後手番早石田のススメ」では▲6五馬の変化が詳細に書かれていて、すごいです。
(ページを開いて、下にスクロールしていって、全体の真ん中あたりの記事)
2年も前に書かれてます。▲6五馬は、知る人ぞ知る定跡だった、ということです。
JKishi18gouと対戦したレート約2900点の人は知らなくて、この定跡に飛び込んだという推測ができます。
もういちど、妙手▲6五馬の図を載せておきます。今、△3六飛と出てきたところ。

ここで▲6五馬と引くのが妙手。詳しくは昨日の私の記事か、上記のアドレスのページにて。
ただ、結論がちょっと違います。「4手目△3五歩で後手番早石田のススメ」では、▲6五馬に△2八角成とせず、△3五飛としておけば互角、ということです。しかし、△3五飛で、やねうら王では+484で、ちょっと先手有利とのこと。(思考時間15分で計測)
まあ+484なんて、人間どうしなら互角とも言えますが。
いずれにしろ、▲6五馬は、新手発見ではありませんでした。でも非常に興味深い、将棋の奥深さが出た手だと思います。
しかし、▲6五馬を詳細に解説したページが、すでに存在しました。
「最速で将棋初段を目指すブログ」の中の、「4手目△3五歩で後手番早石田のススメ」という記事。
https://shogionon.com/hayaisida
この、「4手目△3五歩で後手番早石田のススメ」では▲6五馬の変化が詳細に書かれていて、すごいです。
(ページを開いて、下にスクロールしていって、全体の真ん中あたりの記事)
2年も前に書かれてます。▲6五馬は、知る人ぞ知る定跡だった、ということです。
JKishi18gouと対戦したレート約2900点の人は知らなくて、この定跡に飛び込んだという推測ができます。
もういちど、妙手▲6五馬の図を載せておきます。今、△3六飛と出てきたところ。

ここで▲6五馬と引くのが妙手。詳しくは昨日の私の記事か、上記のアドレスのページにて。
ただ、結論がちょっと違います。「4手目△3五歩で後手番早石田のススメ」では、▲6五馬に△2八角成とせず、△3五飛としておけば互角、ということです。しかし、△3五飛で、やねうら王では+484で、ちょっと先手有利とのこと。(思考時間15分で計測)
まあ+484なんて、人間どうしなら互角とも言えますが。
いずれにしろ、▲6五馬は、新手発見ではありませんでした。でも非常に興味深い、将棋の奥深さが出た手だと思います。
2021.01.31
24でAIを観戦する日々 その12
今回は、定跡通の人にぜひ見てもらいたい棋譜。28日のJKishi18gouの対局から。
対抗形で、▲居飛車vs△早石田。急戦で角交換から▲6五角と打つ変化。
図を4つ貼る。(1図~4図まで、続いている。2図と4図が次の一手の問題)
先手がJKishi18gou。後手は2900点付近の人。△3五歩までの局面が1図。
1図(進行図)

ここまで、よくある進行だ。ただし、本局では2手目△3二飛戦法で、△3五歩が後回しになっている。
まだ次の一手の問題ではなく、進行を紹介。定跡として存在する手順だ。先手は▲2五歩を後回しにして▲6八玉と警戒している。それでも後手は早石田を目指したのが1図。
ここから▲2二角成△同銀▲6五角△5二玉▲8三角成△3六歩▲同歩△5五角▲7七桂△3六飛と進んで、2図へ。
ここで次の一手を考えてみて欲しい。と言っても、AIが従来の定跡をくつがえしたであろう一手だ。超難問。
△3六飛まで。先手番。次の一手の難度★★★★★(5段階で5) ヒント・あとあとに攻防となる手。
2図(問題図)

正解は、▲6五馬!! 定跡を知っている人ほど、指せない手だろう。従来の定跡手では△3六飛には▲3七歩△7六飛▲7八金。これで互角、が相場だった。なぜなら、▲6五馬では△2八角成▲同銀△3八飛打と進行するからだ。この△3八飛打で、先手陣は壊滅しているから、先手ダメ、というのが従来の考え方だった。
本譜もその手順になった。だが、そこからJKishi18gouが絶妙の凌ぎを見せた。3図へ。
3図(進行図)

ここから、▲同金△同飛成▲5八飛△2九竜と本譜は進行。(▲5八飛に△4八金の変化は後述)
△2九竜にJKishi18gouが▲4六歩と突いたのが妙手。
この歩突きが馬のラインで竜取りになっている。▲4六歩に△3八歩という受けは▲同馬で清算して先手有利。なので本譜は△4九竜と逃げた。そこでまた次の一手を問題にさせてもらう。
△4九竜まで。先手番。次の一手の難度★★ (5段階で2) ヒント・攻防手。
4図(問題図)

正解は▲1六角!これが再び妙手。(なお、先ほどの▲5八飛と合駒したときに△4八金で飛車を殺すのは、▲4三馬捨て~▲1六角の筋があった。それで先手有利)
なんと、▲1六角が竜取りで詰めろ。放置すれば後手玉は▲4三馬からの即詰みなのだ。
▲1六角に対して△4六竜と引くのは▲3七銀!の押し売りの活用が気持ちいい。(もちろん取ると詰み)
▲3七銀に△4四竜と逃げても▲4三馬!△同竜▲4四歩で攻めが続いて先手有利。
なので、▲1六角には仕方なく△5八竜で飛車交換になる。すると先手の馬と角の利きが抜群で、先手が有利になっている。
本譜▲5八同金の局面は、やねうら王で680点ほど先手良し。先手は4筋の歩を突いていく楽しみが大きい。
これ、マジですごい。△3八飛打となった局面で、今まで人は検討を打ち切っていたんではないか?
ジョジョの奇妙な冒険のポルナレフ風に言うとしたら、こうだろう。
「おれは今 やつのスタンドを ほんのちょっぴりだが 体験した
い…いや… 体験したというよりは まったく理解を 超えていたのだが……
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
『おれは 後手優勢の定跡手順を指していたと思ったら いつのまにか先手良しだった』
な… 何を言っているのか わからねーと思うが
おれも 何をされたのか わからなかった…
頭がどうにかなりそうだった… 催眠術だとか超スピードだとか
そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を 味わったぜ…」
後手早石田、なんらかの改良を加えなければ、成立しないんではないか?定跡に一石を投じる一局だと思う。
なお、この棋譜は貴重なので、総譜を載せておく。わずか49手で後手の強豪の人が投了に追い込まれているのも高ポイントだ。
#KI2 version=2.0 encoding=UTF-8
手合割:平手
先手:JKishi18gou(4312)
後手:R2900近い人
棋戦:R対局(15分)
▲7六歩 △3二飛 ▲2六歩 △3四歩 ▲6八玉 △3五歩
▲2二角成 △同 銀 ▲6五角 △5二玉 ▲8三角成 △3六歩
▲同 歩 △5五角 ▲7七桂 △3六飛 ▲6五馬 △2八角成
▲同 銀 △3八飛打 ▲同 金 △同飛成 ▲5八飛 △2九龍
▲4六歩 △4九龍 ▲1六角 △5八龍 ▲同 金 △3二金
▲4五歩 △5四金 ▲同 馬 △同 歩 ▲4四歩 △3四歩
▲同 角 △5一桂 ▲4三歩成 △同 金 ▲同角成 △同 玉
▲4一飛 △5二玉 ▲2一飛成 △5五角 ▲4三歩 △3一歩
▲4五金
まで49手で先手の勝ち
対抗形で、▲居飛車vs△早石田。急戦で角交換から▲6五角と打つ変化。
図を4つ貼る。(1図~4図まで、続いている。2図と4図が次の一手の問題)
先手がJKishi18gou。後手は2900点付近の人。△3五歩までの局面が1図。
1図(進行図)

ここまで、よくある進行だ。ただし、本局では2手目△3二飛戦法で、△3五歩が後回しになっている。
まだ次の一手の問題ではなく、進行を紹介。定跡として存在する手順だ。先手は▲2五歩を後回しにして▲6八玉と警戒している。それでも後手は早石田を目指したのが1図。
ここから▲2二角成△同銀▲6五角△5二玉▲8三角成△3六歩▲同歩△5五角▲7七桂△3六飛と進んで、2図へ。
ここで次の一手を考えてみて欲しい。と言っても、AIが従来の定跡をくつがえしたであろう一手だ。超難問。
△3六飛まで。先手番。次の一手の難度★★★★★(5段階で5) ヒント・あとあとに攻防となる手。
2図(問題図)

正解は、▲6五馬!! 定跡を知っている人ほど、指せない手だろう。従来の定跡手では△3六飛には▲3七歩△7六飛▲7八金。これで互角、が相場だった。なぜなら、▲6五馬では△2八角成▲同銀△3八飛打と進行するからだ。この△3八飛打で、先手陣は壊滅しているから、先手ダメ、というのが従来の考え方だった。
本譜もその手順になった。だが、そこからJKishi18gouが絶妙の凌ぎを見せた。3図へ。
3図(進行図)

ここから、▲同金△同飛成▲5八飛△2九竜と本譜は進行。(▲5八飛に△4八金の変化は後述)
△2九竜にJKishi18gouが▲4六歩と突いたのが妙手。
この歩突きが馬のラインで竜取りになっている。▲4六歩に△3八歩という受けは▲同馬で清算して先手有利。なので本譜は△4九竜と逃げた。そこでまた次の一手を問題にさせてもらう。
△4九竜まで。先手番。次の一手の難度★★ (5段階で2) ヒント・攻防手。
4図(問題図)

正解は▲1六角!これが再び妙手。(なお、先ほどの▲5八飛と合駒したときに△4八金で飛車を殺すのは、▲4三馬捨て~▲1六角の筋があった。それで先手有利)
なんと、▲1六角が竜取りで詰めろ。放置すれば後手玉は▲4三馬からの即詰みなのだ。
▲1六角に対して△4六竜と引くのは▲3七銀!の押し売りの活用が気持ちいい。(もちろん取ると詰み)
▲3七銀に△4四竜と逃げても▲4三馬!△同竜▲4四歩で攻めが続いて先手有利。
なので、▲1六角には仕方なく△5八竜で飛車交換になる。すると先手の馬と角の利きが抜群で、先手が有利になっている。
本譜▲5八同金の局面は、やねうら王で680点ほど先手良し。先手は4筋の歩を突いていく楽しみが大きい。
これ、マジですごい。△3八飛打となった局面で、今まで人は検討を打ち切っていたんではないか?
ジョジョの奇妙な冒険のポルナレフ風に言うとしたら、こうだろう。
「おれは今 やつのスタンドを ほんのちょっぴりだが 体験した
い…いや… 体験したというよりは まったく理解を 超えていたのだが……
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
『おれは 後手優勢の定跡手順を指していたと思ったら いつのまにか先手良しだった』
な… 何を言っているのか わからねーと思うが
おれも 何をされたのか わからなかった…
頭がどうにかなりそうだった… 催眠術だとか超スピードだとか
そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を 味わったぜ…」
後手早石田、なんらかの改良を加えなければ、成立しないんではないか?定跡に一石を投じる一局だと思う。
なお、この棋譜は貴重なので、総譜を載せておく。わずか49手で後手の強豪の人が投了に追い込まれているのも高ポイントだ。
#KI2 version=2.0 encoding=UTF-8
手合割:平手
先手:JKishi18gou(4312)
後手:R2900近い人
棋戦:R対局(15分)
▲7六歩 △3二飛 ▲2六歩 △3四歩 ▲6八玉 △3五歩
▲2二角成 △同 銀 ▲6五角 △5二玉 ▲8三角成 △3六歩
▲同 歩 △5五角 ▲7七桂 △3六飛 ▲6五馬 △2八角成
▲同 銀 △3八飛打 ▲同 金 △同飛成 ▲5八飛 △2九龍
▲4六歩 △4九龍 ▲1六角 △5八龍 ▲同 金 △3二金
▲4五歩 △5四金 ▲同 馬 △同 歩 ▲4四歩 △3四歩
▲同 角 △5一桂 ▲4三歩成 △同 金 ▲同角成 △同 玉
▲4一飛 △5二玉 ▲2一飛成 △5五角 ▲4三歩 △3一歩
▲4五金
まで49手で先手の勝ち
2021.01.30
24でAIを観戦する日々 その11
今日は、AIの次の一手というより、知識を紹介。
28日の対局から。先手がJKishi18gou。後手が約2100点の人。
まだ開始早々、駒組みの段階。今、後手が△7二玉としたところ。
先手番。先手はどう玉形を整えるかを当ててほしい。手数をかけないバージョン。
次の一手の難度★ (5段階で1) ヒント・AIの常套(じょうとう)手段。

正解は▲6八金。手損だが、こうやって玉を▲7八玉と囲う。
そもそも、なぜ▲7八金型になっているかというと、この手で後手に振り飛車を誘っているのだ。そして後手が振り飛車にしたら、▲6八金~▲7八玉として、それで先手不満なし、というのがAIの思考。有名なので知っている人も多いと思う。
なお、この図を、やねうら王は+162で先手が少し有利と評価している。(思考時間5分で)
さて、ここから豆知識。AIは初形(開始図)をどう評価しているのか。初手の最善手は何か。
私のPCは、corei7 8700、メモリ16ギガ、13万円程度のミドルスペックPC。
これで、やねうら王(tanuki-2018)を10分、初手を考えさせた。すると、以下のように出た。
最善手 ▲2六歩 +35
次善手 ▲7八金 +33
3番手 ▲7六歩 +27
なんと▲7八金が2番手。それも▲2六歩と2点しか違わない!笑っちゃう。
(先手後手で、たった30点ほどしか差がないのか?私の個人的な体感としては、もっと差がある)
次に振り飛車について調べる。強引な指し手だが、初手▲5八飛、初手▲6八飛、初手▲7八飛を5分ずつ検討させてみた。
初手▲5八飛 -168
初手▲6八飛 -154
初手▲7八飛 -227
-は先手不利を意味している。(「先手から見た評価値」にチェックを入れている)
のきなみ、評価がマイナスになっている。(ただしいきなり飛車を動かしているが)
では、最後に2手目△3二金はどうか。先手は振り飛車にして、2手目△3二金を咎めることはできるのか。
初手から▲7六歩△3二金▲7八飛の局面を調べた。(三間飛車が一番、△3二金を咎める可能性が高いと思われるため)
考慮時間5分。すると-62で、先手不利の結果となった。(もちろん微差だが)
分かったことは、AIにとっては、初手▲7八金も有力だし、2手目△3二金も有力なのだ。
なぜなら、AIにとっては振り飛車は不利飛車だから。
ただ、私のどこかで聞いたところでは、対抗形でお互い最善手を指してどんどん手数が進むと、点差が縮まっていって、互角に近づいていく、という話はあるが・・・。
28日の対局から。先手がJKishi18gou。後手が約2100点の人。
まだ開始早々、駒組みの段階。今、後手が△7二玉としたところ。
先手番。先手はどう玉形を整えるかを当ててほしい。手数をかけないバージョン。
次の一手の難度★ (5段階で1) ヒント・AIの常套(じょうとう)手段。

正解は▲6八金。手損だが、こうやって玉を▲7八玉と囲う。
そもそも、なぜ▲7八金型になっているかというと、この手で後手に振り飛車を誘っているのだ。そして後手が振り飛車にしたら、▲6八金~▲7八玉として、それで先手不満なし、というのがAIの思考。有名なので知っている人も多いと思う。
なお、この図を、やねうら王は+162で先手が少し有利と評価している。(思考時間5分で)
さて、ここから豆知識。AIは初形(開始図)をどう評価しているのか。初手の最善手は何か。
私のPCは、corei7 8700、メモリ16ギガ、13万円程度のミドルスペックPC。
これで、やねうら王(tanuki-2018)を10分、初手を考えさせた。すると、以下のように出た。
最善手 ▲2六歩 +35
次善手 ▲7八金 +33
3番手 ▲7六歩 +27
なんと▲7八金が2番手。それも▲2六歩と2点しか違わない!笑っちゃう。
(先手後手で、たった30点ほどしか差がないのか?私の個人的な体感としては、もっと差がある)
次に振り飛車について調べる。強引な指し手だが、初手▲5八飛、初手▲6八飛、初手▲7八飛を5分ずつ検討させてみた。
初手▲5八飛 -168
初手▲6八飛 -154
初手▲7八飛 -227
-は先手不利を意味している。(「先手から見た評価値」にチェックを入れている)
のきなみ、評価がマイナスになっている。(ただしいきなり飛車を動かしているが)
では、最後に2手目△3二金はどうか。先手は振り飛車にして、2手目△3二金を咎めることはできるのか。
初手から▲7六歩△3二金▲7八飛の局面を調べた。(三間飛車が一番、△3二金を咎める可能性が高いと思われるため)
考慮時間5分。すると-62で、先手不利の結果となった。(もちろん微差だが)
分かったことは、AIにとっては、初手▲7八金も有力だし、2手目△3二金も有力なのだ。
なぜなら、AIにとっては振り飛車は不利飛車だから。
ただ、私のどこかで聞いたところでは、対抗形でお互い最善手を指してどんどん手数が進むと、点差が縮まっていって、互角に近づいていく、という話はあるが・・・。
2021.01.29
24でAIを観戦する日々 その10
今回は特別に2枚、図を貼る。(指し手が1図から2図へ進行する) ぜひAIの指し回しを堪能してほしい。
27日のHefeweizenの対局。先手がHefeweizen。後手は約1900点の人。
先手Hefeweizenの三間飛車に対して、一応、対抗形と呼べるのか、後手は居飛車。
後手の玉はなんと△7一玉という、超個性的な形。
今、7四の地点で歩が交換になったところ。△7四同銀まで。
後手の銀2枚の抑え込みに、Hefeweizenはどうするのか、俄然、注目の局面。
先手番。次の一手の難度★★★★★(5段階で5) あえてノーヒント。すぐ答えを見てもいい。
1図

答えは▲9五歩!仕掛けちゃって、この後、Hefeweizenはどうするつもりなんだ、という一手。
そこから△9五同歩▲同香△同香▲7五歩△同銀左と進んで、2図へ。
9筋で香を捨ててしまい、さらに7筋に銀まで呼んできてしまい、一見、AIが誤作動したかのような無茶苦茶な指し回しに見える。
2図は△7五同銀左まで。先手番。次の一手の難度★★★★ (5段階で4) ヒント・捌き方は・・・
2図

答えは、▲8五飛。軽く浮くのがHefeweizenの一手。この手で1200点ほど先手がリード、とやねうら王の判断。
▲8五飛ではなく、▲7五同角△同銀▲9一銀と攻めたくもなるが、それでは互角にしかならない、とやねうら王。(飛車を取り合うことになるが後手は飛車の打ちこみに強い)
▲8五飛以下、もし△同銀なら▲7五角で銀を取り返し、8五の銀が当たっているのと、▲5三角成を見て先手有利(1200点ほど)との、やねうら王の判断。玉形が違いすぎるのが原因だろう。
本譜は▲8五飛に△8四銀と引いて耐えたが、▲同角△同歩▲9五飛で、ものの見事に捌けた。
やねうら王は1図の時点で、すで1200点ほど先手有利の形勢判断を出している。
1図から、この▲9五歩以下の変化をAIは読み切っていたのだ。なんということだ。この後、本譜はHefeweizenはすぐに飛車も叩き切り、小駒の攻めで寄せきった。強すぎる!圧倒的なAIの強さだった。
27日のHefeweizenの対局。先手がHefeweizen。後手は約1900点の人。
先手Hefeweizenの三間飛車に対して、一応、対抗形と呼べるのか、後手は居飛車。
後手の玉はなんと△7一玉という、超個性的な形。
今、7四の地点で歩が交換になったところ。△7四同銀まで。
後手の銀2枚の抑え込みに、Hefeweizenはどうするのか、俄然、注目の局面。
先手番。次の一手の難度★★★★★(5段階で5) あえてノーヒント。すぐ答えを見てもいい。
1図

答えは▲9五歩!仕掛けちゃって、この後、Hefeweizenはどうするつもりなんだ、という一手。
そこから△9五同歩▲同香△同香▲7五歩△同銀左と進んで、2図へ。
9筋で香を捨ててしまい、さらに7筋に銀まで呼んできてしまい、一見、AIが誤作動したかのような無茶苦茶な指し回しに見える。
2図は△7五同銀左まで。先手番。次の一手の難度★★★★ (5段階で4) ヒント・捌き方は・・・
2図

答えは、▲8五飛。軽く浮くのがHefeweizenの一手。この手で1200点ほど先手がリード、とやねうら王の判断。
▲8五飛ではなく、▲7五同角△同銀▲9一銀と攻めたくもなるが、それでは互角にしかならない、とやねうら王。(飛車を取り合うことになるが後手は飛車の打ちこみに強い)
▲8五飛以下、もし△同銀なら▲7五角で銀を取り返し、8五の銀が当たっているのと、▲5三角成を見て先手有利(1200点ほど)との、やねうら王の判断。玉形が違いすぎるのが原因だろう。
本譜は▲8五飛に△8四銀と引いて耐えたが、▲同角△同歩▲9五飛で、ものの見事に捌けた。
やねうら王は1図の時点で、すで1200点ほど先手有利の形勢判断を出している。
1図から、この▲9五歩以下の変化をAIは読み切っていたのだ。なんということだ。この後、本譜はHefeweizenはすぐに飛車も叩き切り、小駒の攻めで寄せきった。強すぎる!圧倒的なAIの強さだった。
2021.01.28
24でAIを観戦する日々 その9
今日も、AIと人間の熱い戦いを紹介したい。26日の対局から。
先手がJKishi18gou。後手が約1900点の人。
▲居飛車vs△中飛車の対抗形から、先手も中飛車に振り直し、5筋で飛車がにらみあっている。
冷静に局面を見ると、先手が万全な態勢。そして、いかにも技がかかりそうな局面。
今、▲6五歩の仕掛けに△同歩と取ったところ。
先手番。次の一手の難度★★★ (5段階で3) JKishi18gouが指した、最も有効な手を当てて欲しい。
ヒント・アニメ「天空の城ラピュタ」で言うところの「ラピュタの雷(いかづち)」
その先の攻めまで読めれば完璧。

正解は▲7三角成。(他の手では▲6四歩、または▲7五歩も有力)
▲7三角成以下△同金に▲6五銀が駒を活用する手順。銀交換になり▲6二銀と打たれたら後手は負ける。そして飛車交換になっても、後手は負ける。
そこで△5五銀と逃げたが▲8五桂打(跳びでも同じ意味)△7二金▲6四歩で、攻めが決まった。(△6四同銀引で結局飛車交換になった)
まとめると、本譜は図から▲7三角成△同金▲6五銀△5五銀▲8五桂打△7二金▲6四歩△同銀引▲5一飛成。
怒涛の攻めだ。▲7三角成は、まるでラピュタの雷だ。人ならとりあえず▲6四歩を打ちそう。(それも充分有力だが)
ムスカ「旧約聖書にあるソドムとゴモラを滅ぼした天の火だよ」「ラーマヤーナではインドラの矢とも伝えているがね」
AI、強い。実は図の2手前の▲6五歩と仕掛ける前の局面で、すでに先手が充分な態勢になってしまっているのだ。
駒組みが終わったところで、形勢が1700点ほど先手有利(やねうら王)で、もうすでに「終わってる」と言える。(後手の人は3手、無条件に手損していた。そして△3二金が完全な遊び駒。それが響いている)
ラピュタの雷。それは人類を滅ぼす。しかし、AIに挑み続ける人がいる限り、AIと人の戦いは終わらない。♪父さんが残した~熱い想い~
先手がJKishi18gou。後手が約1900点の人。
▲居飛車vs△中飛車の対抗形から、先手も中飛車に振り直し、5筋で飛車がにらみあっている。
冷静に局面を見ると、先手が万全な態勢。そして、いかにも技がかかりそうな局面。
今、▲6五歩の仕掛けに△同歩と取ったところ。
先手番。次の一手の難度★★★ (5段階で3) JKishi18gouが指した、最も有効な手を当てて欲しい。
ヒント・アニメ「天空の城ラピュタ」で言うところの「ラピュタの雷(いかづち)」
その先の攻めまで読めれば完璧。

正解は▲7三角成。(他の手では▲6四歩、または▲7五歩も有力)
▲7三角成以下△同金に▲6五銀が駒を活用する手順。銀交換になり▲6二銀と打たれたら後手は負ける。そして飛車交換になっても、後手は負ける。
そこで△5五銀と逃げたが▲8五桂打(跳びでも同じ意味)△7二金▲6四歩で、攻めが決まった。(△6四同銀引で結局飛車交換になった)
まとめると、本譜は図から▲7三角成△同金▲6五銀△5五銀▲8五桂打△7二金▲6四歩△同銀引▲5一飛成。
怒涛の攻めだ。▲7三角成は、まるでラピュタの雷だ。人ならとりあえず▲6四歩を打ちそう。(それも充分有力だが)
ムスカ「旧約聖書にあるソドムとゴモラを滅ぼした天の火だよ」「ラーマヤーナではインドラの矢とも伝えているがね」
AI、強い。実は図の2手前の▲6五歩と仕掛ける前の局面で、すでに先手が充分な態勢になってしまっているのだ。
駒組みが終わったところで、形勢が1700点ほど先手有利(やねうら王)で、もうすでに「終わってる」と言える。(後手の人は3手、無条件に手損していた。そして△3二金が完全な遊び駒。それが響いている)
ラピュタの雷。それは人類を滅ぼす。しかし、AIに挑み続ける人がいる限り、AIと人の戦いは終わらない。♪父さんが残した~熱い想い~
2021.01.27
24でAIを観戦する日々 その8
今日も今日とてまたAIの手を紹介。今回から、カテゴリーに「24でAIを観戦」を加えた。
観戦と言っても、私は最近は棋譜から、面白い手を探してきている。
25日の棋譜から。先手がHefeweizen。後手が約2400点の人。
▲三間飛車vs△右四間の対抗形からの、そろそろ終盤というところ。
先手のHefeweizenが、香得していて形勢がいいが、飛車が死んでいて、楽観はしていられない局面。
ここでAIがさすがの駒捌きを見せる。図は△7三金まで。
先手番。次の一手の難度★★★ (5段階で3) ヒント・攻め駒が足りないのをどうやって増やすか。

正解は▲9七桂。かなりめずらしい、強引に駒を増やす手筋だ。
本譜は以下、△同桂不成▲同飛△同成銀▲同香となり、先手は桂と銀を持ち駒に増やすことに成功した。なにせ、自陣は美濃がめっちゃ堅いので、これで優勢というAIの形勢判断だ。そこから▲3五桂と打ったのが急所で、後手陣を攻略した。
▲9七桂に△7七桂成なら、▲7七同銀で、やはり桂を持ち駒にできる。飛車もすぐに取られない。
なお、▲9七桂(やねうら王で1100点ほど先手有利)の他では、▲8六歩(500点ほど先手有利)もあるところ。
▲7四歩(600点ほど先手有利)もあるということだが、▲7四歩の意味が私にはわからない(^^;
観戦と言っても、私は最近は棋譜から、面白い手を探してきている。
25日の棋譜から。先手がHefeweizen。後手が約2400点の人。
▲三間飛車vs△右四間の対抗形からの、そろそろ終盤というところ。
先手のHefeweizenが、香得していて形勢がいいが、飛車が死んでいて、楽観はしていられない局面。
ここでAIがさすがの駒捌きを見せる。図は△7三金まで。
先手番。次の一手の難度★★★ (5段階で3) ヒント・攻め駒が足りないのをどうやって増やすか。

正解は▲9七桂。かなりめずらしい、強引に駒を増やす手筋だ。
本譜は以下、△同桂不成▲同飛△同成銀▲同香となり、先手は桂と銀を持ち駒に増やすことに成功した。なにせ、自陣は美濃がめっちゃ堅いので、これで優勢というAIの形勢判断だ。そこから▲3五桂と打ったのが急所で、後手陣を攻略した。
▲9七桂に△7七桂成なら、▲7七同銀で、やはり桂を持ち駒にできる。飛車もすぐに取られない。
なお、▲9七桂(やねうら王で1100点ほど先手有利)の他では、▲8六歩(500点ほど先手有利)もあるところ。
▲7四歩(600点ほど先手有利)もあるということだが、▲7四歩の意味が私にはわからない(^^;
2021.01.26
24でAIを観戦する日々 その7
今日は居飛車党の電脳棋士、JKishi18gouの指し回しを紹介。25日の棋譜から。
先手JKishi18gouで、なんと初手▲6八飛で振り飛車にした。かなり、めずらしい。
そこから後手の約1900点の人は、一目散に居飛穴を目指した。
それをJKishi18gouが、藤井システム張りの速攻で、崩しにかかったのが図の局面。双方、飛車先突かず。
今、▲2五桂と跳ねた手に対し、△2四角と逃げたところ。
先手番。難度★★★ (5段階で3) ヒント・その手じゃなきゃダメな理由まで言えれば満点。

正解は▲4五歩。▲4八飛でもいいじゃないか、と思ってしまうが、▲4八飛には△1二玉と逃げられる手があり、先手がチャンスを逃す。(やねうら王では▲4八飛では40点ほどしか先手有利にならない)
△5七角成を恐れない▲4五歩で先手有利。やねうら王で1000点ほど先手有利になる。
以下、本譜も当然△5七角成と後手は指したが、JKishi18gouは▲4八飛と強く受けて、自陣の角と持ち駒になった角(4八の飛と交換)の威力で一気に攻め倒した。AI版の藤井システムとも言える、見事な指し回しだった。
先手JKishi18gouで、なんと初手▲6八飛で振り飛車にした。かなり、めずらしい。
そこから後手の約1900点の人は、一目散に居飛穴を目指した。
それをJKishi18gouが、藤井システム張りの速攻で、崩しにかかったのが図の局面。双方、飛車先突かず。
今、▲2五桂と跳ねた手に対し、△2四角と逃げたところ。
先手番。難度★★★ (5段階で3) ヒント・その手じゃなきゃダメな理由まで言えれば満点。

正解は▲4五歩。▲4八飛でもいいじゃないか、と思ってしまうが、▲4八飛には△1二玉と逃げられる手があり、先手がチャンスを逃す。(やねうら王では▲4八飛では40点ほどしか先手有利にならない)
△5七角成を恐れない▲4五歩で先手有利。やねうら王で1000点ほど先手有利になる。
以下、本譜も当然△5七角成と後手は指したが、JKishi18gouは▲4八飛と強く受けて、自陣の角と持ち駒になった角(4八の飛と交換)の威力で一気に攻め倒した。AI版の藤井システムとも言える、見事な指し回しだった。
2021.01.25
24でAIを観戦する日々 その6
今日もまた書く(^^; 需要はあるんか?
今回紹介するのは、振り飛車党の電脳棋士、Hefeweizenの右四間対策。
先手がHefeweizen。後手は約1800点の人。24日の対局から。
後手が△6三銀と上がり、腰掛銀を目指している。ここでAIはどういう対策を見せたか。
先手番。難度★★★ (5段階で3) ヒント・意外と指せない手だと思う。

正解は▲6五歩。激しい展開を嫌わない、AIらしい一手だった。本譜は以下△同歩▲同飛△6四歩と人間が指したので、いったん落ち着いた。そこからHefeweizenは自ら角交換して▲8八飛と飛車を転回させて、8筋を攻撃して優勢に持ち込んだ。
AIの右四間対策というのは興味深かったので、紹介した次第。
やねうら王(tanuki-2018)はこの図の局面、どう判断しているか。
15分ほど考えさせた。最善が▲6五歩。(後手が21点有利) 次善手が▲7八銀。(後手が118点有利) 3番手が▲5八金左。(後手が124点有利) 4番手が▲7七角。(後手が127点有利)
という結果だった。やねうら王も、やはり▲6五歩を選んでいた。それで互角だということだ。
そもそも、右四間の腰掛銀に組まれると、ちょっと振り飛車が不利なのかもしれない。
今回紹介するのは、振り飛車党の電脳棋士、Hefeweizenの右四間対策。
先手がHefeweizen。後手は約1800点の人。24日の対局から。
後手が△6三銀と上がり、腰掛銀を目指している。ここでAIはどういう対策を見せたか。
先手番。難度★★★ (5段階で3) ヒント・意外と指せない手だと思う。

正解は▲6五歩。激しい展開を嫌わない、AIらしい一手だった。本譜は以下△同歩▲同飛△6四歩と人間が指したので、いったん落ち着いた。そこからHefeweizenは自ら角交換して▲8八飛と飛車を転回させて、8筋を攻撃して優勢に持ち込んだ。
AIの右四間対策というのは興味深かったので、紹介した次第。
やねうら王(tanuki-2018)はこの図の局面、どう判断しているか。
15分ほど考えさせた。最善が▲6五歩。(後手が21点有利) 次善手が▲7八銀。(後手が118点有利) 3番手が▲5八金左。(後手が124点有利) 4番手が▲7七角。(後手が127点有利)
という結果だった。やねうら王も、やはり▲6五歩を選んでいた。それで互角だということだ。
そもそも、右四間の腰掛銀に組まれると、ちょっと振り飛車が不利なのかもしれない。
2021.01.24
24でAIを観戦する日々 その5
今回は定跡の一手を紹介。先手がJKishi18gou。後手は約2200点の人。21日の対局から。
後手から角交換し、立石流を目指している。このまま後手に△3四飛型を作られては、先手は作戦負けになる。
先手のJKishi18gouはここで定跡とされている手を指した。
図は△3二金まで。先手番。次の一手の難度★★ (5段階で2) ヒント・知ってなきゃ指せないかも。

正解は▲7九角。同じ意味で▲6八角と▲5七角も正解。
ここでは3五の歩を取ってしまうのが先手の狙い。この角打ちは定跡となっている。
▲7九角に対して△4四角は不安定で先手から狙われる。
「立石流には自陣角」と覚えよう。▲7九角の時点で、やねうら王は300点ほど先手有利と出ている。
戦いはまだまだこれからだが、とにかく立石流の理想形を阻むことが重要となる。
あの、それで、このコーナーなんですけど、もうネタがなくなってきたんですけど(^^;
AIは好手は指すんですけど、みんなに見てもらいたいほどの手を私が探すのが地味にめんどうな作業。
これからは不定期にアップしていこうと思ってます。
後手から角交換し、立石流を目指している。このまま後手に△3四飛型を作られては、先手は作戦負けになる。
先手のJKishi18gouはここで定跡とされている手を指した。
図は△3二金まで。先手番。次の一手の難度★★ (5段階で2) ヒント・知ってなきゃ指せないかも。

正解は▲7九角。同じ意味で▲6八角と▲5七角も正解。
ここでは3五の歩を取ってしまうのが先手の狙い。この角打ちは定跡となっている。
▲7九角に対して△4四角は不安定で先手から狙われる。
「立石流には自陣角」と覚えよう。▲7九角の時点で、やねうら王は300点ほど先手有利と出ている。
戦いはまだまだこれからだが、とにかく立石流の理想形を阻むことが重要となる。
あの、それで、このコーナーなんですけど、もうネタがなくなってきたんですけど(^^;
AIは好手は指すんですけど、みんなに見てもらいたいほどの手を私が探すのが地味にめんどうな作業。
これからは不定期にアップしていこうと思ってます。
2021.01.23
24でAIを観戦する日々 その4
今日は、一息ついて、鑑賞用の手を用意した。
先手がJKishi18gou。後手が約1700点の人。21日の棋譜。
相穴熊で、そろそろ終盤。図では先手が銀桂の駒得だ。
すでに3800点ほどの圧倒的な差がついて先手大優勢。(やねうら王の検討モード)
ここで先手のJKishi18gouの手が、なんとも形容のしようのないものだった。
現在、△8六角まで。先手番。難度・・・測定不能。ヒントは、友達をなくす手。

正解というか、JKishi18gouが指したのは▲8七銀打!そこまでやるか?金銀4枚で守っているのに、5枚目を投入してきたのだ。
地獄の鬼すらヘド吐く所業、という一手だ。強いんだから、寄せに行けばいいのに、負けない手を選んでくる。恐るべし、AI。
なお、やねうら王(tanuki-2018)では▲8七銀打は3番手の候補手だった。(最善手が▲7四桂。次善手が▲3一飛成)
激指15でも▲8七銀打は次善手。(最善手は▲7四桂。ただし▲8七銀打とほぼ点差はない)
水匠2も▲8七銀打は次善手。▲7四桂の変化を主に読んでいる。
先手がJKishi18gou。後手が約1700点の人。21日の棋譜。
相穴熊で、そろそろ終盤。図では先手が銀桂の駒得だ。
すでに3800点ほどの圧倒的な差がついて先手大優勢。(やねうら王の検討モード)
ここで先手のJKishi18gouの手が、なんとも形容のしようのないものだった。
現在、△8六角まで。先手番。難度・・・測定不能。ヒントは、友達をなくす手。

正解というか、JKishi18gouが指したのは▲8七銀打!そこまでやるか?金銀4枚で守っているのに、5枚目を投入してきたのだ。
地獄の鬼すらヘド吐く所業、という一手だ。強いんだから、寄せに行けばいいのに、負けない手を選んでくる。恐るべし、AI。
なお、やねうら王(tanuki-2018)では▲8七銀打は3番手の候補手だった。(最善手が▲7四桂。次善手が▲3一飛成)
激指15でも▲8七銀打は次善手。(最善手は▲7四桂。ただし▲8七銀打とほぼ点差はない)
水匠2も▲8七銀打は次善手。▲7四桂の変化を主に読んでいる。
2021.01.22
24でAIを観戦する日々 その3
注・図面作成は「Shogipic」というものを使っています。コピペで作成できるので、駒の配置の入力は自動で行われ、間違えることがありませんので、安心して考えてみてください。
今回はHefeweizenの、鮮やかな指し回しを紹介。
21日の対局から。先手がHefeweizen。後手は約2600点の強豪。
▲中飛車vs△居飛車の対抗形の中盤、難しい局面。
今、▲5三歩と叩いて△4二金寄と逃げたところ。振り飛車が香損しており、飛車当たりにもなっている、忙しい局面。
一見、振り飛車がピンチに見えるが、ここからHefeweizenがさすがの捌きを見せた。
振り飛車党なら、こういう指し方ができれば、楽しくてしょうがないだろう。
先手番。5手の読みで難度★★★★ (5段階で4)
ヒント・飛車当たりだが、逃げずに捌こう。指をしならせてビシッとこの一手。

正解は▲7四歩。この手で、先手の歩と桂と角の活用が見込める。まさに盤上この一手。
本譜では△同銀と取られたが、そこで▲7三桂成の成り捨てが妙手!△同桂▲6四角で、振り飛車の盤上の攻め駒が一気に捌けた。
まとめると、図から▲7四歩△同銀▲7三桂成△同桂▲6四角。
ここまで読めたら一流の振り飛車党だ! その局面では1300点ほど先手有利との、やねうら王の判断。
なお、▲7四歩に△6六銀と飛車を取るのも、▲7三歩成としておいて、同じくらい先手有利とのこと。
▲7四歩に△6五香は、▲同飛としておいて2500点ほど先手優勢。
今回はHefeweizenの、鮮やかな指し回しを紹介。
21日の対局から。先手がHefeweizen。後手は約2600点の強豪。
▲中飛車vs△居飛車の対抗形の中盤、難しい局面。
今、▲5三歩と叩いて△4二金寄と逃げたところ。振り飛車が香損しており、飛車当たりにもなっている、忙しい局面。
一見、振り飛車がピンチに見えるが、ここからHefeweizenがさすがの捌きを見せた。
振り飛車党なら、こういう指し方ができれば、楽しくてしょうがないだろう。
先手番。5手の読みで難度★★★★ (5段階で4)
ヒント・飛車当たりだが、逃げずに捌こう。指をしならせてビシッとこの一手。

正解は▲7四歩。この手で、先手の歩と桂と角の活用が見込める。まさに盤上この一手。
本譜では△同銀と取られたが、そこで▲7三桂成の成り捨てが妙手!△同桂▲6四角で、振り飛車の盤上の攻め駒が一気に捌けた。
まとめると、図から▲7四歩△同銀▲7三桂成△同桂▲6四角。
ここまで読めたら一流の振り飛車党だ! その局面では1300点ほど先手有利との、やねうら王の判断。
なお、▲7四歩に△6六銀と飛車を取るのも、▲7三歩成としておいて、同じくらい先手有利とのこと。
▲7四歩に△6五香は、▲同飛としておいて2500点ほど先手優勢。
2021.01.21
24でAIを観戦する日々 その2
昨日の20日に、レート3000点超えの人がJKishi18gouに挑戦。
先手が人、後手がJKishi18gou。中盤で角銀交換で後手が駒得して、後手が順当にリードを奪った。
しかしさすが3000点超えの人、持ち駒の銀を投入して盤面を抑え込もうとする。今、先手が▲3五銀上としたところ。
抑え込めれば、まだ難しいのではないか。ここで電脳棋士が放った一手が強烈。
なんと次の一手で先手の人は投了してしまった。先手をあきらめさせた一手を紹介。
後手番。次の一手の難度★★★ (5段階で3) ヒント・飛車は逃げない

正解は△7一角。(△6二角も同じ意味で正解)
この手で後手の攻めが続く。これに対し▲3四銀なら△4四角で飛香両取り。△7一角に▲4五歩と受けても△3五飛と取り、受けになっていない。ここで先手の3000点超えの人は潔く投了。カッコいい投了図となった。
(投了図ではすでに2500点ほど後手優勢であると、やねうら王の判断)
先手が人、後手がJKishi18gou。中盤で角銀交換で後手が駒得して、後手が順当にリードを奪った。
しかしさすが3000点超えの人、持ち駒の銀を投入して盤面を抑え込もうとする。今、先手が▲3五銀上としたところ。
抑え込めれば、まだ難しいのではないか。ここで電脳棋士が放った一手が強烈。
なんと次の一手で先手の人は投了してしまった。先手をあきらめさせた一手を紹介。
後手番。次の一手の難度★★★ (5段階で3) ヒント・飛車は逃げない

正解は△7一角。(△6二角も同じ意味で正解)
この手で後手の攻めが続く。これに対し▲3四銀なら△4四角で飛香両取り。△7一角に▲4五歩と受けても△3五飛と取り、受けになっていない。ここで先手の3000点超えの人は潔く投了。カッコいい投了図となった。
(投了図ではすでに2500点ほど後手優勢であると、やねうら王の判断)
2021.01.20
24でAIを観戦する日々 その1
将棋倶楽部24で、電脳棋士である「JKishi18gou」と「Hefeweizen」の将棋を私はよく観戦している。
せっかくなので、その凄さっぷりを取り上げていくコーナーを作ろうと思う。
今日、指された対局から、2局取り上げてみた。
後手がJKishi18gou。先手は約1700点の人。
今、先手が▲5八金右と囲ったが、少し危険な手だった。
これを見て電脳棋士は仕掛ける。後手番。
次の一手の難度★ (難度は5段階で1)

正解は△6五歩。これに対し、先手の人が▲7八金などど受けていればまだ互角だったのだが、▲6五同歩と取ってしまったために、以下△8六歩▲同歩△同飛!▲同銀△8八角成と進んだ。先手陣、壊滅だ。なんと手数40手で先手の投了(ほぼ必至)となった。
先手のレート、1700点といえば、私の点数とほぼ同じ。それを40手で・・・。
(なお、▲8六同銀と飛車を取るところで▲7八金とすれば受かっているように見えるが、それには△7七角成という強手があり、すでに先手陣は潰れている。)
もう1つ。今度は後手がHefeweizen。先手は約2000点の人。
すでに後手が勝勢。どう先手玉を寄せるかというところ。持ち歩が2歩あれば△2六歩▲同歩△2七歩で簡単なのだが。
自陣と敵陣、2つの飛車のニラミをどう活かすか。後手番。
次の一手の難度★★ (難度は5段階で2)

正解は△2七飛成。以下▲同玉しかない(▲同銀は△3九金以下の詰み)が、そこで△2六歩が厳しい。先手は▲同玉と取ったが(逃げたら即詰みがある)そこで△2九飛成としておき、必至がかかった。圧倒的な勝ち方。
観戦と言っても、私は今日は30分くらいしか観てないが、すごい派手な手がガンガン出て来る。それがAIの将棋。
「さすがAI!」 「おれたちにできない事を平然とやってのけるッ そこにシビれる!あこがれるゥ!」
せっかくなので、その凄さっぷりを取り上げていくコーナーを作ろうと思う。
今日、指された対局から、2局取り上げてみた。
後手がJKishi18gou。先手は約1700点の人。
今、先手が▲5八金右と囲ったが、少し危険な手だった。
これを見て電脳棋士は仕掛ける。後手番。
次の一手の難度★ (難度は5段階で1)

正解は△6五歩。これに対し、先手の人が▲7八金などど受けていればまだ互角だったのだが、▲6五同歩と取ってしまったために、以下△8六歩▲同歩△同飛!▲同銀△8八角成と進んだ。先手陣、壊滅だ。なんと手数40手で先手の投了(ほぼ必至)となった。
先手のレート、1700点といえば、私の点数とほぼ同じ。それを40手で・・・。
(なお、▲8六同銀と飛車を取るところで▲7八金とすれば受かっているように見えるが、それには△7七角成という強手があり、すでに先手陣は潰れている。)
もう1つ。今度は後手がHefeweizen。先手は約2000点の人。
すでに後手が勝勢。どう先手玉を寄せるかというところ。持ち歩が2歩あれば△2六歩▲同歩△2七歩で簡単なのだが。
自陣と敵陣、2つの飛車のニラミをどう活かすか。後手番。
次の一手の難度★★ (難度は5段階で2)

正解は△2七飛成。以下▲同玉しかない(▲同銀は△3九金以下の詰み)が、そこで△2六歩が厳しい。先手は▲同玉と取ったが(逃げたら即詰みがある)そこで△2九飛成としておき、必至がかかった。圧倒的な勝ち方。
観戦と言っても、私は今日は30分くらいしか観てないが、すごい派手な手がガンガン出て来る。それがAIの将棋。
「さすがAI!」 「おれたちにできない事を平然とやってのけるッ そこにシビれる!あこがれるゥ!」
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