2023.01.27
第31期 銀河戦 女流4人の戦いぶり
第30期銀河戦が終わり、新たに第31期銀河戦が始まっている。
女流枠が前期の2枠から、今期は4枠に増えて、私としてはとてもうれしい。
囲碁将棋チャンネルさん、ありがとう!
今期の女流4人の戦いぶりはどうだったのか、簡単に振り返りたい。
Eブロック1回戦 加藤桃子女流三段vs星野良生五段
相矢倉の力戦。カトモモが早々に桂を五段目に跳ねていったが、これが取り切られてしまった。ほぼ無条件の桂損。その後は差が開いて、危なげなく星野が勝ち切った。カトモモ、完敗。
Fブロック1回戦 伊藤沙恵女流名人vs長沼洋八段
相居飛車で伊藤の矢倉、長沼の中住まいという力戦。中盤、危ない手を長沼が指し、伊藤が長考。AIの評価値は80%まで伊藤有利に上昇。伊藤、最善手を指せるか!という非常に盛り上がる展開に。しかし、伊藤は最善手を逃す。あああー。惜しかったと言えるのか?伊藤はその急所で考慮時間を3回くらい使っていたのに、間違えた。終盤は伊藤は攻めが切れ模様になり、負けた。
Gブロック1回戦
里見香奈女流五冠vs矢倉規広七段
里見はいつもの中飛車。矢倉が居飛車で見たことない囲いを採用。中盤のねじり合いのところで、里見が優位に立つ。評価値が70%まで里見側に振れる。しかしそこから里見が崩れた。矢倉の疑問手をとがめきれず、成立させてしまう。結局、矢倉にごまかされて、里見は失速。いったん有利になった矢倉は完璧な指し回しを見せ、最後は大差で矢倉が勝った。
Hブロック1回戦
西山朋佳女流二冠vs安用寺孝功七段
西山のノーマル三間+美濃に、安用寺もオーソドックスな居飛車穴熊で対抗。
戦い開始早々から、西山が苦しくなる。盤面の飛車側で普通に居飛車がリード。玉も居飛穴のほうが堅い。西山はどこに主張があるのか。安用寺は徹底した安全運転で、逆転を許さない。手数は158手と、かかったものの、安用寺の完封勝ちとなった。西山、完敗。
結局、女流勢は4人、全滅。内容的にも、完敗2局と逆転負け2局で、悪かった。
しかし私は満足だ。2人しか出てなくてその2人が負けても、たまたまか?となる。
4人出て4人負けたら、実力だ、となる。納得できる。来期もぜひ女流枠4名でお願いしたい。頼みます。
最後に、▲伊藤沙恵女流名人vs△長沼洋八段の一戦から、一番の急所となった局面を載せる。
現在、後手の長沼が4四にいた銀を△4五銀と上がったところ。
これが悪手で、AIの評価値が80%まで先手に傾いた。
次の一手で伊藤が一気に優位に立てる手がある。それを当ててみてほしい。

正解は▲5六銀とぶつける手。これを指していれば伊藤が優勢だった。以下△同銀なら、▲3六飛と十字飛車をかけて、先手が攻め駒がさばけて一気に抜け出せる。しかし伊藤は考慮時間を3回ほど使ったにもかかわらず、▲5八飛と指し、紛れてしまった。残念!
(▲5六銀には△3四銀が辛抱のいい手だが、その場合は▲5五銀以下、先手の攻めが続くと水匠5の判断)
女流枠が前期の2枠から、今期は4枠に増えて、私としてはとてもうれしい。
囲碁将棋チャンネルさん、ありがとう!
今期の女流4人の戦いぶりはどうだったのか、簡単に振り返りたい。
Eブロック1回戦 加藤桃子女流三段vs星野良生五段
相矢倉の力戦。カトモモが早々に桂を五段目に跳ねていったが、これが取り切られてしまった。ほぼ無条件の桂損。その後は差が開いて、危なげなく星野が勝ち切った。カトモモ、完敗。
Fブロック1回戦 伊藤沙恵女流名人vs長沼洋八段
相居飛車で伊藤の矢倉、長沼の中住まいという力戦。中盤、危ない手を長沼が指し、伊藤が長考。AIの評価値は80%まで伊藤有利に上昇。伊藤、最善手を指せるか!という非常に盛り上がる展開に。しかし、伊藤は最善手を逃す。あああー。惜しかったと言えるのか?伊藤はその急所で考慮時間を3回くらい使っていたのに、間違えた。終盤は伊藤は攻めが切れ模様になり、負けた。
Gブロック1回戦
里見香奈女流五冠vs矢倉規広七段
里見はいつもの中飛車。矢倉が居飛車で見たことない囲いを採用。中盤のねじり合いのところで、里見が優位に立つ。評価値が70%まで里見側に振れる。しかしそこから里見が崩れた。矢倉の疑問手をとがめきれず、成立させてしまう。結局、矢倉にごまかされて、里見は失速。いったん有利になった矢倉は完璧な指し回しを見せ、最後は大差で矢倉が勝った。
Hブロック1回戦
西山朋佳女流二冠vs安用寺孝功七段
西山のノーマル三間+美濃に、安用寺もオーソドックスな居飛車穴熊で対抗。
戦い開始早々から、西山が苦しくなる。盤面の飛車側で普通に居飛車がリード。玉も居飛穴のほうが堅い。西山はどこに主張があるのか。安用寺は徹底した安全運転で、逆転を許さない。手数は158手と、かかったものの、安用寺の完封勝ちとなった。西山、完敗。
結局、女流勢は4人、全滅。内容的にも、完敗2局と逆転負け2局で、悪かった。
しかし私は満足だ。2人しか出てなくてその2人が負けても、たまたまか?となる。
4人出て4人負けたら、実力だ、となる。納得できる。来期もぜひ女流枠4名でお願いしたい。頼みます。
最後に、▲伊藤沙恵女流名人vs△長沼洋八段の一戦から、一番の急所となった局面を載せる。
現在、後手の長沼が4四にいた銀を△4五銀と上がったところ。
これが悪手で、AIの評価値が80%まで先手に傾いた。
次の一手で伊藤が一気に優位に立てる手がある。それを当ててみてほしい。

正解は▲5六銀とぶつける手。これを指していれば伊藤が優勢だった。以下△同銀なら、▲3六飛と十字飛車をかけて、先手が攻め駒がさばけて一気に抜け出せる。しかし伊藤は考慮時間を3回ほど使ったにもかかわらず、▲5八飛と指し、紛れてしまった。残念!
(▲5六銀には△3四銀が辛抱のいい手だが、その場合は▲5五銀以下、先手の攻めが続くと水匠5の判断)
2020.10.21
銀河戦にAIの評価値が導入されてしまった
20日から始まった、銀河戦の決勝トーナメント。
▲木村vs△中村太地。その対局に、AIの評価値(勝率のパーセント)と候補手(3つ)が表示されるようになってしまった。
ついに、この日が来たか、という感じ。囲碁の竜星戦(囲碁将棋チャンネル主催)ではすでに導入されており、「いつか銀河戦にも導入されてしまうのか?」と、予感はあったのだが・・・。
これを機に、私は銀河戦から撤退することにした。もうこの決勝トーナメントを観ることはないだろう。
藤井聡太が出るから、楽しみにしていたんだけども。
来季からの銀河戦の本戦ブロックは、どうなるかわからないが、AIが導入されたまま、という可能性は高い。
そうであれば、私は囲碁将棋チャンネルを解約する。
AI導入に私が反対の理由として、
①視聴者が自分の頭で考えることがなくなる
②盤面でなく評価値ばかりが気になる
③候補手が示されてるので、プロの指し手をマイナス評価で観ることになる
④解説者が評価値を観てない状態で解説してるので、言ってることが精度がまるで低い
実際に▲木村vs△中村太地を観たが、(AIによれば)逆転につぐ逆転で、「レベルが低い対局だ」と思ってしまった。持ち時間の短い早指しなので、とりわけ人間の指し手のレベルは落ち、AIの示す勝率は左右に激しく揺れまくっていた。
解説者は評価値を観てないので、的外れのことを頻繁に言っていた。かといって、解説者が評価値ありきでしゃべっている、いわばAIの下請け仕事をしてる解説を私は聞きたいと思わない。
こんなところ。でも私は冷めてる。いつか導入されるかもしれんなあ、と、薄々だが覚悟はしてたから。AIを導入してほしい、という声が多かったんだろう。私のようなオールドタイプは、淘汰される運命なのだろう。
「Judgment Day」(審判の日)
それが2020年10月20日だった。銀河戦にAIが導入された日。歴史的な日だった。いつかNHK杯でもこの日が来るのか?
▲木村vs△中村太地。その対局に、AIの評価値(勝率のパーセント)と候補手(3つ)が表示されるようになってしまった。
ついに、この日が来たか、という感じ。囲碁の竜星戦(囲碁将棋チャンネル主催)ではすでに導入されており、「いつか銀河戦にも導入されてしまうのか?」と、予感はあったのだが・・・。
これを機に、私は銀河戦から撤退することにした。もうこの決勝トーナメントを観ることはないだろう。
藤井聡太が出るから、楽しみにしていたんだけども。
来季からの銀河戦の本戦ブロックは、どうなるかわからないが、AIが導入されたまま、という可能性は高い。
そうであれば、私は囲碁将棋チャンネルを解約する。
AI導入に私が反対の理由として、
①視聴者が自分の頭で考えることがなくなる
②盤面でなく評価値ばかりが気になる
③候補手が示されてるので、プロの指し手をマイナス評価で観ることになる
④解説者が評価値を観てない状態で解説してるので、言ってることが精度がまるで低い
実際に▲木村vs△中村太地を観たが、(AIによれば)逆転につぐ逆転で、「レベルが低い対局だ」と思ってしまった。持ち時間の短い早指しなので、とりわけ人間の指し手のレベルは落ち、AIの示す勝率は左右に激しく揺れまくっていた。
解説者は評価値を観てないので、的外れのことを頻繁に言っていた。かといって、解説者が評価値ありきでしゃべっている、いわばAIの下請け仕事をしてる解説を私は聞きたいと思わない。
こんなところ。でも私は冷めてる。いつか導入されるかもしれんなあ、と、薄々だが覚悟はしてたから。AIを導入してほしい、という声が多かったんだろう。私のようなオールドタイプは、淘汰される運命なのだろう。
「Judgment Day」(審判の日)
それが2020年10月20日だった。銀河戦にAIが導入された日。歴史的な日だった。いつかNHK杯でもこの日が来るのか?
2020.10.16
最近の銀河戦から
最近の銀河戦から、印象に残ったものを2局。
各ブロックの最終戦が行われた。
Eブロックの最終戦、▲菅井vs△広瀬。▲5筋位取り中飛車vs△居飛車舟囲いのオーソドックスな急戦形。
菅井が素晴らしい仕掛けでリードを奪い、そのまま押し切って、圧勝。107手まで。
なんとなんと、菅井は考慮時間を9回余しての勝ち。すごすぎる。広瀬を相手に・・・。
解説の島は「菅井が、チャンスの掴み方が匠(たくみ)の芸だった。良くなってから迷いがなかった」
そしてつい先日に放送のあったHブロック最終戦。▲豊島vs△藤井猛。
角交換型の▲居飛車vs△四間飛車で、相穴熊になるという、変則的な序盤から、長いねじり合いが続いた。
解説の佐藤慎一が「どっちが勝ってるかわからない」というギリギリの終盤。
以下に図を張っておく。
先手が豊島で後手が藤井猛。今、141手で豊島が▲7三金としたところ。後手の手番。

ここで藤井猛の指した一手、それは・・・△8二銀。
次の豊島の一手で藤井猛は投了した。そう、▲8一金からの、ごく単純な並べ詰めの5手詰。
終盤のファンタジスタ、本領発揮!!
図の▲7三金の局面を水匠2で検討させると、-6000ほどで後手が勝勢!!
藤井猛、大トン死!! ああああああ、今、乗りに乗っている豊島を負かしたら、すごい価値があったのにーー。
豊島をここまで追い詰めておいての、 大逆転負け!
ファンタジスタという言葉を辞書で調べると、「ずば抜けた技術を持ち、創造性に富んだ、意想外のプレーを見せる天才的なサッカー選手をいう」とある。将棋界のファンタジスタ、それはまさに藤井猛!負けはしたが、また藤井猛のファンが増えたと思う(^^;
各ブロックの最終戦が行われた。
Eブロックの最終戦、▲菅井vs△広瀬。▲5筋位取り中飛車vs△居飛車舟囲いのオーソドックスな急戦形。
菅井が素晴らしい仕掛けでリードを奪い、そのまま押し切って、圧勝。107手まで。
なんとなんと、菅井は考慮時間を9回余しての勝ち。すごすぎる。広瀬を相手に・・・。
解説の島は「菅井が、チャンスの掴み方が匠(たくみ)の芸だった。良くなってから迷いがなかった」
そしてつい先日に放送のあったHブロック最終戦。▲豊島vs△藤井猛。
角交換型の▲居飛車vs△四間飛車で、相穴熊になるという、変則的な序盤から、長いねじり合いが続いた。
解説の佐藤慎一が「どっちが勝ってるかわからない」というギリギリの終盤。
以下に図を張っておく。
先手が豊島で後手が藤井猛。今、141手で豊島が▲7三金としたところ。後手の手番。

ここで藤井猛の指した一手、それは・・・△8二銀。
次の豊島の一手で藤井猛は投了した。そう、▲8一金からの、ごく単純な並べ詰めの5手詰。
終盤のファンタジスタ、本領発揮!!
図の▲7三金の局面を水匠2で検討させると、-6000ほどで後手が勝勢!!
藤井猛、大トン死!! ああああああ、今、乗りに乗っている豊島を負かしたら、すごい価値があったのにーー。
豊島をここまで追い詰めておいての、 大逆転負け!
ファンタジスタという言葉を辞書で調べると、「ずば抜けた技術を持ち、創造性に富んだ、意想外のプレーを見せる天才的なサッカー選手をいう」とある。将棋界のファンタジスタ、それはまさに藤井猛!負けはしたが、また藤井猛のファンが増えたと思う(^^;
2020.10.02
銀河戦 本戦Dブロック 最終戦 三浦弘行九段 vs 斎藤慎太郎八段
第28期 銀河戦 本戦Dブロック 最終戦
三浦弘行九段 vs 斎藤慎太郎八段
2020年7月16日
解説:飯塚祐紀七段
聞き手:高群佐知子女流四段
このブログ、今後の予定としては、銀河戦で藤井聡太の対局を追うことにする。
藤井聡太は決勝トーナメント進出を決め、ベスト16に進んでいる。
そして銀河戦で、聡太以外の、私が印象に残った対局があれば、それの感想を簡単に書いていきたい。
先日、NHKの将棋フォーカスで斎藤の特番が組まれた。そこで、折よく斎藤が銀河戦に出るということで、観てみることにした。
相手の三浦もまだA級でがんばっており、けっこう強いからどうなるか、と思ったら・・・。
結果、三浦の圧勝!それも、三浦のすごい会心譜!三浦はなんと5回も考慮時間を残しての勝ち。
とにかく三浦の手が伸びまくっていた。(109手まで)
解説の飯塚「三浦の剛腕が出た。私がうなっているうちに将棋が終わってしまった。強すぎますね」
と、飯塚も賛辞を惜しまなかった。
去年の銀河戦でも、私は三浦の会心譜を目撃している。Dブロック10回戦の三浦vs屋敷という一局。
53手という短手数で三浦の圧勝。屋敷に何もさせなかった。
三浦はこのときも、考慮時間を5回残して勝った。そして屋敷は考慮時間をなんと8回も余していた。
これの意味するところは、屋敷としては普通に指していて、特に考えるべき箇所も見当たらなかったのに、完敗になったという事実だ。負けた側が8回も残しているなんて、私はまず見たことがない。
三浦の完勝譜といえば、なんといっても、2016年のA級順位戦、三浦vs渡辺の一局がある。
あの忌まわしき冤罪事件を引き起こした一局だ。あまりにも三浦が強すぎて、ソフトと間違われたという事件だった。
あれから時が経ったが、三浦は強いところを見せてくれている。
斎藤は今期A級で4連勝だそうだ。その斎藤に圧勝できる力を持つ三浦。これからもすごい棋譜を残してほしい。
三浦弘行九段 vs 斎藤慎太郎八段
2020年7月16日
解説:飯塚祐紀七段
聞き手:高群佐知子女流四段
このブログ、今後の予定としては、銀河戦で藤井聡太の対局を追うことにする。
藤井聡太は決勝トーナメント進出を決め、ベスト16に進んでいる。
そして銀河戦で、聡太以外の、私が印象に残った対局があれば、それの感想を簡単に書いていきたい。
先日、NHKの将棋フォーカスで斎藤の特番が組まれた。そこで、折よく斎藤が銀河戦に出るということで、観てみることにした。
相手の三浦もまだA級でがんばっており、けっこう強いからどうなるか、と思ったら・・・。
結果、三浦の圧勝!それも、三浦のすごい会心譜!三浦はなんと5回も考慮時間を残しての勝ち。
とにかく三浦の手が伸びまくっていた。(109手まで)
解説の飯塚「三浦の剛腕が出た。私がうなっているうちに将棋が終わってしまった。強すぎますね」
と、飯塚も賛辞を惜しまなかった。
去年の銀河戦でも、私は三浦の会心譜を目撃している。Dブロック10回戦の三浦vs屋敷という一局。
53手という短手数で三浦の圧勝。屋敷に何もさせなかった。
三浦はこのときも、考慮時間を5回残して勝った。そして屋敷は考慮時間をなんと8回も余していた。
これの意味するところは、屋敷としては普通に指していて、特に考えるべき箇所も見当たらなかったのに、完敗になったという事実だ。負けた側が8回も残しているなんて、私はまず見たことがない。
三浦の完勝譜といえば、なんといっても、2016年のA級順位戦、三浦vs渡辺の一局がある。
あの忌まわしき冤罪事件を引き起こした一局だ。あまりにも三浦が強すぎて、ソフトと間違われたという事件だった。
あれから時が経ったが、三浦は強いところを見せてくれている。
斎藤は今期A級で4連勝だそうだ。その斎藤に圧勝できる力を持つ三浦。これからもすごい棋譜を残してほしい。
2020.09.30
銀河戦 本戦Cブロック 最終戦 藤井聡太七段 vs 羽生善治九段
第28期 銀河戦 本戦Cブロック 最終戦
藤井聡太七段 vs 羽生善治九段
2020年7月4日
解説:増田康宏六段
聞き手:千葉涼子女流四段
29日の火曜に放送された銀河戦。注目の一戦。ここまで2人の対戦成績は聡太の3-0だそうだ。
解説の増田「聡太は中終盤が正確で最近は序盤も進化している。羽生はずっと長年活躍していて早指しも強い」
先手聡太でいつものように居飛車。羽生がノーマル三間飛車の趣向に出た。
▲居飛車+左美濃(高美濃)vs△三間飛車+高美濃。
聞き手の千葉「羽生は忘れたころに振り飛車を混ぜて来る」
じっくりした長い序盤となった。
千葉「聡太の長期計画ですね」と言ったように、聡太が右銀を着々と出て来る作戦。
増田「▲4六角と安定させたら、聡太が良くなる」と言っていたが、聡太が▲4六角と出て安定させることに成功。
この時点で聡太の作戦勝ちになったようだ。
歩しか取り合ってない局面で、なんと番組開始から60分が経過。な、長いー。
聡太が棒銀で抑え込みにかかる。際どかったが、どうやら抑え込みに成功。
増田「羽生に誤算があったと思う」
千葉「聡太の将棋は角がいつも生き生きしてますね」
しかしここから、局面が複雑になる。当たりになっている駒が複数ある状態が続く。
と金などの成り駒を双方、量産し、駒の損得もよくわからない。
ごちゃごちゃになり、正直、私にはわけがわからない。
増田「まだ聡太が残しているんじゃないか」
増田は、聡太が飛車を成り込む順を解説していたが、聡太は飛車を見捨てて▲4六角を活用させる順を採用。
結局、これが成功するのだから聡太の終盤力はさすがだ。
増田「かなり形勢が接近した感じもあった」
最後は羽生の攻め駒が足りなくなった。大駒がない羽生は手がかりが作れなかった。
羽生は聡太の飛車を取り切れないまま負けた。113手、聡太の勝ち。
増田「序盤は聡太がうまく指して優勢になった。そこから羽生が粘って軽妙な手があって接近したが、最後は聡太がきれいに寄せた」
本局は終盤の難所で、すでに両者30秒将棋で、どんどん進めて行くものだから、わけがわからぬまま進んでいってしまった。
正直、視聴者は置いてけぼり、だったと思う。ただ序盤で▲4六角の好位置を確保したのが最後まで大きかったんだろう。
終盤は本当に、あっちもこっちも駒が当たり、という状態で、視聴者&解説者泣かせだった。
これでCブロックは聡太が6人抜きで最終勝ち残り者、出口が5人抜きで最多勝ち抜き者となった。
藤井聡太七段 vs 羽生善治九段
2020年7月4日
解説:増田康宏六段
聞き手:千葉涼子女流四段
29日の火曜に放送された銀河戦。注目の一戦。ここまで2人の対戦成績は聡太の3-0だそうだ。
解説の増田「聡太は中終盤が正確で最近は序盤も進化している。羽生はずっと長年活躍していて早指しも強い」
先手聡太でいつものように居飛車。羽生がノーマル三間飛車の趣向に出た。
▲居飛車+左美濃(高美濃)vs△三間飛車+高美濃。
聞き手の千葉「羽生は忘れたころに振り飛車を混ぜて来る」
じっくりした長い序盤となった。
千葉「聡太の長期計画ですね」と言ったように、聡太が右銀を着々と出て来る作戦。
増田「▲4六角と安定させたら、聡太が良くなる」と言っていたが、聡太が▲4六角と出て安定させることに成功。
この時点で聡太の作戦勝ちになったようだ。
歩しか取り合ってない局面で、なんと番組開始から60分が経過。な、長いー。
聡太が棒銀で抑え込みにかかる。際どかったが、どうやら抑え込みに成功。
増田「羽生に誤算があったと思う」
千葉「聡太の将棋は角がいつも生き生きしてますね」
しかしここから、局面が複雑になる。当たりになっている駒が複数ある状態が続く。
と金などの成り駒を双方、量産し、駒の損得もよくわからない。
ごちゃごちゃになり、正直、私にはわけがわからない。
増田「まだ聡太が残しているんじゃないか」
増田は、聡太が飛車を成り込む順を解説していたが、聡太は飛車を見捨てて▲4六角を活用させる順を採用。
結局、これが成功するのだから聡太の終盤力はさすがだ。
増田「かなり形勢が接近した感じもあった」
最後は羽生の攻め駒が足りなくなった。大駒がない羽生は手がかりが作れなかった。
羽生は聡太の飛車を取り切れないまま負けた。113手、聡太の勝ち。
増田「序盤は聡太がうまく指して優勢になった。そこから羽生が粘って軽妙な手があって接近したが、最後は聡太がきれいに寄せた」
本局は終盤の難所で、すでに両者30秒将棋で、どんどん進めて行くものだから、わけがわからぬまま進んでいってしまった。
正直、視聴者は置いてけぼり、だったと思う。ただ序盤で▲4六角の好位置を確保したのが最後まで大きかったんだろう。
終盤は本当に、あっちもこっちも駒が当たり、という状態で、視聴者&解説者泣かせだった。
これでCブロックは聡太が6人抜きで最終勝ち残り者、出口が5人抜きで最多勝ち抜き者となった。
2020.09.02
銀河戦 本戦Cブロック 10回戦 稲葉 陽八段 vs 藤井聡太七段
第28期 銀河戦 本戦Cブロック 10回戦
稲葉 陽八段 vs 藤井聡太七段
2020年7月4日
解説:増田康宏六段
聞き手:千葉涼子女流四段
銀河戦が1ヵ月ぶりに再開された。待望の藤井聡太の登場。
聡太はここまで4連勝しているが、同じブロックの出口が5連勝しているので、本局に勝たないと決勝トーナメントには出場できない。
解説の増田「稲葉は角換わりが得意で中終盤に力を発揮する。聡太は最近また進化していて成長が止まらない」
先手稲葉で、角換わりで相早繰り銀となった。これは戦型として面白い。
増田「最近はかなり早繰り銀も流行っている」
お互い居玉のまま一気に戦いに突入。稲葉が2枚替えで駒得したが、聡太は好位置に馬を作っている。
増田「いやー、(進行が)早いですねー」
ここまでどんどん手が進んだ。両者の研究範囲なのは明らかだ。
聡太が最初の15分の持ち時間を使い切ったが、稲葉はまだ12分も残っている。
形勢は難しそう。聡太が飛車と、と金で確実な攻めがある。稲葉がどう手を作っていくか。
聞き手の千葉「中盤なのか終盤なのか」
千葉さんは相変わらずどんどん発言し、若干うるさい(笑)
稲葉、手を作るのに苦戦。増田「稲葉は歩切れが痛い」
そして、聡太にチャンスが回ってきた。増田「ここは聡太が読み切れば良くする順がありそうですね」
聡太、相手の銀を取りつつ王手になり、さらにその王手がまた王手金取りになる、という、もうノドから手が出るほど指したい手があったのだが、それを自重。受けに回った。ここの辛抱はすごかった。私なら絶対、銀を取りたいところだった(^^;
ここから聡太の受けの手のオンパレードが始まった。
増田「聡太は手堅い手が好きですからね。うーん、なるほど、うまい」
千葉「羽生先生の受けを思い出します」
特に、自陣の底の香を浮いて受けた手が印象に残った。意外と盲点になる手だ。増田も指摘していなかった。
その後も銀、金を自陣にベタベタと張り付けた聡太。千葉「万が一にも負けない手ですね」
増田「これはもう相手の心を折りにきてますね」
しかし、ここからまだ終わらないのが稲葉だった。よくそんな手を思いつく、という攻めの勝負手を連発。
増田「あの手この手で迫りますね」
が、やはり聡太の強さは並じゃない。そんな稲葉の勝負手を軽やかにかわしていった。
安定感抜群の指し回しで、リードを広げ、最後は即詰みに打ち取った。134手で聡太の勝ち。
中盤は難しかったが、いったん有利になってからは確実に指し、快勝だった。強い。
増田「序盤は稲葉の研究どおりだったが、中終盤の聡太の受けっぷりが見事だった」
聡太は増田の解説してない手を連発していた。
聡太の受けが存分に見れた一局で、マニア好みで見ごたえがあった。
これで聡太は決勝トーナメント進出を決めた。次はCブロックの最終戦で羽生と当たる。
放送時間は余ったが、感想戦がなかった。これはコロナの影響なのか?
とにかく聡太が勝って、私の楽しみも続くことになったので良かった。
稲葉 陽八段 vs 藤井聡太七段
2020年7月4日
解説:増田康宏六段
聞き手:千葉涼子女流四段
銀河戦が1ヵ月ぶりに再開された。待望の藤井聡太の登場。
聡太はここまで4連勝しているが、同じブロックの出口が5連勝しているので、本局に勝たないと決勝トーナメントには出場できない。
解説の増田「稲葉は角換わりが得意で中終盤に力を発揮する。聡太は最近また進化していて成長が止まらない」
先手稲葉で、角換わりで相早繰り銀となった。これは戦型として面白い。
増田「最近はかなり早繰り銀も流行っている」
お互い居玉のまま一気に戦いに突入。稲葉が2枚替えで駒得したが、聡太は好位置に馬を作っている。
増田「いやー、(進行が)早いですねー」
ここまでどんどん手が進んだ。両者の研究範囲なのは明らかだ。
聡太が最初の15分の持ち時間を使い切ったが、稲葉はまだ12分も残っている。
形勢は難しそう。聡太が飛車と、と金で確実な攻めがある。稲葉がどう手を作っていくか。
聞き手の千葉「中盤なのか終盤なのか」
千葉さんは相変わらずどんどん発言し、若干うるさい(笑)
稲葉、手を作るのに苦戦。増田「稲葉は歩切れが痛い」
そして、聡太にチャンスが回ってきた。増田「ここは聡太が読み切れば良くする順がありそうですね」
聡太、相手の銀を取りつつ王手になり、さらにその王手がまた王手金取りになる、という、もうノドから手が出るほど指したい手があったのだが、それを自重。受けに回った。ここの辛抱はすごかった。私なら絶対、銀を取りたいところだった(^^;
ここから聡太の受けの手のオンパレードが始まった。
増田「聡太は手堅い手が好きですからね。うーん、なるほど、うまい」
千葉「羽生先生の受けを思い出します」
特に、自陣の底の香を浮いて受けた手が印象に残った。意外と盲点になる手だ。増田も指摘していなかった。
その後も銀、金を自陣にベタベタと張り付けた聡太。千葉「万が一にも負けない手ですね」
増田「これはもう相手の心を折りにきてますね」
しかし、ここからまだ終わらないのが稲葉だった。よくそんな手を思いつく、という攻めの勝負手を連発。
増田「あの手この手で迫りますね」
が、やはり聡太の強さは並じゃない。そんな稲葉の勝負手を軽やかにかわしていった。
安定感抜群の指し回しで、リードを広げ、最後は即詰みに打ち取った。134手で聡太の勝ち。
中盤は難しかったが、いったん有利になってからは確実に指し、快勝だった。強い。
増田「序盤は稲葉の研究どおりだったが、中終盤の聡太の受けっぷりが見事だった」
聡太は増田の解説してない手を連発していた。
聡太の受けが存分に見れた一局で、マニア好みで見ごたえがあった。
これで聡太は決勝トーナメント進出を決めた。次はCブロックの最終戦で羽生と当たる。
放送時間は余ったが、感想戦がなかった。これはコロナの影響なのか?
とにかく聡太が勝って、私の楽しみも続くことになったので良かった。
2020.06.23
銀河戦 本戦Cブロック 9回戦 郷田真隆九段 vs 藤井聡太七段
第28期 銀河戦 本戦Cブロック 9回戦
郷田真隆九段 vs 藤井聡太七段
2020年3月6日
解説:及川拓馬六段
聞き手:室谷由紀女流三段
コロナ自粛以前に収録されていた一局。今日が放送日だった。
郷田と聡太は初手合い。郷田は2019年度、この対局日までで15勝17敗。
先手郷田で、がっぷり組み合った相矢倉となった。
私が相矢倉が苦手ということもあり、指し手を理解するの、激ムズ(^^;
双方、序盤からちょっとでも得をしようと、神経を使うやりとりが続く。
お互いが攻め棋風で、そのとおり、主導権を取り、攻めたいという意思が伝わってくる。
中盤の浅いところでは、解説の及川「郷田ペースかな」
しかし中盤が進むと、及川「難しい局面の中で、藤井がうまく相手に手を渡している」
そして終盤、聡太の玉が薄くされていく。これ、大丈夫?やばい・・・。聡太、負けたんじゃないの?
いよいよ、一手違いで郷田玉が詰むや詰まざるやという展開。
聡太が王手王手のラッシュで迫るが、私には詰んでいるかわからない。
したらば、郷田が投了!私は「うおっ」、と声を上げてしまった。
そうか、これ詰んでるのか。最後、聡太は持ち駒に歩しか余らずのピッタリ詰みか・・・。122手で聡太の勝ち。
いやー、聡太はさすがさすが。でも勝つのに、すごい苦労した一局だったなー。やっぱり郷田は強かった。ギリギリの勝利だ。
解説の及川「ドラマの多い将棋だった」
個人的には終盤の聡太の△3二同飛という手が一番印象に残った。
2二には後手玉が居るので、玉飛接近の悪形なのだ。めったに見たことのない手だった。
これで聡太は現在4人抜きで、次の稲葉戦を勝てばCブロックの最多連勝者となる。
ただ、次のCブロックの放送日は9月再開だと囲碁将棋チャンネルのホームページに書いてある。待つしかないか・・・。
聡太は今日の王位戦でも挑戦者決定戦で勝ち、木村王位への挑戦を決めたという。聡太2冠になる日も近い。
銀河戦で勝ち進むと、対局過多が心配なところだ。
郷田真隆九段 vs 藤井聡太七段
2020年3月6日
解説:及川拓馬六段
聞き手:室谷由紀女流三段
コロナ自粛以前に収録されていた一局。今日が放送日だった。
郷田と聡太は初手合い。郷田は2019年度、この対局日までで15勝17敗。
先手郷田で、がっぷり組み合った相矢倉となった。
私が相矢倉が苦手ということもあり、指し手を理解するの、激ムズ(^^;
双方、序盤からちょっとでも得をしようと、神経を使うやりとりが続く。
お互いが攻め棋風で、そのとおり、主導権を取り、攻めたいという意思が伝わってくる。
中盤の浅いところでは、解説の及川「郷田ペースかな」
しかし中盤が進むと、及川「難しい局面の中で、藤井がうまく相手に手を渡している」
そして終盤、聡太の玉が薄くされていく。これ、大丈夫?やばい・・・。聡太、負けたんじゃないの?
いよいよ、一手違いで郷田玉が詰むや詰まざるやという展開。
聡太が王手王手のラッシュで迫るが、私には詰んでいるかわからない。
したらば、郷田が投了!私は「うおっ」、と声を上げてしまった。
そうか、これ詰んでるのか。最後、聡太は持ち駒に歩しか余らずのピッタリ詰みか・・・。122手で聡太の勝ち。
いやー、聡太はさすがさすが。でも勝つのに、すごい苦労した一局だったなー。やっぱり郷田は強かった。ギリギリの勝利だ。
解説の及川「ドラマの多い将棋だった」
個人的には終盤の聡太の△3二同飛という手が一番印象に残った。
2二には後手玉が居るので、玉飛接近の悪形なのだ。めったに見たことのない手だった。
これで聡太は現在4人抜きで、次の稲葉戦を勝てばCブロックの最多連勝者となる。
ただ、次のCブロックの放送日は9月再開だと囲碁将棋チャンネルのホームページに書いてある。待つしかないか・・・。
聡太は今日の王位戦でも挑戦者決定戦で勝ち、木村王位への挑戦を決めたという。聡太2冠になる日も近い。
銀河戦で勝ち進むと、対局過多が心配なところだ。
2020.04.29
銀河戦 本戦Cブロック 8回戦 森内俊之九段 vs 藤井聡太七段
銀河戦 本戦Cブロック 8回戦
森内俊之九段 vs 藤井聡太七段
2020年3月6日
解説:及川拓馬六段
聞き手:室谷由紀女流三段
森内は2019年度、ここまで7勝12敗とのこと。
楽しみにしていた藤井聡太の銀河戦。
先手森内で、▲矢倉vs△米長流急戦となった。
解説の及川が「過去2回、森内と聡太は戦っているが、いずれも先手森内の矢倉に後手聡太の急戦策だった。後手の急戦側は手が難しい。私にも意味が理解できない聡太の指し回しだった」ということを言っていた。今回、このカードは3度目で、3回連続で聡太が矢倉に対して急戦策を採用だ。
過去2回は聡太が森内に勝っている。
双方、強気の応酬で激しい中盤となった。特に森内が「一か八か」のような手で、「こういう強攻手段を取らないと、聡太には勝てない」と思っているかのような強手で押して来る。
ドキドキの中盤。まさか、聡太、負けないだろうなー、聡太は手が広い局面がかなりあって、ヒヤヒヤで私は観ていた。
聡太は3歩持っている状態で森内の飛車の頭に歩を叩いたのだが、3回叩いて手番を握るかと思いきや、2回で止めるという、相当に高度な手を指し、解説の及川を悩ませていた。
そして聡太は守りの金をグイグイと上げてきて、森内の玉に迫る。さらに聡太は角をぶっつける森内以上の強手のお返しで、全くビビらない。
これが素晴らしい発想だった。いつの間にか差がつき、あっけなく森内が投了した。90手で聡太の勝ち。
終盤がほぼなく、快勝と言える内容だった。でも中盤は難しかった。
聡太は、さすがに強いと思わせる、良い内容だった。満足満足。
解説の及川の言うように、後手の急戦側は手が難しいと感じた。しかし、かといって、先手の矢倉側も手が難しい。せっかく矢倉を組んでも、玉を入城せずに戦っているのだから、双方ともに大局観がとても高度なものが要求される戦型だ。
そしてこの戦型を指しこなしている聡太は、やはり強いのだ。聡太、見事。
やったー、これで来月も囲碁将棋チャンネルを解約せずに済む。
もう、聡太だけが私の楽しみ(^^; 次は郷田と当たるのだが、コロナの影響がどこまで出て来るか。
たぶん、すでに郷田戦の収録は終わってそうだが・・・。
追記・5月からの銀河戦の放送予定が、なんと去年の再放送になってるーーー! な、なに~、ダメだ~
森内俊之九段 vs 藤井聡太七段
2020年3月6日
解説:及川拓馬六段
聞き手:室谷由紀女流三段
森内は2019年度、ここまで7勝12敗とのこと。
楽しみにしていた藤井聡太の銀河戦。
先手森内で、▲矢倉vs△米長流急戦となった。
解説の及川が「過去2回、森内と聡太は戦っているが、いずれも先手森内の矢倉に後手聡太の急戦策だった。後手の急戦側は手が難しい。私にも意味が理解できない聡太の指し回しだった」ということを言っていた。今回、このカードは3度目で、3回連続で聡太が矢倉に対して急戦策を採用だ。
過去2回は聡太が森内に勝っている。
双方、強気の応酬で激しい中盤となった。特に森内が「一か八か」のような手で、「こういう強攻手段を取らないと、聡太には勝てない」と思っているかのような強手で押して来る。
ドキドキの中盤。まさか、聡太、負けないだろうなー、聡太は手が広い局面がかなりあって、ヒヤヒヤで私は観ていた。
聡太は3歩持っている状態で森内の飛車の頭に歩を叩いたのだが、3回叩いて手番を握るかと思いきや、2回で止めるという、相当に高度な手を指し、解説の及川を悩ませていた。
そして聡太は守りの金をグイグイと上げてきて、森内の玉に迫る。さらに聡太は角をぶっつける森内以上の強手のお返しで、全くビビらない。
これが素晴らしい発想だった。いつの間にか差がつき、あっけなく森内が投了した。90手で聡太の勝ち。
終盤がほぼなく、快勝と言える内容だった。でも中盤は難しかった。
聡太は、さすがに強いと思わせる、良い内容だった。満足満足。
解説の及川の言うように、後手の急戦側は手が難しいと感じた。しかし、かといって、先手の矢倉側も手が難しい。せっかく矢倉を組んでも、玉を入城せずに戦っているのだから、双方ともに大局観がとても高度なものが要求される戦型だ。
そしてこの戦型を指しこなしている聡太は、やはり強いのだ。聡太、見事。
やったー、これで来月も囲碁将棋チャンネルを解約せずに済む。
もう、聡太だけが私の楽しみ(^^; 次は郷田と当たるのだが、コロナの影響がどこまで出て来るか。
たぶん、すでに郷田戦の収録は終わってそうだが・・・。
追記・5月からの銀河戦の放送予定が、なんと去年の再放送になってるーーー! な、なに~、ダメだ~
2020.04.10
銀河戦 本戦Fブロック 7回戦 平藤眞吾七段 vs 先崎 学九段
第28期 銀河戦 本戦Fブロック 7回戦
平藤眞吾七段 vs 先崎 学九段
2020年2月25日
解説:中村太地七段
聞き手:竹部さゆり女流四段
銀河戦に先ちゃんの登場。私はずっと楽しみに待ってた一戦。
先ちゃんのここまでの年度成績、8勝14敗ということで、あまり勝ててない。
先手平藤(ひらふじ)で、先ちゃんの注文で相居飛車の力戦になった。
お互い玉をひとつ寄っただけで囲いはほぼ無し。
まだ本格的な戦いは先かと思われたところ、平藤がなんと銀損の特攻を敢行。
これには解説の太地もびっくり。太地「アクロバティックな応酬。中盤が全く無かった」
一気に激しくなった。少しも気が抜けない。太地「雰囲気は先崎のほうが行けそう」
が、先ちゃんのほう、手が広くなりすぎて、人間的には最善を探すのがやっかいという展開になった。
ソフトなら後手優勢で後手が勝ち切るんだろうが、人間どうしでは飛車2枚の先手のほうが手がわかりやすいという・・・なんとも将棋は難しい。
先ちゃん、そんなに悪い手を指した感じもなかったのだが、最後は平藤に豪快に飛車捨てから即詰みに討ち取られた。
75手で平藤の快勝となった。
あああーー先ちゃん、負けたーーー。まあ力は出していたからしょうがない・・・。
競った将棋で面白かったが・・・。
お互いにアイデアが指し手に現れていて、観ていて楽しかった。
もう一局ぐらいは先ちゃんが観たかった。そんなにうつ病の後遺症というのは感じられなかった。
でも、力負けかー。あああー。
これで私が銀河戦で興味あるのは藤井聡太だけとなってしまった。
この先、藤井聡太が負けたら囲碁将棋チャンネルを解約しようかという状況になってしまった。
平藤眞吾七段 vs 先崎 学九段
2020年2月25日
解説:中村太地七段
聞き手:竹部さゆり女流四段
銀河戦に先ちゃんの登場。私はずっと楽しみに待ってた一戦。
先ちゃんのここまでの年度成績、8勝14敗ということで、あまり勝ててない。
先手平藤(ひらふじ)で、先ちゃんの注文で相居飛車の力戦になった。
お互い玉をひとつ寄っただけで囲いはほぼ無し。
まだ本格的な戦いは先かと思われたところ、平藤がなんと銀損の特攻を敢行。
これには解説の太地もびっくり。太地「アクロバティックな応酬。中盤が全く無かった」
一気に激しくなった。少しも気が抜けない。太地「雰囲気は先崎のほうが行けそう」
が、先ちゃんのほう、手が広くなりすぎて、人間的には最善を探すのがやっかいという展開になった。
ソフトなら後手優勢で後手が勝ち切るんだろうが、人間どうしでは飛車2枚の先手のほうが手がわかりやすいという・・・なんとも将棋は難しい。
先ちゃん、そんなに悪い手を指した感じもなかったのだが、最後は平藤に豪快に飛車捨てから即詰みに討ち取られた。
75手で平藤の快勝となった。
あああーー先ちゃん、負けたーーー。まあ力は出していたからしょうがない・・・。
競った将棋で面白かったが・・・。
お互いにアイデアが指し手に現れていて、観ていて楽しかった。
もう一局ぐらいは先ちゃんが観たかった。そんなにうつ病の後遺症というのは感じられなかった。
でも、力負けかー。あああー。
これで私が銀河戦で興味あるのは藤井聡太だけとなってしまった。
この先、藤井聡太が負けたら囲碁将棋チャンネルを解約しようかという状況になってしまった。
2020.03.31
銀河戦 本戦Cブロック 7回戦 中村 修九段 vs 藤井聡太七段
銀河戦 本戦Cブロック 7回戦
中村 修九段 vs 藤井聡太七段
2020年1月7日
解説:西尾 明七段
聞き手:香川愛生女流三段
銀河戦に藤井聡太の登場。聡太は今1勝で、決勝トーナメントに出るには、5人抜きしなければならない。
先手中村修で、相雁木。そこから中村修が右玉に。
聡太のほうから仕掛け、中村修も積極的に動いて、攻め合いとなった。
競った中盤で、どっちがいいのかわからない。解説の西尾は「中村のほうがいいかも?」との判断。
ドキドキの終盤に突入。聡太のほうには手が広く、いかにも間違えそうだが、強ければ正解を指し続けれるはず、という展開に。
しかしすでに30秒将棋の聡太。どうなる、どうなるか~!?
そこで、聡太の鬼手が出た~!絶好の攻防の角打ち!解説の西尾も「素晴らしい手」と絶賛。
その手が決め手となり、聡太が128手で勝ち切った。ギリギリの勝利だった。あぶねえええーー。
西尾「ヒリヒリするような終盤だった」
いやー、これ、敗れたとはいえ、中村修がこんなに強かったとは・・・。聡太が一手の妥協もせずに、それでやっと薄氷の勝利。
とても面白い好局だった。聡太の底力を引き出していた中村修。これだからベテランはあなどれない。
この一局は楽しかった!そして聞き手が香川さんで、観れて良かった。満足、満足!
次は森内と当たる聡太。次も本局のような好局を期待だ。
中村 修九段 vs 藤井聡太七段
2020年1月7日
解説:西尾 明七段
聞き手:香川愛生女流三段
銀河戦に藤井聡太の登場。聡太は今1勝で、決勝トーナメントに出るには、5人抜きしなければならない。
先手中村修で、相雁木。そこから中村修が右玉に。
聡太のほうから仕掛け、中村修も積極的に動いて、攻め合いとなった。
競った中盤で、どっちがいいのかわからない。解説の西尾は「中村のほうがいいかも?」との判断。
ドキドキの終盤に突入。聡太のほうには手が広く、いかにも間違えそうだが、強ければ正解を指し続けれるはず、という展開に。
しかしすでに30秒将棋の聡太。どうなる、どうなるか~!?
そこで、聡太の鬼手が出た~!絶好の攻防の角打ち!解説の西尾も「素晴らしい手」と絶賛。
その手が決め手となり、聡太が128手で勝ち切った。ギリギリの勝利だった。あぶねえええーー。
西尾「ヒリヒリするような終盤だった」
いやー、これ、敗れたとはいえ、中村修がこんなに強かったとは・・・。聡太が一手の妥協もせずに、それでやっと薄氷の勝利。
とても面白い好局だった。聡太の底力を引き出していた中村修。これだからベテランはあなどれない。
この一局は楽しかった!そして聞き手が香川さんで、観れて良かった。満足、満足!
次は森内と当たる聡太。次も本局のような好局を期待だ。
2020.03.04
銀河戦 本戦Cブロック 6回戦 藤井聡太七段 vs 出口若武四段
本戦Cブロック 6回戦
藤井聡太七段 vs 出口若武四段
対局日:2020/1/7
解説:佐々木 慎六段
聞き手:香川愛生女流三段
ずっと前から、私は早く聡太を銀河戦で観たくて、待っていた。
聡太の相手は、ここまで5人抜きしている出口。
先手聡太で、後手の出口が三間に振り、対抗形になった。
そうほう、がっちりと組み合い、▲居飛車+銀冠vs△石田流+美濃。
解説の佐々木は「出口が理想形に組めて不満なし」と言っていた。
観ていて私も、これはもう聡太からは打開不可能ではないかと思ったのだが・・・
聡太の右金が▲5七金としたのがあまり見ない手で、そこからその右金が▲6六金~▲7五金と大活躍。
聡太は着実にリードを奪い、最後もきっちり読み切って、確実に勝ちを手にした。
97手で聡太の快勝。強い。さすが。出口としては、どこが悪かったかわからない感じだった。
これでまた聡太が来月も観れる。よしよし、勝って良かった。次は中村修との対戦が組まれている。
藤井聡太七段 vs 出口若武四段
対局日:2020/1/7
解説:佐々木 慎六段
聞き手:香川愛生女流三段
ずっと前から、私は早く聡太を銀河戦で観たくて、待っていた。
聡太の相手は、ここまで5人抜きしている出口。
先手聡太で、後手の出口が三間に振り、対抗形になった。
そうほう、がっちりと組み合い、▲居飛車+銀冠vs△石田流+美濃。
解説の佐々木は「出口が理想形に組めて不満なし」と言っていた。
観ていて私も、これはもう聡太からは打開不可能ではないかと思ったのだが・・・
聡太の右金が▲5七金としたのがあまり見ない手で、そこからその右金が▲6六金~▲7五金と大活躍。
聡太は着実にリードを奪い、最後もきっちり読み切って、確実に勝ちを手にした。
97手で聡太の快勝。強い。さすが。出口としては、どこが悪かったかわからない感じだった。
これでまた聡太が来月も観れる。よしよし、勝って良かった。次は中村修との対戦が組まれている。
2019.11.15
銀河戦 星野良生四段 vs 里見香奈女流五冠
第28期 銀河戦 本戦Dブロック 2回戦
星野良生四段 vs 里見香奈女流五冠
2019年9月3日
解説:近藤誠也六段
聞き手:谷口由紀女流二段
注目の里見の登場。
先手星野で、▲超速3七銀vs△ゴキゲン中飛車。
ねじりあいが延々続く、大熱戦になった。
最終盤、里見が勝つ権利を手にしたのだが、星野があきらめず、攻防の妙角を放ち、逆転。
133手で星野の薄氷の逆転勝利となった。
里見は負けたが、本局では「里見強し」を印象付ける内容で、とても良かった。
感想戦でも、里見は、すぐに「どうすれば自分が勝っていたか」を指摘して、レベルの高さを証明していた。
充実した里見が見れて、私はとても満足している。
星野良生四段 vs 里見香奈女流五冠
2019年9月3日
解説:近藤誠也六段
聞き手:谷口由紀女流二段
注目の里見の登場。
先手星野で、▲超速3七銀vs△ゴキゲン中飛車。
ねじりあいが延々続く、大熱戦になった。
最終盤、里見が勝つ権利を手にしたのだが、星野があきらめず、攻防の妙角を放ち、逆転。
133手で星野の薄氷の逆転勝利となった。
里見は負けたが、本局では「里見強し」を印象付ける内容で、とても良かった。
感想戦でも、里見は、すぐに「どうすれば自分が勝っていたか」を指摘して、レベルの高さを証明していた。
充実した里見が見れて、私はとても満足している。
2019.11.07
銀河戦 折田翔吾アマ vs 伊藤真吾五段
第28期 銀河戦 本戦Bブロック 2回戦
折田翔吾アマ vs 伊藤真吾五段
2019年8月30日
解説:阿部光瑠六段
聞き手:真田彩子女流二段
簡単な紹介だけの記事になってしまう。
先手折田で、極限早繰り銀。伊藤がそれをがっちり受け止める。
中盤、歩の数だけ後手の伊藤がリードした、との解説の阿部の評。
終盤、双方の飛車の働きに差が出て、伊藤がリード。
折田、苦しい。まだ指すか。なかなか投げない折田。
伊藤が完全に勝つ権利を手にし、ついに決めに出た。
伊藤が詰ましにいったからには詰むはず、詰むはずと言う阿部。だがだんだん声が小さくなっていった(笑)
なんと折田玉、詰まず! 劇的な大逆転~! 折田が109手で見事、勝利をつかんだ。やったーーー。
阿部「早指しの怖さが出た」
いやー、この1勝は大きい! もう完全に負けの将棋を拾って、これで2連勝。運も味方しているが、最後まであきらめない執念と、そして複雑なほうに玉を逃げる技術が、折田さんを勝ちに導いていた。感想戦で、折田だけが自玉の明解な詰み筋に気づいていた。
伊藤にしてみたら、明らかに勝ちの局面から、詰ましにいって詰まず、大逆転。そうとう悔しいと思う。
これも将棋の醍醐味だね。
折田さんは次回は黒沢五段と。次も楽しみだ。 ところで阿部光瑠は、やせて電王戦のころとは別人のようだね。
個人的に、「極限早繰り銀に対する後手の守り方」が見れたので、それも貴重だった。
折田翔吾アマ vs 伊藤真吾五段
2019年8月30日
解説:阿部光瑠六段
聞き手:真田彩子女流二段
簡単な紹介だけの記事になってしまう。
先手折田で、極限早繰り銀。伊藤がそれをがっちり受け止める。
中盤、歩の数だけ後手の伊藤がリードした、との解説の阿部の評。
終盤、双方の飛車の働きに差が出て、伊藤がリード。
折田、苦しい。まだ指すか。なかなか投げない折田。
伊藤が完全に勝つ権利を手にし、ついに決めに出た。
伊藤が詰ましにいったからには詰むはず、詰むはずと言う阿部。だがだんだん声が小さくなっていった(笑)
なんと折田玉、詰まず! 劇的な大逆転~! 折田が109手で見事、勝利をつかんだ。やったーーー。
阿部「早指しの怖さが出た」
いやー、この1勝は大きい! もう完全に負けの将棋を拾って、これで2連勝。運も味方しているが、最後まであきらめない執念と、そして複雑なほうに玉を逃げる技術が、折田さんを勝ちに導いていた。感想戦で、折田だけが自玉の明解な詰み筋に気づいていた。
伊藤にしてみたら、明らかに勝ちの局面から、詰ましにいって詰まず、大逆転。そうとう悔しいと思う。
これも将棋の醍醐味だね。
折田さんは次回は黒沢五段と。次も楽しみだ。 ところで阿部光瑠は、やせて電王戦のころとは別人のようだね。
個人的に、「極限早繰り銀に対する後手の守り方」が見れたので、それも貴重だった。
2019.10.18
銀河戦 里見香奈女流五冠 vs 大平武洋六段
第28期 銀河戦 本戦Dブロック 1回戦
里見香奈女流五冠 vs 大平武洋六段
2019年9月3日
解説:近藤誠也六段
聞き手:谷口由紀女流二段
前期銀河戦では、1回戦でベテランの脇にねじ伏せられた里見。今期はどうか。
里見、先手をゲットしている。大平はでかい。山のフドウだ。
里見は27歳。2019年度男性棋戦成績8勝6敗。
大平は42歳。2019年度6勝6敗。
解説の近藤「里見は振り飛車党で勢いのある攻め将棋。大平は居飛車党でじっくりとした展開を好む、受け将棋」
大平は前期銀河戦本戦で4人抜きしたということだ。里見にとっては勝ちやすい相手かと最初、私は思っていたが、難敵なのだな。
先手里見で、中飛車に振り、対抗形。里見から角交換して、力戦になった。
大平の作戦は飛車先保留で、5筋の位を取り返すというもの。かなり有力と思える。
里見は美濃、大平は舟囲いで戦機をうかがう。
さあ駒がぶつかってきて中盤、大平が驚きの構想を見せた。打った角をすぐ叩き切り、強引に5筋突破。
大平にとっては角桂交換の駒損。
近藤「大胆な一手が出ましたね。不安な攻め方ではある。里見、ちょっと自信がありそうな手つきでしたね」
これは面白くなった。里見、いけ~。角桂交換は大きいだろう!
ところが、大平の1筋の端攻めが勝負手で、絶好のタイミング。
近藤「どっちが勝ってるか、さっぱりわかりません」
▲横から舟囲いに迫る里見vs△端から美濃囲いに迫る大平。
ここから、延々と終盤のねじりあいが続くことになった。どっちの力が優るか。
大平が、手順に里見の「と金」を抜いて、これは里見にとっては痛い、大平が良くなったかと思われた。
しかし里見、持ち駒の角2枚のうち、1枚を敵陣に打ち、馬にして2手かけて自陣に利かせた。
この構想が良かった。もう角を打った時点で、その後に自陣に利かせることを予定していたんだろう。里見、強い。
まだ大平陣は金銀に囲まれて安泰、と見えたのに、里見は舟囲い崩しの手筋、▲3三香と打ち込む、お手本のような一着を放ち、一気に崩しに成功した。
近藤「里見の切れ味が出ましたね」
あっという間に舟囲いが大破。一方の里見の美濃は、まだ余裕がある。
109手、里見が難しい将棋を勝ち切った。 難局をなんとか制したという印象だった。ふうーー。
近藤「途中、お互い攻める場所が違って、大平の角切りが無理攻めに見えたが、端攻めで面白い攻防が見れた。最終盤は里見のかっこいい寄せが見れた」
里見、底力を発揮しての、堂々の指し回しだった。感想戦によれば、お互いに反省点もあったとのこと。
しかし難しいところで間違えない、里見の本領が出ていた好局だった。
前期4人抜きの大平を相手に、ねじりあいの中終盤を制し、力勝ち。見事。
聞き手の谷口が「里見さんが男性に勝っても驚かなくなりました」と最初のほうに言っていた。
ライバルの西山の通算の対男子戦が2勝7敗ということを考えれば、やはり里見だけが特別に強い存在だ。
里見には決勝トーナメント入りを期待。本局もギリギリの勝利で、ここから厳しいとは思うけど。
また2回戦も楽しみにしよう。2回戦は星野良生四段が相手となっている。
里見香奈女流五冠 vs 大平武洋六段
2019年9月3日
解説:近藤誠也六段
聞き手:谷口由紀女流二段
前期銀河戦では、1回戦でベテランの脇にねじ伏せられた里見。今期はどうか。
里見、先手をゲットしている。大平はでかい。山のフドウだ。
里見は27歳。2019年度男性棋戦成績8勝6敗。
大平は42歳。2019年度6勝6敗。
解説の近藤「里見は振り飛車党で勢いのある攻め将棋。大平は居飛車党でじっくりとした展開を好む、受け将棋」
大平は前期銀河戦本戦で4人抜きしたということだ。里見にとっては勝ちやすい相手かと最初、私は思っていたが、難敵なのだな。
先手里見で、中飛車に振り、対抗形。里見から角交換して、力戦になった。
大平の作戦は飛車先保留で、5筋の位を取り返すというもの。かなり有力と思える。
里見は美濃、大平は舟囲いで戦機をうかがう。
さあ駒がぶつかってきて中盤、大平が驚きの構想を見せた。打った角をすぐ叩き切り、強引に5筋突破。
大平にとっては角桂交換の駒損。
近藤「大胆な一手が出ましたね。不安な攻め方ではある。里見、ちょっと自信がありそうな手つきでしたね」
これは面白くなった。里見、いけ~。角桂交換は大きいだろう!
ところが、大平の1筋の端攻めが勝負手で、絶好のタイミング。
近藤「どっちが勝ってるか、さっぱりわかりません」
▲横から舟囲いに迫る里見vs△端から美濃囲いに迫る大平。
ここから、延々と終盤のねじりあいが続くことになった。どっちの力が優るか。
大平が、手順に里見の「と金」を抜いて、これは里見にとっては痛い、大平が良くなったかと思われた。
しかし里見、持ち駒の角2枚のうち、1枚を敵陣に打ち、馬にして2手かけて自陣に利かせた。
この構想が良かった。もう角を打った時点で、その後に自陣に利かせることを予定していたんだろう。里見、強い。
まだ大平陣は金銀に囲まれて安泰、と見えたのに、里見は舟囲い崩しの手筋、▲3三香と打ち込む、お手本のような一着を放ち、一気に崩しに成功した。
近藤「里見の切れ味が出ましたね」
あっという間に舟囲いが大破。一方の里見の美濃は、まだ余裕がある。
109手、里見が難しい将棋を勝ち切った。 難局をなんとか制したという印象だった。ふうーー。
近藤「途中、お互い攻める場所が違って、大平の角切りが無理攻めに見えたが、端攻めで面白い攻防が見れた。最終盤は里見のかっこいい寄せが見れた」
里見、底力を発揮しての、堂々の指し回しだった。感想戦によれば、お互いに反省点もあったとのこと。
しかし難しいところで間違えない、里見の本領が出ていた好局だった。
前期4人抜きの大平を相手に、ねじりあいの中終盤を制し、力勝ち。見事。
聞き手の谷口が「里見さんが男性に勝っても驚かなくなりました」と最初のほうに言っていた。
ライバルの西山の通算の対男子戦が2勝7敗ということを考えれば、やはり里見だけが特別に強い存在だ。
里見には決勝トーナメント入りを期待。本局もギリギリの勝利で、ここから厳しいとは思うけど。
また2回戦も楽しみにしよう。2回戦は星野良生四段が相手となっている。
2019.10.16
銀河戦 出口若武四段 vs 西山朋佳女王
第28期 銀河戦 本戦Cブロック 1回戦
出口若武四段 vs 西山朋佳女王
対局日:2019/9/1
解説:三枚堂達也六段
聞き手:井道千尋女流二段
今期銀河戦、注目の、男子vs女子の対決!
私は一年前から、このときを楽しみにしてた(^^;
ここで銀河戦のルールをおさらい。NHK杯とほぼ同じだが、持ち時間が各15分。これが違う。NHK杯は各10分だから。
そして番組の長さが、1時間38分とちょっと長い。火曜と木曜、週2回放送されている。
パラマス式という独特のトーナメント。順位の下位者が、何連勝もしやすい。一番下から出て来るアマには、勝ち星を稼ぐチャンスの棋戦。瀬川、今泉、折田はいずれもアマとして銀河戦で星を稼いだ。今期は出場枠は、アマ5人、女子2人となっている。
棋譜は囲碁将棋チャンネルのHPに出てる。(終局後、けっこうすぐ更新されていてありがたい)
さて、出口というのは、井上門下の若手とのこと。
出口は24歳、今期8勝7敗。
解説の三枚堂「出口は多彩な戦型を指す。激しい展開が得意。他人が考えないような手を指す。
西山は24歳。現役奨励会三段。対男子プロは2勝6敗。
三枚堂「西山は振り飛車党で、さまざまな形を指して、工夫が見られる。力強いさばきを得意としている」
いよいよ対局開始。先手出口で、居飛車。後手西山のゴキゲン中飛車。
出口は超速▲3七銀だったが、西山が変化。6筋の位を取ったのが目新しい。
西山は5筋と6筋の位を両方取ってるが、どうも位が安定しない。歩をかすめ取られそう。
三枚堂「西山はもうなんか攻めて行くんでしょうけど・・・?これをさばくのが振り飛車党のすごいところ」
うーん、三枚堂は、早くも西山はいったいどうすんだ、という雰囲気。
したらば、西山は角をポーンと中央に出て勝負に行った~!
三枚堂「西山、さすがの才能。尋常な手ではさばけなかったですから。出口は頭を抱えてますね~」
おおお、西山、行けるか! やっちまえ~!
しかし、出口はなんと、あっさり西山の手に乗った。さばき合いに応じた出口。
うわ、これ、どっちがだましたんだ・・・。
三枚堂「少し出口がいいかな」
しかし西山も食い下がる。一手指したほうがよく見えるという、ハイレベルな攻防!
きたきたー、こういうのを観たいのよ。西山、踏ん張れ~。
局面、飛車が2枚ある出口のほうが指しやすそう。西山は勝負手を連発しないと・・・。
三枚堂「出口がうまく指し回して、はっきり優勢になった。ただ勝つまでは長くかかる」
出口、香を攻防に自陣に打った手が、この一局で一番私の印象に残った。(▲2七香)
あー、実戦的ないい手だなー。三枚堂も「香は6筋に使いたかったので、考えつきにくい手」と称賛。
出口は考慮時間の使い方が独特で、考慮時間に入ったとたんに指す、というのを2回もやってた。
残り、▲1回vs△6回まで減った。西山の有利なのは残り時間だけ。
出口、手堅く指し回し、実に実戦的。逆転を許さない見本のようだ。
西山もなんとかがんばっているのだが、いかんせん、出口が強い。
聞き手の井道「もっと早い段階で差を広げられてもおかしくなかったのに、西山はさすが」
だが、現実は非情。出口の実に手厚いとしかいいようがない指し方に、観ていた私のほうが心が折れた(笑)
ぐあーー、こりゃ、完封負けだーー。
西山はがんばって迫る。まだやるかーー。いい根性してるわー。
出口の金2枚の壁、かてぇ。三枚堂「西山の美濃より固いかも」
井道「もっと早い終局になってしまうのかな、と思っていたんですが」
うんうん、西山はよく形を作った。負けだけど。
109手、出口の実戦的な手厚い指し回しの前に、西山は屈した。
出口の快勝だった。
三枚堂「西山が思い切りのいい仕掛けを見せた。それに対し、出口の対応が素晴らしかった。西山が次々と技を繰り出したが、それに対する出口の対応が素晴らしかった」
西山、実力は出してた。それだけに、出口との地力の差がモロに出てた。
やっぱ男子の若手は強い! 女子と対戦することで男子のレベルの高さがわかる、これも一つの醍醐味だ。
▲2七香の自陣香について、出口「かなり不安だった」とのこと。
西山「ここで何か(自分から攻めが)ないとダメだった」
序盤の作戦について、出口「6筋の位を取られたのは初めてだった」とのこと。
それにしてはうまく対応したなー。実に強い。定跡から離れただけに、地力が問われたが、出口は見事に指し回していた。
西山は女流を相手に圧倒的な勝ち方をしている女子なのだが、男子プロにかかっては、やはり通用しなかったか。
厳密には、もう序盤の作戦のところまで戻ってやり直さないと、勝ち目がなさそう。
初手からやり直し!と言われてるみたいで、悲しい(^^;
一局を通して、西山に勝ち味はなかったとは言える。しかし双方が持ち味を発揮し、かなり見ごたえはあった一局で、充分楽しめた。
女子にとって、男子プロの壁は高い。でもなんとか挑み続けてほしいものだ。
次回は木曜で、里見が登場! 里見vs大平。ワクワクだ。里見が勝たないかなあー。
出口若武四段 vs 西山朋佳女王
対局日:2019/9/1
解説:三枚堂達也六段
聞き手:井道千尋女流二段
今期銀河戦、注目の、男子vs女子の対決!
私は一年前から、このときを楽しみにしてた(^^;
ここで銀河戦のルールをおさらい。NHK杯とほぼ同じだが、持ち時間が各15分。これが違う。NHK杯は各10分だから。
そして番組の長さが、1時間38分とちょっと長い。火曜と木曜、週2回放送されている。
パラマス式という独特のトーナメント。順位の下位者が、何連勝もしやすい。一番下から出て来るアマには、勝ち星を稼ぐチャンスの棋戦。瀬川、今泉、折田はいずれもアマとして銀河戦で星を稼いだ。今期は出場枠は、アマ5人、女子2人となっている。
棋譜は囲碁将棋チャンネルのHPに出てる。(終局後、けっこうすぐ更新されていてありがたい)
さて、出口というのは、井上門下の若手とのこと。
出口は24歳、今期8勝7敗。
解説の三枚堂「出口は多彩な戦型を指す。激しい展開が得意。他人が考えないような手を指す。
西山は24歳。現役奨励会三段。対男子プロは2勝6敗。
三枚堂「西山は振り飛車党で、さまざまな形を指して、工夫が見られる。力強いさばきを得意としている」
いよいよ対局開始。先手出口で、居飛車。後手西山のゴキゲン中飛車。
出口は超速▲3七銀だったが、西山が変化。6筋の位を取ったのが目新しい。
西山は5筋と6筋の位を両方取ってるが、どうも位が安定しない。歩をかすめ取られそう。
三枚堂「西山はもうなんか攻めて行くんでしょうけど・・・?これをさばくのが振り飛車党のすごいところ」
うーん、三枚堂は、早くも西山はいったいどうすんだ、という雰囲気。
したらば、西山は角をポーンと中央に出て勝負に行った~!
三枚堂「西山、さすがの才能。尋常な手ではさばけなかったですから。出口は頭を抱えてますね~」
おおお、西山、行けるか! やっちまえ~!
しかし、出口はなんと、あっさり西山の手に乗った。さばき合いに応じた出口。
うわ、これ、どっちがだましたんだ・・・。
三枚堂「少し出口がいいかな」
しかし西山も食い下がる。一手指したほうがよく見えるという、ハイレベルな攻防!
きたきたー、こういうのを観たいのよ。西山、踏ん張れ~。
局面、飛車が2枚ある出口のほうが指しやすそう。西山は勝負手を連発しないと・・・。
三枚堂「出口がうまく指し回して、はっきり優勢になった。ただ勝つまでは長くかかる」
出口、香を攻防に自陣に打った手が、この一局で一番私の印象に残った。(▲2七香)
あー、実戦的ないい手だなー。三枚堂も「香は6筋に使いたかったので、考えつきにくい手」と称賛。
出口は考慮時間の使い方が独特で、考慮時間に入ったとたんに指す、というのを2回もやってた。
残り、▲1回vs△6回まで減った。西山の有利なのは残り時間だけ。
出口、手堅く指し回し、実に実戦的。逆転を許さない見本のようだ。
西山もなんとかがんばっているのだが、いかんせん、出口が強い。
聞き手の井道「もっと早い段階で差を広げられてもおかしくなかったのに、西山はさすが」
だが、現実は非情。出口の実に手厚いとしかいいようがない指し方に、観ていた私のほうが心が折れた(笑)
ぐあーー、こりゃ、完封負けだーー。
西山はがんばって迫る。まだやるかーー。いい根性してるわー。
出口の金2枚の壁、かてぇ。三枚堂「西山の美濃より固いかも」
井道「もっと早い終局になってしまうのかな、と思っていたんですが」
うんうん、西山はよく形を作った。負けだけど。
109手、出口の実戦的な手厚い指し回しの前に、西山は屈した。
出口の快勝だった。
三枚堂「西山が思い切りのいい仕掛けを見せた。それに対し、出口の対応が素晴らしかった。西山が次々と技を繰り出したが、それに対する出口の対応が素晴らしかった」
西山、実力は出してた。それだけに、出口との地力の差がモロに出てた。
やっぱ男子の若手は強い! 女子と対戦することで男子のレベルの高さがわかる、これも一つの醍醐味だ。
▲2七香の自陣香について、出口「かなり不安だった」とのこと。
西山「ここで何か(自分から攻めが)ないとダメだった」
序盤の作戦について、出口「6筋の位を取られたのは初めてだった」とのこと。
それにしてはうまく対応したなー。実に強い。定跡から離れただけに、地力が問われたが、出口は見事に指し回していた。
西山は女流を相手に圧倒的な勝ち方をしている女子なのだが、男子プロにかかっては、やはり通用しなかったか。
厳密には、もう序盤の作戦のところまで戻ってやり直さないと、勝ち目がなさそう。
初手からやり直し!と言われてるみたいで、悲しい(^^;
一局を通して、西山に勝ち味はなかったとは言える。しかし双方が持ち味を発揮し、かなり見ごたえはあった一局で、充分楽しめた。
女子にとって、男子プロの壁は高い。でもなんとか挑み続けてほしいものだ。
次回は木曜で、里見が登場! 里見vs大平。ワクワクだ。里見が勝たないかなあー。