第25回世界コンピュータ選手権の棋譜を3つ貼ります  西尾さんと勝又さんが解説してくれた中から、私が3つ選びました
いずれも決勝リーグのものです  ponanzaの棋譜が1つ(しかも序盤だけ)になってしまったのは少々心残りですが・・・
図面ごとコピペして、kifu for windowsに貼り付けて見てください


後手:ponanza
後手の持駒:歩二 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・v銀 ・v香|一
| ・ ・v銀v玉 ・ ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩v桂 ・v歩|三
| ・v飛 ・ ・ ・v角 ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ 飛 ・ ・|六
| ・ ・ 桂 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 金 ・ 玉 ・ 金 ・ ・|八
| 香 ・ 銀 ・ ・ ・ 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手:Selene
先手の持駒:歩三 

▲7五歩
*西尾「序盤です 今、先手のSeleneが▲7五歩と、ひねり飛車模様に構えました 後手のponanzaの玉が6二に居るんです コンピュータ将棋が比較的好きな位置なんです」 
△5二玉
*西尾「▲7五歩を見て、△5二玉と寄ったんです △6二玉から△5二玉って、比較的めずらしいと思って取り上げました」
▲7六飛 △4二銀 ▲4八銀 △9四歩 ▲8五歩
*西尾「ひねり飛車なんで▲8五歩と打ちました」
△5四飛 ▲6六歩 △8三銀
*西尾「ここから玉が△5二玉と寄った効果が出てきます」
▲6八銀 △9三桂
*西尾「後手のponanzaは7筋8筋方面を攻めて行こうということなんです」
▲6七銀 △8四歩
*西尾「△5二玉はあらかじめ、遠くに王様を逃げておこうという手だったんです」
*勝又「なるほど~」
*西尾「臨機応変な戦い方はさすがponanzaです」 
*
▲7九角 △7四歩 ▲同 歩 △7五歩
*以下、142手まででponanzaの勝ちになりました
*
*私の感想・ponanzaは序盤に構想力があるのを感じます まさに序盤、中盤、終盤、隙がないです
まで18手で中断


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後手:GPS将棋
後手の持駒:歩 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v玉v桂v金 ・ ・ ・ ・v桂v香|一
|v香v銀v金 ・ ・ ・ ・v角 ・|二
|v歩v歩v歩v歩v歩v銀 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・v歩v飛 ・ ・|四
| 歩 ・ 歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ 飛 ・ 角 ・ ・ ・ ・ ・|六
| ・ ・ ・ 銀 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 玉 銀 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:Selene
先手の持駒:歩 

▲7七桂
*西尾「相振りの将棋はめずらしいと思いましたので、取り上げました」
△3六歩
*西尾「7一の金は普通は6二に居るんですけど、GPSがガチガチに固めて、ここから、襲い掛かります」」
▲同 歩 △同 飛 ▲3七歩 △6六飛
*西尾「あっさり切っちゃうんですね」
▲同 銀 △4五歩 ▲6八金 △3三角打
*西尾「6六の銀に狙いをつけました」
▲6七金 △5四銀 ▲5八金 △4六歩 ▲同 歩 △5五銀
*西尾「もうどんどん攻めて行きます、穴熊らしい攻め方で、この攻めがつながっているかどうかです」
▲同 銀 △同 角
*注・ここで▲6六銀と▲6八銀に分岐します 本譜は▲6八銀です 先に▲6六銀の変化を見てください
▲6六銀
*西尾「本譜は▲6八銀と打ったんですけど、▲6六銀ならどうなっていたか」
△同 角 ▲同 金 △6九銀
*西尾「この銀打ちがありますね」
▲6八金 △5九銀 ▲6九金 △6六角
*西尾「ここで金が取れるんです」
*勝又「おー」
▲同 飛 △4八金
*西尾「詰んでしまうんです」
*18手目に戻る


変化:19手
▲6八銀 △6九銀 ▲5九金 △7八銀不成
*西尾「本譜、後手がさらに攻め続けました」
▲7六金 △6七銀不成
*西尾「もう、強引な突破です」
▲9四歩
*西尾「以下、攻め合いになりましたが、こうなってしまうと穴熊の堅さが活きます」
*勝又「穴熊の暴力ですね」
*
*私の感想 これを持ち時間10分切れたら10秒で指しているんだからすごい、いったいGPSはどの辺りから攻めが続くと確信していたのか!?
まで25手で中断


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後手:激指
後手の持駒:歩 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| ・ 全 ・ ・v玉 ・ ・ 杏v香|一
| ・ ・ ・v銀v金v飛 ・ ・ ・|二
|v歩 ・ ・ ・v歩 ・v角 ・v歩|三
| ・v桂v金 ・ ・ ・v歩v歩 ・|四
| ・v歩 ・v歩v角v歩 ・ ・ ・|五
| ・ ・v歩 ・ 飛 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 銀 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 銀 玉 金 ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 ・ 金 桂 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:YSS
先手の持駒:桂 歩二 
後手番

△4六歩
*西尾「後手の激指は普通の四間飛車でした 藤井システムではありません」 
▲同 銀
*西尾「この歩は取られてしまって角取りになってしまって、お手伝いに見えるんですが、ここから激指が一気に攻めてきました」
△8八角成
*西尾「バサッと切って」
▲同 金 △7七銀
*西尾「どんどん攻めていきます」
▲同 桂 △同歩成 ▲同金左 △7六歩 ▲5五歩
*西尾「角道を止めたんですけど」
△6四桂 ▲5九飛 △7七歩成 ▲同 金 △5六金
*西尾「後手は1歩持てば、△7六歩の攻めが厳しいんです」
▲8三角
*西尾「これはすごくいい手です」
△7三金
*西尾「ここで通常ですと▲6五角成りなんですけど、それは△4六金▲同歩△同飛で、後手に飛車をさばかれてしまいます」
▲4五桂
*西尾「なので、後手に飛車をさばかれないように、角は逃げませんでした」
△5五角
*西尾「後手は1歩が欲しいので、角を出ました」
*勝又「はあー すごいですねー」
▲同 銀 △7六歩
*西尾「まだ後手は8三の角は取りません」
▲5六飛
*西尾「先手のYSSも角は逃げません これが後手玉への詰めろになっている手です △同桂だと▲5一金~▲2三角~▲3三桂で、詰みます」
△7七歩成 ▲同 玉 △8三金
*西尾「この辺の攻防は、本当に見事だなと思いました」
▲6四銀 △4五飛 ▲3三角 △4二角 ▲1一角成
*西尾「後手に角を使わせたんで、ゆっくり馬を作りました」
△4七飛成
*勝又「これも厳しい飛車成りに見えますが」
*西尾「そう簡単に、後手陣への攻めがないように見えたんですが」
▲4三桂
*西尾「この桂が好手、▲同金ですと△6三香で攻めが続きます」
△同 龍 ▲4四金
*西尾「これで先手は自玉が安全になりました」
△同 龍 ▲同 馬
*西尾「ここからは先手YSSの勝ちになりました」
*勝又「すごい攻防でしたねー」
*西尾「ここの30手くらいの攻防は本当にすごかったなと感心しました」
*勝又「ベテラン勢は結果は振るわなかったですけど、中身は濃いですねー」
*
*私の感想 10分切れたら10秒でこの攻防は見事!
いよいよ決勝リーグ
高浜「それでは世界ナンバー1が決まる決勝リーグです 8プログラムによる、総当り7回戦を行います
会場では遠山五段、阿部光瑠五段が解説をしました」

以下、高浜女流によるプログラム紹介 2次予選通過の順位順

ponanzaは今や最も有名なプログラムの1つ 初優勝を狙います
AWAKEは電王戦の勢いそのままに、余裕の2位通過
NineDayFeverはおととしから参加の言わば新人プログラムですが、すでに決勝リーグの常連
Aperyは2次予選をノートパソコンで戦いましたが決勝リーグでは予定どおりデスクトップパソコンで参戦 2連覇を狙います
GPS将棋は2大会ぶりの決勝リーグ進出
激指は大ベテラン
Seleneは歴史的な入玉宣言で会場を沸かし、初の決勝リーグ進出を果たしました
YSSは脅威の粘りを見せます

高浜「3回戦までは上位4プログラムと下位4プログラムの対戦 そして3回戦を終え、全て上位4プログラムが勝利しました
4回戦でAperyがAWAKEに負け、一歩後退しました」
勝又「4回戦まではponanzaがものすごく安定してました」
西尾「4強と呼ばれてましたが、4回戦まではponanzaが抜けていた印象です」

高浜「5回戦、4連勝どうしのponanzaとNineDayFeverが直接対決、ponanzaが全勝をキープしました
AWAKEはGPSに破れ、1敗を喫しました これでponanzaのみ全勝となりました」

そして6回戦、Apery(5勝1敗)対ponanza(全勝)
西尾「ponanzaがpona攻めをして、つながるのかなーと思ったんですけど、自玉の安全度の計り方すごく良く、他のソフトより見えているなーという気がしますね 自玉の安全がわかっているから、評価もしっかり出てるんだろうなーと思いました」
結果、ponanzaの勝利 
高浜「そしてAWAKEがNineDayFeverと相入玉(256手)で引き分けたため、ponanzaの優勝が決まりました」

高浜「7回戦でponanzaはAWAKEにも勝利し、初優勝を全勝で飾りました 全勝優勝は2005年の激指以来、10年ぶりです」

ponanzaの山本さん「7回目の参加でやっと優勝できました 2年前と去年は準優勝でした 全勝優勝は久しぶりと聞いたんで、そういう意味でもうれしいです これほど全身全霊を込めて戦ったことっていうのは人生で一度もなかったんで、毎回ゴールデンウィークが終わると、やっと1年終わったっていう気になりますね
(今後の改良について) 選手権は開発者の交流も狙いで、色んな話を聞いたりするんですけど、戦いの場に来ると、こんなことをすれば良かった、とか思い浮かぶんで、いくつかアイデアは浮かんだので、やってみようかなと思ってます」

2位のNineDayFeverの金澤さん「(2位という結果は)文句言ってはいけないけど、ちょっとしゃくにさわるかなという気がしないでもないというのが本音 まあでも上出来だと思います
(今後の改良について) 今まで評価関数の改善でやってきた面があるんですけど、一点突破だと頂点はなかなか難しいなっていうのがあって、色んな、時間の使い方であるとか、その他もろもろの細かいところまできちんとできないと、届かないかなあ その辺をちゃんと仕上げて、もう少し上を目指したいと思います」

3位のAWAKEの巨瀬さん「今回はそれほど準備ができなくて、開発が進まなかったので、この結果は妥当、実力順だったんじゃないかなと思っています ponanzaには負けたくなかったっていうのはありますね」

総括として、西尾「1、2、3位、実力順にならんだかな 大会全体を通して、強弱さまざまはソフト、あまり見ない異筋がたくさん見れて、バラエティに富んだ3日間でした 個人的に非常に楽しむことができて良かったです」
勝又「今回は解説ではなくて観戦としてゆっくり見させてもらいました まだまだ強くなるなーと思います 来年が怖いくらいですね」

今回は参加チームのハードウェアの説明がなく、各チームがどんなハードで参加したのか、そこが知りたかったですね
(まあ、選手権のHPに行けば書いてあるんですけど、私は見てもよくわからないもので(^^;)
勝又プロ、今まで20年もの間、この大会の解説をしてくれて本当にありがとうございました、感謝しています!
次回は棋譜編です
年1回の囲碁将棋チャンネルの特番、私は非常に楽しみにしてる(^^)

「将棋プログラムvs将棋プログラム 世界ナンバー1の座をかけて 今 戦いが始まる」
こんなテロップが流れ、いよいよ番組開始
進行役は高浜愛子女流3級 解説は勝又六段と西尾六段
お、解説に新たに西尾が加わったか 

高浜「どういった大会でしょうか」
うわ、高浜さん、セリフが棒読みだー(^^;
勝又「私はプロになる前の20年くらい前から見てまして、一番最初の頃は参加チームが少なかったので、将棋連盟の2階でやってたんですね それが非常に盛り上がってきて、参加チームが増えて~(以下略)」
西尾「私は勝又さんと比べると見始めたのは遅いんですけども、2011年くらいからですね 非常に強いソフトが最近多いのでたくさん見てます」
勝又「やっぱり電王戦に参加している、プロ棋士と戦ったソフトに注目しています Seleneの観戦記を書いたのでSeleneに注目していました」

今回、変わったルールとして
持ち時間が各10分 使い切ると10秒の秒読み (昨年までは25分の切れ負け)
・総手数が256手に達すると引き分け

今までの継続ルールとして
・千日手は引き分け
・コンピュータのハードウェアに制限なし

高浜「ハードの制限のあるなしで、電王戦と比べてどのような違いが出るのでしょうか?」
勝又「この大会は第1回のときから、各自がハードウェアを持ち寄って戦う、ということを貫いています 
電王戦の場合はハードウェアの統一です まあ、統一と言いましてもガレリアのパソコン(約40万円)は非常に高性能なんですが、統一のほうがある意味、プログラマーにとっては楽なんですよね ソフトウェアの開発に注力すればいいとね
ハードも含めてプログラマーが持ち込むということになると、たくさんのパソコンをつなぐテクニックも必要になってくるということです 両方の面で大変なのですが、プログラマーの腕の見せ所でもあります」

総勢39プログラムが参加 5月3日から5日まで3日間行われた
1日目 1次予選 24プログラム 変形スイス式7回戦 上位9プログラムが2次予選進出

高浜「1次予選は開始当初から波乱の展開、秒読みとなったプログラムに切れ負けが続出しました
原因の1つは会場のネットワークを使った際に発生するタイムロス プログラムからの指し手が対戦サーバに届くまでの時間が予想されていたよりも長く、結果、指し手が反映される前に切れ負けになってしまいました」

結果、1次予選1位だった、ひまわり、について
勝又「ひまわりの開発者の山本一将さんなんですけど、もともと芝浦工大でイガラシ教授のもとで芝浦将棋っていうのが出てまして、それが非常に優れたプログラムです 卒業して社会人になってから1人でコツコツと作り上げて、今回は素晴らしい内容でさすがだなと思いました」
・・・やったら詳しい勝又さん(^^;

さあ1次予選の局面の解説というところで、勝又「私も20年解説したのですけど、もう難しくなりまして、引退したのでこれからは西尾さんの時代ということで」
西尾「いやいや(^^;」


2日目 2次予選 1次予選の上位9プログラムと、シードの15プログラムが変形スイス式の9回戦で戦う 上位8位までが決勝リーグへ進める

ponanzaはこの大会では小文字表記だ 開発者の山本さんのツイッターではPonanzaと大文字表記なので、非常にわかりにくい どっちでもいいということなのだろうが、統一が必要と思う

高浜「ネットワークが原因の切れ負けは2次予選でも発生」
高浜「3連勝中どうしの対戦、ponanza vs Aperyは、Aperyが直前でマシントラブルを起こし、ノートパソコンで戦うことになるアクシデントが発生 結果はponanzaの勝ち」 
高浜「2次予選、4連勝中どうしのponannzaとAwakeが激突 ponanzaが優勢に進めます しかし結果はponanzaがまさかの切れ負け 万全と思われていたponanzaのトラブルに、開発者の山本さんもショックを隠しきれません」

2日目を終った時点でのインタビュー
2次予選を1位だったponanzaの山本一成さん
「1個だけ負けてしまいまして、Awake戦なんですけど、ちょっと言い訳すると、プラス4000点くらいだったんですけど、切れ負けしちゃいまして、その原因がたぶん分かったので、今から徹夜で直そうと思います
2年前と去年、両方とも準優勝だったんで、そろそろ優勝したいかなと思います」

2次予選を2位だったAwakeの巨瀬さん
「決勝リーグでは長手数の将棋になってほしいと思います 見てて面白い将棋になればいいと思います」

勝又「YSSが8位でギリギリ決勝リーグに入った、これで24年連続なので、さすがだなと思いました」
西尾「コンピュータ将棋史上、初めて入玉宣言して勝ったソフトが出たということで、会場が盛り上がりました
通常と勝ち方が異なりますので、プログラムが難しかったのではないでしょうか 
入玉宣言したソフトがSeleneなんですね 敵陣に10枚以上、自分の駒を入れてしまうことと、持ち駒と敵陣に入っている駒の合計が28点以上で勝ちが宣言できます (210手目で後手Seleneが宣言し、209手まででSeleneの宣言勝ち)」
(明日につづく)
勝又六段と西尾六段の解説で、今年5月のコンピュータ将棋選手権の特番が今日ありました
火曜以降に、正式にまとめます
本日はまずは「お通し」ということで、1次予選で解説があった中から、▲GA将!!!!!!!!vs△うさぴょんの一局を紹介します
kifu for windowsに貼り付けて見てください

<この棋譜を見た私の感想> 
こういう時代もあった なつかしいなあ・・・ コンピュータがこれくらいの強さなら、なーんにも問題ないんだけどね・・・ 

先手:GA将!!!!!!!!
後手:うさぴょん

▲2六歩
*西尾「コンピュータ将棋らしい、面白い指し方をしているので、選びました」
△3四歩 ▲2五歩 △3三角
*勝又「ここまでは普通ですね」
▲3八銀 △5二玉
*西尾「あんまり見ない手です」
▲2七銀 △4二玉
*西尾「ここで驚いているようでは、まだまだ(笑) 」
▲3六銀 △4四歩 ▲6八銀 △5一金左 ▲4六歩 △4三玉
*西尾「この辺りから、王様が先頭に立つんですね」
▲4五歩 △同 歩 ▲同 銀 △4四歩 ▲3六銀 △5四玉
*勝又「これはすごいですねー(笑) 」
▲7八金 △4二飛 ▲5六歩 △6五玉
*西尾「さらに王様が先頭に立って・・・」
*勝又「24手目にして、5段玉ですか(笑) 」
▲2四歩 △同 歩 ▲2五歩
*西尾「このあたりの先手の攻め方は、うまいんです」 
△2二飛
*西尾「しかしここから、難しくなるんです」
▲2四歩 △同 角 ▲2五銀 △3五角 ▲3八金 △2七歩
*西尾「これを▲同飛だと△2六歩があります」
▲同 金 △2五飛
*西尾「このあたり、形勢がけっこうバランスが取れているんじゃないかと思います」
*勝又「銀得だけど玉形が悪いということですね(笑) 」
▲2六歩
*以下、省略します この後、後手玉は自陣に引き上げ、中盤以降は、まだしも、まともでした 117手までで先手のGA将!!!!!!!!の勝ち 
*なお、GA将!!!!!!!!は1次予選24チーム中6位で通過、うさぴょんは11位で予選落ちでした
囲碁将棋チャンネルの中で、面白い講座を見つけました
その名も「島 朗の将棋講座 らくらく序盤でリード ~序盤よければすべてよし~」
いやー、タイトルからして、私好みです 普通、「終わりよければ~」なんじゃないの、と思ってしまいますよ これをテーマに全26回の講座をやってしまう、かなりウケました(笑)  

私も今観てる最中なんですが、今までで一番ツボにはまったのがこれ 
第19回の「初手▲2六歩・掟破りの△3三金」という講座
なんと、後手を持って、先手の初手▲2六歩をとがめようというんです そんなのができれば、将棋の序盤の革命になります それを「らくらく」やってしまおうという島さん、発想が楽しすぎます(^^;

22手までの短い手数です
結果的に、うまくいくのか、いかないのか? 激指定跡道場3で検討した結果も最後に載せてます

私はこういう奇襲っぽい作戦が超大好きなのですよ、観てる分には(笑)
こういう講師ばっかりの将棋教室だったら、将棋が広まるのもいいかな、と思いますね 自由な発想で楽しくやればいいじゃないですか

では、以下をコピペして、kifu for windowsに貼り付けて見てください

先手:初手▲2六歩
後手:掟破りの△3三金

▲2六歩
*島「この初手▲2六歩を、とがめるべく後手番を研究しました」
*以下、セリフはすべて島九段のものです
△3二金
*▲2五歩を誘っています
▲2五歩 △3四歩 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △3三金
*部分的には大変な悪形です
▲2八飛 △2四歩
*これを、「高く受ける」と言います △2三歩なら「低く受ける」です 低く受けると△3三金を上がった意味がないです
▲7六歩
*先手側は、おそらく突いてくるでしょう
*これに対し、△3二銀と上がってしまうのは▲2四飛!と走られて、後手いけません
△4四歩
*いったんは相手の角筋を止めるのが重要です
*ここから後手は持久戦用の銀冠作戦と、急戦用の作戦に分かれます 次に先手が▲3六歩として、3筋の位取りを拒否してきたら、持久戦の銀冠作戦で行きます 
▲4八銀
*本譜は急戦用を進めてみます
△3五歩
*後手は突っ張って行きます
▲4六歩 △3四金
*この手には狙いがあります
▲4七銀 △3三角
*次に△2二飛~△2五歩~の逆襲を狙っています そうなれば、初手▲2六歩をとがめたことになります
*以下は、ここからの先手の強気の決戦は大丈夫か、調べてみます
▲3六歩 △同 歩 ▲3八飛 △4五歩
*これがあるので大丈夫です 後手も戦えます
*場合によっては乱戦になりますけど、△2二飛~△2五歩が実現すれば、初手▲2六歩をとがめたことになると思います 
*(これで島九段の講座終わり) 
*激指定跡道場3の判定はどうか? 結論で言えば、アウト! この後手の作戦は使えない 理由は、19手目▲3六歩の前に、▲6八玉と一回、早逃げしておけ、とのこと ▲6八玉△2二飛となった後に▲3六歩と行けば+320点ほど先手有利で乱戦を戦えるとの結論 激指、つよーい(^^; でも実に面白い作戦でした(^^)
囲碁将棋チャンネルの「月刊!順位戦8月号」で、真田七段がゲストでした
そこで自戦解説をしてくれた一局が面白かったので、紹介します
ゴキゲン中飛車に対する▲5八金右の超急戦で、手数が50手いかない短手数局です

ゴキゲン党の人で「▲5八金右超急戦は定跡を覚えるのがめんどくさい」と思って、
超急戦を避けている人、必見です
この近藤六段の指した早々に変化する△5七歩という手、専門の本には載っているんでしょうか?
ほとんど知られていないはずなので、この手を知っているだけで、超急戦から逃げずに、
定跡外の力戦に持ち込めるのでは!

開始日時:2014/07/08 10:00
棋戦:第73期順位戦C級1組02回戦
持ち時間:6時間
消費時間:49▲196△258
場所:東京・将棋会館
先手:真田圭一
後手:近藤正和

▲7六歩
*真田「近藤さんとやると、いつも激戦になるんですよ」
*(第73期順位戦C級1組2回戦 先手が真田七段、以下のコメントはすべて真田七段のもの)
△3四歩 ▲2六歩 △5四歩
*近藤さんの代名詞、ゴキゲン中飛車です
▲2五歩 △5二飛 ▲5八金右
*これが用意していた手で、超急戦なんですけど、後手も応じない手もあるので、どうなるかなと思っていました
△5五歩
*開始早々、緊張感がみなぎってくるんです
▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛
*ここで後手が△3二金なら、まだゆっくりした将棋になるんですけど・・・
△5六歩
*これでもう完全に決戦になりました
▲同 歩 △5七歩
*ここでさっそく、変化されました △8八角成が普通なんですけどね △5七歩は、実戦例が少ないんです 過去のプロの実戦例は、3局くらいしかないんですよ
*近藤さんが私の研究をはずした意味もあります 
▲6八金寄
*取ると△3五角の筋があってダメなんで、▲6八金寄なんですけど、この交換を入れてから△8八角成なんです
△8八角成 ▲同 銀 △3三角 ▲2一飛成 △8八角成 ▲5五桂
*次に▲3三角から、8八の馬を抜く狙いがあります
△6二玉 ▲7五角
*これは過去の実戦でもある手です
△3二銀
*近藤さんのこの手が完全に新手で、ここからオリジナルの将棋になりました
▲1一龍 △7八銀
*ここで私は大長考しました まだ時間はお昼くらいなんですけど、もう将棋は終盤なんです もう夜くらいだと気持ちを切り替えなきゃいけない、そういうのもあって2時間以上考えました
▲同金上 △同 馬
*これは取れないですね 頭金があります 問題は、ここでどうやるか
*穏やかに指すなら、▲5七角で、将棋が落ち着きます
▲6三桂成
*実戦はここで決断して、行きました この手を指さないと、良くならないと思ったんです
△同 玉 ▲6六香 △7二玉
*▲6三桂成と行ったら、ここまでは一本道です ここで▲6三銀という手は良くなくて、△8二玉と逃げられると、後手玉がすごい安定しちゃうんですよ
*次の手は、勝てば勝着、負ければ敗着という手です
▲6一香成
*これがすごい怖い手だったんですけど、腹を決めて行きました この手は、勝っても負けても決着がつく手なんです 
*これを後手は△同玉だと▲6三銀と押さえられて勝てないので、放置して攻め合うしかないです
*まだ33手なのに、最終盤です
△6七馬
*詰めろです
▲5七金
*1回は歩を払いますけど・・・
△6六桂
*この手があるんです この手で、△5六飛は▲5八金打で受かってます
▲同 角
*部分的には、こう取って、何事もないようなんですけどね
△6八金
*これが一見、重い攻めのようなんですけどね
▲4八玉 △5八金
*これが後手の真の狙いの手で、▲同金は△6六馬で王手竜取りがかかってしまうんです 
*でも、▲同金でなんとかならないかなと考えたんですけど、大駒4枚全部取られちゃうと、どうしても先手は勝てないんです
▲3八玉
*ここで、後手の手で△6六馬▲同金△4九角▲2八玉△6一玉という手が詰めろがかかって調子良く見えるんですが、▲3八銀打で先手玉は受かってます その変化は後手が勝てないです
△5七金 ▲6四桂
*気持ちいい王手飛車ですけど、すごく読みを入れた手です 
*この手に対し△6一玉と成香を取る手があり、▲5二桂成△同玉▲7五角としたとき、△4七金から王手で迫ってくる手があるんですが、先手玉はギリギリ詰まないという変化があるんです ものすごく危ないんですけどね
*それを死に物狂いで何度も確認していました
△8二玉
*なので、やむなく逃げました
▲5七角
*この手を入れておくのが急所です
△同 馬 ▲7一成香
*これで将棋は先手の勝ちになりました
△5四角
*攻防っぽい手ですけどね
▲7二金
*(ここで近藤六段が投了 ギズモ注・以下は長手数の並べ詰みがあり、詰まさなくても一手一手です)
*真田「手数は短かったんですけど、神経を使って疲れました(^^;」
勝又六段の解説で、2局を貼ります 決勝リーグ6回戦の▲Apery対△Ponanza、
そして、最終7回戦の▲YSS対△Ponanzaです 

勝又「Aperyは正直、私今回ノーマークだったんです  
 Aperyは、コンピュータ将棋どうしの棋譜からデータを取って強くしている 読みの深いプログラム」

後手:Ponanza
後手の持駒:角 桂二 香 歩 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v玉 ・v銀 ・|一
| ・ ・ ・ ・ ・v飛 ・ ・ ・|二
|v歩 ・ ・v歩 ・ ・ 馬v歩v歩|三
| ・ ・v歩v銀v歩 ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ 歩 ・|五
| ・ 銀 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ 歩|六
| 歩 歩 ・ 歩 歩 ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ ・ 玉 ・ 金 ・ ・ ・|八
| 香vと ・ 金 ・ ・ ・v飛 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:金二 桂 歩 
後手番
先手:Apery

*(決勝リーグ6回戦 Ponanza5勝0敗、Apery3勝2敗で迎えた一局 後手、Ponanzaの手番)
*勝又「ここではホントは△4五飛と取りたいんですけど、取れば▲5一金から▲4一金打ちで詰みがあります
*金なし将棋に受け手なしかと思ったら、金を手にしに行きました」
△7九角 ▲同 金 △同飛成
*勝又「人間なら非常手段ですが、コンピュータには当たり前なんです」
▲5八玉 △3二金
*勝又「しぶといですね」
▲4二馬 △同 金 ▲6一飛 △5一桂 ▲6二角
*勝又「この手には感心しました 5一を狙っているだけではないんです」
△3一玉 ▲5一飛成 △4一香 ▲4三歩 △同 金 ▲5二龍
*勝又「これが▲2二金からの詰めろ、△4二金と引くのは▲4三桂からの攻めが続く これで終わったかと思いきや、まだ終わらない」
△6九角 ▲4九玉 △4七角成
*勝又「Ponanzaは、また金を入手して受けようとしたんですね」
▲5九桂 △3七桂 ▲同 金 △4八歩 ▲3九玉 △5九龍
▲2八玉
*勝又「ここで6二に角がいないと、△1九竜という手があるんです △1九竜▲同玉の変化は△3七馬▲2八合△1七香があって詰みです Aperyはよく読んでるなーとね 明らかにここまで考えてやってるんですよ」
△3七馬
*勝又「これで金を入手しました 終盤は金が大事ですね このしぶとさにはプロ棋士も脱帽です」
▲同 玉 △4二金打 ▲6三龍 △3三桂 ▲5六銀 △2五桂
▲2八玉 △5三金寄
*勝又「この手で、解説をしていてわけがわかんなくなりました(^^; 竜を逃げると△5七竜が厳しいかなと思ったら、次の手がいい手でしたねー」
▲4三桂
*勝又「この手で、玉を逃げるのは手がかりができる、△同金寄は竜に当たりがなくなる」
△同金上 ▲7二龍
*勝又「次に▲5三角成の狙いがあります」
△4二金
*勝又「ここで、次の手が決め手になりました」
▲2二歩
*勝又「これを△同銀だと、▲1二金で寄せやすくなります でも△同銀しかなかったんですけどね」
△同 玉
*勝又「△同玉と取っちゃった 次の手、コンピュータにはめずらしく痛い手を食ってましたね」
▲7七角
*勝又「目から火のでる王手飛車」
△5五歩 ▲5九角 △5六歩 ▲7七角 △3三桂 ▲2七金
*勝又「突然受けた(笑) コンピュータも友達をなくす冷たい手ができるんですね 以下は、大駒4枚全部持ったAperyが勝ちました Ponanzaが弱かったのではなく、Aperyが強かった これで優勝争いが、俄然面白くなりました」
*私の感想・▲4三桂は打てませんよ~ Apery強いですね!

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勝又「最終7回戦、Ponanzaが勝てば優勝という将棋を紹介しないといけないですね」

後手:Ponanza
後手の持駒:歩四 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金v玉 ・|二
| ・ ・v歩v歩v銀 ・ ・v歩 ・|三
|v歩 ・ ・ ・v金 ・ ・v銀v歩|四
| ・ ・ 銀 ・v歩 歩v歩 ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ ・v歩v金 ・ ・|六
| ・ 歩 桂 歩 ・ ・ 桂 ・ 歩|七
| ・ 玉 銀 ・ ・ 金 ・ 飛 ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角二 
先手:YSS

*勝又「中盤の難所の場面です 先手のYSSが角2枚を持っているんですが、3六の金と4六の歩が重しになっていて、押さえ込まれる寸前なんです
*YSSはPC16台を借りて256コアという性能、Ponanzaも大学のPC何十台を借りて、クラスタ並列させています
*YSSは、▲2九角という手を考えていたくらいだったんです でも、最後の最後ですばらしい勝負手を思いつきました」 
▲6五桂
*勝又「これがすばらしい勝負手だったんです タダです
*取らないで逃げたほうが良かったみたいですけど、Ponanzaは取ったんです」
△同 金 ▲7一角
*勝又「この瞬間の角打ちで、両取りです」
△5二飛
*勝又「次のYSSの手がいい手でね」
▲2五桂
*勝又「じっと桂跳ねたんですね この桂で3三の地点を狙いました」
△4二金
*勝又「次のYSSの手が、またいい手でね」
▲4四角
*勝又「王手、合駒しにくいですね」
△1二玉 ▲5三角上成
*勝又「角を叩き切って」
△同 金 ▲4一銀
*勝又「銀打たれたら、よく見たら受けにくくなりました」
△5一飛 ▲5三角成 △同 飛 ▲3二銀成
*勝又「これで詰めろがかかってしまった」
*飯野女流「あっという間に、マジックみたいな」
*勝又「これはみんなビックリしましたね」
△2五銀 ▲同 飛 △1三角 ▲2一成銀
*勝又「これは普通はありえない手なんですけど、いい手です 普通はこんな押さえの駒を捨てたりしないでしょ」
△同 玉 ▲4四金
*勝又「この金打たれて、Ponanzaはしびれちゃった 飛車が逃げると▲2三飛成で寄り筋です」
△2四歩 ▲5三金 △2二銀 ▲8二飛
*勝又「もう一手一手です 飛車の横利きが強いです ということで、YSSのすばらしい逆転勝利で、Ponanzaの優勝を阻んだ一局でした
*YSSのことを、私が『山下死神システム』と言ったら、ネットで広まってしまいました(^^;」
*私の感想・いやー、YSSの勝負手、▲6五桂は会心の一撃ってやつですね! すばらしい桂跳ねでした


これで今年の世界コンピュータ将棋選手権のまとめを終わります 
ところで、去年は私はサボって、こういうまとめをブログに全く書いてないんですよね
こら~、去年のオレ~、まじめにやらんかい~(^^;
囲碁将棋チャンネルの第24世界コンピュータ将棋選手権の特番から、
勝又六段の解説した棋譜を紹介します 全部で4局紹介する予定 今日はまず2局
図面部分とコメント部分を含めて、青く反転させてコピーしてkifu for windowsの
編集→貼り付け、で見てください

勝又「これはみんなから、紹介したほうがいい、とすすめられた将棋です 
 決勝リーグの6回戦、▲ツツカナ対△NineDayFever」

後手:NineDayFever 
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩 ・v歩 ・v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・v歩v銀 ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 銀 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 ・ 歩 歩 ・ 歩|七
| 香 銀 ・ 角 ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 玉 桂 金 ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
後手番
先手:ツツカナ

*(後手のNineDayFeverの手番)
*勝又「普通の振り飛車でございます よくありがちな局面ですね ▲穴熊vs△四間飛車でね 例えば、ここから9筋の端歩でも突けば普通ってところですが、後手が何をやったかというとですね・・・」
△6六角
*勝又「角切っちゃったんです」 
*飯野女流「ここでですかー」
▲同 歩 △6七銀
*勝又「角銀交換して、銀打っちゃったんです もうこれ、みんな大びっくりですよ こんな手あるんかいと」
*(以下、14手ほど進めます)
▲5七角打 △4六歩 ▲同 歩 △6五歩 ▲2四歩 △同 歩
▲同 飛 △2二歩 ▲3四飛 △6六歩 ▲3一飛成 △5六銀成
▲4八角 △6七歩成
*勝又「で進んでね 食いついていって、まあこんな感じでね なんか意外に銀成って歩成ったら、けっこうそれなりに」
*飯野女流「角切りは成立していたんですか?」
*勝又「してないと思うんですけどね ただ調べるとけっこうやっかいなんですよ 終盤はうまい玉さばきで、NineDayFeverが逃げ切っちゃったんですよ 角を叩き切って、△6七銀で勝つってすごいですね コンピュータならではの将棋でした」
*私の感想 こういう大駒をいきなり切っていく攻め、ロマンがありますね いいですね!



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勝又「決勝リーグの1回戦、▲激指対△Ponanza戦を見ていただきましょう
  これぞコンピュータの終盤という将棋です」

後手:Ponanza
後手の持駒:桂 歩五 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・v金 ・v桂v香|一
| ・ ・ ・v銀 ・ ・v玉v角 ・|二
|v歩 ・ ・v歩 ・ ・v金 ・v歩|三
| ・ ・v歩 ・ ・ ・v歩v歩 ・|四
| ・ ・ ・v桂 銀 ・ ・ ・ ・|五
| ・v飛 歩 角 ・ ・ 歩 ・ ・|六
| 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 金 ・ 飛 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 銀 ・ 玉 金 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:銀 歩二 
先手:激指

▲2三歩
*勝又「今、激指が歩を叩いたところです」
△同 玉
*勝又「後手は、飛車の成りを狙っています 先手としては、誰でも▲8七歩と打ちたくなりますよね」
▲7七桂
*勝又「それを、歩を打たずに桂馬をぴょんと跳ねて、飛車を成らせちゃった」
△同桂成 ▲同 角 △8九飛成 ▲1五桂
*勝又「この桂が激指の狙いだったんです」
*飯野女流「なるほど 桂が欲しかったんですね」
△1四玉
*勝又「そしたら、大胆に△1四玉ですよ 形勢判断を聞いたら、Ponanzaの人は、『形勢がいいと思ってます』とのこと この△1四玉が、この後ここから動かないんです」
▲4六銀 △4四歩
*勝又「角筋が通ったので、止めました」
▲1六歩 △5七歩 ▲2八飛
*勝又「1四の玉、どこにも逃げれないんです 危なそうなんですが、コンピュータは気にしません」
△3二金上 ▲3五歩 △5四桂
*勝又「それどころか、反撃していきます」
▲3七銀 △3五歩 ▲5五歩
*勝又「ここでは、▲2六銀と出る手もありました しかし本譜は桂を取りに行きました」
△2五歩
*勝又「そしたら、じっとふところを広げました」
▲5四歩 △3一角 ▲1七桂 △2四金
*勝又「2五の地点をカバーしに行きました」
▲4四角
*勝又「角が出て、銀香の両取りでしょ 危なそうなんですが、Ponanzaは、まだ受けない」
△6四角
*勝又「攻め合いを目指しました ここで先手の激指としては、たぶん▲5五銀と打てば良かったんですが」」
▲4六歩
*勝又「初めて激指がヒヨったんです」
△4五桂
*勝又「そしたら、かさにかかって攻めてきました」
▲3八銀 △3六歩 ▲同 銀
*勝又「ここで次に何が起こったかと言うと、突然Ponanza君が寄せに行きました」
△7八龍
*勝又「なんと、竜を叩き切っちゃった びっくりしますねー」
▲同 銀 △5八金
*勝又「さらに、金も先手の持ち駒に増やしちゃった」
▲同 金 △同歩成 ▲同 玉 △4六角
*勝又「金を持っているので、この手は詰めろです なおかつ飛車取り 後手の玉は、ギリギリ詰まないんですよ」
▲2七飛打
*勝又「でもまだ激指も粘るんです」
△5六歩 ▲6六角
*勝又「この次の手でですね、後手が△2八角成とかやっちゃうと、▲2五銀△同金▲2四金以下、▲4四金が打てるので、後手玉はトン死します ▲6六角は、さりげなく詰めろだったんです」
△4七歩
*勝又「後手は角を2四に利かしたまま動かさず、この△4七歩がいい手です」
▲同銀上 △5七歩成 ▲4九玉 △4八歩 ▲同 飛 △3七金
*勝又「まで、必至をかけて、激指の投了となりました
*(ギズモ注・必至ではないようですが、一手一手のようです)
* めっちゃくちゃ強かったです」
*飯野女流「桂頭の玉寄せにくし、ですね」
*勝又「まさにそのとおりの将棋だったですね これはまさにコンピュータ将棋の終盤でした」
*私の感想 25分切れ負けという条件でこの内容はやはり強い Ponanzaの△1四玉の守りもすごいですが、竜切りから一気の寄せは見事としか言いようがありませんね
今年の5月3日~5日に行われた、世界コンピュータ将棋選手権の特番が、おとといの12日、囲碁将棋チャンネルで放送されました それをざっくりとまとめます
解説は勝又六段、聞き手は飯野女流1級でした

前編の今回はコメント編です (後編は棋譜編を予定)
勝又「今やプロ棋士でも注目する大会、内容もすごい充実しています 昨年の名人戦では、Ponanzaが指した△3七銀が名人戦に登場しました プロもうならせる手が続出する大会になっています」

ルールは25分切れ負け 千日手は引き分け ハードウェアの制限なし
1日目、1次予選 変形スイス式7回戦 上位8チーム勝ち抜け 
2日目、2次予選 変形スイス式9回戦 上位8チーム勝ち抜け
3日目、決勝リーグ 8チームによる総当り7回戦

勝又「今回、場所が千葉県の『かずさアーク』に移った これまで大学でやっていたのでネットワークが組みやすかったのですが、かずさアークは場所が遠いということで、事前に実験できない、ということでクラスタを組んでいないプログラムもたくさんありました
 あのGPSも大学のほうが忙しいということで、PC一台だけでの参加となりました しかし、ノートPCで強いプログラムもあり、ネットワークトラブルもあったので、あんまりハードうんぬんではなかった感じでした」

<1日目の1次予選> 22プログラムが参加した 変形スイス式で7回戦を戦う 
飯野女流「『大合神(だいごうしん)くじらちゃん』というプログラムは、昨年は独創賞を獲得しています
会場から対局をインターネットで生放送、視聴者のPCに特性のソフトを介して、クラスタ計算に参加してもらうシステム ネット中継の視聴者が増えれば増えるほど、強くなります」
勝又「くじらちゃんは、ドラゴンボールの元気玉みたい」  
こんな面白い画期的なシステムを持ったプログラムがあったんですね 私は知りませんでした

飯野女流「『なのは』というアニメのキャラクターの名前のついたプログラムとの対戦となり、視聴者が、なのはを応援しはじめ、くじらちゃんのクラスタ計算力が低下 なのはの勝ち」
ここは笑えました 結果は、くじらちゃん6勝1敗、なのは5勝2敗で、両方1次予選は突破
他にも色々なプログラムが参加してましたが、それほど触れられていなかったので割愛

<2日目の2次予選>  前日の上位8プログラムと、シード16プログラムが変形スイス式で9回戦戦う
飯野女流「1回戦、YSSの山下さんが渋滞に巻き込まれ、到着できずに不戦敗
前回大会で2位のPonanzaもネットワーク問題が発生し負け 習甦もくじらちゃんに負け
電王戦出場組の3つのプログラムが黒星スタート」 

飯野女流「4回戦を終えたところで、YSSは1勝3敗、決勝リーグ進出のボーダーラインは例年6勝3敗、YSSは厳しくなりました
 しかし、ここからまさかの5連勝で決勝リーグ進出、連続決勝リーグ進出記録を23に伸ばしました」
    
飯野女流「GPSは5勝4敗の11位で敗退、習甦も4勝5敗で14位で敗退しました」
勝又「習甦はPCトラブルで、先読み機能が使えなかった」
習甦の竹内さん「ちょっと・・・残念です 新しい勢力がどんどん出てきてますね 毎年のことなんですけど、今年は予想以上に層が厚くなってました」

後半連勝で通過したYSSの山指しさん「本当に運の良さを感じますね」
8位でギリギリ通過したAperyの平岡さん「すごく運が良かったと思います (決勝リーグでは)勝ちたいし、勝てなくてもいい勝負をして、楽しんでもらえたらなと思います」

飯野「ごらんのようになり、8位までのプログラムが決勝リーグに進みました」
1位 激指 8勝1敗 
2位 NineDayFever 7勝2敗
3位 ツツカナ 6勝3敗
4位 Bonanza 6勝3敗
5位 Ponanza 6勝3敗
6位 YSS 6勝3敗
7位 N4S 5勝3敗1引き分け
8位 Apery 5勝3敗1引き分け
9位 Selene 5勝4敗
10位 AWAKE 5勝4敗
(以下省略)
勝又「ツツカナはノートPC1台で予選を通過した 結論として、コツコツ時間をかけて改善していったチームが決勝に上がっていった印象」

<3日目の決勝リーグ> 8チームが7回戦のリーグ戦を戦う
5回戦を終わった時点で、Ponanza5勝0敗、3勝2敗でApery、Bonanza、NineDayFeverが追う
飯野女流「Ponanzaが断然有利な展開」
しかし、6回戦のPonanza対Aperyは、147手でAperyの勝ち 
勝又「Ponanzaが弱かったでわけではなく、Aperyが強かった」

飯野女流「最終7回戦、注目の対局は、Ponanza対YSS、Apery対N4S、NineDayFever対激指
最初に対局が終わったのはNineDayFever対激指、NineDayFeverが破れ、優勝争いから脱落
決勝リーグ3連敗からのスタートだったYSSは3連勝で、Ponanzaに対しても予想外の粘り
息詰まる熱戦の中、先に決着がついたのはApery、見事N4Sを降しました
その直後、Ponanza対YSSで、なんとPonanzaが投了、これにより、Aperyが逆転優勝となりました」

飯野女流「決勝リーグ最終結果は、ごらんのようになりました」
優勝 Apery 5勝2敗 
準優勝 Ponanza 5勝2敗
3位 Yss 4勝3敗 
4位 NineDayFever 4勝3敗
5位 激指 4勝3敗 
6位 Bonanza 3勝4敗
7位 ツツカナ 3勝4敗
8位 N4S 0勝7敗
 
勝又「本当に劇的なリーグ戦だったと思います 優勝したAperyは、今できる、ありとあらゆることをやって強くなったプログラムです Aperyが優勝したことそのものが、コンピュータ将棋の底上げの証でもありますね 陰の主役はYSSでした いやー面白い戦いだったですね」

優勝したAperyの開発者の平岡さん「非常に驚いています 実力どおり、下位を争うものだと思っていたんですけど、すごくうれしいです 評価関数も、探索も、定跡も、全て強くして、今度は実力で優勝争いをするようなソフトを作っていきたいと思っています」

準優勝したPnanzaの山本さん「え~っと、わりと劇的な逆転負けを喫してしまってですね(^^; 優勝したAperyは、電王トーナメントで不運だった(6位)感じでしたので、Aperyには良かったな、と思いつつも、悔しいですね 順位自体はPonanzaは下がったことがない、でも去年が準優勝で今年も準優勝だから、んーそうね、次は優勝なんじゃないかなー(笑) どう?(下山さんに振った)」
共同開発者の下山さん「僕のほうは、あまり順位とか気にしないで、マイペースで改良していこうかなと思っています」
山本さん「そのほうがいいよ、絶対」

3位のYSSの山下さん「決勝リーグは、午前中いきなり3連敗しちゃって、もういきなり終わっちゃったんで、あーやっぱこんなものかなと思っていたんですけど、いやー、見せ場を作るのに貢献できて良かったと思います ここ5~6年くらい、8位くらいが定位置だったので、それを思うと3位はけっこううれしいですね ホントに良かったと思います」

4位のNineDayFeverの金澤さん「あと1回勝てれば(優勝だった)、というところで逃してしまって、ちょっと残念ですけど、それも実力のうちかなと  Bonanza戦で2戦連続で相掛かりを選んじゃって(負けたので)、どうも相掛かりのところで学習がうまくいってないように思えるので、調べて対策したいと思います」

5位の激指チームの誰かさん(名前不明)「昨日で(大会が)終わってれば、どんなにうれしかったかという感じで(笑) まあこれが大会かなという感想ですね」
鶴岡さん「本当に、毎年みなさん改善をどんどん積み重ねていらっしゃるので、がんばらないとすぐに置いていかれますね 来年に向けて、今からでもがんばらないと大変かなと 色々がんばろうと」

6位のBonanzaの保木さん「去年は運よく優勝できたんですけど、まあそんなうまい話が2年も続くわけもなく、ことしは3勝4敗っていう結果で(^^; 負けてしまいました 毎年、年々みなさんのレベルが上がってきてて、強いプログラムの数がどんどん増えてきてるんです 決勝リーグまで通過できたっていうのはラッキーでした」

窪田六段「Apery君がチーム編成になったということもあって、目覚しい進歩をとげた 堅実で、安定した実力を感じました」

遠山五段「非常にレベルの高い将棋が多くて、一日見ていて飽きない、たぶんやっているほうも飽きない、そんな一日だったと思います 今回は居飛車が多かった、最近話題になっている手が出たり、全く見たこともないような、突然角を切って攻め込む手、色んな手が出てきて、もしかしたら今後プロの公式戦でも現れるかな」
 
勝又「名人戦で△3七銀という手も出ましたし、電王戦で話題になった△6二玉というのも、プロの公式戦で2局指されているんです 今後はコンピュータが指した手を人間の力で理解できるかどうか、そして人間とコンピュータでいっしょに将棋の真理を追究してく こういうふうな、共存共栄になっていくかもしれないですね」
飯野女流「入玉形の将棋も多かったですね」
勝又「玉の位置が上がるほどに評価値を高くするなどして、コンピュータは入玉形などの弱点を克服しつつあると言えますかね」

本当に劇的な結末だったですね 私としては、激指を持っているので、激指を応援しているんですよね
4勝3敗でまずまずでした 上位7チーム大混戦でしたね これで前編を終わります けっこう疲れた(^^;
囲碁将棋チャンネルの「月刊!順位戦1月号」より
B2の稲葉七段と戸辺六段の、ゴキゲン中飛車▲5八金右超急戦の将棋が紹介されていました
序盤、中盤がなく、終盤がずっと続き、面白かったので紹介します
プロ棋士には、こういう、素人には指しこなせない将棋を指して見せて欲しいですね 

解説は阿久津七段です コメントは全て阿久津さんのものです
(激指などで解析すれば、また違う意見も出てくると思います)
阿久津「見所は、B2の順位戦で稲葉のほうはもう3敗していて、戸辺のほうは2敗で、これを負けると
 昇級戦線から後退してしまう一局 注目されている若手同士の2人 
 ゴキゲン中飛車から激しい将棋になりました
 終盤までどちらが勝つかわからない熱戦になった、面白い好局だったと思います」

開始日時:2013/12/05
棋戦:順位戦
戦型:中飛車
持ち時間:各6時間
先手:稲葉陽
後手:戸辺誠

*棋戦詳細:第72期順位戦B級2組08回戦
* 「稲葉陽七段 」vs「戸辺誠六段 」
▲2六歩
*稲葉さんは銀河戦で優勝する活躍をしました
*居飛車が中心です
△3四歩
*戸辺さんのほうも、安定して勝っています 普及にも熱心です 将棋のほうも力強い振り飛車党で、アマチュアに喜ばれる棋風です
▲7六歩 △5四歩 ▲2五歩 △5二飛
*ここまで、よくある進行です
▲5八金右
*この手は、一時期よく指されていました ここで後手に△5五歩と指されると、後手の勝率が高いんですよ ですから▲5八金右は先手が避けている変化なんです
*久しぶりにこの手を見ました
△5五歩
*この手では、△6二玉からゆっくり指す手もありましたが、それは気合いが悪いです ここで△6二玉だと、次からナメられるんです(笑) 戸辺さんは△5五歩と指さないこともあるんですけど、今回は、やってやるぞ、ということです
▲2四歩
*先手もここで▲6八銀と穏やかに指す手もありましたが、若手同士なんで、来いと言われたら、行きますよね
△同 歩 ▲同 飛 △5六歩
*こんなに早く終盤になる将棋は他にはないような気がします 一直線です
▲同 歩 △8八角成 ▲同 銀 △3三角 ▲2一飛成 △8八角成
*もう終盤です(笑) お互いに居玉ですが、先手のほうは▲5八金右で、上部が堅くなっている意味があります
▲5五桂
*ここで後手が△5四銀と受けると、▲3三角から、桂の不成で8八の馬が、素抜かれて、一丁あがりです
△6二玉
*定跡の進行です
▲1一龍 △9九馬
*この手で△8九馬は、▲4三桂成で先手が一手勝つと言われています
*次の先手の手は、▲6六香、▲3三角、▲7五角、▲8六角があるんですが、本局はここで新手が出ました
▲3三香
*この手に対し、戸辺さんはなんと3時間の長考に沈みました
△2二銀打
*他の手では△3二香も有力でしたが、それには▲2二歩、もしくは▲2二角があります 
*この△2二銀は後手としては一番指してみたい手ではあります
▲3一香成 △1一銀 ▲4一成香
*どちら側も自信があって、この展開になりました
*若手同士、勢いがありますね 
*駒の損得では飛車と金桂の交換です
*形勢はバランスが取れていると思います
△7二玉
*戦いながら玉形を整備する呼吸です
▲5一金
*この手を△同金は、最後に▲3三角で、▲6七桂成の筋でまた9九の馬が素抜かれるんです
△5七歩
*これもまた難しい手です 戸辺さんは、▲5一金なら、なんとかなるんじゃないかと思った、言っていました
*3時間長考しただけあって、だいぶ深いところまで考えていたようです
▲同 金 △2二飛
*ここで▲2八歩と受けると、△6二金で先手の攻め駒が重くなってしまいます
▲6一金 △2九飛成
*見ているほうは楽しいですが、やっているほうは大変です(笑)
▲6三桂成
*これは、次の手を狙っているんですね
△同 玉 ▲1八角
*竜がいなくなれば先手陣が安全になるかと言えば、なんとも言えないです
△同 龍 ▲同 香 △2九飛
*後手は、先手に持ち駒を使わせて、自玉を安全にしようという意図です
▲4八銀打
*これは仕方ない手です
△2七桂
*激しい攻めです ここで先手は▲7一金では、まだ攻め駒が少し足らず、後手玉は寄りません
▲2八金
*この辺は見ごたえのある応酬です
△1九飛成 ▲2七金 △3八香
*△6五桂も有力でした
▲7一金
*お互いに我が道を行くという感じです
△3九香成 ▲6一飛
*今度は、先手が後手に合駒を使わせようという手です
△6二桂
*ここで、先手側が自陣を放置していると、△7七角という手があって、一気に寄せがあるのです
▲6八玉
*△7七角を受けました 稲葉さんはすごいバランス感覚です
△7四歩
*▲7五桂を受けたのと、玉の逃げ道を作ったのと、△9五角を狙っています
▲2八銀
*お互いに粘り強いです
△9五角
*攻防の狙いの一手です
▲8六桂 △1八龍 ▲3九銀左
*竜を閉じ込めて、また玉が右に逃げれるようになりました
△6四香
*先手からの▲6六香を受けて、ここはこの一手だと思います
▲8一金 △8九馬
*ここまで来て、お互いに渋いですね 後手は馬が先手の玉頭に利いて、迫力が出てきました
▲5五桂 △5四玉
*後手玉の安全度はよくわからないです(笑)
▲5一飛成
*合駒を使わせる意味です
△5三桂 ▲7八香
*馬筋を止めた意味です
△8四角
*5七の金を狙っています 
▲4二成香
*この手は危なかったです ▲7五歩が有力でした
*本譜はこの後、戸辺さんの狙いの一着が炸裂しました
△7七銀
*これは玉が逃げると、香が取られます
▲同 香 △5七角成 ▲同 玉 △6七馬
*いきなり先手玉が危険になりました
▲4八玉 △4九金
*この手は厳密には利かせないほうが良かったかもしれませんが、打ちたくなりますよね
▲3八玉 △2六歩
*これを▲同金は、△4九金▲同玉△4八銀以下、先手玉は詰まされます
▲7二角
*これは王手というよりは、受けに利かせた手です
△6五玉 ▲5八銀
*すごい手ですね 馬が取れれば、後手玉も寄り形です
△2七歩成 ▲4九玉
*この手では、▲2七同角成のほうが良かったようです 
*それで△3九金から王手が続いて怖いんですけどね
*本譜、ここで後手は△2八竜と行きたいんですが、▲同銀だと先手玉は詰むんですが、その瞬間に▲2七角成とされて、竜と馬の両取りで先手が勝ち筋になるんです
△5六馬
*この手がおそらく敗着になりました
*この手に代えて、△3八金と打てば手順は長いんですが、後手の勝ち筋でした △3八金でバラして、△2九銀▲3一玉△6六馬と王手したときに、先手は金しか合駒がないので、寄りでした 戸辺さんとしては最大のチャンスでした
▲2七角成
*この手で、先手玉が安全になってしまって、形勢が先手優勢とハッキリしました
△同 龍 ▲同 銀 △4五角
*攻防の手ですが・・・
▲3六銀
*強く対応されてしまいました
△5七歩
*部分的には厳しい攻めなんですけど、銀を取ってもまだ先手玉は寄りません
▲4五銀 △5八歩成 ▲同 金 △4五桂
*先手は自玉が安全なので、詰めろでいいのです
▲6三桂成
*▲5六竜の詰めろです
△5四桂 ▲6四成桂 △同 玉 ▲6二龍
*以下、合駒は▲7三角で詰み、△5五玉でも▲7三角以下、▲4三成香から飛車を打てば追い詰みです
*ギリギリのところで、お互いの秘術をつくした攻防で、かなりの熱戦でした 長い終盤で、面白い将棋だったと思います
まで97手で先手の勝ち
囲碁将棋チャンネル めざせプロ棋士 奨励会
里見香奈二段 vs 枡田悠介二段
対局日:2013年12月23日
解説:真田圭一七段
聞き手:安食総子女流初段

囲碁将棋チャンネルで、里見香奈さんが三段に昇段を決めた貴重な一局の解説がありました
249手の大熱戦でした 解説者は真田七段です
解説付きで棋譜を貼っておきます コメントは全て真田七段のものです

この一局を見ると、なぜ里見さんが半年間の休養が必要か、わかる気がしました
里見さん、ゆっくり休んで、また復活してください

この一局を終えた里見さんのコメント「2転3転した将棋でした 良いところも悪いところも出た
 全力を出し切れた一局だったと思います 悪くなったときも気持ちを切らさず盤に向くことが
 できたところは良かったと思います」

以下をコピペして、kifu for winに貼り付けて見てください↓

開始日時:2013/12/23
棋戦:90分切れ1分
先手:里見香奈二段
後手:枡田悠介二段  

▲7六歩
*(先手は里見香奈二段)
*里見さんは知名度が高く、色々注目されています 女性では奨励会の初段というのは、初めてなんですね
*今二段ということで、前人未到です 女性がどれだけ通用するのか、結果を待つしかないです 
*将棋は振り飛車党で、角交換系の振り飛車を得意としています 中終盤での判断が正確で、勝ちきる力を持っています
△3四歩
*(後手は枡田悠介二段 ますだゆうすけ)
*枡田さんは関西所属で、1993年生まれの20歳
*私は関東の奨励会の幹事なんで、枡田さんのことは知らないんです 関西は今、有段者は三段が多く、初段と二段が少ない 里見さんとは何度も対局していて、手の内は分かっている同士 里見さんの振り飛車への対策が見物です
▲7五歩
*早石田の出だしですね 里見さんの得意戦法、表看板です
△3五歩
*枡田さんが準備してきた手です
▲7八飛 △8八角成
*早々に角交換するのは、早石田対策ではある手です
▲同 飛 △4五角
*後手の狙いです ▲8八同銀でもこの手はあります
▲7六角
*これは確立された定跡手です
△2二飛
*これは研究手です 先手が▲4三角成のときに、2一の桂にヒモがついているので△6七角成とできる意味です
▲3八金
*里見さんは角の成り合いではなく、落ち着いて受けるほうを選びました ▲3八銀は、△5四角から角交換になったとき、2八にスキができるので指しにくいんです
△4二銀
*後手は△2二飛の研究手により、すんなり向かい飛車にすることができました
▲6八銀 △2四歩 ▲7七銀 △2五歩 ▲6六銀
*これは、後手の十字飛車を受けた手です
△2六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲2八銀
*ここは銀で受けるのがいいです この手に対し、△2七歩は▲3九銀で、後で打った歩が狙われて指しすぎです
△2四飛 ▲2七歩
*後手の△2六歩を受けて、絶対手です 
*ここから長い囲い合いになりました
△6二玉 ▲8六歩 △7二玉 ▲8五歩 △5二金左 ▲5八金
△8二玉 ▲4六歩 △1二角 ▲1六歩 △7二銀 ▲1七銀
*後手の飛車にプレッシャーをかけに行きました
△3三桂 ▲2六銀 △3四飛
*△3三桂が▲2五銀の筋を防いでいます
▲4七金左 △2五歩
*将来的に▲3六歩と反撃する筋があるので、もう銀をへこませました
▲1七銀 △5一銀 ▲4八玉 △6二銀 ▲3九玉 △7一銀
▲2八玉 △9二香
*美濃囲いから穴熊に組む、面白い作戦です 昔、神吉プロがよく指して得意にしていました
▲9六歩 △9一玉 ▲9五歩 △8二銀 ▲7七桂 △1四歩
▲6五角
*次に▲5六角の狙いです
△2四飛
*あらかじめ避けました 相筋違い角の力戦です
▲5六歩
*何気に、△6七角成があるんです
△7一金 ▲5七銀 △2一角 ▲1八香
*先手も穴熊を目指しました
△3二角 ▲1九玉 △6二金寄 ▲2八銀
*相穴熊になりました 
*長い勝負になることが宿命づけられていますね
△1三香 ▲5五歩 △2一角
*後手は金銀が攻めに参加せず、飛角桂香歩だけになっています
▲5六角 △6一金引
*これは間合いを計った手です 後手は千日手でも良しという意味です
▲8六飛 △4四歩
*これで角筋が通りましたが、飛車の横利きが消えました
▲8四歩 △同 歩 ▲同 飛 △8三歩 ▲8八飛 △4五歩
*いよいよ戦いです
▲同 歩 △2六歩 ▲同 歩 △1五歩 ▲同 歩 △5四歩
*開戦は歩の突き捨てから、です
▲同 歩 △同 角
*ここで▲5五歩なら△4五角が調子がいいです
▲4六金 △7六角
*この手の意味は、▲3五金のときに△5五歩と打って角を成ろうという意味です ▲3五金をけん制した手です
▲5五歩
*先手は次に▲3五金の狙いです
△6四飛 ▲6八銀
*これは先手、辛抱しましたね ▲6六銀だと、△6七角成という強襲があったんです
△8四飛 ▲8五歩
*先手は金銀がバラバラなので、飛車交換はできません
△2四飛 ▲2七銀 △2五歩 ▲同 歩 △同 桂 ▲3五金
*先手は飛車の圧迫を楽しみに指しています
△2一飛 ▲2四歩 △5一飛
*この手は、次の△5五飛を見ていて、先手は悩ましいです ここでは先手は桂を取るよりも、後手のさばきを凌ぐことを考えないといけません
▲8六飛
*△5五飛を間接的に受けた手です
△4三角
*桂にヒモがつきました ここで先手は▲4四歩と指したいのですが、△5五飛が金に当たってくるのが気になるところです
▲8四歩
*先手は受けているだけではラチがあかないと見て、攻め合いに行きました
△同 歩 ▲9四歩 △同 歩 ▲9三歩 △同 銀
*一番普通の取り方です だいぶ後手陣も乱れました
*ただ、歩をたくさん渡しました
▲4四歩 △2一角
*後手は辛抱してます 次の△5五飛に期待です
▲9五歩 △8二銀
*先逃げです ▲9四歩と取り込むと、△9八歩があります
▲2五金
*相穴熊なので、桂1枚得しただけでは、まだ先手有利とは言えません
△5五飛 ▲2六金 △1七歩
*他にも△4六歩とか△4八歩も考えられました
▲同 香 △1六歩 ▲同 香 △2五歩 ▲3六金 △5四角
*後手は桂は取られましたけど、飛角がよく働いてます
*先手は桂得ですけど、6八の銀が遊んでいるので、形勢のバランスが取れています
▲9六桂
*この手は里見さんの攻めの力が出てますよ
△8三銀左
*先受けです すぐ▲8四桂は、△同銀から5六の角が取られます
▲4七角
*だから角を先に逃げました
△7二金左
*こういう手は覚えて欲しいですね 玉を固めるいい手です
▲2八玉
*先手は穴熊だったんですけど、駒が上に行ったので、銀冠にしました 見習って欲しい、いい手です
△5六歩
*角筋を遮断しました
▲5八歩
*これは辛抱しましたね ▲同角には、△8七角成という手があったんです
△9五歩 ▲8四桂 △同 銀 ▲同 飛 △8三歩 ▲8六飛
*先手の銀得になりましたが、駒の働きの差で、形勢はいい勝負です
△3五桂 ▲同 金 △同 飛
*これで駒の損得は先手の桂得、まだまだ大変な勝負です
▲8四歩
*もう一度、こじ開けに行きました △同歩は▲同飛で角に当たります
△4六金
*この金を打てるのは今しかない、とみて、手抜きで攻めました
▲9三歩 △同 桂
*▲9四歩で桂は死ぬのですが、速度重視で桂で取りました ▲9四歩は間に合わないという判断です
▲8三歩成 △同 銀 ▲8四歩 △8五歩 ▲8九飛
*ここは、先手が攻めを失敗しました 飛車が押さえ込まれてしまいました
△8四銀 ▲9四歩
*この手が、あまり厳しくないのです 先手はピンチを迎えました
△2六歩
*後手が襲い掛かってきますよ
▲同 銀 △2七歩 ▲3九玉
*こういう、上から押さえられる状態は、危ないです
△4七金 ▲同 金 △4五飛
*歩の裏をかかれて、先手、危ないです
▲4六銀 △7五飛 ▲9三歩成
*先手は自陣の受け方が難しいので、攻め合いました
△同 銀 ▲7四歩
*▲8五桂を前提とした手です
△8二金上 ▲7三歩成 △同金直 ▲6六金
*これはなかなか腰の入った手です
△7四飛 ▲7六歩
*桂を跳んだときに△7八飛成を消した手です
*角筋も止めています
△7八角 ▲7九飛 △8七角成 ▲8五桂 △8六馬 ▲7七桂
*銀取りを防ぎつつ、将来の▲8五桂跳ねを見た、攻防の手です 形勢はいい勝負ですよ
△7二金引 ▲9三桂成 △同 香 ▲8三歩 △同金左 ▲7五桂
△3四桂
*いよいよ本格的な終盤になってきました
▲3五銀右 △4六桂 ▲同 銀
*このへん、よく先手は辛抱してますよ
△7八歩 ▲8九飛 △8八歩 ▲5九飛 △2八歩成
*後手がついに時限爆弾を炸裂させました
▲同 玉 △2七銀 ▲3九玉 △7六馬
*金を取りに行きました
▲同 金 △同 角
*ついに先手玉に詰めろがかかりました
▲8三桂不成△同 金
*先手は受けなければいけません
▲4九銀 △2六桂 ▲2八金 △3八歩
*この歩を先手は取れません
▲4八玉 △2八銀不成
*金1枚がタダで取られて、なおかつ詰めろ 先手大ピンチです
▲5六金 △3九歩成
*もう先手は受けようがないです
▲8四歩
*反撃に出ました
△同 飛 ▲7五桂 △4九と
*ここで後手が間違えました 正解はおそらく△7四金でした 先手は持ち駒が角だけで、取れる駒がないんです 後手が余すチャンスでした 
▲同 飛 △3八銀
*後手は、ここは命がけで腹を決めて受けに回るチャンスでした
▲8三桂不成
*ここで1枚、金が取れたのが先手にとって大きかったんです もし後手が△7四金と逃げていれば、先手の玉が上部へ脱出してきたときの、押さえの駒にもなっていたんです
△同 飛 ▲5七玉
*枡田さんも、ここで事の重大性に気づいたんじゃないでしょうか 先手玉が上部が広く、妙に安定しているのです
△8二金
*飛車を取ると、攻め合われて勝てないと見たのでしょう
▲4八飛
*タダで取られたはずの飛車を逃げて、里見さん、抜け目がないです
△5四桂
*▲6六玉を阻止した手です
▲6一角
*ここで、後手玉の重大な欠陥が露呈しました 7筋と8筋に、歩が打てないのです
*これで逆転しました
△8七飛成 ▲8三歩 △同 金 ▲8五歩 △8二金打
*歩が打てれば△8二歩でいいところを金を使わされ、後手がツライです
▲7二歩
*この手の伸びは、里見さん、さすがですね △8一玉には▲6二金があり、結局▲7一歩成は受からないのです
△8五角
*これはいかにも秒に追われて、非常手段でしょう
▲7一歩成 △7四角 ▲6五桂
*攻防手です 一石二鳥です
△4七歩
*これはツライ手です
▲3八飛 △同桂成
*▲4七玉~▲3六玉のルートがあって、先手玉は寄りにくいです
▲7三銀
*これは次に▲8一金の詰めろです(ギズモ注・しかし、激指定跡道場3によれば、詰めろではなく危険な手だったとのこと)
△9二玉 ▲8一金
*これも詰めろです
△7三金寄 ▲同桂成 △8一金 ▲7四成桂
*ここでは先手勝勢になっています
△8五飛
*これは根性の手です 横利きでトン死を狙っています
▲8三金
*里見さん、自玉が危ないことをわかっています
△同 飛 ▲同成桂 △同 龍 ▲3二飛 △5二歩 ▲同飛成
△7二桂 ▲同 と
*(ここで枡田二段が投了)
*手数が示すように、本当に大熱戦でした 後手が勝つチャンスもありました
*里見さんは、気持ちが切れなかったのが最後の勝ちにつながりました
*若者同士の死闘、両者にお疲れ様と言いたい
奇襲講座、最後の3回目は、「腰掛け角」です
木村さゆりさんの講座の棋譜と、激指の検証棋譜、2枚貼ります

<今回の結論>
初手から▲7六歩△8四歩に▲6六角!がこの戦法の骨子
そして▲7七桂とバーンと跳ねていく、すごい戦法(笑) 相手が驚くこと間違いなし!
早々に自分のペースに巻き込むことが可能です
後手が△6六角と交換してきた場合は互角に渡り合えますが、角交換せずにじっくり
落ち着いて待たれていると、先手が少し苦しくなるようです


<木村さゆりさんの講座編>

▲7六歩
*将棋ファンのみなさま、いかがお過ごしでしょうか
*女流棋士の木村さゆりです
*今回の戦法は、腰掛け角の奇襲という戦法をやります
*ぜひ腰掛け角を勉強して、ライバルたちをあっと言わせて下さい
△8四歩
*先手が腰掛け角です ▲7六歩に△8四歩と後手が来たときのみに、腰掛け角を指すことができるんです
▲6六角
*いきなりです これはもう、後手の人は驚くと思いますよ
△3四歩
*先手はここでバーンと行って下さい
▲7七桂
*バーン! 
*ここで後手がですね、まずしないと思うんですが、次の手で△4四歩と指しますと、先手は▲8六歩~▲8八飛と回って指します
△6六角
*後手は取ってくると思います
▲同 歩 △6七角
*後手は馬を作りに来ます ここから先手は、奇襲戦法たるゆえん、バーンと行きます
▲6五桂
*バーン!
△5二金右
*ここで先手にいい手があります
▲5五角
*後手は▲1一角成を受けることができないです
△6四歩
*後手はこう反撃してきます よくばりさんは、▲同角と取ってしまうでしょうが、それだと△6三金で受かってしまいます
▲7三桂成
*桂を成り捨てます
△同 桂 ▲1一角成
*このように、すごく難しい形勢になるのですが、面白いので、腰掛け角をやってみていただけたらと思います


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<激指定跡道場3で検証編>

▲7六歩
*さて、腰掛け角の、激指定跡道場3の評価はどうか?
△8四歩 ▲6六角
*ここでの評価は、-155と出ました ▲6六角は、そんなに悪い手ではなさそうです
*
*ここで次に△8五歩は、▲8八飛で-4の評価、全く互角と出ました
△3四歩 ▲7七桂
*桂跳ね以外に、無難な手はいくつもありますが、この桂跳ねが奇襲たるゆえん この手の評価はどうか?
*が! 評価が-318になってしまいました! ああー(^^; 
*次の後手の手では、△6二銀か△4二玉と、じっくり指すのが激指のおすすめです
△6六角 ▲同 歩
*角交換になった場合はどうでしょうか
△6七角
*角交換から、こう打ち込んできた場合、評価が-109と、差が縮まりました! このくらいの点差なら、先手も充分、互角に戦えそうです
▲6五桂
*評価は-100でちょっとだけ後手有利
△6二銀
*銀で受けるのが自然ですよね 激指のおすすめも銀で受ける一手
▲5五角
*一見、後手が困ってるかのように見えますが・・・
△1二香
*こう上がるのが好手とのこと 香を取られる位置を変えたのですね
▲1一角成 △3二銀
*ここでの形勢は、-99とのこと 先手は香は取れますが、6五の桂は死んでいます でも、先手もけっこうやれますね
*角交換から△6七角と打ち込んできてくれれば、先手もやれる、ということがわかりました
*
*しかし、後手が角交換せず、じっくり落ち着いて指すと、少し先手が苦しい戦法のようです

奇襲講座、角頭歩突き戦法(後手番)の紹介です
今回は、木村さゆりさんの講座と、激指の検証、一気に貼ります
それぞれ1枚ずつ棋譜を貼ります

<今回の結論>
初手から▲7六歩△3四歩▲2六歩に4手目△2四歩がこの戦法の骨子ですが、
このとき、先手に▲6八玉とされて様子を見られていたら、
後手は何を指したらいいのかわかりません
「使える奇襲の紹介」と、以前にお知らせしたのですが、これはあまり使えなさそうです(^^;


4手目△2四歩の局面は、「イメージと読みの将棋観」の第1巻のテーマ図ともなっています
以下、抜粋します

羽生「ない手じゃない。▲2五歩と行ってよくなりそうだけど、そんなに簡単じゃない。」
佐藤「実際に指されたら長考しますね。」
森内「△2四歩は、悪手と一局の将棋の中間の手。▲6八玉が無難な選択だと思う。」
谷川「▲6六歩と突く手が冷静かもしれない。」
渡辺「へー、こんな手があるんですか? 先手の勝率は75パーセントくらいでしょう。」
藤井「実戦なら、大人の態度で▲6八玉としてじっくり勝ちます。
 先手勝率60パーセント以上はいくでしょう。」

平成以降で、プロの実戦例は一局もないそうです 残念!

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<木村さゆりさんの講座編>

▲7六歩
*将棋ファンのみなさま、いかがお過ごしでしょうか
*女流棋士の木村さゆりです 
*今回の講座は、角頭歩突き戦法の奇襲というのをご紹介いたします
△3四歩
*角という駒は、ナナメなら最強の駒なんですけど、いかんせん角の頭は弱いんです その角頭の歩を大胆に突いてしまおうという戦法なんです
▲2六歩
*この戦法は、後手からやろうと思います
△2四歩
*ここでですね、△2四歩と突いてしまう これが角頭歩突き戦法と言われるゆえんです
▲2五歩
*これは当然、なんだこのヤローと来るでしょう
△同 歩 ▲同 飛 △8八角成
*ここで角交換します
▲同 銀 △3三桂
*(ここで▲2八飛、▲2一飛成、▲2三飛成の3つに分岐します)
▲2八飛
*ここで先手が、たぶんしないんではないかなーと思うんですが、飛車を引いた場合は、すぐには決まらないんですが・・・
△2五歩
*△2五歩と打ちましてですね、次に△2二飛から▲2七歩と打たせて、非常に長期戦になりますが、向かい飛車としては成功していると言っていいでしょう
*(10手目に戻る)


変化:11手
▲2一飛成
*この▲2一飛車成には、飛車を強くぶつけてください
△2二飛
*ここで先手がひるんで、▲1一竜としますと、△2九飛成で後手有利です
▲同 龍 △同 銀
*ここで先手の攻めなのですが、ちょっと味付けして▲2三歩と打ちます
▲2三歩 △同 銀
*ここで先手の攻めは、▲2二角が考えられますが、それは△4四角がすばらしい好手で、▲7七銀に△2一飛と打ち、角頭歩突き戦法、大成功と言っていいでしょう
▲2一飛 △2五飛
*▲2一飛には、これが銀取りを防いで、攻防手です
*先手は歩切れなので△2九飛成が受けにくいです
*角頭歩突き戦法が成功と言っていいでしょう
*(11手目に戻る)


変化:11手
▲2三飛成
*▲2三飛成にも飛車をぶつけます
△2二飛 ▲2四歩
*▲同竜だとさきほどと同じになります 先手は▲2四歩と打つと思います
△3二金
*それには△3二金と上がります
▲3四龍 △1二角
*ここに角を打って、竜が逃げれば△6七角成で、馬ができるので角頭歩突き戦法が成功と言えます
*(終わり)

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<激指を使って検証編>

▲7六歩
*激指定跡道場3による、角頭歩突き戦法の検証です
△3四歩 ▲2六歩 △2四歩
*問題のこの局面、激指は+200ほどで先手若干有利と判断しました 次の手、▲6八玉または▲4八銀が有力のようです ▲2五歩は行かないで、後手の様子を見るのがいいとの判断ですね
▲2五歩 △同 歩 ▲同 飛
*ここでは+70ほどの形勢判断 
△8八角成 ▲同 銀 △3三桂
*ここでの形勢は+6で全く互角と判断
*しかし、検討モードの次の最善手にはびっくり
*▲2四飛が最善手と激指先生! なんやそれ!?
*
*ここで、▲2三飛成と▲2四飛に分岐します
▲2三飛成 △2二飛 ▲2四歩 △3二金
*木村さゆりさんの解説どおりの変化
▲3四龍
*このとき、△1二角は▲2三角でまぎれるとのこと
*△4五角のほうが良く、それで-400ほどで後手有利とのこと
*先手も△3二金に▲3四竜がまずく、▲2二竜と取っておいて全く互角と激指先生
*(11手目に戻る)
まで15手で中断

変化:11手
▲2四飛
*こんな手があるのですか・・・
△2二飛 ▲2三歩
*この歩を打つのが▲2四飛の狙い
*以下は△2一飛か△4二飛か△5二飛が考えられ、形勢は+60ほどで互角とのこと
さて、前回掲載した、木村さゆりさんの講座、「横歩取り・後手の強襲」を、
激指定跡道場3を使って調べてみます

2枚棋譜を貼ります
1枚目の棋譜は、木村さゆりさんの講座のあら探しになってしまってます(^^;
入門者向けの奇襲講座ですので、ココセがあるのは仕方ないですね
正直、1枚目の棋譜はさほど意味はないです
2枚目の棋譜は、序盤だけにしぼり、上級者向けに本格的に検証したものです
こっちを見て欲しいです

<今回の検証から得られた結論>
8手目△8六歩の強襲は、充分ありえる 
先手側がハマってくれる可能性がある分、8手目△8六歩としたほうが後手にとって
得とすら言える
後手のデメリットは、横歩取り△2三歩型にする順は選べない、ということ
今の定跡では8手目は△3二金が圧倒的に多いが、8手目△8六歩が当たり前になる日が
来てもおかしくない  アマチュアでは、相手(先手側)を迷わす効果が期待できる



まずは1枚目の棋譜です

▲7六歩
*では、激指定跡道場3(2012年発売)で、木村さゆりさんの講座を検討してみましょう
△3四歩 ▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7八金
△8六歩
*ここで攻めるのが今回の奇襲です
▲同 歩 △同 飛
*ここで先手は手が広いところ
▲2二角成 △同 銀 ▲7七角
*こう打ってくれたら、後手が成功というのが木村さゆりさんの講座です
△8九飛成 ▲2二角成 △3三角
*この△3三角は激指も推奨しています
▲同 馬 △同 桂
*ここでまた先手は手が広く、手が難しいところ 木村さゆりさんは、わかりやすく一気に寄せ合いにするために、▲2四歩を取り上げていました
▲2四歩 △同 歩
*△同歩ではなく、△8六桂も有力と激指の指摘
▲同 飛 △8六桂
*激指は、ここでは形勢は-150ほどで互角とのこと
▲2一飛成
*この手は悪手で、一気に-1500ほどで後手が大優勢になりました(^^;
△7八桂成 ▲3二銀 △7九龍 ▲4八玉
*ここでは次の手、△6八竜と王手が良い、と激指の指摘
*△6八竜▲5八角△4五桂が激指の読み筋
*または、△6八竜▲5八金△5九角▲4九玉△3八銀で攻めが続くとのこと
△5八銀
*この手はそんなにいい手ではないようで、-700ほどに差が減っています 
▲同 金 △2七角
*これは悪手で、敗着になる手とのこと(^^;
*普通に△4九金から追っていけば、後手勝ちでした
*なぜ△2七角が悪手なのか、以下、進めて確認してみましょう
▲4一銀成 △6二玉
*ここで木村さゆりさんの講座では▲2七竜だったので、先手玉は詰まされてしまいました
*しかし、盲点になる返し技がありました
▲2二龍
*これで一度、合駒請求するのがうまい手 これで後手は困りました 
*△5二金打では、▲2七竜で角がタダで後手は駒不足になってしまいます
△5二金
*仕方なく、節約して受けましたが・・・
▲同 龍
*竜切り!
△同 玉 ▲5一金 △6二玉 ▲5二金打 △7二玉 ▲6一角
△8二玉 ▲8三銀
*ピッタリ詰まされてしまいました(笑) 
*△2七角は悪手でした
*
*まあ、木村さゆりさんの講座は、奇襲を華麗に成功させるために、ある程度のココセもあるのは仕方ないでしょう 気にしないでおきましょう(^^;
*
*さて、2枚目の棋譜で本当に△8六歩の攻めは成立しているのかどうか、もっと詳しく調べてみましょう


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以下、2枚目の棋譜です


▲7六歩
*さて、「横歩取り・後手からの強襲」を、激指定跡道場3(以下、激指)を使って検討してみましょう
△3四歩 ▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7八金
*ここで△8六歩は成立しているのかどうか?
△8六歩
*なんと、激指にはこの手はちゃんと「定跡手」として登録されているのです!
*ここでは「プロ間で最近10年で△3二金が1853局、△8六歩が4局」と激指に出ています たった4局ですが、△8六歩はプロでも実戦例があったのです!
▲同 歩
*これは取る一手
△同 飛
*ここで、先手の手の候補は、①▲8七歩②▲2四歩③▲2二角成の3通り考えられます
*それぞれ調べていきましょう
▲8七歩
*まずは▲8七歩から調べます
*結論から言って、これは穏やかな流れになります
*ここで後手が△7六飛と横歩を取るのは、▲2二角成△同銀▲6五角があって、先手有利です
*したがって、飛車をどこかに引くしかないです
*△8五飛、△8四飛、△8二飛、いずれもあるところで、これは全く互角でこれからの勝負という他ないです
△8四飛
*一例として、8四に引いた場合を進めてみましょう
▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △3二金
*後手は手堅く受ける一手
*次の先手の手で▲2三歩は悪手で、角交換から△3五角があります
*また、▲2二角成△同銀▲6六角がちらっと浮かびますが、△2三歩で受かっています
*
*先手は横歩を取れず、後手が相掛かりに誘導したかっこうとなりました
*以下は一局としか言いようがありません
*(10手目に戻る)


変化:11手
▲2四歩
*▲2四歩とした場合にはどうなるのでしょうか?
△同 歩 ▲同 飛
*ここでは後手は、木村さゆりさんが言っていたように、穏便に△3二金とするよりありません
*
*「B級戦法の達人」という本に、「ノーガード戦法」として、ここから△8八角成で突っ込む変化が書かれているので、ついでにそれを検討してみることにします
△8八角成
*後手は一気に攻め潰そうという作戦に出ました
▲同 銀 △3三角
*この攻め方は成立しているのでしょうか?
▲2一飛成 △8八飛成
*ここは先に飛車を切る一手 先に△8八角成とすると、▲3三角の王手竜取りがあり、後手負けです
▲同 金 △同角成
*ここで先手からうまい小技があります
▲8二歩
*これが好手、痛いです ▲同銀には△8五飛があり後手が大優勢
△2二馬
*後手は狙われた馬を移動させ、竜を殺すくらいですが・・・
▲同 龍 △同 銀 ▲8一歩成
*以下、もう少しすすめます
△8八飛
*ここでの形勢判断は、+400ほどで先手が有利
*しかし、この飛車打ちは、なんと詰めろ! ▲7一となどとすると、△6九金▲同玉△6八銀以下、即詰みです くわばらくわばら(^^; 
▲7七角
*しっかり受けておく
△8九飛成 ▲6九桂
*ここまで進めてみると、先手有利です 評価値は+500ほどです
*
*14手目に△8八角成とする「ノーガード戦法」は無理筋です 14手目では、△3二金と無難に指すしかありません
*(10手目に戻る)


変化:11手
▲2二角成
*①▲8七歩、②▲2四歩は、いずれも後手が穏便に応じて一局になるという結論でした 
*では③▲2二角成、これはどうでしょうか
△同 銀 ▲7七角
*この変化は果たして?
△8九飛成 ▲2二角成
*ここで激指の形勢判断は、-300ほどで後手が少し有利とのことです
*次の後手の手、激指検討モードでは、△3三角と△8六桂で迷っていました 個人的には△3三角をお勧めします
*
*△3三角、△8六桂、どちらにせよ、以下、乱戦で後手に少しだけ分がある戦いになるようです
△3三角
*すぐに△8六桂を打たず、△3三角のほうが私のお勧め
*
*先手側は、金を、なまじ▲7八金と上がってしまったため、△8六桂で狙われることになっているのです
▲同 馬 △同 桂
*後手は次に△8六桂を狙う展開になります 竜の存在が大きいです 
*△7七角!という強手もありえます
*
*この局面、激指の評価は-255 まだまだこれからの勝負ですが、わずか18手で後手のペースに巻き込んで、後手満足と思います
*
*結論は、8手目後手△8六歩の強襲に対して▲2二角成~▲7七角の変化は、後手が少しペースを握る、です
突然ですが、今回から、奇襲講座をやってみたいと思います 
木村さゆり女流(現・竹部さゆり女流)が囲碁将棋チャンネルで約15年ほど前に収録した、
「入門講座・木村さゆりの奇襲伝説」(1回10分、全13回の講座)の内容をベースにします

私が「この奇襲は使える」と思ったものを厳選、木村さゆりさんの講座を再現した後、
激指定跡道場3を使って、講座の内容を、検討、検証してみようという企画です
ちなみに、私は木村(竹部)さゆりさんのファンなのです(^^;

全部で3つの奇襲を取り上げる予定です 今回が「横歩取り・後手の強襲」、
次が「角頭歩戦法」、最後が「腰掛け角」です
対象棋力は特になく、これらの奇襲を知らない人すべてです

この「横歩取り・後手の強襲」、早い段階(8手目)ですぐ後手から来る奇襲なので、
横歩取りをやるなら知っていないといけない奇襲です 広まってないと思ったので、取り上げました 
今回はまず木村さゆりさんの講座を紹介 私の解説はまた後日です (月曜か火曜あたりに予定)
いつもどおり、以下をkifu for winにコピペして、貼り付けてください

▲7六歩
*将棋ファンのみなさま、いかがお過ごしでしょうか 女流棋士の木村さゆりです 
△3四歩
*今回の講座は、横歩取り後手の強襲です
▲2六歩
*横歩取りと言いますのは、すぐ終盤になってしまう、ホントに戦い好きの戦法なんです
△8四歩
*そういう戦い好きの方には、ぜひお勧めの戦法なんです
▲2五歩 △8五歩 ▲7八金
*ここでですね、従来は△3二金と上がって、▲2四歩△同歩▲同飛となるわけなんですが、普通にやらないのがこの講座の趣旨なんです
△8六歩
*ここは力強く△8六歩と突いてください
▲同 歩 △同 飛
*ここで結論から言うと、▲2四歩と突かれれば△同歩▲同飛△3二金で、これは普通の横歩取りと同じになってしまいます ▲2四歩と突かれてしまった人はあきらめてください
▲2二角成
*でも、▲2二角成としてきた場合はハマってくれるんですね 
*私なんかは、弟と将棋を指す場合は、お菓子なりみかんなり、色々賭けるわけなんですが、みかん1個を賭けるとすれば、「この角を取れば、みかん1粒を君にあげよう」と、いきなり交渉をしだしてしまうんですね
△同 銀
*歩1枚がみかん1粒という感じでね ぜひコミュニケーションを取って、相手が角交換してくるように自分で努力してください
▲7七角
*この▲7七角があるので、先手も充分指せると思って、角交換してくると思います
△8九飛成 ▲2二角成
*先手から見れば、銀桂交換で馬ができて、先手も充分指せると思っているはずですが・・・
△3三角
*この角がすごくいい手なんです 
*この手に対し、▲2一馬なら△9九角成で、次の△7七香があるので、後手してやったりです
▲同 馬
*先手はこう取らなければいけないんです
△同 桂
*これで一見、収まったかに見えるんですが、後手には次に△8六桂、この手が残っているんです
*だからと言って、どうやって受けていいかわからないんですね
▲2四歩
*ここはですね、先手は横歩取りらしく攻めに行きます
△同 歩 ▲同 飛 △8六桂
*△8六桂と打つんです
▲2一飛成 △7八桂成 ▲3二銀
*先手もかまわず、銀を打つんです 怖いですねー
△7九龍
*銀を取って王手!
▲4八玉
*ここは後手、攻めて勝って欲しいと思います
*次の手、わかりますか?
△5八銀
*ここはですね、この銀がすごくいい手なんです ▲同玉は一手詰みなので、▲同金と取る手なんですが・・・
▲同 金 △2七角
*△2七角と打ちます
▲4一銀成
*1回は▲4一銀成ですね
△6二玉 ▲2七龍
*そしてそこで▲2七竜と取られてしまいますが・・・
△4九金 ▲3八玉 △3九金 ▲2八玉 △2九金 ▲1八玉
△1九金 ▲2八玉 △2九龍
*まで、ピッタリで詰みですね このように、色々な意味で大変なんですが、激しい戦いを好まれる方、ぜひやってみてください
まで42手で後手の勝ち