今、囲碁将棋チャンネルで、女流王将戦をやっています。
しかし私は観ることをあきらめました。
タイトル戦、持ち時間が各3時間って・・・ 長すぎる・・・ 本戦トーナメントでは各25分、切れ40秒だったのに・・・
私の観戦スタイルと全然合わない・・・。

終局しましたが、私は感想なしで(^^; もう第2局、第3局も観ないでしょう。

今月は銀河戦で、折田アマ(10日)、西山さん(15日)、里見さん(17日)が出るので、それの感想を書く予定です。
あと、久しぶりに替え歌を1つ作りましたので、近々、出します。
霧島酒造杯 女流王将戦 挑戦者決定戦
伊藤沙恵女流三段 vs 西山朋佳女王
対局日:2019年8月9日
解説:藤井 猛九段
聞き手: 山口恵梨子女流二段

毎週土曜日に囲碁将棋チャンネルで放送されている女流王将戦。
いよいよ挑戦者決定戦まで来た。絶対的な実力者の西山に、伊藤がどこまでやれるかが見もの。

伊藤は本戦トーナメントでここまで、上田、井道、山口えりりんに勝ち。女流通算111勝44敗。
解説の藤井「受け将棋で、厚い負けにくい将棋」

西山は本戦トーナメントでここまで、竹部、石本、加藤桃子に勝ち。ちなみにすべて圧勝。女流通算43勝17敗。
藤井「振り飛車党の攻め将棋で、早指し。からい、鋭い棋風」

事前のインタビュー
伊藤「あまり挑戦者決定戦ということは意識しないようにしているが、少し緊張しています。西山さんは現役奨励会三段ですし早見え早指しの豪快な振り飛車党。ぶつかっていく気持ちで全力で挑みたい」

西山「昨日の夜は久しぶりに緊張して寝付くのが少し遅かった。伊藤さんはすべての平均値が高くて全部こなす印象がある。挑戦者決定戦ということで特別な想いがあるがそれをいい方向に向けたい」

二人の対戦成績は、西山の3-1だそうだ。しかし直近の1局は伊藤が勝っているそうだ。

先手伊藤で、例によって西山が振り、対抗形となった。▲居飛車+銀冠vs△ノーマル三間+本美濃。
藤井「銀冠はここのところよく指されているし、三間も最近指されている」

西山が石田流本組を狙っていったところ、それを阻止しようと伊藤から動いた。
藤井「早くも戦いが起こりましたね。すごい積極的ですねー。振り飛車側の駒がどんどん進出してくるんで、あまりやりたくない順ですが」

藤井が推奨した△2五角という手を西山が指し、藤井はうれしそう。
藤井「振り飛車がはっきり優勢。西山は仕方ない、仕方ないと受けていただけだったのだが」

だが、伊藤が本領を発揮した。▲1六歩~▲1七桂で、△2五角を追い返すことに成功。
藤井「▲1六歩は最善。なるほどの一手。いや驚きましたね」
ここは伊藤が魅せた。すごい発想の豊かさ。俄然、難しくなった形勢。面白くなった。

聞き手の山口えりりんが、40秒の秒読みについて、「30秒だと第一感の手を指すのだけど、40秒だと第2候補の手と迷ってしまう」という発言をしていた。うーむ、10秒長けりゃいいってもんじゃないか。

さて、伊藤、▲1七桂で角を追い払ったまでは良かったが、そこで居飛車側に手が広く、伊藤は迷うことになってしまった。
とりあえず飛車を成り込んだはいいものの、その後の手が続かない。早指しのはずの伊藤、ピタッと手が止まり、明らかに困っているのが見て取れた。
藤井「差がついちゃいましたね。伊藤からの攻めがない」

そして、今度本領を発揮したのは西山のほうだった。得した銀を手堅く自陣に投入(△3二銀)。そして底歩でガッチリとガード。
私は個人的には△3二銀という手が本局で一番印象に残った。藤井も予想していた手だ。
藤井「△3二銀は振り飛車党らしい一手。底歩は、からーい(笑) いい手です」

最後の寄せ合いに入った。懸命に食い下がる伊藤。最善のがんばりを見せての追い上げで、おお、これはもしかしたら?と思える一手違いに持ち込んだ。ここは伊藤が力を見せた。
これ、西山側をもって、ここからコンピュータなら間違えないだろうけど、西山、正確に指せるのか?どうなる!?
だが、西山は乱れなかった。17手詰みをほぼノータイムで一気に詰ませてしまった!実に見事に勝利をつかみとった。つ、つよい・・・。
106手で西山の勝ち。投了図での、負けた伊藤の持ち駒が、飛角角金金金銀銀だったというのが、熱戦の証だ。

藤井「伊藤が積極的に仕掛けたが、西山が本当にうまく対応した。途中難しい局面もあったと思うが、そこを乗り切って手堅く勝ち切った。仕掛けが急ぎすぎだったというくらいしか、伊藤としては悔やむところはなかったんじゃないか」

感想戦で、中盤をずっとやっていたが、他にも変化が多数あったとのことだ。しかし西山ならどの変化も乗り切ったんじゃないだろうか、と思わせる、本局の強さだった。

局後のインタビュー
西山「対局前は緊張したが、経験のあった形で、落ち着いて指せた。挑戦が決まってうれしく思っています。里見さんは第一人者で勝つのは大変。3番勝負で第1局が大事。勉強して挑みたい」

いやはや、西山の強いこと。本局は西山にとって本戦トーナメントの4局の中で今までで一番苦労したが、それでもキッチリ勝ち切る技術の高さ。勝つべくして勝ってる。こりゃー、里見との3番勝負は男子プロ並みのレベルとなるだろう。

さて、今回の女流王将戦、結果がバレることなく私はここまで観ることができた。
3年前に観ていたときは、ベスト8をやっている最中ぐらいで、もう挑戦者が誰だか、分かっている状態で観ることになってしまっていたのだ。今回は結果バレなしで、とても楽しく観ることができた。実にありがたかった。
女流王将戦のタイトル戦では、もう結果バレはしょうがないと思っている。
タイトル戦、まだ日程が決まっていないのか、囲碁将棋チャンネルのHPには書いていない。どういう形でTV放送になるのか、楽しみだ。来週はまだタイトル戦の放送ではなく、振り返り番組として再放送を流すみたい・・・。

追記・去年の日程を調べたら、対局日と放送日が同じ日だった。(第1局は2018年10月13日・第2局は2018年10月19日)
まさか生放送なのか? だとしたらすごくうれしい。

さらに追記・囲碁将棋チャンネルのホームページに、このような記述がありました!
>そして、今期も三番勝負を生放送でお届けする。第1局は、10月5日に生放送を予定している。
霧島酒造杯 女流王将戦 本戦トーナメント
準決勝 第2局 山口恵梨子女流二段 vs 伊藤沙恵女流三段
対局日:2019年7月17日
解説:村中秀史六段
聞き手:伊藤明日香女流初段

なじみの深い、えりりん登場! どこまで伊藤沙恵に迫れるか? ワクワクだ。
聞き手の伊藤明日香が登場、うっ、横幅が・・・いやなんでもない・・・。

山口えりりん、こっちは細い。女流通算100勝97敗。女流王将戦の本戦トーナメントで北尾、渡部に勝ち。
解説の村中「振り飛車が多いイメージ、三間と中飛車が中心。最近居飛車も多い。攻め将棋」

伊藤沙恵は女流通算106勝44敗。女流王将戦の本戦トーナメントで上田、井道に勝ち。
村中「居飛車党。しかし相振りが裏芸。受け将棋で、受け8攻め2。負けにくい将棋」

事前のインタビュー
山口「伊藤沙恵さんはすごく強い人。小さいころ、千駄ヶ谷の将棋会館で切磋琢磨してきた。久しぶりに対局できてうれしい。悔いない将棋を指したくて作戦を選んできた。つぶれないようにがんばります」

伊藤沙恵「山口さんは普段はとても明るい。将棋は攻め将棋。一生懸命指すだけ」

先手山口えりりんで、序盤に駆け引きがあり、相居飛車になった。▲早繰り銀vs△雁木。
伊藤沙恵が、一直線に雁木に組んだので、伊藤明日香「初心者がよくやるパターンですよね、まず囲ってから他の手を指す」
この伊藤明日香の一言が、なにげに本質を突いていたようだ。伊藤沙恵は守りの手を指しすぎた。山口に速攻を許し、少し苦しくした。

この2人の対戦成績は、伊藤沙恵の3連勝だそうだ。
えりりんの早繰り銀に対し、伊藤沙恵も7一の右銀を玉頭銀のように進めていき、激しいことになっていった。

村中「伊藤沙恵の強気な対応。山口に大技がある」
したらば、えりりん、角捨ての大技、いったーーー。 決まったか? もういきなり終わったかのような空気が流れたのだが、伊藤沙恵、ここで本領発揮。
歩の小技で均衡を保った伊藤沙恵。これには村中も称賛を惜しまなかった。
村中「これは柔らかい手」
うーん、伊藤、なんとか難を逃れたか。だが、局面はまだえりりんにどうするかの選ぶ権利がある。

村中「山口としては、うまくいっていると思っているはず。少し先手のペース」
山口えりりん、大善戦! いけいけ、えりりーん!
伊藤沙恵が強い手を指して来る。大決戦だ。
村中「面白くなりましたね。伊藤沙恵の危なそうな手。ノーガードの叩き合い。すいません、伊藤沙恵は守り8じゃなかったですね」

やったらんかーい、えりりーん! でもそろそろ持ち時間の25分が切れそう。ここからは40秒将棋に・・・!
伊藤沙恵の、自陣の金を取らせる派手な手を見て、伊藤明日香「うっはっはっは」
あまりの激しい展開に、爆笑している伊藤明日香(笑)

山口えりりんは40秒の秒読み、まだ形勢はえりりんに良いはず、ここから正確に指せるか?
伊藤沙恵の攻めに対し、えりりんは銀を自陣に打ち投資、次にまた金を自陣に打ち投資して、堅めたが・・・・・?
村中「ギリギリの受けですね、大丈夫ですかね、これ?」

えりりん、自陣の金銀が、そうとうな数が質駒になってしまっている。
伊藤沙恵が一気に決めにきたああああ。捨て銀、角を切り飛ばし、飛車も切ってきたああーー。
これは、もう確信を持って指してきてるううう、ぎゃああああー。
頭を下げたえりりん、負けてしまった・・・。60手で伊藤沙恵の勝ち。急転直下の出来事だった。投了は番組開始から59分であった。

村中「序盤から中盤にかけては、山口がペースをつかんでいたのは間違いない。伊藤沙恵がうまくペースを引き戻した。伊藤は剛腕という印象。最後は一気に受けなしにした。目が離せない対局だった」

20分ほどあった感想戦、ほとんどを最後、どうやっていたら受けれていたのかに費やされた。
その結果、本譜以外の有力手なら、どうやっても難解だった、という結論。本譜、えりりんは、金銀を打って受けたが、最悪な組み合わせだった・・・。 
山口「受け方がちょっとヘタでした、受け間違えでした」

局後のインタビュー
伊藤沙恵「序盤、駒組みのあたりではこちらが失敗していると思います。ずっと苦しかったんですが、最後の最後で逆転できたと思います。次戦、相手の西山さんは非常に強敵ですが全力を尽くしたい」

えりりーん、終盤で秒読みになってから、一気に崩れてしまった。せっかく追い詰めながら・・・。
んー、でも、それが実力なんで、もうしょうがない。伊藤沙恵は終局時にまだ4分時間を残していたから。
もしえりりんがあそこで間違わずにあのまま終盤が続いても、きっとどこかでえりりんは悪手を指していただろう、そう思わせるものがあった。
えりりん、本局は健闘した。攻め合いでとても楽しかった。面白い将棋をありがとう。

挑戦者決定戦は西山朋佳女王vs伊藤沙恵女流三段となった。まだどっちが勝ったのか、私は知らない。楽しみにしてるよ!
霧島酒造杯 女流王将戦 本戦トーナメント
準決勝 第1局 西山朋佳女王 vs 加藤桃子女流三段
対局日:2019年7月16日
解説:金井恒太六段
聞き手:北尾まどか女流二段

現役奨励会三段の西山が登場。相手は元奨励会初段のカトモモ。大注目の一戦。
特に西山はここまでの2局、まったく相手を寄せ付けず、圧倒的な勝ち方を見せてくれている。

西山は女流棋戦通算、41勝17敗。今期女流王将戦本戦トーナメントは竹部、石本に勝ち。
カトモモは女流棋戦通算成績、67勝28敗。今期女流王将戦本戦トーナメントは頼本、甲斐に勝ち。

解説の金井「西山は振り飛車党で複数の種類を使いこなす。終盤の切れ味と、途中から一気に抜け出す力を持っている。
カトモモは居飛車党。序盤の研究が深く、安定した指し回しでは女流トップ」

事前のインタビュー
西山「加藤さんとは何度か対戦がありますが、最新形を非常に勉強されていて、鋭い攻め将棋という印象。大一番ですがいつもどおり指せるように平常心で挑みたい」

カトモモ「西山女王は昨年女王を取られて今年も防衛されたばかりですごく充実されている。西山女王は振り飛車党で力戦もすごく好きだと思いますので、私もうまく対応していきたいと思います。精一杯自分ががんばるだけ。私はいのしし年なので一生懸命、走りぬきたい」

この2人の対戦成績は、西山から見て3-4だそうだ。しかし西山が現在3連勝中とのこと。

先手西山で中飛車で対抗形に。カトモモの対策は、なんと引き角からの斜め棒銀だった。鳥刺しとも呼ばれるやつだ。3一の銀をどんどん上げていき、積極果敢に仕掛けていった。玉の囲いはお互いに2~3手しかかけておらず、薄い。
戦いが始まったが、金井は形勢判断を迷っている。難しいということか。

カトモモの銀、8六まで来たはいいものの、そこで立ち往生になってしまった。
カトモモの飛車は動きを止められているし、引き角は今一つ働いていない。何を指すのか、手広くてとても難しいところ。
そんなとき、カトモモ、決断の△9七銀成! そうか、引き角が9七まで利いているからか。これは思い切った!
金井「うわー、その手を指すんですね」 あの穏やかな金井も叫ぶ(笑)
3一からはるばる来た銀、ついに△9七銀成か。6手をかけた、まさにカトモモの命運を握る銀だが、果たして?

が、西山にあっさり「その手は通じません」とばかりに対応されてしまった。
金井「西山の手、早かったですね、待ってましたと」
カトモモの虎の子の銀は、西山の金との単純な交換になり、西山にとっては向かい飛車が8筋突破できる絶好の形となった。
カトモモ、大損!! 作戦、大失敗! ぎゃあー(^^;

そして、西山の手が伸びる。次のカトモモの一手は絶対△5二飛というところ、西山が▲5三歩と垂らしたのが、当然ながら好手。キラリと光る手筋の一着だった。
カトモモ、根性でがんばれ~、まだ粘れ~と応援する私。
しかしカトモモは最後の勝負手を逃し、あっさりと土俵を割ってしまった。
89手で西山の圧勝となった。 西山は相変わらずの早指しで、持ち時間を4分も残していた。(持ち時間25分)

金井「加藤は意表の引き角からの急戦。それに対して西山がうまく対応して、中盤、手筋が2発、3発と冴えわたって、終盤は少し余裕をもってゴールした」
聞き手の北尾「西山の強さが光りましたね」
金井「西山にとってこの準決勝は関門だったと思うが、快勝と言える強い内容だった」

感想戦で、カトモモが、あの△9七銀成と攻めたのを悔やんでいた。「(形勢が)ひどいことに気づきました。ひどいですね、これ」
6手かけて銀を進めたのに、結果は相手に逆用されて飛車先を突破されてしまうという・・・。
金井は西山の▲5三歩も称賛。うむ、ツボを突いた好手だったね。

局後のインタビュー
西山「加藤さんが新しい構想を見せられて、それに対応する形でしたけど、未知の将棋だったんでドキドキしながら指してました。今回はうまく対応できたかなと思っています。次戦も今から楽しみです。平常心で挑みたい」

カトモモ、自分から攻めて潰してやるという意識が強すぎたのが敗因と思う。そんな単純にいかないのが強いもの同士の将棋だろう。攻め急いでしまった。いのししのように走り抜けたいと言っていたのがアダとなったか。そして残念だったのが、最後に勝負手を逃してあっさり負けてしまったところ。
感想戦が終わる直前でも最後のところ、問題になっていた。もっと粘ってほしかったな。
西山は「ドキドキしながら指していた」というわりに手が異様に早い。強いとしか言いようがない。
カトモモなら西山が相手でも接戦に持ち込むだろうと思ったが、大差がつき、そこは残念だった。

番組がだいぶ早く終わり、余った時間で詰将棋を流していた。
準決勝の第2局は、伊藤沙恵vs山口えりりんだが、もうどちらが来ても西山は勝つだろう。負ける姿が想像つかない。
タイトル戦は西山vs里見が濃厚。今から楽しみだ。
霧島酒造杯 女流王将戦 本戦トーナメント
2回戦 第4局 伊藤沙恵女流三段 vs 井道千尋女流二段
対局日:2019年6月26日
解説:井出隼平四段
聞き手:塚田恵梨花女流初段

2回戦(ベスト8)の最後の一戦。実力者の伊藤沙恵に、井道が挑む。

伊藤は通算104勝44敗。
解説の井出「伊藤は居飛車党の受け将棋。最近はバランスのいい棋風に進化している」

井道は通算97勝103敗。
井出「井道はクラシックな振り飛車党。三間飛車が得意。棋風は受け」

事前のインタビュー
伊藤「井道さんは昔から普及などのお仕事を熱心にされていて、最近はお子様も生まれて、子育てをがんばられている印象。
将棋のほうは振り飛車党で丁寧な指し回しが特徴。目の前の対局に集中していつもどおり指せたらいいと思う」

井道「伊藤さんは普段は優しい方なんですけど、将棋のほうは力強い印象。私が力を出しても届かないかもしれませんが、一生懸命指してがんばりたい」

先手伊藤で、なんと相居飛車。▲矢倉模様vs△右四間飛車という戦型になった。
井出「井道が居飛車とは。この戦型はまさか」

井道、居玉のままで超急戦のチャンスがあったのだが、それを見送り、持久戦となった。
井出「これは一つの定跡形で、テーマ図」
伊藤の構えは矢倉側の典型的な右四間対策だ。羽生の著書の「変わりゆく現代将棋」に出ている。

井出「右四間をする人は、慎重さからは、程遠い印象がある」
井道の丁寧な棋風と右四間の相性がどう出るかというところだ。

双方、万全に近い状態から、井道から仕掛けた。盤面左側で戦いが起こった。
井出「右四間側としては、足が止まったら終わりですから。ガチャガチャやっていくしかないんですよ」

すると伊藤が変わった受けを見せた。自ら5筋で銀交換を挑み、持った銀を▲7四銀と打ち、7三の桂馬を取っていった。こんな受けかたがあるのか・・・。
井出「私は先手の矢倉側を持って自信がない。でも伊藤はこういうのをいつも受けているから・・・」

消費時間にすごく差がつき、残りが▲19分vs△0分。井道だけ40秒の秒読み。
手が進み、井道も必死の食らいつきを見せる。堂々と受けてる伊藤。
井出「伊藤は(スケールの)大きい将棋ですね。相手の攻めを全否定するような」

井出「なんとも言えない形勢」
聞き手の塚田「伊藤は玉を上へ上へあがるイメージがある」
ここへ来て、伊藤の早指しにさらにターボがかかった。ガンガンノータイム指しで受ける伊藤。
井出「伊藤の受けの時間攻めですね。伊藤の中で勝ちパターンができているのだろう、体でわかっている。
しかしすごい早さですねー。もうちょっと考えてもいいと思うんですけど」

伊藤は反撃に出て、優勢を確信しているのが伝わってくる。
井出「井道がどこで悪くなったか、わからない」
伊藤は最後の寄せのところだけ、慎重に考えて時間を使った。無難に寄せて、伊藤が勝ち切った。95手で伊藤の勝ち。圧勝と言っていい内容。
伊藤は持ち時間の25分を使い切らず、4分も余していた。

井出「井道の意表の戦型選択で、井道が攻める展開になったんですけど、それに対して伊藤が相手の攻め駒を責める▲7四銀の受けで、強気の指し回しでリードを奪った。そのあとは的確に反撃して、うまくまとめた」

感想戦で、井道「仕掛けを待ちすぎちゃいましたね」
井出「▲7四銀で攻め駒の桂を取ったのは価値の高い手だったんですね」

局後のインタビュー
伊藤「井道さんは振り飛車党だと思ってましたので、今回右四間を採用されまして、序盤は意表の出だしでした。こちらが受け身になる戦法ですけど、受けきるか攻めきるか難しい中盤が続いた。終盤はこちらが寄せづらい形になり、良くなってからは押しきれました。次の準決勝の山口さんは子供のころから知っている。対戦できてうれしい」

一言で言って、伊藤沙恵の圧勝。最後は一手違いにもならず。伊藤の巧みな受けと反撃の前に、井道な勝負どころなく負けた印象だった。さすが伊藤、奨励会の1級まで行った腕は伊達ではない。
井道としては、序盤の早い段階で居玉のまま仕掛けていたらどうなってたか、ということだが、それはそれでまたまったく別の将棋なんで・・・。でも、本譜は持久戦にして定跡形にしたら、伊藤の圧倒的経験値の前に、ボコボコにされた一局だった。
伊藤は時間も使わなかったし、解説の井出が見えてなかった手をたくさん指し、その強さをいかんなく発揮していた。
伊藤なら山口えりりんにも勝つと思う。女子は里見香奈、西山、カトモモ、伊藤沙恵、この4強だね。あ、渡部もいるけど。

準決勝のカードは、西山vsカトモモ、山口えりりんvs伊藤沙恵。西山が本命だが、波乱はあるか?
霧島酒造杯 女流王将戦 本戦トーナメント
2回戦 第3局 渡部 愛女流三段 vs 山口恵梨子女流二段
対局日:2019年6月20日
解説:中村 修九段
聞き手:高浜愛子女流2級

囲碁将棋チャンネルで、毎週土曜に放送されている番組。
2回戦(ベスト8)の第3局。この前まで女流王位だった渡部愛(わたなべまな)に、山口えりりんがどこまで迫るかというのが見もの。

解説の中村修「渡部は今一番充実している、人気も高い。山口は攻めが鋭い印象、普及面でとても活躍している」

事前のインタビュー
渡部「山口女流は居飛車と振り飛車、両方指して、攻めが鋭い」
山口「渡部女流は格上、とても強い。準備してきたことをぶつけたい。序盤で崩れないようにしたい」

開始時に、テロップで「対局時間が大幅に伸びたため一部編集してお送りします、ご了承下さい」と出た。
長期戦を覚悟して私は観ることになった(^^;

先手渡部で居飛車、後手山口は角道オープン四間飛車にしてから5筋を突いて中飛車に戻すという、謎の作戦。
こんな作戦があるのか? 解説の中村修も驚いていた。
持久戦になり、駒組みが飽和。▲居飛車の4枚穴熊vs△中飛車の銀冠。中村「振り飛車のほうが作戦勝ちの雰囲気」

どうも、渡部は堅めすぎたようだ。穴熊に潜って金銀4枚を守りに使ったのだが、攻める手がわからなくなった様子。
山口から開戦。渡部としては、細心の注意が必要な中盤。ここで攻めが切れたら穴熊は姿焼きの危険がある。
そんなところで、渡部は6筋の拠点を突き捨てて、2筋に手を回すという、まったく謎の行動に出てしまった。
拠点を一方的に放棄した渡部、ここで大損した。中村「形勢はかなり山口に針が触れますね」
駒損が拡大していく渡部。大ピンチに陥った。

手が進む。中村「このくらいの差では勝ち切るのはまだまだ」
そうは言っても、山口の駒得だし、かつ大駒の働きが大差。後手の山口の圧倒的な形勢。

中村「山口の完封勝ちになる可能性も」
渡部は竜を自陣に引っ張ってきて、粘ろうとしたのだが、その竜が狙われ、ついには詰まされてしまった。
もうこの時点で、気の早い男子プロなら、投げていたと思う。

しかし渡部は粘った。渡部は持ち駒に桂3枚という、最低な組み合わせだったが、どうにか3枚を盤上に使い切り、角で攻めていく。もう不利は決定的なのだが、「間違えたら許さん」という勝負手を繰り出していく。その様はかなり見ごたえがあった。

が、いかんせん、大差すぎた。そして、山口が手数を長引かせても優位を保つという方針のもと、逆転を許さなかった。
長くかかったが、182手で山口えりりんの勝ち。ふうーーーー(^^;

中村「山口がうまく押さえこむ形で攻めた。と金を作って優勢になった。しかし渡部が途中から力を出した。逆転ムードかなと思ったが、大熱戦になった」

局後のインタビュー
山口「自分より棋力が高い相手だったので、王様の堅さを重視して指そうと思っていました。
女流棋士になって10年以上経つんですけど、ベスト4になれたことが今まで1回もなくて初めてなのでとてもうれしい。次はしっかり準備して前を見てのぞみたい」

この一局は、ぶっちゃけ、えりりんがうまく指したという以前に、渡部の中盤がまずかった。
4枚穴熊に囲って攻めに失敗したので、攻めが切れ模様でずっと戦うハメになってしまい、粘るばかりの展開になってしまった。
穴熊の堅さのせいで終局までが長引き、182手になった、という一局だった印象。
もちろん、えりりんの急所をはずさない強さも、堪能できた。ただ、相手が西山やカトモモだと今回のようにはいかないだろうと思う。
渡部さんとしては残念な内容となってしまった。長い終盤で棋力の高さは伝わってきたのだが、さすがに差がつきすぎていた。

来週は、ベスト8の最後の一局。伊藤沙恵女流三段 vs 井道千尋女流二段。勝ったほうがえりりんと対戦する。
霧島酒造杯 女流王将戦 本戦トーナメント
2回戦 第2局 加藤桃子女流三段 vs 甲斐智美女流五段
対局日:2019年6月11日
解説:近藤誠也六段
聞き手:中村真梨花女流三段

さあ、2回戦(ベスト8)の好カードが続く。実力者どうしの対戦。
▲タイトル8期のカトモモ24歳vs△タイトル7期の甲斐36歳。
解説の近藤「加藤は力強い攻めの鋭い居飛車党。甲斐は振り飛車党で丁寧で重厚」

事前のインタビュー
カトモモ「甲斐は腰が重い、落ち着いた将棋を指される。甲斐は何でも指されるので戦型が絞れないのが悩み。一局を楽しみたい。全力でぶつかりたい」
甲斐「加藤はきびきびした将棋を指される。序盤も研究熱心で中終盤も強い。加藤のような強い方と指せるのでいい将棋を指したい」

過去の対戦成績はカトモモの2-0ということだ。
先手カトモモで、相居飛車の力戦になった。▲矢倉早囲いvs△雁木での右玉という戦型。

近藤「雁木は3年くらい前から大流行している。コンピュータの影響で、悪くない戦法だと見直された。バランスがいいということ」
局面が煮詰まり、飽和状態に。後手の甲斐は手待ちを繰り返す。
番組開始から44分が経過している。歩の交換しかないこう着状態。
近藤「スローペースですね」 ・・・正直、早回ししてここから観てもいいと思う(^^; 私はこのブログのために全部観てるけど。

私には全然仕掛け方がわからなかった。だが、カトモモから強く開戦していった。7筋から仕掛けて、7七の銀を攻めに使うのか。なるほどな~。ここはすごく参考になった。
小競り合いが続き、カトモモは9筋の端攻めもして、ペースをつかんでいるようだ。
近藤「これは面白くなりましたね」 ・・・え~?もうカトモモがリードしてるように私には見える。

甲斐も反撃に転じる。甲斐の力の見せ所だ。
近藤「甲斐は耐えて長期戦に期待している」
んー、甲斐の玉形、3段目の玉のすぐ下に飛車が居て、ものすごく悪い形だ。
カトモモの角のにらみが強烈で、ビシビシ攻められている。甲斐ピンチ。耐えろ、甲斐!

手筋を駆使し、どうにか形勢を保つ甲斐。近藤「バランスが取れている。後手の辛抱が実ってきている」
熱戦だ。粘れ、甲斐! しかし、いかんせん、甲斐は玉形が悪すぎるのと、飛車角が使えてない。
手数が長くなってきたが、相手のカトモモが、鋭い手を連発し、逆転する気配が全く無い。ぐうう~。
カトモモ、なんという落ち着きっぷり。まったく乱れない。

カトモモが自陣の飛車を使ってきた。懸命に受ける甲斐。そこでカトモモが飛車を見捨てて、一気の寄せに出る。
近藤「ここは加藤は決め時です、ただし私にはどうすればいいか分かってません」
ここでカトモモ、近藤を上回る手の見え方で、キッチリと仕留めた。131手でカトモモの快勝となった。

近藤「これは大熱戦でした。加藤が先攻してペースをつかんだように見えたが、終盤は甲斐が良くなっていてもおかしくなかった。
最後は加藤の鋭い寄せだった。飛車を逃げなかった手が印象に残った」

局後のインタビュー
カトモモ「お互いに渋い指し手が続いたと思います。お互いに粘っていた。なんとか最後、勝ち切れた。次戦の西山との対戦は楽しみ」

不動駒が先手の1九香と、後手の2三の歩の2枚だけ。あとの駒はすべて動いた好局だった。甲斐はさすがの粘りで熱戦の棋譜を作った。
しかし、だ。私の判断だと、甲斐にチャンスは回ってきてなかったのでは。ずっとカトモモがリードしていたんじゃないかな。
カトモモの安定感たるや、すごいものがあった。40秒の秒読みなのだが、ミスする気配がなかった。甲斐も最善の粘りをしていたと思うのだが、長手数を見事にカトモモが乗り切っていた。実に強い・・・。奨励会での鍛えを存分に見せていた。私の事前の期待どおりのレベルの高い内容で満足だった。

甲斐の右玉だが、戦法自体の苦しさがよく出ていた。右玉側が手待ちしている間に、相手に万全の体制を敷かれてしまうのは作戦として苦しい。
そして、戦いが始まると右玉側はずっと受け身で、何が悪かったかよくわからないまま、特に疑問手を指した覚えもないのに、攻め続けられて負け。うーん。まあ、マイナー戦法というのは、こういう宿命なのかもしれない。

カトモモなら西山に対して、いい勝負ができそうだ。準決勝のカトモモvs西山が今から楽しみだ。
来週は渡部 愛女流三段 vs 山口恵梨子女流二段。えりりんがどこまで食らいつくか?
霧島酒造杯 女流王将戦 本戦トーナメント
2回戦 第1局 西山朋佳女王 vs 石本さくら女流初段
対局日:2019年3月20日
解説:宮本広志五段
聞き手:村田智穂女流二段

本局から2回戦(ベスト8)の戦いに入る。対局日が3月ってマジ?TVの画面にも3月20日と出てた。もう4か月前・・・orz

注目の西山奨励会三段が登場。1回戦の竹部戦では圧勝していた。今回はどうか。
解説の宮本「西山はすごく明るい。小さいころから終盤がすごかった。石本は20歳にしては落ち着いている、しっかり者。立命館大学の3回生」

事前のインタビュー
西山「石本は高校の後輩。ずっと前から公式戦で指してみたかった。石本はいろんな戦型を指されて、充実している」
石本「西山は豪快は振り飛車党。あこがれの人。対局できるだけでもうれしい。悔いのない将棋を指したい」

先手西山で、相振り。それも相三間飛車となった。しばしば相振りが見れるのは女流の醍醐味だね。
互いに角道を止めない強気な作戦。囲いは▲2枚金ならぬ1枚金vs△矢倉を作る途中、といった図。
西山は左金を7八に上がり、スキをなくす工夫を見せた。この構想には宮本が何度か感心していた。

西山の左銀が5段目まで出ていくことに成功、中段を制圧していった。
宮本「西山のほうが主導権を握っている」

そろそろ駒組みが飽和な場面、西山が相手の手に乗って、なんなく馬を作ることに成功した。
馬は盤上中央に引き成って、すごーく手厚い。
局後に振り返って、ここがもう最大のポイントだったようだ。
石本は感想戦で、馬を作られたところを振り返り「(手づまりになり)手がわからなかったので、消去法で馬を作らせる順を指した」ということだった。

優位をもらった西山の手が伸びまくる。ガンガン差を広げる西山。もはや石本に勝負どころがない展開となってしまった。
西山はすごい早指しで、急所を押さえて、引き離していった。
109手で西山の圧勝に終わった。西山は持ち時間を2分、残していた。(持ち時間25分、切れ40秒)

宮本「西山の序盤の構想がうまくヒットした。そこからリードを奪ってどんどん差を広げた。タイトルホルダーの力を見せつけた」

感想戦で石本「本譜、馬が手厚かったですね」
西山は感想戦でも、いろいろな手を指摘して、手の見え方を披露していた。

局後のインタビュー
西山「今日の作戦は積極策。やってみたかったことがうまくいって、内容は快勝になった。良かった」

西山、なんという強さだ。勝負になっていたのは序盤の駒組みまでで、中盤以降はもう圧倒的。
正直、並の女流とは手合いが違う。
西山は差を広げるために、落ち着いて受けるべきところは受け、ときには手を渡して、決して攻め急がなかった。それが投了図の圧倒的差を生んでいた。
そして早指しっぷりも圧巻だ。石本が早々に25分を使い切ったのに対し、西山は終局時にまだ2分も余して勝っているのだから。

いやはや、里見香奈さんもすごいが、西山朋佳さんも歴史上に名を残す女性プレイヤーだね。パチパチパチ。
来週はベスト8の第2局、甲斐智美女流五段 vs 加藤桃子女流三段。これはハイレベルの拮抗した戦いが見れるんじゃないだろうか。
霧島酒造杯 女流王将戦 本戦トーナメント
1回戦 第8局 伊藤沙恵女流三段 vs 上田初美女流四段
対局日:2019年5月23日
解説:飯塚祐紀七段
聞き手:鈴木環那女流二段

本戦トーナメント1回戦(ベスト16)の最後の一局。実力者どうしの対戦。
伊藤は通算100勝43敗。解説の飯塚「伊藤はよく勝っていて大活躍中。棋風は居飛車党の受け身」
上田は通算265勝153敗。飯塚「切れがあり評価が高い。居、振り両方指す」

事前のインタビュー(要約)
伊藤「上田は常に高い勝率を上げている。育児と両立している、優しい先輩」
上田「伊藤は手厚い将棋で充実している。前に出る将棋を指せたらいいと思う」

先手伊藤で、変則的な出だしとなった。伊藤は居飛車なのだが、上田がなんと「無敵囲い」に囲うという趣向を見せた。
これには飯塚もびっくり。無敵囲いとは、居玉のまま中飛車にして両側の銀を飛車の横に上げる囲い。
上田さん、何かのギャグだったのか・・・(^^;

さて、局面進んで、▲居飛車vs△中飛車の対抗形に落ち着いた。玉形は似ていてお互いに軽い囲い。
伊藤のほうから早繰り銀で積極的に攻め、その銀をあっさり捨てて、代償に相手の桂を取りながら飛車を成り込んだ。
これは伊藤が指しやすいのかなと思ったが、飯塚「形勢は互角」

まだ中盤が続く。上田が角を切って中央から殺到する筋を狙っていたのだが、その狙いを阻止する手が伊藤に出た。
手駒を使い手堅く受ける手だった。飯塚「あ、それはいい手ですね。伊藤の受けが光っている。上田は困ったかも」

ここではっきり差がついた。伊藤の抑え込みが大成功。飯塚「困ったんじゃないですか、上田さん」
上田は歩切れで、いつの間に歩も損してしまったのだろう。
カンナ「上田は逆転の名手で、投了するまで油断できない怖い相手」
うーむ、そうは言うが、雰囲気的に、もう差が開いていくだけのような・・・。上田は駒損も広がっていく。

飯塚「伊藤が着実に押し込んでますね。伊藤の完璧な指し回しです」
伊藤は実に安定していて、心配することなく見ていることができた。
97手で伊藤の快勝に終わった。

飯塚「伊藤が速攻で銀を出て、成った飛車を引いて、手厚く指した。上田としては技を封じられて残念だった。伊藤は強かった。ノーミスだったと思う」

感想戦で上田「角筋を止められてダメになったと思った」
上田は早い段階で持ち駒の銀を陣形整備に投入して、銀多伝の形を作って手厚く指すべきだったということだった。
本譜は中盤で上田の駒がバラバラになってしまった印象だった。

局後のインタビュー 
伊藤「中盤くらいからだんだんと形勢を良くできて押し切れた」

伊藤が力の差を見せつけて快勝。伊藤の受けの棋風がよく出ていた内容で、伊藤の充実ぶりが発揮された一局だった。
来週からベスト8に入る。
霧島酒造杯 女流王将戦 本戦トーナメント
1回戦 第7局 藤井奈々女流1級 vs 渡部 愛女流王位
対局日:2019/4/16
解説:三枚堂達也六段
聞き手:谷口由紀女流二段

対局日が3か月前・・・(^^; 放送日とかけ離れてしまっている。もうしょうがないのか。

藤井奈々は通算11勝15敗。渡部愛(わたなべまな)は88勝54敗。
解説の三枚堂「藤井は中終盤に力を発揮する振り飛車党。渡部は作戦を練るのがうまい本格居飛車党」

事前のインタビュー(要約)
藤井「早指しの中でどのように指すか。予選を抜けられたのがうれしい。攻めを意識してがんばる」
渡部「藤井は鋭い攻め将棋。みなさまに注目していただけるような将棋を指したい」

先手藤井で、▲5筋位取り中飛車vs△居飛車の早繰り銀で対抗形となった。
聞き手の谷口「渡部が居ると場が明るくなる。藤井は京都弁ではんなりしている」

序盤、藤井は渡部の居飛車穴熊を警戒して、居玉のまま右側の戦闘態勢を整えた。
渡部は居飛穴をあきらめ、急戦の早繰り銀へ。藤井玉も美濃に収まり、急戦調の力戦に進んだ。

藤井が渡部の早繰り銀を押し返そうと6筋の歩を突いていく。渡部は△7三桂と活用し、いったん6五の地点を受けた。
すると何を思ったか、藤井はそれでも▲6五歩!
三枚堂「うわー、こんな手があるんですか」

6筋で決戦となった。藤井は9筋に角を飛び出す「幽霊角」に期待をかけたようだ。
そこで渡部が△8六歩と突いたので、8筋の突破を狙った手かと思われたが、違った。
次の渡部の一手は△8五飛! 8五の歩が邪魔だったから△8六歩と突いたのだった。
これが実にうまい手だった。よくこんな組み合わせが見えたものだ。飛車の飛び出しが実に気持ちいい。
三枚堂「藤井の機敏な仕掛けでしたけど、渡部が鋭く対応して、少し上回った」

中盤から終盤になっていったが、渡部がリードしている。
三枚堂「形勢は少し渡部がいい、しかしまだまだ先は長い」
とは言ってみたものの、藤井は銀損で駒損。そして▲角2枚vs△飛車2枚の戦いになっている。
三枚堂「藤井はうまく粘りたいですけど、2枚竜は強力ですねー」

どうにもこうにも手がない藤井。と金を作って手数をかけて相手陣に迫ってみたが、ただ駒損が少し回復しただけ。
自陣の美濃は崩壊してしまった。あとは渡部の的確な寄せの前に屈した。64手の短手数で渡部の圧勝。
ええー 64手かー。

三枚堂「藤井が積極的に攻めて、機敏な仕掛けにも見えたが渡部の対応が非常にうまかった。渡部の会心譜」

感想戦で藤井「中飛車版の藤井システムをやりたかったができなかった。△8五飛とされては仕掛けは失敗だなと思ってました」

あの△8六歩~△8五飛で技が決まり、もう取り返しがつかなかったね。
そもそも藤井が▲6五歩と攻めていったのが敗着となってしまった格好だ。もっとじっくり駒組みを進めていれば・・・。

渡部にしてみればこれくらいの出来は普通かもしれない。
最後の寄せも鮮やかだった。本局では渡部が格下を寄せ付けず圧倒という表現が合っていると思う。

局後のインタビュー
渡部「序盤から早い動きを見せられて、妥協した順だった。2回戦の山口女流は攻め将棋。内容のいい将棋を指したい」

来週は上田初美女流四段 vs 伊藤沙恵女流三段。1回戦最後の対局となる。
霧島酒造杯 女流王将戦 本戦トーナメント
1回戦 第6局 山口恵梨子女流二段 vs 北尾まどか女流二段
対局日:2019年4月9日
解説:北島忠雄七段
聞き手:山田久美女流四段

山口えりりんと北尾まどかの対決。どちらも有名だが、将棋を指しているのを見るのは私は初めてかもしれない。
この女流棋士たちの実力はどんなものなのか。楽しみな一戦。

山口は通算97勝95敗。解説の北島「山口は明るくて聡明。周囲を笑顔にする」
北尾は通算97勝134敗。北島「会社の経営者としての顔も持っている。エネルギーがすごい」

事前のインタビュー
山口「女流王将戦は持ち時間が短いので、その時の自分の調子がわかる。北尾さんとは最近当たってないので未知の領域」
北尾「本戦入りは今回初めてで楽しみ。山口さんは普段はとてもかわいいが将棋はパワフル」

先手山口で、ゴキゲン中飛車。北尾が居飛車で、相穴熊となった。双方4枚で囲い、ガチガチだ。
駒組みを40分もやっていた・・・orz 相穴熊の序盤を40分観るのはキツイ。

歩がぶつかり中盤へ。北島「ここは振り飛車の腕の見せ所」
北尾、うまくさばけるか? 双方、順当な手が続く。北島「形勢は互角、2人ともうまく指している。いい勝負です」

山口が攻めていく展開で、鋭い銀の踏み込みを見せた。これには北島も称賛。北島「あ、そういう攻め方ですか~ なるほど、山口流でしたね!」
うむ、なかなか魅せる。しかし疑問手も指す山口。
北島「今の山口の手は、うっかりすると一手パスになる手。手の流れがどうだったか。強気で攻めていたのに受けに回ってしまった」
北尾が調子に乗って攻めてくる。北尾が快調。山口、攻めが切れそう。穴熊の姿焼きになりそう。
山口の飛車も角も遊んでいるからだ。
北尾が着実にポイントを稼いで、これは北尾の勝ちムードが盤上に漂った。
しかし! 山口が遊んでいた角を活用(8八の角を▲9七角)。もうそれしかないという勝負手だった。山口が強引に攻めたところ、北尾が受けでミスをしてしまう。北尾はわざわざ守りの金が玉から離れていく順を選んでしまった。なぜだー。受けきりまであとちょっとだったのに。

山口がついに後手陣を突破。北島「でも簡単に決まるということでもないですね」
ここからまだ長いか? 難しい終盤だ。ところが、北尾、またも受け間違い! この2回目のミスは痛恨だった。はっきり悪手。
山口に次の一手のような両取りをかけられてしまった。
北島「これはきれいな技ですねー。飛車と馬の両取りですもんね。実戦でこんな攻めが決まるとは」
ぐああー、北尾、モロに金一枚、丸損。そしてそうなってしまうと負の連鎖が止まらない。
あっというまにどんどん駒損が拡大。

山口の穴熊まだまだ鉄壁。王手が全くかからない。北尾の穴熊はもう跡形もなく崩壊した。
詰まされるまで指して北尾は投了した。127手で山口の勝利。最後は大差がついたが、内容的には辛勝だった。

北島「北尾の受け間違いが悔やまれる。山口はいい辛抱を重ねた。中盤では北尾が良くなっていたと思うが山口が崩れずにがんばった」

局後のインタビュー
山口「序盤でちょっと攻め方を失敗したが、▲9七角と使えてからはうまくさばけた。しかし課題が残った一局」

これは好勝負だった。山口としてはかなり気持ちいい勝ち方。一時は抑え込まれ模様で完封負けもあると思われたが、遊んでいた飛車と角が結果的に大活躍したのだから、うれしい勝利だろう。たしかに課題は残ったが。
北尾は残念だが、力は発揮したのでもうしょうがない。
もっとレベルが低いのかと心配していたが、どうしてどうして、なかなかの内容で私としては充分面白かった。
北島さんの解説は今回はとても的確と思えたし、山田さんの聞き手も安定感抜群で、楽しめた。

両者の実力が知れたので収穫だった。あの電王戦で現役プロ(佐藤慎一)が初めて負けたとき泣いていたえりりん。
将棋もけっこう強い。これからも聞き手としてどんどん出てほしい。
北尾さんも私はとても尊敬している。北尾さんなくして、どうぶつしょうぎとカロリーナ女流は誕生しなかった。

来週は渡部 愛女流王位 vs 藤井奈々女流1級。渡部は注目だし藤井奈々というのも、もうここでしか見れないというぐらいの人なんで楽しみだ。
霧島酒造杯 女流王将戦 本戦トーナメント
1回戦 第5局 井道千尋女流二段 vs 水町みゆ女流1級
対局日:2019年4月9日
解説:北島忠雄七段
聞き手:山田久美女流四段

新人の水町が学生服で登場。
通算成績は、井道が94勝100敗。水町は8勝6敗とのこと。
北島「井道は筋のいい振り飛車党。水町は新人でかわいらしいお嬢さん」

事前のインタビュー(要約)
井道「緊張していますが、楽しみでもあります。水町は急戦が得意な印象。自分らしく指せたらいいな」
水町「すごく緊張しています。井道は大先輩。落ち着いてしっかり指せればいいなと思う」

先手井道で、石田流を目指す。後手の水町は手堅く指し、持久戦となった。
▲石田流本組+本美濃vs△居飛車+△5三銀+△6三銀。
私は居飛車党なので、この場合、居飛車側を持ってどうやるか考えながら見る。
この形、居飛車側は囲いが薄く、私としては見ていて不安だ。
北島「両者、きれいな駒組みですね」

がっぷり組み合ってから、中盤に突入。井道の駒がさばけてきそうなところ。水町は飛車を9筋に持ってきて強引に攻めていった。
これはなかなか面白い着想だった。そして水町に好手が出る。
焦点の歩の捨て駒で、見るからに筋がいい手。
北島「良さそうな手だなあ。いい攻防ですねえ」

一進一退の長い中盤が繰り広げられた。
北島「ギリギリの勝負になりましたね」
水町、どうするか。忙しい局面で、自陣の使えていなかった2二の角を△3一角と引いたのが面白い一手だった。うわ、ここでそれを指すか。銀がタダで取れるところを、我慢して角を引いた。なんて勇気があるんだ。
この一手を境に水町がペースを奪う。△3一角によって、先手は攻め筋を消された。井道、これは苦戦だ。

しかしまだそこからも長い。手が進み、水町にとうとうチャンスの局面が来た。先手玉をどう寄せるかという場面。
水町、寄せきれるか? 自玉もそうとう危ないが、勝てるんじゃないか? 
北島が銀捨ての妙手をお勧めしている。それを指せるか? 指せ、水町!
・・・が、水町は乱れた。痛恨の疑問手。それも2手も疑問手。
勝利が水町の手から滑り落ちていった。 129手で井道の勝ち。ああー。

北島「見どころが多すぎてどこをまとめていいかわからない。水町は惜しくも敗れたが強じんな受けが素晴らしかった。井道は安定していた。丁寧に指していた」

水町、惜しかった。実力を最高に発揮すれば勝てていたんじゃないか。強じんな受けというのは△3一角のことを言っているんだろう。あのタイミングでの角引き、たしかに素晴らしかった。
井道は特にこれといったすごい手を指したわけではないが、悪手を指さなかったのがいいね。これぞ井道将棋だろう。

局後のインタビュー
井道「終盤は悪いなと思いながら相手の嫌味を突く指し方をした」

解説の北島さん、もっとビシビシ発言してほしかった。でも形勢が微妙に揺れ動くという確かに解説しづらい一局だった。
来週は北尾まどか女流二段 vs 山口恵梨子女流二段。
どうぶつしょうぎの生みの親の北尾さんと人気者の山口えりりん。これは楽しみだ。
げ、また解説が北島さんだ(^^; こんどは気合の入った解説をしてほしい。
霧島酒造杯 女流王将戦 本戦トーナメント
1回戦 第4局 頼本奈菜女流初段 vs 加藤桃子女流三段
対局日:2019年4月4日
解説:高崎一生六段
聞き手:香川愛生女流三段

囲碁将棋チャンネルで放送している女流王将戦の本戦トーナメント。
1回戦とは、ベスト16のことだ。
カトモモこと加藤桃子の登場。奨励会初段だった実力はいかに。
対する頼本というのは私は初めて聞く名前。

解説の高崎「頼本は攻めっけの強い振り飛車党。ここ1~2年で急速に力をつけた。加藤はバランスのとれた居飛車党」

事前のインタビュー(要約)
頼本「実力を出せるようにがんばりたい」
カトモモ「(規定で)今回は出られないのかなと思っていた。出られることに喜びを感じます。4月に女流に転向して、女流としてのデビュー戦」

先手頼本で三間飛車の石田流を目指した。後手のカトモモは居飛車で銀冠。そして右四間飛車に構え、先手からの攻めを消すという形。
この序盤が問題だった。頼本、出た銀を元に戻す、飛車を2回振りなおす、角を出てまた元に戻す、で、なんと6手くらい損した。
うああー(^^; その間、カトモモは着々と1~4筋の位を取り、勢力範囲を広げ、ポイントを稼いでいく。
頼本、この序盤の借金が大きくあとでのしかかってくることになる。
高崎「振り飛車側の方針が難しくなってきましたね」
香川「苦しいときは辛抱するしかないですもんね」
まだ中盤に入ったばかりで苦しいというのは、けっこう悲しいものがある。
高崎「ソフトが1000点差をつけていても逆転する局面というのがある。今は500点差かもしれないが、逆転しづらい大差の500点差」
カトモモの陣形が手厚く、後手玉が攻められる場合というのが想像できない。

カトモモ、金捨ての大技をかけて、一気に勝負をかけてきた。
頼本もなんとかしようとがんばるのだが、差が広まっていくのがわかる。
その後も竜を自陣にひきつけ、盤石を目指すカトモモ。
そしてカトモモ、最後の一押しというところで、冷静に桂を拾いに行った手を見て、高崎と香川が叫び声をあげた。
高崎・香川「んーー、からい!!冷静ですね」
鮮やかに寄せを決めたカトモモだった。116手でカトモモの勝ち。完勝だった。

高崎「序盤でカトモモがリードを奪って、模様の良さをうまく活かして中終盤を手堅く勝ち切った」
香川「お手本になるような一局でしたね」

局後のインタビュー
カトモモ「考えるのが楽しかった。自由にのびのび駒を運べて楽しかった」

こりゃー、強い。カトモモはさすが奨励会初段だった実力だ。並の女流とは一線を画す実力者だ。
感想戦では頼本が勝負手を逃したとのことだったが、でも頼本がどう指しても最後にはカトモモが勝っていただろうと思えるくらいに安定していた。カトモモ、実に頼もしい。
頼本は序盤で6手損したら負けるということを学んだ、貴重な機会だっただろう。
私の予想では、西山とカトモモで準決勝を戦うことになるのだろうと思う。

来週は井道千尋女流二段 vs 水町みゆ女流1級。水町という人は初見なので楽しみだ。
霧島酒造杯 女流王将戦 本戦トーナメント
1回戦 第3局 宮澤紗希アマ vs 甲斐智美女流五段
対局日:2019年4月4日
解説:高崎一生六段
聞き手:香川愛生女流三段

アマvsプロとなった1回戦の第3局。宮澤は予選で島井、カロリーナ、千葉涼子に勝ち。17歳で高校3年。
今まで女流プロに9戦で5勝4敗とのこと。
解説の高崎「宮澤は居飛車党の攻め将棋。甲斐は振り飛車党でバランスがいい」
聞き手は香川だが、今回の本戦トーナメントに香川の名前はない。予選で誰かに負けちゃったのだろう。

事前のインタビュー(要約)
宮澤「このような場所で対局できてうれしい。緊張しているががんばる」
甲斐「女流王将戦はスピーディな棋戦で緊張している。宮澤さんはよく女流棋戦に出て活躍している」

先手宮澤で▲居飛車vs後手甲斐の△ゴキゲン中飛車。そこから相穴熊となった。
それも、お互いに金銀4枚で囲い、もうね、めっちゃ堅そう。
まずは盤面右側の攻防が注目された。
宮澤が角をうまく使い、甲斐はどうやって受けるんだという局面になった。
高崎「宮澤が少しリードしつつあるかも。甲斐は堅めすぎたのかも」

甲斐は長考し、なんとか飛車角桂の総交換に持って行った。ここは甲斐がさすがだった。
高崎「宮澤の手は読みが入っている。甲斐の返しもうまい。崩れませんね」
香川「高崎先生の予想手がズバズバ当たりますね」

好勝負になった。どちらが抜け出すのか。
宮澤は手が広くなった。甲斐玉を攻略しようとするのだが、甲斐は穴熊を再構築させて決めさせない。
そして甲斐は、歩を巧みに使って攻められる地点をずらす受けを見せた。細かいところに気がつく甲斐。
高崎「おー、そうかあ、正しそうな手ですねえ。やるなあ」
解説の高崎を感心させていた。

宮澤は大駒を渡す攻めをしたので、反動がきつかった。
高崎「ちょっと甲斐のペース」
そこから早かった。甲斐は攻める番が回ってくると、一気に宮澤の穴熊を崩壊させた。
132手、甲斐が熱戦を制した。
香川「甲斐はさすがのふんばりでしたね」
高崎「宮澤がうまく戦機をとらえて良くなったと思うが、甲斐の粘りがすばらしかった」

甲斐「序盤から厳しく攻められてちょっと苦しかった。終盤で好転した。宮澤さんは強い方だなと思いました」

正直、相穴熊は見ていて疲れる。本局では甲斐は危なかったが、総合力で甲斐の地力が上回っていた。
終盤、宮澤のほうは短気だったか。もっと180手くらいかけてでも最後に勝つという方針でいかなければならなかったように思う。
攻め重視な棋風が裏目に出た感じだった。
宮澤のほうにも穴熊を再構築するチャンスはあったが、攻め駒を温存するために、それをしなかった。
宮澤は有利だったのに手が広くて間違えたということで、悔しい敗戦となってしまった。
甲斐は強かった。さすがにあの深浦に勝っただけある。プロとして女流棋士の強さを見せつけた。

来週は加藤桃子女流三段 vs 頼本奈菜女流初段。カトモモに注目だ。
霧島酒造杯 女流王将戦 本戦トーナメント
1回戦 第2局 石本さくら女流初段 vs 竹俣 紅女流初段
対局日:2019年3月20日
解説:宮本広志五段
聞き手:村田智穂女流二段

先週から書き始めた女流王将戦の感想。囲碁将棋チャンネルで放送されている。
さあ~、いよいよ竹俣の出番だ。どんな将棋を見せてくれるのか?
私は竹俣の指す姿を見た記憶がない。相手の石本というのは私は全然知らない。解説の宮本というのも見た記憶がない(^^;

宮本「石本は関西の人。しっかりした人。竹俣はマルチに活躍している」
竹俣は予選で鈴木カンナと清水市代に勝ったということだ。清水に勝ったのか!
生涯通算成績は石本が37勝23敗、竹俣が30勝35敗とのこと。両者まだ20歳なのか。若い。

事前のインタビュー(要約)
石本「TV対局は初めてなので緊張している。竹俣は同い年。尊敬している」
竹俣「人生で初めて出た棋戦が小学生のときの女流王将戦。縁を感じています。石本は序盤、中盤、終盤、スキがないと思います。一回言ってみたかったんです。最後の対局なので楽しく指したい」

先手石本で対局開始。初手▲7八飛からのノーマル三間飛車vs△居飛車の対抗形。
両者美濃に組む。竹俣は角道を開けずに保留する作戦だ。

聞き手の村田「事前のアンケートで、竹俣は『いつもファンの前では笑顔だけど、将棋を指しているときは怖い顔をしているんだぞというところを見てほしい』とのこと」
うむ、竹俣、いい表情だね。姿勢もいい。
村田「竹俣は引退ということで衝撃が走った」
引退どころか退会なんだよね、なぜ退会なんだ・・・?

対抗形の持久戦となり、じっくりした駒組みが続いた。
宮本「石本は石田流の理想形。振り飛車としてはまずまず」
番組開始から59分、ようやく戦いが始まった。
このころには、双方、持ち時間の25分をちょうど使い切っていた。

竹俣、4段目に金を出ていき受けたのだが、この金は何か嫌な予感がする。
緊迫した中盤戦だ。一手一手神経を使う。
うん、これ竹俣、がんばってる。負担になりそうな金がうまくさばけた。
馬もできて香得だし、竹俣が有利になったんではないか? 
ここからの終盤もこの調子で行けー、紅ちゃん! 俄然、盛り上がる私(^^;

が!喜びもここまでだった。竹俣が香を打って受けたのだが、その香が単純に歩で死んで、取られてしまった。
特に代償が見当たらない。あれれ?これは竹俣、損した。そんな単純なミスを・・・。
せっかくの馬もまるで働く様子がないぞ。
すると石本は取った香をド急所に打ち、寄せの網をしぼる。一気に危なくなった竹俣玉。ぐええ、き、きびしい。
宮本「熱戦ですね、竹俣も最善の粘りをしている」
まだまだ~! こらえろ~! 粘れ竹俣~!

しかし石本の攻めが止まらない。どんどん薄くなる竹俣玉。金銀の枚数の差が、石本側7枚vs竹俣側1枚となってしまった。
もう竹俣玉がほぼ裸だし、駒損してるし、石本側の美濃はまだ鉄壁だしで、もうどうしようもなさそう。
宮本「これは筋に入った」
ガーン。直後、竹俣はいさぎよく投了してしまった・・・。103手で石本の勝ち。

宮本「石本の落ち着いた指し回しが印象的だった。竹俣も途中は指せそうなところもあった。石本は香車を取ってから怒涛の寄せだった」

局後のインタビュー(要約)
石本「序盤はまずまず。中盤の仕掛けでちょっと失敗したかな。時間がなくて正確な判断が難しかった。2回戦で強敵の西山さんと当たれるのは幸せなことと思う」

あああーあ。紅、負けた。力は出したが・・・。特に中盤までが力を見て取れた。
香車の使い方で失敗して取り返しがつかなかったなー。
感想戦では、中盤では竹俣のほうがやれてたんではという順が指摘されていた。
もっと時間があれば竹俣は正解が指せたんじゃないだろうか。
でも各25分切れ40秒という制限内で指す勝負、それが女流王将戦だから、もうしょうがない。
こう言っては石本に悪いかもしれないが、タレントオーラでは竹俣が勝っていた。さすが紅ちゃん。

退会する竹俣さん、さようなら。もう竹俣さんが指す姿を見ることは一生ないだろう。聞き手や司会でももう見ることはないだろう。実に残念だ。まあ最後に一局でも指す姿を見れてよかった。

来週は、甲斐智美女流五段 vs 宮澤紗希アマ。私はプロvsアマが大好きなんで、これも注目のカードだ。