女流王将戦 三番勝負 第2局
里見香奈女流王将 vs 香川愛生女流三段
対局日:2016年10月11日
解説:永瀬拓矢六段
聞き手:中村真梨花女流三段

囲碁将棋チャンネルで放送されている女流王将戦。第1局は、里見の快勝だった。
場所をいつものスタジオに変えて行われた第2戦。もう対局日は一か月以上、前。

解説の永瀬「里見は居飛車、振り飛車両方指すオールラウンダー。
香川は振り飛車の攻め将棋」

先手里見で、相振りになった。▲中飛車vs△向かい飛車。
永瀬「里見は香川の得意戦法を使って、香川の良さを吸収したいという意志を感じますね。羽生さんなんかがそうなんですけど」

ここまでの対戦成績は、里見の6勝、香川の2勝だそうだ。

さて序盤、お互いの囲いもまだという状態で、早くも里見が5筋から攻めていき、問題の局面を迎えた。
永瀬「個人的には里見がうまく指しているような気がします。これは香川は、許してくれ、ということですけど・・・。里見の大チャンス」
しかし、里見は消極的な手を指してしまう。いったいなぜだ。飛車を行ったり来たりで、実質2手パスしてしまった。
永瀬「里見は良さそうな将棋を混沌とさせてしまった」
ここの里見の2手パスは、本当に謎だった。

そして形勢入れ替わり、立場逆転。永瀬「里見は勝負に行かないと。勝負所を作れるか」
しかし、この一局、こういうことが続くことになってしまう。
永瀬の解説によれば、もういったい何度逆転してるんだ、という状態。
永瀬の解説が手厳しいのもある。でもそれにしても、逆転しすぎの内容となっていった・・・。 

相振りで、手が広く、難しいから、何度も逆転するのも、しょうがないのか?
終盤でも、永瀬「里見としては負けを覚悟してると思いますね」
と言ったところから、また逆転してしまった。
121手で里見の勝ち。

永瀬「全体的には、2転3転以上ありまして、香川にとってもすごいチャンスが訪れていたような気がしたんですけど、最後難しい局面で競り勝ったのは里見だった」

局後の勝利者インタビュー
里見「力勝負で形勢が入れ替わったけど、気持ちを切らさず指せた」

うーん、タイトル戦なんで、あんまり何度も形勢が入れ替わるのは、なんだかなあ。
4回は逆転していたんではないだろうか。永瀬の解説が手厳しいこともあり、なんだかレベルが低い内容と思えてしまった。
ああー、これが今期の女流王将戦の最後の一戦だったのだが。まあしょうがない・・・。
挑戦者決定戦
上田初美女流三段vs香川愛生女流三段
対局日:2016年8月30日
解説:郷田真隆王将
聞き手:甲斐智美女流五段

上田さんと香川さん、勝ったほうが里見さんとのタイトル戦3番勝負に出る。
上田さんは27歳、小学生から女流棋士ということで、この歳でもうベテランだ(^^;
香川さんは23歳、数年前までは無名だったのに、強くなったものだ。

郷田「上田は女流ではちょっとめずらしい、玉を固めてバーンと攻めるパワフルなタイプ。
香川も攻め将棋、簡単には負けないしぶとさが持ち味」

先手上田で居飛車、香川は早石田の対抗形になった。
2人のこれまでの対戦成績は上田2勝、香川4勝とのこと。
角交換から、2人とも早々に角を手放す。
持ち時間は25分で切れたら40秒未満というルール、まだ時間があるから、角を手放すのはもうちょっと考えたらどうかと思ったが、2人ともここらへんは気合いと思っているようだ。

聞き手の甲斐「2人と対戦すると、すごく主張のある手をぶつけられることが多くて」
それが女流の魅力だね。本局もさっそくお互いの主張がぶつかって、観ていて実に楽しい。
これ、郷田は名言は避けているが、ちょっと香川のほうが模様がいい序盤ではないか。

香川が自分の飛車を詰むのを放置して、詰ませてみろ、と上田に誘いかける。
上田はそれには乗らず、5段目に飛車を引く面白い手を指す。
中盤になっているが、ここまでくると、せっかくさきほどまで香川がリードしていたのが消えてしまっているような・・・。
香川、ひねりすぎたんじゃないかなー。有利になれそうだったのが、今ではすでに「五分のワカレで充分でございます」となってしまった感じだ。

手番が回ってきた上田が「ここは盤上この一手」と▲9五歩の端攻め。美濃囲いを攻めるときの急所だ。
「ビシッ」と指し、ここの手つきからは、上田の自信が伝わってきた。

そしてその9筋の折衝で、香川がはっきり「悪手」を指してしまった。
郷田「これは、上田が元気が出るね。上田優勢、指し手にも困らない。普通にやっていけばいい」
なんと、上田が飛車をなんなく敵陣のド急所に成り込むことに成功。
香川の美濃囲いはたちまち崩壊した。

郷田がもう終わることを予感して、「香川流の土俵際のしぶとさを見せてもらいたい」
うーん、でも上田陣が堅いし、駒も得してるし、手番も上田という、どうしようもなさそう。
もはや香川は「まな板の上のコイ」だ。 

が、ここからまさかの上田の迷走が始まる。郷田の解説がだんだん混迷になっていく形勢を告げる。
郷田「でも上田としても読み切れてないと危ないですけど」
郷田「上田はこれはちょっといまいちな攻め方、悪いわけじゃないけど」
郷田「香川としては頑張りがいがでてきたところも若干ありますか、うーん」

なんか、どんどん雰囲気があやしくなっていく。
そして上田、この雰囲気を一気に打破しようと、一発狙いの勝負手を放つ!
郷田「あー行きましたか、女は度胸で行きましたねー、気持ちいいですね」
ええーー 形勢絶対優勢だった上田のほうが勝負手を放つってか、おかしいな(笑)

郷田「上田はここまで流れが良くなかったですからね、まさか上田の竜と香川の自陣に居ただけの飛車が交換になるとは」

もうどっちが勝つか分からないギリギリの形勢に~。
自玉放置で敵玉に食いつきにかかった香川、手を渡された上田はどうする?
郷田「上田が詰めろをかけにいけばたぶん上田が勝つ・・・って、王手しちゃって。そっち打っちゃった」

上田さん、局面の作りにも運がなかった。王手していったものの香川玉が上部が開けていて詰まず、もう自玉も全く取返しがつかない。
郷田「これはけっこうな逆転になったかもしれないですねー」
116手、香川さんの大逆転勝ちとなった。 うわ、これはかなりひどい(^^;

終局後、開口一番、「ひどかった・・・」と言う上田さんの姿があった。

郷田「見所充分な内容、香川のミスを上田がうまくとがめて、一瞬のスキをついて、ハッキリ優勢にして、もう勝ちが目前だったと思うんですけどね。上田にとっては残念でしょう」

うーむ、香川さんの「飛車を成り込まれてしまったポカ」もけっこうなミスだったが、そこから勝ち切れない上田さん・・・。
ベースとなる部分はレベルが高いんだけど、やっぱり私は挑戦者決定戦として観てるから・・・。
正直、終盤は24の低段者の将棋を観てるようだった(^^; 
んー、ほぼ無条件と言って良いぐらいに飛車を急所に成り込んで駒得して手番を握って勝てないのか、あああーー 上田さん、これは悔やまれる~。でもこういうのも楽しいけどね。

ただ、私にはすでに観る前から勝敗が分かってしまっていたので、どっちが勝つかという意味では全くハラハラしなかった。
今回は「棋譜のレベルの高さ」じゃなくて「勝敗のゆくえ」を楽しむべきだったのに、それができなかった。
そこが残念だった。もうこの番組の宿命か。

あきらめなかった香川さんは称賛されるべきであり、「逆転の香川」「終盤の香川」というキャッチフレーズができそうだ。
「番長」のニックネームから取って、「逆転番長」がいいかもしれない。

終局後のインタビュー(要約)
香川「普段通り指そうと思いましたが、つい力が入ってしまって序、中盤は失敗したなと思っていました。最後は幸運でした。終盤はもうダメだと思いながら指していました。また番勝負に出れることが本当にうれしいです。胸を借りるつもりで挑みたいです」

香川さん、一瞬、涙ぐんでちょっと声を詰まらせてた。
もう私はタイトル戦の結果は知ってるのでどんな内容だったか、中身の濃い熱戦を期待。
伊藤沙恵女流二段 vs 香川愛生女流三段
対局日:2016年8月16日
解説:村山慈明七段
聞き手:貞升 南女流初段

対局日が8月16日かあ、夏真っ盛りだねえ、対局者の2人とも半袖だ(^^;
女流で結果がバレている2か月以上前の録画番組、どこが面白いのかと思う人もいるだろう、しかし私は楽しみにしているのだ

解説の村山「伊藤はここ数年で力をつけた、各棋戦で活躍している、伊藤は棋風は受け重視
香川は女流王将を通算2期獲得、ここ数年で力をつけた、オールラウンダー」

相振りで持久戦模様だ 相向かい飛車で▲矢倉vs△金無双という序盤

なかなか戦いが起こらず、村山と聞き手の貞升で雑談するしかなかった
村山「2人は同い年で、2人とも奨励会に在籍していた」
え、香川さんは奨励会にいたことがある? それは知らなかった

村山「私が子供の頃は、子供の大会では、同い年の渡辺明さんがとにかく活躍して目立っていた
奨励会でも渡辺さんと自然に仲良くなった、周りの人は年齢が離れていることが多いので」

しかし村山+貞升のコンビでは話題がそんなになく、ネタも尽きてくる、どうにも苦しいね
将棋番組なのに雑談でつなぐ技術が問われてくるとは(^^;

何しろ番組開始から45分を過ぎてもまだ駒組みやっている(笑)  
もう、ここまでは早回ししても全然OKなんじゃないだろうか
私はブログを書くために初手から観てるけど(^^;

村山「伊藤が駒組み勝ち」
伊藤が見事に香川の作戦を打ち砕いてみせたね
香川は駒が引き上げざるを得ず、もうこれ、どうやって互角の戦いに持ち込むんだという形勢になってしまった・・・

そんな中、香川はじっとうまい手渡しをしてみせ、村山を感心させた
村山「ほお~、なるほど、これは気づきにくい手ですね~」

しかしまだまだ、香川の苦しい中盤だ
香川の、とっさの勝負手をまた褒める村山
この一局、伊藤も香川も秒を「9」まで読まれて指すことがかなり多く、危ないな、と何度も思わせることになった

伊藤が押してる中盤、決定的なことが起こる
伊藤が香川の飛車を詰ませてしまった 
完全に「困った」という表情を見せている香川、ポーカーフェイスと真逆だ、でもそれがいいね

駒割り、飛桂香と銀2枚の交換で、伊藤の大きな駒得だ、これはでかいな!

懸命に粘る香川、ずっと、「どこかに勝負手ありませんか」という将棋だね
そして香川は驚くべき手を指す
なんと「どうぞ私の玉を寄せてみてください」と、自玉を自らわざわざ危なくする一手を指す!
ぐあ、なんだこれ、これは人間に指せる手か? そう思わせる発想の手だ

劣勢なんだから普通にやっていてはダメで、とにかく勝負手を放つべきで、その意味では香川は正しい
しかしこんな自玉を危なくする手を指すなんて、香川は並の発想じゃないよ、すごい~

もう2人とも40秒将棋の秒読みになっている
正確に指すのは至難の業だ
香川がどうやって食いつく展開に持ち込めるか? 
そんな中、村山が「もう香川の玉は適当な受けが見当たらない」
と言っていたのだが、香川は5九に居た馬を△9五馬とビューンと引き上げ、守りに利かせた
村山「この馬は受けになっていないですね・・・ あ? そうか、逆王手があるんですね!」
うおー、ここでまた香川の勝負手!

それに対し伊藤も冷静な手と思える手で返している、すごい攻防!
村山「伊藤も落ち着いていますね、熱戦ですね、これはまだわかりません」

そして伊藤が首を差し出した、香川玉必至、伊藤玉に詰みありやなしや?
村山が「詰むのかどうか?」とずっと迷っている
ところがなんと、香川が秒にまったく追われることなく、バンバン指している
つ、詰みを読み切ってる~ なんとピッタリの即詰み~ (17手詰み)
104手で香川の会心の逆転勝ちとなった  うおーー やったなーー

村山「この玉が詰むとは思いませんでした、広いので・・・ 香川さんすごいですね
この将棋は伊藤さんが駒得して、中終盤だいぶ良かったと思うんですけど、香川さんがうまく勝負形に持ち込んで△9五馬がいい手で、あの攻防あたりで逆転しましたね、香川さんの追い込みがすごかった」

感想戦は4分ほどしかなかったが、ポイントとなった終盤のところをフォーカスしてくれて実にナイスだった
伊藤さんは3回くらい「ひどいですね」とボヤいていた

いやこれ、私の中で女流王将戦、ここ最近はNHK杯を超えているね
女流のほうが面白い(^^;、まあ今回は別格にすごかったけどね

香川さんの逆転に至る過程、面白い、素晴らしい~!!
香川さんが勝つと分かっていてこれだけ楽しめるんだもん、どんだけ香川さんの手がすごいかということだ

個人的には「どうぞ私の玉を寄せてみて」という意味の手(△8二歩)、あれは私は何時間考えても発想に浮かんでこないだろうなあ
相手の次の狙いが▲8二歩成かもしれないというところに歩を合わせる△8二歩、これは指せないわ~
香川さんはソフト指しじゃないんか(笑)  
もし後手側の人が離席したあとに△8二歩が来たら、ソフト指しを疑われそうだと思う

村山が称賛した△9五馬ももちろん素晴らしい、元々5九に居た馬が△9五馬~△7三馬と使って敵の2八の玉の素抜きを狙うんだから、たまらない馬の使い方だ
そして最後の即詰みをノータイムで・・・ ぐおお、こんな将棋を私も指してみたい・・・
指された伊藤さんのほうはたまらないだろうね、これは夢に出る逆転負け(笑)

いやはや、前回も香川さんの指し回しは素晴らしかった、本局も本当に素晴らしい!!
香川さん、魅せる逆転将棋、どうもありがとう!! パチパチパチ
岩根 忍女流三段 vs 上田初美女流三段
対局日:2016年8月16日
解説:村山慈明七段
聞き手:貞升 南女流初段

今期女流王将戦もベスト4まで来た 
まあ、もうすでにこの棋戦がどうなったか、連盟のホームページなどで報じられているのが寂しいが・・・(^^;
結果はすでにわかっていても、どんな内容だったかという点で、どれだけ楽しめるか

岩根と上田、女流の上位の常連だ

解説の村山「岩根は生粋の振り飛車党で、非常に攻めっ気が強い
上田は攻守のバランスの良いオールラウンダー」

先手岩根で、相振りで相三間飛車となった  角道は止まっていて、急戦ではない
双方駒組み、岩根▲美濃vs上田△矢倉という構図

岩根から仕掛けた  上田の囲いがまだ未完成なところを狙っていったが、どうなるか
上田、長考しているが・・・と思ったら、村山の解説どおりの反撃を繰り出していった
おおー、さすが上田、鋭いね!
岩根も全く引かず応戦、戦いが激しくなっていく  面白い!

村山が岩根の手を褒める回数が増えた
村山「上田陣はキズが多い、岩根が有利」
これ、上田の駒はバラバラだからなあ  岩根が仕掛けたタイミングが機敏だったね

双方が好手を繰り出して、ヒートアップしていく
村山「上田が力を見せた」
村山「岩根が前に指した手を活かして、非常にうまく攻めている」
おおー、ここの岩根、かなり魅せたな~  
私には何の意味がわからなかった前の岩根の手が、今になって活かされているとは!

そして、局面、もう岩根がハッキリ良くなった
駒の損得こそないものの、一方的に攻めていて、岩根玉は堅い、そして手番を握っている
もう上田はまな板の上のコイといった状態になってしまった
ああー、ここまで差がついたらもうひっくり返らないだろう
あとは岩根がどう料理するかだけの問題だ
ここから10手もしないうちに上田が投了だろう

ところが! 岩根が、痛恨のミスをしてしまう
岩根が悪手を指した瞬間、村山も一瞬黙り込んでしまった
村山「え・・・ ▲5七香ですか・・・ これは金を取られてけっこう・・・ 岩根はちょっと焦りましたかね」
画面に、うなだれて表情が曇っている岩根が映し出された
あああああー、これを寄せ間違えるか~

村山「これはまだ長い将棋になりますね、形勢わかりません、まだ岩根がいいかもしれません」
と言っていたが、上田がうまい攻め方を見せ、けっこうあっさりと岩根玉を寄せてしまった
あー、命拾いしたあとっていうのは、手が伸びるもんだよね
上田さん、寄せ方、見事だったね
104手で上田の逆転勝ち

村山「岩根がリードした終盤だったが、決め手を与えない上田の粘りが素晴らしかった
形勢が揺れたが最後はうまく上田が収束した」

この一局、いいところと悪いところがハッキリしていた
中盤の岩根さんの指し回しは実にうまかった  
機敏という言葉がピッタリな動き方で、圧倒的にリードを奪った
あとはもう、どう寄せるかだけ  しかしそこからまさかの寄せ間違い~ 
上田さんは、もう負けを覚悟してたと思う  
相手が間違わないと、自分の力ではどうにもならない局面になっていた
岩根さんがミスしてからの上田さんの指し回し、これはまた強かったね

岩根さん、あの大優勢からの寄せミス・・・ 
コンピュータだったら何点差くらいが逆転したのだろう
2000点差かな、もっとかな(^^;
基本の指し手レベルは高く、好手あり悪手ありの、波乱ありで女流らしい、面白い内容だったと思う
香川愛生女流三段 vs 渡部 愛女流初段
対局日:2016年7月29日
解説:伊藤真吾五段
聞き手:竹部さゆり女流三段

囲碁将棋チャンネルで土曜に放送されている、女流王将戦 
ベスト8の最後の一戦
多岐にわたって活躍している香川の登場、注目だ

解説の伊藤「香川は今一番面白い将棋を指す女流棋士、振り飛車党でどこに振るかが注目、毎回工夫がある
渡部(わたなべ)はLPSAの実力者、居飛車本格派で細部まで研究している印象」

先手香川は中飛車で、渡部は居飛車 
そこから持久戦でじっくりとした囲い合いとなった
伊藤「香川の(力戦ではない)きれいな将棋というのはめずらしいかもしれない」

香川は中飛車から浮き飛車にして三間飛車に振り直した
▲ダイヤモンド美濃vs△銀冠の双方カチカチの構え
なかなか戦いが始まらなかったが、番組開始から37分、駒が本格的にぶつかった

香川が、自分の飛車の将来の進路に歩を垂らす、という、かなり指しにくい手を敢行
伊藤「うーん、ちょっと打ちづらいと思ったんですけどね」
しかしこれが成功を収めることとなる
香川の垂らした歩は、相手の桂香を拾って、メンツが丸立ちだ

ただし渡部も負けてはおらず、ずっと競り合っている
伊藤「どっちも強いんで、大技がかからないんですよ」

そしてまた香川が伊藤の解説を上回る手を見せた
飛車の使い方で、手損覚悟の、なかなか指しにくい手だ
伊藤「香川は局面を大きく見ている」

伊藤を苦しませる、女流としてはかなりのレベルの内容になってきた、面白い
局面、私の目にはだんだん香川がいいように見えてきた
もともと香川が良かったのか? 渡部がミスしたのか?

香川が自陣に打った2枚の歩が、渡部の竜と馬を封じ込めていて、実に働いている
伊藤「香川が少し抜け出した、香川の表情からすると、山を越えた、という表情ですね」

香川に勝つ権利がきた、そして香川は最短の手順で迫っていく
なるほどなあー、そう寄せるのがいいのか、強いなあ

ところが、そこで渡部が勝負手を放った
伊藤「なるほど、この手は一番イヤですね、油断してました」
うお、ここで香川が対応できるか? 間違えたら逆転だ 40秒で正解が指せるか?

そこで香川が指した、絶妙の桂のタダ捨て! 
次に渡部が打ちたかった地点に自らが打つ、「相手の打ちたいところへ打て」の、香川の絶妙手!
伊藤「美しすぎますね、この手は」
香川の光速流は最後まで止まらなかった
圧巻の寄せ手順で、一気に渡部玉を即詰みに仕留めた 109手で香川の勝ち、会心譜!

すげええーー この最後の寄せ、一連の手順、もう最高だったね
棋譜を見返したら、もうずーっと香川、正確に指してるように思う 
序盤はさすがにわからないけど、後半の50手くらい、もうノーミスではなかろうか?

伊藤「いやー、いい将棋でしたね、少しづつポイントを稼ぐ将棋になって、中盤ではどちらが有利かわからない局面もあったと思うんですけど、香川の打った防御壁の自陣の歩が効いた、最後は美しすぎる寄せでしたね」

香川の最後の寄せ、羽生を見てるようだったなー 
しかも、香川は秒に追われることなく、あっさりと指していた、これは拍手しかない! パチパチパチ!

渡部さんのほうとしてはもう、今回はあきらめがつく内容だったと思う
香川さんが出来過ぎてたね、どうにも相手が強かったわ
 
いや、見事、女流の1時間半番組でこれだけ見せてくれるとは・・・
私はこの番組に対する期待が低いので(笑)
ヒットが観れればいいな、と思うところに特大ホームランが出た感じだ
香川さん、実に魅せる指し回し、素晴らしかった! もう一回拍手しておこう、パチパチパチ 
岩根 忍女流三段 vs 小野ゆかりアマ
対局日:2016年7月29日
解説:伊藤真吾五段
聞き手:竹部さゆり女流三段

女流王将戦、ベスト8の3試合目

解説の伊藤「岩根はノーマル三間飛車を得意としていて、安定感がある
小野はノーマル四間飛車を得意としている、女流とは30局以上公式戦で指している(17勝14敗)」

先手岩根で、相振りとなった ▲三間飛車+美濃vs△向かい飛車+金無双

伊藤「相振りの囲いは、矢倉だと手数がかかるので、その分、攻撃に手が回らなくなるので、美濃のほうがコンパクトでいいという人が最近は多いですね」
へー、そうなのか  私の知識では、相振りの矢倉は美濃より上ということになっていたが違うんだね

この2人、女流王将戦の予選で、岩根は清水を、小野は中井に勝ったということだ

岩根から仕掛けて、だいぶ進んだが、2人とも間違えない
伊藤の解説する予想手のとおりに指していく
伊藤「これは一目、互角ですね」
おおー、2人とも強いね  見ていて楽しい

しかし、伊藤の予想手がはずれるときが来た 
岩根が強気で飛車交換を挑んだのだ  うわ、これ岩根大丈夫か?
激しい攻め合いとなった
そして小野に攻撃をどうするか、という選択権がある局面に・・・ 決定的なチャンスだ
さあ、小野は何を指す? 3個くらい候補手があるが!?

小野はここまで飛ばして指してきたので、まだ時間を10分くらい残している (この棋戦は持ち時間25分、切れ40秒)
ところが! 小野は1分ほども考えずにわずかの時間で着手した
それが痛恨の疑問手~! 岩根の玉を逃がしてしまった
伊藤「ここは色んな手があったんで、腰を落として考えたかったですね」  

岩根がうまく相手の飛車を捕獲し、これで体(たい)が入れ替わってしまった
攻守逆転、岩根が攻める展開に、小野は受けるがだんだん駒がはがされていく
ああ~、小野さん、なんでさっき時間を使わなかったのか~

投了まではまだ長く、小野はがんばったのだが、いかんせん戦力不足でもう差が開く一方の逆転の余地がない展開となってしまった
135手で岩根の勝ち  危なかったので辛勝と言えると思う

伊藤「序盤から難しい戦いで、岩根から仕掛けていった
うまく攻めたように見えたが、小野が素晴らしい切り返しで、小野にチャンスがあったんじゃないかと思う
それ以降も難しい戦いだったと思うが岩根が安定した手を着実に積み重ねてなんとか押し切った」

小野さんの急所でのノータイム指し、あれがとにかく悔やまれた
ノータイム指しというのはリズムに乗って指せるメリットがあるのだろうけど、間違えたら後悔が残るね

伊藤真吾の解説は良かった、頻繁に形勢判断をしてくれて助かる
対局者が怪しい手を指したときも、きっちり「今の手は損した」と正直に言ってくれるので参考になる

本局、岩根さんが全般的にうまく指していた
小野さんとしては敗因は一手ミスしただけだったのだが、その一手が取返しのつかない展開となり、それはアンラッキーだった
疑問手を指しても挽回できる場合も当然あるのだが、本局は飛車を取られて、一気に攻めが切れ模様になった
「持ち時間は持って帰れない」というのは誰の名言だったか、それを思った一局だった
でも女流らしさがよく出ていて面白かったよ、好局だった
上田初美女流三段 vs 加藤桃子女王・女流王座
対局日:2016年7月20日
解説:船江恒平五段
聞き手:高群佐知子女流三段

実力者どうしの対戦
解説の船江「上田は振り飛車党でバランスが良い、最近よく勝っていて自信を持って指している
加藤は居飛車党で序盤はうまいし中終盤は奨励会でもまれて粘り強い」

先手上田で、上田が振って5筋位取り中飛車の対抗形になった
そこから相穴熊に・・・ じっくりと駒組みを進める両者
船江「お互いに慎重、秒読みになるまで戦いにならないかもしれないですね」

船江「加藤のほうがうまく囲った印象」
うむ、このまま戦いが起こせれば加藤のほうがいいだろう、と思うが、それにはどうすれば?
しかし加藤はのんびりとまだ駒組みをしている

番組開始から45分ぐらいのところで、船江「なかなか戦いが起こりませんね」
長い駒組み・・・(^^; 観ていて疲れる
船江「研究会をするときは、持ち時間は20分の30秒というのが多い」
へー、そうなのか  それは初めて聞いた  けっこう短い時間でやるんだね

ようやく戦いが起こったところ、上田が果敢に飛車を捨てる順を指したのに対し、加藤は飛車にこだわって、自陣の桂香を取られてしまった
それも、代償が特に見当たらない・・・ ここで差がついてしまった
船江「現状、上田の桂香得」
ああー、加藤さん、穴熊なんだから飛車はそれほど大事な駒じゃなかったのにな-

船江「加藤もツライですけど、決め手を与えない指し回し」
加藤、がんばってるけど、上田がミスしないので、差が縮まらない

最後の詰むか詰まないかで、船江がまた興味深いことを言った
船江「詰将棋は駒が余らないからわかりやすくていいですけど、実戦は駒がごちゃごちゃしていて苦手なんですよ、詰将棋は詰むのを知っていて考えるけど、実戦は詰む詰まないがわからないですから」
おおーい、そんなんぶっちゃけていいんかーい(笑)
船江は「人間界最強の詰まし屋」というキャッチフレーズで電王戦に出ていたのに(^^;

本局では、加藤が詰めろをかけたところを、上田が何事もなかったように見切って、けっこう変化がある手順をノータイムで詰ませていた(本譜の13詰み、もしくは変化順で15手詰み)
151手で上田の勝ち
船江「序盤から長い将棋で、上田もどう仕掛けるか難しかったと思うがうまく戦機をつかんで、中終盤は穴熊を指し慣れているという感じで自分の玉を見せずに相手の玉をどんどん薄くしていって、最後もきれいな詰みで、上田にとっては快勝だったと思います」

加藤としては一手違いに持っていくのがやっとだったね
んー、中盤で飛車を大事にしてしまったところが悔やまれると思う
飛車角交換になるよりも、桂香をタダで取られるほうが痛いとしたものだ
さらにさかのぼって、序盤ではせっかく加藤のほうが堅く囲っていたので、もっと工夫すればそこから仕掛けができそうだった
船江いわく、加藤は急戦派で穴熊はめずらしいそうだ 
んー、今回は作戦選択が裏目に出たか

上田さんは最近出産されたそうで、それなのに成績がいいとはすごいことだと思う
本局も安定した指し回しで強かった                   
熊倉紫野女流初段 vs 伊藤沙恵女流二段
対局日:2016年7月13日
解説:森内俊之九段
聞き手:山田久美女流四段

囲碁将棋チャンネルでやっている女流王将戦、ベスト8の放映に入った
・・・とは言っても、もう誰が優勝して挑戦者になったか私には分かってしまっているのが寂しいorz

解説の森内「熊倉は四間飛車党から居飛車党に変わった、穏やかな将棋を指す
伊藤は女流になって日は浅いが活躍している、受け将棋で入玉が得意」

入玉が得意って言われる人はめずらしい、そうそう狙えるもんではないと思うけどね

先手熊倉で、相居飛車の持久戦、▲矢倉の早囲いvs△ウソ矢倉となった
森内「じっくりした戦いですね」
森内と山田久美が雑談をしているが、いまいち話が広がらない(笑)
山田久美は女流棋士どうしで女子会をするとたくさん話すことがある、ということだが、森内とではトークが続かないね・・・(^^;

さて、伊藤が角のうまい使い方で、技ありといったところだ
森内「この伊藤の角出はいいタイミングでしたね、これは痛いな」
伊藤に猛攻を食らう熊倉、熊倉の駒損が確定してしまった  
ああ~、こりゃもうダメか、大差だろうな~
伊藤の手堅い指し回しに、思わず苦笑する森内「伊藤は間違いのない棋風ですね」

しかし熊倉、まだ見せ場を作った 
伊藤の守り駒にアタック、必死の食らいつき! 熊倉の攻めを全部受け切ってしまおうという伊藤の構想が、熊倉の攻めを呼び込んでしまっているようだ
これ、なんか危ないな~ めっちゃ局面がゴチャゴチャしてきているぞ
森内「なんか熊倉にもチャンスが来たんじゃないですか? 面白くなりましたね」

いけっ熊倉、逆転してしまえ~
熊倉、がんばって攻めた・・・のだが、どうも駒が足らない
ああ~、残念だったな  違う攻め方をしていれば、もしかしてあるいは、というところだった
伊藤の受けまくる指し手に、森内は感嘆
森内「ひや~、伊藤はすごいな~、大山15世名人もびっくりの受け将棋という感じ」
熊倉の攻め駒が足りず、伊藤に受け切られてしまったね
132手で伊藤の勝ち

森内「熊倉のほうにもチャンスが来たように思えたんですけど、何かなかったですかね
面白いねじり合いが続きました
伊藤がうまく戦機を捕らえて、受けに回り続けた、伊藤の独特の指し回しが見られた」

伊藤の受けつぶし、危ないと思った(笑)  
森内が解説していたとおり、攻め合っていればもっと簡明に短手数で勝てたんじゃないだろうか
ただ全体的には、伊藤が有利になって、熊倉が暴れたところをじっくりと面倒を見て伊藤が勝ち切ったという一局だった

さて今期の森内だが、今日現在で連盟のページに3勝13敗という数字が出ている
かなり調子が悪いね 
解説の様子で何か分からないかと思ったが、森内っていつもこんな感じで何かおどおどしているように思うので、特にわからなかった(^^;
北村桂香女流初段 vs 岩根 忍女流三段
対局日:2016年7月1日
解説:糸谷哲郎八段
聞き手:中村真梨花女流三段

囲碁将棋チャンネルで放送されている女流王将戦、ベスト16の最後の一局
解説と聞き手が糸谷とマリカ、ふっくらコンビだ

糸谷「北村は振り飛車党、ここ1~2年で成長している、中終盤に強さを発揮
岩根も振り飛車党、安定した強さ」

先手北村で、相振りになった 相三間飛車だ
北村の指す手つき、優しいね~ いかにも女性という感じだ
マリカ「北村はふんわりしていて、女流の中でも人気が高い
はんなりしていて、やわらかくて、癒される、京都の人」
マリカ「岩根は長考派で、納得できるまで考える」

お互いに時間を使い、序盤が長い・・・
▲矢倉vs△美濃に進んでいる
マリカ「穏やかな流れですね」
局面が進まないので糸谷とマリカ、特にするべきこともなく、ずーっと雑談していた・・・
立命館大学には、今、香川、和田、北村の3人の女流がいるとか、持ち時間の配分とかに関してだった
とくに面白い話題でもない(^^;

戦いが始まったのは番組が始まって40分以上が過ぎてからだった
ここから観たら良かったな(笑)
と、なんだか局面がおかしい 
岩根の△8四飛に、北村が▲7七飛と屈服したのだ
相振りでよくある「相手の角頭に中段飛車を振って、単純な飛車成り狙い」という手筋に、北村が形悪く▲7七飛と受けるしかないという事態が発生したではないか
糸谷「これは岩根が一本取った」
な、なに~ こんなの、アマチュアの初段以下で決まる技じゃないか
これがプロで決まるんか~(^^;

もう、明らかに形が苦しい北村の飛車と角
ここから、一方的になっていった
糸谷「岩根がうまくやった、自分だけ何手も指している」
うーん、北村に挽回する術は何かないのか? でも、戦いが部分的すぎて、取り返すところが見当たらない
糸谷「ここは耐えがたきを耐え、目を覆(おお)いたくなるような手を、あえて指す!」
北村は耐えるしかないのか ・・・って、北村は耐えるどころか、飛車をぶつけて一気に決着をつけにいったよ(笑)  面白いなー(笑)

もう、誰の目にも優勢になった岩根 
自玉は相手玉より堅い、駒得、攻めてる、もう大優勢だ
なにより、局面が単純なのだ
なんとかフォローする糸谷「将棋はどんな差がついた局面でも2手悪手を指せば逆転します、2手差以上だと元から勝負になっていないので」
だがしかし、岩根の「安定している」という指し回しが炸裂した
もうこれだけ差がつけば何事も起こりません、読み切っています、といわんばかりの時間の使い方で、鮮やかに最短で岩根は寄せきった
そうとうな大差がつき、96手で岩根の勝ち  

糸谷「北村の構えがアンバランスだった、岩根のとがめ方が見事で緩みなく寄せきった快勝譜」

感想戦の時間がかなりあったが、これ、あまりやるところがないなー、と思って観ていた(笑)
序盤の終わりのところぐらいしか、やるべきところがない(^^;
相振りの△8四飛の揺さぶりに、仕方ない▲7七飛で、そこでもう勝負あったというところだろう
糸谷「あんまり△8四飛は見えてなかった?」
北村「はい・・・」
こんな単純な技が決まるなんて・・・ 女流、面白い(笑)

うん、面白いと思うよ 女流だから、こういうのもアリ! 
悪く言うんじゃなくて、結局、女流はメインイベントじゃないんだね
言ってみれば前座だ、だから最高の棋譜を残す必要は全くない
一発狙いの大振りなパンチがモロに決まるのは観ていて楽しいよ
すごい差がついたところからどうなっていくのか、それを観るのも味がある
今回なんかは、岩根さんがスパッと決めてくれて、気持ちよかった
そういう将棋に、解説者が何を言うかも、見所だしね

私は、男子プロの将棋を観るときは息が詰まって気が重くなるときが時々ある
でも、女流の将棋を観るときは解放感でいっぱいだ
手の意味がわかりやすい女流、Good! ビバ、女流! 次回からの2回戦も期待したい
小野ゆかりアマ vs 里見咲紀女流2級
対局日:2016年6月29日
解説:佐藤康光九段
聞き手:室谷由紀女流二段

アマチュアの登場、棋力のほどはいかに
対するは里見香奈の妹の里見咲紀

解説の康光「小野は振り飛車党」
聞き手の室谷「小野は女流戦で30局戦って16勝14敗」
康光「私は里見咲紀はよく知らない」
室谷「里見咲紀は2016年度に女流棋士になったばかりで20歳」

先手小野で、相振りになった ▲向かい飛車+金無双vs△三間飛車+美濃
じっくりとした駒組みが終わり、徐々に局面が動いていった

康光「里見はなかなか自在、ちょっと作戦勝ち、巧みな動きでした」
里見はどんどん攻撃態勢を整え、里見の駒が小野の玉頭に4枚も利いているという、絶好の攻めの形
しかし小野のほうも、玉頭は4枚で守っており、ギリギリ耐えている
小野としては、超怖いところだけどなあ

そこで小野が流れを変える一手を指す
いまいち働きのなかった角を、中央にバーンと飛び出して、これで盤上の空気が変わった
小野からも攻めがあるという状況を作り出した
康光「この角は攻防に利いたいい手」

そして、里見が痛恨のミスをしてしまう
桂の跳ね違いが、一見、気持ちよい手に見えて、おかしかったとのこと
康光「んー、桂跳ね、どうでしたかねー」
里見は果敢に先手の玉頭を清算して迫ったのだが、もう一押しが足りない
康光「この里見の攻めは駒を渡すけど、里見の玉は大丈夫でしょうか」

で、康光「小野がうまく受けて、盛り返した」
あら~、里見、せっかくけっこう迫ってたのになー
里見は自玉も、美濃のコビンを吊るし桂の筋で狙われ、美濃が崩壊した・・・ これは困ったか

そしたらなんと、秒に追われた里見さん、単純な王手飛車をモロに食らう手を指してしまった
その瞬間、康光「ん?」 室谷「あ」 康光「あ」 
・・・里見さん、その悪手を指した瞬間に口に手を当てて「やっちゃった」という仕草を見せていた
純粋王手飛車を食らった里見、即、投了! 95手で小野アマの勝ち
まあ小野さんとしては作戦負けではあったけど、快勝というところかな

康光「序盤から中盤にかけて里見のほうがうまく駒組みして充分な態勢を取った
ただそこから小野がうまく持ちこたえて、結果的には里見のミスを誘った
小野が差をつけられないように粘り強く指し継いだ」

相振りで楽しみにしていたんだけど、いまひとつ盛り上がりはなかったように思う
細かい構想が問われてミスできないし(当たり前だけど)、相振りはやはり大変だな~と思う
大技が出なかったのが残念だった
最後の王手飛車は単なる大ポカだからね

もし里見さんが大ポカしてなかったら、どういう局面だったのだろう、やはり里見が悪いのか?
そう思って、投了から2手前を激指14で調べてみると、検討モードのpro+はなんと、「+145で互角」という判断
な、なに~ +145って、ほとんど差がないやん  ああー なんてこったい・・・
熊倉紫野女流初段 vs 山口絵美菜女流2級
対局日:2016年6月9日
解説:塚田泰明九段
聞き手:村田智穂女流二段

毎週土曜に囲碁将棋チャンネルで放送されている、女流王将戦
火曜に私が感想を書いている  本局は本戦ベスト16の第6試合だ

今回は熊倉さんと山口さん 熊倉さんは知ってる、おだやかで感じのいい人だ
だけど、山口絵美菜さんというのは全然知らない まだ実績がほとんどない新人なんだね
なんでも京都大学の4回生だそうだ へ~
画面に映った山口さんの顔、前髪に隠れてほとんど見えない・・・ ガクッ

解説の塚田「熊倉は振り飛車党から最近居飛車党に変わった、攻め将棋
山口は四間飛車穴熊を得意とする、攻め将棋」

先手熊倉で、サクサクと相穴熊に進む  山口は、得意の四間穴熊だ
さばき合いになり、熊倉が駒得だが、歩の枚数と駒の働きの関係で形勢は難しいのか・・・
山口が指した手に塚田が称賛、おおー、いいねー

それにしても塚田はよく手がポンポン見えるなあ  攻めの手を解説させたらそうとうなもんだな
・・・と言いたいが、塚田、いかんせん、滑舌が悪いorz 8割くらいしか聞き取れない、どうにかしてくれー(笑)
リモコンに「字幕」というボタンもあるが、大盤で解説するときは字幕が出るが、対局者の盤が映って解説しているときには字幕がでない
それに字幕が邪魔で盤が見にくい 
塚田~、アナウンス学校に行ったらいいのに(^^; 
鈴木カンナちゃんが行っていたそうが、カンナちゃんみたいな滑舌がいい人は、もう行かなくていいんだよなー(笑)

局面進んで、塚田「終盤勝負」
熊倉にうまい手が出て、ちょっとリードか~ 
そこで出た、まだ詰みなんかまだまだ見えないという段階で、山口が角を見捨ててタダで取らせる、かなりの勝負手を出した!
これはすごい発想! こんなん成立してるか~?
塚田「え? え? こうやるもんですか? ん~? 独特ですね、振り飛車穴熊をよくやってる人の手ですね」

そして塚田「熊倉、食いつかれてしまった感がある」
おお、山口の、あの角見捨てたのが良かったのか?
塚田「壮絶な攻め合いになりましたね」
楽しいな~ ここからまだまだ楽しませてくれ~

が、しかし・・・ 塚田「山口、ここは金を引くと危ないですね」
と言ってたのに、山口は金を引いた!
塚田「や~、引いた! いや引くのは危ない」
するとそのとおり、熊倉の攻めが、一気にツボに入ってしまった
急転直下、山口の穴熊がみるみる崩壊し、投了に追い込まれてしまった  
107手で熊倉の「辛勝」といえるだろう 
山口は最後にも、「間違えたら許さん」という勝負手を出したけど、熊倉に的確に詰まされてしまったね
一進一退の好勝負だった

塚田「山口が角を見捨てたのが好発想で、優勢になれそうだったが、そのあとの攻め方をもうちょっと繊細にやれば優勢を保てたはず」

感想戦では山口の守り方よりも、攻め方に問題があったとのことだった

なかなか面白かったよ 相穴熊、私は何年か前まで、全然見ずに、消していたんだけど、今は面白く見れる
独特の食いつきが楽しいね

女流の対局の場合、解説者が的確な解説をしてくれるというのが、すごく大きいプラス材料だと思う
男子どうしの場合、もう何が起こってるのか解説者にも理解不能という場合があるからなあ

ここ2局、塚田の解説は良かった、滑舌の面を除けば(笑)
熊倉さんと山口さん、なかなかのレベルの好勝負だったと思う、充分に楽しめたよ  
加藤桃子女王・女流王座 vs 千葉涼子女流四段
対局日:2016年6月9日
解説:塚田泰明九段
聞き手:村田智穂女流二段

注目の加藤の登場  この2人は前期のこの棋戦で当たっており、2年連続のカードになる
そのときは横歩取りで、千葉の凡ミスから差が広がり、加藤がド圧勝していた

解説の塚田「加藤は居飛車党で、中終盤が粘り強い
千葉は居飛車党で、シャープな攻め」

先手加藤で、なんと藤井システム! 局後の加藤によると、「最近居飛車しか指してなかったけど、藤井システムを勉強してきたので」ということだった
塚田「加藤は奨励会で香落ち上手のときに、振り飛車を指しているはず」とのこと
ちなみに加藤は奨励会初段だ

戦いが起こったのだが、加藤の手順が、やや疑問と塚田
塚田「千葉が悪くない」
たしかに、千葉があっさり香得して、そこから駒得が拡大  これは千葉が良さそう・・・
千葉に焦点の歩の好手も出て、千葉好調だ
塚田は「加藤は苦しいところからの粘り強さは抜群」と言っているが、千葉の正確な指し回しが続いている

千葉、今日は冴えてる! おもしろいおもしろい、このままいけー 去年の屈辱を晴らせ 
そして、だいぶ進み、千葉優勢のまま問題の局面を迎えた
塚田が「ここは千葉は一回受けたほうがいい、攻め合うと危険」
と言っていたのに、千葉は攻めた! ぐわ、これはどれほど危険なのか

そこから加藤の猛攻撃が始まった  
加藤は「もう逃さん」とばかりに、ラッシュで迫る!
そして、いともあっさりと千葉を寄せてしまった・・・ 11手詰みを食らい、千葉はあえなく撃沈
83手の短手数で加藤の逆転勝利に終わってしまった
あああーー 千葉が受けていれば、そこから真の終盤が楽しめると思ったのに~ 千葉、痛恨の一手ばったり
これは千葉、悔いが残る敗戦となってしまった  

塚田「千葉のほうが有利だったと思うが、守るべきところで攻めてしまった
そのため加藤の猛ラッシュを浴びてしまった、急転直下でちょっと残念な一局」

感想戦で千葉「駒が気持ちよく使えていて、すごい勝ちそうになったのに残念でした」
終盤、せっかくここから盛り上がるというところで、千葉の一手ばったりで勝負が一気に決まったので、ええ~、まだまだ楽しみたかったのに、という思いが私はすごかった(^^;

でも、藤井システムの攻防は見ていておもしろい、私の好きな戦型のひとつだ
尻切れトンボな一局になってしまったが、ラストに至るまでの戦いはかなり充分に楽しめた
塚田によれば加藤と千葉、それぞれ一手ずつ悪い手があったくらいだった

(・・・だが、気になった局面を激指14で調べたところ、66手目△3七桂成はかなりおかしいと激指先生
この△3七桂成は、なんだか感触が悪いと思ったら、やはりそうか・・・ 
塚田が指摘できていなかったところだ)

でも全体的には塚田の解説が的確で、良かったと思う  
聞き手の村田も、よく質問していい仕事をしていた
私の満足度・・・75%というところだ  

加藤桃子に、千葉涼子に、塚田に、村田智穂・・・ 
色々な人材がみれて、私には女流王将戦は楽しい
石高澄恵女流二段 vs 伊藤沙恵女流二段
対局日:2016年6月8日
解説:伊藤博文六段
聞き手:香川愛生女流三段

石高さんと伊藤沙恵さん  伊藤沙恵さんのほうは、聞き手として見かけるね
解説の伊藤博文「石高さんは、先ほど本人に聞いたんですけど、居飛車党ということです 歳は僕に近い
伊藤沙恵さんはタイトル戦とかよく出られるので、かなり強い方だと思います」

先手石高で、▲右玉vs△居飛車+左美濃の、持久戦になった
まだ戦いは先かと思われたところ、伊藤沙恵から積極的に仕掛けていった
伊藤博文「伊藤沙恵は、若さがありますね」
だが、これに石高が、力強い左金の使い方で対応  なんと、仕掛けを逆用して石高が抑え込む展開
伊藤博文「石高はさすがに予選通過して本戦に入った力があるんですね」

途中、雑談になった
伊藤博文「私は自分の生徒にね、『手を作るのにただ攻めるだけでは相手に駒を渡して、最後に投了しないとダメだから、押しては引いて相手が攻めてきたその駒をたくわえて、また攻めればいい』ということを常に言うんですけど、言うてる私がなかなかできないというね」
これは笑った

石高の左金での抑え込みに、感心していた伊藤博文だったが・・・
伊藤博文「石高がうまく指してますよ、石高側を持ちたい」
しかし、石高は何を思ったか、カナメの金をあっさり相手の銀と交換にしてしまった

聞き手の香川「もうちょっと石高は良くしたかったような」
伊藤博文「金に手数をかけたのにね」

局面落ち着いて、やり直しになった 
持ち時間、この棋戦は25分ずつで切れたら1手40秒なのだが、
残りが石高▲0分vs伊藤沙恵△12分になり、石高は秒読みになった

すると、そこから伊藤沙恵のあからさまな「時間攻め」が始まった
石高が秒を読まれる中、伊藤沙恵はバンバン指していき、石高に考える余裕を与えない
うわ~、これは露骨(^^;

攻め合いになったが、石高、ミスが出てしまう 
それでもまだかんばり、伊藤博文「負けても大したもんですよ、良い将棋ですよ」と言われていたが・・・
秒を「9」まで読まれて、あきらかに秒に追われて慌てて歩を突いた手が、痛恨の悪手
すかさず伊藤沙恵に、今、歩を突いて開いた空間に攻防の角を打ち込まれ、激痛!
香川「あら、ちょっと秒に追われて」

伊藤沙恵は指されてみればなるほどの、簡明な寄せを見せ、危なげなく勝ち切った 
90手で伊藤沙恵の勝ち

伊藤博文「見ごたえありましたね、石高さんのほうが作戦勝ちですごいなと思ったんですけど、さすがに伊藤沙恵さん、自陣の角を使って勝負に出たあたりがすごいですよね、いいタイミングで相手に手を渡していた」

石高さんは右玉での独特な左金の活用術、これは魅せるものがあった
力は見せてくれていた
感想戦で、伊藤博文がスラスラと、左金をどう活用したらもっと良かったかに触れており、そこは伊藤博文がさすが男子プロだと思わせた

そして伊藤沙恵さん、「時間攻め」がモロに露骨だったな~(^^;
相手が秒読みで手が広くて迷う局面と見るや、バンバン指して、考える余裕を与えない作戦
もちろん自分が間違えたら何にもならないのだが、そこできっちりと指せる力量を持っている
序盤作戦負けしても、中盤以降の力勝負でも、伊藤沙恵さんは自分は全然慌てないんだね
そこが強いと思わせた

全体的に、伊藤沙恵が落ち着いて対処した快勝譜だった  
女流としてまずまず、そこそこのレベルの内容だったと思う
渡部 愛女流初段 vs 村田智穂女流二段 女流王将戦 1回戦
対局日:2016年6月8日
解説:伊藤博文六段
聞き手:香川愛生女流三段

毎週土曜に放送がある女流王将戦を、私が毎週火曜に感想を書いている

渡部愛(わたなべ まな)と村田智穂・・・ 特に何も思わない(^^;
解説が伊藤博文さん、この人で大丈夫か? 聞き手はおなじみ、香川さん

伊藤「渡部は居飛車党で終盤が強い印象、村田は居飛車党で粘り強い」
しかし、伊藤はこんな発言をする 
伊藤「どんな将棋になるんですかね? 私は居飛車党じゃないからわからないんですけど」
最初からそういうことを言うか

先手渡部で、▲居飛車vs△右玉の持久戦となった
伊藤「これは振り飛車ではないんですよね?」
右玉は「その他の戦型」というところか
伊藤は解説者なのに、聞き手の香川にさかんに聞いてくる作戦だ

雑談で、伊藤「関西では、小坂さん、桐山さんは一切人の悪口を言わない、あんなできた人はいない 僕は逆ですよ」
・・・もう伊藤さん、面白いんだか、めちゃくちゃなんだか(笑)

さて局面、渡部が一瞬のスキを突いて、果敢に攻めかかり、駒得を果たした
村田がさらにミスを重ねた感があり、渡部が駒得を広げる
渡部がハッキリ優勢だったが、渡部は自陣にあった飛車を取らせてしまうという手を指し、村田も元気が出たと思う

中盤までは伊藤の解説が冴えていたのだが、どうにも、終盤のせめぎ合いになって、伊藤が黙り込むことが多くなってきてしまった
聞き手の香川のほうがよく声が聞こえてくる・・・ もう~、伊藤さん、ちゃんと解説してよ~(^^;

伊藤は、画面上で対局盤しか映っていないのに、「こう、こう」と言って、意味不明(笑)
香川に符号を言ってもらい、フォローしてもらっている

渡部と村田、どっちも疑問手を出し合いという感じなので、こういう解説になるのも仕方ないのか?
右玉の特有の玉の広さもあって、何が最善手なのか、わかりづらい始末

渡部さん、馬をとても大事に、うまく使ったね
自陣鉄壁、寄せは確実にという手順で、村田の右玉を仕留めていた
ただ、村田が玉の逃げ方を間違えたと、伊藤は言っていたが・・・
129手で渡部の勝ち  渡部が終始リードをしての押せ押せだったと言えると思う

伊藤「渡部の踏み込みから、流れが良くなっていたんですけど、村田も終盤粘りが出て、ひょっとして逆転したかなと思ったんですけどね」
んー、でも渡部がとにかく駒得していたからなあ、逆転すれば番組的にも面白かったが(^^;
村田はまだこの右玉という戦法に慣れていないんじゃないかと思わせる疑問手が何か所か見られた
力負けなのでしょうがない負け方だと思う
(しかし調べたら、去年のこの棋戦で村田は清水を相手に右玉で会心の指し回しで金星を得ていた)

とにかく伊藤さんはクセがある・・・ 終盤、とりあえず、黙らずにもっとしゃべってもらわないとね 
あと一回、伊藤さんの解説を聞かないといけない(笑)
中村真梨花女流三段 vs 香川愛生女流三段
対局日:2016年6月7日
解説:鈴木大介八段
聞き手:中村桃子女流初段

個人的に楽しみにしている女流王将戦 
毎週土曜に囲碁将棋チャンネルで放送されている

マリカと香川、私にはおなじみの2人 解説と聞き手は先週と同じ(^^;

解説の大介「マリカは四間飛車一本、攻めがとにかく鋭い
香川も振り飛車党だが、居飛車、左穴熊も得意としている、攻め将棋」

先手マリカで、相振りとなった ▲四間vs△三間だ
香川が美濃に囲ったのに対し、マリカは中途半端な玉形のまま、猛然と攻めていった
大介「マリカは強引ですけど、自分のペースに持ち込もうということですね
私が忘れていた何かを思い出させるような攻めっぷり」

大介「香川が全部を完璧に受けて立とうとすると、かえって食いつかれる」
と言っていたところ、香川がうまい受けを見せた
狙われていた桂をポンと跳ねだし、頭のやわらかい「軽手」というべき受け

これでマリカの構想がくずれ、マリカは自分を見失ってしまったのだと思う
大介がマリカの手に対し叫ぶことが多くなっていった
大介「えーっ? ちょっとどうでしょうか」
大介「ちょっとこれは意外なんてもんじゃないですね、秒に追われましたかね」

マリカ、攻めを完全に受け切られてしまった 残ったのは、大きな駒損と、大きく乱れた玉形
もうすんごい大差・・・(笑)  香川は、余裕の手つきで、秒に追われることもなく悠然と指し続けた
大介「見事に香川の反撃が決まりましたね」
90手で香川の勝ち 圧勝であった

大介「マリカのほうが多少無理してでも攻めの形を作ったんですけど、それがかえって自分の長所である攻めをなくしてしまう展開になった
香川は女流王将のリベンジ、奪還に向けて好スタートを切った」

今回の一局は、女流クオリティと言われてもしかたない内容だったな~(^^;
24の四段くらいが、早指しで適当に指したような棋譜が出来上がってしまった
受けていた香川さんとしては、楽だったと思う
私は将棋で難しいのは、どう仕掛けるかというところだと思うんだけど、マリカが強引に攻めてきて、香川としては対応すればいいという展開
いったん差がついてからは、もう手なりで指して、もっとどんどん差がつくという一方的な内容だった

マリカさんには先週、大介が言っていた、「攻め将棋の人はまず玉を堅くしてから」という言葉がピッタリ当てはまった
玉形が弱いまま速攻を仕掛けたため、無理もきかないし、反撃がきつすぎてしまった
マリカ攻めが不発、香川の圧勝という一方的な内容で、ここまで差がつくとやはり残念だった
私は物足りず、この後、「めざせプロ棋士」でも観ようと思う(笑)

ところで聞き手の中村桃子さん、声が聞きやすくていいね 
こういう、安定した聞き手のできる人材がたくさん居るのが今の女流のいいところだね