第16期 銀河戦
決勝トーナメント 1回戦 第8局
島 朗九段 vs 櫛田陽一六段
対局日: 2008年8月15日
解説:藤井 猛九段
聞き手:千葉涼子女流三段

19年度の戦績は、島12勝23敗、櫛田17勝8敗
2人の対戦成績は島の3-2
島は、片上、木村、藤井に勝っての最終勝ち残り者、
クッシーは、伊藤真吾、戸部、山本に勝っての最多連勝者だ

先手島で、3手目▲9六歩としてちょっとびっくりしたものの、結局居飛車穴熊に組んだ
クッシーはいつもどおりの四間飛車で高美濃囲いだ △8三玉と立ったのが工夫のようだ

島の2筋の突き捨てから7筋をからめた攻めで、戦いになった
クッシーは普通に対応していたが、後手は玉が中段でひとりぼっちになり、
なんだか先手が有利っぽい展開に、
局面が進んで79手目のところでは、先手側に決め手がありそうだった
自分も「これだけ玉が薄ければ先手の勝ちだろう」と思ってみていた
しかし決め手を見つけられなかった島に対し、クッシーの△7八歩~△6九角が強烈で、
一気にクッシーの勝ちになった

藤井の解説は、序盤はとてもわかりすかった
しかしだんだん終盤になるにつれ、具体的な手が浮かばなかったり、形勢判断などもあいまい、
しどろもどろになっていった藤井、終局直後も「逆転していたかどうか、よくかわんないんですが~」
と発言した藤井、自分は「さすが藤井の解説だ(^^;」と思ってみていた

だが、この対局、感想戦をやったところ、実は終盤が本当にかなり難しかったようだ
島は「いっぱい勝ち筋がありそうだったんですが」と発言し、
どう見ても先手に決め手がありそうなのだが、はっきりとした勝ち筋は結局見つからなかった
「桂頭の玉、寄せにくし」「中段玉、寄せにくし」の格言のとおりだった

角道を止めての昔ながらの四間飛車は、今プロでは指す人があまり見当たらないので、
クッシーは貴重な存在になっていると思う
NHK杯の森下戦では惜しくも負けたが、あの一局も四間飛車が作戦として充分通用していた
クッシーが四間飛車を使って、フリークラスを脱出できるかどうかに注目したい
あと、連盟のクッシーの写真だが、今のクッシーとは別人に見える(^^;
六段の棋士のところ ↓
http://www.shogi.or.jp/syoukai/index.html

クッシー「逆転勝ちなんでうれしいです、
     (次の三浦戦は)なんとかこのツキを活かしていきたい」とコメント
第16期 銀河戦
決勝トーナメント 1回戦 第7局
郷田真隆九段 vs 片上大輔五段
対局日: 2008年8月1日
解説:木村一基八段
聞き手:古河彩子女流二段

19年度の戦績は、郷田33勝16敗、片上29勝12敗
2人は初手合い
郷田は、橋本に勝っての最終勝ち残り者、
片上は、西尾、安用寺、青野、杉本に勝っての最多連勝者だ

先手郷田の横歩取りで、後手片上は△8五飛戦法を選択した
一手損角換わりが大流行しているので、この戦型はひさしぶりに見る
本局はこの片上の作戦が見事にハマった
郷田は▲6八玉型にしたが、これで一直線の進行になったとのことだ

なんと72手目までが定跡どおりで前例があるそうだ ひえー(^^;
次の郷田の▲6四歩が悪手で、このたったの一手で勝負が決まった
これだから横歩取りは怖い 以下は後手が順調に攻め、片上の快勝だった 
最後は大差がついた
感想戦によると、▲6四歩のところでは、▲4四歩△同歩としてから
▲6七角と引いておくのが有力、とのことだった
片上が「▲4四歩~▲6七角は難しい手ですね」と言っていたし、
これはとてもじゃないけど素人に指せる順ではない・・・
他にも途中でいっぱい変化があるとのことだった
郷田は「(72手目のあたりまで、事前に)考えておかなきゃいけないのかなあ」と言っていた
自分は先手後手、どっちをもっても△8五飛はやりたくない、っていうか指すのは無理、
とあらためて思った

木村の解説だから内容についていけて良かったようなものの、
他の人が解説だったらどうなっていたことか
この△8五飛の研究将棋が、以前のように流行することがないように自分は祈っている(^^;

片上「A級棋士にずっと勝ったことがなくて、8戦目だと思うんですけど、本当にうれしいです、 
   次は相手はタイトルホルダー(佐藤康光)なんで、楽しみとしかいいようが
   ないんですけど、いい将棋が指せるようにがんばります」とのコメント
2008.08.29 バースと川藤
昨日、プロ野球の阪神戦のテレビのゲストで、
ランディバースが、甲子園に来ていた
掛布と川籐(かわとう)が解説だった
バースと掛布との間柄の話になったあと、こんどはバースと川藤の話になった
アナウンサー「バースさんは、川藤さんとはどんな間柄だったんですか?」
バース「川藤さんは、私の将棋の師匠なんです、それでよく対局したんですが、
    一回も私が勝ったことがないんです、それというのも、私が勝ちそうになると、
    彼はルールを勝手に変えてしまうんです、
    私は何が変わったのかわからなくなって負けるんです」

バース、やっぱり面白い(^^)
川藤といえば、引退真際では代打で出ることがほとんどだったため、
自分のグローブを持ってこなかったことがある、という話を聞いたことがある(^^;
「プロ棋士の3分の1くらいは、躁鬱病(そううつびょう)なんですよ、
僕は大丈夫ですけどね」と福崎さんは言っていたが、自分の見る限り、
今回の福崎さんは口がなめらかでとてもよくしゃべり、やや躁状態だったと思う(^^;
何かいいことでもあったのかな?
以下、自分が覚えていることの羅列です

「後手は△3三銀から矢倉に組みましたが、先に△4一玉が普通ですね、
日本人は美しさを重視しますからね、体操競技でいうとこれは減点です」

「羽生さんのことを、僕は宇宙人と言ってますけどね、まあ悪ノリですけどね」

「深浦さんは、タイトル保持者でA級なんですが、やっぱり羽生さんと比べるとねえ、
何と比べるかで評価が変わってきますね、アインシュタインの相対性理論と同じです」

「攻めるときは歩を突き捨てますが、▲8六歩なんて突いたらダメですよ」

「成駒が同じ方面にふたつ重なるのは、効率が悪いんですよね、
例えるなら、電車に乗るときに同じ切符を2枚買ったようなものです」

「持ち駒を使っての王手の連続で、玉を逃がしてしまうのは最悪です、
金魚すくいのアミがやぶれちゃったようなもので、それから考えてももうダメです」

「矢倉で桂を玉頭に捨てる筋はよくあるんですが、
玉頭の歩を失った矢倉は見かけより薄いんです、
車でいうとフロントガラスが割れちゃったようなもので、とても危険です」

「▲5三角、これは必殺技です、ウルトラマンでいうところのスペシウム光線ですね、
『ジュワッチ』と言いながら指したと思いますよ」

それから、こんな話もしてくれた
「王位戦第3局は、僕が立会い人だったんですが、緊張しました
それで、対局前に駒を2種類から選ぶんですが、
これが2人ともが遠慮して、僕に決めてくれ、というん仕草だったんですよね
それで、まだ使われていない新しい白っぽい駒と、
使い込まれたあめ色の駒だったんですが、僕は一目で、白いほうはダメだ、
あめ色の駒だと思ったんです、そこで、あえてあまのじゃくで僕が『白い駒のほうでどうですか』、と
言って、『いや、あめ色の駒のほうで』と言わそうとしたら、2人ともが『じゃあそれでいいです』と
言って、白い駒になっちゃったんです」

「神吉さんと深浦さんはとても仲がいいようで、神吉さんから携帯で、
深浦さんを呼び出す連絡がガンガン入りましてね、
それで深浦さんに、携帯の電源を切るように言って、切ってもらったら、
今度は副立会いの久保さんの携帯に、『深浦さんを出してくれ』と連絡がガンガン来ました(笑)」

こんな感じだった 次のNHK杯での福崎vs佐藤康光戦が、今から楽しみだ(^^)
出た、終盤、羽生の手渡しというか何というか、絶妙の▲6四歩!!
なんだこの歩は?この忙しいときに、わけのわかんない歩突き?
こんな歩が間に合うのか?
しかし、局後に振り返ると、これは神の一手と思える手だった
なんでこんな手が指せるのか?
▲6四歩に将棋の神を見たね、今回は・・・

午後5時福崎さん登場で解説開始、そのときのお客の人数は12人(^^;
客の数は最終的にも25人くらいまでしか増えなかった

福崎「羽生さんは、また7冠になりそうですからね
羽生が5冠になってしまったらもう終わりですよ、
渡辺竜王はくちびるが紫になってブルブル震えますよ、『深浦防波堤』は大事です」

福崎「深浦さんは、羽生との対戦成績が互角ということで、奇跡的ですね
今回の王位戦も、けっこうラッキーなところで羽生に当たっています、
永世名人を獲得したすぐ後で、王位戦は、まあオリンピックが終わったあとの国内大会
みたいなものですから」と言って、会場を笑わせていた
これは自分も笑ったが、しかし、名人戦のあと、棋聖戦でも羽生は勝ってるんだよね、
羽生の調子もいいんじゃないかな(^^;

▲3七銀~△6四角あたりの解説はこうだった
福崎「佐藤康光の矢倉の本で、この形はもう先手が良い、というふうに書いてあるんですよ、
それで康光の先手相矢倉の勝率も7割を超えているんです、もう終わっている形のはずなんです、
それを深浦は、あえて康光より強いであろう羽生にぶつけたんですよ、
深浦の余裕ですかね、羽生さんは怒っているはずです」

相矢倉だったが、序盤は昔ながらのオーソドックスな形のせいか、福崎さんの解説がうまく、
自分は聞いていて疑問点がわかなかった
羽生が▲1五歩から仕掛けたが、これは必然で、ここで仕掛けないと、
△7三桂が間に合ってしまう、とのことだ
△7三桂と跳ねられると、▲6五歩にも△同桂▲6六銀に△8六歩から角交換になり、
後手は△8五飛と桂馬にヒモをつけて逃げておいて、角を持ち合えば先手は隙だらけ、
後手が充分ということだ

羽生が仕掛け、そこで出た深浦の研究手△3六歩!この手はわずか1分とのことだ
羽生は127分の大長考で、なんと、3筋にと金をわざと作らせる順に飛び込んだ
福崎「僕なら、もう△3六歩には▲同飛と取っちゃうでしょうね、
すると後手は△3四歩の予定でしょう、
羽生はこの△3六歩をとがめにいきましたね」

相矢倉だとわかりにくい展開になることも多いが、本局は後手の深浦はと金をつくり、
先手の羽生の攻めが続くかどうか、という比較的わかりやすい状況になった 
深浦は△8六歩と絶妙のタイミングで突き捨てをいれ、予定どおり△3七歩成、
そしてなんと、▲5三歩成が見えているのに、△4四歩!と悠々と銀を取りにいった
この△4四歩もすごい手だ こんな手が指せるから、羽生と互角に戦えているのかもしれない

73手目で次の一手クイズがあり、正解は角を切る▲2六角だった
約25人中17人が正解、5人にサイン入り扇子などの賞品が当たった
正解率が高いにもかかわらず、自分はこの一手をはずしました(^^;

そのあとの羽生の▲5二銀も痛烈っぽい手だった
こういうのは意外と見えにくいのだ
福崎さんは「次の羽生の一手はなんだったでしょう」という発言を今回も連発していたが、
この▲5二銀はなかなか当てる人がでなかった
この▲5二銀を見て今度は深浦が94分の大長考、なんと△3三玉と顔面受けに出た
福崎「深浦さん、ここは後悔しないように長考しましたね、
△3三玉は、殿様自信が自ら出て行った手ですね」
このあたり、見ていて俄然面白くなった

△4二桂が受けの好手っぽく、先手は△6九銀などを見せられて忙しいし、
どうにも後手玉が捕まらない、深浦有利かと思われた、
次の瞬間だった ▲6四歩・・・??? なんだこれは??
福崎「これは、△同歩は角道が止まって利かしですね、△同角は▲4三銀成△同玉▲5一飛成、
としておいて、逆に後手に攻めてきなさい、と焦らせて指すんでしょうね」
(△同歩には▲6三金もある、とか言っていたっけ、ちょっと忘れてしまった)
ここで冒頭のシーンに戻るが、こんなところで、相手に手を渡す歩突きが考えつくか、普通?
まあ羽生は普通じゃないから四冠なんだけど(^^;

その後は一直線の寄せ合いになった
福崎「すごい駒の取り合いになりましたね、自分は自分、相手は相手、
これほどひどい取り合いがあるでしょうか、小学生どうしの将棋ならよく見ますけどね」
福崎「あ、ここですごい手が出ましたよ、ウルトラマンならスペシウム光線です」
お客「▲5三角?」
福崎「あ、当たり!それから▲6七金と手を戻しました、
後手は桂がないので王手がかけられませんね、・・・▲6六金までで後手投了です」

アニメ、火垂るの墓(ほたるのはか)の名セリフに、
節子の「なんでホタル、すぐ死んでしまうん?」というのがある
その節子の声で「なんで羽生、すぐ相手玉寄せてしまうん?」
というのがピッタリ、と思った終盤だった

今回、自分が質問をしたのは終局後の次のひとつだけだった
私「▲6四歩って、こんな手、福崎先生なら思い浮かびますか?」
福崎「これは指せないですよー、怖いですよ、羽生は」

まさに羽生の完璧な棋譜が出来上がった(まあ自分の目から見てだが)
深浦の研究手△3六歩を、敗因にすることに物の見事に成功した
終盤の▲6四歩は神の一手だと思える
「本気の羽生は、ここまで強い」 そう思わせてくれた一局だった
▲6四歩、自分はたぶんこの先もずっと覚えているんだろう

次の第6局は井上八段の解説会がある
これも自分は絶対に行くつもりだ
王位戦第5局、戦型は相矢倉になってますね
これ、難しいんだよね 自分は苦手としている戦型だ
解説されても、わかるかどうか
そもそも福崎先生がどこまでわかるかが(以下略)
2008.08.25 X-FILE
TUTAYAで、X-FILE(ファーストシーズン)のDVD全6巻が半額レンタルだったので、
借りてきて一気に見た この5日間、毎日4時間くらい見ていた
一話ずつの構成で内容が濃いし、面白いのでどんどん見てしまった
しっかし、かなり疲れた(^^;  

あさって、27日の王位戦第5局の解説会に行こうと思っている(解説は福崎さん)
体力を回復しておかねばならない
ただし、戦型が相穴熊になったら行かないと思う
長沼 洋七段vs佐々木慎五段  2回戦
解説 橋本崇載

11時現在、ちらっとテレビを見てしまった
そしたら、ひえー、相穴になっちゃってるうー
解説がハッシーだから、楽しみにしていたのにー 
あとで最終盤だけでも見るか・・・完
第16期 銀河戦
決勝トーナメント 1回戦 第6局
三浦弘行八段 vs 千葉幸生五段
対局日: 2008年8月1日
解説:木村一基八段
聞き手:古河彩子女流二段

19年度の戦績は、三浦17勝16敗、千葉24勝15敗
2人は初手合い
三浦は、松尾、谷川に勝っての最終勝ち残り者、
千葉は、中村亮介、西川、中村修に勝っての最多連勝者だ

対局者が地味なメンツだ、と思ったが、戦型が面白かった
先手三浦で、後手千葉は4手目△3三角戦法
先手から角交換をし、居飛車vs振り飛車の力戦模様になる
そして出た、後手△2五桂とパクッと取る戦法、
これは先日の豊島vs久保のゴキゲン中飛車のときと同じ構想だ
今回もこの△2五桂はかなり効果的だったようだ
さらに千葉は穴熊に囲うという作戦、これがハマッた
中盤では後手が有利になっていた

この後手の△2五桂プラス穴熊の戦法、
居飛車に対して一番勝ちやすい戦法なのではなかろうか 
早指しだと特にいいと思う 左の桂は捌けるし、玉は堅いし、
角を持っているから何かしら戦いは起きるだろうし、いいことづくめと思う
4手目は△8八角成と後手から角交換をしても、できるのかな?

中盤以降、時間に追われた千葉が小ミスをいくつか出し、負けにしたが、
個人的にこの後手の戦法はとても興味深く見たので、満足した
銀冠vs穴熊だったが、お互いに堅い玉形、というのもひさしぶりに見た気がする
これも新鮮に思えてよかった できればもっと長手数になるのを見たかったくらいだ

木村の解説は、今回も実にすばらしかった
感想戦の時間がなかったが、木村が対局中にほぼ全ての疑問点を
説明してくれていたので自分としては問題なかった
木村の解説は、やはり神がかっている
頭部はあまり髪がかかっていないけどね

三浦「今期銀河戦は非常にツキがあるので、もっと実力をつけて、ツキじゃなく
   今度は実力でいい将棋が指せるようにがんばりたい」とコメント
第16期 銀河戦
決勝トーナメント 1回戦 第5局
森内俊之九段 vs 橋本崇載七段
対局日: 2008年7月29日
解説:野月浩貴七段
聞き手:高群佐知子女流三段

19年度の戦績は、ハッシー29勝16敗、森内24勝21敗、
2人の対戦成績は1-1のイーブン
ハッシーは、佐藤和俊、畠山成幸、中川、深浦に勝っての最多連勝者、
森内は、高橋に勝っての最終勝ち抜き者だ

期待のハッシー登場、自分的に一回戦で一番の注目のカードだ
上下真っ白のスーツでビシッと決めたハッシー、どうなるのかワクワクだ
・・・が、結果はハッシーの負け、内容的にも完敗だったorz

先手ハッシーで、森内は一手損角換わりから向かい飛車に直に振り、▲6五角をさそい
手順に金を△5四金と盛り上がる構想 これは羽生との名人戦第4局と同じだ
あのときは森内は自分から動いて負けたので、もう一度この作戦をやってみたくなったのだろう

感想戦によると、この一局、31手目がもう最大の勝負所だったようだ
ここでハッシーは▲5七銀と渋く引いたが、
ここは▲5五銀か▲5五歩で勝負する一手だったとのこと
ハッシー「いやー、元気がなかったですね、
(攻めが大好きな)野月さんなら、ここは間違いなく▲5五銀ですよね」と反省しきりだった
この将棋は、先手は居玉で勝負すべきだったとのことだ

本譜は持久戦になったが、先手側は手数をかけても陣形が良くならなかった
じっとしていると後手は陣形が良くなるので、
ハッシーは動いていったが、森内に的確に対応された
△3八歩と打たれるなど、完璧に指し回され、以下は完敗だった
良くなってからの森内はさすがに強かった 鉄板流の面目躍如だった

羽生が7冠を達成したのが25歳のとき、そして今ハッシーも25歳だ
そろそろ実績的に、何かひとつでも、タイトルか棋戦優勝が欲しいところなのだが・・・
ハッシー、今回は完敗だったので、「残念」という表現は当てはまらない
羽生世代以降の目立った若手が、渡辺、山崎、阿久津、ハッシーくらいしか思いつかないので、
ここはふんばって渡辺以外も実績をあげて欲しいと思う
ハッシー、お腹に肉がついて、ちょっと太っているように見えた
とりあえず、3キロほどやせたらどうだろうか(^^;

森内「ここまで来ると、強敵ばかりなんで、少しでも多く勝てるように全力を尽くしたい」とコメント
風邪を引いてしまいました
昨日の夜、なぜかやたら温度がさがり、秋のようでした
今日は寝つづけて、起きたらもう夜の7時です
まだ頭が痛いです
橋本vs森内戦は明日みます
45巻P80より
あさり「めし。」
あさり「めしくれ、めし。めしー。」
(チャンチャンチャン、とハシで茶わんをたたくあさり)
ママ「オヤジか、おのれは!女の子が゛めし″だなんて、はずかしいっ!」
あさり「おめし、ちょーだい。」
ママ「まだ!」
あさり「おなかがへったの。」
ママ「まだっつったら、まだ!」
あさり「へったよー、おなかへったよー。ひもじいよー。まてないよー。」
(カップメンが飛んでくる、大喜びのあさり、さらに晩ごはんもがっつくあさり)
あさり「あー、おなかいっぱい。」
あさり「ふろ」
あさり「ねる」
タタミ「『めし、ふろ、ねる』完全にオヤジね・・・」
ママ「あさり、勉強もしないで、ねるんじゃないー!」

茶わんをハシでたたいて、「めし」と要求するあさりちゃん、いいねいいね(^^;
昨日の「まるごと90分」の冒頭でのニュースをそのままアップしておきます

石崎「山田さん、中原先生、大丈夫なんでしょうか?」
山田「んー、あのね、12日、王将戦予選で木村八段と対戦しまして、
   勝負は勝ったんですが、そのあとの感想戦の終わりのころ、
   ちょっと、ろれつが回らなくなって、体も何か左に傾きだしたので、
   これはちょっとおかしいんじゃないか、というんで、
   まわりにいた人が病院に行きなさいということで、救急車を呼んで、
   入院したということなんですが、えー、脳出血ということで、そんなにひどくなくてね、
   意識はありまして、まだ入院しているんですが、
   本人はもう対局やりたいと言っているようなんですが、
   とりあえず21日の棋王戦は不戦敗、えー9月に入って11日にあるんですが、
   これはまあ一応出る予定ということです」
石崎「これから復帰される可能性というのは?」
山田「いやあ、もちろん、本人は元気なんですけどね、マヒがね、どのくらい残るか、
    リハビリしだいだと思います」
石崎「まずは退院のお知らせをお待ちしております」
山田「そうですね」
第16期 銀河戦
決勝トーナメント 1回戦 第4局
中原 誠十六世名人 vs 横山泰明五段
対局日: 2008年7月25日
解説:加藤一二三九段
聞き手:鈴木環那女流初段

19年度の戦績は、横山27勝15敗、中原8勝11敗
2人の対戦成績は、横山の1-0
横山は、糸谷、真田に勝っての最多連勝者、2勝だけど運よく最多連勝(^^;
中原は、山崎、羽生に勝っての最終勝ち残り者だ

先手横山の石田流三間飛車で角道を止めるタイプの作戦に、
後手中原は天守閣美濃から△7二飛と逆襲に出る作戦

感想戦でやっていたが、32手目、単に▲7七桂と跳ねると、
△9五歩▲同歩△7四歩▲同歩△9五香▲9六歩のとき、△7五歩という
焦点の歩打ちの攻めがある、とのことだ
この居飛車の攻め方は面白いので、自分も実戦で使ってみたい手順だ
横山はその筋に気付き、▲5五歩で後手の角を近づけて受けたが、
後手の無条件の一歩得になってしまった
どうもここまでの手順で、先手に工夫が足りなかったようだ

中原が快調に攻めかかり、58手目では△9九馬と単に香車を取っておけば
桂、歩得で充分な形勢、中原の完勝もありえた
しかし、ここから中原の痛恨の手順、桂打ちで攻め、桂を渡してしまったために、
▲7六桂でなんと後手の飛車が一発でトン死!ひえー(^^;
局後、中原は「いやあ、見えていなくて完全にうっかりした」と言っていた

その後、まだまだ形勢は全然難しかったように思うのだが、
後手の敗着は2筋から攻めてしまったことにあると思う
△2五歩では、ヒフミンの言うとうり△2二玉と態勢を立て直しておけば、
両者30秒将棋で、何が起こったかわからなかっただろう
2筋の攻めを横山は逆用し、最後は飛車切りできれいに即詰みで寄せた
この寄せは見事だった

決勝トーナメントとしては、ちょっとレベル的にどうかなー、と思う一局ではあった
先手の序盤の駒組みはうかつだったと思う
中原が飛車のトン死をうっかりしたのは、横山にとってラッキーというほかない
横山の次の相手は好調の阿部、
順当にいけば阿部の勝ちだろう、と思わせる一局だった

ヒフミンと環那ちゃんの元気コンビのおかげで、楽しめたけどね
ヒフミンの解説は今回も的確で聞きやすかった
だけど、ずっとしゃべりっぱなしなので、聞いていてやや疲れた(^^;

ひとつ気になったのは、この対局は前の対局と明らかに2本取りなので、
環那ちゃんは服を着替えているだろうか?ということだ
確認してみると、前回は紫、今回は黄緑で違う服を着ていた
記録の上田初美さんも違う服だった
ちなみにヒフミンは同じ服
うむ、女の人はちゃんと違う服で楽しませてくれているね これはいいね

横山「次も強い人と対戦できるので、いい経験になればと思います」とのコメント
第16期 銀河戦
決勝トーナメント 1回戦 第3局
佐藤康光棋王 vs 長岡裕也四段
対局日: 2008年7月25日
解説:加藤一二三九段
聞き手:鈴木環那女流初段

19年度の戦績は、長岡15勝16敗、康光32勝27敗
2人は初手合
長岡は、瀬川、坂口、塚田、阿久津に勝っての最多連勝者、
康光は、行方に勝っての最終勝ち残り者だ

先手長岡で、後手康光の一手損角換わりになった
長岡の▲6八玉が早かったのを見て、康光が棒銀作戦の積極策に出る
それに対して長岡は端の受けを手抜き、攻め合いに出るという将棋になった

攻め合いに行った長岡の判断の善悪は別として、序盤で持ち時間を使いすぎてしまったと思う
一段落して、中盤でまだまだこれから、というところで、
長岡はすでに考慮時間なしの30秒将棋、対して康光はまだ8回も残していた
これが勝敗を分けたと思う
中盤以降も長岡は攻めたが、攻めを切らされてしまった
終わってみれば康光の完勝だった
感想戦では「ここでは攻めるより後手に手を渡したほうが良かったですね」と
長岡は難しい順を話していたが、さすがに30秒将棋では指しきれなかった
康光はやはり強かった あぶなげない横綱相撲だった
並みの若手とはまだまだ歴然と差があると感じさせた

この対局の見どころは、ヒフミンの解説だった
いつものように独特の手振りを交えて話が止まらないヒフミン、
それでいて的確な解説なのだからさすがだ
▲3四歩の取り込みから▲3三角と打ち込む強襲を発見したときには、
本当に心の底からうれしそうに解説していた
見ていてこっちまでうれしくなってくる(^^;

環那ちゃんとのやりとりも良かった
環那「『駒は取られる直前が一番働いている』という格言がありますものね」
ヒフミン「え、そんな言葉があるんですか?私は知りません、新しい格言ですね」
ここは笑った ヒフミン、50年間棋士をやっていて、この格言を聞いたことがないとは(^^;

康光「優勝までの道のりはまだ長いと思うんですけど、次の一番に全力をつくしたい」とコメント
2008.08.18 帰省中の話
人間には「命令」がきてないのか?
私が人間の脳を奪ったとき、1つの「命令」がきたぞ・・・
゛この種を食い殺せ″だ!

あ、ちがった、これは「帰省中の話」じゃなくて、「寄生獣の話」だった(つ、つまらん)

さて、普段は帰省するとヒマなのだが、
今年はオリンピックのおかげで全然退屈することがなかった
この10日間、オリンピックづくし、テレビばっかり見ていた

実力を発揮できた選手、全く発揮できなかった選手、どちらを見るのも面白い
家族で見ていて、一番盛り上がったのが、なんといっても柔道の石井慧だった
試合直後のインタビューに答えた「オリンピックのプレッシャーなんて、
斎藤先生のプレッシャーに比べれば、屁のつっぱりにもなりません」
この発言には、家族一同爆笑した(^^;
石井慧の試合後のインタビュー ↓
http://jp.youtube.com/watch?v=zceU1xhRZ9s

次の日、ニッカンスポーツを買ってくると、石井慧がでかでかと載っており、
「これで日本に生きて帰れます」、趣味「写経など」にはまた爆笑した
そして、どこの出身の人かなー、と思って記事を見ると、やっぱりというかなんというか、
「大阪府出身」・・・あちゃー(^^; また大阪が誤解されるやん?
大阪はこんな人ばっかりとちゃうでー、いや、こういう人も多いけどね(^^;
第16期 銀河戦
決勝トーナメント 1回戦 第2局
久保利明八段 vs 豊島将之四段
対局日: 2008年7月16日
解説:北浜健介七段
聞き手:藤田 綾女流初段

19年度の戦績は、豊島30勝12敗、久保31勝23敗
2人は初手合
豊島は、矢内、佐藤紳哉、藤倉、高崎、田中魁秀、飯島に勝っての最多勝ち抜き者、
久保は、北浜、渡辺に勝っての最終勝ち残り者だ

先手豊島の居飛車、久保のゴキゲン中飛車になる
久保の2五の歩をいきなり取る△2五桂が、この将棋の最大のポイントとなった
豊島は右銀を手数をかけて繰り出す作戦に出たが、
6段目まで進出させた銀が、かえって負担になってしまった
△3二角、▲1八角と打ち合ったが、こんどは1八の角が端攻めで狙われるハメに・・・

その後、久保の完璧な指し回しに、豊島は粘りはしたものの形にさせてもらえず、
豊島の完敗になった 久保の完勝だった
解説の北浜の指摘より、終始いい手を指していた久保、さすがだった

このゴキゲンから△2五桂と跳ねて一歩をかすめ取る順、
かなり有効だと思わされた一局だった
とにかく後手は狙いがわかりやすい
たしか、数年前のNHK杯でも、千葉涼子がこの順をやられてボコボコに負けていた
本局もゴキゲン党にはとても参考になる一局だったと思う
自分なら、▲2五歩と伸ばす手を保留して、この順になるのを避けたいところだ

豊島は、まあ本局の負けは仕方ないと思う
ポイントが△2五桂の対策、というところくらいしかなかったからね
自分なら対局者なら、もう途中で投了していたところだったが、
一応飛車交換までもっていったのは、力を見せた
豊島はまだ18歳、今後に期待したい

久保「2回戦もまた1からのつもりでがんばりたい」とのコメント 
第16期 銀河戦
決勝トーナメント 1回戦 第1局
阿部 隆八段 vs 松尾 歩七段
対局日: 2008年7月16日
解説:北浜健介七段
聞き手:藤田 綾女流初段

いよいよはじまった決勝トーナメント、
いきなり自分の一番の注目棋士、阿部が登場だ

19年度の戦績は、阿部19勝18敗、松尾35勝14敗
2人は初手合
阿部は中田宏樹、丸山に勝っての最終勝ち残り者、
松尾は村山、南、堀口一史座に勝っての最多勝ち抜き者だ

阿部先手で、後手松尾のゴキゲン中飛車から角交換、両者銀冠に組み、
後手から△5五銀とぶつける展開になる
これ、マイナビオープン決勝の▲矢内vs△甲斐で、とても似た展開があったよなあ、
と思って見ていた そのときはたしか後手の△6九角に▲1八角と打ち、
先手の▲1八角がすごい効き目で、矢内が快勝していた
本局では阿部は△4七角に▲3五歩△同歩▲3四銀とした

その後、馬で飛車を追う千日手模様になったが、阿部が打開した
しかし同一局面が4回出現で、実は千日手になっていたようだ
「途中、千日手が成立していましたが、投了優先の規定で先手勝ちになりました」
とのテロップが最後に流れた こんなのは、はじめて見た(^^;
記録係が「千日手です」と言えば、千日手になっていたのだろうか

千日手打開後の阿部の指し回しは絶品だった
△3五馬の銀取りに、局後に北浜が誉めた一手、手抜きで▲8五歩でリードした
そして松尾のいきなり攻めに転じた勝負手の△8六歩にも全く動揺せず、
手抜きで▲5六銀、銀をタダでくれてやる発想はすごい!
そして寄せの▲6四歩、タダ捨ての▲6四銀、
最後の極めつけは後手の△6六飛の王手に
「読みきってます」といわんばかりの▲7七玉!
普通、万一負けにすると怖いから、玉は上に逃げる順しか考えないだろう
くうー、まさに阿部さん絶好調、とはっきり感じた一局だった

いやいやいや、阿部さん強い!
一局を通して松尾が特に疑問手を指したとは思えなかったのに、
阿部さん好手連発での快勝!
阿部さん、これまでの将棋を見ていて内容が良かったんで、好調とは思っていたけど、
今回もここまで強いと、見てて気持ちよかったあ(^^)

阿部「あと一番勝てば準決勝で、優勝が見えてくるんで、勝ちたいですね」とコメント
いけいけ、サンドウィッチマン伊達ちゃん、じゃなかった阿部さん!
これは優勝できますぜ!
なんか最近、自分は阿部さんのファンになっている(笑)
愛知県に帰省するため、8日から10日間ほど更新停止します
早ければ一週間くらいで大阪に帰ってくるかもしれませんが(^^;
昨日の記事ですが、16期銀河戦のベスト局、
第3位が丸山vs阿部、第2位が斎田vs天彦、
じゃあ第1位はどれだ?と思ってみてくれた人がいると思う
実は、自分では第1位は豊川vs広瀬の棋譜を載せる予定だったのです
この対局を見た直後の自分の感想はこんなふうでした↓
http://mune1232007.blog121.fc2.com/blog-entry-373.html

ところが、今日このブログにアップするために、メモを取りながらもう一度見てみると、
そう大した内容ではなかった・・・ むしろ普通レベル・・・
解説の武市さんもそんなにキレのある解説ではない
なんで、以前はあんなに感動したんだろうか
自分は豊川が好きで、応援していたっていうのはあるけれど、
プロの将棋では特筆するほどの内容ではない

他にこれといった対局も思いつかず、DVDに焼いて残しているわけでもない
ぐううう、第1位が不在になってしまった・・・

第1位の内容の将棋は、決勝トーナメントで見られると思うんで、
今はまだ無しということでお許しください・・・orz
今期の銀河戦の中で、特に面白かった対局を振り返ってみようと思う
(決勝トーナメントはまだなので除く)
第3位は、丸山vs阿部 これは阿部の名局だった
この一局は感想の記事でだいぶ棋譜の意味を書いたので、もういいとする↓
http://mune1232007.blog121.fc2.com/blog-entry-540.html

第2位は、斎田vs佐藤天彦 ↓
http://mune1232007.blog121.fc2.com/blog-entry-127.html
勝負としても面白かったが、感想戦での天彦の一言
「▲4二飛不成の打ち歩詰め回避で、詰まされる筋を読んでいた」は圧巻だった
コメントは解説の近藤六段のものです
私の考え等は(カッコ)の中に書いています

ファイル名:斎田vs天彦.kif
開始日時:2007年9月27日
棋戦:第16期 銀河戦 本戦Gブロック 1回戦
先手:斎田晴子倉敷藤花
後手:佐藤天彦四段

▲7六歩
*斎田倉敷籐花は振り飛車女王、佐藤四段は有望な若手注目株の一人です
△3四歩 ▲9六歩 △8四歩 ▲5六歩
*(ここで△8八角成~△5七角は▲6八角と合わせて受かります)
△8五歩 ▲5五歩
*▲9六歩とした関係上、5筋の位は取りますね(そういうものらしいです)
△8六歩
*次に▲7七角とされると、居飛車つまりません
▲同 歩 △同 飛 ▲7八金
*ここで△7六飛と横歩を取るのは手損するので、取ることは少ないですね
△8二飛 ▲5八飛
*ここで次に△8六歩は、▲5四歩△8七歩成▲2二角成△同銀▲5三歩成△7八と▲同銀で、居飛車は金得するんですが、玉頭にと金を作られて自信ないでしょうね
△5二金右 ▲7七桂
*これは斎田さんが考えていた手順かもしれませんね
*ひねり飛車と中飛車をミックスしたような形ですね
△6二銀 ▲4八玉 △9四歩
*次に△8七歩▲9七角△9五歩がありますから、ここで先手は仕掛けたいですね
▲5四歩
*△同歩▲同飛は、5四の飛車が大いばりという感じです ▲8三歩~▲8四歩~▲5二飛成~▲8三金のねらいもありますね
△6四歩
*ここで次は▲5三歩成△同銀▲6五桂△同歩▲2二角成△同銀▲7一角という順が考えられますが、▲6五桂のときに△4四銀と逃げられると、ちょっと無理かなーと思います
▲3八玉
*一気に手にはならないと思ったんでしょうね
△4二金上
*一番慎重な一手ですね
▲8七歩
*これはおだやかな一手ですね、もっとがんばるかなーと思いましたけど・・・
△4一玉 ▲6八銀 △7四歩 ▲6六歩
*これは△同角と取られるんですけど、▲6七銀で手をかせげますね
△6三金
*▲5三歩成を催促ですね 若干、後手が手得になります 
▲5三歩成 △同 銀 ▲6七銀 △5四銀
*力強い手ですね
*(ここで先手は8回目の考慮時間に入る)
▲2八玉
*(ここで後手は6回目の考慮時間に入る)
△6五歩
*いや、これは・・・▲同歩は△6六歩▲5六銀△5五歩ですね きびしいかもしれませんね どっちかが大丈夫じゃなさそうです 先手に返し技があるかどうかですけど・・・ ▲6八飛でしょうかね
▲9七角
*これは一気に大変な将棋になりましたね
△6六歩 ▲5六銀 △5五歩 ▲6五銀
*斎田さんが、平凡な駒組みを続けていては作戦負けになるとみて、戦いを求めましたね
△同 銀 ▲6四歩
*ここは一回打っておきたいですね
△5四金 ▲6五桂 △同 金 ▲6三歩成
*先手は桂損なんですが、玉形が違うので、形勢は難しいですね
△7五歩
*(ここで先手は最後の考慮時間を使う)
▲同 歩
*あ、じっと取りましたね 取った歩で▲5三歩を見ているのかな
△5四銀
*敵の打ちたいところへ打てですね 先手もここに先に銀を打っておく手はありましたね
▲6四歩
*と金は取られるわけにはいきません
△3二玉 ▲3八銀
*いや、この手は・・・先手は強い戦いができるようになりましたね
△5六歩
*形勢はわかりません
▲7四歩 △6七歩成 ▲同 金 △8七飛成 ▲5六金
*この金は遊び駒だったんですけど、さばけましたね
*(ここで後手も最後の考慮時間を使う 以下、完全な30秒将棋になった)
△9九角成
*壁角を解消しましたね
▲6五金 △5七香
*▲5九飛と馬取りに逃げる手を消して、歩でなくて香打ちですね
▲8八飛
*何がどうなっているのか・・・
△同 馬 ▲同 角 △同 龍 ▲6六角
*▲5四金は△5八香成で足りないとみましたね
△6八飛 ▲1一角成 △6五銀
*これで先手玉が詰めろかもしれません
▲8八馬 △同飛成
*若干先手が足りない感じですが・・・
▲5二金
*この手は詰めろではないと思います
△5五角
*これは危ない順がありますよ 打った角が抜かれるかもしれません
▲4六香 △6七角 ▲4二金
*これ、意外と、先手玉が詰まないので、なんだか思っていたよりも斎田さんにチャンスがありますね
△同 銀 ▲4一銀
*(ここで天彦が感想戦で指摘した、△3三玉以下の変化を分岐します)
△同 玉 ▲5二金 △3二玉
*これは、きわどいなあー 大変な終盤ですね 
▲4二金 △同 玉 ▲5三と
*あー、今▲5二飛と打ってみたかったですね
*これは取られちゃいますね
△同 玉 ▲6三飛 △5四玉
*4五には角が利いていて、詰まないんです
▲5八歩
*あー、これはちょっとね・・・
△7四銀
*上に逃げられますね
▲4三飛成 △6五玉
*もう捕まりませんね
*と金捨てが見えちゃったからね と金を捨てずに、▲5二飛~▲5五飛成でどうでしたかね
▲8九歩 △同 龍 ▲5七歩 △3九銀
*(これを▲同玉は、△4九角成▲同銀△同竜▲同玉△5八金▲同玉△6六桂以下詰みます)
▲同 金 △同 龍 ▲同 玉 △4八金 ▲同 玉 △5八金
▲3九玉 △4八金打 ▲2八玉
*ん、ほんとに詰みますかね?
△3八金 ▲同 玉 △2六桂
*いやー、さすがに手が見えますね
▲同 歩 △4八金
*きれいに詰ましましたね 以下▲同玉は△5九銀▲3八玉△4九角成▲2八玉△2七金で詰み、▲2八玉と逃げたら△2七銀▲同玉△4九角成▲3六玉△3五金まででピッタリ詰みです
まで108手で後手の勝ち

変化:78手
△3三玉 ▲3二飛 △2四玉
*(この順はどうだったか)
▲4二飛不成
*(こんな手がある?!)
△4九角成
*(これで先手は受けなし、あとは詰ますしかないが・・・)
▲2五銀 △同 玉 ▲2六歩 △同 玉 ▲3六金 △1五玉
▲1六歩 △1四玉 ▲1五歩 △2四玉 ▲2五歩
*(ここでもし、前に▲4二飛成としていれば、この歩が打ち歩詰めになり、打てない!)
△3三玉 ▲3二飛成
*(なんと、これで詰み!天彦は秒読みの最中、この順を読み切り、77手目の▲4一銀には△同玉としていたのだった)

近藤「序盤、斎田さんが苦しそうだったんですけど、反撃に出まして、
   と金を捨てたところではチャンスがあったと思うんですけどね
   佐藤四段の切れ味もすばらしかったですね」

感想戦での一言
斎田「(4五に角が利いているのを)うっかりしました」
天彦「(77手目)▲4一銀には△3三玉と逃げるつもりだったんですけど、
   ▲4二飛不成で取られて、負けだと思ったんです」
これは本当にすごい読みでした 77手目にその意味を分岐しています
16期銀河戦の本戦がすべて終了し、決勝トーナメント進出者が決まった
↓から右端にいくと決勝トーナメントの表があります
http://www.igoshogi.net/bangumi/ginga/sho_ginga_tr.cfm

ここで自分なりに優勝予想をしてみようと思う
本命 佐藤康光 
対抗 森内、阿部

この3人のうちから優勝者が出ると思うが、どうか
康光、森内は当然として、阿部が好調ぽいんで、かなりやるんじゃないかと思っている
そこに郷田がからむかもしれない

一回戦では橋本vs森内が屈指の好カード 
個人的に阿部vsハッシーの決勝戦を見たい

あと注目は最年少(18歳)の豊島だろう 6人抜きしたが、決勝ではどうか
それから、珍記録として、横山がDブロックでわずか2人抜きで最多勝ち抜き者になっている
過去を調べたわけではないが、最小勝ち数の記録に違いない(^^;
清水市代女流二冠vs糸谷哲郎五段  1回戦
解説 谷川浩司

ああー、清水、やはり及ばなかったか・・・ 残念!
考慮時間が0回対10回になったのは大きかった
敗因はそこだろう

清水先手で、後手糸谷の一手損角換わりからの後手四間飛車模様に進む
中盤、タニーの「清水さんが少しいいですね」という解説で、
盛り上がったのだが、まだあそこでは中盤、勝ちまでの道のりが長すぎた
考慮時間を使い切ってしまったのは「作戦負け」と言ってもいいと思う
「惜しかった」とは、やっぱり言えない、か・・・

この先手の戦法なのだが、後手からの角のにらみで▲1八飛と逃げるしかなく、
飛車が攻めに参加しづらいので、自分ではやりたくない戦法だ
その後の戦い方が難しいと思う 
まあ、自分は飛車大好き、飛車至上主義人間なんで(^^;

「怪物」糸谷の底は、この対局ではまだ見えなかった
感想戦の時間がほとんど取れなかったのが残念だった
第16期 銀河戦
本戦Hブロック 最終戦
羽生善治名人 vs 中原 誠十六世名人
対局日: 2008年7月4日
解説:三浦弘行八段
聞き手:安食総子女流初段

今期ここまでの戦績は、羽生44勝18敗、中原8勝11敗
2人の対戦成績は羽生の19-9
勝ったほうが決勝トーナメント進出の一戦

なお、このブログの「今期ここまでの戦績は~」という言い方だが、
実際には平成19年度の成績で、
(この対局の場合だと4月から対局日の7月4日までの平成20年度の対局は除く成績)、
ということで、実情と合わなくなってしまっている
決勝トーナメントに入ったら、書き方を変えようと思っている

先手羽生で、後手中原は一手損角換わり、相腰掛け銀での攻め合いになった
この対局、攻め合いになってからは、お互いに受ける手はほとんど考えられない展開で、
ポイントとなる局面が少なく、あっさり淡白な将棋になった
結果、後手の攻めが速く、中原の勝ち
△7三桂打の控えて打つ発想はさすが桂使いの中原だった

中原の攻めは最後一歩も余らず見事な攻めだったとはいえ、
この将棋での羽生の指し方、負け方はあっさりしていた
この将棋の対局日は7月4日、気になったので羽生の対局スケジュールを調べてみた

6月16・17日(月・火曜日)○ 羽生善治 森内俊之 ● 名人戦 第6局
6月19日(木曜日)○ 羽生善治 橋本崇載 ● 王位戦 挑戦者決定戦
6月21日(土曜日)○ 佐藤康光 羽生善治 ● 棋聖戦 第2局
7月2日(水曜日)○ 羽生善治 佐藤康光 ● 棋聖戦 第3局
7月4日、ここが銀河戦の収録日
7月8日(火曜日)● 佐藤康光 羽生善治 ○ 棋聖戦 第4局
7月14・15日(月・火曜日)○ 羽生善治 深浦康市 ● 王位戦 第1局
7月18日(金曜日)● 佐藤康光 羽生善治 ○ 棋聖戦 第5局
7月23・24日(水・木曜日) ○ 深浦康市 羽生善治 ● 王位戦 第2局
7月28日(月曜日) ● 糸谷哲郎 羽生善治 ○ 竜王戦 決勝トーナメント
7月31・8月1日(木・金曜日) ● 羽生善治 深浦康市 ○ 王位戦 第3局
8月6・7日(水・木曜日)   深浦康市 羽生善治   王位戦 第4局

名人戦が終わってから、現在までの羽生の対局スケジュールだ
見てのとおり、やっと名人戦が終わって永世名人を獲得したと思ったら、
超重要対局が目白押し、この間に取材なども多数受けているわけで、
この銀河戦に力があまり入らなかったのも無理はないだろう
というか、ここで負けてスケジュールをすっきりさせたのが棋聖戦の3連勝に
つながっている感がある
いつでも本気だせっていうのも、無理があると思う(^^;

中原「ひさしぶりの決勝トーナメントなので、自分の力を出し切ってがんばりたい」とコメント
先日、宇多田ヒカルのシングルCD(DVD付き)が中古200円で売られていたので買った
宇多田ヒカルのHPにサンプルで同じものが見れる
それで、DVD Prisoner Of Love (Video Clip) に出ている、
このショートカットの映像の髪型の宇多田ヒカルは、誰かに似ている、
誰だろう、と思っていると、なんと自分の妹だった
ジャケットの横顔が特に似ている↓
http://www.emimusic.jp/hikki/disco/single24.htm
妹に、「あんた、宇多田ヒカルに似ているなあ」と言うと、妹はまんざらでもなさそうだった
まあ、若干ひいき目に見ていることは妹には黙っておく
その下にある HEART STATION のジャケットの顔は全然似ていないし(笑)

それで、自分は誰に似ているか、ということだが、
10年ほど前は、SMAPの草なぎ君にかなり似ていた
テレビで草なぎ君を見つけると、「なんで自分がテレビに出てるんだ?」と
変な気持ちになることがよくあった
しかし、それから草なぎ君も自分も独自の方向に顔が変化し、今はほとんど似ていない
誰か似ている人はいないか、と思ったら、いた
プロ棋士の佐藤天彦がそこそこ似ていると思う
下のページの四段の棋士から、佐藤天彦を指定すると見れます↓
http://www.shogi.or.jp/syoukai/index.html
それにしても、写真に撮るときくらい、寝癖はどうにかならんのか(^^;
それとも、こういう髪型ってあるのか?

うーん、まあ似ている、といっても、こういう系統の顔、っていうくらいだけど・・・
佐藤天彦か・・・若干ひいき目かもしれない?
まあ、ブログだし、わかんないし、いいや(^^;

追記:上の記事を書いてから6時間、もっと似ている有名人がいた
歌手の森山直太朗だ あの「さくら」で有名な人だ
http://www.universal-music.co.jp/moriyama_naotaro/
これはどう見ても似ている 今度カラオケで「さくら」を歌おうっと(笑)
森山直太朗も、下のHPで天彦みたいな髪型をしていた
こういう髪型があるんですね(^^;
http://ent2.excite.co.jp/music/special/moriyama/index.html
第16期 銀河戦
本戦Gブロック 最終戦
藤井 猛九段 vs 島 朗九段
対局日: 2008年7月11日
解説:鈴木大介八段
聞き手:古河彩子女流二段

今期ここまでの戦績は、藤井14勝21敗、 島12勝23敗
2人の対戦成績は藤井の8-4
勝ったほうが決勝トーナメント進出の一戦

今期(19年度)、負け越している2人の対戦となった
藤井は不調なのだろう
戦型は、藤井先手で、まさかの相矢倉になった
角道を止めて持久戦に持ち込む、という意味で、
四間飛車と同じく研究しがいがあるのかもしれない

早囲いで積極的に攻めに出た藤井に島も冷静に対応し、
どちらがいいかわからない中盤が続いた
しかし、藤井が考慮時間0分になった時点で、島はまだ7分残していた
長考が好きな藤井にはこれはキツかったと思われる
▲7一銀の飛車の行き場を問う好手を指すも、島も△6六歩の好手で返す
大介「手が難しくて間違えやすいので、手番不利という感じですね」
結局、77手目の▲6二桂成が敗着になった
ここでは▲9五銀が正解だったとのこと
こんな手、自分には絶対見えないよ・・・

大介の解説は、序、中盤はすごくわかりやすかった 振り飛車党とはとても思えない
終盤はたくさん変化があったので、解説しきれなかったのはしかたない
大介の解説は、形勢判断が極端すぎるときがあるので、
それは聞いていて鵜呑みにしないよう気をつけている(^^;

藤井はこれからも矢倉も指すのか、どうなのだろうか
うーん、自分としてはやっぱり四間飛車を見たいけど・・・

Gブロックは島がまさかの最終勝ち残り者になった(^^;
島「決勝トーナメントに進出するだけでも栄誉なことなんで、
  この勝ち運を活かしたいです」とコメント