第17期 銀河戦
本戦Hブロック 最終戦
森内俊之九段 vs 野月浩貴七段
対局日:2009年5月14日
解説:丸山忠久九段
聞き手:斎田晴子女流四段
記録:渡辺弥生女流2級

20年度の成績は、森内26勝21敗 野月13勝13敗 2人の対戦成績は森内の2-0

解説の丸山「森内は重厚、それでいて瞬発力もある将棋
 野月は鋭い攻め将棋、大技、爆発力のある攻めが得意」

先手森内で、▲四間飛車藤井システムvs△居飛穴になった
丸山「野月の攻めを警戒し、防御力の高い四間飛車を選んだのかも」

2筋の歩を突き合い、先手が取り込んでいる間に後手は穴熊に潜るという作戦
普通はその後、後手は△2三歩と打って、キズを消して固めておくところだが、
野月は「消極的なのでやらなかった」とのこと

そこから攻め合いになる 森内は銀損ながら、飛車先を突破して竜を作った
野月も反撃、△2七歩の垂れ歩で攻め、丸山「うまい垂れ歩、先手には激痛の歩」

丸山「森内のほうに味のいい手がないんですね どう勝負するかなんですけど・・・」
森内、ピンチかと思われたが、端に桂を打ってから竜で香を補充、
丸山「この森内の勝負手はさすが、野月がどうやってもギリギリ」

野月は飛車取りを逃げずに△2二歩と受け、まだ長い戦いのかな~、と
思った瞬間、森内の大技が出た 角を切ってから、▲3三銀!焦点の銀打ちだ
局後、野月「▲3三銀は全く見えていなかった」
丸山「あっという間に受けなしになりました、一気の寄せですね」
森内の大技が炸裂、森内の快勝になった
手数81手、時間は番組開始から1時間6分で投了となった

一局の総括で丸山「難しい局面が多かったが、森内のうまい手作り、鋭い寄せが決まった」

感想戦を見ていて思ったんだけど、変化が多く、複雑すぎて全然わからない(^^;
本譜も、一手一手難しかった
藤井システムって、こんなに難しい戦法だったっけ うへ~

森内は、野月に対して過去2局とも四間飛車で勝っているそうだ
今回もそうだったので、3局とも四間で3連勝、ということになる 森内は作戦家なんだね
2009.07.30 兄からの電話
先日、兄から私に電話があった
普段、兄が私に電話をかけてくることなどあまりないのだ
何の用だろう?と思っていると、なんと最近、兄は将棋にハマっているそうだ
20年ぶりくらいで将棋をやってみたくなったそうだ

思い出せば、小学生の頃、2歳違いの兄とはときどき指していた
もちろん、私のほうが強かった(^^;
兄は自分自身の名前をつけた囲いを開発したりしていた
(私はNHK杯を見たり本を読んでいたので、まともな囲いにしか組まなかった)
それで、最後の終盤、詰むかどうか、になると、
兄は「♪これから始まる ♪王手の連続」という曲を作曲していて、
王手王手で迫ってきていたものだ

(電話にて)
兄「ヤフー将棋に行ってやったら、12連敗して、泣きそうになったで」
私「へえー(笑)」
兄「13局目は、『今12連敗しています』とチャットを打ってから対局を始めたわ」
私「・・・(^^;」
兄「藤井システムって何?」
私「藤井システムは、居玉のまま穴熊を一方的に攻め潰す戦法」
兄「将棋って、必勝法が見つかるはずじゃなかったの?」
私「必勝法が見つかるどころか、逆に最近、いろんな作戦がどんどん増えているんや」
兄「こんなうまいバランスのゲームを考えた人って、どんな人やねん」
私「いや、全くそのとおりやで、ゲームバランスが神がかってる」

その後、兄は20分以上、ほぼひとりで将棋のことをずーっと話しつづけた
私は「将棋のブログを書いているで」と言ったのだが、そのことには全然興味がないようだった(笑)
で、兄は20分ほどしゃべると、満足したのか、電話が切れた
兄はたまに、こういう電話をしてくることがある
いきなり、相対性理論の話とかを、突然電話してきて、延々としゃべるのだ

兄のこういう電話、誰かに似ているなあ、と思っていると、それは父だった
父も電話してきて、自分自身のしゃべりたいことを一方的にしゃべり、
満足すると一方的に電話が切れる、ということがよくある
・・・遺伝しているんだね(^^;

お盆休みには、ぜひ兄vs父の一局を実現させたいものだ
山田洋次さん
>「初心者~有段者までの勉強法」 自分よりちょっと強い人と指すことです。
>それに詰将棋の本を解くのもおすすめだと思います。三手詰めの本を買ってきて、
>一日一問でもいいので、解くようにすると、強くなりますよ。
>「有段者~県代表の頃」 棋譜並べと詰将棋を解いていました。詰将棋は七~十五手の詰将棋
>です。毎日、五問解くようにしました。これが終盤の基本につながり、自信にもなりました。
>詰将棋は先を読む力がつくので、必要だと思います。長い手数の詰将棋より、五~十三手の
>詰将棋は実戦で役に立つと思います。
>一、自分の指し将棋 二、プロの棋譜、三、詰将棋 四、次の一手
>これらを組み合わせて、自分なりの勉強法を作ると良いと思います。

山田洋次さんは、とてもノーマルな勉強法のようですね
「タバコの煙がいやで、道場には今も昔も全然行かない」と書いてあります
ネットもなかった時代、それでどうやって強くなったのだろう?と思っていると、冒頭の個所に
「将棋年鑑を高校生の頃は全局並べていたと思います。」とありました、さすがですね(^^;


渡辺俊雄さん
>普段は例えば北海道将連ブックスの詰将棋集、将棋世界(詰将棋サロンでも初級くらい)や
>週刊将棋の詰将棋など、簡単な詰将棋は解いていますが、あまり難しい問題を解いても
>意味がないような気がします。米長永世棋聖は「将棋図巧・将棋無双の200題を解けば
>最低プロ四段にはなれる」とおっしゃっていますが、これはこの200題を解く位の情熱が
>あれば、という意味で解釈しています。
>そういえば自分はトイレで詰将棋を解くことが多いのですが、
>この間解いたはずの詰将棋の本を再び開くと忘れていて、
>新鮮な気持ちで解ける自分に驚いてしまいます。

渡辺さんは上達法を色々試していて、「結局何が上達にいいのかはわからない」と書いていますね
「究極を言えば自分自身で考えていいと思ったことをやるべきだとしか、答えはないと思う」
とのことです これは私も同感ですね


ここからの3人は、昔のアマ強豪の人です 本人ではなく、宮崎国夫氏が著した伝記です
平畑善介さん
>「俺は昔、仕事が船乗りだったから、詰将棋が便利でよくやった。そこで実戦に最も役立つ詰将棋
>といえば大道詰将棋だ。大道詰将棋は一般の詰将棋と異なり、受け方の手法に妙技が多く、
>容易に詰みそうに見えるが、そうは問屋が卸さぬ。それだけに正解を発見するには深く正確な
>読みが要求される。というわけで、真の強者になりたかったら大道詰将棋が一番いい。
>俺は五百問くらい解いた。大道詰将棋は深く味わえば味わうほど、尽きない妙味が潜んでいる。」

>平畑善介が言う詰将棋の効用をまとめた。詰将棋はスポーツで言えば基礎体力をつける
>ランニングのようなものだ。たとえば野球選手が打つのが好きだからといってバッティング練習
>だけをいくらやっても真の強打者になれないのと同じで、将棋も指しているだけでは真の強者に
>なれない。また、定跡や新戦法など小手先の芸だけを覚えても然りである。
>基礎体力を身に付けていれば少々のことでは崩れない。

>平畑善介の上達法
>①天野宗歩の名局を約百局、初手から投了まで棋譜を全部覚える
>②「大道詰将棋」を約五百問解く
>③平畑善介の座右の銘「対局中は後悔しない」

ひえー、大道詰将棋ですか、私には無理です(^^;
基礎体力を身に付けていれば、少々のことでは崩れない、というのは名言ですね
上達法の③の、「対局中は後悔しない」は実行しようと思います


大田 学さん
>やはり将棋は深く読まなければいけない。弱いうちに早指ししては、将棋の腕が上がるわけがない。
>考えて勝つのが本当の将棋だ。

>大田は善さん(上記の平畑善介さん)と二人きりになると雑談の中、ダメでもともとと思い、
>意を決して聞いて見ることにした。
>「善さんのように強くなるには、どんな勉強を?・・・・・・」
>「天野宗歩の将棋を研究することと、大道詰将棋を一問でも多く解くことだ。」
>即座に返ってきた。大田にしてみれば僥倖(ぎょうこう)だった。
>以後、大田は善さんの教えを忠実に実行して一皮むけたのである。

「考えて勝つのが本当の将棋」というのは至言と思います
これは最近、私の胸に重く染み込んできていますね


小池重明さん
>棋書の定跡の本はなにが書いてあるかさっぱり理解できなかったので、「必死」の本を愛読した。
>それと、縁日で大道詰将棋に出会ってから興味を持ち「大道詰将棋」の本を探し求め、
>多くの問題を解いた。

この方法が、終盤型の小池氏の棋風を作ったんでしょうね

以上、11人のアマ強豪の人の詰将棋に関する部分を書き出してみました
今回、各氏の文を書き出してみて、私自身、得るところがあったので良かったです
7月25日放送の銀河戦Gブロック最終戦、羽生のすばらしい寄せが見られました
羽生の寄せはいったいどういう手だったのか、木村さんの解説等を参考に、
終盤の部分を私が解説文を付けました 激指4の力も借りてます(^^;

この棋譜の総譜を見たい方は、この銀河戦のページで探せば見れます↓
http://www.igoshogi.net/bangumi/ginga/sho_ginga.cfm

(棋譜の取り込み方をもう一度書いておきます
このブログの棋譜は、すべてKifu for Windowsというフリーソフトに対応しています
まずはそれをダウンロードしてください
そして、「ファイル名:谷川vs羽生 羽生、会心の寄せ.kif」以下からの下の部分を
棋譜の最後まで(変化順も含め)ドラッグして、青く反転させます、
青くしたまま、右クリック、コピーします そしてKifu for Windowsの「編集」→「棋譜、盤面の貼り付け」で、取り込むことが出来ます これで解説文を横に表示しながら、動く盤面で見ることが出来るんです)

ファイル名:谷川vs羽生 羽生、会心の寄せ.kif

開始日時:2009年5月15日
棋戦:銀河戦Gブロック最終戦
後手:羽生善治名人
後手の持駒:飛 角 桂 歩四 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・ ・v香|一
| ・v玉 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|二
|v歩v歩v歩v銀 ・ ・ ・v歩v歩|三
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・v歩 歩v歩 ・ ・ ・|五
| 歩 歩 ・ ・ 銀 ・v歩 ・ ・|六
| ・ ・ 銀 ・ ・ 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・v龍 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 金 銀 桂 
先手:谷川浩司九段

▲4三角
*83手目からの解説です
*手が広いところですが、谷川は角を金取りに打ちました
*自陣に引き成るつもりでしょうか?
△7二金
*金を逃げた羽生
▲6一角成
*谷川、なんと角を敵陣に突っ込みました
△7五桂
*攻めの拠点を作った羽生
*この手は詰めろではないです
▲7三歩成
*いったん歩を成った谷川
△同 桂
*
▲6四歩
*この手が詰めろです 次に▲7二馬で△同銀なら▲7四桂があります 谷川の▲7三歩成は、7四の地点に桂を打つ空間を作るためだったんですね
*▲7二馬に△同玉の変化は長いので、仮に後手の手を△3九飛として分岐します
*本譜はここで、羽生の妙手順が炸裂します
△8七角
*いったん角を王手で打った羽生
▲8八玉
*この一手
△9六角成
*これが絶妙手!!これが7四の地点に利いていて、詰めろ逃れの詰めろなのです 放置すれば△8七桂成▲7九玉△7八成桂で簡単な詰み しかし、ここは先手にもう適当な受けがないです 本譜は▲同香でしたが、代わりに▲7八銀と投入しても△6九竜▲9六香△9八飛以下、簡単に詰みです
*先手がすぐに負けないためには、馬をどかせなければならなりませんが、それには▲7二馬△同銀▲7四桂△同馬とするしかないです しかし、それでは後手玉が鉄壁になり、先手に勝ち目が全くなくなります
▲同 香
*しかたなく▲同香と取り、形を作った谷川
△8七飛
*この手を見て、谷川投了
*羽生、会心の寄せでした
*投了図以下を分岐しておきます
まで12手で後手の勝ち

変化:13手
▲7八玉
*投了図以下はどう詰むのでしょうか
△8九飛成 ▲同 玉 △6九龍
*飛車を成り捨て、竜で金を取る
*これで後手の持ち駒が、金と桂になります
▲7九桂
*桂合が一番長い
△9七桂
*ここから桂打ちが王手 香車を吊り上げた効果ですね
▲8八玉
*▲9八玉でも、以下の後手の手は全く同じです
△8七金
*金を捨てる この時のために、7九の合駒は桂が最善だったんです
▲同 桂 △8九龍 ▲9七玉 △8七桂成
*これでピッタリ詰み、羽生、本当に見事な寄せでした

変化:8手
△3九飛
*もし、仮にここらへんに飛車でも打っていたら、後手玉はどう詰むのか、並べておきます
▲7二馬
*これを△同銀は▲7四桂で簡単です
△同 玉 ▲6三歩成 △同 玉 ▲5四金
*いっぱいあるので、王手していけばいいですね
△7二玉 ▲6四桂 △8二玉 ▲7一銀 △9二玉 ▲8二金
*余り詰めですね 谷川の▲6四歩は詰めろでした
*(▲6四歩の局面に戻る)
宮田敦史五段vs橋本崇載七段  NHK杯  1回戦
解説 渡辺明  聞き手 千葉涼子
次週、矢内が出場する関係で、今週は千葉が聞き手だった

解説の渡辺「宮田敦史は、詰将棋(を解く速さ)が有名です 
 プロ間では終盤力の評価が非常に高い 序、中盤は惜しみなく時間を使い、終盤切り抜ける
 ハッシーは、筋のいい本筋のきれいな手を積み重ねていく将棋」

ハッシーは服は灰色のスーツで地味だが、ピンクのネクタイだ
頭にはソース焼きそば(大盛り)をかぶっている

渡辺「宮田敦史は意外と明るい、人前だと緊張するらしい」
千葉「宮田はゲームセンターにある太鼓型のゲームが得意」だそうだ
千葉は、どこからこんな情報を仕入れたのだろう(^^;

先手宮田で、初手▲5六歩で始まった この手を見た瞬間、自分は「相振りかも」と思ったら、
やっぱりそうだった 初手で戦型がわかるとは、自分もかなりのマニアになったものだ(^^;
相振りになった理由は渡辺が詳しく解説してくれた
相振りの場合、中飛車って損なんだよね 結局どこかに飛車を振り直すことになる

序盤、宮田は早々に5筋を突いていき、5筋の位を取ったが、これはまずかったようだ
時間もどんどん使っているわりに、作戦負けっぽい
自分レベルでもこれは損な作戦だろう、と思って見ていた
渡辺「早くも先手がいやな将棋、先手をもちたくない、まとめにくい」

本当にどんどん時間をつぎ込む宮田、本格的な戦いが始まる前に、もう9回も考慮時間を使った
こんな使い方をするプロは、他では加藤一二三くらいか
千葉「気持ちいいくらいの使いっぷり」
渡辺「自分だけ時間があって相手が30秒だと、どこかで間違うだろうと思って勝った気になる(笑)」

盤上の模様もだいぶハッシーがいいし、もう後はハッシーが攻め続けるだけ、
サンドバッグ状態が見れるんだろう、と思っていた
宮田の作戦は相当まずく見え、誰かが宮田の負け将棋のことをこう言っていたことを思い出していた
「ゴルフで例えると、パターがいくらうまくても、
ティーショットがまっすぐ飛ばないんでは、話にならない」
これは終盤がいくら強くても、序盤が無茶苦茶ではダメ、という例えなのだが、
実にうまい表現と思っている

・・・が?!ハッシー、2筋の歩を突くタイミングが遅く、手順前後!
宮田に形勢の挽回を許してしまった
渡辺「先手、夢のような展開」
しかし、またハッシーにチャンスがめぐってきて、銀を出たときのハッシーの手つき、
バシッ!!と勢いよく銀を叩きつけていた ところが、宮田に受けられてみると、妙に寄らない
逆に、ハッシーの高美濃が、2枚飛車で一気に寄せられ形になってしまった
まさかこんな展開になるとは・・・

渡辺「橋本さん、楽勝だったと思うんですけど・・・ 呆然としてますよ」
千葉「すごいくやしそうな顔してる」
負けにしてから、何度も頭をうなだれるハッシーが見られた
この将棋を負けにするとは、もうくやしいを通り越して、自分自身にあきれていただろう

この一局、渡辺が指すときの手つきでお互いの心理状態、形勢判断を話してくれたが、
それが的確で面白かった
渡辺「手つきが元気がないですね」「また元気が出たようです」「怒りの手つきで(笑)」

渡辺は最後に「大熱戦でした」と言っていたが、自分はさすがに今回の内容はどうか、と思った
宮田の作戦負けをとがめて、ハッシーが快勝していなければおかしい内容だったと思う
渡辺の解説が的確だったこともあるだろうが、宮田の作戦のまずさ、ハッシーの攻めのまずさが
印象に残ってしまった
ハッシー、講座をやっているだけに、いいところが見せられず、残念だった

<今週のやっぴー>
新聞のTV欄を見て、今日の聞き手は千葉涼子、と事前にわかっていたのにも関わらず、
番組がはじまって千葉を見たとたん、「おおっ!!」とびっくりして声を上げてしまった
いなくなってわかる矢内のありがたみ度 ★★★★★
さあ、来週はいよいよ矢内の登場、期待大!
第17期 銀河戦
本戦Gブロック 最終戦
羽生善治名人 vs 谷川浩司九段
対局日:2009年5月15日
解説:木村一基八段
聞き手:山田久美女流三段
記録:伊藤明日香女流初段

20年度の成績は、谷川18勝17敗 羽生44勝21敗 2人の対戦成績は羽生の96-62
やっぱり、この2人の対戦数の多さは例外中の例外だね(^^;

解説の木村「谷川は軽快な棋風で、終盤のするどい寄せは光速の寄せと言われる
 羽生はどの部分も強いが、終盤のドロドロした内容をしっかり一手勝ちするのはさすが」

先手谷川で居飛車、後手の羽生は4手目△3三角戦法で四間に振った
角交換から、谷川が▲7七角の自陣角を打ち、後手の桂頭を狙ったのだが、
羽生の実に巧妙な受けで、角の打ち損になってしまった
このあたりの羽生の受けは、本当に見事だ 自分には全く真似できないだろう
木村は丁寧に解説してくれた 変化が多くて自分はひとつ疑問が残ったが、
高度な応酬なのでまあしかたがない

羽生も自陣角を打ち、谷川の攻撃陣を完全に押さえ込んでしまった
谷川は普段は相手より持ち時間を多く残して戦うことが多いが、
谷川残り4回、羽生7回と差がついた 木村「ちょっと谷川が困っちゃった」

しかし、さすがは谷川、歩を突き出して、馬を作る筋を見せた
木村「これは最善の勝負手でしょう」 谷川、一気に形勢を難しくした
ここで羽生の超高度な手がでる 「自陣の角をいったん浮いて攻めを見せ、
谷川の銀を上がらせてからまた角を引いてぶつける」という手だ
木村も全く気づいていなかった 木村「すごいテクニックが出ました」 
自分ならこんな手、一生に一度指せるかどうか まあムリだろう(^^;

ここから一直線の攻め合いになった
谷川が角を打ち、自陣に引き成るのかな、と思って見ていたら、なんと相手玉のほうに
突っ込んでいったではないか!これはもう詰むや詰まざるや、だ

谷川が巧妙な歩打ちで羽生陣に詰めろをかけた瞬間だった
出た、3手一組のスーパー絶妙手!!
△9六角成に、自分は思わず「おおおおお!!」と声を上げてしまった 
木村「これはすごい手が出ましたね」
聞き手の山田久美も「次の一手に出したいような手ですね」と2回も言った

木村は△8五桂と跳ぶ手を解説していて、△9六角成には全く気がついてなかった
終局後すぐに、谷川も「いや~、うっかりしてました そうか」
羽生、渾身の絶妙の寄せで、快勝!

いやいや、魅せたね!これが羽生なんだね 
木村も谷川も全く気づいていなかった手が指せる、△9六角成は「一番強いのはオレだ」という
羽生の言葉が聞こえてくるような一手だった

前期の銀河戦では、中原を相手に元気なく負けた羽生だっただけに、
自分は、羽生のこの銀河戦にかける意気込みを心配していたのだ
何しろ、収録時期が名人戦とモロにかぶってしまっているからね
でも、今期はやる気のようです!決勝トーナメントの羽生にも、好局の期待大です
田尻隆志さん
>一年間の浪人生活だったが、毎日が日曜、得がたい修行の日であった。
>強豪の各氏に徹底的に揉まれ抜いた。強豪の人と会えない日はひたすら棋譜並べ。
>それ以外は、常にワンランクもツーランクも上との叩き合い。これはもう馬鹿でも伸びる(笑)。
>浪人時代からアマ名人になる大学四回生まで、私が修練として徹底的に行なったことは
>変わりない。とにかく棋譜並べと、棋力が上の者との実戦の反復、それの繰り返しである。
>それ以外で、例えば詰将棋は小さい時から本能的に?嫌いで、せいぜいどうしようもなく暇な
>ときに三手詰~五手詰を数分考えるくらいだった。それで解けないときはすぐ投げ出してしまう。
>長手数モノは見ただけで吐き気がする(笑)。
>よって今も昔も終盤戦一手違いを勝ち切るのは苦手である。
>読者の方はもちろん、長手数も含めやっておいた方が良いと思うが(笑)。

田尻さん、正直に書いてくれてますね、「長手数モノは吐き気がする」って(^^; 私もそうです(笑)
詰将棋はやらず、棋譜並べと格上との実戦で鍛えたんですね 貴重な意見ですね


早咲誠和さん
>詰将棋に関しては、以前から東京に行く度にいろいろな詰将棋の本を購入していた。
>旅の移動中や普段でも、道を歩きながら私は常に本を読んでいる。
>詰将棋パラダイスは昔の本であっても本棚からひっぱり出してはよく解くし、
>北海道将棋連盟発行の詰将棋の本はコンパクトサイズで、街中を歩く時に丁度良いサイズだ。
>詰将棋を解かない時間が少しでもあると、解くスピードが格段に遅くなったと感じる時がある。
>私は詰将棋派ではないものの、実戦の終盤では時間が残っていることはほとんどなく、
>短い時間で詰み筋を閃かせることは将棋の勝負の上でもとても重要なポイントだと思っている。

早咲さんは、詰将棋に関してはノーマルなタイプのようですね
ただ、道を歩きながら本を読むことは私は賛成しかねます 早咲さんは大分ということですが、
私の住んでいる大阪では、交通事故に遭う確率が高く、危険すぎますね


山田敦幹さん
>私のお勧めする最善の勉強法は、自分より二ランク位上の実力の人と指しまくることです。
>詰将棋についてですが、実戦の終盤力を鍛えることが目的ならば実戦を指しつづけたほうが
>効果的に決まっていると思います。将棋の勝ち方は実戦を指しつづけることで、
>自分の体で覚えるしかないと思うからです。

山田敦幹さんはどちらかと言えば詰将棋否定派のようです これも貴重な意見ですね
しかし、全国大会で壁に当たったときは、「必至の問題集を買い込み解く」「詰将棋も本格的に
やることにして、詰パラを定期購読し空いた時間で解いた」そうです
第17期 銀河戦
本戦Fブロック 最終戦
渡辺 明竜王 vs 阿部 隆八段
対局日:2009年5月14日
解説:丸山忠久九段
聞き手:斎田晴子女流四段
記録:渡辺弥生女流2級

20年度の成績は、阿部21勝16敗 渡辺27勝21敗 2人の対戦成績は渡辺の3-2

解説の丸山「阿部は腰の重い本格的な将棋、渡辺は手がよく見えるきびきびとした攻め将棋」
とのこと  丸山は鮮やかな茶髪だ

先手阿部で、▲角道を開けたままの向かい飛車vs△居飛車になった
序盤、阿部が▲7八金型にして渡辺陣が整わないうちの速攻を狙ったが、
結局お互いに美濃囲いの持久戦に落ち着いた
阿部は渡辺の穴熊を阻止し、自分だけ一歩持ったので、まずまず満足の展開だ

斎田「渡辺竜王は穴熊が好きですよね」
丸山「穴熊はみんな好きですね」
ここは笑った 丸山は穴熊が特に大好きだろう(笑)

丸山「阿部のほうからどうやるか、手作りが難しい」と言っていたが、
阿部は持った一歩を垂れ歩に使い、見事に局面を打開した
そして、飛車先の8筋をモロに突破することに成功だ
ただし、阿部は金銀が左方面に遊び駒になってしまっている

丸山「阿部がうまくやっている気もするが、空を切っている気もする
 部分的に阿部がいいが、形勢はよくわからない局面が続いている
 相手に指させているけど、効いているかはわからない、渡辺の一流の芸」

ここから、驚くべき展開を見せる 
渡辺はなんと、飛車を見捨てて、タダで取らせてしまったではないか!
一時的に、飛車の丸損だ これにはさすがにびっくりした
渡辺陣は金銀4枚の高美濃囲いにはなったが、さすがに飛車のタダ取らせには驚いた

ここから阿部は受けまくって、切らしにかかることになる
渡辺は細い攻めをつなげることができるかどうかだ
阿部が受けの手、美濃の4九の金を▲5八金と上がったとき、バシッ!と駒音をさせたが、
これは気持ちがわかる(^^;  4九の金は急所の位置だもんね

金の両取りの銀を打たれ、渡辺の攻めが続いたかと一瞬思われたが、
阿部は「両取り逃げるべからず」で攻めの香を打って対抗、これが好手だったようだ
渡辺の角打ちも逆用して、竜を自陣に引き成ることに成功した!
丸山「ついに形勢に差が出たのかな これだけ後手玉が固いと、どっかで喰いつかれて
 負けちゃうパターンが多いんですが、ちょっと竜王困りましたかね」

やったあ、阿部、これで完封で全駒状態だ、と思って見ていたのだが、
渡辺は変なところに金を打ち、なぜか手が続いた
まだ続いた渡辺の攻めに、阿部は「え~?」と唸り声をあげ、
自陣を受けつつ攻めあいに持ち込んだ

丸山「形勢は阿部がいいが、間違えたら終わり」と連発していた
丸山といえば、激辛流と言われたこともある棋士だ
逆転する危険をよくわかっているのだろう
しかし本局、阿部は最後まで緩まず、勝ちきった!

局後の総括で、丸山「渡辺が細い攻めをつないだが、阿部が長い時間受け切った、すばらしいです
 阿部は充実しています」とのことだった
この一局、阿部の力勝ちで、会心譜と言えると思う
角道を開けたままの向かい飛車、この作戦の優秀性を見せてもらった
居飛車側はどう対応すべきなのか、対策がわからない 

自分はまた阿部将棋に魅力を感じることになった 
阿部の棋風と、波長が合うのだろう 
見ていて、ああ、自分もこんな風に指せれば、と思うんだよね
決勝トーナメントでも、またこんな将棋を見せてほしい(^^)
「新アマ将棋日本一になる法」(本木書店 2200円+税 2008年8月発行)から、
各人が詰将棋に言及している部分を抜き出してみました
アマトップの人達は、詰将棋にどう取り組んでいるか、参考になるかと思います
(読みやすいように、原文を省略してまとめた部分があります、了承ください)

天野高志さん
>中学時代の頃から、環境の整わないおかげで却って頭の中に局面が浮かぶようになった。
>初手から終了まで頭の中で並ぶ、というのは大事なことだ。
>皆さんに上達法としてお勧めするのは、棋譜をつける習慣(できれば頭の中だけで)
>そして頭の中に盤面を設置したら如何?ということだ。
>そろばんの上級者は、指で玉をはじく動作で暗算をやってのける。頭の中にそろばんがあるからだ。
>あれと全く同じことだと思う。決して難しくない。努力次第でたどりつけると思う。
>頭の中に局面を作る訓練として、詰将棋は有効だ。もしあなたが詰将棋マニアでなく
>指す方で強くなりたいのなら、なるべく実戦形のものを選んで頭の中だけで解く事。

天野さんは、詰将棋をまず本を見て配置を暗記して、それで頭の中だけで解けるんでしょうね
これは自分にはムリです・・・(^^; 
これが出来たらいつでも詰将棋を考えることが出来て、さぞ便利でしょうね


遠藤正樹さん
>詰将棋でいえば、実戦形のものなら、五十手台くらいまでならやる。
>東海大学時代は、平均的な一日は、昼間、授業に行って夕方から将棋部の活動で
>将棋を指して夕方七時過ぎに夕飯、その後何人かで私の部屋に来て時間の許す限り将棋を指す。
>日付が変わる頃、後輩が帰ると棋譜並べや詰将棋を二時間ほどやって寝る。
>次の日も同じようなことの繰り返し。誰も来ない日は、棋譜並べや詰将棋の時間が増えるだけだ。
>自分は、日本中の大学生の中で練習量は一番だと自負していた。
>社会人になってからは、ばらつきはあるが棋譜並べ、詰将棋を二、三時間程度は毎日続けている。

遠藤さんは、昨日取り上げた個所も追加です
昨日の個所では、長編は不要、とあったんですが、今では五十手台くらいまでやるんですね・・・(^^;
あと、大学時代の練習量が、ハンパではなさそうです、さすがですね


清水上徹さん
>「幼稚園~小学生時代は駒落ち定跡の徹底修得と詰将棋」
>家では詰将棋ばかり解いていた。先生から紹介された「詰将棋パラダイス」を定期購読し、
>「詰めパラ」の「高校」まで解けるようになった。現在、私は自分を「終盤型」だと自負しているが、
>それは当時、詰将棋をたくさん解いたからだと思う。
>詰将棋は終盤の読みの局面のために解くのではない。基礎となる「読み」の訓練に効果的な
>勉強法だと思う。スポーツ選手にとっての走りこみみたいなもので、将棋の基礎体力をつけるために
>必要だと思う。詰将棋の問題がそのまま実戦に現れることは少ないが、読むことはどの局面でも
>同様に重要だ。アマ強豪で終盤の強い人は、総じて昔詰将棋をたくさん解いた人が多い。
>詰将棋を解くと終盤が強くなると言われているが、ある程度真実だと思う。

小学生時代から「詰めパラ」を解いていた清水上さん、もうこれは筋金入りですね
「脳トレ7手詰」をやって、思うところがあった
それは、自分はやっぱり、どうにも詰将棋というものが苦手だ、ということだ
易しかった94問まではすんなり行ったが、難易度が上がった95問からはもうダメダメだった・・・
ひとつの問題を、5分以上、考えるのが苦痛なのだ
そして、解けない問題が2問も続くと、あー、オレってダメだー、orzという状態になってしまうのだ

もう一度、原点に戻って考えてみた
詰将棋が好きでない自分が、なんのために詰将棋をやっているのか?
それは、24で2000点になりたいためだ これが目的でやっているのだ

ならば、自分がやるのは、もう易しい詰将棋だけでいい、と考えた
今までの自分の考えでは、13手くらいまでの普通の難易度の詰将棋が解ける事を目標としていた
しかし、それはもう思い切って、あきらめることにした
7~9手までの易しい詰将棋を解けるだけでいい、と思った

自分にとって「難易度が高めだな」と思う詰将棋はもうやめることにした
やって楽しいと思える、自分に合った詰将棋本、または易しいものだけを解くことにした
(今までで、楽しいと思えた本は6~7冊ほどある)
そういう本を何度も繰り返しやって、解くスピードを速めることで、
読みを速める訓練をすればいい、と考えた (もちろん、問題の答えは忘れた頃に解く)

「自分にとって、難易度が高めの詰将棋はあきらめたほうがいい」という考え方に
気づかせてくれた「脳トレ7手詰」は、ひとつの転機になりそうだ
難しい問題より、易しい問題を多くやって、結果、24のRを指すときの30秒将棋で、
読みの速さ、正確さがアップすれば、それでいいのだからね

自分は「TV将棋観戦」ということをやっているわけだし、
詰将棋に関しては、もうそれでいいと思った

「新アマ将棋日本一になる法」から、自分が共感した、遠藤正樹さんの部分を引用しておきます
P53より
>詰将棋は、初心者から有段者になるまでは熱心にやらなくても影響ないが、
>さらに強くなるには必要なトレーニングだと思う。
>ただし、長編は不要。大会の終盤は秒読みか切れ負け、
>長時間かけて読みきることは不可能だ。けれども詰み筋が浮かばないと詰ますことは
>できないので、短編の実戦形はやったほうがいい。
>その場合、気合を入れすぎて自分よりレベルの上の難しいのをやらないこと、
>私もそうだが、本棚に飾られるだけだから。
>その代わり、自分のレベルより下だと思うのはたくさんやるのがいいだろう。
>今でこそ詰将棋は重要だと思っているので、作品集をはじめいろいろやるが、
>三手詰めから九手詰めくらいのものがたくさん載っているのが一番楽しい。
>ずばずば解けて気持ちいいし、あっという間に一冊解き終わる。
>そんな簡単なものにお金を出すのがもったいないなら、
>古本屋の一冊100円コーナーにあったりする。これは結構お勧めだ。

追記:(同日、昼)
週刊文春の最新号、偶然にも、ちょうど先崎さんの話がこの話題だった
先崎さんは、趣味の碁を今のアマ五段以上に上達させたいが、
これ以上強くなるには詰め碁をやるしかない、とプロの人に言われたそうだ
それで、先崎さんは、「簡単な詰め碁をたくさんやればいい、というのは密かに間違いだと
思っている」とのこと
「手に余るような難しい問題を、ウンウン唸って考えてこそ、上達するものと思っている」とのことだ
「しかし、詰め碁はどうにもやる気が全く起きない」と書いてあった(笑)
このあたり、悩みは共通のようですね
脳トレ7手詰 
北浜健介著  発行 日本将棋連盟 販売 毎日コミュニケーションズ
1200円+税 2009年6月発行
レイアウト良し 裏透け微妙にあり
難易度 ★★☆~★★★ (最後の5問ほど ★★★★)
評価B
コンセプト<易しい7手詰100問、ただしラスト5問ほどは難しい>

「脳トレ」と聞いて、どういうことをイメージするか、によって、この本の評価は変わると思う
北浜さんは、まえがきでこう書いている
>タイトルの通り本書はトレーニング用の易しい7手詰問題集です。(中略)
>将棋を覚えて間もない方もぜひ挑戦してみて下さい。

自分は、「脳をトレーニングする」んだから、難しい問題が並んでいるんだろうな、と思った(^^;
で、実際の中身の難易度は、ハッキリ言って低いです
まえがきにあるとおり、最初の40問までは、本当にスイスイ行けた
行き過ぎるくらいだ だって、1200円出して買ったんだから、もうちょっと悩む問題もないと・・・

41問目から80問くらいまでも、特にストップすることなく、通過していった
あれ?これ、途中から難しくなるんじゃないの?でも、もう80問まで来ちゃったよ

81問目から94問目までも、それほどは難しくなかった
あれ?もしかして、自分の棋力が上がったのか?それならうれしいな、と思ったら・・・

95問目から、急に難しくなりやがった!95、97、98、99、100と、全くわからず答えを見るハメに!
それまでがずっと快調だっただけに、この本のあり方は、
「自信をつけさせておいて、最後にそれを奪う」ということに結果的になったorz
こらあー、もうちょっと考えて難易度の設定してくれー(笑)

北浜さん、短編の詰将棋はあまり作ったことがない、と書いてますが、
それが作品からも出てますね 簡単すぎるのが多すぎだし、最後の5問は一気に難しい(^^;

これで100問で1200円は、コストパフォーマンスが悪いとしかいいようがないです・・・
かかった時間は、実質、1日1時間ほど、3日で終わったから、
合計3時間ほどで解き終わりましたね(最後の5問で時間を取られた)

これ、最後の5問もそれまでと同じ難易度にして、見開き4問にして問題数を200問に増やし、
1000円にして、タイトルを「7手詰ハンドブック」にすれば良かったのに、って変えすぎか(笑)

最初は評価をCにしていたんだけど、ある事情により、ワンランク上げて、Bにしました
それは、この本を解き終えてみて、自分が「詰将棋」と今後どう付き合っていけばいいか、
自分なりに考えて、得たものがあったからです
それはまた明日書くことにします
堀口一史座七段vs内藤國雄九段  NHK杯  1回戦
解説 福崎文吾

解説の福崎「シーザーは居飛車一刀流で、壮大な構想力を持つ、独創的なイメージがある、
 理想が高い将棋 内藤は自在流のニックネームどおり、相手によって対応する」とのこと

ちなみにシーザー34歳、内藤69歳だ
シーザーは前髪が薄くなっているが、今後大丈夫だろうか
内藤先生は、神吉さんの情報によると、糖尿病になったそうだ

戦型は、先手シーザーの銀冠居飛穴模様vs後手内藤の四間飛車△3二金型になった

福崎「内藤は(年齢のわりに)頭がシャープ、まあ頭がどうにかなってたら勝てないですけどね」

福崎「内藤九段は詰将棋の大家、一番有名なのは『ベンハー』、僕は1回か2回並べましたけど、
 感動しましたね 矢内さん、並べました?」
矢内「・・・・・・は(^^;」
福崎「あ、指しました!」
ここの場面、あきらかに、矢内の“しまった、並べてない”という空気が視聴者に伝わってきて、
話を変えた2人、面白かった

シーザーは居飛穴に囲ったものの、▲8八角型で、そんなに固くない
感想戦では、序盤、失敗したと思っていたとのこと
内藤は気をよくして仕掛けたが、これがすでに後から見ると敗因、
なんと仕掛けが成立していなかったとのことだ

中盤、駒の交換があり、けっこう難しいのかと思って見ていたんだけど、
気がつけばシーザーのほうは金銀6枚で
縦にトーテムポールみたいなのが2列もできてる うわあ
これはもう内藤が勝つイメージができない、と思っていたらそのとおり、
金銀に押し潰されて内藤の圧敗!

対局が終わって直後の2人が映し出されたが、あまりの大差がついた終局に、
どちらからもしゃべらず、気まずい空気が流れていたように思う(^^;

内藤「(本譜は)読み筋どおり、予定どおりで悪くなった
 (駒組みが終わった段階で)調子に乗って攻めずに、待っておくのが正解だった」
結局、内藤の左金が全く働かなかった あ~あ

解説が福崎さんで、終盤、次にどう指すか言わなかったので、自分で考えることになり、
この対局はそれでよかったと思う 例えば解説者が森下で、「これはもう終わってます、
大差です、次の手はこれ」とか言っていたら、楽しめなかったと思う
最後の桂打ちは自分は見えてなかったしね

あー、しかし、この大差は悲しかった ベテラン内藤、力を見せられず残念

<今週のやっぴー>
光沢のある銀色っぽい長袖のジャケットに、赤のインナー でも、夏なんで薄着がいいな 服装B
矢内がこの収録の後、ベンハーを並べた確率 ★★★★
第17期 銀河戦
本戦Eブロック 最終戦
深浦康市王位 vs 久保利明棋王
対局日: 2009年5月19日
解説:島 朗九段
聞き手:藤田 綾女流初段
記録:渡辺弥生女流2級

20年度の成績は、深浦27勝24敗 久保49勝24敗 2人の対戦成績は深浦の13-11
この対局に勝ったほうが決勝トーナメント進出の一戦

解説の島「深浦は粘り強さが身上、逆転勝ちが多い、負かしにくい棋士
 久保はサバキまでの味付けがうまく、駒を中央に集めるのがうまい」

先手深浦の居飛車急戦に、後手久保のゴキゲン中飛車だ
久保が序盤早々、△6二玉型のまま、△6五銀と玉頭銀に出て、
いきなりのっぴきならない戦いになった

深浦、角銀交換の駒損になったが、後手の3三の桂頭を攻める手が残っているので、
形勢難しい、と思われたときに、出た、久保の△4五桂のタダで取られるところへの跳躍!
これが桂をサバいた絶好手、島も「久保さんらしい好手」と賞賛、一気に久保優勢になった

ところが!島「深浦はもう指す手がなく困っている」と言っていたのに、
久保が自陣の金を、深浦の銀と自ら交換にいったではないか これが大悪手だったようだ
金を手にした深浦、なんとその金で、久保の飛車を詰ませてしまった! げええ
久保、離れ駒の金を中央へサバいたつもりが、大悪手!

形勢が大逆転、島「久保さんもこの急変にはガクゼンとしてますよ
 あれだけ良かった将棋をこんな悪くなってね
 しかし久保さんはあきらめないですよ ガッカリしてしまわないんです」

たしかに久保は粘った 深浦は、桂得でと金も作っているのだが、なんと深浦側が
長期戦は不利、と判断する将棋になった
島「延々やりますよ、これはね 楽しい中盤ですねー まだまだ楽しめますよー」

この対局、序盤の早々に『4分経過』、『7分経過』とテロップが出て、
収録時間がオーバーしたことがわかった
まあ、それは仕方ないのだが、展開がとにかく、お互い遠まわしにボチボチ攻める手しかなく、
長いという将棋・・・ 久保は相当不利になってからも、延々粘った

結局167手の長手数、しかも戦いが早々に始まったため、ずーっと中盤の戦いだった
もう、この暑いのに、ああ~、見ていて溶けてしまいそうだったorz
最後に深浦がようやく王手して詰ましに行きやっと終わった
ホントにこの対局を見ていた人、全員お疲れ様、だった(^^;

ひとつ技術的なことは、△6二玉型でも△6五銀と戦いを起こす順がゴキゲンにはある、
とわかり、これはもう変化が多すぎて、本では書ききれない、と思った
ここ2日、体調が良く、実戦を指す元気があった
しかし、結果は14戦して3勝11敗という、さんざんな成績だ(すべて早指し)
Rが100点も落ちてしまった(^^;
四段の方に教えていただいた一局をのぞき、他は全局、同レートの人と指している

内容を書き出してみよう
1局目● 四段の人の四間飛車、力負け まあこれは仕方がない

2局目● vs矢倉模様、矢倉崩し右四間で無理矢理攻めたのがもう敗因、
 もっと駒組みを続けたら作戦勝ちが見込めた あせりすぎだ

3局目● 一手損角換わり、中盤、普通に金を取っていれば良かった
 金を取らず、飛車取りに歩を成ったら、その金で詰めろをかけられた ぐあ よくばった手が敗着 

4局目● 一手損角換わり、居玉のまま戦いを起こしてしまったが、相手のミスがあり優勢になった
 終盤、もう勝ったと思って考えず指したら、その一手が悪手、逆転負け 

5局目● 矢倉模様の序盤の駒組みで、サクサク指していたら、5筋の位を取られるのをうっかり、
 出た銀が無条件で下がらされた あとは圧敗 序盤で駒がぶつからないうちに勝負が決まった

6局目○ vsゴキゲン中飛車、相手が筋違い角を打ってきたが、その構想にムリがあった これは快勝

7局目○ 相手の三間飛車vsこちらの右四間 急に戦いになったが、34手の段階で、
 なんと相手が時間切れ負け(^^; これは勝ったうちに入るのだろうか

8局目● 先手一手損角換わり(笑)で、vs右玉
 うまく戦いが始まった、と思っていたのだが、切らされて完封負け
 局後、棋譜を見てだいぶ考えたが、戦いが始まってからはどうももうダメなようだ

9局目○ vs四間、例によって飛車先突かず棒銀から、超激しい変化になる
 きわどく勝ったが、終盤、これは本当に勝っていたのだろうか 

10局目● 角換わりから、相手が筋違い角を打ってくる こっちがリードしている、とずっと思って
 いたのだが、最後に居玉が祟って負け ああー 大局観が悪い

11局目● vs三間に右四間で対抗 なんと中盤、無条件で桂、歩の丸得になる 
 しかし、香を相手の馬の利きに打ってしまう(タダ取られ)、などの悪手を指し、大逆転負け おーい

12局目● 一手損角換わり 相手が早繰り銀できたので、こちらは腰掛け銀で対抗、
 これがツボにハマリ、圧倒的な作戦勝ちになる もう負け様のない体制を築く
 しかし、そこから玉を囲ったのだが、これが逆方向だったようだ 戦場に近づいた
 さらに終盤も相手の働いてない飛車を取りにいく、
 という愚手を指し、なんとこれを負け さすがにショックを受ける

13局目● vs四間飛車、こちらは例によって飛車先突かずの棒銀
 お互いにミスがありつつも、均衡を保って最終盤へ突入、
 どっちが勝つか、詰むや詰まざるやの大熱戦になる
 結局、逃げられてしまい、170手で負け ああー、まあこれは仕方ない 納得の負け

14局目● こちらの先手一手損角換わり(笑)から、相手の失着をとがめて、終盤、必勝形
 もう勝ちだ、終局だと思っていた すると、相手が飛車の引き成りを指してきた これを全くうっかり
 そこからこちらの手が乱れ、大、大逆転負け ぐああ
第17期 銀河戦
本戦Dブロック 最終戦
郷田真隆九段 vs 山崎隆之七段
対局日: 2009年5月27日
解説:野月浩貴七段
聞き手:古河彩子女流二段
記録:野田澤彩乃女流1級

20年度の成績は、郷田28勝19敗 山崎26勝18敗 2人の対戦成績は郷田の5-1

解説の野月「郷田は居飛車党の本格派、曲がったことが嫌いで、男らしさが盤面から伝わってくる
 山崎は発想力に富んで感性豊か、色んなところから予想もしないような手が飛んでくる、
 人柄も面白い好青年」

先手郷田で、後手山崎の一手損角換わりの相腰掛け銀になった

野月は一手損角換わりを「先手は手を多く指している分、形を決めすぎちゃった、動きすぎちゃった、
ということがある ただ、僕は指さない、相手がやってくれるとありがたい」と解説
野月は横歩取りが得意だから、この戦法を指す必要がないんだろうね

野月「山崎さんは自虐的なことを、ユーモアを交えて言う 
 ウケ狙い、笑いは取りつつ、内心は違うことを考えている」とのこと

さて、中盤早々に、山崎が△8二角という自陣角を打ったのだが、局後、山崎いわく「これがもう敗着」
まだしも、△6四角と打っていれば、△7三桂の活用が見込めたとのこと
山崎は郷田に対戦成績が1-5と分が悪いので、山崎「気持ちで負けているのが手に出た」
本譜は、郷田に▲7四角という筋違い角を打たれ、この角を消去するのに、後手の金が
遠く離れることになってしまった これで後手陣はバラバラだ

後はもう一方的な展開、いかりや長助ならずとも、ダメだこりゃ、
という他はない将棋になってしまった ああーorz 
山崎の懸命の手作りに、郷田は徹底したリスク回避の先受けの手で対応、全く何もさせなかった
郷田は受けもそうだが、攻めもリスク回避で歩だけを使って攻めた
野月「(山崎は)指す手がなくなっちゃいます、(郷田は)攻めも細心の注意を払っている」

郷田のあまりに冷たい手の連発に、感想戦で山崎は「(郷田さんは)今日は何かイヤなことが
あったのかな」と言ったほどだ(笑)
感想戦では、どうやったら山崎は形づくりができたか、が話の中心だった(^^;

野月「山崎さんとしては全部受け止められて、本当にくやしいでしょうけど、郷田さんの
 会心の一局でした」とのこと  一局を通して、野月の解説はわかりやすかった

山崎にとっては、すでに決勝トーナメント入りが確定した後の将棋だった、ということが幸いだ
ホント、それだけの差が開いた内容だった 野球で言えば、コールド負けだ
郷田は、大量リードしているのに、スクイズで1点を取りにいくような手を指していたと思う(笑)
山崎、感想戦は、ボヤキっぱなしだったね
自分が見てても、もう中盤以降、どうしようも勝ち目がないのが
盤面から伝わってきた一局だった(^^;
体調がひさびさに良かったので24で実戦を指そうかな、と思っていると、
運よく、知り合いの強豪の人に一局教えてもらうことができました!ラッキー!
やっぱり、知っている人と指すのは楽しいです
向こうから「指しますか」と言ってきてくれました(^^)
ひとつシャレができた、「指そう、と誘う」(^^;

ファイル名:09Jul16 知り合いの四段の方との一戦.kif
開始日時:09/07/16
棋戦:レーティング対局室(早指し)
先手:四段の方
後手:Gizumo

▲7六歩
*相手は知り合いの某強豪の人(^^)
△3四歩
*私は後手です ちなみにほぼ1ヶ月ぶりの実戦(^^; 
*しかし、この3日で「のびのびしみじみ5手詰」を100問解いており、さらに体調も良かった
▲6六歩
*相手の人は四間飛車が得意戦法です
△6二銀
*私は飛車先突かずの作戦
▲6八飛
*後手は飛車先突かずなので、先手としては三間飛車石田流が有力ですね  
△4二玉 ▲7八銀 △3二玉 ▲1六歩 △1四歩
*急戦党なので、端歩は受ける
▲3八銀 △5四歩 ▲6七銀 △5二金右 ▲4八玉 △4二銀
*これで私は急戦に決定
▲3九玉 △7四歩 ▲2八玉 △7二飛
*予定の袖飛車作戦
▲7八飛 △7三銀
*この銀上がり、ちょっと早すぎたかもしれない
*(先手はまだ▲5六銀~▲4五銀の玉頭銀の可能性があるので、そうなるとこの銀が遊ぶ可能性がある)
▲6八金 △6四歩 ▲5六歩
*この手で玉頭銀がなくなった ちょっと一安心だ
△8四銀
*ここに銀が出るのがこの作戦
*こうなった時点で、心理的にちょっとこっちがリードしていると思う 居飛車の自分は予定通りの自分の思い描いた形、振り飛車の人はほとんど見たことがない形のはずだからね
▲9六歩 △5三銀
*まだ仕掛けない じっと待つのが有力と思った
▲9八香 △4二金上 ▲4六歩
*この歩も、振り飛車側にとっては良し悪しと思う
*(4七の地点が空くので)
△9四歩
*まだ仕掛けるのは待ってみる
▲7九飛
*ん?形が乱れたか、と思ったので、次で仕掛けた
*しかし、後のことを考えれば、△1二香とか△9二香とか、待ってみるのも面白かったと思う
△6五歩
*取ってくれれば終わるのだが(^^;
▲7七金
*こう受けるのでは、居飛車ペースか
*でも、心理的なものだけどね
*次の手、すごく迷った 取り込むか、△7五歩か
*両方あるようだ さらに、△7三桂というのも有力だったようだ
△6六歩
*取り込んだ これでも一局だが、△7三桂っていうのもやってみたかったな 指している最中は見えなかった
▲同 銀 △7五歩
*まあ、普通の手だろう
▲5五歩
*この突き捨て、振り飛車党の常套手段ですね
△同 歩 ▲5九飛 △7六歩
*あら、取り込めちゃった
*相手の人は、うっかりした、とのこと
*ただ、先手も金が寄るのは味がいいので、それほどポイントを奪ってはいないようだ
▲6七金
*次の手、本局で一番後悔した手 ふつうに△7五銀とすればよかった
△6五歩
*これ、実は相手は取れないと思った(^^;
▲同 銀
*あらら、何事もなく取られた!
*なんで▲同銀をうっかりするかなー
△7五銀 ▲5五角
*角をサバかれてしまった が、まだ形勢は難しいようだ
△同 角 ▲同 飛
*次の手、△7八角も考えたが、どうも気乗りがしなかった
△9九角
*ここに打ってみた
▲5九飛 △8八角成
*怖いけど、手を渡すことになった
*次の自分の狙いは△7八馬だ
▲5五角
*あら、それを嫌がったのか、角を合わせてきた
*△7八馬は▲5七金で、両取りが残って後手自信なし
△同 馬 ▲同 飛
*あら?この局面は、さっきと同じではないですか(^^;
△8八角
*手を変えた もしかして、千日手もあったのかな?
▲5八飛 △7九角成
*これで千日手はなくなった
▲5五角
*これがきついけど、こっちも金当たりに桂馬を取れるから、どうか
△8九馬 ▲6八歩
*しっかり受けられた ちなみに、序盤で香車を△1二香とか、△9二香と上がっていれば、▲5五角は痛くなかったわけだ 結果論だけどね
△4四銀
*うーん こんなところか (これを▲同角~▲6一銀は先手が切れ筋のようです)
▲9一角成
*形勢はまだ五分のようだ しかし、手が広くて、とてもじゃないけど、正解手がわからない・・・
*激指4によると、なんと△9三桂が有力だそうだ
*実は△9三桂はちょっとは考えたけど、さすがに実戦でそんな手を指せるほど強くない(^^;
△7七歩成
*なんとなーく筋と思って成った 30秒はキツイ
▲同 金 △7三桂
*ここらへんの数手が形勢を分けてしまった
▲7四銀
*結局、この銀を呼び込んだのがいけなかったようだ
△8四銀 ▲8三銀成
*この銀成は読み筋だった 成銀と馬が遊んでいるので、この瞬間、何かあれば、なんだけどね
△5七歩
*この歩が悪手 かといって、ここではすでに不利なようだ 次の手はノータイムで指されてしまった
▲5九飛
*げっ この飛車引きが馬取り、これが見えてなかった・・・ 致命的だ
△6二飛
*この手でがんばってみた もし先手が馬を取れば、△6八飛成で、次に△5八歩成が残り、かなり有望なのだが! しかしそんな甘くはない、次の手、決め手でした
▲6七香
*ぐあっ! これは強烈! 馬取り、飛車取り、ついでに銀、桂取りだ あ~あ
△同 馬
*でもまだがんばってみよう
▲同 金 △5五桂
*なんとかならないか
▲7三成銀 △6七桂不成▲5七飛
*逃げられたか 成銀で飛車を取られても、きびしかったけどね
△5六歩
*苦し紛れ
▲同 飛 △7三銀 ▲同 馬 △5五香
*最後のお願い
▲8六飛
*くう~、かわされた
△5九桂成
*どうにか一手違いに・・・
▲6二馬 △4九成桂 ▲同 銀 △6二金
*あ~、こっち歩切れなんだよね
*しかも、▲5四桂がめちゃめちゃ厳しい
▲8一飛成
*ここで、最後の勝負手があった、と局後に教えてくれました それは△3九銀!▲同玉に△7一金!▲同竜なら△9三角の王手竜取りだ なるほど、すごいです
*それでも駒損がひどいので、やっぱり負けは負けですけど、30秒将棋なんだから、やってみる価値はありますね
△6一金打 ▲5四桂
*痛い
△6五角
*また▲5四桂のおかわりがくるのを防いだ攻防手
▲4二桂成 △同 玉 ▲6四飛
*決まりました
△5八香成
*形作り、いちおう△3九銀からの詰めろ
▲6五飛 △4九成香 ▲6二飛成
*合駒を使うと、先手玉の詰めろが消えてしまいます
*万事休す
△同 金 ▲3一角
*負けです 相手の人「序盤はそちらの作戦に惑わされて、不利になった感じ」とのこと
*ただ、急戦は中盤、手が広く、居飛車側も容易ではないです その分、指しがいはありますけどね
*激指4の検討モードでも、本譜以外の有力な変化がいっぱいありました
まで103手で先手の勝ち
マイナビオープン、矢内が岩根に3-0で防衛か
岩根さんは1勝もあげられず残念だったけど、自分は矢内さんが勝ってうれしい
NHKの聞き手をやっている間は、何かタイトルを持っていてほしいものだ
6月9日に指して以来、24では指していない・・・
他は、友人Nと1局指しただけ つまりこの1ヶ月で実戦が1局という有り様
詰め将棋は、この半年で「いちばんやさしい7手からの詰将棋」を1冊解いたのみ
他は相変わらず銀河戦とNHK杯の観戦だ

Rocky-and-Hopperさんのミシュランによると、北浜さんの「脳トレ7手詰」は、
難易度が易しめということだ 実は、この本、関西会館の売店でパラパラめくってみると、
なんだか難しそうだったので買うのをやめていたのだ
だって、違う種類の持ち駒が4枚とか、そんなのがたくさんあったんだもん(^^;
でも、難易度が低いなら買おうっと

今日の午前中は、「のびのびしみじみ5手詰め」をザックリ解くぜ!と思って図書館に行った
そしたら眠たくなって、1問解いただけで帰ってきた・・・orz
佐藤天彦五段vs佐々木慎五段  NHK杯  1回戦
解説 阿久津主税

解説の阿久津「天彦は昨年の新人王で、バリバリの若手 これからが楽しみ 本格的な居飛車党
 佐々木は軽快なサバキの振り飛車党、中終盤は粘り強い」
ちなみに天彦は21歳、佐々木は29歳だ

先手天彦で、▲居飛車穴熊を狙った持久戦模様vs△角道を止めた中飛車から、
四間に振り換えた佐々木
これも定跡であるそうだ へえー

阿久津「天彦は自分に自信があるようです、僕も昔はそうでした(^^;」
まだ21歳なんだし、自信があるほうが頼もしいね

矢内「佐々木五段は対局前に詰将棋を解いてましたね まじめなんですね」
阿久津「でも、答え見てましたね(笑)」
ここは面白かった

さて、佐々木は馬を作ったが、天彦の▲4四角という手が見えにくい手だった
阿久津「天彦のセンスが出た一手」
佐々木はここで一気に考慮時間を5回も使った さらにその直後にも使った
佐々木の馬を一つ寄る手は自分も見えたんだけど、天彦の飛車を一つ引く▲3七飛っていうのは
全く見えなかった こんな手があるんだな~

阿久津「一手指したほうが良く見える」という展開になったが、佐々木の△3一金と打った手が
疑問のようで、天彦に2枚換えされてしまった
自分は馬で後手の飛車を取るものとばかり思っていたので、▲同馬としたときに
「うわっ」と声を上げてしまった 金を取る手があったのか(^^;

後は順当に天彦が押し切った、と書きたいところだのだが、
実戦では佐々木も相当粘った 自陣角と自陣桂で、阿久津に「ギリギリで受けている、
実は佐々木の一番得意な展開」と言わしめた

最後の最後、佐々木は△7九金として▲同玉で投了だったが、△5九金ならどうなっていたのか、
自分でははっきりした手順がわからなかった うーん
激指4で調べると、いったん▲7一竜と切って、形を決めてから▲4四角成がいいのか
それか、単に▲6八金と逃げてもいいのか そうか(^^;

やっぱり天彦は終盤、落ち着いている ▲5四歩と突き出すのは、相手の角道が通るので、
怖くてなかなか突けないわ 読みを裏付けした「見切り」が飛びぬけているんだろう
色々難しいところはあったが、天彦の順当勝ちと思う

それにしても、感想戦を、もうちょっとアマチュア向けにしてくれないだろうか
本譜の終盤を中心にやってほしい(^^; 
対局者同士が序、中盤をやりたがるのはわかるけど、もう別の将棋だもん
矢内もついていけてなかったね

<今週のやっぴー>
まっ白いジャケットで清潔感を出していた 服装A
髪型が先週までと変わっていた 前髪を横分けから切りそろえて下ろし、後ろ髪が跳ねていた
なんだか全体にネコっぽい感じになっていた
でも、矢内はイヌ型かネコ型かどっちかと言えば、イヌ型と思う   矢内のネコ度 ★★
第17期 銀河戦
本戦Cブロック 最終戦
佐藤康光銀河 vs 橋本崇載七段
対局日: 2009年5月19日
解説:島 朗九段
聞き手:藤田 綾女流初段
記録:渡辺弥生女流2級

20年度の成績は、ハッシー28勝18敗 康光32勝21敗 2人の対戦成績はハッシーの2-1

解説の島「ハッシーはタイトル戦の登場が待たれる若手の代表格
 受けがしっかりしていて、渋い、地味な手が光る
 康光は前期銀河戦の内容が圧倒的だった」

ハッシーは真っ白のスーツ、ワイシャツはピンク、頭はソース焼きそばをかぶっている

先手ハッシー、後手康光は一手損角換わりだ
ハッシーの早繰り銀を康光が四間飛車に振って受ける展開

解説の島は「ハッシーが気持ちよく指している 先手が有望」と常に言っていたのだが・・・
終盤になってみると、康光の△4六歩~△4七金の軽妙かつ強引な攻めが決まって、
康光の快勝! なんでだ ドタッ

島「ハッシーの完勝形だった気がしますが、康光が終盤、ハードなパンチを決めて、
 一気に抜き去った」とのこと
が、しかし、感想戦で色々と検討してみると、どこにもハッシーが優勢だった局面など
見つからなかったのだった 島の疑問に、康光は全て明解に答えていた
もう~、島さん、期待させないでよ(^^;
ハッシーも特に自信はなかった、とのこと

康光の玉は3~4段目の中段玉だったのだが、そんなこと康光は気にしている様子は全くなく、
おかまいなし、だった これくらいの玉形の乱れは、康光にとっては乱れのうちに入らないんだろう
相手の攻撃に対し、全て的確に対処する自信あり、という感じが感想戦から見てとれた

あ~、こういう相手に勝っていかないと、タイトルは取れないんだね
羽生世代がいる限り、若手の前途はなかなか開けないようだ
2009.07.11 寝てばかり
この1週間、ハンパなく寝てた
ずーっと寝っぱなし・・・
ほとんど何も出来なかったが、ひとつシャレが出来た

「寝てばかり 埋葬されて しまいそう」 チーン 
第17期 銀河戦
本戦Bブロック 最終戦
丸山忠久九段 vs 小林裕士六段
対局日: 2009年5月22日
解説:山崎隆之七段
聞き手:本田小百合女流二段
記録:伊藤明日香女流初段

20年度の成績は、丸山19勝21敗 デカコバ19勝11敗 2人の対戦成績は丸山の2-1

解説の山崎「丸山は居飛車党で手厚い棋風、デカコバは早見え早指しの攻め将棋」

先手丸山で、後手デカコバの一手損角換わり
1筋の突き合いがあり、▲早繰り銀vs△腰掛け銀になった
デカコバが△6四角と、よくある角を打った手に対し、丸山は▲1八飛と逃げた
そこでなんと、デカコバが△1五歩の強襲! これは初めて見た
一歩持ち合っているので、▲1五同歩なら、△1七歩▲同飛△2八角成の狙いだ
しかし、仮にこうなっても、▲3八角と受けておいて先手悪くない、とのこと これは参考になった

本譜はなんと、デカコバが打った角を、丸山の1九の香車と交換せねばならない、
という展開になった ぐえ、これはデカコバがつらそう

角2枚を持った丸山、そこからは的確極まる指し方で、デカコバを攻め倒した
感想戦では、デカコバのほうはまだ粘る順もあったが、デカコバ本人はもうあきらめてしまった、
とのこと ちょうど1時間という短時間で対局が終了した

山崎「僕はデカコバにはだいぶ負け越してます、攻めは本当に強いです
 ただ、受けさせると大したことはない(笑) ポッキリいくことが多い」と言っていたとおりだった
受ける展開になってしまったこの将棋、デカコバのいいところが発揮されなかった

デカコバが勝負手で、相手の角2枚がいるほうへ玉を逃げる、という好手を指したときには
山崎「『受けは大したことはない』って言ってしまって(^^;」
となったのだが、そのあと、すぐあきらめて形作りをしたデカコバを見て、
山崎「やっぱり大したことなかったかな(笑)」  ここのところは面白かった

デカコバ、早指しで強いときはホントに鬼のように強いので、
決勝トーナメントでは攻め将棋に持ち込んで、いいところを見せてほしいものだ
丸山は、これまた別格に強い・・・
実は、NHK杯で矢内vs櫛田戦があるが、その勝者が丸山と対戦するのだ
矢内、多分丸山相手では勝ち目は相当薄いので、一回戦の櫛田戦に全てを賭けてほしい
2009.07.09 ガリガリ君
暑くて、早くも夏バテ中・・・ ここ3日ほど寝っぱなしだ
アイスの「ガリガリ君」(1本39円)を4本買ってきて、食べ始めたら、
美味しくて4本一気に食べてしまった こんなネタしかありません
<第59話>
馬島「勝負だろ? 勝ちゃ 何でもいいじゃん」
飛鳥田「でも あれ(ゲーム機の使用)は助言の一種で 反則だよ」
馬島「助言? 誰も何も“言”ってないのに? 英語の試験だって 辞書持ち込みOK あるんだぜ
 参考資料持ち込んで 何が悪いんだよ 将棋ってそんな ちっぽけなもんかい?
 もっと大らかになろうよ」

(息を大きく吸い込んだ飛鳥田)
飛鳥田「てめぇなんか 将棋指す資格 ねぇんだよ!! 二度と顔見せんな!!」

ついに飛鳥田君、ブチ切れました!!すごい形相です!!

飛鳥田“──って言えたら どんなに楽か・・・ 団体戦でらんなく なっちゃうし・・・”

ブチ切れは、幻でした(^^; けど、マジでこの馬島君、どうにかして下さい・・・

飛鳥田「あ!あ!帰んないで!」
馬島「まだ なんか?」
飛鳥田「んーと んーと あ!!そ・・・そうだ 
 馬島くんは オキテ破りの極悪人で 人間のクズ カス呼ばわりされても 勝てばいいんだよね?」
馬島「いや そ・・・そこまでは・・・」
飛鳥田「いい話があるんだよ」
馬島「ん?」

飛鳥田君、何か思いついたようです それにしても、「オキテ破りの極悪人」とか「人間のクズ カス」
って、強烈な言い回しです

(教室にて とても明るい内村がいた)
内村「先輩 指しましょう!! 平手で相手したげます」
角野「あ・・・ そ・・・ そう? 機嫌いいね」
内村「そりゃ そうですよぉ 今やアタシと言えば お城将棋で勝利し
 女流プロと知り合いの顧問がいて アマトップに勝った友達はいるし
 ギャア 負けた!!」
角野「そりゃあ 平手では勝てないでしょうね」
内村「変だな? 先輩を最初の踏み台にして ビクトリーロードを まい進するつもりだったのに」
角野「そ・・・か そりゃあ残念だね(^^;」
内村「む」
馬島「よぉ」
内村“ウマ 来たよ”
鳥山香“うっわー どの面下げて”

ここの内村さんと鳥山さんの顔、苦虫をかみ潰したような顔になってます
どの面下げて、ということですが、たぶんウマヅラ下げて来たんだと思います

馬島「昨日は先帰って 悪かったね 一局指してよ」
角野「飛鳥田?」
飛鳥田「まあ・・・ まあまあ いろいろあっても頼むよ 角野くん」
馬島「ともに全国目指す 仲間じゃないかぁ」
角野「チッ・・・」
(対局が始まった)

ファイル名:馬島vs角野 角頭歩戦法.kif
先手:馬島
後手:角野

▲7六歩
*馬島「一局指してよ」
*飛鳥田「いろいろあっても頼むよ 角野くん」
△3四歩
*角野「チッ・・・」
▲8六歩
*馬島「へへ」
*角野「!」
△8四歩
*角野「バカにしとるのかぁ!!」
▲2二角成 △同 銀 ▲7七桂
*馬島「へへ」
*(ここで後手が△8七角は、▲6五角で先手良しです)
△6二銀
*(この手では、△5四角もあるところです でも△6二銀は最も無難な対応です)
▲7八金 △6四歩 ▲6六歩 △6三銀 ▲6七金
*角野“なんだ これ? どういう作戦だ”
△7四歩 ▲5六金
*(ここで△6七角の打ち込みは、▲9八角で受かってます)
△7三桂 ▲6五歩 △同 歩 ▲同 桂
*角野“なんだよ こんな桂!”
△同 桂
*馬島“かかった!!ウホッ”
▲7三角
*角野「・・・」
*飛鳥田“あ~あ・・・”
*(しかし、実際の形勢はまだ互角のようです)

<第60話>
『平手初形図 最も弱いと思われる場所 角頭 その角頭を自ら突く!!
 当然相手はそこに襲い掛かるが 案に相違して簡単に攻略できない
 これが「角頭歩戦法」である
 この異形にして変格な戦法を有名にしたのは 誰あろう米長邦雄である』

馬島「へー ベイチョウさん?」
内村「こらこら 日本将棋連盟 現会長をなんて呼び方!! コメナガ会長です」
『パンパな知識で人を諭す女 内村』
馬島「へー そう読むの?」
角野「どっかから抗議きたら 全部あいつらのせいな」
飛鳥田「・・・」

角野「しかし・・・いいのか? こういうハメ手っぽいのより 基本手筋から教えたほうがよくないか?」
飛鳥田「先手の反対は?」
角野「後手?」
(飛鳥田、歩を持った)
角野「ふひょう おい いったい?」
飛鳥田「ちなみに馬島くんは・・・ こうて ほへい って読んでた ななろくほって」
角野「うわ・・・」
飛鳥田「でもそれって 馬島くんが真っ白いまま なんだと思う
 どんな考えにも染まってないなら ハメ手でもなんでもいいから 
 興味を持ってくれるところから 取り掛かったらどうかな・・・ってね」

(本を持って角頭歩戦法を調べる馬島)
馬島「おー結構 面白いじゃん 角頭歩戦法」

飛鳥田「馬島くんなら 気に入りそうだったし いい読みでしょ? 本筋はいずれ武藤先生に頼むよ
 あ 時計の使い方も 教えなきゃ」
角野“ホント よく粘るな こいつ・・・”

角野くん、感心していますね

(その日の夜、馬島、自宅でパソコンを使って、角頭歩戦法の棋譜を調べている)
馬島「おお 出てくる出てくる 意外」

(次の日、部活で対局する馬島と角野)
ズリィッ
角野“なんちゅうひどい手つき しかし やられた
 こいつ・・・ 角頭歩の研究してきた?”
(武藤先生の指導を受ける馬島)
馬島「あれ? あんたら相手だとすぐ 引っかかってくれるのに 先生だと うまくいかないや」
角野「やかまし」

角野“こいつなりに 飛鳥田に応えようと しているんかな・・・?”
『ともあれ県大会は3日後だ』

いよいよ迫った県大会! はたして、馬島君はまじめになってくれるのか?
そろそろ、こっちにも我慢の限界が・・・(^^; 連載は週刊将棋でやってます!
(笑え、ゼッフィーロ 名場面集といいつつ、もうダイジェストじゃなくなってますが  ひとまず 完)
いちばんやさしい7手からの詰将棋
飯野健二著 2009年4月 池田書店 950円+税
難易度 ★★★  評価A

7手詰78問、9手詰40問、11手詰19問、合計137問からなる

「7手詰以上と聞いてやる気をなくす人のための、手数アレルギーを治す本」 
このコンセプトがはっきりしていて、それが成功している本だと思う

まえがきにある、3ヶ条がしっかり守られている
・実戦に現れそうな形であること
・6×6のマス目に収めること(すべて盤の右上)
・作品に芸術性を求めないこと

この3番目の「作品に芸術性を求めない」、これはすごく斬新だ
今まで、こういう発想で作られた詰将棋本って、ほとんどないのでは?

難易度は5手詰ハンドブックと同じ★★★としたけど、質が違う
5手詰ハンドブックでは妙手が求められたのに対し、この本で求められるのは、
単純な手の連続でも、7~11手後の詰み形を頭の中で想像できるか、という難しさだ

この池田書店の飯野健二シリーズはこれで4冊目だが、このシリーズ、自分とすごく相性がいい
レイアウトはバッチリで見やすい、ヒントは隠せる、解答も図面4つでわかりやすい
5手詰ハンドブックが解けた人は、ぜひこの本にチャレンジしよう!
一問進むごとに一ページめくるタイプなので、こっちのほうが精神的に楽かもね

問題図が、すごく簡明な駒の配置だ この玉は詰ましたい!と思う形ばかり
そして、いわゆる「詰将棋」にありがちな、奇抜な手をできるだけなくしてある
それゆえ、解きやすいものが多いので、自分は楽しくて、2日で全部解きました
(ただ、この本を買ってから、取り掛かる元気が出るまでに、丸々2ヶ月かかった・・・orz)

あとがきからも、抜粋します
>やさしい7手からの詰将棋、いかがでしたか?
>解き始めた頃は長く感じた手数も、慣れてしまえば気にならなくなったのではないでしょうか。
>自分は7手詰めが解けた、あるいは初めて11手詰めが解けた──その自信が大切です。

あ~、ひさしぶりに詰将棋の本が一冊解けた、すごくうれしい(^^)
阿久津主税七段vs松尾 歩七段  NHK杯  1回戦
解説 森内俊之

森内「阿久津は正統派のオールラウンドプレイヤー、終盤の切れ味がよく、
 接戦になったときの強さは折り紙つき
 松尾はねじりあいに力を発揮する 派手さはないが間違いのないタイプ
 両者、先手では居飛車、後手では色々やる 
 阿久津の瞬発力vs松尾の持久力」とのこと

ちなみに阿久津27歳、松尾29歳だ

この将棋、一回戦屈指の大熱戦になった
両者の力が存分に発揮されたと思う そして、将棋というものの面白さが充分に伝わってきた
戦型が自分の苦手な横歩取り、そして指し手も難解だったけど、
森内と矢内のコンビがバツグンの安定感で、すごく楽しめた

これがA級を目指す若手どうしの実力なんだね はあ~、ため息がでる
つえーよ 2人とも・・・

先手阿久津で横歩取り、後手の松尾は△8五飛戦法にした
阿久津が趣向で中原囲いに囲い、両者同じような陣形だ
森内「似た形なので、いったん差がついたら取り返しがつかず、大差になりやすい」と
言っていたにも関わらず、どっちがいいのかわからない形勢が延々続いた
技がかかりやすく、一発で決まりやすいのが横歩取りなんだけどね

力と力のぶつかり合い、決まったかと思ったら返し技があり決まってない、
そんな魅力たっぷりの一戦だった

阿久津の「攻めて来なさい」の▲1六歩、森内に「名角かも」と言わせた松尾の△4四角、
阿久津の▲7六桂の飛車を狙った勝負手、豪快な▲2三角成からの角交換、
松尾が不利になったのか、と思ったとたんの△5七桂不成があったときの興奮、
終盤の寄せでのお互いの歩の使い方、そして最後の決め手になった、
阿久津の力強く▲4六金と出た詰めろ!
これだけ見せてくれれば、もう大満足だ 濃いねえ

終盤、森内「ここまで来てまだ形勢がわからない」「ホント激戦ですね」
終局後も、森内「すごいやりとりでした」「最後も色々あった気がします」
「全力を尽くしたいい将棋でした」 ふうー、そのとおりだった 見てて楽しかった

矢内「私は奨励会時代に、この2人とは当たったことがあるんですけど、
 苦い思い出ばっかり・・・ふふ(^^;」 それはもうしょうがないね、この2人、強いもん・・・

実は、自分はここのところ将棋観戦をしすぎで、「将棋疲れ」になってるかも、と思っていたんだけど、
この一局、全くそんなことを感じさせなかった、面白かった
むしろ、また将棋に対して、元気が出たという一局だった

<今週のやっぴー>
黄色で涼しげな半袖、いいねいいね 服装A
相変わらず、質問のタイミングとかも良かったよ
この一局、途中から矢内のことを忘れて熱中した度 ★★★★☆
第17期 銀河戦
本戦Aブロック 最終戦
三浦弘行八段 vs 行方尚史八段
対局日: 2009年4月30日
解説:森下 卓九段
聞き手:山口恵梨子女流1級
記録:野田澤彩乃女流1級

20年度の成績は、三浦18勝16敗 行方18勝16敗 2人の対戦成績は三浦の5-4

解説の森下「三浦は居飛車、振り飛車、両方指す、勝負に辛い、三浦流の独特の将棋を指す
  行方は本格的な居飛車党、粘り強い将棋で、うっちゃりが多い」

先手三浦で、相矢倉模様から、急に戦いが始まり、力戦になった
三浦は研究範囲だったのだろう、ノータイムでどんどん指していったが、
どうも研究に穴があったようだ 
形勢をちょっと苦しくしてから時間を使い出した
三浦は巧妙な勝負手を放ったものの、その後また悪くし、最後は大差で負けた

森下の解説はバツグンにわかりやすかった 定跡形ではないのだが、矢倉風だと、
こうも森下は的確に手を説明できるのか、という感想だ
JT杯で2連覇しただけあって、森下の底力はあなどれないと再確認した
以前、「野月相手に横歩を取るな」という格言を勝手に作ったが、
「森下相手に矢倉を指すな」という格言があってもおかしくない

三浦は負けはしたが、▲7一銀と▲1五角の組み合わせの勝負手、これは魅せた
こんな遠く離れた、銀打ちと端角のコンビネーション、めったに見れるもんじゃない
よく思いついたものだ

さらに、感想戦で、終盤についての検討になったときは、
森下「こうやったらまだ難しかったんじゃないですか」
行方「そうですよね」
三浦「それは自信がない」
こういうやりとりが3回くらい見られた
自分の指した手を絶対に曲げなかった三浦、面白い
本譜は最後は大差負けになったのだから、認めてもいいようなもんだが(^^;

途中の雑談で、三浦のエピソードが聞けた
聞き手の山口「三浦八段は普段はどんな方なんですか」
森下「それがよくわからないんですよー 有名なエピソードがありまして、
 昔、米長道場で、夏場に庭で雑草刈りをすることになったんですよ
 そしたら、三浦さんは草取りしながら、詰将棋を解いているんです、
 片手に詰将棋の本、片手で草取り(笑)」

また対局中、森下「限られた狭い局面で戦うのが三浦流、大山15世名人は逆で、
 局面を広くしていた」という表現があった 

聞き手の山口女流は、今回もやっぱり面白かった
前局では、師匠の堀口弘治七段を「サイボーグ」と三連呼した17才の子だ
山口「ゆうれい角ですか」
角が端に飛び出したとき言ったのだが、そんな言葉、よく知ってるね
山口「三浦八段は、▲5二角に全てを賭けた?」
なんか、言い方が面白いんだよね 
声の質も独特だ(NHK講座の中村桃子女流とタメを張る感じ)
たくさん質問していたわりに、うるさく感じなかったし、「何かすごいことをしゃべるんじゃないか」と
ハラハラする期待感をもたせてくれる 今後、個人的に注目だ(^^;
第17期 銀河戦
本戦Gブロック 10回戦
谷川浩司九段 vs 北浜健介七段
対局日: 2009年5月15日
解説:木村一基八段
聞き手:山田久美女流三段
記録:伊藤明日香女流初段

20年度の成績は、谷川18勝17敗、北浜15勝16敗 2人の対戦成績はタニーの2-1

解説の木村「タニーは最近は振り飛車もよく指す、終盤の切れ味は健在
 北浜は居飛車が多い、棋風がタニーと似ており、終盤が得意
 2人とも詰将棋作家」とのこと

先手タニーで、▲居飛車vs△ゴキゲンの持久戦になった
木村「北浜さんは飛車を振るような人ではなかったんですけどね、かなりめずらしい」
ただ、北浜は前局の神谷戦でも後手ゴキゲンを採用している

タニーが7筋位取りにしたのに対し、北浜は美濃から4枚穴熊に囲って対抗した
美濃囲いはそのままで、3一の銀を、8二までもってくる穴熊だ
木村いわく「奥の手」だそうだ

どこから戦いが始まるのかと思いきや、なんと北浜のほうから△7四歩、と突いて
本格的な戦いが始まった、これには自分は超びっくりだ(^^;
ここまでは指し手を事前にビシビシ当てまくっていた、解説名人の木村もこれには驚いていた

北浜が中空に歩を打つ△5五歩など、さすが2人のレベルが高い
ただ、実戦的には、なんだかんだで穴熊がサバいて、固さを活かして勝つんじゃないかな~、と
自分は思って見ていた 

この一局、序盤から一転し、中盤からは木村が驚く手の連発となった

北浜が穴熊の桂を跳ねた△7三桂を見て、木村「やった、やった!北浜調の一手ですよ」
さらに、守るだけの手なので、打ちにくい△4四銀を見て木村「あ~、打ったあ、打ったあ」
トドメは、木村「(飛車を捕獲する)▲2六桂もあるのか、いや、筋悪なんで、やらないですね
とんでもない悪い手ばっかり言って(^^;」
しかし、谷川が▲2六桂を指し、木村「・・・やったあああ!!うほ、おほ、うほ(言葉にならず爆笑)
今日はもうどうなっているんでしょうか(笑)」
木村さん、笑いすぎ(^^; 

どっちが有利なのか、木村すらわからない終盤、北浜が銀を助けるために、隣の銀を自ら差し出す、
という驚愕の一手△5四銀右を指し、
木村「はあ~、また!!▲同金とした手がヌルイということですね、
うわ~、はあ~!すごい勝負手ですね」
これには自分もかなり驚いた、早指しでこんな鬼手が見れるとは!
これは北浜の会心譜か?!と、思いきや、いざタニーに▲同金と攻め合われてみると、
北浜の攻めが切れ模様・・・ ありゃりゃ(^^;
最後は、北浜の王手攻撃にも、タニーは冷静に対応した 
王手攻撃を完全に読みきっていたタニー、さすがだ

終局後、木村「どれが敗因かわからない好局でした」
あー、自分としては、北浜が△5四銀右の鬼手を放ったので、それが勝因で勝っていれば、
ホントにすごい一局だったのに、と残念だった
ただ、何事もなかったかのように冷静に対応したタニーが、それだけ強く、奥が深いのかもしれない

ともあれ、この一局、一番盛り上がっていたのは木村さんだったのは間違いない
神吉さん、ちゃんと実戦の進行に合わせて、解説もしてくれてました
岩根が有利のはずだが、どう決めるかわからない、というところだった・・・が!

矢内が▲5五桂を打ち、この対応を岩根が誤ってしまった
神吉「これは・・・ 岩根さんが受け間違えました この終盤で、矢内さんばっかり3~4手指した計算です これは、しいちゃん、もう勝てないで、しいちゃん、急に産気づいたようです」

神吉「ここまでヘタ打ったら勝てまへんで、こういうミスをやらないからプロなんですけど・・・ この将棋を見てると、今度の朝日オープン、岩根さんに負けられヘんなあ ▲5五桂から急に終わってしまいました」

神吉「▲5五桂には、△2四歩が落ち着いた手かも、金を上がって逃げる手や、△同飛もあったかも」
など、色々検討されていた

しかし、まあ自分としては、これが女流っていう感じはした
どうしても、大ミスがあってもしかたない、ということは女流の将棋を見て思っていることだ

この▲5五桂までの間も、神吉「次の一手は?」
お客「シーン」
神吉「(私にはい、どうぞ、と手を差し向ける)
私「4六歩」
お客「(笑)」
このやりとりは続いていた(^^;

神吉「一局を通してみると、序、中盤は岩根さんのいいところが出た、終盤は矢内さんのがんばりがすごかった、最後は岩根さんの悪手をさそい、逆転勝ちを収めた」
とのことだった 
神吉「でも▲5五桂に、金を引いて逃げるのは、プロがやったらアカンね」
と今後の岩根さんの成長ためを思って、厳しい口調だった

さすが神吉さん、濃い3時間でした エンタテイナーですね
あと2年で引退はもったいないです! 楽しかったです (終わり)
さらに、雑談が続く(^^;

神吉「加藤一二三先生に、(たぶんメーカーが)板チョコを一ダースプレゼントする、という話があったんですけど、一二三『悪いけど、私は板チョコは一日8枚に決めてます』と言ったということです 8枚ってねえ、糖尿になるんちゃうか、と思いますけど」

神吉「NHK杯で、加藤一二三先生に勝ったときは、ネクタイの裏側に女の人のヌードが描いてあって、それをチラッ、チラッと見せたら、加藤先生、『ン?ン?ン?ンハ、ンハ、ンハ』 これで私が快勝ですわ(笑)」

神吉「私は詰将棋を作るんですけど、2ヶ月くらいかかって作った詰将棋を、東大将棋のソフトにかけると、1秒で『詰みました』という千葉涼子の声が返ってくるんですよ ショックですね」

神吉「橋本、阿久津から電話がかかってきて、『神吉さん、飲みにいきませんか』 飲むために、わざわざ大阪まで出てくるんですよ」

神吉「師匠の内藤から、健康法を聞きました、究極の健康法です」
内藤「神吉くん、それはね、『検査に行かない』ことだ、検査にいけば、どこか悪いところがあるに決まってるんだからね」 
神吉「それ以来、私は検査に行ってません、だから健康そのものです で、師匠の内藤が、この間、ついに検査に行かなければならなくなって、検査でひっかかって、糖尿病と診断されたんですよ それで私が『師匠、ついに糖尿になりましたね~、これからは内糖尿先生と呼ばせてもらいます』」
内藤「バカが~!!」

さて、矢内が意外な粘りに出た
神吉「▲9八銀、プライドをかなぐり捨てた手やね」
この粘りが、この後の大逆転を生んだ (その6につづく)