及川拓馬四段vs近藤正和六段   NHK杯 1回戦
解説 伊藤果(いとうはたす)

及川は、予選で佐々木、佐藤秀司、飯島に勝ち本戦出場 近藤は総合成績優秀で予選免除

解説は伊藤果だ 及川の師匠とのこと
果「親心として緊張しております(笑)」

事前のインタビュー
及川「僕の将棋は切り合いの将棋なので、攻め合いで特徴が出せると思う そこを見て欲しい
  最近、公式戦で勝てていないので、NHK杯は一回戦を突破したい」

近藤「成績優秀で選ばれたので、棋士仲間から『えっ』と言われた(^^;
 ゴキゲン中飛車しか指せないので、ゴキゲン中飛車のすばらしい将棋を指したい」

先手及川で、居飛車船囲い▲3七銀型vs△ゴキゲン5筋位取りになった

伊藤果の雑談が続く
果「及川はNHK杯初出場、将棋棋士にとって、NHK杯はあこがれの舞台、
 私が初出場したときは夢のようにうれしかった
 知り合いみんなに見てもらえますからね 私は運よく一回戦、勝てました」

果「近藤は和菓子屋の息子、プロ棋士になれなかったら和菓子屋を継いでいた
 プロになれたとき、近藤は本当にうれしそうだった」

果「最近は、『及川さん、かわいいですね』と、弟子の話ばかり耳にする
 もうちょっと、師匠がいるっていうのを忘れないようにしていただきたい」

果「NHK大河ドラマの『龍馬伝』を毎週見ているんです」と言った果、扇子を持ち出してきて、
 「これは『龍馬扇子』と言うんです 京都から取り寄せました」 とうれしそうだ 
なんだかテンションが高い果さん、NHK杯に出演できてうれしかったのかもね(^^;

さて、局面、及川が角道を止め、5筋も歩を打って固めたことで、持久戦に落ち着いた
果「及川、ずいぶんおとなしいですね」
近藤のほうも、出た銀を下がってまた上がる、というよくわからない駒組みだ

これ、及川の作戦勝ちだろうと思って見ていたのだが・・・
戦いになり、先手は右桂が活用でき、相手の金銀もはがした 先手の角桂と、後手の金銀の交換だ
ただし、先手は9筋を詰められている

ここで、この一局のハイライトの一手が出る 
77手目、及川の▲4四歩という手だ 後手の角道を止める手だが、
自らの飛車も成れなくなってしまう諸刃の剣だ
果「これは負ければ敗因、勝てば勝因」
結果論だが、この後、進んでみると、敗因のほうになってしまった

先手は右から攻める順が全くなくなり、攻め駒不足に陥った
しかたがないので9筋にアヤを求めたが、期待した成果はなし
及川、攻めが身上と言っていたからには、何が何でも飛車を成りこむ方針で攻め合うべきだったか・・・

及川の攻めが切れ、結果、近藤の勝ち
148手まで粘ったものの、▲4四歩と打ってから以降は、
及川にチャンスはめぐってこなかった印象だった
後手に飛車をさばかれてからは、もう流れがダメだった感じだ

今回の対局は、「おおっ」というような手がなくて、地味な手が多くいまひとつ盛り上がりに欠けてしまった
自分が「おおっ」と思ったのは、番組冒頭で、「矢内、今日もきれい!いつにも増してかわいいな~!」
と思ったときだけだった(^^;
今日は、地元の囲碁将棋大会に参加しました
人はいっぱい来ていて、総計300人くらいはいたんじゃないでしょうか
子供の参加も多く、その親が混じっているので、参加者は何人かわかりません(^^;
将棋には安用寺六段、囲碁には森山九段が来ていました

さて、私はもちろん将棋のほうに参加です
囲碁は全然できませんので(笑)

30分切れ負け、スイス式で2敗失格のルールです
結果、○○●○● で、3勝2敗でした

優勝とかはできませんでしたが、どの将棋も納得のいく内容でした
2~3日ほど前に、24で練習将棋を13局指せたこともあり、それが良かったですね

ただ、今日の問題は、暑さ! 今日の大阪は、かなり暑かったです
「今日は暑いですね」があいさつがわりでした
神社での、野外の大会だったので、直射日光がガンガンで、暑さを避ける術がなく、
モロに体力勝負でした

いちおう、全5局の戦跡を書いておきます
1局目○ 相手は中年のおじさん
     私の右四間+天守閣美濃vs四間+美濃 かなり苦戦したが、終盤、相手が間違えて勝ち
     もう、この1局で満足した感があり(笑)

2局目○ 相手はおじいちゃん
     1局目と全く同じ戦型 端からうまく戦端を開き、
     最後は追い詰められたものの、逃げ切り勝ち 右四間、優秀だな~ 
     感想戦で、おじいちゃん、駒の配置を違う風に置いて、
     「こうやってればワシの勝ちやったな~」と言っていた
     でも、駒の配置が違うので、その変化には絶対にならないんですけど、指摘できず(^^;

3局目● 相手は若いお兄さん
     相手は早石田だ これ、苦手なんだよね~ 
     相手の3手目▲7五歩に対し、こちらは4手目角交換で応対 
     その後の駒組み段階での、こちらの右金をうかつに動かした手が敗因になった
     角を急所に打ち込まれて、飛車を成りこまれて、その後も相手には無駄な手がいっさいなく、
     キレイに寄せられた 完敗だったけど、こうキレイに負かされると気持ちいいね   

4局目○ 相手はちょっと知っているパナソニックの社員のおじさん
     この間の団体戦では、この人のチームに負けた 
     この人自身とも、過去に一局指していて、私は負けている
     そのときは角換わりで、こちらのわずかのミスを的確にとがめられ、完敗だった
     強い人だなあ、と思った
     本局は相手の右四間風vsこちらの四間飛車立石流
     この対局、事件が起こった 初手から再現します 

開始日時:2010/05/30
先手:おじさん
後手:私

▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △3二金 ▲3八銀 △4四歩
▲4六歩 △4二飛 ▲4七銀 △4五歩 ▲同 歩 △8八角成
▲同 銀 △4五飛 ▲1八角 △4七飛成
 
私の後手 普通に右四間に組まれたら勝ち目がないと思い、早々に仕掛けた
14手目の時点で、おじさんが長考 そして、指した手はなんと▲1八角!
当然銀がタダで取られ、おじさん、「あっ!!」と言った(笑)
その後、けっこう長手数指し続けたが、さすがに逆転にはいたらず、私の勝ち
勝った気がしないんですけど・・・(^^;

5局目● ここまでですでにバテバテだったが、がんばろうと思った
     相手は若い兄ちゃん
     この人とも過去に対戦したことがあり、そのときは私が勝っている
     相手が早くに角道を止めてきたので、右四間にしようかな~と思ったけど、
     もう今日は右四間は飽きていたので、5筋を突いて矢倉模様にすることにした
     したらば! こっちの駒組みがどうにも変で、的確にとがめられ、
     上がった銀が撤退に次ぐ撤退を余儀なくされる 大作戦負けだ
     が、中盤、なんとか相手の玉頭にアヤをつけ、勝負形にもっていくことに成功
     ・・・しかし、あまりの暑さに、もう体力切れだった  
     早く終わってほしくて、トン死の筋を狙うも、完全に不発に終わる(^^;
     キッチリ攻めを切らされて負け まあ仕方ないね
     自分は矢倉に全く向いていないことが改めてわかった次第
     金銀の使い方が不得手で、駒組みがヘタなんですよね もう矢倉はやめとこ(^^;

勝った一局も、負けた一局も、どれも時間を精一杯使って考えた結果なので、悔いはないですね
やっぱり、たまに大会に出るのはいいですね 
何年も前の対局とかも、大会の将棋だと、どんな将棋だったか、おぼろげに覚えてますもんね
今日は楽しかったです またこんど地元で大会があれば出たいと思います(^^)
24のトップページの「初段への道」で右四間が取り上げられていました
そこで、私が右四間で61手で完勝した一局を紹介します
考え方のサンプルになる一局と思います

開始日時:2010/05/27 10:08:08
棋戦:レーティング対局室
先手:Gizumo
後手:1級の人

▲7六歩
*ほぼ完璧に指せたと思う将棋を紹介します
*私は先手です
△3四歩 ▲4八銀
*自己流の銀上がり
△3二金
*この手も独特ですね 相手は居飛車?
▲4六歩
*とりあえず腰掛け銀を目指す
△4四歩
*角道を止めると、守勢に回る展開になりやすいです
▲4七銀 △4二銀
*▲右四間vs△矢倉かな?
▲5六銀 △3三銀
*この銀上がりはお勧めできません
*先手の桂が▲2五桂となったとき、銀に当たるのでね
▲4八飛
*こちらは右四間飛車
△4二飛
*そう受けるのか(^^;
*しかし、2二の角が使いにくそうです
▲6八玉
*囲いましょう
△3五歩
*そういう構想ですか △3四銀とするつもりでしょうね
▲7八玉 △6二玉
*ここではすでに作戦勝ちを意識しています
*なぜなら、持久戦になったとき、相手は3二の金が離れているので、堅い囲いにできません
▲9六歩 △7二玉 ▲5八金右
*着々と玉の整備
△8二玉 ▲9五歩
*端の位も取ってしまいました
*相手から攻めてくる手もなさそうです
△7二銀
*ここから、自陣をさらに堅くして、もっと作戦勝ちしましょう
▲8六歩
*この場合、天守閣美濃がいいですね
*玉頭を攻められる心配もなさそうなので、ピッタリです
△3四銀 ▲8七玉 △3三角 ▲7八銀 △1四歩
*相手はもう手がないようです
▲1六歩
*この端歩の突き合いも、実は先手に得です
*▲1七桂の筋が生じますからね
△1三香
*細かいですが、△1二香のほうがよかったですね
*さて、次の構想ですが、▲1七桂~▲2五桂と跳ねたいです 1三の香に当たってきますのでね
▲2六歩
*▲1七桂~▲2五桂とできるように、桂馬の土台を作った手
△5四歩
*この手もどうなのか、後手陣が弱くなる気もするので、後手にとって得か損かわかりません
*でも、もう指す手がないんでしょうね
*それをいいことに、こちらはもう少し自陣の整備をすることにしました
▲6六角 △6四歩 ▲7七桂
*これで、▲8五桂~▲9三桂成の攻め筋も発生しました(本譜では出てきませんでしたが、この攻め方も有力でした)
△6三銀
*玉の堅さは大差、仕掛ける権利もこちらにありそうです
*かなりの作戦勝ちです さあ、ここからどういう構想で戦いにもっていくか 
*▲4五歩はお互い数が同じなので先行は無理です
*
*いきなり▲1七桂は、△2四歩とされて、次に△1五歩を狙われます
▲2八飛
*そこで、こう指しました この手は読みの裏づけが必要で、発見は難しいと思います この手がこの一局での勝因ですね 
*ここで仮に△2四歩と受けられたらどうか、分岐します
△7二金 ▲1七桂
*この手に対し、ここでも△2四歩と受けられたらどうか、分岐します
△4五歩
*さばいてきました
▲同 歩 △同 銀 ▲2五桂
*角は向こうから取ってもらう事にして、こちらは桂をさばいてしまいましょう
△6六角 ▲同 歩 △5六銀 ▲同 歩 △4九飛成
*一見、相手にだけ飛車を成られてピンチですが、ここで当然の切り返しがありますね
▲4八飛
*これで勝ちを確信しました 後手は3二の金が完全に遊んでます
*37手目の▲2八飛と指した時点で、これらの変化をすべて読んでました・・・と言いたいところですが、それはウソです(^^; でも、なんとなく手になるな、と思って▲2八飛と指しました
△同 龍 ▲同 金 △2八飛
*あとはやりたい放題です 手筋を使っていけば勝ちですね
▲4九歩
*「金底の歩、岩より堅し」
△2六飛成 ▲4一飛 △2五龍
*ここで、寄せの決め手があります
▲6一角
*竜取り、金取り これは厳しい
*仮に△5二銀打ちと受けたらどうなるか、分岐します
△2六龍 ▲7二角成 △同 銀
*あら、そっちで取った(^^; もう戦意喪失ですね
*△同玉でも、▲7一銀で寄りです
▲7一銀
*われながらうまく指せました
*相手の敗因は、やはり序盤の駒組みにあると思います
*△3二金型は、金が離れるので、実戦的に指しこなすのが難しいと思います
*こちらの勝因は、序盤、あせらず駒組みしたことと、▲2八飛と回って▲1七桂と活用して、相手をあせらせて攻めを呼びこんで、▲4八飛とぶつけたことですね
まで61手で先手の勝ち

変化:58手
△5二銀打 ▲7二角成 △同 玉 ▲7一銀
*これで次の▲8二金と▲6二金を見て、受けなし △7四歩と突いても、▲8五桂で受けなしです
*(57手目にもどる)


変化:40手
△2四歩 ▲2五歩
*△同歩は▲同桂で論外
△1五歩 ▲2四歩 △1六歩 ▲2五桂
*これで攻めが成功しています
*(39手目に戻る)


変化:38手
△2四歩 ▲2五歩
*これを△同歩は▲1七桂で、次の▲2五桂が受からない
△同 銀 ▲4五歩
*これで、△同歩なら▲3三角成りから▲5三角で攻めていけば、勝ち筋でしょう
*とにかく戦いになってしまえば、陣形は大差です
*(37手目に戻る)
第18期 銀河戦
本戦Eブロック 9回戦
先崎 学八段 vs 中田宏樹八段
対局日: 2010年3月26日
解説:藤井 猛九段
聞き手:山口恵梨子女流1級
記録:伊藤明日香女流初段

21年度の成績は、先崎22勝13敗 デビル20勝10敗 2人の対戦成績は先崎の7-1

解説の藤井「先崎は居飛車中心のオールラウンダー、相手によって戦法を使い分ける
 デビルは居飛車の本格派、振り飛車を指しているのは見たことがない
 B1に昇級して勢いにのっているデビルだが、先崎を苦手としている デビルがどう戦うか見もの」

先ちゃんの登場だ 先崎の対局を見るのは、NHK杯の羽生戦以来だ 
あの一局はこれ以上ないくらいのボロ負けだったが、今回はどうか

先ちゃん、顔が奈良の大仏に似ている 対して、中田はやはり悪魔に似ている(^^;
奇しくも、大仏vs悪魔という、霊界決戦になった

先手先崎で、相矢倉模様になった 
藤井「両者の最も得意としている戦法になりました 
 我々の世代は、まず矢倉があって、他はまとめてそれ以外の戦法、という世代です
 矢倉は総合力の戦い、全部の駒を使って、勝っても負けても力いっぱい戦ったな、となりやすい」

▲早囲いvs△左美濃だ
藤井「先崎は対局のときはほとんどしゃべらない、真剣モードになる」
聞き手の山口「藤井九段は対局中、相手の表情を見ることはありますか?」
藤井「見ると、相手もこちらを見ていて、『ゲッ』となることがあります」
山口「(笑)」

先崎が3筋の歩を交換してきた手に対し、デビルが△3二飛と大きく回すかどうか、というところ
藤井「将棋はガマンしているほうがいいんですよ、経験上ね
 でもつい技を仕掛けたくなっちゃうんです」
その藤井さんの、技を仕掛けたい、という発想が、藤井システムを生んだんでしょうね
藤井システムなんて、一局通して、全部の手でひとつの技みたいな戦法ですもんね

角交換になったあと、デビル、飛車を3筋に回してきた! これで完全な力将棋に決定だ
藤井「デビルは今日は形にとらわれない指し方、作戦面においてはデビルが逆用に成功している」

互いに敵陣に角を打ち込み、相手の攻め側の桂、香を取る手を狙うという展開
先崎は5筋の歩突きから攻め、わざと重く銀を打ち込んだ かわすデビル

先崎が後手の金取りに馬を引いたところが、この対局最大のポイントだった
デビル、ここで飛車を取らせたが、これが敗因となった
感想戦では、飛車を取らせなければまだまだ難しかったとのこと
藤井「先崎がうまくやっている、5筋の歩突きからうまく攻めをつないでいる」

ここから先は、先崎の独壇場になった 
ノータイムで飛車打ちで王手しそうなところで、相手の応手を聞く自陣の飛車回りの手、
このタイミングでの飛車回り、これはどれだけの人が指せるだろうか
藤井「攻めと守りの手を交互に指す、先崎らしい手」

じっと竜をひとつ引いた手も、藤井「これはいい手、厳しい」
デビルが自陣に角打ちで粘った手に対して、藤井は「先手は指す手が難しい」と言っていたが、
先崎の指した手は、垂れ歩ならぬ垂れ香! これも攻めをつないだ好手

デビルは金銀4枚で守り、粘ろうとしたが、先崎は切れ味するどく、一気に寄せた
藤井は「デビルの希望は入玉です」と言っていたが、先崎はそれも的確に阻止した
結果、先崎の会心譜! 飛車を取ってからは、全く緩みのない手の連発だった

うわー、これはお見事! 
自分は見ていて、次の一手がわからない局面が続いただけに、先崎の強さを実感した

藤井「鮮やかですね 一瞬、持ち駒が角と桂だけになって、攻めきれるか大丈夫かと思ったけどね
 一局を通して、先崎の手作り、5筋からの手作りが非常に鮮やかだった」

いやいや、先ちゃん、ホントに見事だった 先崎のいいところが存分に出た好局だった
今回はとても強いところを見せてもらった
これでデビルとの対戦成績は8-1、これは特筆物だ
羽生戦のカタキをデビル戦でとった先崎、次の相手はタニーだ 次の一局も見ものだ
週刊将棋ステーション、ゲストは佐藤紳哉六段でした

(カツラをかぶって登場した紳哉)
紳哉「イベントとか大盤解説会で、僕、ちょっと緊張で固くなっちゃうんですよ
 それで、最初に笑いを取りたいな~と思って(カツラをかぶっていく)」
恩田アナウンサー「気づかれますか?」
紳哉「で、すぐにですね、『ちょっと今日は暑いですね』みたいな感じで、
 実はこうなんですって」(カツラを取って見せる紳哉)
恩田「ははは(笑)」
紳哉「これをやると、周りは変な空気になっちゃうんですよ」

恩田「ブログを始めたきっかけは?」
紳哉「3年くらい前から、佐々木五段と、『いっしょにブログをやりたいね』って話してたんです
 『でも開設がめんどうくさそうだね』って、ずっと流れてたんです
 最近、携帯をいじっていたら、簡単にできちゃったので、じゃあ始めちゃおう、と思ってね
 そのときは佐々木五段のことはもう忘れてました」
恩田「本当に面白いブログなんで見てくださいね」
紳哉「恥ずかしいので見ないで下さい」

恩田「パーマに悩まされてるということですが」
紳哉「(地毛に)ちょっとふんわりさせるかんじでパーマかけてるんです、わかりますか?
 でも、パーマかけると、髪の毛が痛むのか、毛が抜けちゃうんですよ
 抜けると、毛が全部抜ける前に髪の毛で遊びたいな、と思って、またパーマかけるんですよ
 そうすると、また抜けるんですよ 本当に悩んでるんです
 しかも、悩むとまた抜けるんですよ 悪循環なんです 山田さん、なんとかなりませんか」
山田「カツラしかないですよ」
紳哉「髪の毛の問題だけに、あとは神頼み、ですね」
恩田「ダジャレが出ました(笑)」

(結婚活動の話)
紳哉「最近、婚活をやっているんですよ お見合いパーティに参加したんです
 男10人と女10人で、一人ずつ会っていくんですが、プロフィールのところに、僕、
 『ハトのモノマネ』って書いちゃったんです それで、一人一人、全員にやることになったんです
恩田・山田「ぜひやってくださいよ」
(実際にハトのモノマネをやることになった紳哉
 目をパチパチさせながら、首をぎこちなく前後に動かしただけの紳哉
 はっきり言って、ドヘタ(^^;)
恩田・山田「ははは(笑)」
山田「お見合いは成果はありましたか」
紳哉「全然ダメでした ハトのモノマネをしても、ハートはつかめなかったです」
恩田「ははは(笑)」

佐藤紳哉さん、面白いですね~ 
自身のブログでの、「ブログを更新していたつもりが、なぜかメールで女性に送り続けてしまっていて、
 女性に『気持ち悪い』と言われた」という記事が、
他で本格的に特集記事として扱われたという爆笑の一件がありました
それも、根底に紳哉さんの面白さがあってこそでしょうね
(この一件は、遠山雄亮四段のブログの4月14日の記事が詳しいです)

紳哉さんのカツラ姿は今ならスカパーのページで見れます↓ (下段の入れ替わる小さい写真)
http://www.igoshogi.net/

カツラを取った普段の頭はこんな感じ↓ (番組では髪の色は黒でした)
http://www.shogi.or.jp/player/kishi/satou-sin.html
30日の日曜日に、地元である大会に参加する予定です
でも、体のほうが不調を極めてます・・・ 24で練習将棋を指す元気もないですorz

大会で勝つには、とにかく自分の場合、将棋以前に、己の体力との勝負になるんで、
作戦を考えていこうと思います

・前日の土曜は何もしないで寝ておく
・振り飛車も採用して、対抗形の将棋に誘導する
 (相居飛車は「読み」の勝負になりがち、「読み」よりも「手の見え方勝負」にもっていく) 
・角交換系の将棋にして、短手数での決着を目指す

こういう作戦でいこうと思います 
今から定期診断の病院へ行ってきます ではでは
有吉道夫九段vs高橋道雄九段   NHK杯 1回戦
解説 中村修

いよいよ有吉御大の登場だ 負ければ最後になる対局、どんな将棋を見せてくれるのか
有吉は、予選で坂口、浦野、安用寺に勝ち本戦出場  高橋はA級で予選免除

解説の中村「今期NHK杯戦で1番と2番の年長者の対戦 (有吉74歳、高橋49歳)
 有吉は引退宣言をしたが、このNHK杯は勝ち続けているかぎり指せる」

インタビューに答えて
有吉「NHK杯は第30期に全員参加になり、運良く決勝戦まで出ることができ、相手が中原名人、 
 解説が大山師匠、そこで優勝できたのが長い現役生活の間でも思い出深い」

高橋「相手の有吉九段は30年近く前に、私が四段でNHK杯に初出場したときに当たっている
 今は私がA級、有吉九段は引退の将棋、ベストの将棋を見せたい」

中村「両者とも居飛車党の本格派、矢倉になってほしいがどうなるか」

先手有吉で、3手目に角道を止め、矢倉に誘導した
両者飛車先突かずの、相矢倉模様に進んだ
序盤、高橋の工夫が出る △8四銀と、歩越に銀を出る作戦だ
中村「これはびっくり 飛車先を突いていない手を生かそうという手ですね」

雑談で、中村「有吉は関西会館で練習将棋をバンバン指している
 若手の中に一人、おじいちゃんが混じっているので目立つ(笑)
 49歳で20連勝した記録も持つ 他にも20連勝以上した人はいるが、他はみんな20代」

矢内「高橋は30回目の出場、四段になってから、ずっと本戦に出場し続けている
 これはすごいことですよね」

さて、両者、万全に組み上げた 堂々の相矢倉戦だ
有吉さん、これで負けたら、もう仕方ないだろう

高橋が果敢に攻めかかる展開だ
中村「高橋は、有吉の『火の玉流』の棋風を知っているので、後手番ながら積極的に攻めていった」
角交換になり、どうなるのかと思ってみていたら、高橋に△4四角打ちの自陣角が出た!
中村「なるほど これはなかなかいいタイミングでの角打ちですね」
うっ、これは2つの攻めの狙いがある、見るからに好手っぽい! 有吉ピンチか!

が、ここで有吉が魅せた 返し技の▲3七角打ち! おお、これはピッタリの受けでは!?
中村「なるほど これは良さそうな手」 
有吉さん、まずは一手、魅せたね いいよいいよ~
感想戦でも、高橋「ちょっとまずいことになったかと思った」

中盤の難しい局面だ
中村「さあ、有吉さん、前のめりになってきましたよ~」
ここで出た、高橋の実力を示した一手、相手の歩頭に桂跳ね!
中村「お~っとっとっとお~! 歩頭の桂なんで、私はうっかりしましたねえ」
だあ~、うまく手を作られた感じだ 有吉、ダメかあ 
高橋の攻めは、駒損なんだけど、攻めが続いていけば勝ちという、矢倉戦の典型的な展開だ
有吉は▲7九玉と引いてがんばった そうだ、がんばれがんばれ!

中村「有吉としては、なんとか嵐の過ぎ去るのを待つしかない
 こういうところで集中力が切れないからこそ、予選を勝ってきてるんでしょうね
 しんどくなって、めんどくさくなるってことがないんでしょうね」
74歳で、予選の1日3局の対局を勝ち抜いてきたんだもんね

が、しかし、端からうまく手を作った高橋、後手はさらに飛車まで働かせてきたー うう、やばい
矢内「ものすごい攻めの圧力ですね」
有吉は桂を打って必死に耐えてる
中村「先手はすごい玉形ですね 桂馬囲い(^^;」
ぐうう、がんばれ有吉!

高橋は角を切って一気に決めに来た! そして無情にも、飛車を殺す△9九銀! ダ、ダメだあ~
中村「んー 残念ですね これは」
しかししかし、有吉、銀を引いてまた耐えた! 
おお、まだ受けがあったのか、さすがだ あきらめない有吉!

だが、相手が悪かった 高橋は、A級2位の実力を存分に発揮することになる
7筋の歩の成り捨てから、桂を入手して、両取りに桂を打つ うう、うまいな~
最後の寄せも、銀を逃げたりせずに、最強の手での寄せ!
中村「はあ~、キツイ手で来ました」

もう終局と思われたが、最後の最後に有吉が魅せた
玉をわざと下に引き、わかりやすい寄りのある方向に逃げたではないか
あれ? これは△7七歩成▲同角に、△7九飛成りで、
一間竜の筋で簡単に寄りだよなあ、と自分は思った 形を作ったのだろう、・・・と思いきや!
その変化だと、▲7七同角がひそかに王手になっていて、△7九飛成りの王手の瞬間、
▲2二角成りで、後手は玉を素抜かれるではないか!!!
ぎょえ~、自分が先手だったら大逆転してるよ(^^; 

高橋はもちろんそんな手にはひっかからず、確実に寄せた 
全体を通して、高橋の流れるような、それでいて怒涛の攻めだった
中村「有吉の『火の玉流』が見たかったが、高橋が終始うまく攻めた 高橋の快勝だった」

感想戦で、有吉「やれるんじゃないかと思ったけど、少し受けすぎましたね」
あー、有吉さん、力は出したと思うけど、相手が強かったね もう仕方ないね
本局、最後まで見ごたえがあったよ 玉を素抜きの筋は怖いね~(^^;

有吉さん、55年にも及ぶ現役生活、本当にお疲れ様でした!
第18期 銀河戦
本戦Dブロック 9回戦
山崎隆之七段 vs 広瀬章人五段
対局日: 2010年4月23日
解説:北浜健介七段
聞き手:山口恵梨子女流初段
記録:伊藤明日香女流初段

屈指の好カード、楽しみな一戦だ
21年度の成績は、広瀬35勝12敗 山崎35勝19敗 2人は初手合い

解説の北浜「広瀬と言えば振り飛車穴熊だが、最近は色々な戦型を指す 終盤の切れ味が抜群
 山崎も終盤型、形にとらわれない棋風、独特のしのぎ、みんなが読んでいないような手を指す
 この一戦は非常に好カード」
聞き手の山口「広瀬の終盤は悪魔のような終盤力と評判ですね」
北浜「あ、そうなんですか(^^;」

先手広瀬で振り飛車模様、対して山崎は早々に1筋の位を取り、態度をなかなか決めない
北浜「ひょっとしたら右玉のようなことを考えているのでは」
山口「見てて面白いですね」

山崎は居玉のまま、銀2枚を4段目に繰り出し、5筋の位も取り、大模様を張ってきた
いやいや、山崎らしいね~ いいねいいね
こんな序盤でその後を指しこなせるのは、プロでは山崎か佐藤康光くらいだろう 
対局者名を隠して棋譜だけ見せたら、後手はド素人が指しているのかと思うね(^^;

例によって、ほっぺたをふくらませて考え込む山崎
北浜「山崎は周りに気配りをよくして、若手から慕われていて、若手のリーダー格」
山口「女性からも慕われていますよね」
北浜「関西では一番ですかね」

広瀬がこの前の詰将棋選手権で優勝していたことに触れ、
北浜「広瀬の終盤力は若手ナンバー1でしょうね」
山口「やっぱり詰将棋が関係しているんでしょうかね」
北浜「私はあんまり、詰将棋をやっていて終盤に良かったな、となったことはないですけど(笑)」
いや、それは北浜さんの謙遜でしょう(^^;

さて、山崎の意欲的な序盤に対し、広瀬も強気で応対、角道を開けて早くも開戦!
さすが広瀬、若さの勢いだね 
一応▲四間vs△右四間だが、これは分類上は「その他の戦型」だろう 
そして、山崎も負けじと5筋を突いて応えた! 気合のぶつかり合いだ
北浜「山崎、思い切っていきましたね! いや~怖いところですけどね」

が、直後に山崎が大長考に沈んだ どう考えても、△5二金右と締まる一手に見えるのだが・・・
なんと、山崎の指した手は△5二歩! うわー、開戦早々、もう歩を謝ってしまうのか
「序盤は作戦が失敗でした」と認めるような手だ ははは、これは山崎以外には指せないね(笑)
北浜「いや~、△5二歩には驚きました」

さらに、広瀬の攻撃に対し、山崎の銀をスッと引く受けが出た
北浜「山崎らしい形にとらわれない受けですね」
山口「山崎らしさが全面に出てますね」

ところが、あろうことか、ここから千日手模様に! どうやらお互いに避けられない様子
北浜「千日手になるとは予想外」
あ~、同一局面が続いている、せっかく面白い将棋だったのに、1時間戦って結局千日手か・・・
と思われたときだった、山崎が千日手を打開! おおー、山崎、やってくれた!

ここから山崎がうまい手順で、優勢を築いた やったねえ、千日手を打開した甲斐があったねえ
広瀬もがんばり、銀を自玉と反対側に逃げたのは考えにくい好手だった 

山崎の次の一手は、銀がタダで取れるから、取って補充するのかな、と思いきや、
山崎が指した手は、角を2二から飛び出す△6六角! 
まさに「才能の比べ合いなら、オレのほうが上だ!」と言わんばかりの一手!
おお、これは絶好手! 
北浜「確かに、これは味のいい一手ですね!」 北浜も賞賛だ
これで山崎がはっきり勝ちになった、と思った

広瀬が飛車を一段目に下ろして攻めてきたが、山崎は合わせ飛車の手筋で受けた!
いや、これも才能を見せ付けた手!
この自陣に打つ合わせの飛車、自分なんかはほとんど打った記憶がないけど、
山崎の将棋ではよく出る気がするな~ この辺が才能の違いだねえ
北浜も「はあ~」 山口も「すごい手ですね」 2人とも、感心しきりだ

だがだが、本局の最大のハイライトはこの直後に待ち受けていた
完全に切れ模様になったと思われた広瀬、なんと、馬をタダの地点に引く鬼手!
な、なんだこれは!? なにこれ? 「次の一手」問題じゃないんだぞ、実戦なんだぞ 
こんなタダ捨ての馬引きの手が、実戦で実現するか?
広瀬の「才能では負けない!!」という声が聞こえてきそうな手だった
北浜「すごい手が飛び出しました」
おいおい、どんだけすごい手が連続で飛び出すねん
う、わ、あ、山崎、これで一気にピンチに!! 

頭を抱える山崎の姿が映し出された もう形勢はどっちがいいのかわからない・・・
北浜「予想外の展開です」 そのセリフ、もう3回目くらいだよね(^^;
これが山崎、そして広瀬、2人の実力者の才能か・・・!

混戦模様か、と思われたが、最後にも山崎の好手、見えにくい攻防の角打ちが出て、
山崎が広瀬玉を即詰みに切って落とした 結果、山崎の勝ち!

いや~、見ていて楽しかった! まさに2人の才能が全面に出た勝負だった
北浜「広瀬の馬を引いた手からの追い込みがすごかった お互いの特徴がよく出た大熱戦だった」

ヒカルの碁の17巻、桑原本因坊のセリフでこういうのがある
桑原「2人 要るんじゃよ 1人の天才だけでは 名局は生まれんのじゃ
 等しく 才たけた者が 2人要るんじゃよ
 2人揃ってはじめて 神の一手に── 一歩近づく」

互いにちょっとずつミスもあった将棋と思う 
でも、才能の見せ付けあい、という意味で、抜群に面白かった
TVの前で叫んだ回数が、間違いなく今期銀河戦で一番多かった一局だった
第18期 銀河戦
本戦Cブロック 9回戦
行方尚史八段 vs 千葉幸生五段
対局日: 2010年3月10日
解説:大内延介九段
聞き手:早水千紗女流二段
記録:井道千尋女流初段

いまひとつ地味なメンツ、と思いきや、これが面白い将棋になった
21年度の成績は、行方20勝14敗 千葉15勝14敗 2人は初手合い

解説の大内「行方は攻守にバランスが取れていて、本格的な棋風のオールラウンダー
 千葉は振り飛車党、玉を固めて大きくさばいていく棋風、最近は矢倉も指す」

先手行方で、▲居飛穴を目指す持久戦模様vs△室岡新手の△6二金型四間飛車、という戦いになった
おお、この△6二金型というのは、自分は話には聞いたことがあるが実戦で見るのは初めてだ
藤井システム復活の一端となるか、どうなるかワクワクだ 
大内「この形はトップクラスの棋士が採用したことはまだないので、
 優秀性がどこまであるのかわからない」

駒組みが終わった時点で、行方が大長考することになった
その間での雑談
聞き手の早水「大内九段は穴熊党の総裁と呼ばれてますが」
大内「私がやった穴熊は、居飛車の玉頭位取りに対抗する作戦だったんです
 今の穴熊は、最初から穴熊を目指している、勝負本位ですね」

大内「将棋の指し方は、時代を映す鏡なんです 
 江戸時代のゆったりした時代は、将棋もゆったりしていた
 明治初期や、その後の戦争の時代は角換わり腰掛け銀などの激しい将棋が流行った」
大内さん、もう引退が決まっているが、なかなか解説も的確だし、話も面白い

さて、行方は長考の末、穴熊はあきらめ、3筋と2筋の歩を突き捨てて仕掛けていった
局後、行方「長考したんで、もう行くしかないと思った」
銀桂交換で、角も交換、非常に激しい展開だ
大内「壮絶な攻め合いになりそう」

ここから一直線の攻め合い、一手違いの終盤に突入すると思われた、そのときだった
行方が、と金を払う▲4七金! 見ていた自分は思わず「げっ!」と叫んだ
そんな手があるの? そうか! 一見、金がタダでお手伝いに見えるが、
△同飛車成りには、角打ちの王手飛車があるのか!
大内「あっ、こう取った! あー、はーはー、なるほど! この辺が行方君の強さですね
 これ、いい手ですね この▲4七金にはまいったかな」
大内もびっくりで、賞賛の一手だった

行方のこの一手、指されてみれば当たり前の手だが、攻め合いに頭がいっているときだけに、
実戦では気がつきにくいよね 

この▲4七金、千葉も全く見えていなかったのだろう 千葉は長考の末、9筋から攻めていった
大内「尋常な手じゃ勝てないと見た勝負手だね」

千葉の端攻めに対し、行方は一番強気な手で応対していく
大内「え? 端を無視して攻めた? え? 先手は受けがあるの?」
行方、踏み込んで寄せ合いにもっていった 超ギリギリ、見てるほうが怖い、もうドキドキ(^^;

が、行方の読みきりだったのだろう、実戦はきっちり後手玉を詰まして行方が勝ちきった
しかし、優勢と思っているはずの将棋で、普通、ここまで踏み込むか(^^;

感想戦で、大内「面白い作戦だったね」
千葉「でも不発でした」
うんうん、△6二金型、面白い作戦だった
水面下で王手飛車の筋が先手、後手の両方にある将棋だったしね
一気の寄せ合いと思われた局面での行方の▲4七金、「行方はふところの深い将棋」と
大内が言っていたのがよく出た一手だった

最近はプロでは藤井システムがほとんど指されないが、
ひさしぶりに藤井システム調の攻め合いを見れて、とても楽しかった
羽生が防衛しましたね 強いとしか言いようがないですね
内容で差がついたのは第2局目だけ、他は全て熱戦だったですが、結局終わってみれば羽生の全勝・・・

将棋世界の最新号(2010年6月号P12)より、山岸浩史さんの文章を引用しておきます
(山岸さんは、私が最も敬愛する観戦記者です)

>最近の羽生語録を見ていると、将棋がつらいのではないかとさえ思えてくることがある。
>「対局中の95%は不利な局面を考えている」など、想像するだけでうんざりしてしまう。
>「でも、将棋ってそういうもんじゃないですか。はっきり見通しが立たない局面で、
>なんとか互角になる道筋を探るのが面白いわけで。わかってしまえば考える必要も
>なくなってしまいますから」と笑いながら羽生は言う。
>「優勢になる道筋」ではなく「互角になる道筋」であることにまた唸らされる。
>(中略)一つの局面に、考えればいくらでも手は潜んでいる。
>一局の将棋は、お互いに最善をつくせばいつまでも終わらない。
>うんざりすることなくそれを楽しめる力が、羽生の強さなのではないだろうか。
たまには、自戦記をば 
これだけ将棋のブログを書きながら、実戦をめったに指してませんので(^^;
終局後の検討は、今回は激指などのコンピュータの力は借りてません
全部自分で考えてコメントをつけました
コンピュータで解析すると、実はあれもダメ、これもダメだったとわかるので、
イヤになる面があるので(笑)

開始日時:2010/05/18
棋戦:レーティング対局室(早指し)
先手:名将の初段の人
後手:Gizumo

▲2六歩
*早指しです
△3四歩
*私は後手です
▲2五歩 △3三角 ▲7六歩 △3二金
*▲3三角成なら、△同金で坂田流向かい飛車を考えてました
▲4八銀 △2二銀 ▲1六歩 △4一玉 ▲9六歩 △6二銀
▲7八金 △5一角
*先手から角交換してこなかったので、角の転回を目指すことにしました
▲4六歩 △5二金 ▲3六歩
*以下、駒組みが続きます
△6四歩 ▲4七銀 △6三銀 ▲3七桂 △7四歩 ▲6八銀
△5四銀 ▲2九飛
*この手を見て、右玉かと思いました
*なので、1筋を受けておきました ▲1五歩と伸ばされると、先手玉が広くなりますのでね
△1四歩 ▲4八玉 △8四歩 ▲3八玉 △8五歩 ▲7七銀
△3三銀 ▲4八金
*着々と駒組みが進んでます
△4四歩 ▲5六歩 △3一玉 ▲6六銀
*8筋が空きました
△8六歩 ▲同 歩 △同 飛
*次の手では、▲9七角~▲6四角もあったかもしれません
▲8七歩
*穏やかに収めてきました
△8二飛 ▲5五歩 △4三銀 ▲5七銀
*どちらもまずまずの序盤ではないでしょうか
*このあとに指す手がわかりませんでした
△9四歩 ▲5六銀直
*次の手はよくわからずに指しました
△8四角 ▲6六角
*あー、わかってはいたんですが、味のよさそうなぶつけですね
△同 角
*引くのはバカバカしいので、もう取ってしまいました
▲同 歩
*ここでまたやる手がわからなくなりました
*秒に追われて、時間ギリギリで指しました
△9五歩
*やっちゃった これで手が作れるのか?
▲同 歩 △7三桂
*この手も29秒まで読まれて、ギリギリ(^^;
▲9四歩
*あー、そうきますよね やっぱりね
△同 香 ▲同 香
*香損ですが・・・
△8四飛
*まだ後手もやれそうかな?
▲9三香成 △8六歩
*ここ、次の手では▲9五角で、△8五飛に▲8六角と収めておく手もありましたかね
*そうすれば、次の▲7七桂が味がよく、先手有利だったでしょうね
▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △9六飛
*ここまで進んでみると、後手は玉が堅いので、けっこうやれるんじゃないかと思いました
▲9七香 △7六飛
*次の手、おそらく疑問手と思います
*▲6七銀で先手がよかったんじゃないでしょうか
*▲6七銀以下、△7八飛車成▲同銀△3五歩と進めるつもりでした
*△3五歩に▲同歩なら、△3六歩▲同銀△5六角で王手銀取りの狙いですが、△3五歩の瞬間にほかの手を指されてどうか、ですね
*また、単純に▲7七歩でも先手がよかったかもしれませんね
▲7七桂
*これはチャンス到来、と思いました
△8五桂
*桂がさばけました 香損も、もはや関係ないも同然なので、これはいけると思いました
▲6七金 △7七桂成 ▲7六金 △同成桂
*角、金、桂、歩を持ち駒にして、成桂が活躍しそうです
*これは勝てる将棋になったと思いました
▲5四歩
*さすがの一手! 24の初段、恐るべし
*ほっとくと、歩成から▲5一飛で王手金取りがありますね
△同 歩 ▲5三歩
*これも、この一手でしょう こちらも読み筋です
△4二金右 ▲4五歩
*勝負勝負、と来ますね
△6六成桂 ▲4四歩 △同銀直 ▲4五銀 △5三銀
*これで耐えていると思いました
▲2四歩
*そうですよね~、ここに来ますよね~
△同 銀 ▲8四角
*全く読んでいなかった手、動揺しました
△6七成桂
*この手にかえて、△7五角が良かったと思います
▲7一飛
*ここで、底歩を打つか迷いました
*でも、底歩を打つと4筋に攻めの歩が利かなくなってしまいます
*玉を逃げて勝ちと思いました
△2二玉 ▲5一角成
*後手の一手勝ちだと思いました
△6六角 ▲5八歩 △5五桂 ▲3四銀
*ここが本局最大のハイライトでした
*後手が勝ちの決め手がありました
*実戦は、次の手が痛恨の悪手で、逆転してしまいました
△4七桂成
*これが悪手! この手にかえて、△4六歩ならハッキリ後手勝ちでした ▲同銀は、△4八角成で決まりです
▲同 金
*実戦は、先手に桂が入ったので様子がおかしくなってしまいました
△4六歩
*この手も、あとから考えるとどうだったのか・・・
*金を上に来させたのが、このあとの展開に大きく響きました
▲同 金 △5八成桂 ▲2四飛 △4八角成 ▲2八玉 △2四歩
*ここまでは読み筋でした
▲2三銀打
*この手には、△1三玉と逃げて大丈夫、と思っていたのですが、それだと▲2五桂打からピッタリ詰むじゃないですか!!
*4六の金が光ってます・・・
△同 金 ▲同銀成 △同 玉 ▲3五桂
*呆然としながら指しました
△3三玉 ▲2三金 △3四玉 ▲4五金
*絵に描いたような逆転負けでした 
*あー・・・
*なんで、94手目に△4六歩が打てなかったのか・・・
*そのために4一に底歩を打たなかったはずなのにね
*まあしかし、そこそこの内容の棋譜だと思います
*24の初段、やっぱり簡単には勝たせてもらえません
*あなどれませんね
まで111手で先手の勝ち
最近、TVアニメの「悪魔くん」という番組が関西圏で放送されている
第1話を偶然見て、それ以来ちょくちょく見ている
主人公の悪魔くんは、人間なのだが、一万年に一人現れるという悪魔使いの天才児なのだ

色々出てくる悪魔キャラの中で、百目(ひゃくめ)というのがいる
これがメッチャかわいい! 見ていてすごく癒される

主人公の悪魔くんと、この百目が友達になり、百目は悪魔くんの家に住み込むことになるのだが、
そこでの親との会話が非常にシュールで笑える

悪魔くん「百目をウチに置いてあげていいでしょ? 一生のお願い!」
母「だって悪魔なんでしょ? ご近所に知れたらどうなるか・・・」

おい、そういう問題じゃないだろ(笑) 悪魔が目の前に来ているんだぞ(笑)

この百目、この後、普通に小学校に通って、悪魔くんと同じ教室で授業を受けることになる
まわりのみんなは全く気にしていない様子、この強引さはすごいね(^^;

「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!」 この決めゼリフも、いいね~

ここのHPで第1話が無料で見られます 百目も出てきます↓
http://www.dmm.com/digital/anime/toei/akumakuna/index_html/=/ch_navi=/
鈴木大介八段vs大石直嗣四段   NHK杯  1回戦
解説 糸谷哲郎

大介はB1で予選免除、大石直嗣(ただし)は伊奈、神吉、南に勝っての出場

解説の糸谷「大介は豪快なさばきを得意とする振り飛車党、気分のいい将棋
 大石は力戦派で粘るタイプ、ポーカーフェイスで指す」
ちなみに大介は35歳、大石は21歳だ

事前のインタビュー
大介「大石と直接指したことはないが、勢いのある強い若手
 先手番なら石田流、後手番は考えていないが、攻め重視でいきたい」

大石「鈴木先生の棋譜を並べさせていただきました
 短い持ち時間で練習将棋をたくさん指してきました
 小さい頃からのあこがれのNHK杯なので自分らしい将棋を指したい」
インタビューでの大石のしゃべりかた、なんだか小学生みたいだった(^^;

今回から、棋譜の読み上げが甲斐女王から藤田女流初段にかわっていた
さすがに、女王に読み上げをさせておくのはどうかということだろう

先手大介で、宣言どおり3手目▲7五歩で、石田流だ
超急戦を期待したが、ここから本局は持久戦に進んだ
互いにじっくり囲いあい、大介は4枚美濃、いわゆるダイヤモンド美濃、大石は銀冠穴熊だ

序盤、駒組みが長かったので、雑談の時間があった
糸谷「大介には序盤のセンスがある 天性の才能を感じる」
矢内「大石は王位リーグ入りしているんですよね」
糸谷「王位リーグではふるわないが、いい経験になっていると思います
 僕も去年、NHK杯で経験させていただいたんですけど、小さい頃にあこがれていた棋士の方と
 指せるというのは、モチベーションを上げることもありますし、自分の実力が見えてきて
 もっと上を目指さないといけないことがわかる、非常にいい場所と思います」
こんな風にスラスラしゃべる糸谷、さすが大物の21歳だ

組み合ってみたものの、大介のほうにはまだ指したい手がいっぱいあるのに対し、
大石のほうには有効な手待ちがない
感想戦で、大石「ちょっと作戦負けだった」

突如、盤面が動いた なんと大石のほうから△9五歩と仕掛け、攻めていった!
これには糸谷も矢内もびっくりだ
感想戦で、大介も「自陣には隙がないと思っていたのでびっくり」

いっぱい歩を突き捨てていく大石、これで果たして手が作れるのか?
もし歩損だけが残ったら、穴熊の姿焼きの出来上がりで、見るも無残な将棋になってしまうが・・・

大石、最後の一歩を垂らしの歩に使い、なんとか手を作ることに成功! ここから寄せ合いになった
ふえー、どうなることかと思ったが、さすが王位リーグ入りしただけあって、手を作ったね
糸谷「完封負けの心配もあったが、それはなくなった」
ここで、大石、先手の飛車を成らせないためだけの、飛車先に桂を打つ△6五桂打ち!
うわー、これは見たことがない手だ よく指せるもんだ(^^;

まだまだ大介の楽勝と思って見ていたんだけど、6五の桂もさばけ、なんとこれが難しい将棋に?
ま、まさか逆転? 穴熊はそのまま残っていて遠いし・・・ 
糸谷「正確に指せば大介が勝ちそうだが、相手は穴熊なので、一手間違えれば危ない
 大石がうまく粘っている」

事前の紹介どおり、ポーカーフェイスで淡々と指し続ける大石
が、大石が二段目から飛車を打って直接王手したのがどうだったのか、
大介の玉を上に逃がしてしまった
感想戦で、大介「三段目に飛車を打たれたら、どうなったかわからなかった」
▲5五角と攻防の角を打つ大介の手が、バチッとしなっていた この手で勝ちを確信したのだろう

互いに30秒将棋だったが、以下、大介が確実に寄せ切った
糸谷「大石は序盤の作戦負けが響いた よく粘ったが届かなかった」

局後、大介「負けにしたかと思った」
あー、やっぱ穴熊は怖いね 相当作戦勝ちだったはずなのに、難しくなった終盤、
また「穴熊の暴力」を見ることになるのか、とハラハラしたよ
自分はずっと大介有利と思って見ていたのだが、糸谷の形勢判断が慎重だったのが印象的だった
穴熊に対しては油断できないということだね

負けたものの、大石はさすがに王位リーグ入りしているだけあって、力を見せたと思う
・・・ところで、矢内、今週はまた一段とかわいかった(^^;

さあ、来週は高橋vs有吉、いよいよ有吉さん登場、引退試合となるのか? 注目の一戦だ
第18期 銀河戦
本戦Bブロック 9回戦
佐藤秀司七段 vs 橋本崇載七段
対局日:2010年3月24日
解説:佐藤義則八段
聞き手:長沢千和子女流四段
記録:野田澤彩乃女流1級

21年度の成績は、ハッシー18勝22敗 秀司12勝17敗 2人の対戦成績は1-1

解説の義則「ハッシーは攻めて動く、という感じ 振り飛車も指すオールラウンダー
 秀司は腰の重たい、なかなか土俵を割らない受けの棋風、ハッシーの動に対し秀司の静」

ハッシーは頭にかぶった茶色いパイナップルが順調に育っていて、かなりデカイ頭だ
ちなみに眉毛も茶色に染めていた

先手ハッシーで、相矢倉かと思いきや、いきなりハッシーが銀をぶつけ、中央で銀交換の乱戦になった
秀司は銀交換になる展開を全く予想していなかったのだろう、どんどん考慮時間を使っていく

義則「秀司としては相手に攻めてきて欲しかったはずが、
 自ら攻めていかなければいけない展開になった」

そして、ハッシーに受けの好手が出る 盤面に持ち駒の銀を打ちつけ、
なんと秀司の虎の子の攻めの歩を取り切ってしまった
秀司は無条件に一歩損で、歩切れだ しかももう考慮時間をなくし、30秒将棋
うわー、これ、もし自分が後手なら、もうやる気をなくして投げたい気分だ、と思ってみていた

もう後手の攻めが完全に切れ、ハッシーの完勝かと思われた
が、ここから秀司は飛車先の歩交換で飛車を8五に引く手から、角切りの一連の妙手順を指した!
これで一気に攻め合いの勝負形になった 
義則「角切りは秀司の渾身の勝負手でしたね」

秀司に飛車をブン回され、逆にハッシーがピンチだ なんだか、流れがおかしい・・・
並みのプロなら、逆転していだだろう
が、本局はここからハッシーが力を見せた 
ハッシー、秀司の飛車を追う、端に桂打ちの実に考えにくい一手!
さらに、落ち着いてと金を作りにいく手、竜を5筋に回す攻防手の好手があり、
後手からの攻めは「ギリギリで寄りなし」と見切り、落ち着いて攻め合って、
ハッシーがきっちり勝ちきった

聞き手の長沢「終盤に入ってからの攻防が見ごたえありましたね」
義則「序盤は(後手の攻めが完全に切れ模様に見えたので)どうなることかと思いましたけどね」

うん、ハッシー、強かった! 序盤の楽勝ムードから一変、寄せ合いになったときは
流れ的に逆転負けしておかしくない将棋だっただけに、
これを勝ちきったのはハッシーの地力の強さを見せた一局だったと思う

自身のブログでハッシーは「最近不調、やばい」と書いていて、
不安だったのだが、やっぱり地力があるね
今回の将棋を見て安心した 昨日の記事では、「完全復活は近い」と書いてある
うんうん、よかったよかった

これでハッシーは2連勝ながら、銀河戦の決勝トーナメント進出決定だ
頭にかぶった、さらに育ったパイナップルが見れるだろう 楽しみだ
今日は将棋と全く関係ない話です(^^;
5月10日に、こんなニュースがヤフートピックスにありました
時事通信が取り上げてました

<70年断食の印ヨガ聖者、科学者も仰天>↓
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2724999/5722969

おおっ! これはすごい! と思いました 
科学者が集まって2週間も調べたのに、このおじいさん、飲食を1回もしなかったとは!
・・・だけど、ひょっとして、ウソかも? という疑いの念も消えませんでした

そして、母と激論を交わしたすえ、「ウソだ」という結論に達しました(^^;
インド人の友達もいる母いわく、「こんなん、後でウソとわかっても、
 インド人は『ノープロブレム』の一言で全て済ませてしまうで」

母はインドに旅行したこともありますが、インドでは死ぬのをまっている人が大勢、
道路にゴロゴロ寝転がっているということです
私も最近、DVDで「スラムドッグ$ミリオネア」というインド映画を見て、
いろんな意味でインドはムチャクチャな国だ、日本の常識が通用する国ではない、
という感想をもちました

このおじいさんを調べたのもインドの病院だし、調べた医者の人数が30人というのも、
どうにも多すぎると思いました 10人もいれば充分じゃないでしょうか

母は20年来、ヨガをやっていますが、食べる量は全然減ってません
朝、昼、晩と、3食モリモリ食べてます

「人は、深層心理で『見たい』と思っている風に、物事を見てしまう傾向がある」という格言があります
私は、飲まず食わずでも生きていけたら便利だな~、と日頃から思っているので、
ついこのニュースを信じてしまったのかもしれません 気をつけないといけないですね(^^;

このニュース、ぜひMMRのキバヤシさんに調査に行ってほしいです
調査員「インドで、70年間飲まず食わずで生きているヨガの聖者が見つかったんだ!!」
キバヤシ「な、なんだってー!!!」
第18期 銀河戦
本戦Aブロック 9回戦
森下 卓九段 vs 小林裕士六段
対局日: 2010年4月1日
解説:窪田義行六段
聞き手:山田久美女流三段
記録:野田澤彩乃女流1級

21年度の成績は、デカコバ25勝16敗 森下17勝19敗 2人の対戦成績はデカコバの2-0

解説の窪田「デカコバは力戦風味の居飛車党、豪腕 
 対局姿は動かざること山のごとし、攻めるときは津波のように攻める 
 ちなみに私は今までデカコバと4戦して全敗
 森下はこれぞ居飛車党の本格派 同門の兄弟子として、ちょっと厳しいところもあるが頼れる兄貴分」

今回、窪田がけっこう冗談を言っていて面白かった

聞き手の山田久美「小林さんとは交流がありますか?」
窪田「関西に行ったとき、畠山鎮さんといっしょに、小林さんにモチづくしをごちそうになった
 私と畠山が健康談義、小林はニコニコしながら聞いていた
 畠山と小林がゴルフ談義、私はニコニコしながら聞いていた
 私と小林の直接の話は、何があったかなあと」
山田久美「(笑)」

山田久美「森下さんは弟弟子の窪田さんにも礼儀正しいんですか?」
窪田「『あいさつは先手必勝』という言葉がありますから、どちらが先に相手を見つけて声をかけるか、
 という勝負です」
山田久美「(笑)」

山田久美「歩が2ヶ所ぶつかってますね」
窪田「ぜひとも3ヶ所くらいぶつけていただきたい」

(中盤、森下の持ち駒に歩がたまってきて)
窪田「歩を5枚持てば『一森下』ということで」
山田久美「はい(笑)」

さて、先手デカコバで、相矢倉の力戦模様に進む 後手の森下が△5三銀右から5筋で歩交換し、
▲2五歩に△3三銀と受ける形、渡辺が羽生との竜王戦でやっていた指し方だ

森下がちょっと良くなり、9筋から攻めていけば優勢を保てたのだが、それを逃してしまった
逆転してからは森下が粘りを欠いたこともあり、デカコバが圧倒した
相矢倉では短手数の89手でデカコバの勝利

感想戦で、森下「本譜、何かおかしいな~という気がしたんですよ やっぱ△9五歩でしたね」
森下「僕の指し方、そうとう悪かったですね~」
森下「どうみてもこっちでしたね~」

あー、本局はデカコバが強かったというより、森下の力の衰えが出てしまっていた印象だ
んー、森下と言えば、ずっとA級棋士だったのになあ 本局はやや悲しい負けっぷりだった

窪田が口頭で符号を言うだけで、あまり大盤で駒を動かさなかったので、
自分は途中から変化順についていくのをあきらめてました(^^;
毎朝、いっしょに散歩にいっていた犬が昨日、死んでしまいました・・・
もう14歳で、老衰だからしかたないんですけどね
ここのところ急に老けこんできていたんで、今年いっぱいくらい持つのかどうか、と思ってましたが・・・

この犬、ウチの飼い犬ではなくて、向かいの家の人の犬なんです
そこの家のおばあさんから許可をもらって、毎朝散歩に連れて行っていたんです
私も合わせて、近所の人4~5人が散歩させていました
ドッグシェアリングというやつです

3日前は、なぜか、犬がいつものコースを真逆のルートで歩いていきました
おとといはいつものとおりに進みました が、様子がおかしく、ノロノロとしか歩かず、
散歩が終わるまでに、いつもの3倍くらい時間がかかりました
昨日なんだかグッタリしていたので、散歩は中止しました
そして、昨日の夜、そのまま死んでしまいました

まあ、14年も生きて、死ぬ前日まで散歩していたのだから、大往生ですよね
今日の朝、ふと散歩しようとしたらいなくて、あーやっぱり死んだんだな~と思っている次第です

3年以上、ほとんど毎朝、散歩に連れて行っていた(私が犬に連れて行ってもらっていた、とも言える)
ので、これから朝はどうしようかと思ってます 
あー、生き物っていつか死ぬんですね

宇多田ヒカルの歌の歌詞で、
♪痛めつけなくても この身はいつか滅びるものだから 甘えてなんぼ This is Love 
というのがありますが、それを思い出してます
第18期 銀河戦
本戦Hブロック 8回戦
野月浩貴七段 vs 福崎文吾九段
対局日: 2010年1月8日
解説:中座 真七段
聞き手:村田智穂女流初段
記録:井道千尋女流初段

先週の土曜に放送があった一局 あのー、対局日が1月8日ですか もう4ヶ月も経ってますね・・・(^^;

21年度の成績は、野月14勝13敗 福崎10勝10敗 2人の対戦成績は1-1
ちなみに、野月は「のづき」とにごる、福崎は「ふくさき」とにごらない

解説の中座「野月は居飛車党で軽快な棋風、よく手が見える
 福崎はオールラウンドプレーヤーで色々な戦型を指す」

野月は髪の毛を2種類の色で染めていて、前半分が銀色、後ろ半分が金色だ
福崎は例によって、お茶の水博士のような髪型

中座「野月は友達が多い、海外にも友達がいる 英語もうまい
 福崎さんはどんな人ですか?」
聞き手の村田「すごいユニークな先生、冗談をすごく言う先生なので楽しいですね
 ムードメーカーです」
福崎さん、解説会では、独自の漫談の福崎ワールドを披露してくれてます

先手野月で、福崎が4手目にいきなり角交換してきた
▲居飛車の矢倉模様vs△向かい飛車穴熊だ

角交換しての穴熊はめずらしい ここから両者、お互いに角打ちの隙を作らないように気にしながらの、
駒組みが延々続くことになる 
中座「どこから駒がぶつかるんでしょうね~」
・・・もう番組開始から50分経つけど(^^;
福崎は飛車や金を横に移動させて手待ち、もう何手損したかわからないくらい手損をしている

中座「千日手にするプロも多いんじゃないでしょうか」
と言っていたが、野月が自陣角を打って、ついに打開!

野月の攻めをなんとか凌ごうとした福崎だったが、結果的に2筋方面に遊び駒が残ってしまった
もう時間を使い切ってしまっていた野月だが、打開後は力を発揮、敵の歩頭に銀を繰り出す妙手も指し、
鮮やかに攻め切った 結果、野月の快勝だった

感想戦で、福崎「野月の陣形がマリオの無敵みたいになってた」
福崎「こう行くと、相手は『ファイヤー!』とくるからね~」
福崎「ここからはもう雪崩(なだれ)コース、ちょっとヤッホーと言っただけなのにね」
福崎「相手の角筋に2回も飛車を回るなんて、(私は)トンチンカンな人~ ビデオ大賞に出れそうだね」
福崎「歩を引きたかったんやけどな~ 引いたら始末書書かないといかんから」
福崎「村田さんのブログに、『福崎さんがこんな変な手指していた』と書かれそうだね」

野月「左辺の歩を3つも伸ばしたのは伸びすぎでしたかね?」
福崎「野月君らしい手だね 野月君の身長もまだまだ伸びそうだね」

福崎さん、もう棋士なのか漫談士なのか、どっちなのかわからん(笑)

この福崎さんの戦法だが、これは居飛車党にとってみれば、相手が手待ちしている間、
指したい放題指せるので、これで千日手にしたら、プライドが許さないと思う
もし自分が相手に指されたら、これは居飛車党の一員として、勝たねば!と思いますね 
2010.05.11 軽くクイズ
今日は軽いクイズを2問 正解は下にあります

第1問
・里見女流二冠が好きな駒は何でしょう?
(ヒント 里見さんの名前)

第2問
・棋力、愛、一千万円、の3つの中で、どれが欲しいかインタビューがありました
 この質問に、矢内女流は何を選んだでしょう?
(ノーヒント)






第1問 正解は、香車 
 里見女流「里見香奈の名前に『香』があるから」が理由だそうです
 先月放送されたNHKラジオのインタビューで答えてました

第2問 正解は、愛 
 矢内女流「愛ですね アラサーなんで(笑)」
 (アラサーとは、around thirtyの略、30歳前後の意味)
 女流棋士とファンが集うイベント会場で、週刊将棋ステーションのインタビューに答えてました
 ・・・矢内さんは今ちょうど30歳、結婚はしないんでしょうか?(^^;
瀬川晶司四段vs広瀬章人五段   NHK杯 1回戦
解説 片上大輔

瀬川登場だ 対するは若手の実力者の広瀬 何気にマニアには好カードだ
瀬川は予選で村中、泉、金沢に勝って出場 広瀬は新人王戦の優勝で出場とのこと

事前のインタビュー
瀬川「僕がアマ時代に通っていた将棋センターに、広瀬君も来ていた
 広瀬君は気持ちの優しいいい男  1回目のチャンスから積極的にいきたい」

広瀬「瀬川さんは面倒見のいい先輩 日ごろからお世話になってます
 瀬川さんは丁寧な受け将棋、僕は攻め将棋なんでうまく揺さぶりたい」

今週こそは相穴以外で頼みます、という気持ちで見たNHK杯
ところで、今ごろ気がついのだが、棋譜の読み上げが甲斐女王ではないか! 
そうか、この人が新女王か 甲斐さん、メガネ姿の印象があって、気がつかなかった(^^; 
何年もNHK杯を見ていて、自分は何を見ていたんだ・・・orz

解説の片上「ブログ研と言って、渡辺、瀬川、遠山、そして私の4人で月に1回、研究会をやっている
 研究会では私は瀬川になかなか勝たせてもらえない」
そうか、そんなメンバーで研究会をしていたのか それも知らなかったな

片上「広瀬は1年前くらいから、色々な戦型を指し芸風を広げようとしている
 現役の早稲田大学生」 現役の早稲田の学生だったのか それも知らなかった

NHK将棋講座のテキストに、片上は「片上ファイル」という、各棋士がどんな棋風かなどを
まとめたデータを書いているそうだ 
矢内「ぜひ辛口で書いてください」
片上「そういう(辛口の)キャラクターと思われてるようで(^^;」
矢内「思ってます(笑)」
自分はテキスト、買ってないからな~ 片上ファイルのことも知らなかった
知らないことだらけの自分・・・(^^;

さて、戦型は先手瀬川の居飛車急戦▲4六銀型vs後手広瀬のゴキゲン△3二金型だ
3週連続の相穴も覚悟していただけに、これはうれしかった
片上「この形は一番流行の研究対象、練習将棋でよく指され、
 東京でこの将棋が指されない日はないくらい
 昨年度のNHK杯の準決勝の▲丸山vs△羽生もこれと同じ将棋だった」
あったねえ、その将棋ね さすがにそれくらいは覚えてる

瀬川がフタ歩で広瀬の飛車を閉じ込め、いきなり後手が飛車を切る展開だ
片上「本局はプロにも注目される将棋になりました」  
瀬川がどこに自陣飛車を打つのか注目されたが、▲5八飛打ちだった これも有力手だそうだ

角銀交換で先手の駒得だが、形勢はどうか
片上「戸辺君が言い出したんですが、『1マス理論』というのがある 玉が1路奥まっていると、
 角銀交換くらいの差がある、という理論 だから本局はそれにのっとっているので互角」 

片上「ここまで瀬川の研究範囲なのかも、形勢はやや瀬川よし」と言っていたが、
ここで瀬川らしい手が出る 受けの手、▲5八歩だ だが、これは問題だったようだ
片上いわく、「▲5八歩は瀬川らしい受けの手だが、すぐに▲1一角成りとしておきたかった、
 結果的に△5一香との交換になってしまった」
この後、先手から5筋に歩が立たず、先手は攻めに苦労することになった
まさか、こんな小さな疑問手が敗因にならないだろうな、と思ってこの先を見ていたのだが・・・

この先、お互いにミスの出ない緊迫した将棋になる
広瀬がじっと△1八竜と1マス引いたのも片上「一石二鳥の好手」
対して、瀬川が▲4一金とベタ金を打って、無理やり香を取りにいった手には、
片上も矢内も「おおお~っ!」と驚いていた テレビの前の自分も声をあげて驚いた(^^;

瀬川は▲7一銀と王手をかけ、一見、広瀬ピンチかと思えたが、広瀬は粘って決め手を与えない
片上「こういう狭いところでの折衝は広瀬が得意
 さんざん戦ったあげく、形勢難しい 本当に好勝負」
おいおい、どうなってるんだ レベルが高すぎじゃないのか まだ1回戦だぞ・・・

30秒将棋が延々続く中、この勝負の一番のハイライトと思った一手が広瀬に出る
片上「広瀬は一気に攻めていきそう」と言っていたのだが、広瀬が指した手は、
自陣を安全にする△5二金! うわ、これは堅い・・・ 竜が逃げていてはもう瀬川に勝ちはなさそう
瀬川、仕方なく竜を切っていったが、攻めが単調になってしまった

そして、広瀬は「見切り」を発揮した 
王手ラッシュで、瀬川玉を圧巻の23手詰みの即詰みに切って落とした!
歩しか余らない、ピッタリの詰みだ ぐぁ、つ、強い・・・ 
30秒将棋でこの読みの正確さ・・・ うへぇ

瀬川がフタ歩をして飛車を閉じ込めたのが25手目、終局は142手 延々100手以上戦っていたのか
一局を振り返って、片上「押し切りそうになったところで、少し苦しい側が盛り返して、
 押したり引いたりの大熱戦だった 短い時間の中でバランスを保って指す2人の技術に感心した」

ホント、これが1回戦の内容か、と思えるほど高度な応酬だった 屈指の好勝負だったよ
瀬川、負けたけど、実力の高さは存分に見せたと思う 
結局、瀬川の▲5八歩まで敗因はさかのぼるのだろうか
プロって、こんなレベル高いの?と思ってしまう一局だった 
いやいや、見ごたえ充分の将棋だった さすがNHK杯、両者よく戦ったな~ ふうー、満足だ
終局後、エミちゃんが井上先生といっしょに写メールを撮っていたわけですが、
そのとき、エミちゃんの友達?の2人の男の人がいっしょに写ってました 
エミちゃんのファンクラブか、後援会みたいなものがあるのかもしれません・・・

BSで渡辺が解説していましたが、最終盤の三浦の角での王手に対し、
羽生の角合い、あれは危険で、銀合いが正しかったとのこと
井上解説では、銀合いなら取って詰んでしまうので、角合いしかない、
ということだったんですけどね たしかに、渡辺の言うとおり、銀合いで、
最後に玉を4一に落ちて後手玉は詰みませんね
井上解説は、玉を1筋のほうに逃げてしまっていたので、詰んでしまっていました
角合いは、もし羽生が負けていれば敗着でしたね
お客は誰も気づかなかったです

いや、それにしてもハラハラしました 面白かったです
私は次の第4局、そして第5局は、残念ながらもう解説会に行く予定はないです
局面は、羽生が優勢、あとは羽生がどう仕上げるかを見るばかり、という状況になっていた
井上「三浦が粘るとしたら、▲1二角くらいかな~ あ、棋譜が来ました
あ、打ってますね▲1二角! しかし、私の予想が当たりだすようでは、もうアカンわけです」
・・・と、言っていたのだが、井上先生、色々検討してみたのだが、意外にも羽生のほうにこれと言った決め手が見つからないではないか?

井上「がんばれ三浦、ですよ~ 根性の角打ちですね」
羽生は、じっくり行く手もあったのだが、一気に寄せに出た
井上「あ、羽生のこの手が詰めろか」
あ~、やっぱり何もかも羽生の読み筋だったのか?
・・・が、検討の結果、三浦玉に決定的な寄りがないではないか?? 
羽生の一気の寄せに行った構想はどうだったのか?

井上「正直言って、寄せ合いにもならんだろうと思っていたけど、何かあったら三浦にチャンスあり、という局面になってます」
一気に寄せにいったにも関わらず、自陣に手を戻すことになった羽生、これはどう見ても変調だ

手が進むにつれ、さらに局面がどんどん複雑化していく
井上「これは恐ろしいことになってますよ 三浦の▲4五角成り、いい手じゃないですか、これは!」
な、なにぃぃ この将棋が難しくなっちゃうの?!

井上「こんな将棋じゃなかったはずです 羽生が完封で勝てる将棋だった
あれ~、この将棋がこんなことになるとはね~ これは恐ろしい・・・
私は今日は、8時半には終わって帰れるかな、と思ってたのに」

井上「これはもう、流れ的に羽生さんが勝てない将棋になってます
こんなことがあるんですね~」
会場に異様な空気が流れる まさか、羽生の大逆転負け??

井上「羽生は△6五桂打ち! こんな手指されたら、もうわけわからんな~
超難解な終盤になってます これはもう指運ですね」
三浦、必敗形からの怒涛の追い上げ! しかし、羽生も盤面に3枚桂を並べてがんばる
うおー、これはどうなるんだ

そして、いよいよ詰むや詰まざるやだ 
なんと、完全に遊び駒と思われた1一のと金まで利いてきての詰み筋がある
相当に難解で、三浦に角で王手されたとき、
羽生は合駒を何にするかで詰むかどうか決まるという、まさにギリギリだ
棋譜が入ってくる
井上「おー、角で王手してる、打ってる!」
ここで羽生が角合い以外ではどれも長手数ながら詰み、ということが検討されていたが・・・
棋譜を受け取った井上先生、
井上「羽生もさすが! 角合い!」
ぐ、ぐおおお 見ごたえありすぎ どうなってしまうんだ

検討の結果、はっきり三浦勝ち、と出た
その順は、羽生玉を一気に詰ますのはいったんあきらめて、
王手桂取りをかけて角を引き成っておく、という順だ
井上「三浦、この順でいきましょ! しゃかりきに詰ましにいくよりね!」
おー、たしかに、その手順なら、自玉が完全に安全になり、羽生玉はもう寄りだ
三浦、ついに勝ちだ 羽生戦の連敗が12でストップだ・・・

・・・と思われた瞬間だった、三浦の指した手は、安全策ではなく一気に詰ましにいく王手の桂打ち!!
井上「あ~! これはどうかな~! これはどうかな~! この桂打ちはどうかな~! 59秒まで読まれて指したんだと思いますよ」
あああああ~!! 最後の最後で、三浦、痛恨の一手!!

井上「次の手は、三浦は『この手じゃもう勝てない』と泣きそうになりながら指したと思います
羽生に勝つというのはこんな大変なんですね 久保はよく勝ったと思いますね」

三浦は奇しくも即詰みではなく、自分が逃した安全策の縛りを羽生にかけられ、結果、羽生の勝ち・・・!!
あああ・・・ 三浦、惜しいなんてもんじゃない、勝ちまであともう数センチというところまで来ていたのに・・・!

井上「いや~、すごい将棋でしたね 三浦は次につながるんじゃないかな、と思います 長時間ありがとうございました」
お客「パチパチパチ」
その後、エミちゃんの写メールに写ってあげる井上先生がいた

あー、今回の解説会、長かった・・・ 
ホント、羽生に勝つっていうのはどんだけ大変なんだ、というのがよく伝わってきた
最後の最後、アマ1級くらいあれば指せるであろう安全策の勝ちを逃した三浦、もうそこまでに至る難解きわまる過程で疲れ切っていたんだろうね ちゃんとこの一局を見ていた人は、誰も三浦を責めないよ・・・

「燃えたよ・・・ まっ白に・・・ 燃えつきた・・・ まっ白な灰に・・・」
という三浦の言葉が聞こえてきそうな一戦だった  (終わり)
雑談を交えながら、指し手の解説が続いている
井上「この手は『味のいい手』、この言葉の意味が感覚でわかるようになれば、強くなっている、ということです
将棋を知らん人には、『何がおいしいんだ』となりますけどね」

井上「さて、ここから急に激しくなりましたよ 角金交換で攻めていった三浦、と金が出来て、桂、香を拾いましたが・・・ 三浦の飛車が圧迫されてますね この飛車の気持ちになったらイヤですよ~」
局面、いちおう三浦の駒得と言えるが、三浦は歩切れだし、盤上の左側を羽生の駒が圧倒的に支配していて、羽生玉が広すぎる
こ、これは・・・ 羽生が負けになる展開が見えない、形勢にかなり差があるのでは・・・

井上「ここで、▲9五金と打つ手があったんですけど、三浦は指さなかったですね」
あー、この▲9五金は、自分も考えていて、かなり有力じゃないかと思っていたのだ
だが、三浦はさすがに筋が悪すぎと思ったのか、指さなかった
この勝負手を逃したことにより、局面は羽生が決定的に優勢になる

井上「▲4六香というのも評判の悪かった手ですね 
これはないやろ、とね 私が言ったわけじゃないですよ(^^;
形勢は・・・ どうやろ、8-2くらいで羽生が良しですね」
ああ~、三浦また完敗か、という空気が場に流れた

休憩をかねて、次の一手クイズになった クイズを出し終えた井上先生に、近寄るエミちゃん
エミちゃん「井上先生、写メール(いっしょに写ってもらって)よろしいですか?」
井上「あんまりよろしくないんやけど(^^;」
エミちゃん「あ、じゃあ解説会が終わってからお願いします」
井上「終わったらすぐ帰ろ」
エミちゃん、スルーされてますね(笑)

次の一手クイズでは、20人の人が正解、井上先生が抽選をし、10名に賞品が当たった
係の人「5名の方に名人戦記念扇子、5名の方に井上先生の本です どちらか選んでください」
井上「私やったら扇子を選びますわ」
しかし、井上先生の本を選ぶ人がかなりいた
井上「あー、うれしいですねえ 本を選んでいただいた方には、もれなく私との熱い握手!」
そして、本を選んだ人と握手をしていた

井上「あー、この人には当てたくなかったな~ マジカルエミさん」
え~、またエミちゃん、当ててる!(^^; クジ運もいいな~
しかし、エミちゃんは扇子を選んでいった
井上「握手しなくてよかったからまあええか」

井上「抽選、一人だけ悔いが残りますけどね なーんかよく当たるんですよね」
ホント、エミちゃん、よく当たりますよね

井上「今日はタイガースは広島とやっていて、城島が初回に満塁ホームラン!
しかし、ピッチャーのフォッサムが突如乱れてね~ 早く交代させたほうがいいと思うんですけどね~」
あいかわらすタイガースが好きな井上先生です

井上「この3六の歩、これが効いてますねえ これが後手の駒じゃなくて先手の駒やったらねえ
服のスソに当てて、逆にしたいですね」
お客「(笑)」 
・・・その発想、「相手がトイレに行っている間に駒をずらす」と解説した福崎先生と全く同じですね(^^;

お客「三浦に楽しみはないですか」
井上「ないですね~ つらいですね」 
と、もうあきらめ半分の解説だったのだが、三浦の▲1二角の粘りから、
まさかまさかの展開が待ち受けていようとは・・・ (つづく) 
6時前、関西会館にに到着 
あら、今日もマジカルエミちゃんが来てますね(^^;
今日は髪の毛が金髪っぽいブラウンでサラサラヘアー、美容院に行ってきたのかな
白と薄紫の水玉のワンピースのスカート、フリフリがいっぱいついていてかわいいですね
頭には大きなピンクのリボンをつけてますね
エミちゃん、いつも一番前の席に座っているから、イヤでも目立ちます(^^;

PM6時、井上先生登場、拍手が起きる 
お客は60人くらいだったか 用意した席が満席でしたね
拍手がいつもより大きいです 井上先生、人気がありますね

井上「今日は雨だったからどうなるかと思いましたが、こんなたくさん来てくれてね~
私は、去年は順位が10位で最下位だったんですけど、今年は1位になりました! 今年もがんばります!」
さすが井上先生、しょっぱなからギャグをかましてくれました(笑)

井上「今日、三浦が負けると、ま~、アカンでしょうね 第5局、私は立会い人なんですよ 今からその日を空けてるんです 第5局まで来てほしいので、今日は個人的に三浦を応援したいと思ってます」
 
井上「第1局、第2局と、流れ的には三浦が悪いがどういったことになりますか
第3局も横歩取りになっています 羽生は、『あなたの得意で勝ってやる』と言いたいんですかね」

ここで、ちょっと雑談になった 
井上「第14世名人は木村、第15世は大山、・・・第19世は羽生、第20世は誰になるでしょうね?」
エミちゃん「マジカルエミです!」
井上「わかってます(^^;」
エミちゃん「第20世は渡辺が有力候補で、なんたらかんたらで渡辺はどうたらこうたらで~」
井上「発言は30秒以内にまとめてね(^^;」
お客「(笑)」

さて、解説が始まり、序盤をわりと丁寧に解説していく井上先生
井上「この辺は横歩取りを指さない方は、なんのこっちゃ、ということなんですけどね 一手一手大切なんです」
・・・私はもう横歩取りの序盤は理解するのをあきらめてます(^^;

お客「あの~、先手はいつでも飛車で角を取れるわけですよね 『序盤は飛車より角』という格言がありますが、飛車を切って角2枚を持つのはどうなんでしょう?」
井上「あ~、飛車のほうが得です! その格言はちょっとカッコつけてますね あんまり当てはまりません」
お客から質問がたびたびありましたが、井上先生、丁寧に答えていきます

解説で二歩の手順を話し出した井上先生、
井上「ここに歩が打てたら必勝なんですけどね これは淡路先生がよくやりますね 今日も上の階に来てます 淡路先生、ここにおらんでしょうね こういう話をしてると来るんです」
お客「(笑)」

さらに、去年の順位戦を振り返りだした井上先生
井上「3勝1敗になってからおかしくなったですね 1勝3敗くらいになるかと思ってたんですけどね
郷田に勝った将棋が、ちょうどこれと似た横歩取りでね~
それがあまりにも快勝だったんで、それで調子がおかしくなりましたね」

井上「この後手の中原囲い、これは最初見たときは何やこれ、と思いましたけどね
これが優秀なんですよね 堅いし、左右両方に逃げれて、広いんです」

井上「三浦は屋敷と『封じ手』の練習をしたそうです 
ちなみに、将棋は封じ手は二通書くんですけど、囲碁は一通なんですよ これはなぜか? 
将棋のほうの理由は、一通を無くした時のため、というのが理由です
囲碁のほうの理由は、二通に別々のことが書かれていたら困るから、一通しか用意しない、とのことです」
へえー、そんな理由があったのか、知らなかった

井上「これは裏話なんですが、封じ手を二通書いて、二通とも、一つの封筒に入れた人がおるんです
誰とは言いませんが、最近二冠になった人ですわ」
お客「(笑)」

井上先生、いつも通り、しゃべりが快調ですね さすがです(つづく)
第18期 銀河戦
本戦Gブロック 8回戦
南 芳一九段 vs 糸谷哲郎五段
対局日: 2010年2月18日
解説:森 ケイ二九段
聞き手:高群佐知子女流三段
記録:伊藤明日香女流初段

21年度の成績は、糸谷32勝14敗 南10勝12敗 2人の対戦成績は糸谷の2-1

解説の森「糸谷は居飛車党で、早見え早指し 急戦が得意の力戦タイプ、攻め将棋
 南は居飛車党だが、後手では振ることもある 受けが強い
 対照的な2人の対戦、やんちゃな糸谷、じっとしている地蔵流の南
 糸谷の急戦を南が受け止める展開になりそう」

先手糸谷で居飛車、後手南が藤井システム調の出だしから、やや変則的な居飛車だ
南が雁木から銀矢倉に囲おうとするのに対し、糸谷が速攻でナナメ棒銀で攻める、という将棋

ナナメ棒銀で押さえ込まれそうになった南が、驚くべき構想を見せる
一歩損をして、わざわざ銀を呼び込み、銀交換のあと、△2八銀~△1九銀で香を取ったではないか
一昔前の駒得重視のコンピュータがよくやっていたような手だ
こんな手があるのかな~と思ってみていた(^^;

糸谷は例によって、ノータイムでビシビシ指していく
糸谷が▲2三歩と垂らした手に南が△3三金寄りと受けたのが見えにくい手、
森「△3三金寄りは好手に見える」と言ったのに、糸谷はまるでその手はわかっていた、といわんばかりに
30秒も考えずに▲2二銀と打ち込んでいった
なんでこんな銀を打ち込む手がすぐ指せるのか 相手に銀を渡すんで、けっこう怖い手なのに・・・

その後も、もうビシビシバシバシ指していく糸谷、間髪入れずという表現がぴったりだ
南ばっかり考えてるよ・・・

そして、いつの間にか大差がついた
結果、糸谷が南を圧倒しての勝ち・・・! 糸谷は考慮時間を9回余しての勝ちだった
99手、終局は番組開始からわずか58分だった 

南にしてはショックな負け方かもしれない こんなふうにノータイム指しをやられて完敗すると、
自分自身の存在価値が問われる、そんな負け方だと思う

この一局、NHK杯での、渡辺vs糸谷戦を思い起こさせた 
渡辺が短手数、短時間でボロ負けした一局だ
対局中の場の空気が、あの時ととてもよく似ていた

感想戦で検討してみると、糸谷がミスしていたところもあった、ということだ
でも、そういう問題ではないんだよね
対局中は、糸谷がもうとにかくノータイムでバシバシ指してくるもんだから、
相手は考える時間が全く無く、どんどん流れが糸谷ペースになっていく、
そんな空気が場を支配しているのだ
あとから検討して考えると糸谷もミスしていた、と言っても、もう意味がないんだよね

いや、糸谷、恐るべし・・・ 今回は考慮時間を9回余しての勝ち、
糸谷にとっては、この銀河戦やNHK杯ルールでも、持ち時間が長すぎるのでは、とさえ思えた一局だった

糸谷と言えば「怪物」の呼び名があるが、「暴風」というのもピッタリと思う
相手を暴風に巻き込んじゃう、という意味でね  
これでGブロック4連勝、決勝トーナメント進出決定だ
2010.05.06 名人戦第3局
また横歩取り△8五飛になりましたね
明日は関西会館の解説会に行く予定です
解説者は井上八段です
今日から3日くらい分の、ネタがないですorz  

でも、コンピュータ選手権の「稲葉将棋」面白かったです
千日手指しで時間切れ狙い、いいですね~(笑)
この指し方をマネして、人との対局でこんなことをやったら、2度と対局してくれないでしょうね(^^;
一次予選を無敗で突破したときはどうなることかと思いましたが、二次予選では通用しなかったですね
今は昼の12時、どこが優勝するんでしょうか

追記・激指が優勝しましたね~ 習甦、惜しかった! 
 習甦、二次予選は5位でギリギリ通過だったのに、台風の目でしたね
 スカパーで勝又さんが棋譜を解説してくれるのは来月になっちゃうんでしょうか
 激指10が冬に発売されるでしょうけど、9を持っている私としては買うか迷います

さらに追記・スカパーで勝又さんが解説するのは7月17日とのこと・・・ うへぇ遅いね(^^;
窪田義行六段vs畠山 鎮七段   NHK杯  1回戦
解説 櫛田陽一

あー、矢内が女流四段の表記になっちゃってる これは先週からか・・・ 
先週は相穴熊になっちゃったから見なかったんで、今週は気合をいれて見るぞ!

窪田は予選で、大内、永瀬(新四段)、中村太地に勝ち登場 畠山鎮(ハタチン)は順位戦B1で登場

解説者が出てきて、誰だ、これは?と思ったら、クッシーだった(^^;
髪型が毎回違うんで、誰だかわかんなかったよ

事前のインタビュー
窪田「(最近の調子は)昨年度からあまり調子は良くないので、それは課題です
  NHK杯は第56期でベスト4までいったので、その先に行きたい」
これを聞いたクッシー「ベスト4の上ということは、決勝までということ、強気な発言ですね(笑)」

ハタチン「(最近の調子は)公式戦では悪くないが、心配している部分もある
 今日の窪田戦、窪田さんは非常に個性があるので、負けないくらい個性を出したい」

クッシー「異彩派の窪田vs正攻法のハタチンという構図」

さあ、先手窪田で対局開始だ ・・・と思ったら、窪田、上着を脱ぐんですか
あれ、脱ぐのに苦労してますね そしたら、脱ぐのかと思ったら、着なおした(^^;

窪田、角道を開けあったあと、端歩を2つ伸ばし、▲7七角と上がる個性的な序盤!
これは△同角成り▲同桂で乱戦か? いいよいいよー あら?ハタチンは自重したか

・・・あれ?再び画面に窪田が映ったけど、上着を脱いでいるじゃないか
着なおしたのは結局なんだったんだ(笑)
ベスト姿で、手のひらを顔に当てて考える窪田流がいきなり見れた

▲窪田の5筋位取り中飛車に、△ハタチンの居飛車だ 
え?ハタチンが角道を止めて持久戦模様に?
まあいいか でもなんかイヤな予感がしないか? うわ ハタチン、穴熊に!!
まあいいか 窪田は美濃だろう ・・・って、▲1八香!!!
窪田まで穴熊!! なんでええええーー!!
窪田が香を上がった瞬間、ぐあああと叫んだ

2週連続相穴熊!! それはないよorz  もうどっちが勝ったか、調べる気も起きず

来週は瀬川vs広瀬か 広瀬と言えば、棋界一のアナグマン・・・ 
まさか・・・ 3週連続で相穴はないだろうな・・・ 

これで記事が終わりでは、あまりにも寂しいんで、
何かできないかと思って、替え歌を作ったけど、ワンフレーズしかできず
尾崎豊の「I LOVE YOU」の替え歌
♪アイ アー ナー 今だけは固めた玉 見たくはないよ~  END

ちょ、マジで来週、相穴以外で頼むよ!!
第18期 銀河戦
本戦Fブロック 8回戦
神谷広志七段 vs 長沼 洋七段
対局日: 2010年2月16日
解説:佐藤秀司七段
聞き手:本田小百合女流二段
記録:井道千尋女流初段

21年度の成績は、長沼13勝10敗 神谷10勝13敗 2人の対戦成績は神谷の1-0

解説の秀司「長沼は居飛車中心の何でも指すタイプ 事前に作戦を考えて臨む 駒得が好き 
 神谷も居飛車中心、外見に似合わず筋のいい将棋(笑) 薄い玉形が好き
 どういう将棋になるか、戦型の予想がつかない」

途中の雑談で、秀司「長沼の性格は温厚で、怒ったところを見たことが無い、
 神谷は豪放な見かけによらず、周りに気配りをする人」

先手長沼で居飛車、後手神谷の一手損角換わりかと思いきや、神谷は飛車を4筋に振って立石流にした
これも後手の有力な作戦ということだ

序盤、神谷がいきなり4筋の飛車先を交換し、角交換にもなり、相居玉での乱戦模様だ
神谷は左桂も早々に跳び、どうなることかと思われた 
秀司「神谷はアグレッシブですね」 ・・・が、互いに玉形を整備し、持久戦に落ち着いた

秀司「居飛車側が構想が難しい」と言っていたが、長沼は2枚落ちの上手のような陣形に組み上げた
神谷は自然な美濃囲いだ ここまでの序盤は、後手の神谷が不満なしに思える

先手の長沼、どうやって手を作るのか、と思われたが、▲8六角と打ち、一歩を取りに行った
そして歩を取ったあと、▲4五歩の突き出し! おお、この▲4五歩は好手っぽい!
これで角を4六に引けるようになった!
実際に、長沼、角を▲4六角と絶好の位置に引き上げることに成功!

この角の利きで、長沼は後手の美濃のコビン攻めを開始 歩での攻めが受けにくく、厳しそうだ
聞き手の本田「▲4六角は絶好の位置ですね」
秀司「神谷が困った感じ」
・・・うわ、これ、神谷は実際にかなり困ってるっぽい 
この局面、どっちを持ちたいかプロに聞いたら、100人が100人とも「先手」と言いそう・・・
画面にも、いかにも「困った」という顔の神谷が映し出された

その後、長沼のコビン攻めがもう受からなくなった 長沼は馬を作り、無条件の香得に成功した
神谷もがんばろうとし、秀司に「耐えがたきを耐え、ということですね」と言わせたが、
どうにもこうにも、この差はプロレベルではいかんともしがたかった

秀司「こういう駒得になる展開は長沼は涙が出るほど好き」
長沼さんのニックネームは「駒取り坊主」ですもんね

以下、駒得を広げてから長沼が危なげなく寄せ、長沼の完勝!

感想戦での神谷はボヤきっぱなしだった
神谷「▲4六角と引かれるおバカさんは世の中にいないよなあ~!
 本譜は角を引かれて完全に終わりだね ひどいね ▲4六角でオワだね
 感想戦、まだやりますか?」
ここは面白かった もう、それ以降の手順は、プロレベルでは感想戦をやっても仕方ないよね
事実上、▲4五歩の一手で決まった、という一局だった

勝因、敗因が明確で、単純明快で、自分としてはそれなりに楽しめた一局だった
NHK杯は熱戦を期待しているので、こういう内容ならガッカリするだろうけど、
銀河戦では色々な将棋が見れるのが醍醐味と思っているのでね
2010.05.01 連休の予定
母「あんた、連休の予定は?」
私「大魔王バラモスを倒して、世界を救うわ」
母「そうか じゃあ、あたしはご飯を作るわ」