第19期 銀河戦
本戦Dブロック 8回戦
北浜健介七段 vs 宮田敦史六段
対局日: 2011年2月15日
解説:千葉幸生六段
聞き手:貞升 南女流1級
記録:野田澤彩乃女流1級

木曜に放送された銀河戦
宮田は前局で勝浦に勝ち、北浜は予選で武者野に勝ち
22年度の成績は、宮田15勝11敗 北浜17勝10敗 2人の対戦成績は北浜の2-1

解説の千葉「宮田は終盤の強さ、読みのスピードの速さで有名 序盤にもこだわりがある
 北浜は居飛車党で相掛かり、横歩取りを得意とする 攻めの棋風で、やはり終盤力に定評がある」

先手宮田で、▲居飛車急戦vs△5筋位取りのゴキゲン中飛車になった
宮田の右銀が▲2五銀と出たところで、北浜は△5六歩と開けて戦闘開始

宮田が▲6六歩と角交換を拒否した手に対し、北浜はなんと△6五銀! おお~歩頭に銀か
先手はこの銀が取れない! これは後手が気持ちいいな~

が、北浜、つづく飛車浮きがどうだったのか、角銀交換の駒損になっちゃったぞ
千葉「宮田が少しいいと思うが、先手は陣形が弱いので間違えたら負けやすい」
とにかく、宮田としては、北浜に手を作らせたら絶対にダメな将棋だ 押さえ込めるか?

が、この勝負どころで、宮田、北浜の攻めを呼び込む、危険な手を指しちゃった!
すかさず、つけいる北浜 攻めが続き、もう宮田の陣形、バッラバラ!

そして、北浜の、実にうまい歩の垂らしが決まった~ 飛車交換になっちゃった
千葉「後手のほうは美濃が無傷で残っているので、先手は苦しいですね~
 サッカーでいうと、先手はディフェンスラインを高くあげた、その裏に入られたという感じ」

陣形は圧倒的大差で、駒の損得もほぼなく、飛車交換だ この時点で勝負はあった 
その後、寄せるまではまだ長くかかりそうだったのだが、北浜は実にうまい寄せの構想を見せた
あっという間に、宮田玉を寄せてしまった うーん、これは鮮やか!
千葉「北浜がすごくスマートに仕上げましたね センスのいい攻めでした」

北浜、終盤力に定評がある、という看板に偽りなし!
読みではなく、寄せの構想力が必要とされた局面で、見事に寄せた すばらしい 
一方の宮田は得意の終盤力を発揮するチャンスが全然なかった 後手陣は全く手付かずだった(^^;

いやいや、北浜、プロらしい寄せだった うんうん、良かったよ 
イベント会場の岡崎城の公園敷地内で、将棋大会やプロ棋士による指導対局などが行われてました
私はトークショーだけ見てきました 時間は30分間でした 
以下、どんな内容だったか概要をまとめました

岡崎城の城の脇の能楽堂(のうがくどう)というところでありました
能楽堂は300人収容のところに、お客は150人くらいでしたかね

石田九段の挨拶で、米長会長、渡辺竜王、広瀬王位が呼ばれて、拍手が起きました

米長「地震の影響で、東京のほうは計画停電とかで大変なんです  節電が言われていますが、将棋は電気を使わないでできるゲーム だから将棋を薦めていくのが私の役割です」

石田「公益法人になったということですが?」
米長「それをしゃべると3時間くらいかかりますんで(笑) 3月31日に、将棋連盟はいったん解散して、新しい組織になりました 対局に勝った人と、普及に貢献した人にはお金にありつける、ということになりました」

石田「将棋の魅力は?」
米長「洞察力が身につく、ということですね 総理大臣に一番求められるものです」

石田「渡辺竜王と羽生三冠はどっちが強いんでしょう?」
米長「羽生より渡辺と広瀬のほうが強いです 今日この後の対局で勝ったほうが日本一(笑)」
渡辺「王位戦では、羽生さんが挑戦者になるのを楽しみにしてます(笑)」
広瀬「僕の力は自分で言うのもなんですけど、まだ未知数なんであと2~3年待って下さい(^^;」

石田「将棋は年齢でいうと、何才くらいが一番強いんですかね?」
米長「18才が一番強い 読みのスピードが速いです 30代が指し盛り 40代も強い」
渡辺「僕は今27、この何年かは現状維持のような気がします(^^; 知識は増えてますけど」
広瀬「僕は今24、プロになったのが18のときなんで、もう全盛時は終わりましたね(笑) 読みのスピードは落ちてますね でも去年はいいことがいっぱいありました」
米長「しかし、年を取ると、将棋が強くなるというより、うまくなる かけひきとかね」
石田「私は60を過ぎてから、ポカが多くなってね~(笑)」

石田「里見さんが奨励会を受験するということですが?」
広瀬「僕は里見さんとお好み対局で指して、負けそうになりました 千日手を打開してやっと勝ちになりましたけどね」 注:お正月の囲碁将棋チャンネルで放送された対局
渡辺「僕も里見さんに負けそうになったことがある 1級の試験は受かるでしょう そのあとはわかりませんが」
米長「試験の相手に、女性奨励会員を対戦相手に当てて、里見さんと女性奨励会員、どっちを応援したらいいかわからないように、わざとしておきました」

石田「相撲協会では八百長が問題になってますが将棋界は?」
米長「私は八百長は絶対ないと確信しています 米長哲学が浸透してると思いますので」
渡辺「将棋界は、決まった人数が落ちる仕組みなので、みんなで助け合うというのはできないので、みんなで潰しあってるという状態ですね」
広瀬「僕はリーグ戦の消化試合で3回ほど勝ってるんで、嫌われてるかもしれません(笑)」

石田「子供への普及は?」
米長「1に子供への普及、2に子供への普及です 先が短い人にお金を出してもしょうがないじゃないですか(笑) でもね、困ったことに、お母さんが将棋に興味を持たないんですね 何かいい方法ないですかねえ」
渡辺「僕も自分の子供に教えてますが、5回に4回は負けてあげるくらいでちょうどいいんじゃないですかね あとの1回は、世の中の厳しさを教えると(笑)」
米長「子供は褒めてあげないとダメだね いい手を褒めてあげることだね 私だって、かみさんに褒められたから、今日があるんですよ」

石田「今後の抱負は?」
米長「この岡崎将棋祭りが永遠に続くことを願ってます」
渡辺「最近は後輩と指す機会が増えてきたので、後輩に将棋の厳しさを教えたいと思います(笑)」
広瀬「王位というタイトルを失うと、こういうイベントに呼ばれることもなくなると思うんで(笑)、王位を防衛していきたい 今日のこの後の渡辺竜王との一局を楽しみにしてください」
石田「私は健康に注意して、この将棋祭りを続けていきたいです  それでは時間がきましたので、みなさんありがとうございました」

こんな感じでした ナマで4人を見れたことが一番ですかね
特に、米長会長がなかなかナマで見れないので貴重でしたね
ただ、出演者が4人とも男だったので、誰かひとり、女流がいてもよかったかな、と思いました 
今日も今日とて、父の大工仕事を手伝っているうちに1日が終わりました
木枠で手作りしたTVの台があったんですが、
持ってきたDVDレコーダーを置いてみると、レコーダーの長さが10センチほどはみ出したので、
その木枠の台を4時間くらいかけて作り直し
木の表面にはバーナーで焼きを入れる(虫除けになる)という入念ぶり

TVのブースター(電波増幅器)を買ってきたら、もう6時を回ってました

さらに、これから先、台所の勝手口のドアを取り外して! ドアを開く方向を反対にする、
という計画もあるらしいです・・・
最近、毎日こんなんです いったい父はどこまでやるんでしょうか(^^;

さて、明日は愛知県の岡崎というところで将棋祭りがあります
けっこう近いんで、行こうと思ってます

でも、事前に応募した、渡辺vs広瀬の対局が見れるところに入れるチケットは、
抽選でハズレましたorz これ、抽選で当たったことないですね~ あー、対局を見たかったです
午前中のトークショーだけ見てこようと思います(^^;
第19期 銀河戦
本戦Cブロック 8回戦
先崎 学八段 vs 糸谷哲郎五段
対局日: 2011年2月4日
解説:島 朗九段
聞き手:本田小百合女流二段
記録:渡辺弥生女流2級

土曜に放送された銀河戦
元天才?の先崎vs怪物・糸谷だ これは興味を引かれる一戦だ

22年度の成績は、先崎14勝14敗 糸谷25勝10敗 2人は初手合い
先崎は予選で宮田利男に勝ち 糸谷は本戦で遠山、富岡、広瀬、森けい二に勝って4連勝中

解説の島「先崎は自在の将棋、中盤から迫力がある 羽生世代の中でも才能がきらめいている一人
 糸谷は、銀河戦でもいかんなく怪物ぶりを発揮している
 いつの間にか自分のペースに持ち込むのがうまい
 苦しくなったときの勝負手に個性的なものがある はげしいパンチの応酬になるんじゃないか」

聞き手の本田「先崎さんは子供の頃、道場で、すぐに指して相手の考慮中にマンガを読んでいる、
 という子供だったそうです」
島「一番負けたくないタイプですよね~」
ここ、笑った 勝負に淡白な島さんもそんなことを思うのか(^^;

先手先崎で、相振りに、そしてこの将棋、ものすごく見ごたえある一戦になった!

糸谷が飛車を5段目で浮かして使い、手を作ろうとがんばった

先崎、スキありと見て、仕掛けた 糸谷ピンチ?

糸谷、わざと王手飛車をかけさせる手順でなんとかこらえた 逆に自陣が乱れている先手が不利か

角金交換の駒損ながら、先崎陣を乱し、竜を作って糸谷有利か 先崎ピンチ?

先手玉、うまい受けがなく、糸谷の勝ちか 最後のお願いで先崎、美濃に玉頭攻め

これがことのほか厳しく、形勢は混沌 先崎に絶妙の自陣角が出る 先崎の勝ちか?

もう後手投了、と島が解説していたが、糸谷にわけのわからない先受けの香打ちが出る

先崎対応を誤ったらしく、また逆転? しかし、先崎は島には見えていなかった王手金取りをかけて、
勝ちを確定させた 155手で先崎の勝ち

とにかく、両者が、あらゆる手練手管を使いまくり、もうね、終盤の手筋のオンパレード、
逆転術の秘術の応酬、この一局は両者が魅せた!! 
解説の早投げで有名な島さん、島さんの解説が終了モードに入ったときが途中で2回はあったね(笑)

ホント、終盤にも手はあるものだ、と思わせた 自分に見えなかった手の連発だもんね
先日、森下のふがいない終盤力に、ついに私はブチ切れしてしまったが(笑)、
これがホントの大熱戦!!っていう将棋を見させてもらったよ いや~ 良かった!!

糸谷は、NHK杯で見せていた、あの強いときの糸谷だった
それを先崎が、腕力、底力で上回ったんだからね これは良かった!!

島「40才になっても手が見えますね~」 
島さんも、感心しきりだった いや、この1局、良かったよ!! もう1回書こう、良かった!!
何気に、自分はまだ先崎ファンなのかも・・・(笑)

実は、このブログ、かるーく閉鎖の危機だったんだけど、それを免れたね 
だって私が将棋観戦で感動をしなくなったら、書くことがないサイトだもんね

先崎、40才、これからタイトル挑戦をまだ狙って欲しい この一局を見たらそう思える 
今からでも、まだやれるぞ!! いけいけ、先ちゃん!!
杉本昌隆七段vs伊奈祐介六段   NHK杯 1回戦
解説 小林健二

おお、矢内、今日の服かわいいな 髪型もうしろにまとめていて良し!
解説のコバケンは和服か え~っと、今日は杉本vs伊奈・・・ あんまり食指が動かないが(^^;

事前のインタビュー
杉本「伊奈は同門で昔から知っている 居飛車党で本格的な将棋
 解説が小林健二で、同門が3人そろったということで、いい将棋が指せれば」

伊奈「杉本は兄弟子のような存在 ひさしぶりのNHK杯、緊張するだろうが、
 胸を借りるつもりで、いい将棋が指せるようにがんばりたい」

先手杉本で、▲三間飛車+穴熊vs△居飛車+米長玉銀冠だ 
持久戦から、伊奈から仕掛け、伊奈の押さえ込みが成功するところだったはずが、
伊奈の疑問手があり、杉本が飛車を生き返らせてリードを奪い、長手数かかったが最後まで押し切った
という一局だった 157手で杉本の勝ち なげ~な(^^;

コバケンの解説が的確で、予想手がズバズバ当たっていた
悪いところは悪い、とちゃんと言ってくれたのが良かったと思う

結局、伊奈の敗因は押さえ込みに失敗した中盤までさかのぼるね
この一局、長い将棋だったが、見ていて驚いた手は、伊奈の成銀タダ捨ての一手、それくらい・・・
あとは指し手が予想の範囲内だった 見ていてびっくりするような手を指してほしいんだけど(^^;

今回のNHK杯、盛り上がりを欠いてます どうしましょう(^^;
第19期 銀河戦
本戦Bブロック 8回戦
安用寺孝功六段 vs 戸辺 誠六段
対局日: 2011年3月8日
解説:勝又清和六段
聞き手:山口恵梨子女流初段
記録:渡辺弥生女流1級

ブロガー戸辺の登場だ 戸辺は、自身のブログで「銀河戦を見てね」と書いてあったが、どうか?

安用寺は予選で伊藤博文六段に勝ち 戸辺は前局で真田に勝ち
22年度の成績は、安用寺12勝13敗 戸辺25勝13敗 2人の対戦成績は、戸辺の2-0

解説の勝又「安用寺はオールラウンダー、最近は力戦振り飛車が多い
 戸辺は現代振り飛車の使い手の代表格、先手では早石田、後手ではゴキゲン」

勝又によると、戸辺は奨励会三段時代から、すでに早石田とゴキゲンに戦法を固定していたそうだ
当時はまだ藤井システムが全盛の頃だったとのこと 

先手安用寺で、▲居飛車+左美濃vs△三間石田流+美濃になった
9筋の位を先手が取っているが、その分、後手が手得している

勝又が「戦いはまだまだ先です」と解説していたそのとき、いきなり戸辺が△4五歩と開戦!
勝又「あ おや あ そうですか あら まあ」
なんか、勝又の言い方、笑える(笑)
勝又「のんびり駒組みの解説をしている場合じゃなかったか」
この突然の開戦には、私も見ていて驚いた さあ、これで戸辺がうまくやるのか?

勝又「これで後手がうまくいくとは思えないが・・・」という解説をしていたところ、
戸辺は歩の叩きから飛車をひとつ浮く、という筋を指し、勝又を感心させた
勝又「全然気づかなかった、気づきそうなもんですけどね(^^;
 さすが現代振り飛車の第一人者ですね~」
あの、私は見ていて気づきましたよ だって、そのくらいしか手がないところだもん(笑)

しかし、安用寺もまだ最善の受けと思われる手を指して対抗
さあ、手が広いところ、戸辺はどうする? 戸辺、さらに自陣に桂打ちの好手!
勝又「ちょっと気づかなかったですね さすがですね~」
うう、うまい 手順に先手の銀を退却させた 

さらに、勝又の予想は歩の垂らしのところで、戸辺の指し手は、安用寺の狙いを封じる、攻防の角打ち!
うーわ、これ、おそらく最善手だわ 勝又の予想手より、全然いいわ(笑)
勝又「おー なるほど! それが筋か 僕が解説するより、鑑賞していたほうがいいですね(^^;」 

安用寺は9筋にアヤを求めたが、戸辺はそれを逆用、勝又の予想手を上回る手を披露し、
先手玉を9筋から攻めることに成功した
最後はまたしても勝又には見えなかった攻防のドンピシャの飛車打ちで、ものの見事に勝ちを決めた 
72手の短手数で、戸辺、完勝! み、見事!! 完璧!! パチパチパチ

勝又「うまくさばくもんですね~ 戸辺にとっては会心作ではないか」

戸辺、すごい!! 振り飛車のさばきの完璧と思える棋譜が出来上がった
この一局、全てが、戸辺の思惑の中で手が進んだと言えると思う
戸辺には一手の無駄もなかった すばらしい!!

感想戦でも、勝又に「仕掛けられてからは居飛車はノーチャンスでしたか」と言わせる結論になっていた
いや~、これは石田流使いの人には、すごく参考になる棋譜だろう 
居飛車党の私から見ても、ホレボレするような完璧な作品だね 
そして、ビューティフルだ 完璧な物って、美しさを放つね 今回の一戦、美しかった
勝又の予想はことごとくハズレ続けたが、それがまた番組としていい味を出していた(笑)

先日、ふがいないTV対局が続いたことで、私はブチ切れてしまったが(^^;、
今回の戸辺の指しまわし、ホントに良かったわ~ パチパチパチ
こんな指しまわしが見れるなら、まだまだ将棋観戦が好きでいられます 戸辺六段、グッジョブ!!!
1月に放送された囲碁将棋チャンネルの棋譜解説で、久保棋王が棋王戦トーナメントの中から
特選譜に選んでいた一局を紹介します
ちょいワル流の山崎とガラパゴス流の窪田、定跡にとらわれない両者がぶつかると、
こんな展開になるんですね 面白いです
序、中盤の両者の指し回し、自由でのびのび、発想と発想の対決、見ていて楽しいです
コメントの棋譜解説は久保棋王のものです


開始日時:2010/10/18
棋戦:第36期棋王戦 
先手:山崎隆之七段
後手:窪田義行六段

*(持ち時間は各4時間)
*久保「2人とも序盤から工夫する棋士なので、この両者の対局は面白いだろうと思って選びました」
▲2六歩 △3四歩 ▲7六歩 △4四歩
*窪田さんは角道を止める振り飛車をよく指してます
▲2五歩 △3三角 ▲6八玉 △3二銀 ▲7八玉 △7四歩
*先手の玉の移動が早いので、7筋で戦いを起こそうという手です 定跡ではない、力戦ですね
▲5六歩 △4三銀 ▲5八金右 △5四銀
*銀を一目散に出てきました △6五銀~△7六銀を狙っています
▲6八銀
*この一手に47分の長考です
*この手に代えて、▲6六歩なら無難なんですけど、後手の銀が出てきたら反発する狙いです
△6五銀
*お互い、気合いの入った序盤です
▲5七金
*▲7七銀だと、△5六銀から銀をバックされてしまいます 山崎は7六の歩を取らせるほうを選びました
△7六銀 ▲3六歩 △7五歩
*銀にヒモをつけました
▲2四歩
*大乱戦ですね
△同 歩 ▲5五角 △8四歩
*後手は△9二飛でなく、飛車角交換OKという指し方をしました
▲6六金 △8五歩 ▲7五金
*銀取りですね
△8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲7六金 △同 飛
*お互いに、まだ動いていない駒がいっぱいあるんですけど、すでに激しい戦いです
▲7七歩 △7三飛 ▲8八歩
*後手から8筋に歩を使われてはイヤなので、先手は先受けしました ▲8七歩だと後手が三歩持っているので、△8六歩▲同歩△8五歩▲同歩△8四歩の筋を警戒して、本譜は▲8八歩としました
△3二金
*(先手から見て)左方面は落ち着きましたので、守りました
▲3五歩 △同 歩 ▲3四銀
*歩がないので、銀で攻めていきました
△4二角 ▲4四角
*飛車角交換では得がないと見て、こちらに角を使ってきました
△7四飛 ▲1一角成 △3四飛 ▲2一馬
*山崎さんはこれでやれると見て踏み込んだのでしょう
△2二金打 ▲同 馬 △同 金 ▲4五香
*▲4六香でない意味は、本譜の進行を見ればわかります
△4四歩 ▲4六桂
*ここに桂が打てるんですね
△3三飛 ▲2四飛 △4五歩
*この手に代えて、△2三金だと、▲4四飛と手順に回られて、飛車と香の攻めで後手が困ります
▲2二飛成 △4六歩
*後手は桂が欲しかったんですよ
▲4四金
*攻めるならこの手です
△8六桂
*後手は桂を持って、これが打ちたかったんですね
▲8七玉 △3二飛
*タダなんですけどね
▲同 龍 △6五角 ▲7六歩 △3二角 ▲4三金打
*この手に代えて、▲3四歩だと、その瞬間が一手甘いんです
△4九飛 ▲5九飛 △同飛成
*これを▲同金だと、△7八銀の手が残ります
▲同 銀 △6四飛
*銀を引かせたので、この手が出てきました
▲5八銀
*▲3二金だと、△6七飛成~△6九竜があります
*
*先手の金2枚と、後手の角2枚はこう着状態です
△6二玉
*早逃げです
▲2二飛 △3一銀 ▲2七飛成
*ホントは先手としては攻めていきたいんですけど、▲3二飛成だと△同銀~△4四飛があるので自重しました
△1四角
*4七の地点を狙っています
▲4六歩
*次の窪田さんの一手が厳しかったですね~
△2六香
*これが厳しかったです ▲同竜だと、△6七飛成▲同銀△6九角成の順があるんです
▲5七龍 △2九香成
*また銀取りになっています
▲3二歩 △同 角 ▲3四歩 △4四飛
*後手は飛車より、3二の角のほうが使えると見ました
▲同 金 △8五金
*これが受けづらいです
▲6六飛 △7五歩
*3二の角の利きが止められません
▲3三歩成 △7六金 ▲同 飛 △同 角 ▲8六玉 △8五飛
▲7七玉 △6五桂 ▲6六玉 △5七桂成 ▲同 玉 △3七飛
▲4七桂 △3九飛成 ▲4二と △同 銀
*一回落ち着いて取りました
▲8六金
*ちょっとびっくりするんですけどね
△同 飛 ▲9五角 △8四金 ▲8六角 △1九成香 ▲5九角
*△4八銀を防いだ手です
△6四香
*(ギズモ補足:この手は次に△4八銀▲同角△6七香成以下の寄せを見ている)
▲6六歩 △7八銀
*まで114手で窪田六段の勝ち
*投了図以下は、後手玉は安泰、先手陣は▲同金に△5九竜で受けなしです
*序盤から両者の持ち味が出たいい将棋だったと思います
*両者の腕力が見れた面白い力戦でした
第19期 銀河戦
本戦Aブロック 8回戦
森下 卓九段 vs 飯島栄治七段
対局日: 2011年2月3日
解説:滝 誠一郎七段
聞き手:竹部さゆり女流三段
記録:井道千尋女流初段

あ、聞き手が竹部さんか 解説は滝さんだ たけべさゆりと、たきせいいちろう、
テロップを見なくても、顔を見ただけで、フルネームを言えてしまうのは
私がかなりのオタクなんだろう(^^;

対局者は森下と飯島か なんとなく、似た雰囲気と思っているが、どうかな

森下は予選で大島に勝ち 飯島は前局で大平に勝ち
22年度の成績は、森下10勝16敗、飯島19勝8敗 2人の対戦成績は1-1のイーブン

滝「森下は本格的な居飛車党 手厚い棋風
 飯島は棋風が森下に似た部分がある 序盤に工夫をする2人の対局」
あ、滝さんの紹介でも、同じことを言っていた この2人、将棋がなんとなく似てるよね

竹部「森下は21年度は勝率4割、22年度は勝率3割台」
へ~ かなり不調だね
竹部「飯島は21年度は勝率6割9分、22年度は7割台 竜王戦も1組に昇級」
それはなかなかすごい 7割はいかないよね

先手森下で、▲7六歩に△3四歩だ あ、飯島、飯島流引き角はもう最初からやらないのね(^^;
まあ、今回の相手はガチガチの居飛車党の森下さんだからね

さて! この将棋、相矢倉風の力戦に進んだが、序盤が長く、開始から50分経って、ようやく
戦闘開始・・・ なげーよ! もう、長いんだよ・・・
日曜に見たNHK杯も、開始から1時間経ってまだ駒組みやっていたし・・・ orz

ソフトな口調の竹部ですら、番組開始から40分「まだまだ中盤の入り口」と言っていたからね
まあそれは展開だから仕方ないとしよう、だけど、この将棋の終盤、逆転しすぎだろう

今、局面は82手目で後手の飯島の手番
ここで解説の滝は△7六歩を推奨、飯島も△7六歩としたのだが、
これがココセの悪手! 1手パスに等しい手になった
森下に▲3三角成と手順に飛び込まれ、一気に形勢がひっくり返った
続く△7七銀も悪手だろう
そこで▲4四桂としていれば、詰めろが続き、わかりやすく先手の森下が勝っていたはず
ところがところが、森下はなぜか▲4四桂を見過ごし、▲7七同銀って、なんでやねん!?
この時点で、森下はまだ7回も考慮時間を残してたのに・・・


後手:飯島
後手の持駒:銀 歩二 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・v玉v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金 ・ ・|二
| ・v歩 ・v歩 ・ ・v金v歩v歩|三
| ・ ・v銀 ・v歩 ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ 歩 ・ 歩v銀 ・ 歩|五
|v飛 銀 ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ 飛|六
| 桂 歩 角 金 ・ ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ 金 ・ ・ ・v馬 ・ ・|八
| 香 玉 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:桂二 歩四 
後手番
先手:森下

△7六歩▲3三角成△同 桂▲3五歩△7七銀▲同銀

結果、125手まで続き、森下の勝ちになった・・・
竹部「本当にすごい大熱戦でしたね(^^)」
滝「いずれにしても、大熱戦でしたね」

・・・っておい!! プロだろ!? アマチュアどうしが遊びでやってるなら、その感想でもいい
でもプロが指してるんだろ? ▲4四桂を見過ごすプロってどうなのよ?
森下は勝ちはしたが、全然強い、と感じさせなかったよ

A級順位戦の最終戦、▲森内vs△久保戦があったのは記憶に新しい
あれは、もう久保投了しかない、と島が解説したところからの
すさまじい粘りで、久保は負けたけど、「久保、強し」を印象づけさせる名局だった

それと比べてこれはどうなのよ? ▲4四桂を見落とすって、どういうこと?
▲4四桂しかないじゃん、この局面では・・・ 

おーい、米長会長! 「将棋界には八百長や無気力試合はない」と連盟のページで
うれしそうに言ってる場合じゃないんじゃないの? これ、無気力試合だろ?

もうね~、最近のTV将棋、ひどいのが多くて、この一局でブチ切れてしまいましたよ、本当に・・・ 
これを、解説者が「ひどい終盤でした」と言っているならまだいい、
「大熱戦でしたね~」と笑ってていいのか?

あー、▲里見vs△甲斐の一局はあまりにひどかったし、
▲長沼vs△ハッシーはハッシーのコンビニ中飛車で見るところなし、
おとといの▲中村修vs△金井も終盤が本当にひどかった もうーいや(^^; こんな感想しかないわ 
3年以上、ブログを続けてきたけど、マジでブチ切れたのは初めてだったわ 

あ~、マジで、TV将棋観戦、私の人生の一番の楽しみなんで、こんな低レベルでない、
プロらしい将棋を見せてください!! たのんます!! 
中村 修九段vs金井恒太五段   NHK杯  1回戦
解説 橋本崇載 

おお~矢内、スーツでキメて、大人になってる
解説はハッシーか って、ハッシー、顔がパンパンに広がってる~ 顔が太っている(^^;
これは太りすぎでは・・・ 矢内がものすごく細く見える(笑)
ハッシー、これ、人間か? 何かの動物のヌイグルミのような感じ(笑)

修は順位戦がB1のため予選免除 金井は予選でクマー、中川、瀬川に勝ち本戦進出

ハッシー「修は受ける青春、受けまくる中村修流が見れるかもしれない
 金井は居飛車党で攻めと受けのバランスの取れた本格派」

事前のインタビュー
修「東日本大震災の被害にあわれた方に心よりお見舞い申し上げます
 今日はちからいっぱいがんばりたい」

金井「修はとても手厚い棋風で負けにくい将棋 細い攻めをつないでいきたい」

先手修で、▲7六歩△3四歩▲7七角の出だし 角交換型の▲四間飛車vs△居飛車になった
ハッシー「修の戦法は早指し用の作戦」

両者手詰まり模様になり、修は2八の玉を▲3九玉と引く、他の人には全くでない発想の手を指すなど、
読みがハッシーと合わない(^^; 視聴者も混乱したんじゃないだろうか

どちらからも手が出しにくい長い中盤になり、1時間経過してもまだ駒組みをやっている
ハッシー「長い将棋になりましたね」

修が相手の読みをはずす手の連発に、金井も思考が乱されたのだろう、
後手は7筋を一方的にと金で破られ、桂損する、という展開になってしまった

なにコレ、金井、ボロボロやん!と思わずTVの前で言ってしまった
どうやっても修の勝ちに思え、修は決めに出たのだが、なんだか様子がおかしい!?
後手陣に飛車を打ち込んだのに、速い寄せがない・・・? 
一方、先手陣、角で逆襲され、駒をはがされていくではないか

後手陣は全く寄らず、先手陣に必至がかかってしまった え~これが逆転するのか、という大逆転・・・
126手で金井の勝ち たった126手? もっと長い手数に感じてしまった(^^;

矢内「修が快調にペースをつかんでいたんですけどね」
ハッシー「終盤を迎えた段階では先手必勝、色々勝ちがありすぎて、考えがまとまらないうちに
 中途半端に決めにいっちゃった 修としては悔やんでも悔やみきれない一局」 

あ~、この一局は、見ていて疲れが残る将棋となってしまった
攻め合わない長すぎる序、中盤→、一箇所が一方的に破れて一時は先手の必勝形→
先手の決め方が失敗し大逆転、という、どうにもこうにも、の一局になってしまった

これでは、震災にあわれた方もあまり元気が出なかったのでは・・・
私は木曜に24で15局も対局してしまった疲れがまだ残っており、しんどいです(^^;
1年ほどほとんど指せなかったのに、いきなり15局も指したのは失敗だったorz

もう少し休んで、元気を取り戻したい! 
第19期 銀河戦
本戦Hブロック 7回戦
窪田義行六段 vs 稲葉 陽四段
対局日: 2011年2月10日
解説:阿部 隆八段
聞き手:山田久美女流三段
記録:野田澤彩乃女流1級

窪田は予選で岡崎六段に勝ち 稲葉は西川和宏、上野、福崎、片上に勝ち4連勝中
22年度の成績は、窪田24勝13敗 稲葉25勝8敗 2人は初手合い

解説の阿部隆「窪田は独自の路線を行く振り飛車党 力戦で押さえ込みを得意とする
 前期棋王戦ではベスト4
 稲葉はシャープな攻め将棋 居、振り、両方指す 高い勝率は実力の証
 過去に棋聖戦で挑戦者決定戦まで行った」

先手窪田で、▲角道を止める三間飛車vs△居飛車急戦になった
稲葉が誘いの手を指し、窪田がそれに乗る形で、玉を囲う前から決戦になった
阿部隆「稲葉、危険だが何か用意があるのか?」と言っていたが、何もなく、苦戦に追いやられた(^^;

窪田はビシビシとノータイムで指していき、阿部隆「決断がいいですね~」
ホントに早い! 稲葉も粘ったのだが、窪田は全然間違えない
窪田はほとんど考えないで正解手を指し続け、115手で窪田、快勝!
なんと考慮時間を7回も残していた すげー

阿部隆「窪田の会心譜、いいところが全部出た 
 終盤になる前に差がついてしまい、稲葉は得意の終盤力を発揮できなかった」

実は、昨日、私は24で15局も指してしまい、疲れました
とんでもない逆転負けを続けて3~4回も連続でくらってしまい、熱くなって指し続けてしまいました(^^;
棋譜はほぼボロボロですが、Rはそれほど落とさずに済んでますね・・・(笑)

この一局も、稲葉は一方的に負けていて、阿部隆は「もう投了でしょう」と言っていたところから
まだ指し続け、最後に「詰めろ竜取り」をかけて、一手違いまで持っていった
窪田は間違えなかったけど、これ、私だったら大逆転負けしていだだろう(笑)

あ~、将棋は見るのもいいけど、指すのもいいね また24で指すぞ~
31才以下の若手棋士 ~四段編 後編~

年齢は2011年4月13日現在、順位戦は来期(70期)の組、竜王戦は現在進行中の所属クラス、
プロ○年目は4月から何年目を迎えるか、最後の数字は2011年4月12日までの生涯勝数、勝率です
私のコメントも付けました 今回もコメントが少ないです(^^;

澤田 真吾(さわだ しんご) 
19才 四段 C級2組 竜王戦5組 プロ3年目 72戦 47勝 25敗 0.6528

>「囲碁・将棋ジャーナル」で解説役でスタジオ出演していた橋本崇載は、
>モニター画面に映し出された澤田の髪形を見て「澤田君には、ヘアーブラシをプレゼントしたいですね」
>という毒舌のコメントをし、司会のアナウンサーを大笑いさせた。(ウィキペディアより)

これ、私も見ました 笑いました(笑) 69期順位戦では8勝2敗


大石 直嗣(おおいし ただし) 
21才 四段 C級2組 竜王戦6組 プロ3年目 66戦 33勝 33敗 0.5000
 
>居飛車党で、角換わりを得意戦法としている。
>第51期(2010年度)王位戦では、予選で井上慶太、桐山清澄、山崎隆之らに勝ち、
>王位リーグに参加する活躍。(ウィキペディアより)

王位リーグでは1勝4敗でした 書くことはそれくらい・・・(^^; 69期順位戦では4勝6敗


永瀬 拓矢(ながせたくや) 
18才 四段 C級2組 竜王戦6組 プロ2年目 45戦 29勝 16敗 0.6444

>三間飛車を得意とする。
>2010年、第5回「白瀧あゆみ杯争奪戦」(非公式戦)に出場。
>女流プロ2名と女性アマチュア1名に対し、すべて角落ちの上手番を持って勝利し、優勝。
(ウィキペディアより)

18才、若いですね これからですね 69期順位戦では6勝4敗


阿部 健治郎(あべ けんじろう)
22才 四段 C級2組 竜王戦5組 プロ2年目 53戦 38勝 15敗 0.7170

優勝履歴 新人王戦 1回(第41期-2010年)

>居飛車党で、どちらかといえば攻め将棋である。
>山形県出身の将棋のプロ棋士は、1983年の飯田弘之以来26年振りで、
>奨励会員時代は実家から東京の将棋会館に通っていた。

>三段リーグでややもたつき四段昇段には8期(4年間)を要した。
>プロ入り後は一転して快進撃を見せ、初参加の第23期(2010年度)竜王戦(6組)では準優勝し、
>昇級を決めた。第41期新人王戦でも優勝した。(ウィキペディアより)

アベケンのニックネームで呼ばれる注目の大型新人 69期順位戦では8勝2敗
銀河戦で勝ちまくっており、現在Eブロックで7人抜き中 その技量はもはやベテランの域
三段リーグで力を貯めていたんでしょう バンバン勝ちまくってほしいですね


菅井 竜也(すがい たつや)
18才 四段 C級2組 竜王戦6組 プロ2年目 菅井 竜也 42戦 32勝 10敗 0.7619

>振り飛車党で、目標にしている久保利明を彷彿とさせる、捌きを重視する棋風。(ウィキペディアより)

今期の銀河戦でFブロックにて、6人抜きをした 注目の振り飛車党の大型新人
石田流で、菅井新手というのがあるし、相振りでも「菅井流矢倉崩し」というのがある、とのこと
69期順位戦では8勝2敗 今後が実に楽しみな存在ですね


牧野 光則(まきの みつのり)
22才 四段 C級2組 竜王戦6組 プロ2年目 32戦 22勝 10敗 0.6875

69期順位戦では7勝3敗ですね あとは全然知りません(^^;
>糸谷哲郎とは親交があり「糸谷流右玉戦法」は、元々牧野が考案し糸谷が工夫を加えたものである。
(ウィキペディアより) へ~ そうだったのか

>プロ入り時に「将棋世界」誌に昇段の記を寄稿するが、
>通常謝辞及び挨拶や将棋観について寄稿する人が多い中で、それらには一切触れず詩を寄稿した。
これ、少し抜き出してのせておきます↓ わけのわからん詩です(笑)

自分は何が言いたいのか。
何を考えているのか、考える。
よくわからない。
ずっと何かを考えている気はする。
何も考えていないのかもしれない。
(中略)
一体何が言いたいのだろう。
よくわからない。
まったく、自分は何を考えているのか。
本当にわからない。
たいへん困った。
(中略)
今は何も考えたくなんかないのだ。
やれやれ。


佐々木勇気(ささき ゆうき) 
18才 四段 順位戦はまだ参加していない 竜王戦6組 プロ1年目 8戦 4勝 4敗 0.5000

>16歳1ヶ月でのプロデビュー(2010年10月1日付)は、現行三段リーグ制度導入(1987年)以降では、
>渡辺(15歳11ヶ月)に次ぐ2番目の年少記録であり、通算でも加藤、谷川、羽生、渡辺に次ぐ5番目の
>年少記録である。(ウィキペディアより)

得意戦法は矢倉だそうです なかなか期待できそうな存在ですね!


船江 恒平(ふなえ こうへい) 
23才 四段 順位戦はまだ参加していない 竜王戦6組 プロ1年目 14戦 10勝 4敗 0.7143

>デビュー時のインタビューで、「居飛車党」、「斬り込むのが好き。激しい戦いを見てほしい」、
>「詰みがある局面では詰まし、最短の勝ちを狙う」と語っている。
>詰将棋の作者として、大学在学中の2004年度中編部門で看寿賞を受賞している。
>また、詰将棋を解く事に関しても、2010年第7回詰将棋解答選手権で唯一の全問正解者として、
>優勝を果たしている。(ウィキペディアより)

井上門下の人ですね これからですね


門倉 啓太(かどくら けいた) 
23才 四段 順位戦、竜王戦ともにまだ参加していない プロ1年目 0戦

>得意戦法は振り飛車。
>奨励会三段リーグ在籍時、NHK杯テレビ将棋トーナメントで記録・秒読み係をたびたび担当。
(ウィキペディアより)

NHK杯でおなじみの顔ですね


阿部 光瑠(あべ こうる)
16才 四段 順位戦、竜王戦ともにまだ参加していない プロ1年目 0戦

>得意戦法は居飛車。
>16歳5か月でのプロ入りは、現行の三段リーグ制度が始まって以降では、渡辺明(15歳11か月)、
>佐々木勇気(16歳1か月、阿部の半年前にプロ入り)に次ぐ3番目の年少記録である。
(ウィキペディアより)

この新人もなかなか期待できそうです!


これで今回の「31才以下の若手棋士リスト」の企画を終わります
だぶん全員取り上げたと思います 載ってない人は、32才以上の人です 
ちなみに、私は特に誰を応援している、というのはないのです 
TV観戦のときは、一局一局、面白い戦法や指し手、熱戦を期待して見てます
若手棋士のみなさん、がんばってください!
第19期 銀河戦
本戦Gブロック 7回戦
橋本崇載七段 vs 長沼 洋七段
対局日: 2011年1月28日
解説:日浦市郎八段
聞き手:上田初美女流二段
記録:井道千尋女流初段

土曜に放送された銀河戦 何気に好カードだ
長沼は前局で高崎に勝ち ハッシーは前期決勝トーナメント進出のため予選はシード
22年度の成績は、長沼15勝13敗 ハッシ-15勝9敗 2人の対戦成績はハッシーの3-0

解説の日浦「長沼は居、振り、両方指す 受けが強い腰の重い将棋
 ハッシーは基本は居飛車党、バランスのいい将棋 最新型も力戦も強い
 将来はタイトル戦に出るんじゃないか」

先手長沼で、▲居飛車3七銀急戦vs△ゴキゲンになった ハッシーはゴキゲンを選んだか 
日浦「前例のある形に進んでいる」
序盤から一手のミスも許されない手順だ この手順をやれと言われたら私はできません(^^;

長沼が2筋を破る間に、ハッシーは中央から攻め込めるかどうか、という展開
長沼が盤面5段目にベタ金を打って、押さえ込みにきた 
これは・・・ ハッシーが押さえ込まれたか?
聞き手の上田「後手はどうやりましょう?」
日浦「うーん そうですね・・・」

大長考に沈んだハッシー 局後、ハッシー「困っていた」とのこと 
中盤があまりなく、もう終盤だ
香得した長沼が、その香を打って、ハッシーの攻め駒を取りにきた
日浦「これは、ハッシー、とても難しいですよ」
上田「後手は全ての駒が取られてしまいそうですね」

ハッシーは飛車をぶつける勝負手を放ってきたが、長沼に的確に対応された
次の一手は自分なら▲2三飛だ、と思っていると、長沼の手も▲2三飛!
日浦「後手は攻めにくそう ▲2三飛はよく指したですね~」
よっしゃ、当たった! 日浦のお褒めの言葉もいただいた(笑)

あーハッシー、いかんともしがたい これ、ハッシー、ゴキゲン中飛車じゃなくて、
居飛車党にありがちなコンビニ中飛車になっちゃったか

長沼は最後の寄せも鮮やかで、一気に即詰みに討ち取った 91手で長沼の勝ち
日浦「長沼さんらしくない光速の寄せですね」
・・・長沼はけっこう強いと私は思ってるけどね(笑) 
NHK杯で羽生に勝ったのも、まるきりまぐれじゃないと思ってますよ

日浦「長沼の快勝だった ▲2三飛と指した勝ち方に感心した」
感想戦で、ハッシー「単調なさばきになってしまった」

長沼の受けの強さが出たという一局だった 
ハッシーにしてみれば、ゴキゲン中飛車という作戦を選んだのがどうだったのか
ゴキゲン中飛車は、居飛車党が手軽に指して、失敗する作戦ということで、悪口の意味を含めて、
別名「コンビニ中飛車」という言葉が使われることがある
本局のハッシーは、その典型的な例になっちゃった(^^;

感想戦でも、ハッシーのはっきりとした敗因はすぐには出なかった 
駒組みの作り方自体から修正しなければいけないのだろう これも振り飛車の苦労する点だね
こういう将棋を見ると、自分はやっぱり居飛車側を持って指したい、と思うのだった

さて! 昨日1日かけて、パソコンを家の1階から2階に移動させる作業をやりました
LANケーブルを1階のモデムから2階に引っ張る、ということをやり、終わりました
30メートルもあるケーブルがほつれたりして大変でした
長いケーブルだけに、まさに紆余曲折の作業となりました(^^;
これでやっと2階でパソコンができます 
さ~、これからそろそろ私も24で指すことにしたいです!
今まで1年くらい指してませんでしたからね 体力があるときは指したいですが、どうでしょうかね
遠山雄亮五段vs鈴木大介八段   NHK杯 1回戦
解説 屋敷伸之

オープニング直後の、右上の島の写真がすごく変だから、ぜひ録画して確認してほしい(笑)
今週も矢内登場、まっ白な服の矢内 今週は化粧が濃い目か
あーどんどん矢内が、おねーさんになっていくよー さびしいような気が・・・(^^;

対局者が映し出され、遠山、盤からすっごく離れて座ってる(笑) ブログ、いつも見てますよ~
遠山は伊藤果、西尾、飯塚に勝って、3回目のNHK杯出場
大介はB1のため予選免除

解説の屋敷「遠山はモバイルの編集長、普段は明るく快活で楽しい
 大介も快活な人柄 今日は明るい人どうし 両者、中終盤の力強い攻防が得意」

事前のインタビュー
遠山「大介は若い頃からお世話になっているやさしい先輩 振り飛車の大家で目標にしていた人
 対戦が楽しみ NHK杯は過去の2回は1回戦負けなので、3度目の正直になるようにしたい」

大介「遠山は調子がいいと聞いている 勢いに負けないように指したい
 NHK杯は優勝を狙っているので、決勝までいけるようにがんばりたい」

先手遠山で、▲7六歩△3四歩▲7五歩の石田流だ 大介の4手目が俄然注目された
大介の指し手は△3五歩の相三間!だった あ~今日は相振りか
遠山は予期していたのだろう、即▲7八飛と振った

▲遠山の高美濃vs△大介の金無双になった 
矢内「遠山は好調ですね」
屋敷「やはりケータイで将棋を見ているのがいいんじゃないですか(笑)」
矢内「ふふふ(笑)」
連盟で遠山の2010年度の成績を確認してみると、40戦 29勝 11敗 0.7250
たしかに、いいね 順位戦は惜しかった ただ、最終戦が自力ではなかったから、しょうがないか

ついでに、大介の2010年度の成績をみると、34戦 16勝 18敗 0.4706 
あらら、負け越しているではないですか これでNHK杯の優勝を狙うとは、明るい性格ですね(^^;

さて、大介の左桂が、△2五桂と跳んで来た
矢内「さっそくですね」
屋敷「あ~ 行きました」
桂が攻めに使えている分だけ、大介がいいのか?
が、遠山は角交換から筋違い角を打ち、攻防に利かせている この角が働くかどうかか

手が進み、大介が△7三銀と壁銀を解消しながら、先手からの桂打ちも防いだところ
屋敷「この銀は感触がいい」
しかし、遠山の指し手は縮まず、全く臆することなく、大介と五分にわたりあっているぞ
さすが好調なだけある

遠山、手が広いところで、▲2六歩で桂取りの催促! これ、うまい、と思った
矢内「先手は角、銀、桂が質になっているんですけど」
屋敷「非常に強い手ですね 玉頭で怖がらずに指す、遠山の持ち味です」
おお~、遠山、いいぞいいぞ 

屋敷「大介としては不本意でしょう 本来なら、自分の側がこういう展開に持って行きたかったはず」
遠山の▲7三歩の叩きが△8三玉とかわされ、あら、これどうやって入玉を阻止するんだ?
と思っていたら、角をひとつ引く、▲5六角という手があった これが盤上この一手のピッタリの手!!
局後、大介「この角引きが全く見えていなかった」

屋敷「後手玉は綱渡り、怖いですね」と言っていたが、変化順を並べてみると、逃げ方がない
遠山、してやったり! 角引き一発で、後手陣はしびれた!
屋敷「これはもう先手の攻めが切れることがないし、入玉される恐れもない
 これは大介は、まいったですね~」

屋敷「まだ楽観はできない」と言っていたが、遠山は磐石の攻めを見せた
最後は、簡単な勝ちもあったが、鮮やかな角捨てで必至をかけ、勝ちに持っていった
遠山、ファンサービスも見せる余裕っぷり! 85手で遠山の勝ち
屋敷「遠山の会心の勝利でしたね 中盤から終盤のまとめ方が非常にうまかった」

あ~、遠山、良かった 充実っぷりを存分に見せたね この一局、安定感があった! 
やっぱり2010年度、勝率7割を残しただけあるわ 勝つべくして勝っているわ
筋違い角は、使うのが難しいと思うんだけどね うまく使った うんうん、良かったよ  

一方、大介は、感想戦で「▲5六角が見えてなかった」 「こっちの順しか考えてなかった」
 「序盤は楽観していた」など、正直に言うもんだから、遠山と対照的に、不調を如実に感じさせた(^^;

大介、これではNHK杯の優勝はできないわ(^^; 
もう一局指しても、また遠山が勝つだろう、と思わせた
大介が不調で、最後は一方的になったのがやや残念だが、
応援していたブロガーの遠山が好局を見せてくれた 

まあ、一回戦だからこんなもんでしょう! 来週は金井vs中村修か、え~と、地味・・・(笑)
まあいいです、来週もNHK杯、Check it out!
31才以下の若手棋士 ~四段編 前編~

年齢は2011年4月9日現在、順位戦は来期(70期)の組、竜王戦は現在進行中の所属クラス、
プロ○年目は4月から何年目を迎えるか、最後の数字は2011年4月8日までの生涯勝数、勝率です
私のコメントも付けました 今回はコメントが少ないですが(^^;

島本 亮(しまもと りょう)
30才 四段 C級2組 竜王戦6組 プロ9年目 228戦 97勝 131敗 0.4254

あのー、この人のこと、なーんにも知らないんですけど(^^;
対局しているのを1回も見たことがないです 解説も見たことがないですね
そういえば、熊坂がクマーと呼ばれているのに対し、この人はシマーと呼ばれていたような・・・
69期順位戦では2勝8敗という成績で、2つ目の降級点を取ってしまっていますね
解説がうまいそうなので、見てみたいですね

>三段リーグでの通算成績は41勝67敗・勝率3割8分という四段昇段者としては
>非常に珍しい低さであった。
>2006年9月に毎日コミュニケーションズより「神戸発 珍戦法で行こう」という
>奇襲を主旨とした棋書を出しており、定跡にとらわれない乱戦を好む。
>アマチュアとの交流が深く、普及活動に熱心である。
>解説のわかりやすさも若手では群を抜いていると定評。(ウィキペディアより)


伊藤 真吾(いとう しんご)
29才 四段 フリークラス 竜王戦6組 プロ5年目 86戦 45勝 41敗 0.5233

先の第60回NHK杯で本戦出場、阿部隆に勝ち、羽生に負けているとのこと
でもその対局ですら、印象があまりない・・・(^^;
フリークラスは10年で脱出しないと引退、の規定があるため、そろそろ勝負ですね

>三段リーグにおいて、通算2度の次点の規定によりフリークラスのプロ棋士となる権利を得る。
>当時25歳で年齢制限が迫っていたこともあり、権利を行使してプロデビューした。
(ウィキペディアより)


村田 顕弘(むらた あきひろ) 
24才 四段 C級2組 竜王戦5組 プロ4年目 128戦 82勝 46敗 0.6406

>デビューから6割台の年度勝率を連発し、糸谷哲郎、豊島将之、稲葉陽とともに
>「関西若手四天王」呼ばれる棋士の一人となる。
>棋風はオールラウンダー。(ウィキペディアより)

勝率が6割台でなので四天王の一人、とのことなんですが、他の三人は7割くらいの勝率、
この村田顕弘だけ目立った活躍もないので、一人だけ取り残された印象(^^;
若手で勝率6割は全然めずらしくないですから、何か活躍が欲しいところですね
69期順位戦では、3勝7敗でかろうじて降級点を逃れていますね


及川 拓馬(おいかわ たくま) 
23才 四段 C級2組 竜王戦5組 プロ4年目 108戦 62勝 46敗 0.5741

>オールラウンドプレーヤーである。
>初参加の竜王ランキング戦6組準決勝(2008年5月2日)で勝利し、プロ入りから最短で6組を抜ける。
>第57期(2009年度)王座戦で、挑戦者決定トーナメントに進出。ベスト8。(ウィキペディアより)

囲碁将棋ジャーナルの「月刊順位戦」で、伊藤明日香と仲良く棋譜を解説してました それくらい・・・


田中 悠一(たなか ゆういち) 
26才 四段 C級2組 竜王戦5組 プロ4年目 97戦 48勝 49敗 0.4948

>得意な戦法は中飛車。
>立教大学理学部数学科卒業。
>第22期竜王ランキング戦6組の3位決定戦(2009年10月23日)を制し、
>同棋戦参加1年目にして5組昇級を勝ち取る。(ウィキペディアより)

正直、誰これ?っていう感じ・・・(^^; すいません(笑)


佐藤 慎一(さとう しんいち)
29才 四段 C級2組 竜王戦6組 プロ4年目 67戦 34勝 33敗 0.5075

>2008年、年齢制限を目前にした26歳の第43回三段リーグを15勝3敗の好成績で優勝。
>15期目で念願の四段昇段を果たす。(ウィキペディアより)

げえー、三段リーグに15期もいたんですか 大変でしたね 
プロとしては・・・ ハッシーの将棋バーに、記者の山田史生さんが取材に行ったときに、
お客として飲んでいた人、それしか知らないです(^^;


西川 和宏(にしかわ かずひろ)
25才 四段 C級2組 竜王戦6組 プロ3年目 81戦 47勝 34敗 0.5802

>戦後初の現役親子プロ棋士となった。
>初参加した第68期順位戦で、4勝6敗の成績で不運にも降級点が付いてしまった。
(ウィキペディアより)

このブログ内の解説会の記事のどこかにありますが、プロの総会があり、新四段の紹介のときに、
西川和宏は自己紹介で「みなさん、僕をお酒に誘ってください」と言ったという、
面白い話が記憶にありますね
あと、去年、大阪であった将棋祭りのイベントで、安用寺に完勝してました


吉田 正和(よしだ まさかず) 
25才 四段 C級2組 竜王戦6組 プロ3年目  61戦 34勝 27敗 0.5574

>朝日アマ名人優勝の実績により受験資格を満たし、奨励会初段を受験。
>試験は、関西将棋会館で奨励会員と5番勝負をし3勝するものであったが、3勝1敗で合格。
>初段受験制度を利用した初のケースとなった。
>三段リーグでは2回の次点によって得られるフリークラス編入の権利を行使して、プロ入りした。

>第60回NHK杯で、予選決勝で橋本崇載に勝利し初の本戦出場を果たす。
>本戦1回戦では頭を丸刈りにして対局に臨んだが、屋敷伸之に敗れた。

このときのNHKでの写真、目がアブなかったんですけど(笑)
今の連盟の紹介ページの写真はいい感じです

>2011年1月、勝率規定によりフリークラスを脱出し順位戦C級2組に参加することになった。
>2011年の第52期王位戦リーグに初参加。(ウィキペディアより)

出自が異色なため注目されていましたが、これからは実績で評価されますね どうなるでしょうか

これで前編の8人は終わりです 後編の10人は、まだ棋士になったばかりで、
実績もほとんどない人ばっかりで、コメントがつかないと思うんですが、仕方ないですね(^^;
第本戦Fブロック 7回戦
畠山成幸七段 vs 菅井竜也四段
対局日: 2011年1月18日
解説:藤井 猛九段
聞き手:室谷由紀女流1級
記録:伊藤明日香女流初段

ナルゴンは予選で森信雄に勝ち本戦進出 
菅井は本戦で清水女流、村田智弘、村中、日浦、中座、塚田に勝ち6連勝中
22年度の成績は、ナルゴン8勝9敗 菅井23勝8敗 2人は初手合い

聞き手の女流は、誰だ? 見たことがないなー、と思っていたら、TV初登場の室谷(むろや)さんとのこと
年齢は、菅井と同じまだ18才だそうだ 解説は藤井、おお~豪勢だ 

藤井「ナルゴンは居飛車が多いが振り飛車も器用に指す 鋭い攻めの棋風
 菅井は新人、流行の振り飛車が得意 最新の振り飛車が見れるんじゃないか」

先手ナルゴンで、相振りになった ▲向かい飛車+金無双vs△三間+美濃だ
室谷「相振りになってよかったです」
藤井「室谷さんはこの戦型は経験がある? 僕もあるんですよ~(^^)」
この一局、終始なごやかな藤井トークが聞けた

藤井「相振りはプロ全体としては少ないが、進歩がいちじるしい戦型」
で、局面、さっそくナルゴンがそれを指しているそうだ
藤井「ファンの方にはそれほど知られていないと思うが、菅井は相振りで『菅井流矢倉崩し』という
 指し方を考案した それがすっかり定着している だから、ナルゴンは矢倉にしなかった」
へえ~ そうなのか

藤井「後手の陣形、3三は最近は、桂じゃなくて角が上がるんです 
 桂を跳ねるとおじさん扱いされちゃう(笑)」

さて、菅井が6筋から早速仕掛けてきた 自陣の歩を突く、びっくりする仕掛けだ
が、ナルゴンもすぐに対応、お互いに研究済みか!
ここから、菅井も藤井に「この一手」と言わせる飛車浮きを見せ、
ナルゴンも藤井に「これは味がいい」と言わせる受けを見せる 一進一退だ

藤井「菅井の研究に、ナルゴンが自分の見解をぶつけている」
局面難しく、藤井「先手を持って指してみたいが、具体的にどうやるか・・・」

藤井は候補手に困っていたが、ナルゴンはうまく手をつないだ
先手の飛車と角、両方が取られる当たりになっているとき、放置で利かしの▲9二歩~▲9三歩!
この歩の叩きが、メチャクチャに効いた

藤井「先手の攻めはギリギリ」と言っていたが、ナルゴンは端から挟撃の体勢を築くことに成功、
見事に美濃を攻略、後手玉を寄せきった 105手でナルゴンの勝ち
あ~、ナルゴン、うまかった プロの寄せだった 
「寄せの手筋200」とか「美濃崩し200」とかの本に出てくるような寄せだったね 

菅井の連勝は6連勝で止まった まあ、本局はナルゴンにうまく指されたから、仕方ないか
しかし、ナルゴン、目立たないと思っていたけど、強いわ
研究もしっかりしてきているしね 相振りの菅井の研究手をちゃんと調べて、
事前に対抗策を用意しているわけだからね

感想戦でも、寄せの部分を面白そうに3人であれこれやっていた
プロ3人集まっての寄せとしのぎ、レベルが高いね 室谷さん、口だしする余地がないね(笑)

いつも思うんですけど、私には相振りはやっぱり難しいです
すぐ力戦になるため、知識があんまり生きないんですよね 
相手が居飛車、と決まっていたら、振り飛車もやってみたいんですけど、相振りがね~

この将棋、▲7六歩△3四歩▲9六歩△9四歩という出だしでの相振りだった
そして、最後は9筋の端攻めが決め手で先手が勝ちになったことを思えば、
もうここまでさかのぼって、どうやるか考えておかなければいけない、ということか
最近の将棋は、序盤から駆け引きがある、と思わされる一局だった
31才以下の若手リスト ~五段編 後編~

年齢は2011年4月7日現在、順位戦は来期(70期)の組、竜王戦は現在進行中の所属クラス、
プロ○年目は4月から何年目を迎えるか、最後の数字は2011年4月6日までの生涯勝数、勝率です
私のコメントも付けました

中村 亮介(なかむら りょうすけ)
25才 五段 C級2組 竜王戦4組 プロ8年目 249戦 144勝 105敗 0.5783

ハッシーと仲がよくハッシーの弟分 声がしわがれている あとは知らないなー(^^;
>女流棋士の中村桃子は実妹。
>振り飛車党で、特に四間飛車を得意とする。
>2007年7月17日、C級2組順位戦の対・淡路仁茂戦で不戦敗。
>2009年3月に持ち時間6時間のC級2組順位戦最終戦、
>対・遠山雄亮戦で対局開始時間に1時間57分遅刻。(結果は中村の勝ち) (ウィキペディアより)
遅刻癖があるようですね・・・


佐藤 天彦(さとう あまひこ) 
23才 五段 C級1組 竜王戦3組 プロ5年目 183戦 128勝 55敗 0.6995

優勝履歴 新人王戦 1回(第39期-2008年)
将棋大賞 第36回(2008年度) 新人賞
     第38回(2010年度)勝率1位賞 35勝9敗 0.795
      連勝賞 17連勝 

69期順位戦では、10戦全勝でC1への昇級を決めた
現在行われている棋聖戦の決勝トーナメントを勝ち進んでおり、次の挑決に勝てばタイトル戦初登場!
棋聖戦で勝った相手を見てみると、森内、木村、北浜、渡辺、郷田、というそうそうたるメンバーだ
プライベートでは、ファッションに凝っている 今の髪型はゲゲゲの鬼太郎みたいだが(^^;

第16期 銀河戦 本戦トーナメント Gブロックで、斎田女流と対戦したとき、終盤の30秒将棋の最中、
飛車の不成での打ち歩詰め回避の順を読んでおり、私は驚愕しました あれは鮮烈でした
これを見れば、天彦の実力がわかると思いますね ここに棋譜を解説付きで載せています↓
http://mune1232007.blog121.fc2.com/blog-entry-572.html

>2004年に通算2度目の次点(3位)となり、フリークラスの棋士として
>プロ入りできる権利を得たにもかかわらず、この権利を放棄した。
>その後、2006年度前期リーグで14勝4敗で戸辺誠に次ぐ2位の成績を収め、
>見事、フリークラスではなく順位戦に参加できる棋士として、同年秋にプロデビュー(四段昇段)した。
(ウィキペディアより)

今期のNHK杯では、一回戦で豊島と当たっており、大注目の好カード!(勝者は2回戦で渡辺竜王と)
今後、ますます活躍が期待できる若手と思う


高崎 一生(たかざき いっせい)
24才 五段 C級1組 竜王戦5組 プロ6年目 191戦 119勝 72敗 0.6230

この人、あんまり知らない(^^; 69期順位戦ではC1で7勝3敗の成績を残している
>第68期(2009年度)C級2組順位戦第9回戦で勝って8勝1敗、昇級を決める。
>振り飛車党であり、四間飛車を指すことが多い。
>相手も振り飛車で来た場合は、相振り飛車にする。(ウィキペディアより)


金井 恒太(かない こうた) 
24才 五段 C級1組 竜王戦6組 プロ5年目 133戦 79勝 54敗 0.5940
将棋大賞 第36回(2008年度) 連勝賞
第37回(2009年度) 名局賞特別賞

68期順位戦でC2から昇級している 69期はC1で5勝5敗 それくらいか(^^;
>居飛車党である。
>第9回戦(2010年2月2日)は、勝てば昇級の一番であったが、
>降級点2点を抱え順位戦残留が風前の灯の児玉孝一との千日手指し直しの末の戦いに敗れた。
>(この児玉との戦いで、将棋大賞で初の「名局賞特別賞」を受賞)(ウィキペディアより)


長岡 裕也(ながおか ゆうや) 
25才 五段 C級2組 竜王戦5組 プロ7年目 190戦 92勝 98敗 0.4842

この人のこともほとんど知らないな~(^^; 調べたら、2手目△3二飛戦法の人だったのか
69期順位戦では4勝6敗の成績
>振り飛車党。
>初参加となる第64期(2005年度)順位戦において2勝8敗で降級点を喫する。
>これは降級点取得の史上最年少記録(20歳)である。
>2手目△3二飛戦法を2007年12月11日の竜王戦6組で佐藤天彦を相手に公式戦で初めて採用し、
>後述の棋書を出した程である。
>著書に、2手目の革新 3ニ飛戦法(2008年8月、毎日コミュニケーションズがある。(ウィキペディアより)


中村 太地(なかむら たいち) 
22才 五段 C級2組 竜王戦5組 プロ6年目 182戦 106勝 76敗 0.5824

180cm、55㎏というスリムな体型 69順位戦では5勝5敗
先週のNHK杯に登場、果敢に攻めかかったが、松尾のうまい受けの前に屈した
前期の18期銀河戦では、ベスト4まで進出した 中でも、深浦王位(当時)に勝った将棋は勢いがあり、
すばらしかったのが記憶に残っている

>オールラウンダー。早稲田大学政治経済学部に在籍。
>プロ入り時のインタビューで自分の棋風について問われると「無理攻めです」と笑顔で答えた。
(ウィキペディアより)


遠山 雄亮(とおやま ゆうすけ) 
31才 五段 C級2組 竜王戦5組 プロ6年目 180戦 106勝 74敗 0.5889

ブロガーで、連盟のネット関係の仕事をしている 
ブログの更新頻度はほぼ毎日で、私はよく見させてもらってます
69期順位戦では、8勝2敗ながら順位の差で4位となり、昇級できず
前期は好調でしたね 今期もぜひご活躍を! 王位戦は注目してます
明々後日の日曜は、NHK杯で鈴木大介八段と対戦する

>2006年度は勝率6割台の好成績を挙げたが、初参加の第65期(2006年度)C級2組順位戦に
>黒星が集まり、3勝7敗でいきなり降級点を喫する。
>(2011年度)王位戦において、予選で渡辺明、先崎学らを破り、初のリーグ入り。
>著書に、遠山流中飛車持久戦ガイド(マイコミ将棋BOOKS)、2009年
>遠山流中飛車急戦ガイド(マイコミ将棋BOOKS)、2010年 がある。(ウィキペディアより)


稲葉 陽(いなば あきら)
22才 五段 C級1組 竜王戦5組 プロ4年目  126戦 87勝 39敗 0.6905

棋聖戦で活躍している、関西期待の若手ですね 
(2011年の棋聖戦は、ベスト8止まりだった)
年鑑には、175cm48㎏と書いてあるがホントか(笑)
顔の輪郭が、野球のホームベースのよう(^^;
69期順位戦ではC2で8勝2敗で昇級を果たした

>基本的には居飛車党だが、振り飛車もこなす。
>2009年度、棋聖戦で挑戦者決定戦に進む。2010年度、またもベスト4入り。(ウィキペディアより)

後は、四段編の18人で終わりです 18人って・・・多い(^^;
四段の人はまだ戦跡も浅く、書くことがない人がほとんど
それに、今回の企画、はっきり言って手間がかかり、とてもめんどうです(笑)
31才以下の若手リスト ~五段編 前編~

年齢は2011年4月6日現在、順位戦は来期(70期)の組、竜王戦は現在進行中の所属クラス、
プロ○年目は4月から何年目を迎えるか、最後の数字は2011年4月5日までの生涯勝数、勝率です
私のコメントも付けました


佐々木 慎(ささき まこと)
31才 五段 C級1組 竜王戦4組 プロ11年目 350戦 208勝 142敗 0.5943
将棋大賞 第35回(2007年度) 連勝賞 (13連勝)

先の69期の順位戦で、8勝2敗の好成績を上げ、降級点を消した
え~っと、それ以外にあんまりないような(^^;
>振り飛車党で、派手な勝負手を好む豪快な棋風。(ウィキペディアより)

>2003年の第22回朝日オープン選手権でのアマチュアとの対局において、
>1分将棋になったアマチュアがトイレに立った際に手を指し、
>結果的にこのアマチュアを時間切れ負けにさせてしまった。
>このため、様々な意見が飛び交う事となった。(ウィキペディアより)

↑これ、もうだいぶ昔なんですけど、あえてエピソードを上げるとしたらこれか(笑)
こんな話をまだやっているより、何か活躍して目立ちたいところですね(^^;  


西尾 明(にしお あきら) 
31才 五段 C級2組 竜王戦3組 プロ9年目 288戦 172勝 116敗 0.5972

>混戦となった2002年度後期三段リーグで11勝7敗という成績で2位となり、四段昇段を果たした。
>居飛車党で、攻守にバランスが取れた棋風である。
>2007年、奨励会幹事に。趣味はギター。(ウィキペディアより)

囲碁将棋チャンネルでゲストに出てきたとき、エレキギターを少し演奏してくれましたが、
すごくうまかったですね あと、解説が安定感があり、うまいです 頼れる人柄と感じますね 
69期順位戦は5勝5敗、特筆することはないかなー(^^;


横山 泰明(よこやま ひろあき)
30才 五段 C級2組 竜王戦4組 プロ9年目  298戦 182勝 116敗 0.6107

振り飛車党、69期順位戦で、最終戦勝てば昇級だったが、アベケンに負けて7勝3敗となり昇級を逃した
ウィキペディアで調べてみると、以前にも2度昇級のチャンスを逃していたことがわかった↓
>初参加の第62期(2003年度)C級2組順位戦で8勝1敗で最終第10局を迎え、
>勝てば‘1期抜け’となるところであったが、平藤眞吾に敗れて8勝2敗(7位)となり昇級を逃す。
>第68期(2009年度)C級2組順位戦では8勝2敗の成績を挙げるも、
>リーグ表で上位の金井恒太が最終局で勝って8勝2敗としたため次点(4位)で昇級を逃す。


村山 慈明(むらやま やすあき) 
26才 五段 C級1組 竜王戦3組 プロ8年目 288戦 191勝 97敗 0.6632
優勝履歴 新人王戦 1回(第38期-2007年)
将棋大賞 第35回(2007年度) 新人賞・勝率1位賞

>居飛車党。
>酷評三羽ガラスと棋界では呼ばれ、歯に衣着せぬ物言いで知られる(他の二人は渡辺明、戸辺誠)。
>仲間内では名の音読みから「じめい」と呼ばれている。(ウィキペディアより)

69期順位戦では、C級1組で9勝1敗という成績ながら、順位の差で昇級できず
「序盤は村山に聞け」と言われるほどの定跡通で有名
著書に、最新戦法必勝ガイド―これが若手プロの常識だ(2006年)、アマの知らない最新定跡(2008年)
がある これ、超マニアックな本と思いますが、どれほど需要があるのか、個人的に知りたいですね
実売で何冊くらい売れたんでしょうか?


糸谷 哲郎(いとだに てつろう) 
22才 五段 C級1組 竜王戦3組 プロ6年目 214戦 148勝 66敗 0.6916

優勝履歴 新人王戦 1回(第37回-2006年度)
将棋大賞 第34回(2006年度) 新人賞・連勝賞

69期順位戦で、見事C1に昇級を果たす おととしと昨年度のNHK杯の、準優勝は記憶に新しいところ
天賦の才能と思える独特のノータイム指しで相手を惑わせ、棋譜だけではその強さは測れない
昨年度の銀河戦では本戦で5連勝、今年度は4連勝(継続中)
「怪物」と呼ばれるにふさわしいと思える人材、目が離せない若手

>2006年、新人王となった授賞式の謝辞で「いまの将棋界は斜陽産業。
>僕たちの世代で立て直さなければ」とコメントし、周囲を驚かせた。
>正統派の居飛車党で角換わりを得意とし、攻めも受けも力強い。
>振り飛車相手の右玉は「糸谷流」と言われた。
>プロ入り後の2006年5月1日のデビュー戦(第78期棋聖戦)で橋本崇載に勝つ。
>終局直後に橋本が「強すぎる。怪物だ!」と叫んだことから、ニックネームは「怪物」「怪物くん」。
>大阪大学文学部に合格。哲学・思想文化学専修に所属。卒業後はさらに大学院に進学するという。
(ウィキペディアより)

奨励会時代の対局で、糸谷が必勝形で、相手の駒を取ったとき、その駒を相手の駒台に置いてしまい、
反則負けになったエピソードがある 当時、幹事をしていた井上八段がTVで話していた
井上が「お前が将来、名人になったら、このエピソードが伝説になるんや」と言うと、
糸谷は「本当?」と言って、機嫌がコロッと治ったそうである(笑)
第19期 銀河戦
本戦Eブロック 7回戦
神谷広志七段 vs 阿部健治郎四段
対局日: 2011年1月7日
解説:佐藤紳哉六段
聞き手:中村桃子女流1級
記録:野田澤彩乃女流1級

土曜に放送された銀河戦
アベケンは里見女流、坂口、小林宏、佐藤紳哉、コーヤン、デカコバに勝ち6連勝中
神谷は予選で松本に勝ち本戦進出
22年度の成績は、アベケン28勝7敗 神谷7勝10敗 2人は初手合い

解説の紳哉「アベケンは居飛車党、研究熱心で、深く広く研究している
 攻めっ気が強く、終盤も手が見える
 神谷はオールラウンダー、序盤から一工夫ある将棋、相手の攻めをひっぱりこんで受けて見せる
 アベケンの攻めvs神谷の受けになるだろう」

先手アベケンで、神谷が矢倉模様の力戦に誘導した ▲居玉vs△4一玉型で、早くも開戦だ
アベケンは左の金を▲5八金とし、豊かな発想力を見せた
紳哉「あー なるほど! これは柔軟ですね」

お互いの金が前線に出て、盤面、5筋中央に金が3枚縦に並ぶ、めずらしい局面が出現
紳哉「今日はいいものを見ました(笑)」

金銀の交換が何回もあり、紳哉「これだけ金が前線に出て交換になる将棋もめずらしいですね」
終局まで、数えたら6回も金銀交換があった(^^;

アベケンが位を取って有利になったかと思いきや、決め手がない
じっくりお互いに陣形を整える、という将棋だ それがもう、長いー うーわ、これは疲れるわ(^^;
アベケン、実に落ち着いているのだ 無理な攻めはしない
紳哉「この将棋は金銀ばっかり動いてますね 平安将棋はこんな感じだったんですかね(笑)」
平安将棋は、飛車と角がまだ無いんだよね 

アベケン、色々技を駆使したが、一番驚いたのが次の局面の手だ 
今、後手の神谷が△8五桂として、先手のアベケンの手番↓ 

後手:神谷
後手の持駒:金二 歩 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・v玉v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・v歩v角v金 ・ ・|二
| ・ ・v歩 ・ ・v歩v銀v歩 ・|三
|v歩v歩 ・v歩 歩 ・ ・ ・v歩|四
| ・v桂 ・ ・ ・ 桂 ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 ・ ・ ・ ・ 歩|六
| ・ 歩 銀 銀 ・ ・ ・ ・ ・|七
| ・ 玉 ・ 角 ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手:アベケン
先手の持駒:金 銀 歩三 


ここで、なんとアベケンの手は▲2二歩!! な、なんだそれは??
取れる銀を取らずに、こんな手がある!?
本譜は、以下△同玉▲3三桂成以下、アベケンの攻めがつながった

▲2二歩がいい手かどうかはわからないんだけど、発想としてすごい
△2二同銀なら、2筋が壁になるから▲5三銀と攻めるつもりだったのだろうか
とにかく、結果的にこの▲2二歩が効いたのだ いやはや、アベケン、強い・・・

結果、133手でアベケンの勝ち 
アベケンがずーっと攻めていて、神谷がずーっと受けていた、という将棋だった
紳哉「アベケンが丁寧に指して、アベケンの良さが随所に出た」 

この将棋、正直、見ていて疲れたわ(^^; 開始早々、すぐに戦いが起こってから、
中盤の駒組み合戦が、延々続いたからね
将棋って、一局勝つのは大変だ、と思わされた内容だった 

それにしても、アベケン、将棋のテクニックを実にいっぱい知っている、と思わされた
22才の新人っていう感じじゃない、将棋が完成しているね

このEブロック、この後、島、中村修、タニー、渡辺という顔ぶれだが、
アベケンはどこまで勝ち進むのか? まさか、一番下から全員抜きってことがあるんじゃなかろうか 
中村太地五段vs松尾 歩七段   NHK杯 1回戦
解説 先崎学

さあ、気分一新、新たなNHK杯の開幕だ 今期は第61回とのこと
ちなみに、NHK杯の公式ページはこちらです↓
http://cgi2.nhk.or.jp/goshogi/shogitou/

オープニング、画面右上の島の顔が変だ~(笑)
そして、また羽生が指すシーン(^^; 前期優勝者が指すんだから、羽生だね これは変わりないね

聞き手は今年が3年目でたぶん最後の年だろう、矢内!
おお、や、矢内、大人っぽい~! 大人になったね かわいいし美しいね 今期も聞き手を頼みます!

出場者のメンバーを見てみると、 
船江四段、永瀬四段、阿部健治郎四段、牧野四段、菅井四段が出場かあ フレッシュだね
五段では、遠山五段、そして今日の対局者の中村太地五段が目新しいところだ

解説者は先ちゃんだ 若草色のスーツ、いいね
あれ? 眼鏡をかけ忘れてるよ 
キムジョンイルみたいな眼鏡、似合っていたのになあ どうしたのやら?
(ちなみに、私は先崎さんの影響でレーシック手術を受けました 経過は、再手術があったものの良好)

太地(たいち)は予選で青野、高野、野月に勝って本戦進出 これは予選を通るのが大変だね
松尾はB1以上のため予選免除
先崎「太地は米長門下の弟弟子、居飛車が多い、筋がいい、勢いがいい手を好む
 松尾も気合いを重んじる」

事前のインタビュー
太地「NHK杯は子供の頃から出場したいと思っていたので、とてもうれしい
 自分らしく思い切って攻めて、いい将棋を指したい 相手の松尾は実力者でスキがない印象」
これを見て、矢内と先崎
矢内「ちょっと緊張ぎみでしたかね(笑)」
先崎「だいぶ緊張してる(笑)」

松尾「太地はさわやかな好青年 将棋は粘り強く、受けが強い
 NHK杯は、やるからには優勝を目指す 一局一局集中してがんばりたい」
矢内「太地のことを受け将棋と言ってましたね」
先崎「とらえかたが違うんですね(笑)」

さて、今期から持ち時間が15分から10分に短縮された うん、まあこれはいいです!
今回も見ていて、短くなったことが気にならなかったです 私は序盤はテンポが速いほうが好きです

矢内「先崎さんは初出場の頃は緊張しましたか?」
先崎「あの頃は勢いがあったからねー(笑)」
そうだったんですよね・・・ 先崎さんは、若い頃、NHK杯で優勝しているんですよね
思えば、あの頃が先崎さんの一番強い時期だったのかもしれませんorz

先崎「太地は大学にも通っていて、学業のほうもトップクラス」
今、ウィキペディアで調べたら、早稲田大学政治経済学部とのこと へえ~
矢内「太地は子供の頃、将棋番組に出ていて、なわとびの名人になりたい、と言っていた」
なわとびの名人かあ なわとびのプロ組織はないよね 将棋はその点、プロがあってよかったね

さて、雑談があんまりない 持ち時間が10分に短縮されたということは、
雑談の時間が減ったということなのか 松尾に関する情報がほとんどなかったような(^^;

先手太地で、一手損角換わりの相腰掛け銀に進んでいる 先手は▲4七金型だ
先崎「▲4七金は最近増えた、現代的な手」

さっそく太地に意外な一手が出た ▲7七銀としたのを、また▲6八銀と引いたのだ
先手も2手損だ もう手の損得がわけわからん(笑) 
先崎「こういう手がありますかー △8五歩を突かせようという手ですね
 こんな手が最近はあるんですか」

これを見た松尾、△1二香だ
先崎「太地に仕掛けてこい、という手ですね 勝負手です」
太地、考慮時間を5回まで減らし長考の末、▲4五歩と行った! △同歩▲同桂、
さあ、松尾は△4二銀か? △4四銀か? △4二銀で、どうなるか見てみたいが・・・
先崎「△4二銀は、先手から何をされるかわかんないから、怖い」
本譜、松尾は△4二銀! おお、そうこなくっちゃね 面白くなってきた

太地、▲1五歩△同歩に、▲1四歩!
先崎「はーはーはーはー これはアイデアですね これいい手ですね 松尾困ったかな?」
おお、太地が魅せた! これはうまく行きそうだ 太地が良しなのか?
松尾が桂を取って、どうか・・・ 太地は馬を作ったが、まだまだ大変か

先崎「いや~ 難しい将棋になりました」
ここまでで、太地はもう考慮時間をほとんど使い切ってしまった 
この辺りの時間配分が、太地の経験の浅さが出た感じだ
太地、銀をぶつけたが、当然取られて手番が松尾に、そして松尾、駒音高く、パン!と△5五角!
先崎「△5五角打ちましたね」
矢内「いい角ですね」

そして、本局最大の魅せ場、端から攻めてきた太地、誰もが△1二歩と思ったであろうところ、
松尾は△1一香! あー、それで先手が取れるのか、そんな手があるのか・・・!
先崎「ほおー! 香を打ちましたね なるほどお これはいい手ですね!」
手が進むほどに、この香がいい手とわかり、解説の先崎は何度もほめることになった
 
1筋に香を打ち合ったことで、太地からは手がない あー、これは太地、困った
先崎「△1一香で太地はしびれた △1一香は地味な名手でした」

後は、松尾は駒得を拡大、それからの寄せも磐石だった 
万に一つも逆転がないように、着実な寄せだった 結果、松尾の快勝!
初出場の若手を相手に、腕力できっちり勝ち切ったね 
松尾、さすが、順位戦でA級へ昇級まであと一歩、竜王戦も1組なだけあるわ 松尾、強いわ
投了図でも△1一香が光ってたなあ

太地としては、1三に歩を成っていくんじゃなくて、銀を打ち込んで勝負するしかなかったか、
結果論だけどね 感想戦はそこをやっている最中に終わりだった

松尾の強さが出た将棋だった △1一香、これに尽きるね 
その後の寄せ、これは男子プロは逃さないよね 

ちなみに昨日の▲里見vs△甲斐の一局、あれはあまりにも逆転しすぎで、どうにも(^^;
甲斐さんにはもちろんがんばってほしいんだけど、あの内容ではNHK杯で女流の勝ちは期待できない、
と思わざるを得なかったです 里見さんも甲斐さんも、もっと強いはずですよね・・・

松尾の名手で、開幕した今期、注目はやはり3連覇中の羽生を誰が止めるか、ということだろう
毎週日曜、AM10時15分から、チェックイットアウト!
今日放送された、里見vs甲斐の棋譜を、以下に貼っておきます↓
今回から持ち時間の変更があり、最初の持ち時間が15分から10分に短縮された
考慮時間10回は今までと同じ

先手:里見女流三冠
後手:甲斐女流二冠

▲7六歩
*解説の山崎七段「勢いもあって、成長した者同士のぶつかりあいですね」 以下、コメントはすべて山崎七段のものです
△3四歩 ▲6六歩 △3二飛 ▲6八銀 △3五歩 ▲6七銀
△6二玉 ▲7七角 △3六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲8八飛
△3四飛 ▲3八銀 △4二銀 ▲5八金左 △3三銀
*▲向かい飛車vs△三間飛車は、相振り飛車の中でも、最も実戦例がありますね
▲4六歩 △4四銀 ▲4七金 △3五銀
*2人の対戦成績は、7戦していて里見6勝、甲斐1勝とのことです
▲3七銀 △3六歩 ▲2六銀
*いきなり激しい展開ですね
△同 銀 ▲同 歩 △3三桂
*次の▲2五銀を防いだ手です
▲2七銀 △3五銀
*3六の歩をめぐる攻防になりますね
▲3八飛
*序盤早々にすごいことになってますね
*ここで△4五桂があるかどうか?
*△4五桂▲同歩△5五角▲2八桂△4六銀でどうか
△4四飛
*ほっほおおー これはやわらかい手ですね
*▲4八飛△3四飛▲3八飛・・・となれば千日手ですね
▲3六銀
*里見さんは切り合いを好むので、行きましたね
△4六銀 ▲同 金 △同 飛
*ここは先手にいっぱい手があります
▲3五銀打
*わー すごい強気ですね 指すのは勇気がいるんですけどね
*(ここではまだ両者、考慮時間を9回ずつ残している)
△4七金 ▲4六銀 △3八金
*え??? はっはあー!? 普通は△4六金と思ったんですけど、驚きました
▲同 金
*一瞬、金の丸損ですからね
△7九飛
*ここで▲6九金と打つ手があるかもしれません
*以下△8九飛成▲7八銀△8五桂ですか
*甲斐さんは▲6九金を軽視した可能性がありますね・・・
▲6九飛
*あれ? 飛車でしたね
△同飛成 ▲同 玉 △4九飛
*甲斐さんが描いていた局面になったと思います
▲7八玉 △2九飛成
*△4六飛成もあったと思います
▲3九飛
*△2六竜だと、竜が死ぬかもしれません
△2六龍
*竜は大丈夫なんでしょうか?
▲3五銀直 △2五龍 ▲2六歩
*甲斐さん苦しいですね
△1四龍 ▲3四歩
*厳しいですね 桂取りよりも、▲1六歩~▲1五歩が厳しいですね
*(ここでは両者、考慮時間は5回ずつ残している)
*甲斐さん、何か勝負手が必要です
*△5四桂が有力です
△5四桂
*先手としては迷いますね
▲3三歩成
*攻め合い、里見さんの棋風に合っているかもしれません
△4六桂 ▲同 銀
*あ、▲2二とかと思いました
*こっちは予定ではなかったと思いますけどね
△3三角
*甲斐さんがうまく持っていきましたね
*後手は桂損ですが竜を作ってます
▲4七金 △3二歩 ▲1六歩
*これは熱戦になってきました
△2四龍
*▲3五銀と出させてから△8四竜としようという高等戦術ですね
▲4五桂
*△2二角は▲8六角~▲6五桂があります
△4四角 ▲2五金
*竜が死んでしまいました
△3一金
*竜を取られるのは大きいです あー、甲斐さん頭を抱えてますね・・・
▲2四金 △同 歩 ▲2三飛 △5二金 ▲2四飛成 △2七歩
▲3八飛
*丁寧に受けられて、甲斐さん困りましたかねー
*(甲斐はここで考慮時間をすべて使い切った)
△1四歩 ▲8六角 △6四歩 ▲5六桂
*厳しい手ですねー
△2二角 ▲6四桂 △6三金
*次は▲3三歩が厳しそうですね ▲3三歩かな
▲2二龍
*おおっと! 激しいですね これは指せない すばらしい・・・ そっかあ
△同 金 ▲3一角
*里見さん、すごい自信ですね びっくりしました
△2一金 ▲4二角成 △7四歩 ▲3二馬
*▲5二馬じゃなくて▲3二馬ですか
△7九金 ▲同 玉 △4九飛
*まさかの攻め合いに・・・
▲7八玉 △6九銀
*あ これはイヤな手ですね なるほど ▲8八玉なら、△4七飛成▲3三飛成△4八竜で合駒が請求できるんですね
▲7七玉
*だから▲7七玉ですね
△4七飛成 ▲9五角
*おお 終盤力は私より鋭いですね(笑)
△8四金 ▲同 角
*あ、と、これ、先手玉は大丈夫なのかな?
△同 歩 ▲8三金
*△5九角は大丈夫なのかな?
△5九角
*金合いすると、△3八竜で先手負けですね
▲6八飛
*これはどちらが勝ちになったんでしょうか、逆転?
△6四金
*これが詰めろなら甲斐さん勝ちですけど・・・
▲4三馬 △6八角成
*即詰みのような気がします・・・
▲同 玉 △4八龍
*里見さんにとっては、かなりめずらしい大逆転負けになってしまいましたかね?
▲5八角 △同銀成 ▲7七玉 △6八角 ▲8八玉
*そう簡単に詰みでもないか
△7九角成 ▲7七玉
*詰むや詰まざるやですね
△6八馬 ▲8八玉 △7九馬 ▲7七玉 △8五桂 ▲8六玉
△6八馬 ▲7七金 △6三金
*これは冷静ですね これで後手はゆっくり攻めることができますね
▲8四金 △7七桂成 ▲同 桂 △7九飛 ▲8九桂 △6七馬
*後手は自玉が安全になったので、ゆっくり攻めていけばいいですね
*
*序盤から乱戦でしたが、里見さんの指し回しが落ち着いていてリードしたが、決め手を間違えて大逆転した △7九金がすごい勝負手でした
まで130手で後手の勝ち

局後のインタビュー
甲斐「途中はかなり悪い局面もあって、悪かったが、△7九金からだんだん難しくなったと思った」
里見「最後のあたりで読み切れなかったのが残念です 間違えなければ寄せ切れると思ったので、
 悔いが残る △6四金で桂をはずされた手が読み抜けだった」

甲斐「NHK杯は子供の頃から見ていて、愛着があるし、読み上げも4年間ほどさせて
 いただいた棋戦なので、対局者として出れてすごくうれしい 
 緊張すると思いますが、積極的な将棋が指せればいいなと思います」
第19期 銀河戦
本戦Dブロック 7回戦
勝浦 修九段 vs 宮田敦史六段
対局日: 2011年1月6日
解説:中村 修九段
聞き手:中村真梨花女流二段
記録:渡辺弥生女流2級

勝浦は予選で佐藤慎一四段に勝って本戦進出 宮田は前局でコバケンに勝ち
22年度の成績は、勝浦3勝5敗 宮田13勝9敗 2人は初手合い

解説の中村修「勝浦は、中原や米長としのぎをけずった世代の大ベテラン、終盤がしっかりしていて、
 カミソリ流と呼ばれる 詰将棋作家でもある
 宮田は終盤力にたけている、詰将棋が得意、解く方専門」

先手勝浦で、▲四間飛車+穴熊vs△居飛車銀冠になった
修「勝浦は広瀬王位の師匠だから、穴熊にするような気がするなあ」と言っていたら当たりだった

さて、中盤、勝浦が▲9五歩から仕掛け、先に香得した宮田が△6六香と打ってきた場面↓

後手:宮田敦史
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v玉v香|一
| ・ ・ ・v飛 ・ ・v金 ・ ・|二
| ・ ・v桂v歩v銀v金v桂v銀 ・|三
|v香 ・v歩 ・v歩v歩v歩v角 ・|四
| 歩v歩 ・ 歩 ・ ・ ・v歩v歩|五
| ・ ・ 歩v香 銀 歩 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ ・ 歩 飛 銀 歩 歩|七
| ・ ・ ・ 角 ・ ・ 金 金 香|八
| ・ 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 玉|九
+---------------------------+
先手:勝浦
先手の持駒:歩 

局面は△6六香まで 

ここで、本譜は勝浦は▲5九角と引いてしまい、以下△5五歩▲同銀△6七香成と進み、
その後は△6五桂~△5七桂成とされて、勝負所がなく先手の負けになった 
感想戦で勝浦「▲5九角が敗着」
勝浦が局後に示した、穴熊らしいさばきの順とは?

正解は、▲7七角 これで、以下△5五歩▲6六角△5六歩▲同歩と進めれば、
▲2六歩からの反撃を見て先手が充分やれた、とのことだった

本譜は▲5九角としたため、後手に成香と成桂で攻められ、一方的になった(^^;
局後、勝浦「こっからはボロボロですね」

あ~、勝浦、結果的にボロ負けだったね 
勝浦は引退するそうだが、まあ仕方ないか、と思える内容になってしまった
勝浦は64才、A級には8期在籍、弟子の広瀬ががんばっているし、引退してもいいよね
詰将棋作りとか、対局とは別の方面で活躍してください!

さて、明日、NHK杯の女流枠の出場決定戦があります! 見逃さないようにしましょう
>第61回NHK杯出場女流棋士決定戦 放送時間変更のお知らせ
>4月2日(土)14:20~16:00 NHK教育テレビ