第20期 銀河戦
本戦Cブロック 7回戦
田村康介六段 vs 長沼 洋七段
対局日: 2012年1月10日
解説:富岡英作八段
聞き手:室谷由紀女流初段
記録:野田澤彩乃女流1級

平成23年度の成績は、長沼12勝12敗 田村6勝10敗
長沼は本戦でアベケン、田中寅彦に勝ち 田村は予選で川上に勝ち

解説の富岡「長沼はオールラウンダーで粘り強い、田村は早見えの才能派」

先手長沼で、相掛かりの相腰掛け銀 そこから田村が右玉にした
この将棋、右玉特有の大局観が必要で難解、私には終始、形勢判断ができなかった

盤面左側、お互いの玉頭で金銀が頻繁に入れ替わる、という難しい戦い
結果は歩をうまく使った長沼の勝利、99手で長沼の勝ち

この将棋、99手のうち、玉金銀歩、ばっかり動いていて、
他の駒が動いたのはたった4回しかなかった
これだけ飛車、角が動かない将棋もめずらしい 飛車、角がない平安将棋みたいだった
(でも、平安将棋は持ち駒不使用なんだけどね)

ひさしぶりに将棋観戦して、それが右玉の難しい将棋、なんか、消化不良になってしまった
将棋って、こんなゲームだったっけ?という感じだ(^^;
24の掲示板にて、 将棋質問箱フォーラムの項で、質問がありました
私が答えたことを、ブログにも貼っておきます
質問の全文は、24の掲示板で見てください

Q.やればやるほど弱くなる
(要約)最近24に登録して指し始めたが、
やればやるほど弱くなっていく どうして? 棋力は10級くらいです

私が答えたコピペ↓
A.有りうる話と思います 3つのアドバイス

私は、レート1600~1750くらいで、初段~二段で指しています
レートはもう10年くらい変わっていません。
24に入会当初は、レート1300点くらいでした。
でも書かせてもらいますね。

日本語には「上達」という言葉はあっても、逆の「下達」という言葉が
ないのを、私はいつも不思議に思っていました。
「下達」(げたつ)は、まさに、やればやるほど弱くなる、という意味の造語です。

将棋は特に「下達」が起こりやすいと思います。
自分より弱い人と指していると、弱い人の手に対応することになり、
その弱い手に合わせてしまうようになります。
これは将棋のかかえる大問題と思います。

どうすれば「下達」しないか、私の考えを3つ、書いておきますね。


レートの低い人からの挑戦は断り、自分と同級か、
格上の人としか指さないようにしてはいかがでしょうか。
フリー対局はあまりおススメしません。
相手があまり真面目にやってくれないことも多いので・・・
それに、やはり、レートの上下する対局のほうが、面白いじゃないですか。


「下達」しないためには、「真剣に考えて指す」ということが、
絶対だと思います。将棋は考えるゲームですからね。
ノータイム指しはやめるべきでしょう。
私は「15分」の持ち時間だと、ついノータイム指ししてしまうため、
24ではいつも「早指し2」で指しています。
「早指し2」だと、1手ずつ秒を読んでくれるため、常に25秒くらい考えて
指す、ということができますので。
「15分」で、1手を常に1分弱考えて指す、というやり方もあるでしょうが、
さすがに対局時間がかかりすぎるので、やってません。


詰将棋もいいと思います。
詰将棋は考えなければ解けないですからね。
私は詰将棋を全くやっていなかった頃は、相手から王手されると、
それだけでビクビクで、受けがとても弱かったです。
その結果、攻め一辺倒の棋風で、無理攻めし、
攻めが切れて負け、のパターンが非常に多かったです。
詰将棋を始めてからは、王手があまり怖くなくなり。バランスが取れてきました。
10級くらいなら、実戦型の3~5手詰を正確に、速く解けるようになるように
なるといいと思います。
5手詰が難しければ、3手詰だけでも充分効果があると思います。

以上3点、参考にしてくれれば幸いです(^^) 
今週の週刊将棋ステーション、ゲストは佐藤康光王将でした

山田史生記者・恩田アナウンサー「王将獲得、おめでとうございます」
康光「ありがとうございます」

恩田「さっそくの出演、ありがとうございます」
康光「第5局が終わって、打ち上げのときに、ここのスタッフに、
 『今日スケジュール空いてますよね?』と言われました(笑)」
(第6局があれば、この日が対局日だった、とのこと)

Q タイトル戦が終わって、趣味のゴルフ、できそうですね
康光「今年まだ1回しか行っていないので、これからゴルフ仲間から誘いがあると思います」

京都府出身 田中魁秀門下 竜王戦1組以上19期、順位戦A級以上15期
タイトル獲得13期 1384戦 884勝 500敗 0.638

Q 渡辺竜王の強さについて
康光「重要なところでの決断が早い、自分の将棋を確立しつつあるのかな、と思います」

Q 王将戦で挑戦者決定のためのプレーオフを戦った豊島六段の印象について
康光「昨年の王将戦では、勝てるんじゃないかと思っていたら完敗、ちょっと衝撃を受けた
 あれから1年経って、日に日に強くなっている 
 普通に指して普通に勝つ、という一流棋士の勝ち方を身に着けている」

Q 久保王将との王将戦について
康光「臨むにあたって、40代に入ったので体力面には気を使った
 振り飛車対策は、ゴキゲンは自分でも指すが、石田流は自分ではあまり指さないので、
 研究では遅れを取っていると思っていたので、そこをどうカバーするかだった」

康光「タイトル戦は4勝して初めて1勝と考えている
 シリーズを通して、ミスもあったが、自分らしさを表現できた、充実感があった」

Q 康光将棋の理想は?
康光「初手から緊張感をもって、一手一手、未知の分野で指していくスタイルが、
 自分には合っていると思う モチベーションも高まりますのでね」

Q 今後の目標は
康光「またタイトルを獲れたので、これに気が緩むことなく精進していきたい
 震災で大変な生活をされている方たちがいる、今、棋士会長を務めているので、
 将棋を通して、棋士全体をまとめて少しでもプラスに動いていきたい」

Q 娘さんは何才になりましたか
康光「今2才で、6月に3才になります パパが将棋を指している、というのは認識している(笑)」

佐藤康光王将が、視聴者プレゼントの駒箱に書いた揮毫(きごう)は、
天衣無縫(てんいむほう)でした
 

康光へのインタビューが終わり、ここで、衝撃の発表が!
なんと『週刊将棋ステーション』、今回が最終回とのこと
山田記者、恩田アナ、お疲れ様でした 

後継番組は、今のところ、予定なし! ぎええーー 
これからこのブログで、ゲストの話をまとめていこうと思っていた矢先のことだけに、ショック!
囲碁将棋チャンネルから、棋界の情報番組がなくなってしまう!orz
何か新しく、番組を作ってください 頼みます! 
私にできること、せめて、ハガキで意見を出しておこう・・・
新版 5手詰ハンドブック

浦野真彦著 浅川書房 1200円+税 2012年3月初版
コンセプト<5手詰ハンドブック(赤)の復刻リニューアル版>
評価A 難易度 ★★★ 

ここのところ、まーったく詰将棋をやっていなくて、詰将棋に飢えていた私
そこで、この本が出た! 旧版の赤い本のほうの大ファンだった私は、さっそくこの本を購入!
アマゾンで入荷がかなり遅れたものの、おととい、やっと届いた!
解きまくった! 楽しい! やっぱり面白い! 二日で全部解いちゃった! 
棋力もグーンとアップ? てなわけです(^^)

・・・旧版が出たのが、2004年、もう8年も前かあ
あの頃は、私はそれまで、詰将棋というものを生まれてこの方、全然やったことがなくって、
24のレートは今と同じくらいだったものの、最初は200問全部解き終わるまで、
1週間もかかったっけ(^^;

今はこの新版を二日で解き終わることができました ・・・成長した? 
いや、でも、旧版のほう、4周は解いたんですよね
だから、旧版とそれほど変わらないこの新版を二日で解けても、全く不思議はない(^^;
だいたい、1問20秒~4分くらい、(問題によってかなり差がある)
計4~5時間で、200問解き終わったと思います

旧版と比べて、解答の解説が詳しくなった、ということですが、
その点は私は正解手順さえ教えてもらったらOKなので、さほど影響なかったです

旧版を持っていなくて、実戦型の5手詰が解きたい人は、迷わず買いの一手でしょう
ただし、3手詰ハンドブックがちょうど良かった、という人は、かなり苦戦すると思いますね
4問4答形式で進むため、4問解き終わらないとページがめくれず、答えが見れない、
という特徴がある本ですからね 
時間がかかると、左下の4番目の問題を解いたころには、
右上の1番目の問題をすっかり忘れているというケースが多々発生すると思います

浅川書房のホームページで、本の中が見れますんで、
そこで事前に中身を確認してから買うのがいいですね

旧版のほうは、難しい問題が全くランダムにちらばっていたのに対し、
この新版では、難しい問題が後半に偏りがちと感じました
170問目あたり~190問目あたりは、なかなか難しかったです
私は旧版の完全ランダム配置のほうが好きですが、これは好みの問題ですね

旧版を持っている人が、新版を買う必要があるか、と訊かれたら、特に買う必要はないかと・・・
でも、私は迷わず購入しましたけどね 新刊本を入手すると、だんぜん、解く意欲がわきますから!

解き終わって、頭の中で、今までより駒がハイスピードで動くようになったように感じます
さあー、「脳トレ5手詰」も買ったから、これも解くぞ、と言いたいところですが、
間をあけないと、脳が休まらないです 積読のままの「7手詰ハンドブック」も、まだ放置ですしね
・・・私はいつまで経っても、詰将棋は得意にならないです(^^;

私がドツボにはまって10分かかっても解けなくて、一番印象に残った問題を載せておきます
いったん時間を置いて、後で考えたら、解けましたけどね 
第149問です↓

後手の持駒:飛 角二 金二 銀三 桂三 香三 歩十七 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂 ・|一
| ・ ・ ・ ・ ・ 龍 銀v玉v香|二
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金 ・ ・|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
+---------------------------+
先手の持駒:金 
手数=0 まで

第61期NHK杯が羽生の4連覇で幕を閉じ、あらたに第62期NHK杯が始まる
恒例の女流の出場者決定戦だ

うわ、矢内、ふけたなー、って、違う、これは誰だ 誰だかわかんない女子アナウンサーが出てきた
まあ、この人、桂馬の動かし方も知らないだろう・・・(^^;

解説に屋敷、聞き手に鈴木真理というアマの人だ
屋敷、今日も顔にツバキ油を塗って、テカらしているね テカテカ
屋敷「最近の女流棋界は、若くて強い方を中心に回っている 新棋戦(女流王座戦)も楽しみ」

で、今日は甲斐女流王位と上田女王の対決なわけだけど、なんでこの2人なのだろう、
里見香奈女流三冠と加藤桃子女流王座はどうした、と思ったら、
里見さんと加藤さんの2人は奨励会に入っているので、このNHK杯のほうは出られない、
ということだった そういうことか うむ、まあ仕方ないか 
しっかし、16才の加藤桃子さんが、いきなり清水六段に勝ってタイトル獲っちゃうってのは、
他の女流棋士たちにしてみれば、つらいものがありそう・・・(^^;

鈴木真理「甲斐は去年の出場者決定戦で、里見に勝った」
そういえば、去年の里見vs甲斐はすごい大逆転だったよなあ 
プロではあってはならない逆転劇だった・・・ 今年はどんな将棋になるか 
屋敷「上田はここ最近さらに力がついてきて、攻めだけでなく辛抱強い指し回しも身についている」

甲斐はタイトル獲得の通算は、女王1期、女流王位2期だそうだ
上田はタイトルは女王の1期
2人の対戦成績は甲斐8勝 上田6勝とのこと

事前のインタビュー
甲斐「上田女王は読みが入っていて、攻守にバランスがとれた将棋
 (今日の抱負は)緊張すると思うが、いきおいのある将棋を指せればいいと思う」

上田「甲斐は日常ではほがらか、将棋はバランスがとれている、ねじり合いに力を発揮する
 (今日の抱負は)NHKの予選に出れるのは初めて、自分の力を精一杯出せればいいと思う」

先手甲斐で、▲ゴキゲン中飛車+高美濃vs△居飛車穴熊になった
屋敷「お互いによく指している形、おだやかな進行」
途中、▲5五同飛のところで、△8六歩▲同歩△4五歩と後手が決戦するのはどうなんだろう、と
いう疑問が残ったが、華麗にスルーされてしまった もう少し、早くに解説を始めてほしい

甲斐が工夫を見せた ▲6六歩~▲6九飛だ へー、こんな指し方があるのか
私はイビアナを全く指さないので、こういう将棋は知らないことだらけだ
屋敷「▲6六歩~▲6九飛は、甲斐が事前に考えてきた作戦ではないか」

ここまでは無難に進んでいたが、この手を見て、上田が動いた
7筋と3筋の歩を突き捨て猛然と仕掛けた! 
おおー、もう本格的な戦いか 勢いがある、いいぞいいぞ
屋敷「イビアナ側のさばきを、振り飛車が抑えられるか」

甲斐はどうするかな、と思っていると、銀を進めて、交換しちゃった
あれ、これでいいの? 銀がお互いにさばけたが、どっちが得した? 形勢判断が私にはわからない
なんか、かなりあっさりした中盤だったなあ

甲斐が飛車を成りこみ、上田が△3一歩と底歩を打った局面、あ、なるほど~、
だから先に3筋を突き捨てておいたのか 底歩のためにね うむうむ 
上田、さすがにイビアナを指しなれているだけあるね よしよし、まだこれから面白くなるところだ
屋敷「若干、振り飛車がいいか しかしなにしろ、底歩付きの穴熊だから、油断はできない」

さて、ここからが見所だ、と思って見ていた、まさに、ここだった
上田に手番にわたり、手が広いところ さあー、どうする 何か守るところだ
上田女王、時間を使って慎重に考えている

受けの手、どうするかと思って待っていたら、上田の手は、な、なんと、△7八飛成!!
ぎゃああーー と叫んだのは、私だけではないだろう ここに来て、飛車成!!
それは悪手ー どう見ても悪手ー 思わずTVの前で下を向いて、その場にへばりこんでしまったorz
それはないでー ハツミちゃん・・・ もう自玉に火がついてるやん 攻め合ってどうするの~

やはり△7八飛成は悪手で、この手が決定的な敗着になり、その後は甲斐の猛攻を受けるハメになった
甲斐の手は正確を極め、一気に穴熊を攻略、見事に寄せきった 79手で甲斐の勝ち

でえー、もう終わってもうた・・・ 短手数、短時間の将棋・・・ あー、残念orz 
料理に例えれば、オードブルを食べて、さあ、今日のメイン料理は何か、と待っていたら、
もう後には何も出てこなかった、という感じだった 

屋敷「両者得意の戦型で、甲斐の▲6六歩~▲6九飛の工夫が見事にハマッた
 甲斐が自然な流れでうまく攻め切った 上田は力が出なくて残念だった」

局後のインタビュー
甲斐「途中から、攻めることができる展開になったので良かった」
上田「せっかくこういう機会をいただいたのに、一方的になってしまった
 申し訳ない将棋になってしまった」

感想戦は28分もあったせいもあり、非常に充実していた 色々な変化をやってくれて良かった 
えーと、じゃあ、感想戦を踏まえて、もう一局、と思ってしまったのは私だけではないだろう(^^;
だって、まだお腹が減ったまんま、全然食べ足りないんだもん・・・

感想戦で、屋敷「▲4四角を先に(先手から)打たれちゃって(後手が悪くなった)」
上田「悲惨なことになりました」
そうだったね 検討の結果で、後手から△4四角とか、他にも色々あったね 

女王の力はこんなものではないだろう でも、人前でやって見せることができてこそのプロ棋士、
上田さん、今度またこういう機会があったら次は力を出して見せてほしい!

甲斐「去年は島先生に教えてもらってうれしかった 今期も精一杯がんばりたい
 去年はすごく緊張したけど、今回は慣れるかな、と思います」

今回の将棋で何が残念かというと、こういう機会が他にめったにないことだ
女流棋戦の中で行われるトーナメントの中の一戦、ということであれば、別にこの内容でも良かった
「また来週、女流同士の対決がある」と思うことができない現状が残念だ
何しろ、NHK杯で女流同士が戦うのは年に1回だからね
女流のTV棋戦、誰か作ってくれないだろうか 鹿島杯みたいなの、復活してほしい
第20期 銀河戦
本戦Aブロック 7回戦
青野照市九段 vs 佐々木 慎五段
対局日: 2012年1月6日
解説:泉 正樹七段
聞き手:本田小百合女流二段
記録:渡辺弥生女流1級

昨日の銀河戦の、青野vs佐々木慎は名勝負、面白かった~
ここのところ、銀河戦の観戦記事の更新をストップしてるんだけど、
全く見ていないわけではなく、いちおう、どんな戦型か、くらいは見てるんですよね
(豊島vs佐々木勇気は注目のカードだったんで全部見たけど、そんなには盛り上がらなかった)

昨日はひさしぶりにリアルタイムで放送されているのを見ました
戦型は、▲青野の4六銀+6六銀の2枚銀vs△佐々木慎の5筋位取りゴキゲン中飛車+穴熊

青野、後手の5五の歩がタダで取れるが取らず、自陣を固めるという工夫
佐々木慎は端からいきなり角切りの猛襲をかけ、青野の玉側の香と交換しちゃう!という攻め
そこから攻め合いになり、ハラハラドキドキの展開!

一手指すほうが有利か、と思える攻防、そして終盤、佐々木慎の会心の「銀のタダ放り込み」が出た~!
こんな手が出るようではもう終わり、のはずだったのだが、青野も投了寸前、「飛車のタダ捨て打ち」!
それがなんと功を奏し、今度は佐々木慎がミスった! 
しかし、実戦は玉を追われた青野が粘りきれず、ついに寄せられ、
佐々木慎の勝ちという将棋だった

いや~、これは早指しの名勝負だった 
ただ、唯一残念だったのが、「銀のタダ放り込み」を佐々木慎が指した瞬間、
泉が大盤で解説しており、TVが大盤のほうを映していたこと
この手だけは佐々木慎がどんな風に指したのか、盤上の空気を見たかったな~ 実に惜しい(^^;

感想戦では、水面下の変化で、後手の「飛車を捨てる受け」があり、
さらに先手が「その飛車を取らない手」があった、というから、これまた面白かった! 
こんな大技が何度もある将棋は珍しい 

人間vs人間の将棋ならでは、と言えるかどうかわからないけど、
将棋の醍醐味が詰まった一局だったと思う 楽しかった(^^)
週刊将棋ステーション ゲストは阿部健治郎五段でした

現在23才 2009年10月に四段昇段 山形出身 西村門下 竜王戦4組 順位戦は来期よりC1
通算92戦 66勝 26敗 勝率0.717  

Q 順位戦を終えて(C2で10戦全勝) 
アベケン「今年のC2はレベルが高くて、上がるなら全勝しかないと思っていた
 1回負けてしまうと、ずるずると負けやすいので
 8回戦の村田顕弘戦が印象に残っている 苦しい将棋で、粘り強く指すことができた
 そして最後は作ったような手で逆転勝ちできた」

Q 1戦余しての昇級だが
アベケン「周囲からは『高みの見物』と言われるが、そんな余裕はなくて、いっぱいいっぱい
 最終戦も来期の順位があるので重要だった」

Q 長い持ち時間への対処は
アベケン「奨励会のときに記録係をやっていたので、そこで慣れていたのが良かった」

Q 竜王戦連続昇級ですね
アベケン「本戦トーナメントに出場できていないので、微妙」

Q 将棋の普段の研究方法は
アベケン「データを使って、過去を振り返っている 次の対戦相手についてもよく調べている
 一局につき、1分から5分くらいで、駒がどう動くか、バーッと見ている
 昔の将棋をよく見ることが多い 今の将棋は80手くらいで終わるが、
 昔の将棋は普通に120手くらいいくので、気持ちがこもっている、
 だから見ていて面白い面がある
 最近の将棋はパソコンで1分~2分でパーッと見るくらい
 盤で並べるのは大山全集とか」

Q 最近の阿部将棋 
アベケン「ずっと居飛車党だったが、飽きてきて、モチベーションが続かなくなってきた
 だから振り飛車をやってみたい 数年後には振り飛車を指せるようにしたい
 今の私の振り飛車は、居飛車に比べると10分の1程度の実力しか出ない」

Q これからの目標は
アベケン「20代のうちは勝率7割をキープしたい」

Q 若手の中で、関東代表?
アベケン「東北代表(^^;」

Q ファンへ向けてのメッセージ
アベケン「今年は結果にめぐまれました ファンの方を意識して将棋を指していきたい
 難解な戦法ばかりではなく振り飛車も取り入れていきたい これからも応援よろしくお願いします」


こんな感じでした アベケン、長めの髪の毛を7対3に分けていて、
昔の文学青年みたいな風貌だな、と思いました(笑) 
昨日のNHK杯、最後の渡辺の王手ラッシュのところ、
羽生が141手目▲8四金と合駒しましたが、金以外の合駒(歩、香、飛車)なら、
なんと、どれも詰みがあった、とのことです(激指定跡道場2で調べました)
140手目から分岐してあります
実は最後までギリギリだったんですね


先手:羽生NHK杯
後手:渡辺竜王

▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲6六歩 △6二銀
▲5六歩 △5四歩 ▲4八銀 △4二銀 ▲5八金右 △3二金
▲7八金 △4一玉 ▲6九玉 △5二金 ▲7七銀 △3三銀
▲7九角 △3一角 ▲3六歩 △4四歩 ▲6七金右 △7四歩
▲3七銀 △6四角 ▲6八角 △4三金右 ▲7九玉 △3一玉
▲8八玉 △2二玉 ▲4六銀 △5三銀 ▲3七桂 △9四歩
▲1六歩 △1四歩 ▲2六歩 △7三角 ▲3八飛 △2四銀
▲1八香 △9五歩 ▲6五歩 △8五歩 ▲2五桂 △4二銀
▲3五歩 △同 銀 ▲同 銀 △同 歩 ▲1五歩 △3七銀
▲3九飛 △1五歩 ▲6四歩 △同 角 ▲1五香 △同 香
▲6五銀 △2六銀成 ▲6四銀 △同 歩 ▲3五飛 △2四銀
▲1三桂成 △同 桂 ▲1四歩 △3五銀 ▲同 角 △1二歩
▲1三歩成 △同 歩 ▲7一角 △2五成銀 ▲4四角上 △同 金
▲同角成 △3三銀 ▲7一馬 △4二飛 ▲3四歩 △同 銀
▲4六桂 △3九飛 ▲4八銀 △3六飛成 ▲8一馬 △4五歩
▲3四桂 △同 龍 ▲9一馬 △8六歩 ▲6四馬 △8七歩成
▲同 玉 △8五歩 ▲8八玉 △8六桂 ▲6八金寄 △9六歩
▲3五歩 △同成銀 ▲3六歩 △同成銀 ▲3九香 △9五桂
▲2六桂 △3五龍 ▲8六銀 △6二飛 ▲9五銀 △6四飛
▲3六香 △同 龍 ▲4四銀 △1四歩 ▲3四桂打 △1二玉
▲3三銀打 △8六香 ▲同 銀 △同 歩 ▲2四桂 △同 歩
▲3二銀不成△8七歩成 ▲同 玉 △8一香 ▲8四歩 △同 香
▲8五歩 △6七飛成 ▲同 金 △8五香 ▲9六玉 △8六金
▲9五玉 △7三角
*この局面で、羽生は▲8四金と合駒したが、それ以外の合駒だと、なんと全部詰んでいると判明
*4つに分岐します ①▲8四金合(本譜) ②▲8四歩合 ③▲8四香合 ④▲8四飛合
▲8四金
*①の本譜の▲8四金合の場合のみ、詰まない
△9四歩 ▲同 玉 △7二角 ▲8三香 △9三歩
*ちなみに、もしこれを▲同玉と取ったらどうなったのか? これも並べてみます
▲同 金
*本譜はここで渡辺が投了、羽生の勝ちとなった (140手目の分岐に戻る)
まで147手で先手の勝ち

変化:147手
▲同 玉 △9二歩 ▲同 玉 △9一歩 ▲9三玉 △9二銀
▲9四玉 △8三角 ▲同 金 △8二桂 ▲同 金 △9三香
*これで詰みがあった 最後は▲9三同金でなければダメ
*(ただし、145手目▲8三歩合の場合は▲9三同玉でも詰まない)(140手目に戻る)


変化:141手
▲8四歩
*②▲8四歩合の変化
△9四歩 ▲同 玉 △7二角
*ここでまた4つに分岐します
▲8三歩成 △9三歩 ▲同 玉 △8一桂 ▲9四玉 △9三銀
*▲8四歩合~▲8三歩成の場合、これで詰んでいる
*(144手目に戻る)


変化:145手
▲8三香
*▲8四歩合~▲8三香合の場合はどうか
△9三歩 ▲同 玉 △9二歩
*こんどは△8一桂がなくなったが、△9二歩がある
▲同 玉 △9一歩
*ここに歩が打てるのが△7三角の狙いだった
▲9三玉 △8一桂
*ここで▲同香成は△9二銀までの詰み
▲9四玉 △9三銀 ▲9五玉 △8四角
*これで詰んでいる ▲8四歩合~▲8三香合も詰み
*(144手目に戻る)


変化:145手
▲8三金
*▲8四歩合~▲8三金合はどうか
△9三歩 ▲同 玉 △8一桂 ▲9四玉 △9三歩 ▲9五玉
△9四銀
*▲8四歩合~▲8三金合は、これで並べ詰み
*(144手目に戻る)


変化:145手
▲8三飛
*▲8四歩合~▲8三飛合はどうか
△9三歩 ▲同 玉 △9二歩 ▲同 玉 △9一歩 ▲9三玉
*ここで△8一桂▲同飛成△9二銀以下でも詰み
△9二銀 ▲9四玉 △8三銀 ▲同歩成 △9五飛
*これでピッタリ詰んでいる
*▲8四歩合~▲8三飛合でも、詰みだった(140手目に戻る)


変化:141手
▲8四香
*③▲8四香合の変化
*これは②の▲8四歩合の場合とほぼ同じ詰み筋で詰むため、以下は一例のみ
△9四歩 ▲同 玉 △7二角 ▲9三玉 △9二歩 ▲同 玉
△9一歩 ▲9三玉 △9二銀
*詰み(140手目に戻る)


変化:141手
▲8四飛
*④▲8四飛合の変化
△9四歩 ▲同 玉 △7二角
*ここで3つに分岐 
▲8三飛成
*▲8四飛合~▲8三飛成はどうか
△9三歩 ▲同 玉 △9二歩 ▲同 玉 △9一歩 ▲9三玉
△9二銀 ▲同 龍 △同 歩 ▲同 玉 △9一飛
*▲8四飛合~▲8三飛成はこれで詰み
*(144手目に戻る)


変化:145手
▲8三香
*▲8四飛合~▲8三香合はどうか
△9三歩 ▲同 玉 △9二歩 ▲同 玉 △9一歩 ▲9三玉
△8一桂 ▲同香成 △9二銀
*これでピッタリ詰んでいる
*(144手目に戻る)


変化:145手
▲8三金
*▲8四飛合~▲8三金合はどうか
△9三歩 ▲同 玉 △8一桂 ▲9四玉 △9三歩
*これを▲同金はできない
▲9五玉 △9四銀
*これを▲同飛とはできない なんという詰みであることか ▲8四飛合~▲8三金合も詰み
*(140手目に戻る)

羽生善治NHK杯vs渡辺 明竜王 決勝戦
解説 森内俊之

いよいよ決勝だ 私がすんごい緊張している しかし私が緊張しても無意味なのだった(^^;

第61回NHK杯、決勝は羽生善治vs渡辺明、羽生は現在、王位、棋聖を保持
そしてこのNHK杯は20連勝と4連覇、通算10回優勝がかかっているとのこと
対する渡辺は現在、竜王、王座を保持 NHK杯は初優勝がかかっている
はたして、最後にカップを手にしているのはどちらなのか?

事前のインタビュー
羽生「(実に淡々と)決勝の大舞台なので、張り切ってがんばりたい」
渡辺「決勝はひさしぶり(6年ぶり)、せっかくの機会なのでがんばりたい」
解説の森内名人「今、最も活躍している2人 現代将棋の最高峰が見れるんじゃないか」

羽生はここまで、戸辺、阿久津、郷田、ハタチンに勝ち決勝進出
羽生「印象に残ったのは戸辺戦、作戦的にうまく指されて、終始苦しく、大変な一局でした
 その局面になったのは仕方ないので、あとはどう最善を尽くすか、という感じで指してました」

渡辺はここまで、豊島、アベケン、菅井、久保に勝ち
渡辺「印象に残ったのは久保戦 終盤では自玉が詰んでいた
 一つのトーナメントで、こんなに後輩との対戦が続いたのは初めて、
 自分も中堅になったのかなと(笑)」

いよいよ対局開始 先手羽生で、相矢倉に進んだ って、進み方がすげー早い! 
ええーっていう感じ もう、2人とも事前に打ち合わせしていたのか、と思えるほど早い進行だった
どこまで解説なしで進むんだ、サイレント映画かこれは、というくらい(^^;

矢内「あっという間に」
森内「すごいスピードで進んでますね お互いに研究どおりなのは明らか、去年と同じですか?」
そうか、去年の準決勝、このカードで同一局面に進んだのか
しかし、森内でも覚えていないのを、矢内が覚えているはずもなく、
矢内「似ている展開だな、と(^^;」
矢内、どうにか逃げた(笑)

森内「去年は羽生が攻め潰して勝っていた」
今、棋譜を調べてみると、80手目まで去年と同一局面に進んでいるね
81手目、去年は▲3四桂だったが、今回は▲7一馬として局面が変わった
勝った羽生のほうが手を変えた、ということになる

2人の対戦成績が出た 羽生の15勝、渡辺の19勝ということだ
森内「王座戦での渡辺の3連勝が大きい 渡辺のすごいところは、
 (作戦的に)相手が待っているところに飛び込んで勝負するところ」
2手目△8四歩ってなかなかできないよね

さらに森内「渡辺は研究もすごいが、勝負勘とか見切りとか、勉強では身に着かないところに
 強みがある気がする」

さて、局面、もう中盤を通り越して終盤だ
渡辺が△3九飛、と下ろした手に、羽生はなんと、▲4八銀!
ここに銀を投入するのか! 将来の入玉を阻止する意味もあるのだろうが、打ちにくい銀だ
森内「▲4八銀! まさかという展開ですね」
矢内「先手の持ち駒の金銀は、後手玉に迫って使うものかと思ってました」
森内にも全く見えていなかったとのことだった

森内「▲4八銀で、後手の飛車を追い飛ばしておいて、(馬で左上の)桂香を補充してますね」
この一局、見ていた私にとっては、大局観が非常に難しい将棋になった
後手玉が上部に逃げたときに、捕まえる自信が私には全然ないのだ 難解、とても難解だ

手が続く 互角なのか? 竜を守りに利かせている後手がいいのか?
しかし、森内の一言が出た「やや羽生のペースか」 そうなのか(^^;
森内「渡辺は若干、苦しそうだが、うまくやれば、ついていけそうなんで、難しい局面」
ぐうー、緊迫感がハンパではない これが決勝戦特有の緊張だ
私が緊張してもしょうがないんだけど(^^;

渡辺の決断は、△9五桂の攻め合いだった 対して羽生は、森内の予想どおり▲2六桂と攻め合った
あらー、森内の予想手が簡単に当たるようでは、もう羽生がだいぶいいのかな?
矢内「羽生は今期は、桂の使い方がうまい」 郷田戦でも桂が主役だったよね

しかし、ここで渡辺、竜王8連覇の手が出た 
自陣の負担だった飛車をスウーっと回る、△6二飛!
矢内「あ」 
森内「はあ~ これは魅せますね~!」 
矢内「ギリギリのタイミングで」
森内「馬に当てて手番をかせぐ、渡辺の強さが出た手ですね」
この△6二飛には、森内絶賛だった
その後も森内は両者の手に感心し、森内「さすがの折衝(せっしょう)という感じですね~!」
あの、森内さん、あなたも名人なんだから、さっきからあんまり賞賛ばっかりするというのも、
どうなんだろう この後、名人戦で、羽生と戦うわけで(^^;

羽生、自玉に詰みなしと見て、詰めろをかけて強く踏み込んだ 
手が震えているように見える 勝ちを確信、か?
あとは羽生玉が詰むかどうかの勝負、パッと見は詰まないが・・・
森内「詰まないだろうと思っても、竜王に王手されるだけでも、怖いですよね」
あの~、森内さん、あなたは名人なんだから、そんなこと言っちゃダメでは(笑)

そして、羽生玉、ギリギリ詰まず! 147手、羽生の勝ちとなった 羽生、4連覇達成!
最後の渡辺の角で王手のときに、羽生は金を合駒していたが、
あの辺りも読みがキッチリ入っているんだろうなあ 私ならもう読みを放棄してしまいそうだ
(激指の検討モードで調べてみたところ、金合い以外では全部詰みとの結果が!!)

この決勝、不動駒は8九の桂、9九の香、9七の歩の3枚だけだった
80手目まで前例どおりでスイスイ進み、入玉するかどうか、という147手の勝負、という内容
これが現代将棋の、一つの最高峰の戦い、ということだね 

ふうー、渡辺ですら、羽生をギリギリに追いつめるまでが精一杯だったか・・・ 
感想戦では、この一局、▲4八銀のところですでに先手が少し指しやすいのでは、
という結論だった あの銀が勝因か 感想戦では、羽生と渡辺、2人の間では「▲4八銀は当然の手」
という感じだった 森内には全く見えてなかったね(^^;

感想戦では、後手には、特に敗着らしいものはすぐにはわからずだった
この2人のレベルまでくると、「振り駒が敗着」ということも、少しはあるのかもしれない

今回、私は自分が緊張して見ていたから、わかったことがある
羽生は、この決勝の大舞台でも、まーったく緊張していない これはすごい!!
渡辺も特に緊張していなかったようだ やっぱり、決勝までくるこの2人は、並みの人間と違う!

NHK杯を通算10回目の優勝で、名誉NHK杯の称号を得た羽生「カップの重みを感じている」
準優勝に終わったが、熱戦を見せてくれた渡辺「全体的に苦しめだったので、しかたがないかと」

来期もまた、羽生が指す姿のオープニングかあ
5連覇はさすがにないだろう 羽生も好きだけど、他の棋士にそろそろ止めてほしいと思った

そして、矢内さん、聞き手役、3年間の任期終了だね 本当にお疲れさまでした!!
矢内の後は、誰が聞き手だろうか 誰を持ってしても、矢内と比べられるんで、次の聞き手役は
大変だと思う 次の聞き手役にも、美人で、かわいさもあって、的確な質問をしてくれる人、
よろしくね そんなの、矢内以外に居るかな(^^;

今期のベスト局は、2回戦の糸谷vs北島かなあ あるいは、2回戦の豊島vs渡辺、も良かった
1回戦が、熱戦が少なかったように思う 来期は1回戦でも楽しませてほしい
みなさま、お疲れさまでした! 来期もまたよろしく!!
1ヶ月ほど前、プレイステーション3を買ったのはいいんだけど、
PS3でTVゲームをほとんどやっていない 
ソフトは6~7本そろえたんだけど、どれも2~3回やってそれっきり、という有り様

えーっと・・・ 今のTVゲームに全然ついていけないんだけど・・・(^^;
もう年取ったし、TVゲームにハマるっていうのは無理かもしれないんだけど、
それにしても最近のゲーム、やり方がわかんないのよね
ファミコン時代のように、ボタン2つじゃないからね
もう説明書を見る気力がないって感じでorz
車のレースのゲームをやっても、どこがコースでどこがゴール地点なのかすら、理解不能で(^^;

TVゲームのインストラクターがいたら、マンツーマンで教えてほしいよ
お金、払うからさ そういう商売、あってもいいんじゃない?
「このゲーム、できるようにさせます!」みたいなね
家庭教師のゲーム版ね 案外、需要あるかもなあ
退職して、家でヒマな人はTVゲーム、いいんじゃないだろうか

「みんなのゴルフ5で、アンダー10が出るまで教えます!」とか、
「ストリートファイター4で、難易度イージストで全部のキャラをクリアするまで指導!」とか、
「コントローラというものに初めて触る人にも、ゲームの楽しさ教えます!」とかね

将棋は子供の頃覚えておいて良かった~ 今から、将棋をゼロから覚えられるかって
いうと、たぶん無理なんじゃないだろうか 
24に行ったはいいけど、ボロ負けを繰り返して、それを乗り越える根性があるかっていうと、
もうないと思う 
囲碁も覚えておけばよかったかなあ まあ、囲碁は相手がいなかったんで、覚えるのが無理だったね

今日は愚痴っぽくなってしまった
愚痴ついでにもうひとつ! 「新版5手詰ハンドブック」を楽しみに待っているのに、
Amazon、いつまで経っても、入荷しないでやんの! もう注文して12日経つぞ
ガマンしきれなくなって、「のびのびしみじみ5手詰」を100問全部、解いてしまった(^^;
ゲストは渡辺竜王でした 現在27才、東京出身 所司門下 竜王、王座の二冠
通算成績 588局 402勝 186敗 勝率0.683

Q、ヒマなときは何を?
渡辺「ヒマじゃなくても、競馬をやってます」

Q、競馬の収支決算は?
渡辺「全然です、ヘタの横好きです(笑)」

Q、2期目のA級順位戦はどうでしたか
渡辺「名人挑戦を狙ったが、羽生さんとの直接対決で負けたので、仕方がない」

Q、A級の最終日はどうでしたか
渡辺「普段より人が多いかな、というだけ」

Q、竜王戦はどうでしたか
渡辺「もうだいぶ時間が経ったと思う」

Q、竜王戦は、丸山さんと、全局角換わりだったが
渡辺「お互いが自然に指した結果」

Q、王座戦はどうでしたか
渡辺「かなりうまくいったシリーズだった 羽生さんと指すのは、やはり特別に注目される
 羽生さんとの将棋は定跡形になることが多い、どこで新工夫が出るかという勝負」

Q、東日本大震災で、対局数×10万円を寄付しているが
渡辺「せめて何かできることをしようと思った」

Q、思い入れのある戦法は?
渡辺「特にないが、居飛車ですかね 居飛車の中で、一番勝てそうな戦法を選ぶ」

Q、自分の将棋で、序盤、中盤、終盤、どれが得意ですか
渡辺「(タイトルを獲るには)どれもそれなりのレベルがないとダメでしょうね
 年齢的に、終盤力は今が反射神経がいい時なのかもしれませんね」

Q、相手が新手を出してきたら?
渡辺「ピンチだな、と思いますよ 相手が強いほど、その新手の信頼度が高いです」

Q、プロ入り12年目を迎えるが、これまでと、これからについて
渡辺「よくやってる方じゃないですか(笑) 準備をやらないと勝てないですからね
 でも、将棋以外の仕事をするほうが大変だから(笑)
 ここからの10年間は、気が早いが、自分の将棋の集大成のつもりでやっていきたい」

Q、お子さんの将棋はどうなってますか
渡辺「今小学校1年で春から2年だが、無理やりやらせているが全然、
 自分がそれくらいだったときはアマ初段くらいあったんで、
 どうしてもそれと比べてしまう それと比べちゃうとキツイかな・・・(笑)」


こんなトークでした これといって、目立った面白い言葉はなかったですね
奥さんのブログに関して、何か訊いて欲しかったですね どんな反響があるか、とか(^^;
畠山 鎮七段vs羽生善治二冠   NHK杯 準決勝
解説 中村修

NHK杯もいよいよ大詰め、決勝の渡辺の相手はどちらになるのか?
畠山鎮(はたけやま まもる 以下ハタチン)、
この大舞台で、絶対王者の羽生を相手に、いいところを見せられるか

ハタチンは竜王戦2組、順位戦B1 ちなみにB1では5勝6敗で次が最終戦だ
 森けい二、タニー、三浦、木村に勝って準決勝進出 NHK杯は14回目の本戦出場
羽生は現在、王位、棋聖の二冠 竜王戦1組、順位戦はA級を9戦全勝で名人戦出場を決めた
 戸辺、阿久津、郷田に勝ち準決勝進出 NHK杯は26回目の本戦出場

解説の中村修「ハタチンは関西の実力者だが、これまでNHK杯でまとめて勝つ、
 ということはなかった 絶好のチャンスと思う 居飛車党の鋭い攻め将棋
 羽生に関しては言う事もないが、安定した第一人者 
 早指しのNHK杯でこんなに勝ち続けているのはちょっと信じられないくらい
 優勝を視野に入れていると思う」

事前のインタビュー
ハタチン「自分の限界値を超えられるような将棋が指せたら、と思う」

羽生「ハタチンは居飛車の本格派で、非常にアグレッシブな将棋を指すので、
 私もそれに負けないような勢いのある将棋を指せるよう、がんばりたい」

さあ、どんな将棋になるか 先手ハタチンで、相矢倉に進んだ 
がっぷり4つに組み合った相矢倉だ ハタチンの攻めを、羽生が金銀4枚で受ける、定跡形だ
中村修「常に研究課題になっている局面の一つ」

これまでの2人の対戦成績が出た ハタチン1勝、羽生5勝ということだ
へー、ハタチン、1回は勝ってるのか
雑談で、羽生の強さ、という話題になり、
中村修「1年に1回、羽生と対局するのが目標だ、という棋士もいるくらいです
 羽生には『勝ちパターン』がない、何でも勝ってしまう(笑)」

今ちょっと調べたけど、羽生はタイトル獲得の通算が80期、タニーが通算27期、
佐藤康光が通算13期、森内は通算9期、渡辺も通算9期、いかに羽生が突出しているかだね

さて、局面、飽和状態だ ハタチンが長考に沈んでいる
中村修「どの歩から突いて攻めていくか、順番が難しい」
なんと、ハタチン、7回目の考慮時間に突入 えー、まだ駒がぶつかる前だぞ 
矢内「ずいぶん時間を使ってますね」
するとなんと、ハタチン、まだ考え続け、9回も考慮時間を使ったではないか
矢内「まだ戦いが始まっていないのに残り1分」
えー、これでは、この先が厳しいのでは・・・

ハタチンが仕掛け、羽生が丁寧に受ける、という展開
羽生も小考の連続で応じた 
中村修「全部、攻めをめんどう見ますよ、という手順 
 間違えたら、羽生と言えども、一気につぶされてしまいますから」
羽生のつぶやきがマイクに入った「いやいやいや」
ここが勝負どころ、と思っているのだろう

桂交換になった後、羽生、気がつきにくい受けで応じた
タダで取れる3四の歩に、△3三歩と合わせた手だ
ほお~、そうやるのか うん、指されてみればなるほどだ さすがだ!

ハタチンも▲3五銀と出て、まずまず攻めの形ができた どうなる?
しかし、もう考慮時間を使い切ったのが気になるが・・・
中村修「先手はこの後どうやって攻めをつなげるか 
 後手の受け方、次の手はフワっとした手を指すかもしれません」
矢内「フワッと△5六歩?」
羽生の指し手、△5六歩、矢内、大当たり~!
中村修「すばらしい!」
矢内の指摘した手が当たると、なぜか見ているこっちがうれしくなる(^^; いいねえ

中盤の難しいところだ 羽生の△3四歩に、ハタチン、3五の銀をどうするかだ
中村修は、「ここは銀を引くわけにはいきません ▲1七桂で攻めを続けてどうか」
さすが、矢倉を得意としている中村修だ 端に桂打ち、気がつきにくい手を指摘してくれるね
しかし、ハタチンの手は、▲4六銀のバックだった
中村修「▲1七桂と違う? 違うのか」
ここが大きな分岐点だった、との終局後の感想戦だった

本譜の進行、ハタチンは▲4六銀とじっと引いてから、▲6四歩と突き捨てた
もし△同角なら▲5五銀の活用を見せたハタチン これもなかなかの構想だったらしい
羽生は▲6四歩に△同歩と応じ、ガマンした

手を渡され、もう考慮時間がないハタチン、
何気なく、飛車を▲2八飛に戻して後手の2五の銀を狙った手、これが敗着となってしまった
羽生に△8四角と出られ、次の△3九角成が受けにくいではないか
そして、羽生の△6五歩と味良く突き出した手、これが次の△6四桂を控えの桂打ちを狙っている!
中村修「これは厳しいですね~」

ハタチン、アヤを求めて攻めてはみるものの、手順に羽生にガチガチの銀冠に組みなおされる、
という有様 中村修「喜んで銀冠にされてしまいますね」
羽生玉、全く痛んでいない ハタチン、攻めたのだか、なんなのかorz

馬を作られ、銀がタダで取られ、ハタチン、一流どうしの対戦としてはボコボコだ
大勢が決した ああー・・・
中村修「ハタチンも、こんなはずではなかったと思ってるでしょう」

ここから、羽生が中村修に「完璧」と言わせる勝ち方を見せてくれた
中村修「こういうところで、羽生は『なるほど』という手が出るんです」
その手は? 注目の羽生の手は、じっと馬を一つ寄る、△4九馬、だった
これ、指された瞬間は『ん?』という感じだったのだけど、これが決め手になったのだから、
やはり羽生は強い!

中村修「羽生は緩急自在ですね」
ハタチンのほうは駒がバラバラ、羽生玉はほとんど手つかず、あらー・・・
中村修「残念でしたね ハタチン気合いが入っていたと思うんですけどね
 力が出ない展開になってしまいましたね」

ハタチンの飛車が、△4九馬のラインで完全に封じ込められ、攻防ともに見込みなくなり、
ハタチンは投げた 108手、羽生の完勝だった 羽生の中押し勝ち、やっぱり、羽生は、つえーー
格の違いを見せ付けた、と言える内容だった

中村修「投了図は大差になってしまった、先手がいい形で攻めたと思うが、
 ▲4六銀と引いたのが結果的に思わしくなかったか 
 △8四角から角をさばかれて、△6五歩で△6四桂を見せられて困ってしまった
 羽生は、ちょっと有利になってから、全く危なげなかった」

ああー、今日は羽生の完勝だったか 羽生、磐石の勝ちで、決勝進出!
羽生のほうも、終わってみれば考慮時間を使いきっていて、楽して勝っているわけじゃない
でも、投了図を見れば圧倒的に大差 やっぱり、羽生は強い! 
役者が違う、と思わせるんだよね はあー、ハタチン、残念だったけど、もう仕方ないか
ちょっと緊張もあったのかもね 「限界値を越える」というのは無理があるようだ
こういう大舞台では、「いつもどおりに指す」ことが肝心なのかもしれない

感想戦をやると、こうやってれば難しかった、という順は発見されるんだけど、
そうなったらなったで、またそこで羽生はうまい手を見せるんだろうからね

決勝は、私の読みどおり、渡辺vs羽生になった 
まあ、ド本命どうしなんで、この予想はしやすかったけどね(^^;
渡辺の初優勝か? 羽生の4連覇か? 4連覇っていうのもなあ、
また来期のNHK杯も、羽生の指す姿でのオープニングということになるね
そろそろ変わってもいいころだ
決勝戦では、一手違いの、ギリギリの熱戦を見たい! 両者の力比べに、期待、大!

そして、矢内の聞き手役も来週で最後となるんだね 
最後の聞き手でも、いい手を指摘して当てて、いつもの笑顔で楽しませてほしい(^^)  
明日で、東日本大震災から、1年が経ちます
震災で被害に遭われた方へ、心よりお見舞い申し上げます

私は去年のちょうど今頃は、大阪から愛知へ引っ越す、ということで、忙しい最中でした
愛知に引っ越して、ダンボールの整理に追われているときに、震災が起きました

TVから伝わってくる、地震、そして、これは現実なのか、と思えると津波の大きさ
そして、それに続いた原発事故・・・ あまりに凄惨なことが起こりました

被害に遭われた方たちに、私が何かできることはないか、と考えたときに、
やはり私自身、体がどうにも健康でないことがありますので、お力添えにはなれないと思います
しかし、微力でも私にできることは、少しでもこのブログで面白い記事を書ければ、と思っています

それから、原発に関して、私は以前は全く無知でしたが、この期間に少しは勉強したつもりです
その結論で出た答えは「原発は、あまりにも危険、恐ろしい」ということです
<原発がどんなものか知ってほしい> http://www.iam-t.jp/HIRAI/pageall.html#page2
このページは、ぜひみなさんにも読んで欲しいと思います

意外に知られていないことですが、日本の東芝、三菱、日立という3つの会社が、
世界の原発建設の540基のうちの50パーセント以上に関わっているのです
(東芝はアメリカのウェスティングハウスを買収、日立はアメリカのGEと組み、
 三菱はフランスのアレバと提携している 参照・今がわかる時代がわかる世界地図2011)

去年、ドイツでは国民投票で、原発の段階的廃止を決定しました
ドイツの原発会社のシーメンス社も、原発産業からの撤退を決めました
事故の当事者である日本も、当然それに続くべきと、私は強く思っています

私の住む愛知に隣接する静岡には、浜岡原発があります
今は運転を停止していますが、それでも危険です 
安心して将棋を楽しむためにも、原発は絶対にやめないといけません

今まで震災の話題には触れないようにブログを書いてきましたが、
明日でちょうど1年、やはり私なりの意見を言うべきとの思いから、書きました
被災地と福島の復興を、そして全原発の廃炉を願っております 2012.3.10 ギズモ
ひさしぶりに、自戦記を一局 さっき指した対局です
相掛かりから、切り合いの終盤になりました
kifu for windowsに貼り付けると見れます
コピペが下にずーと長いけど、手数はそんなに長くないです

棋戦:レーティング対局室(早指2)
先手:Gizumo
後手:R1564の人

▲2六歩
*24の「早指し2」での対局
*私は先手 初手▲2六歩も、最近見直している
*2手目△3二飛を封じている意味がある 
△8四歩
*相掛かりになった一局 相手も居飛車だった 相掛かりを希望、のようだ
▲2五歩
*望むところだ!
△8五歩 ▲7八金 △3二金 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛
△2三歩 ▲2六飛
*浮き飛車にした
△7二銀 ▲1六歩
*この手では、先手の手は色々あるところだ
△1四歩
*受けてきた 後手が1筋を受けないと、▲1五歩と位を取り~後に▲1三歩の垂らし~▲2五桂、の攻め筋が生じる
▲3八銀 △6四歩 ▲3六歩 △8六歩
*この瞬間、飛車の横利きが止まったので、後手も歩交換
▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △8二飛
*あれ? ▲3五歩が突ける それを行っていいものかどうか ▲3五歩だと、△1三角▲3六飛△8五飛で、大乱戦もあるぞ・・・
▲3五歩
*やや危険だったようだ まだ銀が3八で、応援が利かないからね
△6三銀
*あー、まあでも後手も怖いので、無難に進めたか
▲3七銀
*後手が△3四歩と突けなくなったので、精神的にこちらの技あり、というところか
△5四銀 ▲5八玉 △8五飛
*あー、やっぱ、狙ってきたか
*▲3六銀か▲4六銀か、迷うなあ 
*▲3六銀の場合を分岐します
▲4六銀
*まあ、本譜は普通に▲4六銀と上がった 
△7二金
*この後、しばらく駒組み
▲3八金 △5二玉 ▲3七桂 △4二銀 ▲6八銀 △7四歩
▲7六歩 △7三桂
*さあ、困った 仕掛けたいが、どう動いたものか こう着状態だ
▲9六歩 △9四歩
*困った(^^; 激指の形勢判断は+300くらい
*そして、お勧めは、▲5六歩!そして次に▲5五歩だった そうかあ 普通はそんな手考えにくい手だ 全く思いつかなかった
▲7七銀
*うう、こんな手しか指せなかった 次に▲8六銀の意味
△8一飛
*先に引いたか これで▲8六銀はアホらしい・・・
▲6八銀
*おいおい、これで次に△8五飛なら、千日手模様(^^;
△6五歩
*あ、手を変えてくれた 助かった
*うーん、もう待つ手もなさそう いけっ!
▲1五歩 △同 歩 ▲1四歩 △同 香
*うむ、こうやって香を吊り上げておく あとはガンガン攻めて、なんとかなるだろう
*もし、持ち駒に一歩あれば、▲2四歩で十字飛車が決まるんだけどね
▲4五銀
*さあ、後手はどうする?
△1三角
*ほ~、そんな対応があるのか!
▲5四銀 △同 歩
*5三の地点に穴を開け、まずまずだ しかし、ここからどうするか
▲3四歩
*この手、あんまりだったようだ
*激指のお勧めは、この手ではなくじっと▲3六飛、だった それで+250くらいで先手有望、とのこと
△3五角
*出て来たか!見えていなかった手だ ここで次の手、▲3三歩成も有力だったが、実戦の最中は飛車を逃げることしか考えつかなかった
▲3六飛 △3四歩
*うーん、歩切れだ どうしよう? 攻め、失敗?
*▲1一角成りはもう考えないほうがいい △3三桂で、不利になる
▲4六銀
*これくらいしかない 激指は▲2五銀もある、とのこと
*ここではまだ形勢は難しいとのこと
*
*ちなみに、次の手のお勧めは△4四銀と打つ手だそうだ
*難しい手だなあ 
△4四角
*お、これは!
▲同 角 △同 歩 ▲3四飛
*よっしゃー、十字飛車の攻めが決まった!?
△3三桂 ▲1四飛
*香が取れた 事前に吊り上げていた効果だね
*+800くらいで先手有利、との激指の評価
△3六歩
*うっ!? こう打たれてみると、まだ難しい?
▲3四歩
*斬り合いになった 間違えなければ勝てると思って指していた
△3七歩成 ▲3三歩成 △3八と ▲3二と
*これで、こちらに詰みなし、相手は受けなしだから、勝ちだろう・・・
△4九角 ▲6九玉 △5八金
*苦し紛れの王手か? きっとそうだ
▲7九玉 △6九銀
*これ、まだこっち、詰めろではないよな? 手番が来た!
▲4二と △同 玉 ▲1二飛成
*これで、詰む? いや、まだ詰みは読めない
*詰めろをかけておいて勝ちだろう、きっとね
△3二歩
*詰みが読めない 
▲6四角
*桂馬の合駒を使わせておくか この角は、受けにも利くかもしれないしね
△5三桂
*うーーーん、後手玉、詰むかもしれないんだけど、詰みが読めない まあ、こっちが詰まないから、後手玉に詰めろをかけておいて勝ちだろう
*
*しかし、ここでは後手玉に詰みがあったのだった!
*分岐します
▲3六香
*これで、勝っていると思っていた
*△5二玉と、早逃げするしかないだろう、と思っていたら・・・
△7八銀成
*え? 詰ませにきた? でも詰まないよね?
▲同 玉 △6八金 ▲同 玉
*△5九銀▲7八玉で、全然詰まないね
△6七角成
*げえええ そんな手が!!
▲同 玉 △8七飛成
*わああ もう、修正が利かない どうなってるのか?
*合駒、何がいいのか?
▲7七銀
*迷ったときは銀合い、という格言を聞いたことがあるので、銀を合駒した
*
*とりあえず6六に利かせないと、△7八銀▲5六玉のとき、△6六金ですぐ詰むのだった
*
*次の後手の一手が、本局の明暗を分けた!
△6六金
*この手が敗着! △7八銀、または△5八銀で詰みがあった、とのこと 
*その変化は89手目で分岐しています
▲6八玉
*先手玉、もう後手の、なすがままだが・・・
△6七銀 ▲5九玉 △5八銀成 ▲同 玉 △7八龍 ▲6八桂
△6七金 ▲5九玉
*の、逃れた! 助かったーーー
△8九龍 ▲6九銀 △同 龍 ▲同 玉
*ここで後手は投了 ギリギリ勝ちの一局だった
*超あぶない将棋だった(^^;
*先手は80手目の局面で詰みを逃し、そして後手は89手目の局面で詰みを逃す、という結末
*やはり、お互いにまだまだ甘いね
*将棋はキッチリ読んで、詰まさないとダメだ、という一局でした
まで103手で先手の勝ち

変化:90手
△7八銀
*以下、▲5六玉△7六竜▲同銀△6六金までで詰んでいる そんなに難しくない詰みだ
*
*仮に、一手前に▲7七金合でも、△6六歩とすれば以下、長いながら、上から押していって、先手玉は詰んでいた、とのこと あちゃーー

変化:81手
▲3四桂
*この王手で詰んでいたのだった △4三玉のときがわからなかったのだけど、それは▲2三竜ですぐ詰み、との激指の指摘 そうだったかorz
△5二玉 ▲3二龍 △6三玉 ▲5三角成
*この詰みも、なかなか30秒じゃ読みきれない
*詰め将棋をやらないとダメだね
△同 玉 ▲4二龍 △6三玉 ▲5三金 △6四玉 ▲5六桂
*これで、詰んでいたのだった 
*(80手目に戻る)

変化:29手
▲3六銀
*これで、次に▲2五銀~▲2四歩の突破を狙うと、どうなるのか?
△3四歩
*なんと、こんな手がある、との激指の指摘!
▲同 歩 △4四角
*こう進んだとき、後手の狙いは?
▲2八飛
*逃げるしかないけど・・・
△8六歩
*わあー 十字飛車、決まっちゃった 投了級だ
*こんな変化もあったんだね 相掛かり、怖い!
*(28手目に戻る)
今回から、週刊将棋ステーションに登場したゲストを振り返っていきたいと思ってます
いつまで続くかは分からないですけどね(^^;

今週のゲストは稲葉陽(いなば あきら)五段でした
23才、竜王戦4組、順位戦C1組 プロ4年目、164局111勝53敗 勝率0.677 井上門下

Q、来週に迫ったC1最終戦、佐々木慎五段に勝てば昇級ですね
稲葉「プレッシャーには強くないほうなんですが、ここはぜひ勝ちたいです」

Q、スポーツをよくやってるそうですが?
稲葉「フットサル、テニス、バドミントンをやってます」

Q、子供の頃、加古川将棋センターで将棋をやっていて、井上門下ですね
稲葉「月2~3回、同門の船江四段、菅井五段と研究会をやっている、
 井上師匠とも月1回くらい、4人で研究会をしている」

Q、師匠に何か言われたことは?
稲葉「穴熊をよく指していたが、『若いうちは急戦しろ』と言われた」

Q、子供の頃、すごい早指しだったそうですが?
稲葉「相手が駒を持つと同時に、自分も駒を持っていた(笑)
 (早指しだった理由は)何を考えていいかわからなかったので」
稲葉「奨励会で、級位者は1日3局指すのですが、午前中に3局指し終わり、
 午後も合わせて計5局指したことがある」
稲葉「順位戦の持ち時間6時間は最初はとまどった 
 長編詰将棋を解くなどして、今は考える力はついた」

Q、思い出に残っている対局は?
稲葉「プロ2年目の棋聖戦挑戦者決定戦のvs木村戦(一次予選から10連勝した、とのこと)
 (挑決は)いい手が返ってくるので、応酬が楽しかった 
 最後は単純なミスをして負けてしまいましたが」

Q、うれしかった対局は?
稲葉「師匠の井上九段との対局 2局指して、2局とも力を出せて、勝てました」

井上師匠からの手紙「竜王戦と順位戦は、ここ2~3年で、しっかり上がって欲しい
 タイトル挑戦して欲しい」
稲葉「師匠も努力型の人なので、見習ってがんばりたい」

同門の船江四段からの手紙「稲葉将棋は、目先のことにとらわれない大きな将棋」

Q、今後の抱負は?
稲葉「出来のいいときと悪いときに差がすごくあるので、なくしていきたい」

Q、新刊本で「横歩取り必勝ガイド」を出したが、横歩取りの魅力は?
稲葉「後手番でも積極的な展開になりやすいので、攻めが好きな人に向いている」

稲葉五段、勝負にはこだわらないほう、ということでした
「大きな将棋」と言われる稲葉将棋、面白い構想をTVで見せてほしいですね
前期銀河戦では準決勝まで進んでいますね 私はすっかり忘れてました・・・(笑)
あと、稲葉五段、顔がモロにホームベース型でした(^^;
われ敗れたり コンピュータ棋戦のすべてを語る
米長邦雄永世棋聖著 中央公論社 1300円+税 2012年2月10日初版

この本、もちろん発売されたことは知ってました でも、私は買う気になれなかったんですよね
なぜなら、1月14日の決戦、私はあれを楽しめなかったんです
あれをずっと午前10時から終局まで(そして後のインタビューまで)見ていたわけですが、
あんな疲れた将棋観戦は今までなかったです
だって、全然戦いが始まらないんですもん 
やっと始まったら、あっという間にボンクラーズが怒涛の攻めが決まり一気に終了・・・

でも、Rocky-and-Hopperさんの棋書ミシュランで紹介されていて、がぜん興味がわいて、
買ったみたんです
そしたら、この本、すごく面白いじゃないですか! スラスラーと読めてしまいました
私がまともに本を読む、というのは、いつ以来でしょうか、1年ぶりくらいかも(^^;

米長さんが、どれだけこの一戦に賭けたかが、とてもよく伝わってきます
いや~、米長さん、文章うまいな~ ここまでうまく書く才能ある人、なかなかいない!

米長さんのホームページに連載されていた記事に、自身で解説を加える、という
スタンスで進んでいきます 読みやすいです

米長さん、詰将棋を解き、ダイエットもして、自宅に特製のボンクラーズを置き練習対局、
そして事前の色々な打ち合わせetc・・・
ひとつのイベントを実現させるって、大変なことだな、とあらためて思いました 

「棋譜解説」は別の章にまとめてあるので、棋譜自体を理解できない人は、
その章はもう飛ばしてしまえばいいと思います 
棋譜を理解しなくても本番の雰囲気は充分に伝わってくると思います

ボンクラーズの初手が▲2六歩だったときの対策も米長さんにはあったそうで、
それも知りたかったですね 終局後の記者の質問で、それを誰かに質問してほしかったです

最後の章の、棋士、コンピュータ開発者へのインタビューの項は、人選がよく、中身も読み応えあり!
24の席主、久米さんも答えてます 
(でも、なぜかボンクラーズの製作者の人にはインタビューがないです)
私のこの一戦の感想は、△6二玉+位取り作戦で、勝ちだけにこだわって、
勝てなかったのだから、見ていて残念だったですね 負けるにしても、普通に戦ってくれていれば・・・
今でもこの一局、ショックでひきずってますもん 銀河戦を見るのを中断してるくらいですからね

来年、プロ5人vsCOM5つの対戦が予定されているそうですが、ちゃんと実現しますかね?

この本の欠点は、12月21日に行われたプレマッチに関してほとんど触れられていないことですね
あれも重要な対局だったのですから、触れないというのは・・・
あまりにもボロ負けだったから、なかったことにしたいのでしょうけど(^^;
それから、ボンクラーズ側から見た視点はないですね でも、これはしょうがないでしょう
あくまで米長さんが出した本なので、それはしかたないと思います
あと、値段が高いです 小型本にして800円くらいすれば、
もっと大勢の人に買ってもらえただろう、と思いました 
せっかく100万人が観戦したのですから、この本もたくさんの人に読まれてほしいです

来年、5vs5の団体戦の後にも、ぜひこういう本を出して欲しい!
いや、出すべき、出してください! 


初版、修正しないといけない箇所がありました
57ページに、↓の詰将棋が1題だけ載っているのですが、七手詰め、と書いてあります
これは、どうみても五手詰めです
そして、初手の王手は5通り、と書いてあります 
▲3二飛成、▲3二飛不成、▲2三飛成、▲2三角成、▲2三角不成の5通り、と書いてあります
これも間違いですね 初手の王手は7通りです ▲1三飛成と▲1三飛不成、が抜けています

後手の持駒:飛 角 金四 銀四 桂三 香四 歩十六 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| ・ ・ ・ ・ ・ 角 ・v桂 ・|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v玉|二
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=0 まで
渡辺 明竜王vs久保利明二冠  NHK杯  準決勝
解説 谷川浩司

いよいよ準決勝だ 黒ずくめの矢内、胸元のペンダントが光っている
聞き手の矢内を見るのもあと3局かあ 
今日は二冠どうしの一戦 期待が高いが、それに応えてくれるか

渡辺は、おとといの順位戦A級を勝ち、7勝2敗で終えた 堂々の成績だね 竜王8連覇中
豊島、アベケン、菅井に勝ち準決勝進出 NHK杯は12回目の本戦出場

久保は、おとといの順位戦A級最終局で負け、2勝7敗で残念ながら降級してしまった 竜王戦は1組
遠山、森内、松尾に勝ち準決勝進出 NHK杯は16回目の本戦出場

解説のタニー「渡辺は今年度勝率8割前後、竜王防衛、王座獲得、
 棋士になって最高の1年だったとするには、このNHK杯で優勝することだろう
 久保はこの1年、勝率5割前後、不本意だったと思うが、年が明けてタイトル戦が始まってからは、
 内容も成績も上がってきた印象」

事前のインタビュー
渡辺「準決勝の勝率が良くなくて、高い壁になってしまっているので、
 今日はなんとかそれを越えられるようにがんばって指したい」

久保「決勝を見据えた戦いをしたい 結果も重要だが、内容もいい将棋をみなさんに見ていただきたい」

さあ、いよいよ対局開始 ワクワクするなあー ゴキゲンの最新型が有力だろう
って、あれ? 後手の久保が△4四歩!? んで、四間飛車か! へえー 気分一新、ということか
四間も、もちろん得意だから、こういうのもいいね と思っていたら、なんと△3五歩!
こ、これは! 立石流ではないか 久保、この大一番に、B級戦法とも言える立石流をやったか
いやー 渡辺の対策が見ものだ! 実に興味深い

タニー「(予想が)全くはずれてしまいました(笑)」
矢内「びっくりしました 立石流があまりプロで指されない理由は?」
タニー「こう着状態になりやすいんですよね」
その言葉どおり、久保は△3一金と引き、渡辺も▲6六銀右と出た銀を▲5七銀と引いて、
間合いを計っている 

本譜、久保が△5四歩と突いたので、渡辺は▲5五歩と仕掛けることができたが、
後手が△3一金~△3二金~△3一金をずっとくりかえしていたら、どうなったのだろう

5七の地点にスキができたのを見て、すかさず△5七角と馬を作りに行った久保
結果的には、この手で後手が少し良くなっていたのかもしれない
中盤、互いに歩を使いあう、細かい手の連発になった さすが、レベルが高い! いいよいいよー
タニーの解説もなかなかいい ほとんどはずれることなく、予想が当たっている

渡辺が▲1五歩として、△同歩ならいつでも▲1五香と走れるようにした瞬間、
後手の久保の攻撃がキター! 中央での銀交換の後、薄くなった渡辺陣に、歩の叩き一発、△6六歩!
タニーの解説では、どう対応しても味が悪いとのこと こ、これは久保のパンチが決まったか 
タニー「渡辺は▲1五歩を悔やんでいるかもしれませんね」
▲1五歩としたときには、こんな忙しい局面になるとは思わなかったもんなあ

△3六飛とした手で6六の銀が狙われてる 横利き、止めにくい~
が、竜王8連覇の底力が出た ▲5七角! うわー これは思いつかないわー こんな受けがあるのか
タニー「ひねりだした手ですね」 おおお、見ごたえ充分!! 

急場をしのいだ渡辺、勝負はまだ全然わからないぞ 指されてみれば、なるほど、という手の応酬だ
いいぞいいぞ、これこそトップ同士のねじり合い!
矢内も△4四角というちょっと見えにくい手を当て、存在感を見せた 矢内もイイ!

そして、いよいよ終盤のクライマックス 
渡辺の、これまたすごく気づきにくい▲3一角という手、打たれてみれば、これが厳しい!
矢内「なるほど・・・ 一手ごとに『なるほど』と言ってますが(^^;」
久保、特に疑問手を指したわけではないのに、いつの間にか、苦しくなった?
何が悪かったんだ しかしそんなことを考えてるヒマはない もう、両者秒読みだ
△9二玉、と玉を逃げた久保、久保の将棋にはこの手がよく出てくる感じがする
粘りに定評がある久保だからね 渡辺はどう指す どう指すのか 
銀がタダだが、そんなもの取ってる暇は全然ない 秒が読まれるぞ おおお▲9五歩か!
タニー「これで先手にもう一枚、手駒が入ったら、後手玉が詰むかもしれないという手」

対して、久保はどうするどうする 飛車切りから、桂はずしの△6五銀!! 
先手の攻めの拠点の桂をはずし、逆にこの△6五銀で先手玉に詰めろがかかった???
ううおお どうなってんだ おもしれー まさに、紙一重の終盤!!

渡辺、開き直って▲9四歩と取り込んだ! これで先手玉が詰むか、詰まざるか!!
タニー「打ち歩詰めになりそうな・・・ 打ち歩詰めですね」
ああー、そうか 最後、打ち歩詰めになっちゃうね もう、これは打開しようがない
久保、ここまでだったか いやーでも面白かったなあー

て、ええ? △9九飛車成って何?? まだ終わらないの? ええ、終わらないどころか、
香を持ったので、先手玉に詰めろがかかった! それで後手玉に詰みなし、だから逆転??
うわー もう頭が真っ白になって全然わかんない 秒が読まれていく
もう秒読まれ続きで、私は見ていて息を止めっ放し、息が続かない わ、渡辺、どうする!?
え? ▲4四角? 詰めろを消した手か こんなボンヤリした角でいいのか

久保は△7三銀、うわーまた中盤に戻ったような感じ!? す、すげー
タニー「この銀はタダですね」
え、あ、そうなのか あ、取られちゃうか ああー 久保が先に息が上がったか
渡辺、着手はもちろん▲同馬、で、後手玉を即詰みに討ち取った 127手で渡辺の勝ち!

いやー すごかった! 2人の力が存分に発揮できていた一局だったね 
最後は久保のうっかりで終わっちゃったけど、その前の△9九飛成、
あれは相手が並みの棋士なら、土壇場で大逆転になる一手だったね
秒読みが続く中、その手に対応し、冷静に▲4四角を指した渡辺、やはりすごい!! パチパチパチ 

タニー「時間がなくなってからの2人の指し手はすばらしかった ▲4四角はいい手だった」
準決勝にふさわしい、大熱戦だった 良かったわー 期待どおりの、すばらしい内容だった
久保の△9九飛成、そして渡辺の慌てず騒がず▲4四角・・・ 
これがタイトルホルダーの将棋なんだね タイトルを取る人の将棋は違うわ 面白かった!

元気が出る、うん、見終わったあと、疲れているんだけど、元気が出る
これが大熱戦の将棋の醍醐味だ そうだ、この感じだ あー、楽しかった!

これで、決勝は渡辺vs羽生になったわけで、どっちが優勝かなあ
え、あれ、まだ準決勝はもう一試合あるのか ハタチンvs羽生か(^^;
ハタチン、男を上げる大チャンスだね ハタチン、がんばっていい内容を見せてくれ!
今週はすごく良かった 来週も熱戦を期待してます!