第20期 銀河戦
本戦Fブロック 最終戦
久保利明九段 vs 木村一基八段
対局日: 2012年5月29日
解説:桐山清澄九段
聞き手:本田小百合女流二段
記録:渡辺弥生女流1級

土曜に放送された銀河戦

平成23年度の成績は、木村16勝14敗 久保21勝26敗 2人の対戦成績は木村の10-8
木村は前局で中村修に勝ち 久保は予選シード

解説の桐山「木村は受けの棋風、他の棋士だと受けている時は苦しそうに見えるが、木村は楽しそうだ
 久保はさばきのアーティスト、華麗なさばきを得意とする」

先手木村で、角交換型の▲居飛車vs△四間飛車になった

久保が向かい飛車に振りなおし、筋違い角を打って2筋を突破しようとした 単純な狙いだが・・・
桐山「ここで失敗すると、いっぺんに悪くなる 木村はどうするか」
聞き手の本田「私には候補手すらわかんないです 難しいですね」

で、木村、なんと、この2筋突破が、全く受けられず! 無条件に2筋を突破されてしまった
うそやーん どうなってんのー 木村、金銀4枚で囲ったのが、アダになったかっこうだ 
2筋を受けるカナ駒がなかった 

その後は一方的な展開、久保の圧勝! 86手で久保の勝ち ボロボロの投了図が出来上がった
木村、だめだ、こりゃorz これくらいしか書くことがない 合掌
男子サッカー、日本vsモロッコ、試合を振り返ってみよう

日本の組は、これまでの勝ち点はそれぞれ、日本3 モロッコ1 ホンジュラス1 スペイン0
日本は勝てばリーグ突破が決まる できれば1位で突破したいところ
なぜなら、2位通過だと、決勝トーナメントで、多分いきなり優勝候補筆頭のブラジルと
対戦しないといけなくなるからだ
  
1分 開始早々、モロッコに、いきなりペナルティーエリア内に一直線にドリブルを許してしまう
 あぶなく防いだ やばかった

7分 アナウンサー「今日は日本、なかなかボールをつなげません」
 解説者「モロッコの選手は体が強いです」

18分 モロッコのコーナーキックから、絶対的なピンチ! 超近距離からシュート打たれた!
 日本DFがかろうじて2度体に当てて、弾き返した あ、あぶなかった!!

20分 解説者「日本はスペイン戦と違って、この試合はまだ(集中力が)入ってません」
 その後もずっと押されている日本

33分 モロッコ、強烈なロングシュート! 日本のキーパー、よく止めた
 日本、反撃して、ようやく形ができたプレーが出た でもよく考えたら、こういういい攻撃、
 まだ1~2回しかしてない

41分 日本、コーナーキックから、誰かがへッドで合わせた!!
 入ったか? キーパーに取られたけど、ボールはゴールを割った? めっちゃキワドイ!
 審判の判定、どうだ? リプレイ見ても、ギリギリだ 判定は、ゴールならず! ああー、惜しい
 
 直後、もう1回コーナーキックのチャンス、フリーで吉田が走りこんできた、 
 最高のボールがきた、吉田ヘッドで合わせた、しかしボールは枠外へ飛んでいった あー残念

そして前半終了
解説者「立ち上がりは悪かったが、前半終了間近、ずいぶん持ち直した」
前半は終了間際以外、ずっとモロッコのペースだった モロッコって強いー
日本は、スペイン戦がもう調子のピークだったのか こりゃー、メダルはあやういな(^^;

そして後半開始

55分 コーナーキックを2本続けて打たれて、やや危なかった

58分 これは0対0のスコアレスドローでも、もう充分かもしれない
 私「0-0でも御の字か」 一緒に見ていた父「うん」

62分 やっとチャンスが来た、清武のドリブルで一人で持っていった、DFを抜き去り、いい形で
 満を持してのシュート! ボールはバーの上部に直撃! ぐあああ 惜しい!
 
66分 解説者「一番怖い、ペナルティーエリアに入られての攻撃は、後半は、されていない」

70分 大津のドリブルから、切り込んで、最高のコースへのシュート! これはいけるうう!
 が、相手GKにスーパーセーブされてしまったああ うわあああ ギリギリの左隅へ蹴ったのに、
 これが入らないのか・・・! 相手GK、すごいわ しかし、後半は完全に日本がペースを握ってる

78分 相手ボールをインターセプト、絶妙のラストパスが、山口に出たアアアア
 しかし、シュートは無情にもバーの上!! わあああ これをはずすかアアアア
 両チームは選手交代をさせている 私の父「もう長井も交代させたらどうだ 疲れてるだろ」

84分 日本、誰かがかなり長いロングパスを前線に出した あー、ミスキックだ 
 だーかーらー、そんな乱暴なパスは通用しないんだって、ちゃんとパスをつないでいかないと、
 相手ボールになるだけ・・・って、長井が走ってる、うわあ、相手GK、前に飛び出てきた!
 長井が走ってる、追いつくか? 誰が最初にボールに触るんだ 相手DF? GK? 長井?
 って、長井のダッシュはええー 頭一つだけ抜け出した、そしてガラ空きのゴールへポーンと
 ロングループシュート!!
 アナウンサー「入れーーーー! 入ったあああ!!」
 30メートル超のワンバウンドのボールが、モロッコゴールに吸い込まれたアアア
 す、すげええー 長井の紹介プレゼンに使えそうな、最高のゴール、
 後半の84分で、このダッシュを見せた長井、すごい!! 長井の俊足を分かっていてロングパスを
 出した人(清武とのこと)にも大拍手 やったーー
 あとは守りきれ!!

ロスタイム モロッコ、最後の攻撃、日本大ピンチ! 波状攻撃でシュートがきたああ
 ふ、防げえええええ 権田(日本のGK)、そして吉田の2人の体を張ったファインセーブ!!
 うわー、相手のシュート、2本とも体に当たってくれた あああぶぶぶぶねえええええ

そして試合終了!! やったー 日本勝ったー キワドイ、ギリギリのゲームだった・・・ 

私の感想「スペイン戦が日本の調子のピークだったかもしれない それは思った
 でも、よくこのゲーム、勝ちきった! 長井はこのゲームのヒーローだった
 次はモロッコと引き分けたというホンジュラス、これもシビアな試合になりそうだ
 モロッコにこんな苦戦してるのでは優勝は無理かもしれないが、銅メダルはいけそう!
 ぜひリーグを1位通過して、準々決勝でのブラジルとの戦いは避けてほしい(^^;
 この日本チーム、魅力がある いいぞ!!」
平藤眞吾 七段vs阿久津主税 七段 NHK杯 1回戦
解説 畠山鎮

矢内、今日は髪の毛を下ろしているではないか! すごくイイ! 髪型、しばらくこれにして欲しい

平藤(ひらふじ)と、阿久津か 平藤のことはよく知らないが、どうなるかな
そういえば平藤は、前期の順位戦C1最終戦で、9連勝の佐藤天彦に勝ち、天彦の全勝を阻止している
解説はハタチンだ 平藤との関西所属つながりだね

平藤は1991年四段、竜王戦4組、順位戦C1 予選で有森、内藤、福崎に勝ち 4回目の本戦出場
阿久津は1999年年四段、竜王戦2組、順位戦B1 予選はシード 7回目の本戦出場

解説のハタチン「平藤は決断力がよく、きびきびとした早指し、攻め将棋
 居飛車党だがオールラウンダー
 阿久津は平藤と棋風が似ている、非常に鋭い攻め将棋、筋に明るく、形がきれい
 後手番の阿久津の作戦に注目、間違いなく切り合いになるだろう」

事前のインタビュー
平藤「阿久津は雰囲気どおりの、イケメンな将棋だと思います アグレッシブで踏み込みがすごい将棋
 強敵だが、おくさず強気で勝負したい」
阿久津「平藤は実戦的で鋭い攻め将棋 過去にもそれであっという間にもっていかれたことがあるので、
 今日は気をつけたい 自分らしい将棋が指せたらいいと思う」

 
先手平藤で、相掛かりかと思いきや、ひねり飛車の作戦だった
ハタチン「ひねり飛車はとてもめずらしい作戦、阿久津は公式戦で一局戦ったことがあるかないかだろう
 ひねり飛車の少ない理由の一つに、居飛車党が振り飛車のような戦型を指しこなすのは難しい 
 しかし平藤の棋風として、軽くさばく将棋も得意としている 阿久津にもそういうところがある」

雑談で、ハタチン「私と平藤とで、以前、研修会の幹事をやっていた 
 ひるんだり、様子見のような手をしている子がいたら、平藤は『もっと踏み込みなさい』と
 注意していた」

さて、平藤がひねり飛車の常套(じょうとう)手段で、飛車をぶつけた
ハタチン「飛車交換はできません」と言った直後、阿久津は交換した!
ハタチン「あ お恥ずかしいですね(^^;」
あっという間に、飛角総交換になってしまった お互いにバシバシと音を立てて、気合い充分だ
ハタチン「両者、最強の手順ですね どちらが読み勝っているんでしょうか」

ハタチン「△2八角と打ち込むと、止まらない流れになる」
阿久津はそのとおり△2八角と打ち込んだ もう終盤だ 中盤というものがなかったな(笑)
これは局面のバランスがすぐ崩れそう、手数が短く終わりそうだ

形勢、阿久津がやや良しなようだ 先手の攻めは、遅そうだもんね
ハタチン「平藤はちょっと失敗したと思ってるかも 普通の手順だと、後手が一手早そう」
が、ここで平藤にひねった手がでた 桂を取って、それを▲7七桂と合駒! お、そんな手があったか
これで流れが変わったと思う

手が進むが、形勢判断がつかない ハタチンも、どっちがいいか、わからないようだ
ハタチン「これだけ激しく戦って、駒の損得なしですね 奨励会の十代どうしの対局みたい(笑)」
確かに、これだけの斬り合いはめずらしい しかも、手が難しいのに、形勢によく差がつかないものだ

先手玉をどう寄せるか、というところ、阿久津に8筋から桂を打つ、という手が出た
あー、桂をそっちから打つ手があったか 私には逆方面からの攻めしか見えてなかったよ
そして、先手玉の真横にタダの腹銀を打った! おおーっ そんな手が、これは決まったか!
が、まだ粘る平藤 あー、まだまだ難しいのか 平藤、腰も重い なかなか強い
あの阿久津と互角に渡り合ってるぞ それも、手の見え方が勝負の将棋でねえ

ハタチン「阿久津は歩をいっぱい持ってるが、使うところがない 
 居玉になった先手玉の安定度が、両者わかっていないと思う」
すごい熱戦になってる、飛角総交換から、これだけ強く戦っていて、まだ形勢が難しいとはね
ハタチン「第一感が悪手になりそうな局面が続いている」

ハタチン「正確に指せば、平藤のほうが阿久津の攻めを凌ぎきれそう」
しかし、感想戦でこれが敗着では、という手が出た 平藤、飛車を打って王手して、金を補充した手が
一手緩んだ、ということだった 飛車を打つ手と金を取る手はワンセット、ここで2手費やしたのが
問題だったそうだ なるほどなあ

阿久津、自陣に金を投入して鉄壁にしたあと、攻めを続けていく
私にはどっちが勝っているのか、全然わからない 
ハタチンの形勢判断が聞きたいが、もう秒読みで、言うヒマがないようだ

どっちが勝ってるねん? ・・・と思ってたら、終局は突然訪れた
平藤、いきなり投了! 112手で阿久津の勝ち って、えええーー なんで投了??
最後までやってよーー ええーっと、なんで投了だろう、ちょっと一時停止して考えて見たけど、
私にはわからん(^^; なにか阿久津の攻めがあるんだろうけど・・・

ハタチン「△3五桂の攻めがあって、阿久津の攻めが続く それに対して、後手陣は鉄壁」
そうだったか、△3五桂があったか 私にはわからなかったorz
せめてあと2手、△3五桂までは指して欲しかった 
まあ、阿久津がこの手を逃したとは思えないけどね
24のリレー将棋なら、絶対まだ投了してないぞ 
「あきらめたらそこで試合終了です」と久米さんに怒られそうだもん

 
ハタチン「すごい激しくてびっくりした、延々と熱戦だった」
感想戦で、平藤「最後、パンチを一発も打てなくて残念です」
平藤さん、敵陣が固いままで、攻めの手が回ってこなかったから、残念だったようだ(^^;

かなり濃い一局で、形勢は2転3転していただろう 感想戦が5分しかなかったのは残念だった
平藤さん、あまり目立たないけど、本局では阿久津相手にひけを取ってなかった、強かった
もしこれが24のリレー将棋で、こんな内容なら、とても盛り上がっただろう 
両者引かず気合いよく、形勢が何度か入れ替わった将棋、人間味があって面白かった
結果から言って、0-0の引き分け 順当な結果と言えると思いました

前半は、両チーム、目立ったシーンなし

前半、私のメモには「何事もなかったという一語に尽きる」と書いてある(^^;
いっしょに見ていた父は「これで日本が優勝できるとは思えんなー」
解説者は「お互いに動きが固かった」

しかし、前半は日本の守備は安定していて、安心して見ていることができた
まあ、攻撃面ではこれと言ったシーンはなかったけどね

後半、この試合は後半だけ見ればOK、と言えるくらいの試合だった

開始直後、川澄が左サイドをドリブルで抜け出し、強烈なシュート! 
しかしGKにファインセーブされる

その後、だんだん日本にいい形が出来始める
宮間の惜しいシュート、澤と交代した田中のインターセプトから、大儀見のシュート、惜しい!
その後も大儀見の決定的なシュートは、キーパー正面、惜しい! 

65分くらい 解説者「流れが日本にきてます」

70分くらい いい形でパスがつながり、センタリングから決定的な大野のシュート!
 しかし弱い! あああーー 惜しい!
 アナウンサー「日本がスウェーデンの守りを、完璧に崩していました」
 解説者「次の攻撃では、入ると思いますよ」 
 直後、カウンターを狙われ、かなり危ないシーン 油断はできない

その後も日本は攻め立てるが、スルーパスに固執するあまり、相手DFにバレバレ、ことごとく
ラストパスを阻まれてしまう

85分くらいから最後までは、スウェーデンの時間帯だった
日本は疲れてきたのだろう、単純なミスが目立ち、危ないシーンが何度かあった

しかし、双方、点を取るまでには至らず、0-0で試合終了
解説者「もっとシュートを打ってもよかった」

私の感想は「日本はスルーパスしか、チャンスを作るやり方がないのか?」ということ
相手DFに完全に読まれてた 強烈なロングシュートが打てる人がいないと、この先は苦しいだろう
ただし、スウェーデンは常に守りに4人配置して固めていて、カウンターでの一発狙いで、
日本は攻撃はやりにくかったのだろう、とは思った

日本のほうが支配していたが、本当に決定的だったのは1度だけだったと思う 
スウェーデンの、守りを固めてカウンター狙いは、ちょっとずるい作戦・・・(^^;
あと、フリーキックやコーナーキックでは、スウェーデンの人は背が高いので、日本は不利だった
こんな感じですね

さて、男子のほう、強豪スペインに勝ちましたね!
奇跡でもなんでもなくて、日本の実力で快勝の試合だったと思いました 
長井の足が速いのは、さぞ相手にとって脅威だったでしょう
相手のバックパスを、執拗に狙って取りに行く、あれは体力を使うけど、最後までよく走って、
一人で決定的なチャンスを作ってました 長井はすごい!
全体の動きもとてもよかったと感じました 男子サッカー、これはメダルがかなり期待できます!
どっちかというと、女子サッカーより、男子サッカーを見たほうがいいでしょうね(^^;
第20期 銀河戦
本戦Eブロック 最終戦
郷田真隆棋王 vs 豊川孝弘七段
対局日: 2012年5月29日
解説:桐山清澄九段
聞き手:本田小百合女流二段
記録:渡辺弥生女流1級

平成23年度の成績は、郷田29勝18敗 豊川9勝17敗 2人の対戦成績は、郷田の3-2
郷田は予選シード、豊川は南、松尾に勝ち 勝ったほうが決勝トーナメント進出の一局

解説の桐山「郷田は居飛車一刀流、優勢な将棋は最短手数で勝つ、苦しいときはジリ貧負けはしない
 豊川は居飛車党、先手番のときは、たまに振ることがある 今日は後手番なので、居飛車だろう
 2人とも、安易な妥協はしない棋風」

先手郷田で、相掛かりになった 引き飛車▲3六銀vs△8五飛という戦型
桐山「△8五飛は、後手のほうから先攻しようという狙いがある指し方」

雑談で、本田「豊川さんは、大盤解説で、ダジャレがすごく好評で」
桐山「あ そうなんですか へー」
へーって、桐山さん、豊川さんのダジャレを知らなかったのか かなり有名だと思うけど(^^;

この将棋、面白いことになった 郷田の棒銀を、豊川が呼び込んで受ける、という展開だ
豊川、棒銀の銀を▲2五銀と出させておいて、郷田が▲2四歩と歩を合わせたそのとき、
豊川はそれを放置で△6二玉!!
桐山「へーーー! 手抜いて△6二玉! 右玉ですね」
これは初めてみた 面白い! どこまでが豊川の研究なのか

桐山「えー、これは、先手が攻めて行くと、すごい激しいことになりますね」
なんと、先手に、と金を作らせても後手が指せる、という豊川の作戦!
桐山「これ、本当に受け止められるんですかね?」

おいおい、豊川、大丈夫か 
大盤で桐山が検討するが、桐山「どの変化も、後手が好んでやる順ではないですね」
豊川は長考し、なんと、6回目の考慮時間に入ってしまった あれあれ・・・
郷田はまだ15分の持ち時間を使い切ってもいない

えーっと、これはすでに、豊川さん、お困りなのでは・・・ 棒銀がモロに炸裂した図、ではないのか? 
なんやねん、豊川の作戦、どういうこと? 

手が進み、先手は竜と馬ができ、後手陣は、1~4筋方面が崩壊している どう見ても郷田良し・・・ 
棒銀、モロに炸裂の図、これはプロではめずらしいなあ 

どう見ても郷田良し、なんだけど、ここからの郷田の構想、これは案外難しいか
桐山「ずいぶん郷田が優勢かと思ったが、考えてみると、まだ難しい」
う~ん、もし私が先手を持っていたら、弱気だけど、竜を自陣に引き上げて、ゆっくり指すなあ

郷田はどうするだろう? と思っていたら、ズバッ!と馬を切って、一気に寄せに行ったアア
「やっ やったッ!! さすが郷田! おれたちにできない事を平然とやってのけるッ
 そこにシビれる! あこがれるゥ!」

感想戦では、この馬切り以外では、まだ難しくなる、ということだった
完全に先手良しになり、郷田、すぐに後手玉に寄りはないと見るや、自陣にゆっくりと手をもどし、
あとは全部、豊川の手のめんどうを見て、きっちり勝ちきった 127手で郷田の勝ち

豊川、もっと早く投了しても良かったが、まあ、勝てば決勝トーナメント進出の一番だったしね
見ていて、郷田の馬切り、そしてその後の着実な攻め方は参考になったよ

感想戦で、豊川「△6二玉までは、▲郷田vs△渡辺で、実戦例があるんですよね
 でも、その後の変化は知らなかった」
ええー、本人の郷田を相手に、そんな準備不足では、勝てるはずもない・・・(^^;

でも、棒銀が炸裂し、その後も着実な攻めで勝ちきった、という、プロではめずらしい一局で、
参考にもなったし、面白かった 豊川、ナイスな斬られ役っぷりだ
郷田はさすがに棋王、タイトルホルダーの指しまわしだったよ

これでDブロックからは、郷田が最終勝ち抜き者、そして金井が3人抜きで、最多連勝者となった
サッカーは、A~Dグループは男子、E,F,Gが女子 
日本女子はFグループ(日本、カナダ、スウェーデン、南アフリカ)
上位2チームと、3位のチームでもE,F,Gグループの中で勝ち点が高い2チームがベスト8進出

試合の流れを簡単に振り返ってみよう
(FIFAランクは、日本3位、カナダは7位)

10分、ぬれている芝に、両チームてこずっているようだ

20分、まだどちらもシュートを打つまでには至らない
解説者「日本は、まだ攻めにアイデアがない」

30分、まだ互いに決定機がない パスを回す日本、ロングボールを蹴るカナダ

32分、0-0で折り返しが充分考えられる、と思われたところだった
 澤のループパスを受けた大野が、ボールを踏みつけての後方パスを出した
 走りこんできた川澄の、強烈なシュートがサイドネットに突き刺ささり、会心のゴール!
 やったーー! 大野と川澄の連携は絶妙だった! 日本先制、1対0 

40分、アナウンサー「日本の動きがいい」 解説者「カナダが疲れてきた」

43分、鮫島の大きなクロスのセンタリング、相手GK飛び出す、カナダのDF3人と交錯した宮間、
 宮間のヘッドにボールが当たり、2点目をゲーーーーット! やったーー! 
 背の低い宮間、ジャンプしていなかったのが幸い、ちょっとラッキーなゴールだった
 日本、大きな追加点、2対0

前半終了、アナウンサー「最高の立ち上がり」 解説者「1点目はパーフェクト」
前半は日本はシュート3本で2点の効率のいい取り方 カナダは1本しかシュートを打てず 

後半開始、いいムードで迎え、日本の動きがいい

50分くらい、日本が決定的なチャンス、大儀見(旧姓永里)がシュートを流し込み、3点目、と
 思われたが、カナダのDFが走りこみ、スーパーディフェンスでゴールできず!
 いやなムードになる もっと思い切りシュートしてれば、確実に1点だったのに!

55分、カナダ、ひさしぶりのチャンス、センタリングにうまく合わせて、ゴール! やられた!
 ああああーー 痛い! 痛い失点! やばいかも! 2対1

60分 カナダの追い上げで、一気に試合が引き締まり、緊張感のある時間が続く 一進一退

70分 緊張感のある時間が続く カナダは2人選手交代で勝負をかける
 日本、3点目を狙いに行くか、守るか、悩みどころ やはり日本が押しているか

77分、日本、惜しいシーン! ファールの少ない好ゲームだ

  
80分~90分、澤の動きが攻守に目立つ アナウンサー「澤の運動量すごいですね」
 すごく緊張感のある時間が続いている 早く終われー(^^;  

 
93分、ようやく試合終了! 2対1で日本勝利! 
途中、楽勝ムードと思いきや、しんどい試合だったーー

シュート数は、日本は総計6本くらい、 カナダ3本くらいで、どちらも多くなかった
こんな試合でした 日本が押していましたけど、カナダも弱くなかった

まだ日本の動きは、今後よくなる可能性あり、とにかく勝って良かった 勝ち点3、ゲット! 
MVPは、やはり攻守に光っていた澤か、それか1点目を決めた川澄かな

この後、日本はFIFAランク4位のスウェーデン、61位の南アフリカとの試合を控えている
深夜で見づらいけど、女子サッカー、これからも見ようと思う
このブログ、始めた当初は、ピアノの鍵盤が、描かれてあったんですよ
そういうテンプレートを使っていたんです
でも、ある日突然、私は何もブログの設定をいじっていないのに、消えてしまいました

最近も変わったんですよ 数字と記号のフォントが変わりました もちろん私は何もいじってません
▲や△が、小さくなりました まあ、これは気にしていないんですけどね
しかし、記事の題名の下にあった、赤線が消えてしまいました
これはちょっとショック・・・

そして昨日、「ギズモのつれづれ将棋ブログ」と書いてあるところの上に、空白ができてしまいました
携帯からこのブログを見たときも、以前と違う表示になってます
なんでだー どうなってるんだー(^^;

このブログを置かせてもらっている、FC2さんには、感謝してますけどね
勝手にブログの設定が、ちょっとずつ変わる現象、まあ、見ている方、気にしないで下さい(^^;

さて、そろそろオリンピック開幕ですね
私は女子サッカーは観ようと思ってます できればブログに試合展開と感想を書きたいですね
第20期 銀河戦
本戦Dブロック 最終戦
羽生善治二冠 vs 阿久津主税七段
対局日: 2012年5月16日
解説:阿部 隆八段
聞き手:村田智穂女流二段
記録:伊藤明日香女流初段

土曜に放送された銀河戦
阿久津は杉本、深浦に勝ち、すでに決勝トーナメント入りを決めている

平成23年度の成績は、阿久津25勝13敗 羽生44勝19敗 2人の対戦成績は、羽生の9-1
阿久津、対戦成績が悲惨なことになっているなあ

解説の阿部隆「阿久津は関東のホープ 七段だが、段位以上の実力を持つ
 もっともっと活躍できるはず、本人も現状に納得していないはず
 羽生は20年くらい第一人者を維持しているが、勝負の世界で20年トップというのは、
 他の競技であまりないと思う 敬意を表する
 2人ともオールラウンダーで、天才肌の攻め将棋」

羽生はタイトル獲得が大山15世名人を抜いたが、棋戦優勝もなんと40回!だそうだ ひえー
(阿久津は棋戦優勝2回)

先手阿久津で、超速▲3七銀vsゴキゲンになった 
阿久津は銀2枚で押さえ込みを計る、それを羽生がかわしていくという構図
阿部隆「超速▲3七銀、この戦型は先手の勝率がいいんです 久保はこれにずいぶん苦しめられた」

この戦型、私は絶対後手を持ちたくないなあ 後手は序盤、一手でも間違えたら終わりだ
先手の狙いを見抜いていないと、正解手が指せない将棋だ 

羽生はもちろん正解手を指し続けていく
だいぶ進んだが、阿部隆「最近の将棋はこの局面がまだ前例がある 
 羽生は自分のほうが研究している、という自信があるのだろう 羽生は引き出しをいっぱい持っている」

阿久津、果敢に攻めていったが、自分の右銀と振り飛車の左桂とを交換にしてしまった
もうこの時点で勝負はあったのだろう
阿久津は終盤、ギリギリまで羽生玉を追いつめた、に見えたが、羽生に受けられてみると寄りはなかった
阿部隆「大激戦、と言いましたけど、そうでもないね(^^;」

結果、100手で羽生の快勝 最後は差がついた
阿部隆「途中から羽生さんの手が、矢のように伸びてきた 羽生の距離の計りかたがさすがだった」

羽生は見切ってたんだろうねえ、自玉が寄りそうで寄らないことをね 
結果論だけど、終始落ち着いた手の連続だった
阿久津としては、攻めの手が荒かったか・・・ 
感想戦で、阿久津は「もっと攻めの体勢を整えてから、攻めるべきだった」と言っていた 
阿久津らしい、「おおっ すごい」という手も見れなくて、やや残念だった

これで羽生と阿久津の対戦成績は10-1だ 羽生はやはり強いが、阿久津にも踏ん張ってほしい
10-1ということは、もしどっちが勝つかの賭けをやるとしたら、
掛け率が10倍層になるわけで・・・(^^;
橋本崇載 八段vs宮田敦史 六段 NHK杯 1回戦
解説 渡辺明

今日は、勝ったほうが2回戦で羽生と対戦できる、という大事な一局だ
私はハッシーが好きなんで、ハッシーの応援だ おおっ、ハッシーが和服でキター 気合い充分! 
羽生への挑戦者は、やはりハッシーであってほしい さあ、いけ、ハッシー!

ハッシーは2001年四段、竜王戦1組、順位戦A級 予選はシード NHK杯の本戦は8回目の出場
宮田敦史は2001年四段、竜王戦5組、順位戦C1 予選で、武者野、遠山、飯島に勝ち
 NHK杯の本戦は4回目の出場 所司門下で、渡辺の兄弟子(あにでし)

解説の渡辺「ハッシーは今期からA級ということで、和服で気合いが入っている
 宮田は昔からああいう感じで、まじめ 2人とも、居、振り問わず指すので、相振りもありうる」

ハッシーは和服だけど、宮田のほうもスーツで黄色いネクタイが似合っていて、いいと思った
矢内は今日も、頭の後ろにでっかいカタマリをのせている ホントにでっかい(^^;

事前のインタビュー
ハッシー「宮田は詰めの名手で、切れ味鋭い将棋 ひさびさのNHK杯出場なので、気合いが入ってます
 一局でも多く勝ち進めるように、がんばります!」(左手でガッツポーズ)

宮田「ハッシーは流行よりも、自分のスタイルを貫く将棋だと思います
 できれば一局でも多く指したいですね」

渡辺は「ハッシーは、おとなしめのコメントだった」と言っていたけど、
ガッツポーズしただけで、もうそれでいいんじゃないだろうか 
ハッシーはもう、奇をてらって自分を売り込むことはしないでいいのだ 何しろA級棋士なのだから!

先手ハッシーで、3手目に角道を止めた これが最近のハッシー流だね 
4手目が△8四歩以外なら、ハッシーはここから石田流に組むのだ 
本局は宮田が△8四歩だったので、矢倉になった

両者、スラスラーと進めていき、がっぷり4つの、相矢倉だ
渡辺「矢倉では今、一番多い形 ▲6五歩は10年くらい前に宮田が指した新手で、最有力とされている、
 先手の攻勢、後手はしばらく受けて、カウンターを狙う将棋」

駒がぶつかって銀交換になったが、まだ定跡が続く
矢内「長い定跡ですね」
渡辺「相矢倉の定跡は長いです 相矢倉と角換わり腰掛け銀の定跡は、100手近くまである
 他の戦型だと、そんなに長いのはない」
100手か~ 将棋の知らない人に、「定跡って、何手くらいまであるんですか?」
と訊かれたら、「プロの将棋で長い定跡だと、100手近くまであります」と答えればいいね

ハッシーが、桂、香を捨ててかかる攻め、宮田が受けきれるかどうかだ
渡辺「私はまったく同一の将棋を指して、先手を持って、負けた記憶がある
 ▲3二銀と打ち込んだのだけど、その後が一手も思い出せない(^^;」
だが、そこは竜王8連覇の実力者だ
渡辺「先手が一番うまく指すとこうなる」という順をスラスラ~と並べてくれた 渡辺、さすが!

宮田は時間を使っていないなあ まだ考慮時間を全部残しているぞ
ところが、▲6三金と、角取りに打った局面で、宮田の手が止まった
雑談になり、矢内「宮田は控え室でもずっと詰将棋を解いていました」
渡辺「私が10才とかで、宮田は13才とかだったのかな、初めて教室に言ったときも、
 宮田はすんごい難しそうな詰将棋を解いていた、30何手詰めとか(笑)」 

さあー、勝負どころだ どうなるんだ ハッシーは勝てるのか ドキドキ 見ているこっちが緊張する
渡辺「後手だと、この先の展開によほど精算が持てないと、選ばない局面」
宮田、なかなか指さない まだ考える、まだ考えるのか
なんと、一気に7回も考慮時間を使った! う~ん?? 困ってるのか??

宮田は結局、角を逃げる手だった おおっ、渡辺が「こうなると先手良し」と言った変化ではないか
渡辺「形勢は先手ペース 先手番の得がまだ残っているくらいの形勢」
いけるぞ~、ハッシー、勝って、羽生へ挑戦権をゲットするんだ!

そして、▲2四歩、の取り込みが無条件で入った! おおお、これは先手のペースだろう!
勝てよ~、ハッシー、これは勝てる! いけいけ、ハッシー!
渡辺「普通にいけば、先手が良さそう 飛車の応援も効く」

渡辺「いや~、これ、受けがないんですよね と金の攻めなんでね 先手は駒損なしで攻めてるんでね
 もっと悪い攻めの感じになっても、やれる感じなんでね
 △2二歩に対して、うまい攻めがあれば、もう終わり なければもうちょっと粘れる」
何か攻めの決め手があるのか・・・!? 私にはわかんない・・・

したらば、ハッシー、▲2三銀の打ち込み! 見ていて思わず「おおっ」と声が出てしまった
大盤で検討を始める渡辺、この▲2三銀に対して、うまい受けは・・・ 見当たらない!
やったーー ハッシー、決め手が出たー
攻めのお手本のような、教科書に載りそうな会心の攻めが決まった! 

飛車がドカーンと成りこみ、もう、もらったぜ! ここからの逆転はさすがにないだろう
と、思ってたら? なんだか、宮田の玉が反対側にどんどん逃げていく
あらららら、まだ続くのか? そして、なんだかちょっと、怪しい雰囲気に・・・
渡辺「後手が最後に反撃できそうな気配がある」

え、怖いな 何しろ、宮田は終盤の詰めの名手 ま、でも、先手は矢倉囲いが丸々残ってるから、
大丈夫だろう ・・・って、△9六桂の王手がいきなりキターー! や、やばい??
渡辺「そこから来ますかあ ちょっとイヤな感じですね~ 1回は見せ場が来ましたね
 さっきまでの楽勝ムードでは、もうない」 
そして、さらに△8六桂!! 矢内と渡辺、同時に「おお~」
矢内「再び、歩の頭に桂が飛んで来ましたね」
やばい! マジやべえ! 踏ん張れ、ハッシー・・・!!

宮田、強い、ぐぐうう、と思ったそのときだった 
ハッシー、もらった桂で、後手の角道遮断の▲7五桂! うわ、なんだこれは いい手?
宮田も返すカタナで△同角と捨ててきたが、角の利きがなくなって、先手玉が安泰になった
宮田の攻めが尽き、133手、ハッシーの勝ち! 
やったああーーーー っふうううううーー、危なかったーー

矢内「▲7五桂が」 渡辺「決め手でしたね」
総括で、渡辺「ハッシーがうまく攻めて、最後は一瞬、ヒヤッとしたものの、おおむね大丈夫だった、
 という一局」
ハッシー、結果的には快勝だった でも、見せ場をつくらせてしまったのは問題だったと思うけどね
でも、この将棋は結果が大事! これで羽生への挑戦権をゲーーーット!
ふう~、普段は特に、どちら側の応援をして観戦する、ということは私はないのだけど、
今日はかなり力を入れてハッシーの応援をしていたので、肩に力が入って、肩が凝った~
文中に、「!」がかなり多くなってしまったのも、そのためだ(^^;

よーーし、これで2回戦は羽生戦だ 羽生の5連覇を阻止する刺客、まずはハッシーに決定だ
2回戦が断然、楽しみなカードになった
今日は対局前にガッツポーズをしたハッシー、2回戦では、対局後にガッツポーズを見せてほしい! 
第20期 銀河戦
本戦Cブロック 最終戦
森内俊之名人 vs 佐藤康光王将
対局日: 2012年5月2日
解説:渡辺 明銀河
聞き手:安食総子女流初段
記録:渡辺弥生女流1級

平成23年度の成績は、森内10勝19敗 康光22勝21敗 2人の対戦成績は、康光の33-29

解説の渡辺「森内は受けを主体とした棋風 康光は序盤に趣向をこらす とくに後手番」

先手森内で、3手目に角道を止めた 康光が3間に振り、相振りかと思われたが、
森内は居飛車だった 渡辺「森内はときどきこういう指し方をする」

▲居飛車持久戦vs△石田流+美濃 これで、まったりした長い将棋になった 
私はどういうわけか、今日は将棋を受け付けなかった・・・orz 
長い将棋になり、康光が142手で勝っていた  うーーん、日曜のNHK杯はしっかり見たい!
将棋ネタではないのですが、最近、薬局で買ったアイテムの紹介です
「抗菌 脱臭炭 冷凍室用 氷がうまい!」 328円(買値) エステー株式会社
これがイイという話  私は、べつにエステーの回し者ではないです 
私は水や氷の味にうるさいだけです(^^;

何かというと、これを冷凍室または製氷室の中に入れておくわけです
そうすると、氷の味が今までより、良くなってるではないですか
売り文句の、「氷がうまい!」に、偽りなし!

私は、冷やした麦茶の中に氷を入れて飲むことが多いです
そのときの、氷の匂いが消えて、氷の変な味がしなくなったんです これは良いアイテム(^^)

半年くらい持つそうなので、今年の夏はこの脱臭炭で、おいしい氷入りの麦茶を飲もう
水道水で作るとどうしてもカルキ臭がする氷、この脱臭炭で、氷がクリアーな味になりますよ!
 
写真はこちら↓
http://www.st-c.co.jp/product/category/019/029.html
・・・なんか、囲碁将棋チャンネルでやってる、健康飲料のCMみたいな記事になってしまいました(^^;
第20期 銀河戦
本戦Bブロック 最終戦
高橋道雄九段 vs 屋敷伸之九段
対局日: 2012年5月17日
解説:青野照市九段
聞き手:久津知子女流初段
記録:伊藤明日香女流初段

先週の土曜に放送された銀河戦

平成23年度の成績は、屋敷18勝13敗 高橋12勝18敗
屋敷は前局でハッシーに勝ち 高橋は予選シード

解説の青野「屋敷は居飛車党で、横歩取りや相掛かりといった、動きの早い将棋を得意としている
 忍者屋敷、お化け屋敷と呼ばれるように、面白い将棋を見せてくれる 
 高橋は50才をすぎても竜王戦1組、順位戦A級 
 重厚な矢倉と、後手番での横歩取りを得意としている」

先手屋敷で、横歩取り△8五飛になった
この一局、桂が主役で、お互いに見たことのないようなところに桂を打っていた

私は横歩取り△8五飛が大の苦手、大局観が全く働かない一局だったので、
何がどうなってるのかわからず、途中でイヤになってしまったorz
途中で見るのをやめてしまった  ピカソの絵が素人には理解できないように、
この△8五飛という戦型も、どうにもこうにも、という場合がある もう仕方ないと思っている
89手で屋敷が勝ってました すいません、以上、終わりorz
杉本昌隆 七段vs菅井竜也 五段 NHK杯 1回戦
解説 阿部隆

矢内、モスグリーンのミリタリー風のファッションだ 
今日は菅井の登場か 中堅の杉本をバッサリ斬るところを見せる、かな?

杉本は1990年四段、竜王戦2組、順位戦B2 予選で村田智弘、神崎に勝ち 11回目の本戦
菅井は2010年四段、竜王戦6組、順位戦C2 最強戦優勝により、予選はシード 2回目の本戦

解説の阿部「関西所属の2人の対戦 
 杉本は粘り強い振り飛車党、菅井とは対照的、長手数の大家、理論的で重厚な棋風
 菅井は攻め味鋭い振り飛車党 将棋の大好きな少年といった面影をいまだに残している、
 菅井は前期NHK杯でベスト8までいった、関西期待の星」 

事前のインタビュー
杉本「菅井は現在の段位より、はるか上の実力を持った若手 手ごわい相手 まずは初戦を勝ちたい
 振り飛車は菅井にゆずって、私は居飛車でいこうかと思っている」

菅井「杉本先生は、終盤の鋭い、スキのない棋風という印象です
 優勝めざしてがんばりたいと思います」
・・・この菅井の、相手の印象のフレーズ、誰に対しても使えそう(^^;
優勝を目指してるってか 頼もしい それには、まず杉本をバッサリと斬らないとね

先手杉本で▲居飛車、後手菅井の△ゴキゲン中飛車だ 杉本が丸山ワクチンの角交換、
お互いに軽く囲っての戦いとなった

菅井、▲5三角を打たせている間に、向かい飛車に振って、棒銀模様で2筋から攻めてきた
銀が四段目までいったはいいけど、そこから前には進めない 銀がお荷物状態だ
阿部「菅井は銀がさばけない △3五歩とはいけない」
しかし、直後、菅井の手は△3五歩! これには笑った

菅井、6筋と5筋の歩を次々突き捨てた うわー、若手らしい、勢いがある!
矢内「開戦は歩の突き捨てから、といいますが、ポンポコポンポコ」
阿部「子供将棋名人戦のような、元気よさがある(笑)」

それからおもむろに△3五銀! これは怖い順だ 先手に何をされるかわかんないからね
阿部「これで後手がうまくいくとは思えない、正直」
しかし、杉本に考慮時間をどんどん消費させる、ということになり、
菅井は時間的にはずいぶん有利になった
盤面のほうも、かなり競っているようだ 杉本にもっと良くなる順があったのでは、と思われたが、
もう振り返っている時間はない

菅井、元気がいいだけではなく、じわっと△5二金寄、と指すなど、プロの味を出している 

阿部によると、最善を逃した手がお互いに出ているようだが、好勝負だ 形勢、かなり競ってる
私も、見ているのに夢中になってしまい、メモがほとんど取れてない あちゃーー(^^;

阿部「ここは△8四歩か? それが後手玉を広くしながら、先手玉にとって詰めろみたい」
菅井の手がピタリと一致、△8四歩 おおー、さすが阿部さん
阿部「菅井はこういうマクリが得意なんですよ~」
マクリ、とは、競馬や競艇の用語で、後ろから一気に抜き去ることだね

杉本、▲7一と、で下駄を預けた この杉本の手、「7、8、9・・・」と秒を読まれて、
10秒を越えていたようにも見えたが、10秒未満で着手を手で示しているので、OKなのだろう

後は、菅井が先手玉を詰めるかどうか、の勝負!
おおっ、菅井、ノータイムで、と金を寄った! 自信満々の手つき!
やっぱ、勢いのある若手は強いね 読みきりかあ 杉本さんのような中堅は、斬られ役なのだろう

Zガンダムの最終回で、シロッコがシャアに対して、「貴様のようなニュータイプのなりそこないは、
 粛清される運命なのだ!」と言ったシーンがあった
菅井の「貴様のようなA級棋士のなりそこないは、粛清される運命なのだ!」というセリフが
ピッタリくる、そんなシーンだ

しかし、しかし!? 菅井、ノータイムで指したかと思ったら考え込む手もあり、
阿部もまだ読みきれてない 
阿部「うん? どうやって 詰むんだ 詰まないような気がしてきたな・・・」
ええ? どういうこと? 詰んでる? 詰んでない?
杉本の「まだだ、まだ終わらんよ!」という声が聞こえてくる
延々、詰むや詰まざるや、うおおお こ、これは面白い 将棋の醍醐味!

延々続いた王手王手、「迷ったときは銀合」の言葉どおりの銀合も出た
さらに連続王手の千日手で逃れた先手玉、最後はギリギリ詰みを回避!!
王手の開始から36手、先手玉、詰まず、115手で杉本の勝ち!
ふう~、これは面白かったなあ ここのところ、大差の将棋が続いていただけに、
ひさしぶりに将棋らしい将棋を見た、そんな気分だ 
「迷ったっときには銀合」この格言が出た終盤、これは見ごたえがあった!

総括して、阿部「指運」
指運だろうね さすがにプロでも最後まで読みきれて指しているわけではないだろうからね
菅井、優勝を狙ったが、1回戦で消えたか 
一局を通して、なんとかなった可能性が高いだけに、悔しいだろう
ひさしぶりに詰むや詰まざるやの終盤を見た、満足な一局だった
第20期 銀河戦
本戦Aブロック 最終戦
広瀬章人七段 vs 丸山忠久九段
対局日: 2012年5月15日
解説:飯塚祐紀七段
聞き手:竹部さゆり女流三段
記録:野田澤彩乃女流1級

木曜に放送された銀河戦
おおっ、竹部さゆりさん、ひさしぶり~ 元気そうだ よかったよかった

平成23年度の成績は、広瀬32勝17敗 丸山22勝23敗
広瀬は予選シード、丸山は前局で山崎に勝ち

解説の飯塚「広瀬の王位獲得は衝撃的だった もう若手というより、第一人者 振り飛車穴熊の名手
 丸山も、名人に手が届いた第一人者、早指しも強い」
この2人、共通点があった 指が細くて長いのだった

さて、先手広瀬で、なんと横歩取りだ 広瀬、先手で居飛車、しかも横歩を取るのか
振り飛車穴熊と横歩取り、全く正反対な将棋と思うけど、よくできるなあ
丸山は、△8四飛+△5二玉型で中原囲いだ 

で、この一局、丸山に中盤がまだ始まったばかりのところで誤算があり、
丸山、考慮時間を一気に6回も投入してしまう、というめずらしいことになってしまった
解説の飯塚さん、あんまり局面を把握できていないぽい 形勢判断がわかりづらい・・・
いつの間にか差がついていて、投了図では大差だった 89手で広瀬の快勝

あまり楽しめなかった・・・ 
これで終わりというのも寂しいので、竹部さゆり流の「横歩取り△3三角破り」が紹介されていたので、
それを載せておこうと思う 概要・△3三角のときに、▲同飛成△同桂▲7七角打と指すべし
以下、棋譜↓

▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩
▲7八金 △3二金 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △8六歩
▲同 歩 △同 飛 ▲3四飛 △3三角
*ここから、竹部流が炸裂する
▲同飛成
*竹部「私はここではこの手が最善と信じています」
△同 桂 ▲7七角打
*狙いの一手
△8八飛成
*必然手
▲同 角
*竹部「▲同銀だと、7八の金が浮くのがいや、だから▲同角」
△2七飛 ▲2八飛 △2六歩
*竹部「弱気な人は、こう指しますよね?」
▲2七飛 △同歩成 ▲2一飛
*竹部「これで先手優勢なんです(^^)」

決勝リーグ7回戦 ▲GPSvs△ponanza 事実上の優勝決定戦
コメントは勝又さんのものです
(ギズモ注:しかし、この一局は、お互いにバグが出たようで、お互いに悪手があり、
 コンピュータの現状の問題点を露呈した一局になったようです)

後手:ponanza
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v玉v金 ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・v銀 ・v角 ・|二
|v歩 ・ ・v歩 ・ ・ ・v歩v歩|三
| ・v歩v歩 ・v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 ・ 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 ・ 玉 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 銀 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
後手番
先手:GPS

*GPSは1敗、ponanzaは2敗、事実上の優勝決定戦です
△6二銀
*後手のponanzaは、あえて定跡をはずしています
▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △3二金
*ponanzaは、プロの棋譜の前例がない形にして、GPSの評価関数(大局観)を狂わせようとしました
▲4四角
*見ていたみんな、驚きの一手!
*飛車が成れる、と言ってもねえ、なぜやっちゃったかというと、後手側が普通じゃない形だったからです
△同 角 ▲2一飛成
*解説の佐藤天彦くんは、「こう来てくれるなら、コンピュータと対戦してもいいな」と言ってました(笑)
△4一角
*ただ、形勢はけっこう難しいですね
*人間だったら、絶対▲4四角はやらないですね
▲7八玉 △2八歩
*ここ、△2三歩~△3一金も有力でした
▲同 龍 △9九角成 ▲8八銀 △9八馬 ▲2一龍 △8五歩
▲1一龍 △8四香
*ここは形勢は難しいです
▲9六桂
*これはなかなか面白い手でした
△8六歩 ▲8四桂 △同 飛 ▲8六歩 △同 飛 ▲8七香
*この手がバグだったらしい GPSは800台のコンピュータをつないでいるが、末端の読みの浅いコンピュータの読みが、なぜか返ってきてしまったみたいです
*ソフトというのは、常にバグとの戦いですからね
△7六飛 ▲7七歩 △5六飛 ▲4六香
*後手の飛車が詰まなければおかしいが、▲8七香がバグだったようです
△8六歩
*8七は歩だったら良かったんですけどね
▲同 香 △同 飛
*この時点で、先手のGPSの人たちは、お通夜みたいな雰囲気でした ああ、やっちゃった、とね
▲8七歩 △8五飛 ▲2三歩 △8二香
*これはいい手でした 次に△8八馬が狙いです
▲7九金
*ここで、次の手、△4五歩なら、何事もなくponanzaの勝ちで終わっていたはずなんです
*△4五歩▲2二歩成△同金▲同竜△4六歩、なら後手勝ちでした
△5六桂 ▲6六歩
*この後、後手に、重大な、機械学習らしい読み落としが出ます
△8七馬
*ここでも、とにかく△4五歩でした
▲同 銀 △同飛成 ▲6七玉 △4八桂成 ▲同 金
*コンピュータ将棋の評価関数(大局観)で、最も大事なのは「玉の位置」、プロの将棋の棋譜をお手本にしているので、プロの将棋の棋譜にない、この▲6七玉vs△居玉という位置、この局面の正確な形勢判断ができなかったんです
△5九銀
*後手のponanzaは、先手玉に寄せあり、と勘違いしてしまいました ここからの指し手は、アマ有段もないくらいです 
*この手はポカです
▲5八金 △5五歩 ▲5九金
*タダで銀を取られてしまいました
*米長会長の、2手目△6二玉がボンクラーズの評価関数を狂わせたように、▲6七玉の形がponanzaの評価関数を狂わせました
△2一歩
*以下、先手玉に寄りつきがなくなりました
▲同 龍 △4五歩 ▲2二歩成 △同 金 ▲同 龍 △4六歩
▲5四桂 △5二金 ▲7二銀 △6一香 ▲2四角 △5三銀打
▲3一金 △2三角
*ここは、後手はもう指す手がなかっただけです
▲同 龍 △1四歩 ▲4一金 △同 玉 ▲3二角 △5一玉
▲2一龍 △3一金 ▲同 龍
*先手GPSの勝ちになりました
*評価関数の弱点が出た、今後の課題になる一局でした

これで第22回コンピュータ選手権の勝又さんのコメントのまとめを終わります
決勝リーグ7回戦 ▲ツツカナvs△Puella α
勝又さんのコメント (私の補足はカッコの中に書いてます)

後手:Puella α
後手の持駒:飛 歩二 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・v金v玉 ・ ・v香|一
| ・ ・ ・v銀 ・ ・v金v銀 ・|二
|v歩 ・v桂v歩v歩v歩 ・ ・ ・|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 桂v飛v歩|四
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ 角 ・ 桂 歩 歩 ・|六
| 歩 歩 桂 歩 歩 歩 ・ ・ 香|七
| ・ ・ 金 ・ 玉 銀 金 ・ ・|八
| 香 ・ 銀 ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩三 
後手番
先手:ツツカナ

*(▲7五同歩までの局面 後手の手番)
*飛車角交換だけど、桂得している先手がいいのかな、と思ったんですけどね △3三銀には▲7四歩、という感じですね しかし、ここからPuella αが力を見せた一局です
△1八飛
*この飛車、2二の銀が取れるので、死にそうなんですけどね 読みが入っていたのです
▲2二桂成 △同 金 ▲2八銀
*次に▲1九歩でゲームセットですから、どう指す
*のかなと思ったんですけどね
△3七歩
*これを金が下がると△2七歩があった 下がったほうが良かったかもしれませんがね
▲同銀左 △4五桂 ▲4八銀 △3七歩 ▲3九金 △2六飛
▲2七歩 △3八歩成 ▲同 金 △3六飛
*まだ後手が攻め切れるか、私にはわからなかった
▲3七歩 △同桂成 ▲同 金 △2八飛成 ▲3六金 △3九銀
*これで、先手の持ち駒が悪く、受ける駒がないんです!
▲4九飛 △4八銀成 ▲同 飛
*しかし、これでどうするのかと思ったら・・・
△3九龍
*詰めろ、金取り!
▲4九飛 △3六龍
*(おそらく、ここまで読んで△1八飛を打ったものと思われる、すごい!)
▲2二角成 △3八銀
*これで、ニブイ私にも、この後手の攻めが続くことがわかりました 飛車の逃げ場所が難しい
*わけのわからないうちに攻めが続いている、という、コンピュータ将棋の特徴です
▲3二銀 △5二玉 ▲4三銀成
*△同玉は▲5五桂で詰みです
△6一玉 ▲8三角
*綱渡りの受けです 4七の地点を受けている
*もし△7二金合なら、▲8四桂△4九銀▲6九玉で、先手の勝ちなんです
△7二歩 ▲6九飛 △8二歩
*これがまたいい手でした
▲5六角成 △4二歩 ▲2八金 △3七金
*以下、後手陣は安泰、そして後手の攻めが続いて、後手の勝ちになりました
*Pella αが、第1回電王戦で見せた力を存分に発揮した一局でした
決勝リーグ6回戦 ▲GPSvs△Pella α
コメントは勝又六段のものです

後手:Puella α
後手の持駒:銀 歩 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・v角v金v玉 ・|二
|v歩 ・ 歩 銀 ・v金v銀v歩v歩|三
| ・ ・ ・v歩v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・v桂 ・ ・ ・ 歩 歩|五
| 歩 ・ 銀 ・ 歩 ・ ・ ・ ・|六
| ・ 歩 角 金 ・ 歩 歩 ・ ・|七
| ・ ・ 金 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 ・ 玉 ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:桂 歩 
先手:GPS

*(△6五桂までの局面、先手GPSの手番)
▲6六角 △7七歩
*ここが山場です 金取りなので、逃げてどうかと言う局面 しかし、次の手、昔のコンピュータなら絶対指さない手を指しました
▲7二歩成
*これは驚きです 駒損する手ですからね
*それに、コンピュータは金の価値を高く設定してあるのにも関わらず、ですからね
△7八歩成 ▲同 玉 △9二飛 ▲7三と
*じっと引いて、次の▲8三と、を狙っています
△7七銀 ▲同 角
*▲同角!なんです 普通、▲同金なんですけど、それだと、以下△同桂成▲同角のとき、△6五歩が味がいいんです それをちゃんと読んでいるんです
△同桂成 ▲同 玉 △6五歩 ▲7八桂
*これがまた、いい受けでした
*これで、以下、先手のGPSが大優勢になりました
*しかしその後、後手に入玉され、先手の時間切れ負けで、
*後手Puella αの勝ちになりました 総手数、226手でした

あとの2局は、明日載せる予定 あくまで、予定です 書かないかも(^^;
コンピュータ将棋選手権、勝又さんの解説を抜粋して載せます(全4局の予定)

決勝リーグ2回戦 ▲GPSvs△習甦
コメントは勝又六段のものです 私の補足は(カッコ)の中に書いてます

後手:習甦
後手の持駒:桂 歩二 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・v金v角 ・ 全 ・|二
|v歩 ・v桂v銀v歩 ・ ・ ・v歩|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・|五
| ・ ・ 銀 歩 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ ・ ・ 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ ・ 金 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 玉 銀 ・ ・v龍 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 金 歩三 
先手:GPS

*(今、50手目で△2九飛車成までの局面、先手の手番)
*次の手は並みの人なら▲3二成銀です
*しかしコンピュータは並みじゃないんです
▲9五角
*とつぜん角! 素人じゃないんだから、何かなと思ったら・・・
△6二金 ▲1一成銀
*成銀はこっちへ使うんですね
△9四歩 ▲8四香
*これが打ちたかったんですね
△7七歩 ▲同 桂 △8三桂 ▲2一成銀
*次に後手が角を取れば、▲7五桂の狙いです
△7五歩
*敵の打ちたいところへ打てです
▲5五桂
*これがまた好手 駒がいっぱい当たっているのは、人間だと大変ですけど、コンピュータにとっては読みやすいのです
*▲6三桂成~▲8三香成~▲7二銀の狙いがあります
△7二銀
*(ここは、後手、手が広いところだった △7四銀でも▲8三香成以下、先手の攻めが続く、と激指定跡道場2の検討モードで出た)
▲7四歩
*今回の選手権の終盤の中で、一番感心したのがこの将棋です
△9五歩 ▲7三歩成 △同 銀
*まだ後手を寄せるのは大変と思っていたんですけどね
▲6三桂打
*ここに桂を打たれてみると、なるほど、後手玉がせまくなりました
△6一玉 ▲8三香成 △同 飛 ▲7一金
*ベタ金です
△5二玉 ▲4四桂 △4一玉
*竜で成銀が取れるので、まだ後手玉は寄らないと思っていたら、次の手がいい手でした
▲7二金
*これがいい手でしたね~
△同 金 ▲4三桂成
*これで、5二と3二、桂成が両方は受からないんです
△2一龍 ▲5二桂成 △3一玉 ▲4二成桂寄△2二玉 ▲3二成桂上
△同 龍 ▲1一角
*カッコイイですね 玉を逃げれば、▲3二桂成△同玉▲2二飛から、7二の金が取れます
△同 玉 ▲3二成桂 △2一銀 ▲3一飛 △2二金 ▲2三歩
△3二金 ▲同飛成
*以下、総手数113手まででGPSの勝ちになりました

第22回 世界コンピュータ将棋選手権
解説:勝又清和六段
聞き手:上田初美女王

先週の土曜に囲碁将棋チャンネルで放送された特別番組

開催日は、2012年5月3日~5日の3日間
参加数は全42チーム 1次予選、2次予選、決勝リーグからなる 持ち時間はすべて25分切れ負け
1次予選は26チーム(シードを除く)上位8チームが2次予選進出 7回戦制 初参加は7チーム
2次予選はシードの16チームを含む、24チーム 上位8チームが決勝リーグ進出 9回戦制
(2次予選の仕組みに、私の書き間違えがあったので、訂正しました(^^;)
決勝リーグは8チーム、総当りの7回戦制

決勝リーグの結果↓ (5位までが来年の第2回電王戦の出場権を獲得)
1位 GPS (ゲームプログラミングセミナーの略) 6勝1敗 
2位 Puella α  (プエラアルファ 旧名ボンクラーズ) 5勝2敗 
3位 ツツカナ 4勝3敗
4位 ponanza 4勝3敗
5位 習甦 (しゅうそ) 3勝4敗
6位 激指 (げきさし) 3勝4敗
7位 YSS 2勝5敗
8位 Blundar 1勝6敗

勝又六段のコメントを列挙
・第2回の電王戦は、5vs5の団体戦、2013年に予定されている
 この大会の上位5つが出場できる プロ側は船江五段は決定、あとの4人は未定
・激指の指し方が一番人間に近いと言われている
・今年から決勝リーグのシード枠(3つ)が廃止された 
・昨年準優勝の本家Bonanzaが2次予選で5勝4敗で敗退した
 (本家Bonanza自体もかなり改良されていたにもかかわらず)
 これにはプログラマーのみなさんが、ショックを受けていた 
 振り飛車党が藤井九段にあこがれているように、プログラマーはBonanzaにあこがれているのでね
・上位陣が強かった
・どのソフトも底上げされた印象
・Bonanzaメソッドが公開されて約6年が経つが、今はすべてのソフトが機械学習を取り入れている
・今のソフトの強さは、とにかくBonanzaの影響が大きい
・GPSは800台のマシンをつないでいるので、起動させるテストで一時間半かかった(笑)
・GPSは安定していた強さを見せた 2次予選で6勝1敗、決勝リーグでも6勝1敗だった
・(すべて解説し終わった後)25分切れ負けでこの内容なので、1分将棋だったらもっと強い

(2次予選でまさかの敗退を喫した)Bonanzaの開発者、保木さんのインタビュー
保木「いや~、みなさんとっても強かったです 入玉という戦型があるのですが、それが苦手な
 ところをツツカナさんに見事に突かれ、負かされた
 決勝シード枠を廃止したのは、みんな実力が拮抗しているので、いいことと思う」

優勝したGPSの金子さんのインタビュー
金子「権威ある大会で優勝できてうれしい
 プロ棋士と戦う棋譜は、文化として後から財産になると思う」

準優勝したPuella α(プエラアルファ、旧名ボンクラーズ)の伊藤さんのインタビュー
伊藤「ボンクラーズという名前は気に入っていたのだけど、失礼だ、という声があったので改名した
 準優勝という結果は、本当にラッキーだった 
 プログラム改良のアイデアはまだあるので、開発を続けていきたい
 現役プロ棋士との戦いは、非常に楽しみ」 

佐藤天彦七段のインタビュー
天彦「もし自分がどれかと対局するのだったら、ツツカナが面白そう、
 人間的なところがありながらも、終盤が非常に強い
 対照的なのはGPS、コンピュータらしく人間には理解しづらい攻めを通してしまう
 それと、電王戦で実績のあるPuella α 
 実際に対局するとしたら、個人的には、もはや早指しでは厳しいかな
 公式戦と平行してコンピュータと指すのは、プロにとって負担になると思う
 徹底的に準備して、相手の弱点を研究しないと、厳しいと思う」

明日は棋譜を載せようと思っている 思っているだけで、やらないかもしれない(^^;
第20期 銀河戦
本戦Hブロック 10回戦
藤井 猛九段 vs 中田宏樹八段
対局日: 2012年5月1日
解説:三浦弘行八段
聞き手:上田初美女王
記録:井道千尋女流初段

土曜に放送された銀河戦 藤井の登場だ
平成23年度の成績は、中田11勝17敗 藤井15勝20敗 2人の対戦成績は藤井の4-3

解説の三浦「中田は居飛車の正統派 性格そのままで、まっすぐな将棋
 藤井は私の兄弟子で、おもしろい人 対局前、厳しい表情をしていたので、話しかけづらかった
 今回は後手なので、角交換振り飛車にするんじゃないか」

先手中田で居飛車 藤井はなんと角道を止め、ノーマル四間飛車!
▲4六銀右急戦vs△3二金型四間飛車、という図式になった

聞き手の上田「私はノーマル四間飛車を子供の頃ずいぶん勉強したので、
 藤井さんが四間に振ったとたん、涙が出そうになりました」
三浦「それは大げさとして」
ここは笑えた
上田「私はこの居飛車vs四間飛車を、数百局、ヘタをしたら何千と指しました」
へえー ものすごい数を指したんだね

序盤、三浦の解説、すごくわかりやすいー さすがA級棋士、知識がすごいわ

さて、序盤までは良かったのだが、中盤以降、私がすごく眠くなってしまった
昨日、ひさしぶりに、3時間ほど肉体労働(草刈り)をしたからだ
とても疲れていて、眠くてしかたがない うーん、もうだめだー ・・・ZZZZ・・・

結果、120手で後手藤井の勝ち! すいません、もうこれで終わらせてもらいます

同じ土曜に、コンピュータ選手権の勝又の解説があったのだ そっちに集中します
明日、その記事をUPします
甲斐智美 女流四段vs野月浩貴 七段
解説 遠山雄亮

おっ、矢内、紺の色の、シスターみたいな服を着てる 胸元には十字架のペンダントだ
さあ、今日はいよいよ女流の登場、期待してしまう 
勝ってほしいとまでは言わない、いい勝負になれば・・・!
なぜか見ているこっちが緊張してしまう ドキドキする うー、楽しみだ

甲斐は1997年にプロ女流棋士デビュー、女流枠決定戦で上田初美に勝ち、NHK杯は2回目の本戦
野月は1996年四段、竜王戦2組、順位戦B2 予選で大平、吉田に勝ち NHK杯は9回目の本戦

解説、遠山さんか 遠山、背が高い! 年鑑で調べたら、183cmだ
へー、ヒゲをはやしたんだね 遠山、紹介されたとき、なぜかアゴがあがってた(^^;

遠山「最近、NHK杯で女流が勝てていない、しかし甲斐さんは女流の早指し戦でいい成績を
 あげているので、期待される」
そうだよね、いい将棋を見せてほしいと切に思う 
もう10年くらい前、中井さんが活躍したとき以来、女流はほとんど勝ってないのでは?
それも、どれも女流のボロ負けという印象が強い 甲斐さん、がんばれ~

遠山「甲斐は振り飛車党、受身で渋い棋風 粘り強く指し、混沌とした中で勝機を見出す
 振り飛車党らしい感じがする
 野月はそれとは全く対照的、居飛車で攻め将棋、切った張ったでバンバンいく
 若手のリーダー格で人望があり、慕われている」

事前のインタビュー
甲斐「野月は一手一手に緊張感があり、華やかな将棋
 (NHK杯の目標は)この対局でベストを尽くしたい」
聞いていた遠山「甲斐は大きいことを言わない、謙虚で人柄が表れている」

野月「甲斐は非常に序盤からしっかりしていて、いい将棋を指す
 今年の頭くらいに初めて甲斐と指したが、そのときは終盤まで形勢が悪くて、
 読みがしっかりしているな、という印象だった
 (NHK杯の目標は)一局でも多く指せるように、がんばります」
聞いていた遠山「講座のときの快活な感じと違って、緊張しているかな、という感じ」

遠山「甲斐はどの筋にでも振る、野月は居飛穴が得意なので、じっくりした戦型になるんじゃないか」
さて、いよいよ対局開始! 先手甲斐で、早石田模様  
そこから、お互いに乱戦はさけ、持久戦になった 長い序盤だ

NHK杯、いつものことだが、なかなか解説が始まらない、もっと早くに解説を始めてほしい
銀河戦なら、10手以内くらいから解説が始まるのにね
 
▲石田流本組み+ダイヤモンド美濃vs△居飛穴、という図式 
遠山「(遠山は振り党)私なんかだと、居飛穴に組まれて、ちょっとつまんないな、と感じるが、
 甲斐はじっくりした棋風なので、自分の棋風に沿った指し方」
矢内「先手の囲いも、固いですね~」
遠山「甲斐は矢内さんと同じく、奨励会に属していたことがあるので、そのときの経験、苦労が
 指し手に出ているところがある 簡単には崩れない」

そうなのか、甲斐さんは奨励会に所属していたことがあったのか 
今日は終局までは長そうだ、甲斐さん、粘ってよ~

遠山「甲斐はモバイルのほうで、コラムを担当していたことがあり、
 すごく大人びたような、詩のような独特の文章を書いていて、話題になった」 
そうなのか 私はこのブログを書き始めてからというもの、
あんまり他の人のHPやブログを見なくなってしまった 知らなかったな

さあさあ、どこから戦いが始まるか・・・
矢内「お互いに相手に動いてもらいたい、という感じでしょうか」
遠山「後手も受身ですからね」

しかし、まだ駒がぶつかっていないのに、ここに至るまで、甲斐は4甲斐も、
間違えた、4回も考慮時間を使ってるぞ 大丈夫かい?
遠山「ちょっと心配になるが、いつもの甲斐のペース」

戦いが始まらないので、ちょっと雑談になった
遠山「野月には非常にお世話になっていて、お礼のしようもないくらい」
矢内「ちょっと何か訊くと、ものすごい量が返ってきますからね」
野月に世話になっている、という後輩の棋士、すごく多いね 
他の棋士からもしょっちゅうその話を聞くよ 
仲間内で旅行に行くとき、幹事の役をしてくれたりするらしい

まあー、それにしても、すごい持久戦になったな 今日は放送時間がいっぱいまでいくか?
遠山「お互い、あまり見ないくらい固いですねえ 
 野月は指し手に形勢の良し悪しが出る、いいときは『もらった!』という感じで来る」

そう、そして、野月は早指しで有名なのだ 考慮時間をあまり使わず、どんどん指してくるタイプ
銀河戦でそういう野月を見ている 野月が時間を使いだしたら、形勢が思わしくない、ということだ
甲斐、はたして、野月に時間を使わせることができるか?

と、思ってたら、甲斐、3筋から仕掛けた! ようやく駒がぶつかったか
さてさて・・・ って、あらら、角をぶつけられちゃった! え、これは甲斐はどうなんだろう、
想定内か? お互いに馬を作りあい、もう終盤だ 中盤が5手くらいしかなかったな(^^;

遠山、色々な手を解説してくれている
遠山「やってはいけないというのは、▲7四歩ですね ▲7四歩は絶対やっ・・・ あっと」
甲斐の手、▲7四歩だった! だあ~、大丈夫か!?
遠山「狙われてる飛車をさばく意味ですね、指されるといい手というのはよくあることですね(^^;」
ドタッ そんな解説ありか(笑)
それはそれとして、甲斐、もう時間がない! 考慮時間、残り▲1回vs△9回まで差が開いてしまった
こ、これは厳しいのでは・・・

そこへ、野月の絶妙の歩の垂らしがキターーーー 遠山ですら、意味がわからなかった垂らし
甲斐の金が守備から遠ざかってしまった 馬での金取り、受からないではないか!
野月陣は、まだ全く手付かず! 正直、この時点で勝負はあった もうだめぽorz

遠山「甲斐の表情からは、困ったな、という感じが見受けられる 
 野月の手、参考になる手筋でしたね スッと、一瞬の出来事でリードしましたね さすがの手順」 

あとは、野月の寄せを見るばかりだけど、どうやるかな
おお、そっぽの金には目もくれず、一気に玉を攻めていったか き、厳しい
もう甲斐に粘らせないつもりだ さ、さすがに強い 甲斐のダイヤモンド美濃、あっという間に崩壊!

いったん手を戻し、香を補充した手が詰めろ、になってたのか わわわ、つ、強い、格が違うわ
甲斐、何もできず、86手までで、完敗 野月は考慮時間を9回残しての圧勝 
番組開始から、わずか58分 ・・・orz
考慮時間の残りが▲0回vs△9回、これがそのまま、野球のスコアの0対9みたいに見えた

今年も女流、恒例のボロ負け もうね、なんとも、言葉がないわ
さあ、まだ番組終了まで30分あるから、今からもう一局指せるんじゃないの?
もう一局いこう、今のは、なしで! 今のは練習! 次が本番!

遠山「いや~、野月さんの一瞬の切れ味にはびっくりしました、さすがの指しまわしでした
 甲斐さんは持ち味が出なかった」
冒頭の紹介での「甲斐は渋く、粘り強く指す」のはというはどこへやら ああー

感想戦、野月「初手▲5六歩なら、相振りにするつもりだった」
そうかあ、甲斐の▲7六歩が敗着かあ ・・・って、そうじゃないけど、そうも思えてしまうorz
検討は序盤をみっちりやってくれて、けっこう面白かった 30分、最後まで観た
でも、違う将棋の検討だよね これがホントの見当違い

はぁ~、今年も女流のボロ負けだったか まあね、出場決定者を決める将棋を観ていれば、
こうなることはわかっていたんだけどね やはりガックリとくる

もうどうだろう、女流枠はなくす方向でどうだろうか
これだけ力に差があるのだから、戦ってもしかたがない
もう女流枠はなくしてしまって、純粋に男だけのトーナメントにするのだ
そして、女流のNHK杯を始めるのだ 女流棋士16人くらいのトーナメントでいいだろう
どうだろうか、米長会長、どうにかなりませんかね? ぜひ検討してほしい 頼みます
2012.07.07 ガリガリくん
「ガリガリくん」を食べ過ぎて、太った
第20期 銀河戦
本戦Gブロック 10回戦
谷川浩司九段 vs 鈴木大介八段
対局日: 2012年4月17日
解説:広瀬章人七段
聞き手:山口恵梨子女流初段
記録:野田澤彩乃女流1級

平成23年度の成績は、大介15勝15敗 タニー10勝17敗 2人の対戦成績は、6-6
大介は豊島に勝ち タニーは予選シード タニー、不調だな~ 勝率3割4分か

お、聞き手の山口女流、ピンクの派手な服、似合ってる 
若いんかだら、このくらいの色の服でもいいね 解説は広瀬か 豪華だ

広瀬「大介は振り飛車御三家の一人(他は藤井、久保) ちょっと前は居飛車も指していたが、
 最近はまた振り飛車に戻った 後輩の面倒見のいい人 早指しが強い
 大介には、将棋を何局も教えてもらったり、食事につれていってもらったことが、
 10回や20回では足りないくらいあった

 タニーは光速の寄せ、詰将棋を作るのを趣味としている 終盤はプロから見ても参考になる
 タニーがスパッと斬るか、大介が長手数で粘り倒すか」

先手大介で、早石田 対してタニーは△3四歩のあと、飛車先を突いていく指し方
広瀬「▲7六歩△3四歩▲7五歩に対し、△8四歩~△8五歩とするのは、
 居飛車側の対策としては、王道と呼ばれている」

さて、角交換から▲美濃vs△居飛車持久戦、よくある形だ
タニーが△5四角と筋違い角を打ったまでは良かったが、
大介の桂に▲8五桂、と、一歩取られながら、さばかれてしまった

結局、それが最後まで響いた、との広瀬の解説

大介は竜と馬を自陣に引きつけ、金銀4枚に香、底歩を打ち、鉄壁を築いて、
あとは、と金で攻めて、全く危なげなかった
手数が長引いたが、大介の勝ち 125手、大介の快勝だった 

ああー、タニー、元気なく破れてしまった・・・orz
タニー、理事の仕事が忙しいのが、モロに成績に出てしまっているね もう仕方ないか
竜王戦も2組から3組に落ちてしまっているからね 順位戦のA級だけは、なんとか死守してもらいたい

タニー、4月に岡崎将棋祭りに来たときに、
「理事になってわかったことは、今までが、対局のことだけ考えていれば良くて、恵まれていたなと」
と言っていたからね

さて、雑談での山口女流のトークが、いつもながら面白かった
山口「阪神ファンは谷川ファンというイメージがあります」
広瀬「谷川ファンは阪神ファン、というイメージもあるかもしれませんね」
山口「巨人ファンは鈴木ファンでしょうか?」
広瀬「いや、それはないと思うんですけどねー」

広瀬「先手は、美濃囲いに組めるかどうか、ですね」
山口「できれば王様をワープしたい」

山口「広瀬先生は、早稲田大学で、谷川全集を読んでいたというイメージがあります」
広瀬「ちょうど、読んでいたころでした」
山口「けっこうあの本、重いですよね」

山口「谷川先生は、悠然(ゆうぜん)と指すのを心がけている、と言っていたのを、
 昔の本で読みました 谷川先生が10秒将棋を指すといやはり悠然と指すんでしょうか
 女流棋士が10秒将棋を指したら、大変なことになります
 道場のおじさんみたいになります」

山口「広瀬先生は、穴熊王子、でしたっけ」
広瀬「穴熊王子でした、過去形で(^^;」
山口「今は穴熊王、ですね」

こんな感じで、面白かった どこかピントがずれている発言をしてくれる
山口女流、貴重な存在だ これからも珍トークで楽しませて欲しい
第20期 銀河戦
本戦Fブロック 10回戦
木村一基八段 vs 中村 修九段
対局日: 2012年5月16日
解説:阿部 隆八段
聞き手:村田智穂女流二段
記録:伊藤明日香女流初段

土曜に放送された銀河戦
平成23年度の成績は、中村修15勝18敗 木村16勝14敗 2人の対戦成績は、木村の4-2
中村修は前局で飯島に勝ち、木村は予選シード

解説の阿部隆「中村は若くして王将のタイトルを取り、今はベテランの域だが、
 現在の地位を保っている(竜王戦4組、B2)  受け将棋で、昔は受ける青春の異名を持つ頃もあった
 今は棋士会で、副会長をやっている 人望がある
 
 木村はA級在住が長く、将棋界の実力者 受け将棋で、千駄ヶ谷の受け師と呼ばれる
 木村は四段になったのが24くらいで、遅かった
 早くに四段にならないと、A級棋士にはなれない、という風潮を、自らの努力で打破したのがすごい」

先手中村修で、木村は4手目角交換だ 後手一手損角換わりになった
そこから中村修が趣向に出た 銀を2七まで移動させてから、向かい飛車に振って、
向かい飛車+銀冠に組んだ ▲向かい飛車+銀冠vs△居飛車だ
阿部隆「これは康光が指していた ほとんどマネする人はいない」

中村修は、さらに玉を固めようと、銀冠穴熊に組んだ これがこの一局、完全に裏目に出た
阿部隆「正直申し上げて、もう先手からの打開は難しい」
阿部にこう言われてしまった(^^;
阿部隆「もう後手からは動きませんからね 千日手がありうる」
あーあ、千日手模様の手探り将棋か、まだ駒組みが続くのかな・・・

ところが、なんと、仕掛けたのは木村のほうだった! 9筋と角の打ち込みで、手になるか?
危険なことするなー これは、バクチだ
阿部隆「思い切った手ですよ 失敗したらひどい 
 そんなに急いで打開しないといけない局面ではなかったが、どうなるか」

木村、すごい早指しで飛ばしている いや、中村修が時間を使いすぎなのか?
考慮時間の差がどんどん開いているが、大丈夫か

木村、自玉の桂をビシッ!と跳ね出し、勝負、勝負とくる うおー、すごい勢いだ 
阿部隆「一か八かですね(笑)」
聞き手の村田「すごい攻め将棋ですね(笑)」
阿部隆「木村さん、人が変わったようです」

その迫力に押されたのか、中村修、また考慮時間を投入するハメに、
なんと▲0回vs△9回 ここまで開いてしまった 修ちゃん、大丈夫??

・・・したらば、修ちゃん、大丈夫じゃなかった! 木村の跳ねだした桂をタダで取ろうと、
自陣に角を投入したのだが、これが最悪の手だったようだ(感想戦による)
桂がタダで取れるどころか、その桂が大活躍するハメに!

阿部隆「これは、木村の攻めが手になりました、はっきり手になりました
 中村さんでも、しのぎきれないんじゃないか この穴熊は、すごくもろいですよ」

そのあと、木村にビシビシ攻められ、修ちゃん、何もできず、ド完敗!!
手数をかけて桂を取りに行って、取れなかったのだから、プロ的には相当まずい指し方だった

74手で木村の圧勝 番組開始から1時間かからずだ 木村は考慮時間を7回も残していた
うーーわ、これはひどいわ 木村陣、まっっっったく手つかずだ ひどい投了図・・・

阿部隆「木村の剛腕、猛攻だった」

感想戦が20分だったのが、まだ救いかなあ 銀河戦は、感想戦が最長で20分だからね 
NHK杯なら、30分、感想戦をやらないといけないところだ

中村修「穴熊にしておけば、100手以内で負けることはないだろうと思っていたのに、おかしいな」
この自虐のギャグが、さみしく聞こえた まさに、ボロボロの負け(^^;

終局の手数が74手、序盤で穴熊に囲った手が長かったんで、戦ったのは実質30手くらいか
修ちゃんにとっては、これがNHK杯じゃなくてよかった、ということしか、もうかける言葉がないね
クマって負けると、ひどい投了図になることがある、その典型だった
アナグマ、組むほうも、組まれるほうも、気をつけよう、ということだね・・・

一方、木村のほうは、勢いを感じさせた いいね
後手から打開し、勝負、勝負と迫る、早指しで気迫があり、この一局の勝因になったね

ところで、名前のことだけど、中村修は、同姓に中村太地と中村亮介が居るので、
いちいち中村修と書くのがめんどうだ ついつい、修ちゃん、と書いてしまった
阿部隆も、同姓に阿部健治郎と、阿部光瑠がいるので、フルネームで書かないといけない
どうにかならないか どうにもならないね
井上慶太 九段vs島朗 九段
解説 南芳一

矢内、髪がツヤッツヤだ どうすればこんなにキレイな髪になるんだろうか
今日はベテランどうしの対決か 元気のいい将棋が見たいが、どうかな
解説に南さんか 元気のいい解説が聞きたいが、南さんではどうかな・・・?(^^;

井上は1983年四段、竜王戦2組、順位戦B1 予選は免除 20回目の本戦出場
島は1980年四段、竜王戦1組、順位戦B2 予選で塚田、中村亮介に勝ち 28回目の本戦出場

解説の南「井上はシャープな将棋、バランス感覚に優れている
 島は思い切りのいい攻め将棋 似ているがちょっと違う2人」

事前のインタビュー
井上「島は、手厚い本筋の将棋 初戦をなんとしても勝てたらな、と思います」

島「井上との対戦成績は、私が少し負けていると思います(井上の9-6)
 年代が近いので、戦っていて安心感がある 自分と共通する、何かを感じる
 一戦必勝、しっかりやりたい」

先手井上で、島は一手損角換わりの作戦 そこから四間に振って、井上の攻めをけん制する形
そこそこ出てくる、定跡形だ 南「けっこうよくある形」
島さんは、「島ノート 振り飛車編」の著者だから、こういう振り飛車モドキも指せるよね
井上さんは、この形の後手側を持つことは、あまりないように思う

解説が南さんなので、あまり雑談もなく進んで行く(^^;
矢内が質問、それを南さんが答える、という感じだ

4筋で早々に銀交換、島が馬を自陣に引く展開
南「意外と持久戦模様になりそう」 
矢内「島はシンプルに、わかりやすく指してますね 島はそうとう積極的に指している感じですかね」
南「そうですね」
すごいのは、島の早指しだ ビシンビシンとすんごい早指し 考慮時間の10分をまだ丸々残している

島が△3七銀と打ち込んだときは、思い切り駒音が響いた バシッ!!
そして△3五歩の垂らしで、と金の活用を目指す島

矢内「形勢はどうでしょうか」
南「両方、自分のほうが指せると思っているんじゃないでしょうか」

井上の方としても、桂は取れたし、▲7三歩の利かしも入った
南さんの言うとおり、まだまだ形勢は難しいんじゃないのかな?
・・・と思っていたら、島のと金が、にじり寄ってくる なんか、あれよあれよという間だ
あれあれ? おかしいですよ? あれあれ? これは島が寄せに入ってる?
井上陣、けっこうピンチ? あれれ? 飛車を成りこまれ、遠く馬が玉頭に絶大に利いてる 
ええ? もう大ピンチ? 何か受けがあるのか・・・

井上、▲9八角! おおー そうかあ それでまだ粘るかあ
南「△9九角が発生してしまいますね」
どええー 何それ、▲9八角は受けになってない!

画面に、井上さん、頭を横に振って、手で額を強く2回叩く姿が映し出された そしてうなだれた井上 
「なんでこんなに悪くしてしまったんだ」という姿だ うわーー、これはもうダメだわ 
南「△3七銀の打ち込みから、と金を活用したのが大きかったのかな と金が存分に働きましたね」
今度は、天井を見上げ、遠い目をした井上 うわ、もう完全にダメだわ(^^;

以下はあっさり寄せられ、86手で島の勝ち 島、完勝 ・・・って、なんじゃこりゃー
これで一局が終わりか 井上、全く見せ場を作れず! えー、これじゃ、将棋を観た気があまりしない 
島は考慮時間を、なんと7回も残していた
南「井上はちょっと不出来な将棋でしたね」

感想戦で、開口一番、井上「いや~バカだったな~」
井上「いや~ アホみたいな将棋を指しました もう~
 こんな将棋にするつもりじゃなかったんですけどねー 手拍子でした」

おいおい、どうするんだ、感想戦の時間が30分もあるぞ こりゃ、とても付き合いきれないわ
早回しで感想戦を観たけど、なんと、島は64手目の△3五歩の局面、
まったく同一局面で、過去に指したことがある、とのこと! なんじゃそりゃー
島「そうじゃなきゃ、こんなに早く指せないです」
それにしても、消化不良の将棋になってしまった 井上さん、残念無念
島さんにしても、事前の経験で勝ったようなものだったね あー、観ていて残念だった 

来週は、甲斐女流vs野月、いよいよ女流の登場だ これは注目だ もう来週に期待しよう

ところで、NHK杯の公式HP、今日はもう棋譜が更新されている ↓
http://cgi2.nhk.or.jp/goshogi/shogitou/
普段は月曜にならないと更新されてないんだけどね 
私にとっては、このブログを書くときに、非常に便利なので、
今回のように早く更新してくれたら、すごく助かる 
担当者様、これからもよろしくお願いします(^^;