2012.11.25
阿久津主税 七段vs森内俊之 名人 NHK杯 2回戦
阿久津主税 七段vs森内俊之 名人 NHK杯 2回戦
解説 佐藤康光 王将
矢内、今週の服は普通でいいんだけど、やはり地味な感はいなめないなあ なんでだろうなあ(^^;
阿久津の髪型、これが寝癖でないことが、やっと私にもわかるようになった カッコイイ
解説には、康光が今期2回目の登場! やったあ(前回は阿部光瑠vs郷田のときの解説)
阿久津は1999年四段、竜王戦2組、順位戦B1 1回戦で平藤に勝ち NHK杯は8回目の本戦出場
森内は1987年四段、竜王戦1組、18世永世名人資格保持者 1回戦はシード 24回目の本戦出場
解説の康光「阿久津は相手を意識しながら作戦を立ててくる 華々しい将棋で、早見え
楽しい将棋が見れるんじゃないか
森内は自分が指したい戦型を指してくる 慎重な将棋だが、主導権を取るところでは積極的
受けが強く、バランスの取れた棋風
この2人では、戦型は予測不能、両者ともにどういう将棋も指しこなす」
事前のインタビュー
阿久津「森内名人は、TVを見ている方はご存知だと思いますが、言わずと知れた実力者で、
私が今さらコメントするようなこともないかなあ、と 非常に強いイメージを持ってます
思い切ってぶつかっていくだけ、自分らしい将棋が指せればいい」
森内「阿久津はとても鋭い、踏み込みがいい将棋 自分も負けないようにしっかり踏み込んでいきたい
久しぶりのNHK杯なので、見ている方に喜んでいただけるような、面白い将棋を指したい」
先手阿久津で居飛車、後手森内の作戦は、なんと後手無理やり矢倉だった
へえ~ こんな作戦を名人が指すんだ B級戦法っぽいけど、うまくいくのか?
すると序盤、駒組みで阿久津がすばらしい構想を見せた
右四間にするのかと思いきや、▲4八飛を指さずに保留したのだ
3手角で▲3七角型を作り出し、その角を▲4六角と活用する手順
これで2筋にピッタリ照準が合ったではないか! う、うまい!
森内の無理やり矢倉の欠点を見事に突いたね まずは阿久津がポイント先取だ いいぞ~、阿久津~
(ちなみに、私は今回は阿久津の応援だ
後手の「無理やり矢倉」なんていう、弱気な戦法を打ちのめして欲しいからだ)
森内も9筋の端を攻め、阿久津はどうするか、だ
康光「阿久津は、少しポイントを奪って、いったん受けにまわるのではないか」
と言っていたが、阿久津は考慮の末、9筋を完全放置で、強襲に出た!
2筋に歩を合わせる阿久津の手、ビシッ!としなった おおー、行けるのか
これで攻め潰せれば、話が早いんだけどね
阿久津は2筋を破り、森内は9筋を破った 一直線の攻め合いだ
矢内「すごいですね 真っ向から潰しに行っている」
康光「お互いに殴り合っている感じでね こんなに単純に(先手の攻めが)来るっていうのは、
森内も意表を突かれてると思う」
一本道の手順が続いて、阿久津は後手玉を手順に追っていっている
形勢は・・・私にはさっぱり(^^; 阿久津が追いすぎにも見える、しかし捕まったら後手負けだしね
矢内「先手の攻めが快調に見えます」
康光「素直な感性で(笑) 私は先手を持って、自信がない」
阿久津の攻めvs森内の受け、まさに事前に言っていたとおりの展開だ
しかし、康光はどうも、後手持ちのようだ
理由として、先手の攻めの手は限られているが、後手は受ける手が広い、これがあったと思う
康光「△7一銀と引くのは、(先手の攻めが)逆に速くなってしまう可能性が高い」
しかし、森内の手は△7一銀! この一局、康光の予想手が何度もはずれていたが、
決定的なところがここだった(笑) 矢内も笑っていた
さらに、森内の△4二歩、という、後手の角筋に先手の竜を呼んだ手が巧妙、阿久津、困ったか・・・
康光「攻めの手が見えない」
先手に寄せの決め手、ありや、なしや?
最後の勝負どころ、阿久津の手は、▲9二金! ああ~、そんな手があったか これは絶好手では!
私見では、この手があっては阿久津の勝ちでは?
ところが、康光いわく「▲9二金は詰めろでないし、次に飛車を取ってもまだ詰めろではない
阿久津らしくない手、この金はどうだったですかね~」
・・・だめだ 私の読み、全然だめだ(笑)
阿久津はこういうベッタリした手を嫌うことで有名だから、阿久津らしくない手なんだね
阿久津の攻めが▲9二金でこう着した瞬間、森内の攻めの手が雪崩(なだれ)のように
先手玉に襲い掛かってきた ここからはまさに、なだれるような、いや、流れるような手順で、
先手玉は追いつめられていった 森内優駿流、康光の予想手とも完全に一致、きれいに寄せが決まった
106手で森内の勝ち
ああー、無理やり矢倉が勝ってしまったか(^^;
阿久津、作戦勝ちから一直線の攻めに出たが、森内の受けにかわされてしまった、という一局だった
やっぱ、森内は受けがうまいわ そして最後の寄せ方も見事、強いわ
阿久津にしてみれば、作戦勝ちを活かせなかった、悔いが残る一戦となってしまったと思う
康光「森内の懐(ふところ)の深さが印象に残った △7一銀と引いたあたりが、なかなか指せない手」
局後の感想戦で、直後には、阿久津は「これを逆転されるのは私くらいでしょう」
と言っていたが、検討が進むにつれ、阿久津「形勢、けっこう難しかったんですね」と、
阿久津の理解度が変わっていった 阿久津、形勢の捕らえ方に問題あり、だったね
しかし、阿久津は負けはしたが、森内の無理やり矢倉には作戦勝ちを収めていた これは好評価!
そして森内、やはり受けが強かった 角道を止めるこの作戦、森内のように受けが強いと、
結果的に勝てる・・・棋風に合っているね
そういえば、森内は鉄板流と呼ばれるのがイヤ、ということだったが、優駿流でいいんじゃないかな
(森内優駿流、という本が何冊か出ている)「優駿」とは意味を調べると「特に優れた競走馬」とのこと
本局の最後の寄せ方、速い馬がパーッとゴール前で疾走していくようだったよ
森内は将棋の血筋もサラブレッドということだしね
康光の解説、今回は、予想手のはずれが多かったが、それも面白かった 発声もいいので聞きやすい
さて、来週は山崎vs羽生、絶好の好カード! 山崎、羽生に思い切りぶつかってほしい!
解説 佐藤康光 王将
矢内、今週の服は普通でいいんだけど、やはり地味な感はいなめないなあ なんでだろうなあ(^^;
阿久津の髪型、これが寝癖でないことが、やっと私にもわかるようになった カッコイイ
解説には、康光が今期2回目の登場! やったあ(前回は阿部光瑠vs郷田のときの解説)
阿久津は1999年四段、竜王戦2組、順位戦B1 1回戦で平藤に勝ち NHK杯は8回目の本戦出場
森内は1987年四段、竜王戦1組、18世永世名人資格保持者 1回戦はシード 24回目の本戦出場
解説の康光「阿久津は相手を意識しながら作戦を立ててくる 華々しい将棋で、早見え
楽しい将棋が見れるんじゃないか
森内は自分が指したい戦型を指してくる 慎重な将棋だが、主導権を取るところでは積極的
受けが強く、バランスの取れた棋風
この2人では、戦型は予測不能、両者ともにどういう将棋も指しこなす」
事前のインタビュー
阿久津「森内名人は、TVを見ている方はご存知だと思いますが、言わずと知れた実力者で、
私が今さらコメントするようなこともないかなあ、と 非常に強いイメージを持ってます
思い切ってぶつかっていくだけ、自分らしい将棋が指せればいい」
森内「阿久津はとても鋭い、踏み込みがいい将棋 自分も負けないようにしっかり踏み込んでいきたい
久しぶりのNHK杯なので、見ている方に喜んでいただけるような、面白い将棋を指したい」
先手阿久津で居飛車、後手森内の作戦は、なんと後手無理やり矢倉だった
へえ~ こんな作戦を名人が指すんだ B級戦法っぽいけど、うまくいくのか?
すると序盤、駒組みで阿久津がすばらしい構想を見せた
右四間にするのかと思いきや、▲4八飛を指さずに保留したのだ
3手角で▲3七角型を作り出し、その角を▲4六角と活用する手順
これで2筋にピッタリ照準が合ったではないか! う、うまい!
森内の無理やり矢倉の欠点を見事に突いたね まずは阿久津がポイント先取だ いいぞ~、阿久津~
(ちなみに、私は今回は阿久津の応援だ
後手の「無理やり矢倉」なんていう、弱気な戦法を打ちのめして欲しいからだ)
森内も9筋の端を攻め、阿久津はどうするか、だ
康光「阿久津は、少しポイントを奪って、いったん受けにまわるのではないか」
と言っていたが、阿久津は考慮の末、9筋を完全放置で、強襲に出た!
2筋に歩を合わせる阿久津の手、ビシッ!としなった おおー、行けるのか
これで攻め潰せれば、話が早いんだけどね
阿久津は2筋を破り、森内は9筋を破った 一直線の攻め合いだ
矢内「すごいですね 真っ向から潰しに行っている」
康光「お互いに殴り合っている感じでね こんなに単純に(先手の攻めが)来るっていうのは、
森内も意表を突かれてると思う」
一本道の手順が続いて、阿久津は後手玉を手順に追っていっている
形勢は・・・私にはさっぱり(^^; 阿久津が追いすぎにも見える、しかし捕まったら後手負けだしね
矢内「先手の攻めが快調に見えます」
康光「素直な感性で(笑) 私は先手を持って、自信がない」
阿久津の攻めvs森内の受け、まさに事前に言っていたとおりの展開だ
しかし、康光はどうも、後手持ちのようだ
理由として、先手の攻めの手は限られているが、後手は受ける手が広い、これがあったと思う
康光「△7一銀と引くのは、(先手の攻めが)逆に速くなってしまう可能性が高い」
しかし、森内の手は△7一銀! この一局、康光の予想手が何度もはずれていたが、
決定的なところがここだった(笑) 矢内も笑っていた
さらに、森内の△4二歩、という、後手の角筋に先手の竜を呼んだ手が巧妙、阿久津、困ったか・・・
康光「攻めの手が見えない」
先手に寄せの決め手、ありや、なしや?
最後の勝負どころ、阿久津の手は、▲9二金! ああ~、そんな手があったか これは絶好手では!
私見では、この手があっては阿久津の勝ちでは?
ところが、康光いわく「▲9二金は詰めろでないし、次に飛車を取ってもまだ詰めろではない
阿久津らしくない手、この金はどうだったですかね~」
・・・だめだ 私の読み、全然だめだ(笑)
阿久津はこういうベッタリした手を嫌うことで有名だから、阿久津らしくない手なんだね
阿久津の攻めが▲9二金でこう着した瞬間、森内の攻めの手が雪崩(なだれ)のように
先手玉に襲い掛かってきた ここからはまさに、なだれるような、いや、流れるような手順で、
先手玉は追いつめられていった 森内優駿流、康光の予想手とも完全に一致、きれいに寄せが決まった
106手で森内の勝ち
ああー、無理やり矢倉が勝ってしまったか(^^;
阿久津、作戦勝ちから一直線の攻めに出たが、森内の受けにかわされてしまった、という一局だった
やっぱ、森内は受けがうまいわ そして最後の寄せ方も見事、強いわ
阿久津にしてみれば、作戦勝ちを活かせなかった、悔いが残る一戦となってしまったと思う
康光「森内の懐(ふところ)の深さが印象に残った △7一銀と引いたあたりが、なかなか指せない手」
局後の感想戦で、直後には、阿久津は「これを逆転されるのは私くらいでしょう」
と言っていたが、検討が進むにつれ、阿久津「形勢、けっこう難しかったんですね」と、
阿久津の理解度が変わっていった 阿久津、形勢の捕らえ方に問題あり、だったね
しかし、阿久津は負けはしたが、森内の無理やり矢倉には作戦勝ちを収めていた これは好評価!
そして森内、やはり受けが強かった 角道を止めるこの作戦、森内のように受けが強いと、
結果的に勝てる・・・棋風に合っているね
そういえば、森内は鉄板流と呼ばれるのがイヤ、ということだったが、優駿流でいいんじゃないかな
(森内優駿流、という本が何冊か出ている)「優駿」とは意味を調べると「特に優れた競走馬」とのこと
本局の最後の寄せ方、速い馬がパーッとゴール前で疾走していくようだったよ
森内は将棋の血筋もサラブレッドということだしね
康光の解説、今回は、予想手のはずれが多かったが、それも面白かった 発声もいいので聞きやすい
さて、来週は山崎vs羽生、絶好の好カード! 山崎、羽生に思い切りぶつかってほしい!
2012.11.20
定跡という「骨格」
24でのレートを上げたい もう少し強くなって、レベルの高い棋譜を作れるようになりたい
何年も、ずっとそう思っている 具体的には、2000点、三段に定着できるようになりたい
私が24で三段になるには、足りないものはいくつかあるだろうが、
今、最もやらなければならないのは「定跡」だ
定跡をもっと学ばないと、これ以上、上には行けないと確信している
とにかく、基本的な定跡をもっと理解して覚えておく必要がある、と痛切に思っている
定跡とは、何か? どういう役割を果たすのか?
人間の体に例えると、定跡は「骨格」のようなものだ、と最近、気づいている
実戦を指して「筋肉」を鍛えようとしても、定跡という「骨格」がないと、筋肉がつかない、と思うのだ
これはもちろん、人それぞれだ 強くなるためには、
実戦を指しまくってカンを養ったほうがいい人もいるだろう
詰将棋を解いて、頭の中できっちり読む訓練をするのがいい人もいるだろう
手筋の本を読んで、手筋をたくさん知ったほうがいい人もいるだろう
しかし、今の自分には、定跡を学ぶ必要があるのだ
定跡という骨格がないダメだ 骨の上にしか、筋肉はつかないのだ
定跡とは、実戦でそのとおりの展開にならないとしても、道しるべになってくれるものだ
実戦の手順はすぐ忘れても、定跡の手順は覚えておけば(基本的な定跡なら)変わらずに存在し、
道を照らしてくれるものだ
私はコチコチの居飛車党で、びっくりするような発想の手は指せない
序盤でリードして、その後、常識的な手をコツコツ積み重ねて勝つタイプなのだ
これが、振り飛車党で、自由な発想をできる人なら、それほど定跡は知る必要はないと思う
何しろ、相振りになったら、定跡はほとんどないのだからね
・・・しかし、いかんとも、将棋の定跡本を読む気力がなく、困っている
どうしたものやら かなり困っている 読むべき定跡本がいっぱい溜まっている とほほほorz
何年も、ずっとそう思っている 具体的には、2000点、三段に定着できるようになりたい
私が24で三段になるには、足りないものはいくつかあるだろうが、
今、最もやらなければならないのは「定跡」だ
定跡をもっと学ばないと、これ以上、上には行けないと確信している
とにかく、基本的な定跡をもっと理解して覚えておく必要がある、と痛切に思っている
定跡とは、何か? どういう役割を果たすのか?
人間の体に例えると、定跡は「骨格」のようなものだ、と最近、気づいている
実戦を指して「筋肉」を鍛えようとしても、定跡という「骨格」がないと、筋肉がつかない、と思うのだ
これはもちろん、人それぞれだ 強くなるためには、
実戦を指しまくってカンを養ったほうがいい人もいるだろう
詰将棋を解いて、頭の中できっちり読む訓練をするのがいい人もいるだろう
手筋の本を読んで、手筋をたくさん知ったほうがいい人もいるだろう
しかし、今の自分には、定跡を学ぶ必要があるのだ
定跡という骨格がないダメだ 骨の上にしか、筋肉はつかないのだ
定跡とは、実戦でそのとおりの展開にならないとしても、道しるべになってくれるものだ
実戦の手順はすぐ忘れても、定跡の手順は覚えておけば(基本的な定跡なら)変わらずに存在し、
道を照らしてくれるものだ
私はコチコチの居飛車党で、びっくりするような発想の手は指せない
序盤でリードして、その後、常識的な手をコツコツ積み重ねて勝つタイプなのだ
これが、振り飛車党で、自由な発想をできる人なら、それほど定跡は知る必要はないと思う
何しろ、相振りになったら、定跡はほとんどないのだからね
・・・しかし、いかんとも、将棋の定跡本を読む気力がなく、困っている
どうしたものやら かなり困っている 読むべき定跡本がいっぱい溜まっている とほほほorz
2012.11.18
山崎隆之 七段vs中田宏樹 八段 NHK杯 2回戦
山崎隆之 七段vs中田宏樹 八段 NHK杯 2回戦
解説 高橋道雄 九段
山崎とデビル中田、羽生への挑戦権を賭けての、大事な一戦だ
個人的には、山崎の自由な発想の作戦に期待だが、どうなるか
山崎は1998年四段 竜王戦1組、順位戦B1 1回戦で北浜に勝ち 本戦は12回目の出場
中田は1985年四段 竜王戦4組、順位戦B1 1回戦で瀬川に勝ち 本戦は13回目の出場
解説の高橋「山崎は居飛車を基調とした、非常に独創的な将棋を指す
毎回毎回、工夫を凝らして戦っている
ちょっと変わった手、それがいい手で、目のつけどころがいいんだろうと思う
中田も居飛車党で、我が道をいく 人まねをしない 力量は仲間内から評価されている
後には引かない、つっぱるタイプ 振り駒で後手になってしまって、
ちょっとがっかりしてるんじゃないか(笑) 先手が山崎ということで、相掛かりになりそう」
事前のインタビュー
山崎「中田の印象は、斬り合いを好む方なので、押されないようにしたいと思います
持ち時間が短いので、相手が勢いに乗る相手なので、引きすぎず、こっちもぶつかっていきたい」
中田「山崎は乱戦好みで、大局観が優れている 普段は明朗快活なイメージがあります
迫力のある将棋を指したいです」
先手山崎で、高橋の予想どおり、相掛かりになった
高橋「先手での相掛かりは、山崎の十八番」
(このブログでは何回が書いているが、山崎は「将棋の神様と対戦できるなら、手合いは?」という
インタビューに、「先手番」と答えていた)
高橋は、序盤の山崎将棋を的確に解説してくれた
高橋「山崎は銀2枚を両方繰り出して、押さえ込みをするイメージ」
全くそのとおり進んでいく 山崎の作戦はいつも面白いんで、調べるのも楽しいだろうと思う
高橋は2人の対戦もしっかり調べてきていて、
高橋「これまでの2人の対戦の8局中、6局が山崎の先手で、相掛かりになっている
山崎が後手なら、角換わりになっただろう」 (対戦成績は山崎の5-3)
序盤の山崎の作戦、引き飛車+▲3六銀で、角道を開けずに保留する作戦だ
そうか、相手の角をさばかせない構想か こんな作戦があるのか
私も自分でもやってみたい・・・ しかし、初手▲2六歩じゃないとできない作戦だな(^^;
高橋「居玉は山崎将棋の代名詞みたいになってる 玉を動かす手を、他に回したいのだろう」
矢内「山崎は、金銀バラバラになるのを、いとわないですね
2011年には、升田幸三賞の特別賞を受賞してますね」
高橋「棋士には創造派と修正派というのがあって、それぞれの代表格が升田と大山だった」
そうか、そんな区分があったのか 創造派は、山崎、藤井、久保、佐藤康光あたりか
さて、△8五飛型に構えた中田、山崎の棒銀模様を、どう受けるか、だったが、
いきなり△3五歩、と強行手段に出た 3六には山崎の銀が居て、タダなのだが、気合い充分だ!
高橋「△3五歩は、驚き いきなり突っ張ってきましたね 棋風が出ましたね」
面白い、やはり面白い 相居玉での開戦、もう避けられずかあ
山崎はどう対応するか と思っていたら、ここで、山崎の才能が炸裂した
相手のいいなりに▲3五同銀としておいて、ええっ、それで大丈夫?と思ったら、
▲4六銀引、と、じっと引き上げた手が、絶品の妙手順だった
この手を見て、中田が大長考に沈んだ 一気に5回も考慮時間を使うハメになってしまった
こうなった局面を見れば見るほど、先手が良く見える 後手はやる手がない
相手のいいなりの▲3五同銀、じっと引き上げる▲4六銀引 これが組み合わせで指せる、というのは
山崎の才能という他ないだろう これは山崎、強い・・・!
中田の仕掛けに対する、山崎のこの対応は魅せたな~
首をひねって、ため息をついた中田 ポーカーフェイスの中田がちょっとでも表情を出すのは珍しい
山崎は、うんうん、とうなずいている
ゆうゆうと銀2枚を繰り出して、押さえ込みを図った山崎
こうなると、先手ばかり手が進んでいて、後手は銀が完全に立ち遅れている
これはもう、形勢は相当先手良しでは? 残り時間も、▲9回vs△2回まで差が開いた
高橋「先手は少しずつ歩を稼いでいこうということですね 相手としては、やられると困るんですよね
山崎の銀の出方は、左右に大きく両手を開いているみたいですね
私は駒の連結を意識して指しますんで、バラバラなのは指せないです」
もうこの将棋、中田は何もできないまま負けるのでは? このままだと、後手はジリ貧だ
山崎は、また銀を引く手を指し、後手の歩をタダで取ろうとしている
中田、これはもうどうしようもないのでは・・・ と思っていたら、中田もまた、その実力を発揮した
歩のタダ捨て、△7四歩! 7三に後手の桂がいるので、これもまた、相当見えない手だな
後手の飛車を見限ってしまう手があったのか これが、盤上この一手の絶好手!
高橋「これはなかなか思い浮かびませんね いい勝負手でした」
矢内「先手のほうから、7四に銀を出て行くようなところでしたからね」
これは一気に難しくなったか 山崎、のんびりしすぎたなあ
しかし、△7四歩なんて全然見えないんで、仕方なかったか
そして山崎も、返すカタナで▲5四歩、と勝負にいく おおお、これは見ごたえ充分!
高橋「わけのわからない展開になってきました
まだ先手がいいが、山崎としてはこういうつもりではなかったはず」
竜を作った山崎、飛車銀交換の先手の駒得がはっきりした
この後、直接的には中田の△9九馬が敗着だと思う 銀を自陣に投入してがんばっていたのだから、
馬も△7三馬とひきつけてがんばれば、まだまだ長かったと思う
けっこう時間がかかってしまったが、山崎がなんとか押し切った 123手で山崎の勝ち
高橋「序盤から、型にはまらない将棋で、ハラハラドキドキした
山崎ペースで進み、中田も勝負手を放ったが、山崎が竜の力で押し切った」
局後、開口一番、中田は「(△3五歩の仕掛けが)ちょっと無理でしたか」と言っていた
ふ~、なんとか山崎が勝ちきったか なんか、途中から流れが相当危なかったけど(^^;
今回は、序~中盤がとても面白かったのだが、終盤が盛り上がりに欠けて、残念だった
しかし、山崎の▲3五同銀~▲4六銀引、中田の△7四歩の勝負手、これは見ごたえがあった
これで、次の3回戦、山崎vs羽生が実現した 屈指の好カード、これは超楽しみだ
山崎はぜひ先手番が欲しいだろう 山崎、羽生に勝って、男を上げることができるのか?
解説 高橋道雄 九段
山崎とデビル中田、羽生への挑戦権を賭けての、大事な一戦だ
個人的には、山崎の自由な発想の作戦に期待だが、どうなるか
山崎は1998年四段 竜王戦1組、順位戦B1 1回戦で北浜に勝ち 本戦は12回目の出場
中田は1985年四段 竜王戦4組、順位戦B1 1回戦で瀬川に勝ち 本戦は13回目の出場
解説の高橋「山崎は居飛車を基調とした、非常に独創的な将棋を指す
毎回毎回、工夫を凝らして戦っている
ちょっと変わった手、それがいい手で、目のつけどころがいいんだろうと思う
中田も居飛車党で、我が道をいく 人まねをしない 力量は仲間内から評価されている
後には引かない、つっぱるタイプ 振り駒で後手になってしまって、
ちょっとがっかりしてるんじゃないか(笑) 先手が山崎ということで、相掛かりになりそう」
事前のインタビュー
山崎「中田の印象は、斬り合いを好む方なので、押されないようにしたいと思います
持ち時間が短いので、相手が勢いに乗る相手なので、引きすぎず、こっちもぶつかっていきたい」
中田「山崎は乱戦好みで、大局観が優れている 普段は明朗快活なイメージがあります
迫力のある将棋を指したいです」
先手山崎で、高橋の予想どおり、相掛かりになった
高橋「先手での相掛かりは、山崎の十八番」
(このブログでは何回が書いているが、山崎は「将棋の神様と対戦できるなら、手合いは?」という
インタビューに、「先手番」と答えていた)
高橋は、序盤の山崎将棋を的確に解説してくれた
高橋「山崎は銀2枚を両方繰り出して、押さえ込みをするイメージ」
全くそのとおり進んでいく 山崎の作戦はいつも面白いんで、調べるのも楽しいだろうと思う
高橋は2人の対戦もしっかり調べてきていて、
高橋「これまでの2人の対戦の8局中、6局が山崎の先手で、相掛かりになっている
山崎が後手なら、角換わりになっただろう」 (対戦成績は山崎の5-3)
序盤の山崎の作戦、引き飛車+▲3六銀で、角道を開けずに保留する作戦だ
そうか、相手の角をさばかせない構想か こんな作戦があるのか
私も自分でもやってみたい・・・ しかし、初手▲2六歩じゃないとできない作戦だな(^^;
高橋「居玉は山崎将棋の代名詞みたいになってる 玉を動かす手を、他に回したいのだろう」
矢内「山崎は、金銀バラバラになるのを、いとわないですね
2011年には、升田幸三賞の特別賞を受賞してますね」
高橋「棋士には創造派と修正派というのがあって、それぞれの代表格が升田と大山だった」
そうか、そんな区分があったのか 創造派は、山崎、藤井、久保、佐藤康光あたりか
さて、△8五飛型に構えた中田、山崎の棒銀模様を、どう受けるか、だったが、
いきなり△3五歩、と強行手段に出た 3六には山崎の銀が居て、タダなのだが、気合い充分だ!
高橋「△3五歩は、驚き いきなり突っ張ってきましたね 棋風が出ましたね」
面白い、やはり面白い 相居玉での開戦、もう避けられずかあ
山崎はどう対応するか と思っていたら、ここで、山崎の才能が炸裂した
相手のいいなりに▲3五同銀としておいて、ええっ、それで大丈夫?と思ったら、
▲4六銀引、と、じっと引き上げた手が、絶品の妙手順だった
この手を見て、中田が大長考に沈んだ 一気に5回も考慮時間を使うハメになってしまった
こうなった局面を見れば見るほど、先手が良く見える 後手はやる手がない
相手のいいなりの▲3五同銀、じっと引き上げる▲4六銀引 これが組み合わせで指せる、というのは
山崎の才能という他ないだろう これは山崎、強い・・・!
中田の仕掛けに対する、山崎のこの対応は魅せたな~
首をひねって、ため息をついた中田 ポーカーフェイスの中田がちょっとでも表情を出すのは珍しい
山崎は、うんうん、とうなずいている
ゆうゆうと銀2枚を繰り出して、押さえ込みを図った山崎
こうなると、先手ばかり手が進んでいて、後手は銀が完全に立ち遅れている
これはもう、形勢は相当先手良しでは? 残り時間も、▲9回vs△2回まで差が開いた
高橋「先手は少しずつ歩を稼いでいこうということですね 相手としては、やられると困るんですよね
山崎の銀の出方は、左右に大きく両手を開いているみたいですね
私は駒の連結を意識して指しますんで、バラバラなのは指せないです」
もうこの将棋、中田は何もできないまま負けるのでは? このままだと、後手はジリ貧だ
山崎は、また銀を引く手を指し、後手の歩をタダで取ろうとしている
中田、これはもうどうしようもないのでは・・・ と思っていたら、中田もまた、その実力を発揮した
歩のタダ捨て、△7四歩! 7三に後手の桂がいるので、これもまた、相当見えない手だな
後手の飛車を見限ってしまう手があったのか これが、盤上この一手の絶好手!
高橋「これはなかなか思い浮かびませんね いい勝負手でした」
矢内「先手のほうから、7四に銀を出て行くようなところでしたからね」
これは一気に難しくなったか 山崎、のんびりしすぎたなあ
しかし、△7四歩なんて全然見えないんで、仕方なかったか
そして山崎も、返すカタナで▲5四歩、と勝負にいく おおお、これは見ごたえ充分!
高橋「わけのわからない展開になってきました
まだ先手がいいが、山崎としてはこういうつもりではなかったはず」
竜を作った山崎、飛車銀交換の先手の駒得がはっきりした
この後、直接的には中田の△9九馬が敗着だと思う 銀を自陣に投入してがんばっていたのだから、
馬も△7三馬とひきつけてがんばれば、まだまだ長かったと思う
けっこう時間がかかってしまったが、山崎がなんとか押し切った 123手で山崎の勝ち
高橋「序盤から、型にはまらない将棋で、ハラハラドキドキした
山崎ペースで進み、中田も勝負手を放ったが、山崎が竜の力で押し切った」
局後、開口一番、中田は「(△3五歩の仕掛けが)ちょっと無理でしたか」と言っていた
ふ~、なんとか山崎が勝ちきったか なんか、途中から流れが相当危なかったけど(^^;
今回は、序~中盤がとても面白かったのだが、終盤が盛り上がりに欠けて、残念だった
しかし、山崎の▲3五同銀~▲4六銀引、中田の△7四歩の勝負手、これは見ごたえがあった
これで、次の3回戦、山崎vs羽生が実現した 屈指の好カード、これは超楽しみだ
山崎はぜひ先手番が欲しいだろう 山崎、羽生に勝って、男を上げることができるのか?
2012.11.11
三浦弘行 八段vs杉本昌隆 七段 NHK杯 2回戦
三浦弘行 八段vs杉本昌隆 七段 NHK杯 2回戦
解説 鈴木大介 八段
今日は三浦と杉本か 実力者同士なんだけど、どこか地味な感のある2人だ
三浦は1992年四段、竜王戦1組、A級 1回戦はシード 17回目の本戦
杉本は1990年四段、竜王戦2組、B2 1回戦で菅井に勝ち 11回目の本戦
解説の鈴木大介「三浦は居飛車党で、終盤が非常に強い 一手違いにとにかく強い
杉本は生粋の振り飛車党だったが、最近は居飛車も指すようになった 研究熱心
2人は研究仲間で、仲がいい」
三浦「杉本七段には公私にわたってお世話になっています
棋士である前に、人としてどうあるべきか意識させられる、最も尊敬する先輩の一人
人間性では遠く杉本さんに及ばないので、将棋くらいは勝ちたいですね」
杉本「三浦八段は序盤の深い研究と終盤の鋭い踏み込みが印象的なトッププロ 手ごわい相手
三浦八段とは、ここ数年研究会でよく指していて、やりやすくもあり、やりにくくもある
本局は自分らしく、長手数で粘り強い将棋が指せれば、と思っている」
雑談で、大介「三浦と杉本、すべてが逆の2人だから、お互いに研究のパートナーに選んだのだろう
三浦は攻め将棋で居飛車党、早指しで終盤型 杉本は受け将棋で振り飛車党、長考派で序盤型」
2人の対戦成績は、三浦1勝、杉本2勝とのこと 対戦がすごく少ないと思った
先手三浦で居飛車、後手杉本の角交換振り飛車、という将棋なった
大介「振り飛車側は、角頭を狙われることが多いので、角を交換して先にさばいちゃえという思想」
大介「三浦の囲いが独特、これが三浦流 銀冠もしくは、地下鉄飛車が狙える
新しく、斬新ですね」
三浦が早々に仕掛けたのが機敏だったようだ いきなりの乱戦になったが、
大介「三浦、作戦としては成功」
ここ、大差がつきそうな将棋、と私は自分の感想をメモっている
三浦が一気の攻めに出たところでは、大介「お~、もう決めに出てるんだなあ」
短手数での決着もあるのか? ・・・でも、なんか、編集でカットして、早回ししてあるような、
先週もそうだったように、微妙に、編集してあることが、分ってしまうんだけど(^^;
猛烈な攻め合い、駒のぶつかりあいになり、
大介「すごい将棋になりましたね 壮絶な叩き合いでね
三浦はホントに杉本を尊敬しているんですかね こんなにタタキつけて(笑)
杉本のいいところを出させないようにしようという指し方」
長考派の杉本、持ち時間を使い切ってしまい、残りが▲7回vs△0回になってしまった
大介「考慮時間を使いきってでも、ここでちゃんとした手を指したいということですね
尊敬しますね」
三浦の竜が後手陣を荒らしまくり、後手陣は崩壊した
大介も「先手優勢がはっきりした」と言っていたのだが、杉本の狙いは入玉!
そうか それがあったか 杉本の玉がするすると登ってきた
大介「杉本、うまく受けてますよ 時間がないのをかいくぐってます 形勢は難しいと思います」
止められそうで止められない後手の入玉、長手数の気配が漂う、これが杉本クオリティ
ここのあたり、三浦がもっと慎重に時間を使って指していれば、すんなり先手勝ちで、
もっと早くの終局もあったかもしれない というのも、ここからすんごい長い将棋に~orz
杉本が入玉を決め(三浦が寄せをあきらめ)、将来の相入玉が視野に、なんでこんなことに・・・
杉本がはっきり優勢になったはずだったが、取れるはずの先手の竜に逃げられ、
自分の角が捕獲されるように指してしまう、という大誤算! これで杉本は10点、損した計算だ
大介「プロの将棋は、24点法 お互いに24点あれば引き分けが成立する
アマチュアの大会では、27点法、27点ないと負けになる、というルールが採用されている場合も
あるので、注意してほしい」
ここ、非常に参考になった 私は入玉のルール、いまいち分ってなかったから(笑)
三浦の的確な手が続き、三浦は駒得しながら入玉を確定 粘りに粘った杉本だが、ついに投げた
157手で三浦の勝ち
大介「面白い乱戦から始まって、三浦がうまく指して順調に攻めていたのだが、
杉本がさすがの玉さばきで盛り返して、杉本がはっきり優勢になったときがあったと思ったが、
△2一角が、この角が働かなかったのが勝負を決したと思う」
双方ともに、疑問手があり、2回は逆転していたようだが、レベルは高かった
何より、解説の鈴木大介の口八丁手八丁な解説がとても良く、私は最後まで見ることができた
鈴木大介の解説は本当にすばらしく、
「ここは持ち時間がまだあるので、落とし穴を作って、そこに相手を落とす方法を考えたい」とか、
対局者の思考が乱れてきたと思えたときに「足がもつれてる」とか、
表現力、語彙(ごい)が豊富で、聞いていてかなり楽しかった
『鈴木大介トークショー』、と言えた一局と思った
さて、この将棋だけど・・・ 序盤から中盤まではとても楽しかった
でも、三浦がはっきりした決め方をせず、杉本の玉が入玉になり、そこからのぐちゃぐちゃな展開は、
やはり、なんとも、見ていて疲れた(^^;
例えば、羽生がこんな展開の将棋を指すかな、と思うのだ
その人が持っているカラー(色)というものが、その人が指す将棋には表れるものだ、と思う
ここの違いが、超一流の羽生と、そうではない2人の違いだろうなあ、と思えてしまったのは事実
手厳しいようだけど、やはり点数勝負の点取り合戦になってしまったのでは、
見世物としての将棋の醍醐味が薄れてしまうのは仕方ないだろう
先週に引き続き、今週も長手数ということで、このブログをどう書くか、試されているようだった(^^;
来週はすっきりした短手数将棋をお願いしたい 中田宏樹さん、山崎さん、頼みます
解説 鈴木大介 八段
今日は三浦と杉本か 実力者同士なんだけど、どこか地味な感のある2人だ
三浦は1992年四段、竜王戦1組、A級 1回戦はシード 17回目の本戦
杉本は1990年四段、竜王戦2組、B2 1回戦で菅井に勝ち 11回目の本戦
解説の鈴木大介「三浦は居飛車党で、終盤が非常に強い 一手違いにとにかく強い
杉本は生粋の振り飛車党だったが、最近は居飛車も指すようになった 研究熱心
2人は研究仲間で、仲がいい」
三浦「杉本七段には公私にわたってお世話になっています
棋士である前に、人としてどうあるべきか意識させられる、最も尊敬する先輩の一人
人間性では遠く杉本さんに及ばないので、将棋くらいは勝ちたいですね」
杉本「三浦八段は序盤の深い研究と終盤の鋭い踏み込みが印象的なトッププロ 手ごわい相手
三浦八段とは、ここ数年研究会でよく指していて、やりやすくもあり、やりにくくもある
本局は自分らしく、長手数で粘り強い将棋が指せれば、と思っている」
雑談で、大介「三浦と杉本、すべてが逆の2人だから、お互いに研究のパートナーに選んだのだろう
三浦は攻め将棋で居飛車党、早指しで終盤型 杉本は受け将棋で振り飛車党、長考派で序盤型」
2人の対戦成績は、三浦1勝、杉本2勝とのこと 対戦がすごく少ないと思った
先手三浦で居飛車、後手杉本の角交換振り飛車、という将棋なった
大介「振り飛車側は、角頭を狙われることが多いので、角を交換して先にさばいちゃえという思想」
大介「三浦の囲いが独特、これが三浦流 銀冠もしくは、地下鉄飛車が狙える
新しく、斬新ですね」
三浦が早々に仕掛けたのが機敏だったようだ いきなりの乱戦になったが、
大介「三浦、作戦としては成功」
ここ、大差がつきそうな将棋、と私は自分の感想をメモっている
三浦が一気の攻めに出たところでは、大介「お~、もう決めに出てるんだなあ」
短手数での決着もあるのか? ・・・でも、なんか、編集でカットして、早回ししてあるような、
先週もそうだったように、微妙に、編集してあることが、分ってしまうんだけど(^^;
猛烈な攻め合い、駒のぶつかりあいになり、
大介「すごい将棋になりましたね 壮絶な叩き合いでね
三浦はホントに杉本を尊敬しているんですかね こんなにタタキつけて(笑)
杉本のいいところを出させないようにしようという指し方」
長考派の杉本、持ち時間を使い切ってしまい、残りが▲7回vs△0回になってしまった
大介「考慮時間を使いきってでも、ここでちゃんとした手を指したいということですね
尊敬しますね」
三浦の竜が後手陣を荒らしまくり、後手陣は崩壊した
大介も「先手優勢がはっきりした」と言っていたのだが、杉本の狙いは入玉!
そうか それがあったか 杉本の玉がするすると登ってきた
大介「杉本、うまく受けてますよ 時間がないのをかいくぐってます 形勢は難しいと思います」
止められそうで止められない後手の入玉、長手数の気配が漂う、これが杉本クオリティ
ここのあたり、三浦がもっと慎重に時間を使って指していれば、すんなり先手勝ちで、
もっと早くの終局もあったかもしれない というのも、ここからすんごい長い将棋に~orz
杉本が入玉を決め(三浦が寄せをあきらめ)、将来の相入玉が視野に、なんでこんなことに・・・
杉本がはっきり優勢になったはずだったが、取れるはずの先手の竜に逃げられ、
自分の角が捕獲されるように指してしまう、という大誤算! これで杉本は10点、損した計算だ
大介「プロの将棋は、24点法 お互いに24点あれば引き分けが成立する
アマチュアの大会では、27点法、27点ないと負けになる、というルールが採用されている場合も
あるので、注意してほしい」
ここ、非常に参考になった 私は入玉のルール、いまいち分ってなかったから(笑)
三浦の的確な手が続き、三浦は駒得しながら入玉を確定 粘りに粘った杉本だが、ついに投げた
157手で三浦の勝ち
大介「面白い乱戦から始まって、三浦がうまく指して順調に攻めていたのだが、
杉本がさすがの玉さばきで盛り返して、杉本がはっきり優勢になったときがあったと思ったが、
△2一角が、この角が働かなかったのが勝負を決したと思う」
双方ともに、疑問手があり、2回は逆転していたようだが、レベルは高かった
何より、解説の鈴木大介の口八丁手八丁な解説がとても良く、私は最後まで見ることができた
鈴木大介の解説は本当にすばらしく、
「ここは持ち時間がまだあるので、落とし穴を作って、そこに相手を落とす方法を考えたい」とか、
対局者の思考が乱れてきたと思えたときに「足がもつれてる」とか、
表現力、語彙(ごい)が豊富で、聞いていてかなり楽しかった
『鈴木大介トークショー』、と言えた一局と思った
さて、この将棋だけど・・・ 序盤から中盤まではとても楽しかった
でも、三浦がはっきりした決め方をせず、杉本の玉が入玉になり、そこからのぐちゃぐちゃな展開は、
やはり、なんとも、見ていて疲れた(^^;
例えば、羽生がこんな展開の将棋を指すかな、と思うのだ
その人が持っているカラー(色)というものが、その人が指す将棋には表れるものだ、と思う
ここの違いが、超一流の羽生と、そうではない2人の違いだろうなあ、と思えてしまったのは事実
手厳しいようだけど、やはり点数勝負の点取り合戦になってしまったのでは、
見世物としての将棋の醍醐味が薄れてしまうのは仕方ないだろう
先週に引き続き、今週も長手数ということで、このブログをどう書くか、試されているようだった(^^;
来週はすっきりした短手数将棋をお願いしたい 中田宏樹さん、山崎さん、頼みます
2012.11.08
自戦記 相居玉の乱戦、短手数の決着
ここのところ、レートがやや下がっていますが、どういう将棋を指しているかというと、
象徴的なのが今回の棋譜 調子よくいっているところに、落とし穴が・・・
開始日時:2012/10/27 19:31:38
棋戦:レーティング対局室(早指し2)
先手:Gizumo
後手:1684点の人
▲7六歩
*先手は私 短手数局です
△3四歩 ▲2六歩
*いつもどおりの居飛車 私は居飛車しか指せません
△4四歩
*さっそく、角道を止めてきたか
▲4八銀
*こっちも様子見
△4二銀
*こちらは、作戦をどうするか
▲4六歩
*右四間っぽく行ってみよう
△5四歩 ▲4七銀 △6二銀 ▲5六銀
*腰掛け銀にする
△5三銀右
*おっ、これは・・・ 仕掛けるチャンスというほどでもないけど、行ってみたら面白そうだな
▲4五歩
*いけっ 相手はこの歩が取れない
△3五歩
*おっ、なんか工夫の手か?
▲4八飛
*飛車が回って、攻撃態勢、完了 早々に戦いになりそうだ
△3三銀
*△4三銀じゃなくて、△3三銀か めずらしいな
*仕掛けたはいいが、すぐ潰れるわけではないね
▲1六歩
*この一手、相手が△3三銀なので指してみた
△3二金 ▲1七桂
*成立してるかどうかはわからないけど、やってみた
*もし△2四歩と受けたら、そこで▲2八飛ともどす予定
△4五歩
*取ってきたのか 相居玉のまま、もう決戦になるぞ
▲2五桂
*いっけえー
△3六歩
*おおっ 銀を逃げなかったのか
*▲3三桂成もありそうだけど、そこまで激しくしなくてもいいか
▲同 歩
*▲3八金もあったと思う
△2四歩
*おいおい、銀を取らせてくれるのか!
*ここでもう優勢を確信し、この将棋、勝ちだと思ってる
*・・・アホだ(^^;
▲3三桂成 △同 角
*ここ、次の私の手を当てたらすごいです
*▲同角成はつまらない
*後手の角を目標に攻めたい
*しかし、▲6六歩では弱気と思った ではどうするか?
▲7七桂
*この一手!! いずれ、6五に跳ねて使おうという手
*善悪はわからない(^^;
△4二飛 ▲4五銀
*ここ、▲3四銀と打って、▲4五銀引なら穏やかだったが、持ち駒の銀がもったいないので盤上の銀を突っ込んでしまった
△5五角 ▲6五桂
*いっけ~ ▲6五桂が実現! △8八角成には▲5三桂成と突っ込む手がいい感じだ
△6四銀
*やはり銀を逃げたか
▲5五角 △同 歩
*こっちが有利っぽいんだけど、どうしたものやら、わからない・・・
▲5三銀
*まあこんな感じだろう
△6五銀
*桂馬は、おとりとして働いたので、取られてもOKだ
▲4二銀成
*手が広いところだったのかもしれないが、飛車が大好きなので、取った 普通の手だろう
△同 金
*どう攻めたものか
▲4三歩
*一発、様子を訊いてみた
△4一金
*おお、拠点ができたぞ
▲4二角
*さっそく、打ち込み 善悪はわからない
△6二玉
*あらら、逃げられてみると、案外、持ち駒の飛車一枚では寄せが難しいではないか ど、どうしよう
▲4四銀 △3七角
*相手の攻め、来たよー 飛車取りだけど、まあほっといていいだろう(これがものすごい見落とし)
▲5三角成 △7二玉
*次の相手の手は△4八角成だろ?
*たいしたことはないよね
▲4二歩成
*ま、歩を成って、攻めておこう
△4七歩
*!! げえええーーー なんだこれーーー
*こんな手があったのか! 全く見えてなかった
* このレベルの手を見落としているようでは、三段など夢のまた夢だorz
▲4一と
*気落ちして、あまり考えなかった
*まだ▲6八玉としておけば、アヤが充分あったと思う
*次の相手の手がすばらしかった
△5六桂
*げええーー なんだこれはーーー
*取れば、△5七銀か い、痛い もうだめそうorz
▲4二飛 △6二桂
*相手、桂2枚を見事に使うことに成功した やられた・・・
▲同 馬
*つっこんでいっちゃった もう私はすでに戦意を喪失していた
△同 金 ▲8二金 △同 玉 ▲6二飛成 △7二金
*無念の投了 優勢と思って進めていたのに~
*△4七歩を見落としているようでは・・・
*このごろ、こんな将棋が多いです
まで58手で後手の勝ち
象徴的なのが今回の棋譜 調子よくいっているところに、落とし穴が・・・
開始日時:2012/10/27 19:31:38
棋戦:レーティング対局室(早指し2)
先手:Gizumo
後手:1684点の人
▲7六歩
*先手は私 短手数局です
△3四歩 ▲2六歩
*いつもどおりの居飛車 私は居飛車しか指せません
△4四歩
*さっそく、角道を止めてきたか
▲4八銀
*こっちも様子見
△4二銀
*こちらは、作戦をどうするか
▲4六歩
*右四間っぽく行ってみよう
△5四歩 ▲4七銀 △6二銀 ▲5六銀
*腰掛け銀にする
△5三銀右
*おっ、これは・・・ 仕掛けるチャンスというほどでもないけど、行ってみたら面白そうだな
▲4五歩
*いけっ 相手はこの歩が取れない
△3五歩
*おっ、なんか工夫の手か?
▲4八飛
*飛車が回って、攻撃態勢、完了 早々に戦いになりそうだ
△3三銀
*△4三銀じゃなくて、△3三銀か めずらしいな
*仕掛けたはいいが、すぐ潰れるわけではないね
▲1六歩
*この一手、相手が△3三銀なので指してみた
△3二金 ▲1七桂
*成立してるかどうかはわからないけど、やってみた
*もし△2四歩と受けたら、そこで▲2八飛ともどす予定
△4五歩
*取ってきたのか 相居玉のまま、もう決戦になるぞ
▲2五桂
*いっけえー
△3六歩
*おおっ 銀を逃げなかったのか
*▲3三桂成もありそうだけど、そこまで激しくしなくてもいいか
▲同 歩
*▲3八金もあったと思う
△2四歩
*おいおい、銀を取らせてくれるのか!
*ここでもう優勢を確信し、この将棋、勝ちだと思ってる
*・・・アホだ(^^;
▲3三桂成 △同 角
*ここ、次の私の手を当てたらすごいです
*▲同角成はつまらない
*後手の角を目標に攻めたい
*しかし、▲6六歩では弱気と思った ではどうするか?
▲7七桂
*この一手!! いずれ、6五に跳ねて使おうという手
*善悪はわからない(^^;
△4二飛 ▲4五銀
*ここ、▲3四銀と打って、▲4五銀引なら穏やかだったが、持ち駒の銀がもったいないので盤上の銀を突っ込んでしまった
△5五角 ▲6五桂
*いっけ~ ▲6五桂が実現! △8八角成には▲5三桂成と突っ込む手がいい感じだ
△6四銀
*やはり銀を逃げたか
▲5五角 △同 歩
*こっちが有利っぽいんだけど、どうしたものやら、わからない・・・
▲5三銀
*まあこんな感じだろう
△6五銀
*桂馬は、おとりとして働いたので、取られてもOKだ
▲4二銀成
*手が広いところだったのかもしれないが、飛車が大好きなので、取った 普通の手だろう
△同 金
*どう攻めたものか
▲4三歩
*一発、様子を訊いてみた
△4一金
*おお、拠点ができたぞ
▲4二角
*さっそく、打ち込み 善悪はわからない
△6二玉
*あらら、逃げられてみると、案外、持ち駒の飛車一枚では寄せが難しいではないか ど、どうしよう
▲4四銀 △3七角
*相手の攻め、来たよー 飛車取りだけど、まあほっといていいだろう(これがものすごい見落とし)
▲5三角成 △7二玉
*次の相手の手は△4八角成だろ?
*たいしたことはないよね
▲4二歩成
*ま、歩を成って、攻めておこう
△4七歩
*!! げえええーーー なんだこれーーー
*こんな手があったのか! 全く見えてなかった
* このレベルの手を見落としているようでは、三段など夢のまた夢だorz
▲4一と
*気落ちして、あまり考えなかった
*まだ▲6八玉としておけば、アヤが充分あったと思う
*次の相手の手がすばらしかった
△5六桂
*げええーー なんだこれはーーー
*取れば、△5七銀か い、痛い もうだめそうorz
▲4二飛 △6二桂
*相手、桂2枚を見事に使うことに成功した やられた・・・
▲同 馬
*つっこんでいっちゃった もう私はすでに戦意を喪失していた
△同 金 ▲8二金 △同 玉 ▲6二飛成 △7二金
*無念の投了 優勢と思って進めていたのに~
*△4七歩を見落としているようでは・・・
*このごろ、こんな将棋が多いです
まで58手で後手の勝ち
2012.11.04
稲葉陽 六段vs丸山忠久 九段 NHK杯 2回戦
稲葉陽 六段vs丸山忠久 九段 NHK杯 2回戦
解説 井上慶太 九段
おおお、やうたん、きれいだな~ ここ最近、また一段と輝きを増しているように見える
並の芸能人など、顔負けだ 女は30から、恐るべし矢内!
今日は稲葉と丸山か 若手が強豪に挑む図だね 解説に井上さん、稲葉の師匠だ
稲葉は2008年四段、竜王戦4組、順位戦C1 1回戦で大石に勝ち NHK杯は本戦初出場
丸山は1990年四段、竜王戦1組、順位戦B1 1回戦はシード NHK杯は22回目の本戦出場
井上「稲葉は性格は温厚でニコニコしている感じだが、将棋に関しては勝気で攻めっけがある
早指しが得意 加古川出身の棋士は5人いて、私、久保、神吉、稲葉、船江
丸山はすごい実績の持ち主で、難敵 竜王戦では、ここ2年連続挑戦者になっている」
事前のインタビュー
稲葉「丸山は序盤の研究がすごく深くて、優勢になってからの勝ち方がうまいという印象
序盤で離されずに自分らしく勢いのある将棋を指したい
丸山「稲葉は最新形にもよく精通していて、勢いと実力の両方を兼ね備えた若手強豪だと思います
勢い負けしないようにがんばりたい」
先手稲葉で、後手丸山の4手目角交換、一手損角換わりになった ▲早繰り銀vs△腰掛け銀だ
井上「一手損角換わりに対して、一番多い対策
丸山の指し方は、竜王戦の挑戦者決定戦の対山崎戦と同じ形」
銀交換から、丸山が馬を作って引き上げる展開 丸山が右桂を使って、一気に攻めかかった
稲葉は、銀を先受けでかわしたり、飛車を浮いて受けている、という工夫
井上「▲8六銀はなかなかの手でしたか ▲2六飛の横利きもすばらしい」
丸山、7三に、と金を作られて忙しい どうするんだ、▲8六銀なんて、丸山の読みになかったはず、
と思っていたら、飛車をぶった切って攻めていったー おお~! これが勝負手か、そうか、さすがだ
しかし稲葉は自陣に銀を投入して手堅く受け、丸山、やや指し切り模様か
これは丸山、ツライな 攻めが続かないないのでは、もうジリ貧負け決定だ
井上さんも全然、後手の次の手が見えない 丸山は考慮時間を使いきり、30秒将棋になってしまった
もうダメか・・・ そこで、丸山の手は、驚きの△2五馬! あ~、そうか そんな手があったのか
丸山、飛び出していった馬で、なんと王手飛車取りをかけることに成功、稲葉の飛車を取ってしまった
稲葉の玉は上部脱出を図り、入玉含みだ こんな展開になるとはね
井上「ギリギリの終盤ですね 丸山はうまいこと指してくるなあ」
ここからだった! この将棋が、まさか大激戦になろうとは・・・
井上さんの解説の言葉の抜粋で、この将棋を振り返ろう 雰囲気が伝わればと思う
(今週は、文章をまとめるのはあきらめました 以下、すべて井上さんのセリフ)
井上「△2五馬はすごい手でしたね」 「すごい終盤になりそうですね」
「いや~ (先手としては)攻めるか守るかわからんな 1分や2分あっても僕にはわからんな」
「稲葉君はゴチャゴチャした終盤が得意なんですが」 「お互いに苦戦 もうわかりません」
「△2二玉? すごい方に逃げたな」 「もう詰むか詰まないかですね」
「うわー 守ったか 守るか~」 「守るなら稲葉がいけそうな気がするんですが」
「うお~ すごいところに桂打ったね ここに桂打ったということは強い手ですわ、
善悪はわからんけど」 「うわ~ 受けに回ったね~ 秒読みならではやねー」
「勝ちにいくと負けの可能性が強かったんでね」 「うわあすごい終盤になった」
「角がどれだけ厳しいかやね」 「あ~、逃げた んー逃げれたら、逃げたい」
「しかし△8一香がどうか うわ~、△8一飛! 飛車合わし! 丸山さんの粘りやね~」
「これ一手間違うとね~ 角が逃げたことによって△8一香が生じてるんでね」
「さあこれで攻めていくんですかね どう攻めるんやろ んー守るか」
「また長くなりましたよ これ ちょっとまたわからんようになりましたよ 流れ的にね」
「また先手が自信なくなってきました 丸山さんはなんでそんなイヤな手いくんかな~」
「相入玉も充分考えられる展開になってきましたね これね」
「あーでも 丸山さんはあくまで寄せに行ってますね もう飛車打ちましたからね」
「おお~ 男だね~ ええ~?」 「なんせ決着はつきますね 寄るか寄らんか」
「あ~ それが狙いなんか」 「おお~ うう~」 「やっぱり危ないな~ 危なくなってきてるな~」
「先手玉、狭くなってきましたね ちょっと稲葉君、まずいなという感じですかね」
「寄ってんのかな、寄ってるか寄ってないか」 「丸山さんも読みきれてる感じではないですけどね」
「あ 銀不成か ほ~う」 「そうやね~ ここは山ですわ 何回山があるかわかりませんけど」
「まあ、一発!、打っとこ!」 「合駒が必要とされるんで・・・」
「また稲葉君、勝ちになったんじゃないですかね」 「なんか自信のありそうな手つきには、いや、
わからんな どっちやねん」 「これで丸山さんが詰ませなかったら稲葉の勝ちと思いますけどね」
「5一の飛が邪魔駒だったけど、逃げたからね」
「(先手は後手玉を詰ませるのに)全部の駒が働いてますね~」
「うわあ~、いや~まだまだやりますよ、ですね 僕、もう投了やと思うたんですけど」
「先手玉は捕まらない形になったと思うんですけどね」
「あ あ そうか さすがやな 丸山さん これイヤな手だ これイヤな手ですよ」
「胃が痛くなるね」 「ひょお~ ええ? これまた危ない手だな 危ない手ですよ」
「まだ一山ありましたね これ自信ないですけどね はあ~ すごい」
「玉で清掃作業に入りましたね ようこんな手思いつくな」
「うわっ (飛車を)そんなところから! うわー これはすごい手だな」
「いやいや~ オソロシイな将棋は」 「玉を突っ込みたいんやけどね 合駒がカナケになってしまう」
「あ 金合いはだめだ 詰みはない・・・と思いますね」
「これ王手なんですね 開き王手」 「あ いやいや それもあったですか わかんないもうね」
「金打つと詰みになりますね 合駒は香が残ってますね」 「うわ~」
「どんな将棋やねん、という感じですね」 「うわ いや すごいですね」
「これは香合いと手拍子にやっちゃうね これね」 「角合いしたいけどな あーどうなんよこれ」
「どうなんよこれ」 「凌いだかな」
激戦、まさに激戦の末、丸山が投了した 179手で稲葉の勝ち
井上「もう大激戦、お互いはっきり有利な局面があったと思うが、両者の粘りがすごかった
稲葉に指運があった すばらしい将棋やった」
ああー、疲れた(^^; 「将棋を見た~」っていう感じだ
角換わりで179手って、めったに見たことがないぞ
両者、プロの芸を何度も見せてくれた 稲葉の玉さばき、丸山の大駒さばき・・・
しかし、一番すごいのは、これだけ30秒将棋が延々続いて、お互いに息が全然切れないところだ
両者、最後まで冷静に戦っていたと思う 一手ばったりの悪手が出ない、これがすばらしいね
アマチュアなら、とっくの昔にどちらかが悪手を指して負けていそうなところを、延々179手!
井上さん、何回「うわ~」って叫んでいただろうか 上の文章を数えて見たらわかるけど(笑)
入玉模様でこれだけのレベルが指せる、これも努力で、修練で体得した業なのだろうか?
それとも天賦の才能がなせる業なのだろうか?
ともかく、若手恐るべし、を印象づけた一局になった
ねじり合いで破れた丸山、放映が終わる直前では、大きく頭を抱えていた
「発想」「読み」「持久力」 この3つが必要な総力戦、
「将棋は頭脳の総合格闘技」 それにふさわしい一局だった
解説 井上慶太 九段
おおお、やうたん、きれいだな~ ここ最近、また一段と輝きを増しているように見える
並の芸能人など、顔負けだ 女は30から、恐るべし矢内!
今日は稲葉と丸山か 若手が強豪に挑む図だね 解説に井上さん、稲葉の師匠だ
稲葉は2008年四段、竜王戦4組、順位戦C1 1回戦で大石に勝ち NHK杯は本戦初出場
丸山は1990年四段、竜王戦1組、順位戦B1 1回戦はシード NHK杯は22回目の本戦出場
井上「稲葉は性格は温厚でニコニコしている感じだが、将棋に関しては勝気で攻めっけがある
早指しが得意 加古川出身の棋士は5人いて、私、久保、神吉、稲葉、船江
丸山はすごい実績の持ち主で、難敵 竜王戦では、ここ2年連続挑戦者になっている」
事前のインタビュー
稲葉「丸山は序盤の研究がすごく深くて、優勢になってからの勝ち方がうまいという印象
序盤で離されずに自分らしく勢いのある将棋を指したい
丸山「稲葉は最新形にもよく精通していて、勢いと実力の両方を兼ね備えた若手強豪だと思います
勢い負けしないようにがんばりたい」
先手稲葉で、後手丸山の4手目角交換、一手損角換わりになった ▲早繰り銀vs△腰掛け銀だ
井上「一手損角換わりに対して、一番多い対策
丸山の指し方は、竜王戦の挑戦者決定戦の対山崎戦と同じ形」
銀交換から、丸山が馬を作って引き上げる展開 丸山が右桂を使って、一気に攻めかかった
稲葉は、銀を先受けでかわしたり、飛車を浮いて受けている、という工夫
井上「▲8六銀はなかなかの手でしたか ▲2六飛の横利きもすばらしい」
丸山、7三に、と金を作られて忙しい どうするんだ、▲8六銀なんて、丸山の読みになかったはず、
と思っていたら、飛車をぶった切って攻めていったー おお~! これが勝負手か、そうか、さすがだ
しかし稲葉は自陣に銀を投入して手堅く受け、丸山、やや指し切り模様か
これは丸山、ツライな 攻めが続かないないのでは、もうジリ貧負け決定だ
井上さんも全然、後手の次の手が見えない 丸山は考慮時間を使いきり、30秒将棋になってしまった
もうダメか・・・ そこで、丸山の手は、驚きの△2五馬! あ~、そうか そんな手があったのか
丸山、飛び出していった馬で、なんと王手飛車取りをかけることに成功、稲葉の飛車を取ってしまった
稲葉の玉は上部脱出を図り、入玉含みだ こんな展開になるとはね
井上「ギリギリの終盤ですね 丸山はうまいこと指してくるなあ」
ここからだった! この将棋が、まさか大激戦になろうとは・・・
井上さんの解説の言葉の抜粋で、この将棋を振り返ろう 雰囲気が伝わればと思う
(今週は、文章をまとめるのはあきらめました 以下、すべて井上さんのセリフ)
井上「△2五馬はすごい手でしたね」 「すごい終盤になりそうですね」
「いや~ (先手としては)攻めるか守るかわからんな 1分や2分あっても僕にはわからんな」
「稲葉君はゴチャゴチャした終盤が得意なんですが」 「お互いに苦戦 もうわかりません」
「△2二玉? すごい方に逃げたな」 「もう詰むか詰まないかですね」
「うわー 守ったか 守るか~」 「守るなら稲葉がいけそうな気がするんですが」
「うお~ すごいところに桂打ったね ここに桂打ったということは強い手ですわ、
善悪はわからんけど」 「うわ~ 受けに回ったね~ 秒読みならではやねー」
「勝ちにいくと負けの可能性が強かったんでね」 「うわあすごい終盤になった」
「角がどれだけ厳しいかやね」 「あ~、逃げた んー逃げれたら、逃げたい」
「しかし△8一香がどうか うわ~、△8一飛! 飛車合わし! 丸山さんの粘りやね~」
「これ一手間違うとね~ 角が逃げたことによって△8一香が生じてるんでね」
「さあこれで攻めていくんですかね どう攻めるんやろ んー守るか」
「また長くなりましたよ これ ちょっとまたわからんようになりましたよ 流れ的にね」
「また先手が自信なくなってきました 丸山さんはなんでそんなイヤな手いくんかな~」
「相入玉も充分考えられる展開になってきましたね これね」
「あーでも 丸山さんはあくまで寄せに行ってますね もう飛車打ちましたからね」
「おお~ 男だね~ ええ~?」 「なんせ決着はつきますね 寄るか寄らんか」
「あ~ それが狙いなんか」 「おお~ うう~」 「やっぱり危ないな~ 危なくなってきてるな~」
「先手玉、狭くなってきましたね ちょっと稲葉君、まずいなという感じですかね」
「寄ってんのかな、寄ってるか寄ってないか」 「丸山さんも読みきれてる感じではないですけどね」
「あ 銀不成か ほ~う」 「そうやね~ ここは山ですわ 何回山があるかわかりませんけど」
「まあ、一発!、打っとこ!」 「合駒が必要とされるんで・・・」
「また稲葉君、勝ちになったんじゃないですかね」 「なんか自信のありそうな手つきには、いや、
わからんな どっちやねん」 「これで丸山さんが詰ませなかったら稲葉の勝ちと思いますけどね」
「5一の飛が邪魔駒だったけど、逃げたからね」
「(先手は後手玉を詰ませるのに)全部の駒が働いてますね~」
「うわあ~、いや~まだまだやりますよ、ですね 僕、もう投了やと思うたんですけど」
「先手玉は捕まらない形になったと思うんですけどね」
「あ あ そうか さすがやな 丸山さん これイヤな手だ これイヤな手ですよ」
「胃が痛くなるね」 「ひょお~ ええ? これまた危ない手だな 危ない手ですよ」
「まだ一山ありましたね これ自信ないですけどね はあ~ すごい」
「玉で清掃作業に入りましたね ようこんな手思いつくな」
「うわっ (飛車を)そんなところから! うわー これはすごい手だな」
「いやいや~ オソロシイな将棋は」 「玉を突っ込みたいんやけどね 合駒がカナケになってしまう」
「あ 金合いはだめだ 詰みはない・・・と思いますね」
「これ王手なんですね 開き王手」 「あ いやいや それもあったですか わかんないもうね」
「金打つと詰みになりますね 合駒は香が残ってますね」 「うわ~」
「どんな将棋やねん、という感じですね」 「うわ いや すごいですね」
「これは香合いと手拍子にやっちゃうね これね」 「角合いしたいけどな あーどうなんよこれ」
「どうなんよこれ」 「凌いだかな」
激戦、まさに激戦の末、丸山が投了した 179手で稲葉の勝ち
井上「もう大激戦、お互いはっきり有利な局面があったと思うが、両者の粘りがすごかった
稲葉に指運があった すばらしい将棋やった」
ああー、疲れた(^^; 「将棋を見た~」っていう感じだ
角換わりで179手って、めったに見たことがないぞ
両者、プロの芸を何度も見せてくれた 稲葉の玉さばき、丸山の大駒さばき・・・
しかし、一番すごいのは、これだけ30秒将棋が延々続いて、お互いに息が全然切れないところだ
両者、最後まで冷静に戦っていたと思う 一手ばったりの悪手が出ない、これがすばらしいね
アマチュアなら、とっくの昔にどちらかが悪手を指して負けていそうなところを、延々179手!
井上さん、何回「うわ~」って叫んでいただろうか 上の文章を数えて見たらわかるけど(笑)
入玉模様でこれだけのレベルが指せる、これも努力で、修練で体得した業なのだろうか?
それとも天賦の才能がなせる業なのだろうか?
ともかく、若手恐るべし、を印象づけた一局になった
ねじり合いで破れた丸山、放映が終わる直前では、大きく頭を抱えていた
「発想」「読み」「持久力」 この3つが必要な総力戦、
「将棋は頭脳の総合格闘技」 それにふさわしい一局だった
2012.11.03
まだドラクエ
妹が、出産準備のために里帰りしてきた
私が部屋でスーファミのドラクエ5をやっていると、妹が一言
妹「あー、まだドラクエやってる~(笑)」
やっぱ、三十路すぎてもドラクエやってるのはまずいか・・・
しかし、妹が続けて言った
妹「あたしも今度やろうっと~」
お前もやりたいんかい!
私が部屋でスーファミのドラクエ5をやっていると、妹が一言
妹「あー、まだドラクエやってる~(笑)」
やっぱ、三十路すぎてもドラクエやってるのはまずいか・・・
しかし、妹が続けて言った
妹「あたしも今度やろうっと~」
お前もやりたいんかい!
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