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午前のトークショーと渡辺の大盤解説が終わり、いよいよ午後のメインイベント、公開対局となった
スケジュールは、門倉四段vs室田女流、矢内女流vs藤田女流、そして森内名人vs渡辺竜王の3局だ 
能楽堂は300人のお客で満席だ

岡崎市長がまず挨拶、「徳島や兵庫から来てくれている人もいる云々~」 ひえー、遠いねえ
続いてプロ棋士たちが登場 壇上に勢ぞろい、矢内「みなさま、存分に写真をお撮りください(笑)」
石田九段が挨拶、「10数年前に羽生vs郷田がここであったとき、土砂降りの雨の中で、観客はカッパを着てずぶぬれになって見ていた そういうことがあったので、観客席に屋根がついたんです しかしそれから1度も雨には降られていない(笑)」 

さて、振り駒で門倉が先手になった 棋譜を貼っておきます 
門倉四段の角交換四間飛車を、室田女流が相振りで受けて立つ戦型になりました
持ち時間はなく、初手から1手20秒です

開始日時:2013/04/29
棋戦:岡崎将棋祭り
先手:門倉四段
後手:室田女流

▲7六歩 △3四歩 ▲6八飛 △3五歩 ▲2二角成 △同 銀
▲8八銀 △2四歩 ▲7七銀 △2五歩 ▲3八金 △4二飛
▲8六歩 △6二玉 ▲8五歩 △7二玉 ▲8八飛 △8二銀
▲4九玉 △3三銀 ▲6六銀 △5二金左 ▲7七桂 △6二金上
▲2三角 △4四歩 ▲5六角成 △4五角 ▲4八銀 △5六角
▲同 歩 △2二飛 ▲7五銀 △2六歩 ▲同 歩 △同 飛
▲2七歩 △2四飛 ▲6五角 △4五角 ▲8四歩 △同 歩
▲同 銀 △6一玉 ▲8三銀成 △6四歩 ▲3二角成 △4二金
▲3一馬 △2七角成 ▲同 金 △同飛成 ▲1六角 △同 龍
▲同 歩 △2七角 ▲5八玉 △8三銀 ▲同飛成 △7二角成
▲8八龍 △5二玉 ▲2一馬 △7四歩 ▲1一馬 △7五歩
▲7四桂 △6一金 ▲2一飛 △3二銀 ▲6一飛成 △同 馬
▲8一龍 △9四馬 ▲5五桂
まで75手で先手の勝ち

男子プロと女子プロが平手で指すのはめずらしいと思うので、棋譜を貼りました
ごらんのとおり、門倉四段のボロ勝ちでした 室田女流は、単純棒銀を食らってしまうわ、王手竜取りの手順に突っ込んでいってしまうわで(^^; 

でも、後手はどうやれば単純棒銀をうまく受けれたのか、私にはわかりませんね
室田さんは、王手竜取りの順に突っ込む手(△2七角成)を指すとき、秒を9まで読まれて9秒を読まれても指せず、着手は20秒を超えてしまっていましたが、記録係が気を使って「9」で読み上げを止めていました(笑)

イベントの対局のカードを組む関係者の方がおられたら、参考にしてもらいたい棋譜ですね
男子プロと女子プロが平手で真っ向から対局すると、こうなってしまう、とね(^^;

局後のコメント
解説の石田「王手竜取りを食らっちゃいけないですね こういう将棋は手損というのは関係ないんですかね?」
聞き手の森内「最初は室田さんが良かったと思うんですけどね」
門倉「(売り出し中の本の)角交換四間飛車を指せたのは良かったです 先手の手損、手損と(解説で石田先生に)言われて、破門とか言われて(笑)、もう8三の地点を狙う攻めしか見てなかったです 勝てて良かったです 破門はセーフですか」
室田「王手竜取りを見落としていました でも途中までは、解説で褒められてうれしかったです もうちょっとましな対局にできたら良かったなと思いました」


次の対局は▲矢内女流vs△藤田女流のNHK杯の聞き手vs記録という対決
・・・ですが、この一局は別に普通の一局だったので、棋譜は省略させていただきます
矢内の▲5七銀左急戦vs藤田の△ノーマル三間飛車+高美濃という戦型で、
矢内が攻めを続けて、攻め勝ってました
▲5五歩△同歩▲同角の仕掛けに、また▲8八角と引く将棋でした

局後のコメント
矢内「普段は対三間には居飛車穴熊なんですけど、(解説者の発言に)プレッシャーを感じまして(笑) 全体的には勢いよく指せたと思います」
藤田「受ける展開になって、攻められなかったのが悔しいです」
解説者の中田章道さんが、序盤で「穴熊は手数が長くなるので~」と言ったのに矢内が反応し、急戦を選んだということでした

さて、メインイベント! 森内名人vs渡辺竜王です これがすごい大熱戦になりました
持ち時間は15分、切れたら1手30秒 振り駒で先手が森内名人、戦型は相掛かりでした

開始日時:2013/04/29
棋戦:岡崎将棋祭り
先手:森内名人
後手:渡辺竜王

▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7八金 △3二金
▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三歩 ▲2八飛 △9四歩
▲9六歩 △3四歩 ▲3八銀 △7二銀 ▲2七銀 △8六歩
▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △8五飛 ▲6八銀 △8三銀
▲3六銀 △7四銀 ▲7六歩 △8八角成 ▲同 金 △3三桂
▲7七桂 △8二飛 ▲6六歩 △6四歩 ▲4六歩 △4二玉
▲4七銀 △2二銀 ▲5六銀 △6三銀 ▲4五歩 △5四銀
▲7八金 △5二金 ▲4八飛 △3一玉 ▲6七銀上 △2四歩
▲6八玉 △2三銀 ▲3六歩 △1四歩 ▲1六歩 △7四歩
▲5八金 △6三金 ▲3七桂 △7三桂 ▲2八飛 △8六歩
▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △8二飛 ▲4七金 △8四飛
▲5八玉 △8二飛 ▲2九飛 △8五桂 ▲同 桂 △同 飛
▲3五歩 △同 歩 ▲3四歩 △同 銀 ▲4六桂 △2三銀
▲5四桂 △同 金 ▲6三角 △5五桂 ▲同 銀 △同 金
▲7四角成 △8一飛 ▲3四歩 △同 銀 ▲2四飛 △2三銀打
▲2八飛 △3六桂 ▲1八飛 △2九角 ▲6八玉 △6五歩
▲6三馬 △6一飛 ▲5二馬 △6六歩 ▲5八銀 △6五飛
▲2四歩 △同 銀 ▲7七玉 △6七歩成 ▲同 金 △6六歩
▲6八金 △7五歩 ▲7四銀 △6七歩成 ▲同 金 △4七角成
▲同 銀 △7六歩 ▲同 金 △6九飛成 ▲8六玉 △6六金
▲5三馬 △4二金打 ▲7五馬 △7六金 ▲同 玉 △6四金
▲同 馬 △同 龍 ▲6五金 △7五歩 ▲7七玉 △6一龍
▲6二歩 △7一龍 ▲6六玉 △2九角 ▲5六銀 △1八角成
▲同 香 △7六飛 ▲5五玉 △5四歩 ▲同 玉 △5一龍
▲6三玉 △5二金 ▲7三玉 △6二金 ▲8四玉 △7二金
▲6四角 △2二玉 ▲8二金 △6三歩 ▲7三角成 △同 金
▲同銀成 △9三角 ▲7四玉 △5六飛 ▲同 歩 △8四銀
▲8三金 △7三銀 ▲同 金 △8二銀 ▲8五桂 △7三銀
▲同桂成 △8一龍 ▲7二金 △8四龍 ▲6三玉 △5一歩
▲5三銀 △4二金打 ▲6二銀打
まで177手で先手の勝ち

いや~、すごい将棋になりました
解説は、序盤が谷川と矢内、中盤以降が石田と勝又でした
箇条書きで解説でどんなことを言っていたのか、書いておきます

谷川「(対局開始前、どちらを王将にするかで)森内が渡辺に、どうぞと王将を譲った」
谷川「振り駒のとき、今は布をしいた上に駒を投げてましたが、普段の将棋会館のときにはいいかげんで、布をしかずに畳の上に放り投げちゃうんです」
矢内「名人戦で2局続けて相掛かりでしたね 流行るんですかね」
谷川「相掛かりはあまり定跡がなく、自由に指せる」
矢内「▲2八飛~▲3六銀が今の主流ですね」
(渡辺が飛車を8五に引き)
谷川「飛車が5段目か4段目かは難しい」
(渡辺の△8三銀を見て)
谷川「これはもう前例がないですかね?」
矢内「竜王が温めていた構想なんでしょうか」
(駒組みが先手飽和状態になり)
谷川「後手は銀冠への進展が見込める、先手玉は固くならない」
(千日手含みになり)
谷川「角交換の将棋は千日手になりやすいですね 席上対局なので、先手は打開しないといけない」
(渡辺が打開し)
谷川「解説でプレッシャーをかけたのが効きましたね(笑)」

戦いが起こったところで、解説、勝又と石田にチェンジ
勝又「ガチンコの戦型ですねえ」
勝又「石田先生、名人戦の立会いは行くんですか?」
石田「5局目に行きます 5局目があるかどうかはわかりませんが」
ここから、延々と戦いが続くことになった! 以下、解説の雰囲気です

渡辺が寄せきるかと思いきや、玉を上部へ逃げ出した森内玉
石田「強い!」
勝又「けっこう先手玉、耐久力ありますねえ」
石田「強い! さっきのまでの2局とはエライ違いだ」
勝又「先生、厳しいことを(^^;」
石田「んー、一手違い 一手違い」
石田「いい手やっとりますね やっぱりね キワドイ」
石田「長いな」
勝又「名人の玉、生命力が強いですね」
石田「強い!」
勝又「石田先生、強いしか言ってない(^^;」

中段に逃げた森内玉、またヨリが戻って、渡辺の攻めがやりなおしになった
石田「長い」
勝又「みなさん、もうちょっと将棋を楽しみましょう(笑) これだけ戦って、駒の損得ないんですよね」
石田「激戦で優劣不明 (この内容は)公開対局じゃないよ これは一千万円くらい賭けた懸賞戦!」 
石田「長すぎる! 帰れなくなっちゃうね」
勝又「先生、『長い』は禁止ワードで(^^;」

逃げ続ける森内玉、寄せきりたい渡辺
勝又「怖いですね~ これ、逃げ切れるかどうか」
石田「ポッキリ折れないところが、さすがであります しぶとい」
石田「しぶとい、長い 最後を締めるつもりで(解説に)出てきたんだけどなあ」
石田「ぐるぐるいって、森内玉がまだ中段に戻っちゃった しぶとい」
勝又「何が起きているのか」
石田「寄るのかな、これ? しぶとい」

165手目、あまりの熱戦に、ついに観客たち全員から大きな拍手が起こる!
将棋の対局中に拍手、超異例! すげえ!
勝又「名人の受け、渡辺の攻め、盾と矛、特徴がよく出てますね」
勝又「名人はもう80手以上、受け続けていますね」
そして、ついに森内玉が捕まらなくなった
石田「いやー、しぶとい こりゃ、捕まんねえや」

177手目、ついに森内玉の入玉が確定したところで、渡辺が投了した
観客からの大きな拍手が長く続いた いや~、これ、2人とも本気も本気だったなあ すごい(^^;

局後のコメント
石田「王手の数では、渡辺竜王の判定勝ちでございます」
お客(笑)
渡辺「名人の王様、強すぎて寄らなかったですねー」
森内「明快な寄せの手がなくて、ツイてました」

石田「来年もひとつ、岡崎将棋祭りをよろしくお願いします」
観客から、また拍手 そして閉会となった

森内名人も渡辺竜王も、お好み対局なんだから、ここまで力を入れなくても、とこっちが思ってしまうくらいの熱の入れようでした
対局途中で観客みんなから拍手が起こる、なんていうのは、めったに見れるもんじゃないですね 
渡辺がもうこれで自分の勝ち目がない、という手を指した瞬間、「ああー」という顔をしていたのが印象的でした いや~将棋って大変なゲームですね(^^;
将棋を充分堪能しました 私は、しばらくもう将棋はいいです

と言っておいて、私はまた2、3日後には将棋を見たくなってるのでしょう(笑)
関係者のみなさま、お疲れ様でした 2日間にわたって、楽しい時間をありがとうございました!
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第20回岡崎将棋祭り、前夜祭が昨日終わって、今日は本番でした
心配された天気も良く、一般人の将棋大会が屋外テントを張って行われ、
大勢の人でにぎわっていました

まずは午前中に30分間行われたトークショーの内容
司会は矢内で、石田九段、谷川会長、森内名人、渡辺竜王が出場していました
会場の300人収容できる能楽堂は、ほぼ満席でした

矢内「先ほど司会進行をやってくださいと言われたばかりで、何をしゃべったらいいのか(^^;」
石田「岡崎将棋祭りは、全日本プロトーナメントの会場になったことから始まった  屋外で風を感じながら対局をやるので、めずらしい」
森内「昨日の前夜祭でも大盛況でしたし、あたたかく迎えてくれてうれしい」
渡辺「イベントではどこにいっても盛況なので、意外に将棋が流行ってるのかなと思いますね(笑)」
石田「子供の将棋ファンが増えたのと、団塊の世代が憩いの場を求めて来てくれているのかな」

矢内「みなさん、趣味は?」
谷川「詰将棋を作るのは趣味なのか仕事なのか(笑) 最近忙しくて、一泊二日の有馬温泉くらいにしか行けなくなってしまった」
森内「本を読むとか、小学生の私の子供と遊んでいます 将棋をやったりね 子供に将棋でよく負けて(あげて)ます(笑)」
渡辺「サッカーを見たり、TVを見たりです 僕の子供がヒカルの碁で囲碁を覚えたので、僕も囲碁のルールを覚えて、NHK杯で囲碁を見てる(笑) 競馬の研究もできているんで、それができるうちはヒマなんだろうな、と思います」

矢内「みなさん、将棋が強くなった、と実感した時期はありますか?」
石田「将棋は平行にいっていてガッと強くなる、またずーっと平行にいってガッと強くなる」
谷川「奨励会に入って、最初の1~2年は苦労しました」
森内「小学生から奨励会に入って、中学生で初段になる頃には強くなった」
渡辺「この半年くらいで強くなったなあ」
(これにはお客さん、喝采) 
渡辺「いや、冗談です(笑) 勝てるときに勝ち溜めしておきたいですね」

矢内「私は最近、対局で負けて泣いちゃったんですよ みなさんは負けて泣いたことはありますか?」
石田「泣いた泣いた、勝って泣き、負けて泣き」
渡辺「石田先生は『負けてそのまま旅に出た』というのが将棋世界で書いてありましたね」
石田「1回家に帰ってますよ 着替えもないし」
お客(笑)
渡辺「僕は泣いたことはないですね 映画を見ても泣いたことがない、冷たい人間なんです どうせ映画の話だろ、とね 物理的に痛いとき以外、泣いたことがない、そういう人間なんで、よろしくお願いします」
お客(笑)
森内「私も冷たい人間なんで、泣いたことがないんです 小学生のときに1回トン死したとき以外、泣いたことがない」
谷川「私は子供の頃は、兄とよく騒いでやってました 負けて気持ちが落ち込むときはありますけどね 次の日からは大抵、ふっきれている 連戦が続くときもありますから、泣いてられない」
森内「お風呂に入るとストレスが取れます」
渡辺「僕は負けたからといって、ストレス解消法は特にないです 自分にも他人にも冷たい人間なんです(笑)」
矢内「負けた対局を将棋世界とかに、色々書かれるじゃないですか」
石田「そういうのは、見なきゃいい」
お客(笑)

こんな感じのトークショーでした 30分なんで、わりとすぐ終わってしまいましたね
渡辺竜王は受け応えがはっきりしていて、声も聞きやすいし、とてもいいなと思いました

さて、プログラムにはなかったのですが、この後、急遽、渡辺竜王が直前に行われた郷田九段との棋聖戦の挑戦者決定戦の自戦解説をしてくれるというではないですか すごいサービスです
解説は渡辺竜王、聞き手は矢内女流で大盤解説をしてくれました 矢内、でずっぱりだな~ すごい(^^;
以下、渡辺竜王の解説を、印象に残った言葉だけですが抜粋します
(棋譜はネットで見れます)

渡辺「(棋譜解説するということだが)面白いですかねえ 難しいんですけどね (手数が)長いんでね」

(この挑戦者決定戦では渡辺は先手だったが)
渡辺「振り駒で後手番が出たときは、がっかりしますよね」
矢内「私は大事な対局のときは、後手が多いんですよ でも後手のほうが勝率がいい気がします」

(序盤の角換わり腰掛け銀に進む駒組みで)
渡辺「この辺は、駒組みなんでのんびりやっている どっちの手番かわからなくなることがある(笑) ボーッとしてますよね この辺は」

(対局を開始するとき)
渡辺「『それでは時間になりました』としか言わない立会いの先生がいるんです それ、困るんですよ 時間になったから何なんだ、とね(笑) 
(どちらから指すのか間違えないように)〇〇さんの先手番でお願いします、と言って欲しい」

(中盤、後手の郷田が研究手順を指してきた後)
渡辺「▲6三角は、『どうせ何も(後手にいい手は)ねぇんだろ』、と思って指すことが大事です」

(中盤、形勢が良くなり)
渡辺「この辺は、気が早い人なら、インタビューで何をしゃべろうかなというくらいの局面なんです しかし△4七歩をうっかり、ムードがおかしくなっちゃいました △7六銀もうっかり、必勝の局面が難しくなってしまって、カッとなりますよね 自玉に寄りがあるかどうか、読めていなかった 受かっていたのはラッキーでした」

(最後、▲8二飛車からの寄せの場面)
渡辺「30分くらいかけてようやく僕が見つけた勝ち筋を、GPSはすぐに見つけていたそうです 『渡辺さん、GPSと同じ手が指せるなんて、さすがですね』と言われました(笑) この寄せの筋はコンピュータには読めないと思っていたんですが、読むんですね 去年くらいまでは『GPSが渡辺と同じ手を指せる』と言われたんですが、立場が逆になってしまいました(^^;」

(解説が終わり)
矢内「ここで羽生さんとのタイトル戦の決意のほどをお願いします 『勝つぞー!』と」
渡辺「いや、特にないです」
お客(笑)

渡辺、解説も抜群にうまかったですね 難しい内容にも関わらず、お客を退屈させることなくわかりやすくしゃべってくれるのは、グッジョブの一言です
先手と後手の差、居飛車党どうしのトッププロでは、大きいようですね 
後手番の郷田の研究手が不発、渡辺が有利になったものの、ミスして難しくなったが、まだわずかに残していた、という一局だったんですね
ただ、GPSに関しての発言は、ショック(^^; 
本局の最後の渡辺の寄せは、飛車を打って桂を成り捨てて香を打つ、という、
相当難しい寄せ方だったにも関わらず、GPSは読めてしまうんですね 
もう終盤は渡辺よりGPSのほうが上かあ・・・ 貴重な自戦解説を、ありがとうございました!

(岡崎将棋祭り当日 その2 公開対局編に続く) 
(一つ前の記事に、谷川会長の講演会の記事あり)

「第20回岡崎将棋祭り前夜祭」として、岡崎ニューグランドホテルというところで
午後6時から午後8時まで、立食パーティ形式でパーティがありました
これに参加してきました~! 事前申し込み制で、参加料5000円でした 参加者は150人です

招待棋士は、谷川会長、森内名人、渡辺竜王、石田九段、中田章道七段、杉本七段、勝又六段、門倉四段、矢内女流、藤田女流、室田女流という、そうそうたるメンバー!!

午後6時、ホテルの宴会場で、パーティが始まった
司会者「それでは棋士のみなさまのご入場です、拍手でお迎えください~」
棋士ご一行の入場、タニーはさっき講演会で見たけど、
こんどは森内に渡辺というすごいメンツがキターー  すげええええええーーー(笑) 

なんと岡崎市長までが来ており開始の挨拶、「美人ばかり来てくれて~」みたいなことを言ってた(笑)
谷川会長の挨拶、石田九段の挨拶と、石田九段による棋士紹介が終わり、みんなで乾杯!
私はビールは嫌いなのでウーロン茶で乾杯 

立食式で食べ放題だが、食べ物の量は、そんなにたくさんは用意されてないみたい
とりあえず、寿司食っとけ! 寿司、あっという間になくなった(笑)

おおおーー 矢内が近くにきて、ファンと談笑している~ あの矢内が~
矢内は最近、髪の毛をショートにカットしていて、すんごいかわいくなってる(^^;
せっかくだから、写真撮っておこう! ケータイの写メールでパシャパシャ!
あー、まだ近くに居るな デジカメでツーショット写真も撮ってもらおう!
私「あの、写真、お願いします」
矢内「どのカメラですか?」
私「あ、あれです」
パシャ
私「ありがとうございました」
矢内「あ、今、私動いたから、もう1回」
パシャ
私「ありがとうございました」
うわーい、矢内とのツーショット写真ゲーーーット! ははは(^^;
矢内、優しいな~ 「動いたからもう1回」って、丁寧だなー 

勝又さんもいるねえ 勝又さん、コンピュータ将棋に詳しいから、存在価値が急上昇、かけがえのない棋士だよね 挨拶しておこう!
私「勝又先生、いつもコンピュータ将棋の解説、見せてもらってます」
勝又「あ、どうも 今度、ユーストリームで・・・」
ここで勝又先生、岡崎市長に呼ばれて、そっちへ行ってしまった あー(^^;
ユーストリームで何かあるのかな また調べておこう ところでユーストリームってどうやるの(笑)

それと、石田九段にも「こんな会を開催してくれて、ありがとうございます」と声をかけておきました

しかし、私が棋士に話しかけたのはこの3回だけ(笑)
だって、とくに話題もないし、すんごい緊張してるんだもん それに、近くにいるだけで充分幸せだ
あ、森内名人とも写真を撮っておきました 森内名人、ファンの人としゃべってるもんだから、
勝手に名人とのツーショット写真を撮っちゃいました(^^;

藤田女流と室田女流が私の立ってるすぐそばにずっと立っていて、うお~、手を伸ばせば届くところに有名人が居る~ と思ってました(笑)
藤田女流はNHK杯の記録係、室田女流は囲碁の井山5冠の奥さんなんですよねえ

パーティも半ばを過ぎた頃、よろいかぶとを着た三人組みが出てきて、
壇上でチャンバラやら踊ったりやらのアトラクションをやってました
会場のみんなにも踊りを教えて、音楽と一緒に踊らせようとしてました
私は真似して、踊ってました(^^; 私は中央に居たので、後ろの客が踊ってたかどうかはわかりません
プロ棋士で踊ってる人はいなかったようです(笑)

そして、プロの人が一人ひとり壇上へ上がって、挨拶がありました
谷川「私はこのイベントには以前は対局者として招かれていましたが、負け続けてしまい~」
森内「この岡崎将棋祭りは、来たあとに名人を防衛できるという、私にとって縁起のいいイベントで~」
渡辺「この岡崎将棋祭りは、私は3回ほど来ましたが、まだ席上対局で負けていないので~」
こんな感じのコメントでした

食後のデザートが運ばれてきたので、さっと取って食べました デザートも全部なくなってましたね
プレゼントの抽選会で、私は門倉四段の「角交換四間飛車」という本を当てました~ やりい~

最後に棋士のみなさんが退場、前夜祭は終了しました 
矢内さんは退場する際にもファンに握手していて、ほんとにファンサービスがいいな~、と思いましたね
室田さんも会場に出るとき、一礼して礼儀正しかったです

あー、夢のような2時間だった・・・
森内、渡辺のほか、女流3人が貴重なメンツそろいだったと思いますね 
矢内、藤田のNHKコンビ、井山5冠と結婚した室田というね
生の棋士をずっと近くで見放題、という、ファン垂涎の実に贅沢な時間でした(^^)
ただ、私は慣れない服を着たりして疲れもありましたけど(^^;
プロ棋士の人たちは食事もほとんどとらず、ずっとファンと交流してましたね

明日は門倉四段vs室田女流という異色対決(たぶん平手)、
矢内女流vs藤田女流というNHK杯対決、そしてメインイベントに森内名人vs渡辺竜王があります
どうなりますやら  
愛知県の岡崎で28日、29日と将棋祭りがあります
今日の28日は、谷川会長の講演会と、前夜祭でした 
その両方に行ってきたのでどんな様子だったか書きます

「第20回岡崎将棋祭り特別記念講演」ということで、岡崎城の敷地内にある能楽堂(のうがくどう)
で、谷川会長の講演がありました 聞き手は矢内女流でした
講演のタイトルは「将棋を指す子は頭がよくなる」です 参加無料で150人ほどの参加者がいましたね
ただ、能楽堂は300人収容可能なので、ちょっとお客さんが少なめだなー、という感はありました
以下、講演の中身を抜粋します

谷川「今日は会場に、お子さんも来て頂きたかったんですけど(^^; (お客さんの中に、子供がほとんどいなかった) 昔、お子さんだった人もかなり来ていられるようで(笑)」
矢内「話題になった電王戦の話を先に伺いたいと思います」
谷川「電王戦は、ニコニコ動画の観戦者数の記録を塗り替えた(らしい)ということで、対局の結果だけ除けば大成功(^^; 次の第3回電王戦は、会長としては悩むところで、(どうするか)考えなければいけない」

谷川「コンピュータの開発者の人たちは、プロ棋士をひどい目に合わせて喜ぶのが目的ではない、と思うんですね(^^; (得られた成果を)他の分野で応用するのが目的と思います 最終局の三浦さんは、(プレッシャーのせいで)普段の彼ではなかったと思います」

谷川「学校の勉強で、予習、授業、復習とあるのと同じように、将棋も事前の研究、実戦、感想戦がある 棋士どうしの研究会でも予習していくのが通例」

谷川「将棋の感想戦は、短い人で30分、長い人だと2時間、(さすがに2時間は長いので)相手がイヤな顔をするときもある(笑)」

谷川「私自身、好きなことを職業にできたというのは幸せなこと、自分は恵まれた立場にいるというのを思うようにしようと思っている 去年の暮れ、会長になって、突然で、気持ちの整理がつかなくて、ただこういう立場を経験できる人はなかなかいない、プラスに考えなければいけないと思う」

谷川「皇族の誰々さん(メモできず)も、皇族という立場だからこそ経験できることがある、とおっしゃられていたことを私は若い頃に聞いて、印象に残っている」

谷川「矢内さんも20代の若さで(笑)女流棋士会の会長で」
矢内「年齢が微妙に違ってますけど(笑) 私も女流棋士になって丸20年、少しでも恩返しできたらいいなと思って、お引き受けしました」

矢内「1日24時間で足りますか、谷川先生?」
谷川「2年前に連盟の役員になってから、全く変わりましたね (将棋の勉強時間が今までのように取れなくなった) 神戸から東京への新幹線に乗っている3時間は貴重な時間、詰め将棋パラダイスを解いています 研究合戦で若手と張り合うのはツライので、ねじり合いにどう持っていくか、だと思います」

谷川「学校の成績は、中学の間は良かったんですけど、高校に入って30何点とか、赤点を取ったことはあります ただ、学校は自分のやりたいことをみつけるために行くところであって、(高校では)もう自分は見つけているからいいか、と思っていた面があります」

谷川「好きだった数学の授業で、先生から『谷川は授業中、怖い顔をしている』と言われたことがあります それだけ集中していたということでしょう」 

矢内「将棋をやれば集中力がつきますか?」
谷川「そういう風に思いたいですね(笑) これをやっていれば時間を忘れる、というのを見つけるのが大事だと思います」

谷川「(子供の将棋ファンが増えていて)東京の子供将棋大会では3200人が来てくれて、ギネスに申請しました」

谷川「子供の将棋大会では、試合を始める前に、挨拶の練習をするんですよね 『お願いします』と『負けました』と『ありがとうございました』を練習するんです 強い人は、『負けました』とはっきり言いますね 羽生さんなんかもね ただ、強い人はあまり負けないので、『負けました』とはっきり言えるのかもしれない(笑)」

谷川「私はパソコンでの(公式)対局でも、画面に向かって『お願いします』『ありがとうございました』と礼をするようにしていました」

谷川「子供の参加者の中で、女の子は1割くらいいる 奨励会には東西合わせて今5人」
矢内「昔の奨励会は、女子に負けたら坊主だ、というイメージがありましたが今はそんなことはないです 『将棋女子』という言葉があります オシャレな言葉として浸透すればいいなと思います」

谷川「米長会長の時代に一番変わったことは、ネットや携帯で対局の中継を見れるようになったこと」

谷川「将棋を覚えて良かったことは、好きなことを仕事にできたということ、色々な方にお会いできたということ 21歳で名人になった後の2年間は、長嶋茂雄さんと対談したりしましたしね 矢内さんも巨人ファンで?」
矢内「ここで巨人のことを言うのは(^^; (注:愛知県岡崎市は中日のテリトリー)
谷川「今、中日はあんまり成績良くないんですよね(^^;」
矢内「中日と巨人と阪神で、クライマックスシリーズに行けるといいですね(笑)」

(話がチェスの話になり)
谷川「羽生さんはチェスで日本のトップになってしまったので、日本のほかのトップチェスプレイヤーはがっかりしているらしいですね 自分たちは何のためにやっていたんだろうと(笑)」

こんなふうな講演でした 電王戦の話をしてくれてよかったです 
そんなに「将棋をすれば頭がよくなるどうこう」といった話はなかったです(^^;

第3回電王戦は、どうするか難しいですね
矢内さんが「1日24時間で足りますか 谷川先生?」と訊いたのは印象的でした
矢内さんもきっとすごく忙しいんでしょうね 矢内は昨日のTVのバラエティー番組にも出ていたし、仕事を引き受けすぎのような気もします(^^; お二人とも体に気をつけてがんばってくださいね~

前夜祭の様子は次の記事でUPします 
将棋・序盤完全ガイド 相居飛車編
上野裕和著  マイナビ将棋BOOKS 2013年3月初版 1480円+税
評価 S 難易度 ★★~★★☆  
コンセプト<プロの最新の相居飛車の序盤を知ろう アマ級位者向けに書いたガイド本>

前著、「振り飛車編」を私は絶賛しました 今回の「相居飛車編」の出来はどうか? バッチリです! 今回も素晴らしい出来です! 期待どおりの出来栄えです!

将棋好きな人、特にプロの将棋を観戦するのが好きな人にとって、抜群に面白い読み物に仕上がった一冊となっています (私は自分が居飛車党ということもありますけど)

相居飛車は歴史があるだけあって、プロの長年の研究成果をこの一冊で一気に振り返る、ということに結果的になっています プロが脳にかいた汗水の集大成の本になっているのですから、面白くないわけがない 相居飛車の戦法の変遷、楽しい~ 面白い~

私は読み始めだしてから、最後のページをめくりおえるまで、手が止まりませんでした 口語言葉で書かれており、読みやすくスラスラ読めちゃうのは前著のとおり、非常にGood!
著者の「局面の急所を見抜く目」が今回も抜群で、その局面のどこを見ればいいのか、わかりやすく教えてくれます レイアウトの工夫も今回もバッチリです

「相居飛車編」ということで前著より難しいかと身構えていましたが、特にそんなことはなかったです 「森下システム」や「新山崎流」って、どんな戦法なのか、私はこの本で初めてわかりました(^^;

この本のコンセプトは、「プロの序盤を知るためのガイドブック」ということなんで、この本を読んだからといって、自分の実戦に役に立つか、というのとはまた別ですね

前著「振り飛車編」とこの「相居飛車編」、NHK杯を見るときの予備知識として、ぜひお側に! 将棋の本=難しい、この従来の定跡をくつがえした上野先生、このわかりやすさは尋常じゃないです 知識が増えていくって、こんなに快楽なことなんですねえ すばらしい体験です 上野先生、最高の仕事をしてくれて、本当にありがとう!

この2冊を読むと、上野先生の次の著書がもう今から楽しみです また何か書いてくださいね

初版第1刷で、ぜひ訂正してほしい箇所があります
P194以降の、相掛かりでの5手目▲2四歩と突っ込む変化の定跡の解説です P197(第6図)の最後の手で、△2二同銀と取ってしまっていますが、正しい定跡手は△2二同飛です この定跡はここを間違えやすいので注意が必要です 本書のように△2二同銀だと、先手から▲3六角と打たれ難解な形勢になってしまいます (▲3六角に△6二飛の受けは▲5二歩があって成立しない) 第2刷ではぜひ訂正してください

正しい定跡手順↓
▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲2四歩 △同 歩
▲同 飛 △8六歩 ▲同 歩 △8七歩 ▲2三歩 △8八歩成
▲同 銀 △3五角 ▲2八飛 △5七角成 ▲2二歩成 △同 飛
堀口弘治 七段vs永瀬拓矢 五段 NHK杯 1回戦
解説 中村修 九段

電王戦が終わり、いつもどおりのNHK杯だ 果たして私は、今までどおりNHK杯を楽しめるのだろうか?
堀口弘治と永瀬、52歳のおじさんvs20歳の若者の一戦 おじさん、がんばれ~(^^;

堀口は1982年四段、竜王戦5組、順位戦フリークラス 予選で遠山、真田、田中悠一に勝ち
NHK杯は5回目の本戦
永瀬は2009年四段、竜王戦4組、順位戦C2 新人王戦優勝により、予選免除 
NHK杯は3回目の本戦

解説の中村修「堀口は普段から和服が多い、今日は外が台風でも和服で来るつもりだったとのこと
 永瀬は去年度、2つの棋戦で優勝した(新人王戦と加古川青流戦)が、
 それでも成績に全く納得していないようだ」

事前のインタビュー
堀口「永瀬は若手だが実力者で手ごわい相手 永瀬は戦型は何でも指せるので、対応していきたい
 ひさしぶりにNHK杯に出られたので、一番一番大事に、自分の力を信じてがんばっていきたい」

永瀬「堀口は本格的な将棋というイメージ、相居飛車の本格的な将棋を教わりたい
 NHK杯は3回戦に1度も進出したことがないので、今期は3回戦進出を目標にがんばりたい」

先手堀口で、角換わりの相腰掛け銀になった 永瀬、めっちゃ手が早い 
何をそんなに急いでいるの、と言いたくなるくらいに早い(^^;
中村修「永瀬は3秒以上考えてない(笑)」
最近の若手プロは序盤は手が早いというが、永瀬はその典型だ

雑談になり、中村修「堀口はサイボーグというニックネームがあった 難しい詰将棋の問題集を
 一日で解いたり、英語を独学でマスターしたり、変わったところでは餃子を何人前食べたらタダと
 いうのを達成したり、集中力がすごい 理事を長く務めた 
 教えるのがうまく、体育館に子供を100人集めて教える、というのができる人
 永瀬はトップ棋士への王道を歩んでいる 森内や羽生もデビューの頃は受け将棋という
 イメージがあった 若手の中では、関東のエースとも言える存在で、これからが非常に楽しみ」

さて、堀口が穴熊に潜ろうとしたところ、永瀬が積極的に仕掛けた
堀口の右桂の頭を攻めてきた 相手の攻め駒を攻めようという永瀬の構想だ
堀口、桂馬の下に歩を打ってガマンとは! う~ん、自陣に歩を打つようじゃあ苦しいのでは?
押しているムードの永瀬、次の手は? と思って見ていると、なんと、永瀬も自陣に歩! うわあ~
中村修「あっ これはまたすごい手ですね 将来的に攻められる手を消した、先受けですね
 いかにも永瀬らしい感じ」

そして、永瀬、相手陣に角を打って、もたれ指し?に出た
中村修「角~ 角か~ 不思議な感じの角」
中村修が何回も「不思議」を連呼していたところ、数手後にこの角の真意が判明した
永瀬の狙い、それはなんと1筋の端を自分から攻め、1九の香を取りにいく狙いだったのだ! うわあ~
中村修「意表を突くところから攻めてきました」
永瀬、駒得して、全駒狙いか! 自陣に歩を打って相手からの攻めを消しておき、
角を投資して悠々と端っこの香を取りに行く、これが永瀬流の受け将棋! 
ひええ~、受け将棋ならではの発想、個性があっていいね!

堀口、考慮時間が早くもなくなり、▲0回vs△8回になった き、厳しい 
堀口は穴熊に潜って固め、攻め駒をさばいて、なんとか手を作ろうとしている
がんばれ~ このままでは穴熊の姿焼きだ 

永瀬が取った香を活用し、堀口の駒をボロッと取っていく 
しかし堀口も飛車を成りこんだ、まだわかんないか 堀口が、なんとか一矢報いるかどうか
そして堀口に、穴熊の金を剥がされるのを手抜きでの攻めが、出た!どうだ?
中村修「勝負手きましたよ! 楽しいな~」

駒がたくさん当たり、大立ち回りになったが、永瀬は全く動じていなかった 
馬のラインを巧みに利かせ、堀口の虎の子の竜をもぎ取ってしまった
一連の手順に、永瀬からは「もう間違えません」と言わんばかりの自信が感じられる 
余していた時間を有効につぎ込んでいっている 時間配分も、実にうまい
堀口の攻めを完全に見切って、堀口の追い込みを許さない永瀬、これは強い・・・!
矢内も思わず「(この受け方は)真似できないですね」
中村修「堀口の穴熊は固かったんですけど、3枚はがされちゃっては、持たないですね」

106手、永瀬の完勝に終わった
中村修「永瀬の強いところが出た将棋 仕掛けから終始、永瀬ペースという感じだった」

感想戦では、堀口のほうにも対処の仕方が色々あった、とのことだった
本譜は永瀬の実力がいかんなく発揮された 堀口とは明らかに力に差があったなあ 
さすが新人王、強い! これくらいでなきゃ、将来有望とは言えないよね
堀口のほうは、おじさんパワーは発揮されず、だったが、永瀬が強かったもんだから、もう仕方がない
若手相手に、最新形の局面を作ってしまったのも問題だったかもしれない 

永瀬流の受けを主体とした手がたくさん見れて、楽しかった
自陣に先受けの歩打ち、角の持たれ打ち、1筋の端攻めから香取りを間に合わせようとする発想、
受けの馬の使い方、堀口の勝負手への対処、どれも見事だった 

電王戦でプロが負け越してしまい、私はNHK杯を今までどおり楽しめるだろうか?と思って、
かなり不安だったのだが、この一局を見た限りでは、大丈夫なようだ ほっとしている(^^;

さて、来週だが、28日、29日と岡崎将棋祭りがあるのだ 
その関係で、来週はNHK杯の更新が遅れます ご了承ください 
来週の日曜には、岡崎将棋祭りの記事を書く予定です
2013.04.21 電王戦の感想
今日は本来ならNHK杯の記事を書くところですが、昨日は特別な日だったので、
昨日までの電王戦の感想を書くことにします

1局目、▲阿部光瑠四段vs習甦 113手で阿部光瑠の勝ち 
 角換わり相腰掛け銀
 光瑠が習甦のプログラムの欠陥をついての勝ちで、光瑠が事前の研究の結果を出した
 地力のぶつかり合いにならなかったのは残念ではあったが、光瑠はよくやったと思った 

2局目 ▲ポナンザvs△佐藤慎一四段 141手でポナンザの勝ち
 相居飛車の力戦 
 これは地力のぶつかり合いになった 慎一にも優位に立つ目があったが、ポナンザが力勝ち
 もっと上位のプロ棋士なら勝てたかも、とは思わせる内容ではあった 

3局目 ▲船江五段vsツツカナ 184手でツツカナの勝ち 
 4手目△7四歩からの相居飛車力戦 
 大熱戦になった 船江は会心の指し回しで長い中盤を乗り切り、優位に立つ
 カナ駒を一枚丸得して明らかに有利 しかし互いに大駒を自陣に引きつけ、さあまた一局となってから、
 船江が時間切迫、ツツカナが追い上げ、ついに逆転負け 
 これは結果は残念だったが、好局でとても面白かった

4局目 ▲プエラαvs△塚田九段 230手で引き分け
 相矢倉 
 塚田の矢倉が早々に見事に崩される 塚田は普通に勝つのをあきらめ、入玉に活路を求めた
 塚田は駒数で圧倒的に足りなくなったが、プエラαが入玉してこなければ、
 塚田はまだ勝ちも狙っていたようなコメントをしていた 
 しかしプエラαは入玉を決めて、プエラαの勝ちが決まった・・・ように見えたのだが、
 そこからの駒の点数を計算する技術がうまくプログラムされておらず、
 塚田がどうにか引き分けに持ち込んだという一局だった 見ていて正直、疲れ果てた
    
5局目 ▲三浦八段vs△GPS将棋 102手でGPS将棋の勝ち
 相矢倉脇システム
 GPSが角損の攻めを敢行 GPSが寄せ切るか、三浦が逃げ切るかという勝負
 GPSは細い攻めをつなげ、見事に三浦玉を捕まえた 
 三浦は局後に「どこが悪かったかわからない」と何回も言っていた 
 盤面左側だけの勝負で、人間としては考える範囲が狭く考えやすかったと思えたのだが、
 GPSの先読みの深さ、角損でも攻めがつながるという大局観の正しさに負けたという内容で、
 三浦の完敗だった 
 コンピュータが不得意のはずの、駒損の攻め(それも角の丸損)をしっかりやって、
 A級棋士を上回ったということがショックだった


A級棋士が負けた、ということで、連盟の失ったものは大きいと感じています
プロ棋士はお金では買えないものを失ったと思いますね 社会的ステータス、地位です
今まではプロ棋士と言えば「将棋で最強の集団」という格付けでしたが、
これからは「コンピュータには及ばない」というのが冠に付くことになってしまいましたからね 
「神の一手を指し、究極の棋譜を作り出す」というプロ棋士の仕事も、
これからはコンピュータが引き継ぐことになりましたからね
プロ棋士は、これからは、あくまで「人間の」最強を決めるタイトル戦、トーナメント戦を
行うことになりますね
第3回電王戦があったとして、羽生や渡辺が負けるところは、見たくない・・・
いつかこういう日が来ることはわかっていましたが、やはりショックです それが私の正直な感想です
ああーー ついにA級棋士がコンピュータに負けたか 
盤面を左半分しか使わない将棋で、人間にとって考えやすかったにも関わらず、大局観で負けた三浦
ショックな負け方だった 
局後、三浦は途中まで自分のほうが良いと思ってやってた、とのこと
私も見ていて途中までずっと先手が有利、後手の攻めは続かないと思ってみていた
▲7二金で飛車を取りに行った手は感触が良くなかった ▲6三角だったらどうなったのか
屋敷もどこで後手良しになったか、解説がなかった

電王戦はプロの1勝3敗1引き分けで終わった
まあ、私の戦前の予想はプロの5戦全敗だったのだ(^^;
2007年のボナンザと渡辺竜王の相穴熊の一局を見た人なら、今回の結果は予想できたと思う
あの一局は名局、実力伯仲の互角の内容だった あれから6年経ってるもんね プロ、そりゃ負けるわ

電王戦についてはまた改めて感想を書きたいと思う みなさま、お疲れ様でした
飯島栄治 七段vs髙見泰地 四段 NHK杯 1回戦
解説 勝又清和 六段

矢内、きれいだなあ ぞくっとしてしまった 4月から、女流棋士会の会長なんだってね
しかし、昨日の塚田の電王戦は疲れた 入玉で延々230手(^^; 

飯島は2000年四段、竜王戦1組、B2 成績優秀により予選免除 本戦は4回目の出場
高見は2011年四段、竜王戦6組、C2 予選で佐藤和俊、小倉、日浦に勝ち、本戦初出場

解説の勝又「飯島は居飛車党、引き角戦法という独自の戦法を編み出した 手厚い棋風
 高見は先手なら矢倉、後手なら力戦振り飛車を得意とする 終盤が鋭い 
 がんばりやさんで今は大学生」
ちなみに、勝又は石田和雄門下で高見の兄弟子(あにでし)ということだ

事前のインタビュー
飯島「高見は今売り出し中の旬の若手、早指しが得意なので、初戦から気の抜けない相手
 NHK杯はひさしぶりの出場なので、自分らしい手厚い将棋、
 そしてみなさんに楽しんでいただけるような将棋を指したい」

高見「小学生の頃から見ていたNHK杯に自分が出れると思うと、とてもうれしいです
 10代のうちに出れるのはとても光栄なことで、財産にもなるので、がんばりたいと思います
 初戦から強敵なんですけど、自分らしい将棋を指して、一つでも多く勝てたらいいと思います」

先手飯島で、居飛車 後手の高見はゴキゲン中飛車で対抗形になった
飯島が丸山ワクチンの角交換をして、駒組み合戦の持久戦
勝又「角交換の力戦での、ゆっくりした展開」
勝又は、その手に前例があったかなどを、よくしゃべってくれる
矢内「さすがですね 色々な過去のデータの話がガンガンと(笑)」

勝又「飯島は順位戦で10年近く7勝以上している 安定という言葉がピッタリ
 高見は三段リーグで最終日に1勝すれば昇段というときに、連敗で逃した
 しかし次期に1位で昇段した」

双方美濃囲いだ 高見が銀冠に移行しようとしたところで、飯島が動いた
▲5六角の筋違い角だ これは角交換型の対抗形で、よく見る手だね 
勝又「うまくいくかギリギリのところ 飯島は危険な手を1手は通す その後は手厚くいくのが飯島流」 

飯島が一歩を取ったはいいが、まだ双方、見動きが取れないかと思って見ていたら、
高見が思い切って局面を打開してきた 左桂を捨てて、強引に飯島の角を捕獲にきた!
勝又「(高見は)元気ですね! 元気だね!」
高見、駒損ながら、銀冠が固いんで、まだ互角という形勢判断か 
高見は戦いが本格的に起こってから、8筋と7筋の歩をじっと突く、なかなか出来ない手を指している
勝又「高見は終盤の発想がちょっと違う、そんなこと思いつくんだ、という感じの手を指す」

難しい中盤で、飯島が好手を見せた 飛車を5段目に浮いたのが見えにくい手で、指されてみると
横利きが抜群に味が良い これは飯島が魅せた! 
次いで盤面を制圧するベタ金も打ち、飯島、ハッキリ局面をリードした模様
勝又「こういう手厚い金打ちは、飯島の一番好きな手だから 
 高見君はこれに対してどういうヤンチャな手を用意しているのか」
高見、考慮時間を全て使い切り、秒読みに追い込まれた 
特に好手も見つけられずだったようで、もうダメか?

しかし飯島が勝つまではまだ長い、と思われた次の瞬間、
飯島、さっき打った金を捨てて寄せに行ったではないか うおお~、金捨てるのか! 
それでも飯島側が良しと、理屈ではわかっちゃいるけど、実戦では指せない手だぞ
飯島もすごい元気(笑)
飯島が金を捨てた瞬間、勝又はめっちゃびっくりして、声が完全に裏返っていた
勝又「あ~!あ~! そうだったのか」
矢内「今の勝又先生のリアクション、カメラで撮って欲しかった(笑)」

局面は飯島がリードしているが、高見側に桂馬が入ればまだわからないようだ
勝又が「高見は桂馬が欲しい 角と交換でもいいから欲しいくらい」
矢内「△4四香は?」
勝又「いいんじゃない? ホントにやるんじゃない?」
そして高見の指し手は、△4四香! おおおー、当てた矢内もさすが、高見も盤面が見えてる!
勝又「(矢内さん)さすが! これはキタか!? 高見君、元気が出た 形勢、細かくなった」
おおお~、両者の手が伸びているぞ 非常に面白い終盤だ

高見が飯島陣に食らい付き、寄せ合いだ これはどっちがいいんだ? まだ飯島が勝ってるのか?
そこで出た、高見の角捨ての鬼手!! 私には全く理解不能の手 な、なんだこりゃ~!
勝又「おお~ 何ていう手を思いつくんだ君は これ思いつかないね これはすごいわ
 のけぞっちゃうね」
矢内「1秒も(考えない手)」
す、すごい こんな手はめったに見れるもんじゃない 
それを初出場のNHK杯で出すとは、高見、タダ者ではない!

もう30秒将棋でギリギリの寄せ合いだ  
勝又「どっちがどうなってるのか」
矢内「さっきから大盤を動かしてません(笑)」
勝又「私はただの観戦者になってる(^^;」
いやあ、面白い、面白い! 手に汗握る、とはこのことだ

勝又はここに来てパニック状態(笑) しかし対局者の飯島は冷静だった 
ピッタリ13手詰めに詰め上げた これは、お見事~ 実にしっかりした読み、飯島強い!
勝又「さすがっすね これは飯島の得意のセリフ(笑)」

97手まで、飯島の勝ち あー、楽しかった! これぞ将棋っていう感じの終盤戦だった
1回戦屈指の好局だね 両者ともによくやってくれた パチパチパチパチ

勝又「飯島が意欲的な筋違い角を打って、良くなった 高見が得意の終盤力で追い上げて、
 ハラハラドキドキでした 最後はピッタリの詰みで、お見事でした」

7分間の感想戦で一通り並べてくれたが、飯島のほうには反省する手というのは見つからなかった
いや~、飯島、竜王戦1組なだけあるね 強かったわ 飛車の使い方がうまかったのが印象的だった
負けた高見も、力のほどを見せていた 角捨ての鬼手、才能があるねえ これからが楽しみな新人だね
双方に見せ場があり、金の取れるプロの将棋という感じだったよ

本局、事前には期待していなかったカードだった分、よけいに得した気分になった 実に好局だった
将棋ってやっぱり、寄せ合いになったら楽しいなあ 飯島も高見もグッジョブ、面白かった!     
見ていたみなさま、おつかれさまー
大変な将棋でした 私の感想と言えば苦笑いしか(^^;

プエラαにしてみれば、「将棋に勝ったが勝負は引き分け」というところか
塚田、マイナス2000点を超えていて9点くらい足りないのに延々指し続け、
230手で引き分けゲット、プロ根性ですね 

ソフト開発関係者によれば、「入玉用のプログラムは、通常モードからいつ入玉モードにするかが難しい」
ということでしたね 

最終戦の三浦にはスッキリした勝負をしてもらいたいです
中村太地 六段vs野月浩貴 七段 NHK杯 1回戦
解説 阿久津主税 七段

さあー、新たなNHK杯の開幕だ 聞き手は今年も矢内、安定した聞き手っぷりを今年もよろしく!
初出場者は、佐々木勇気と高見、この2人か しかし若手が随所に出てきている
船江vs糸谷が1回戦の好カードだね
今日は中村太地と野月、勢いのいい将棋が見れるか 

太地は2006年四段、竜王戦4組、順位戦C1 総合成績優秀により予選免除 3回目の本戦
野月は1996年四段、竜王戦3組、順位戦B2 予選で片上、熊坂に勝ち10回目の本戦

解説の阿久津「太地は近年勝率がうなぎのぼり、野月は家が近所でお世話になっている
 横歩取りになるんじゃないか」

事前のインタビュー
太地「野月は鋭い攻め将棋で終盤型、2人とも横歩取りが得意なので、
 戦型は横歩取りになると思います  一局でも多く指せるようにがんばりたい」

野月「太地は非常に好青年で、将棋も強い なんとか負けないようにがんばりたい
 3年くらい前のNHK杯予選の決勝で負けているので、その借りを返したい
 戦型予想は、まだ考えていません 2人とも攻め将棋なので激しい将棋になると思う
 キビキビした将棋を指したい」

先手太地で、対局開始 後手野月は、なんと角道を止め、ノーマル三間飛車! これはびっくりだ
阿久津「予想と全然違いましたね(笑) 野月が時々やる裏芸」

太地が迷いなくクマり、ガチガチの4枚穴熊だ 野月は高美濃で対抗 
盤面右側で戦いが起こり、阿久津「まったりした展開になってきました」

盤面右側での長手数の折衝の結果、飛車香交換で野月が駒得したが、
野月の飛車は押さえ込まれている 太地の駒は全部働いている いい勝負か?

太地、香2枚を7筋に並べ、強引に突破しようというところ
阿久津「第一感は穴熊ペース」
しかし、その香2枚に狙いをつけた野月、おお、これはいい着想だ 太地、どうする?
そこで太地に、香を助ける犠牲の歩突きが出た! 
相手に、と金を作らせてでも、攻めを一手遅らせる手筋!

7筋から強引に攻め込む太地、しかし穴熊も薄くなっている どうなってる?
野月、攻めに金を張りつけ、穴熊もあと一手で詰めろがかかる
阿久津「野月の玉に詰めろがかかれば、太地の勝ちだが、何か詰めろがあるか」
太地、秒を読まれて指した手、それは・・・ 受け! 受けの手だった 
ここで受けに回るようでは攻めが失敗か

互いに金を交換し合い、ここにきて、まさかの千日手模様 うわー、ここで千日手か
だが、野月は躊躇(ちゅうちょ)なく、打開したではないか 
ええ? 金銀が替わってしまうと、野月の玉に詰めろがかかってしまうが、大丈夫なのか?

阿久津「野月に何か誤算があったかも」
太地の攻めが止まらなくなった 詰めろ詰めろで迫り、しっかりと野月玉を討ち取った
165手で太地の勝ち 
阿久津「最後は穴熊の遠さが活きた」

一手違いで、なかなかの熱戦だった 
野月、千日手模様の打開が悔やまれるなあ せめて、あと1回は、金の打ち換えを繰り返して、
時間ギリギリまで考えていれば・・・ 野月としては、惜しい敗戦になってしまった
銀が先手に渡れば、自玉が詰めろになってしまうということは簡単にわかったはずなんだけどね
一方、太地は安定した強さを見せてくれた

昨日の電王戦を見た疲れが残っており、本局は長い中盤で、やや眠たくなってしまった(^^;
昨日の電王戦はそれほどの熱戦だった・・・ ああー、船江orz
気を取り直して、今期もNHK杯の感想を書いていこうと思う
2転3転、面白い内容だった
△6六角、△5五香、△6六銀、▲6八竜と、見所いっぱい
船江がハッキリ優勢になった場面もあった あああーー 勝てた勝負だった 船江、残念~!!
ボンクラーズとツツカナの形勢判断、全く当てにならず、だった 
これで1勝2敗・・・ プロ、追いつめられてしまった あああー、勝ててたなあorz
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