相掛かりで、5手目▲2四歩と突っ込む変化、
▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩▲2四歩の、通称「5手爆弾」について、
新手と思われる手を発見しました
従来の△1二飛に代えて、△8二飛です
というか、激指定跡道場3とBonanza6.0が発見したわけですが(^^;
激指定跡道場3には、この5手爆弾は定跡として入ってません 検討モードが見つけたのです

今まで、先手が5手爆弾をやってきても、わずかしか後手が良くなりませんでしたが、
この△8二飛が実現すると、もっと後手が指しやすくなります
・・・ということは、5手爆弾はもっと成立しなくなった、ということです

この5手爆弾、どの定跡書を読んでも、あまり詳しく書いてくれていないんですよね
しかも、間違って書いていたりします・・・ ネットでもあまり引っかかりませんでした
そもそも、上野先生の名著さえ間違って△2二同銀と書かれてあったのが、
今回自分で激指を使って検討してみようと思ったきっかけなんですけどね  

以下は参考にした本です 何気に、お金がかかってます(笑) (図書館で借りたのもありますけど)
「将棋・序盤完全ガイド居飛車編」 上野裕和  2013年発行 
「よくわかる相掛かり」 中座真  2012年発行
「最新の相掛かり戦法」 野月浩貴 2010年発行
「いまさら聞けない将棋Q&A」 畠山成幸 2006年発行
「相居飛車の定跡」 青野照一  2004年発行
「将棋基本コース」 大山康晴 1996年発行
「速攻!!相掛かり戦法」 屋敷伸之 1993年発行
「将棋戦法小辞典」 鈴木照彦 1992年発行


難しい変化も出てくるので、予備知識が必要です
このサイトがいいです 「居飛車党宣言!」 http://www.koichi.jp/shogi/index.php
このサイトの「横歩取り」というところをクリック、その定跡の一番下に「相掛かりの基礎知識」
というのがあります それが図面たっぷりで、わかりやすいです
ただし、一番下の▲4五角までの「参考1図」、正しくは、その図は後手に持ち駒は歩が2枚です 
管理人様が、間違えちゃってます (後手に2歩あることが大きな意味を持ちます)

△1二飛が定跡として載っているのは、上記の上野本以外の7冊全てです
今回の激指とBonanzaの指摘どおり、△1二飛でなく△8二飛が成立しているとしたら、
以下のように、定跡書にいっぱい変化手順を書かなくてはいけないんです 
5手爆弾、全然初心者向けじゃない定跡ですね(^^;

ただし、あくまでも激指定跡道場3の検討モードプラス私の考えでやってますから、
もっと棋力の高い人に言わせれば、そこは違う、ということもあるでしょう 

余談なんですけど、これからの時代は、プロであっても、「定跡をコンピュータを使って検討する」というのが、当たり前になっちゃうんでしょうかね? 

興味のある方は、以下をダーーーーッと青く反転させてコピーして、
kifu for winに編集から貼り付けをして取り込んで見てください


▲2六歩
*激指定跡道場3の力を借りて、5手爆弾を研究してみます
△8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲2四歩
*定跡なら、ここでは▲7八金 5手爆弾はここで突っ込む さあ、どうなるか? 
△同 歩 ▲同 飛 △8六歩
*後手から反撃がくる
▲同 歩 △8七歩 ▲2三歩 △8八歩成 ▲同 銀 △3五角
*後手にこの反撃がある
*ここで▲2二歩成といくのは、飛車を取られて先手不利です 分岐します
▲2二歩成 △2四角
*▲2一と、▲1一とに分岐します
*どちらも先手不利 しかもかなり不利になります
▲2一と △5七角成 ▲3一と △同 金
*ここでの激指の評価は、-910 後手優勢です
*飛車を見捨てる▲2二歩成はダメです
*(14手目に戻る)


変化:17手
▲1一と △5七角成 ▲2一と △4二銀
*激指の評価地は-1030 圧倒的に後手優勢との判断
*(14手目に戻る)


変化:15手
▲2八飛
*▲2五飛と引くのは、△2四歩がいつでも飛車当たりになるのでダメ 深く引く一手
△5七角成 ▲2二歩成
*さあ、問題はここです △同銀が正解か? △同飛が正解か? 
△同 銀
*△同銀は不正解 自然な手に見えて、疑問手です
*こう取ってくれるなら、先手も互角に戦えます
*
*上野先生の「将棋・序盤完全ガイド居飛車編」(初版)も、△同銀と間違えてしまっています
*
*ここで先手に5つの候補手があります
*▲2三歩、▲4五角、▲3六角、▲9六角、▲8五角です どれがいいのか、順に調べていきましょう
*ちょっと多いですが(^^;
▲2三歩
*まず、この攻めはどうでしょうか
*(ちなみに、▲2四歩と垂らす手はうまくいきません
*▲2四歩△3二金▲2三角△同銀▲同歩成△2七歩▲同飛△4五角が両取りで、後手が受かっています)
△3一銀 ▲2二角
*▲2三歩~▲2二角 本によっては、これで難しいと書かれていることもけっこうあります 
*
*「よくわかる相掛かり」には、「この変化は後手も大変」と書かれています
*
*しかし、これは後手有利になる、とのこの後の激指の判断です
△同 銀 ▲同歩成 △2七歩
*角を取った後の、後手のこの反撃が厳しい
▲同 飛 △4五角
*この反撃が厳しい
*▲2六飛と逃げると、△3五馬から先手の飛車が押さえ込まれてしまいます
▲2五飛 △6七角成
*ここでの激指の判断は-781 かなり後手有利と激指は示しています 
*後手からは△8九馬(詰めろ)、△8六飛~△6六飛などがあり、私も後手が勝つ将棋と思います
*以下、▲3二とは△同飛▲2一飛成△8九馬で後手が勝ち筋 (激指の評価が-1000ほどになる)
*
*△2二同銀に対し、▲2三歩~▲2二角は疑問でした
*(18手目の分岐に戻る)


変化:19手
▲4五角
*6三の地点に成りを狙った角 受けるなら△6二飛ですが、それには▲5二歩という好手があり、先手有利になります 
*
*屋敷先生の「速攻!!相掛かり戦法」、大山先生の「将棋基本コース」では、後手が△2二同銀と間違えた場合にはこの▲4五角を推奨しています
*しかし・・・
△2七歩
*後手に2歩あるので、叩きがありました
*△同角は飛車道が止まってしまうのでダメです
▲同 飛 △2六歩 ▲同 飛 △3五馬
*両取りをかけられてしまいます
▲4六飛
*ここでの激指の評価は-292 やや後手持ち、ということです 
*後手は2歩損で歩切れですが、馬と飛車が交換になりそう、先手の4五の角が負担になりそうです
*
*▲4五角は、△2七歩~△2六歩の叩きを与えてしまいます 
*主導権を後手が握っています せっかく後手が△2二同銀と間違えてくれたのに、これでは先手がつまりません
*(18手目の分岐に戻る)


変化:19手
▲3六角
*△2二同銀に対しては、▲3六角がいいと思われます
*鈴木輝彦先生の「将棋戦法小事典」ではこの▲3六角を推奨しています
*もし後手が△6二飛としたら、▲5二歩で先手良しとなります
*以下は激しく行くなら△8六飛、穏やかに行くなら△3二金が考えられ、以下は互角の乱戦になるでしょう
*
*ここでは△8六飛の変化を少し進めてみましょう
△8六飛
*ここで▲2二飛成は△8八飛成で、角と馬の差が出て、先手の負けです
*
*▲8七歩は有力で、△3六飛▲2二飛成は、互角で難しい分かれとの激指の判断です
▲6三角成
*思い切って▲6三角成と成りこむのが最有力との激指の判断 形勢は-208
△2七歩 ▲同 馬
*形勢は-203でほぼ互角との激指の判断
*△2二同銀には、▲3六角が有力です
*以下、激指を使って一例を少しだけ進めます
△6七馬 ▲7八金 △6八歩
*以下、こんな難解な戦いが続く模様です 難しいですね(^^;
*(18手目の分岐に戻る)


変化:19手
▲9六角
*この手もいい手です 後手の対応によっては、▲3六角と同じ展開が予想されます
*▲3六角と違って、△3六飛と切られる順を与えません
*ただ、先手は乱戦を狙っているわけですから、わざと後手の手を広くする▲3六角もあると思いますね
△8六飛 ▲6三角成 △2七歩
*手が広いところですが、ここでの激指の最善手は△2七歩
▲同 馬
*▲3六角と同じ局面に合流しました
*形勢は-203でほぼ互角との激指の判断
*(18手目の分岐に戻る)


変化:19手
▲8五角
*激指によれば、これも非常に有力な手とのことです 
*この手に対し、△3二金と受ければ▲6三角成で互角の戦い(その場合の激指の形勢判断は-45)です
*
*
△同 飛
*△同飛と切られてしまう手が発生しますが、結果的に飛車が先手の持ち駒になります 飛車が好きな人は▲8五角はお勧めですね
▲同 歩 △3二金
*こう受けておくくらいでしょう
*もう少し進めてみます
*次の手では▲7八金と受ける手も有力ですが、攻めてみましょう
▲5四歩 △同 歩 ▲5三飛 △6二玉 ▲5四飛成 △6七馬
*これくらいでどうか 形勢は-224で互角とのことです
*△2二同銀に対して、▲8五角は有力です
*
*<相手が△2二同銀と間違えたときの結論>
*▲3六角、▲9六角、▲8五角、いずれでも先手も互角に戦える
*(17手目の▲2二歩成のときの分岐に戻る)


変化:18手
△同 飛
*△同飛と取るのが定跡手で、正解です
*▲同飛成△同銀▲5五飛は、△6七馬が8九の桂取りなので怖くありません
▲2三歩
*2四には馬が利いているので歩は打てません
*▲2三歩の一手 問題はここです 従来は、ここで△1二飛と我慢して逃げて、後手が少し良しとされていました しかし、ここで△8二飛が最善、というのが激指の意見です ちなみにBonanza6.0の意見も△8二飛です
*今までの定跡書にはなかった手です
△1二飛
*まずは、今までの定跡手、△1二飛を調べましょう
*この局面、激指の評価は-227です
*△1二飛の意味は、▲2二角と打たれたときに1一の香にヒモをつけたことと、6三の地点を狙う先手の角打ちを無効にした意味があります
*ここで先手の候補手は、▲2二角、▲6五角、▲7八金くらいでしょう 順に調べます
▲2二角
*こう打ち込む手が、多くの定跡書で書かれています
*しかし、これは相当な悪手で、ココセです 
*激指の評価は一気に-1054、いきなり圧倒的な差がついてしまいました
△2四歩
*これで先手の攻めは止まってしまいました
*まだ無理やり攻めを続けようと、あがいてみます
▲1一角成 △同 飛 ▲2七香 △4五角
*攻防の角打ち
▲2四香 △2七歩
*これで後手が完封勝ちです △1二飛に対し、▲2二角は悪手です
*(20手目に戻る)


変化:21手
▲6五角
*一見、この手もありそうです 先手はまだ歩損はしていません
△3二金
*しかし冷静に△3二金とされると、8三に成ることはできますが、△6七馬と歩を取られてしまいます 先手面白くないです
*(20手目の分岐に戻る)


変化:21手
▲7八金
*△1二飛に対しての最善手は、じっと▲7八金だと激指は言っています
*この局面での激指の評価は-172です 人間どうしなら、以下△4七馬か△3五馬くらいで、勝負はまだ先でしょう 激指の数値以上に後手が有利っぽい感じはしますが、後手も飛車が使いにくいという欠点があります
*
*ところが! ここで、激指では後手の最善手はなんと△8二飛と出るではないですか! それなら一手前に△8二飛のほうがいいに決まってます そこで、△8二飛ならどうなるのか、調べてみました これが今回のテーマです (19手目に戻る)


変化:20手
△8二飛
*ここでの激指の評価は-445 △8二飛が成立するなら、△1二飛より、明らかに得です
*しかし問題があります ▲2二角はどうか、と、先手からの6三の地点を狙う角打ちの類はどうかです 
*この△8二飛が成立しているのかどうか、が、今回のテーマです
*以下、やはり5つの手に分岐します 多いですけど(^^;
▲2二角
*まずこの場合も、この角の打ち込みが成立するか、見てみましょう
*と言うか、この図、最初に△2二同銀と取ったときにやった図と全く同じなんですよね(^^; まあ、復習のつもりでもう一回見ましょう
△同 銀 ▲同歩成
*中座先生の「よくわかる相掛かり」、青野先生の「相居飛車の定跡」、鈴木輝彦先生の「将棋戦法小事典」には、この図は「後手も大変」や「俗攻めで相当」と書かれていますが、それは検討不足からくる間違いと思います 私はこの局面に関しては、激指を信用します(^^;
△2七歩
*この叩きが厳しい
▲同 飛 △4五角
*この手に対し、▲2六飛は△3五馬で飛車が押さえ込まれてしまう
▲2五飛 △6七角成
*激指の評価は-781で、後手有利 次の△8九馬が詰めろで厳しい 以下、▲3二とは△同飛▲2一飛成△8九馬で後手が勝ち筋 (激指の評価が-1000ほどになる) ちなみに▲5八銀と投入しても△3四馬▲5七銀△2五馬の局面は、-1150ほどの差がついてしまいました
*△8二飛に対し、▲2二角の打ち込みは無理でした
*(20手目の分岐に戻る)


変化:21手
▲4五角
*余談ですが、▲1八角は△2七歩があって無効です
*では、この▲4五角はどうか?
△2七歩
*毎度おなじみの歩の叩き
▲同 飛 △2六歩 ▲同 飛 △3五馬 ▲4六飛
*これで後手有利です 評価-651 ▲4五角は、角と飛車の両取りがかかってしまいます
*以下は△7二金と手堅く守り、▲8七銀なら△8四飛~△2四飛で後手が良しです 馬と飛車はたぶん交換になるでしょう
*(20手目の分岐に戻る)


変化:21手
▲3六角
*この▲3六角はどうか?
*先ほどの△2二同銀の変化のときには、有力な角打ちでしたが今度はどうでしょうか
*ここで▲3六角を指したときの激指の評価は-634 なぜこんなに後手が有利に?
△2七歩
*一発叩きが入る
▲同 飛 △8六飛 ▲8七歩
*自然な受けに見えるが
△3六飛
*いきなり切られる!
▲同 歩 △2六歩
*取れば、△1五角の王手飛車 いちおう▲2五飛打で受かるが、飛車を取られては先手全く自信がない
*(▲同飛△1五角▲2五飛打△2六角▲同飛の局面は、-727)
▲2八飛 △4七馬
*じっと馬で飛車を圧迫され、後手有利
*激指は-671と判断 次の△4六角▲2六飛△6九馬を見ている
*△8二飛に対し、▲3六角もうまくいかなかったです
*(20手目の分岐に戻る)


変化:21手
▲9六角
*この▲9六角はどうか しかし、結論から言ってダメ、この手を指したときの激指は-796で後手有利との判断
△2七歩
*毎度おなじみ歩の叩き
▲同 飛 △8六飛
*決め手に近い飛車の飛び出し
*銀取りと、△2六歩を見ている
*▲8七銀には、一発△2六歩を打ってから、△8二飛と引いておいて、先手の角が成れない(銀にヒモがなくなる)ので後手良しです
▲8七歩 △5六飛
*この飛車回りが異様に受けにくいです
▲5八歩
*受け方は他にも考えられますが、どれも後手の攻めが続きます 一例として手堅く受けてみます
△6七馬
*△2六歩と△8九馬が残って後手有利
*もう少し進めてみます
▲2二歩成 △2六歩 ▲3一と △2七歩成 ▲4一と △6二玉
*ここまでくると、-1175 後手が勝ちになっています △8六飛~△5六飛が強烈でした
*△8二飛に対して、▲9六角もダメでした
*(20手目の分岐に戻る)


変化:21手
▲8五角
*先手の最強の抵抗と思われる角打ち この角を打った時点での激指の評価は-429
*ここで後手の手、激指の最善は△7四歩という手なんですが、私には意味がよくわかりません 
*△7四歩は、その後の戦い方がどうもハッキリしません 
*よって、激指の次善策の△2七歩から飛車を叩き切っていく筋でどうか 
△2七歩 ▲同 飛 △8五飛
*叩き切る
▲同 歩 △4五角
*またもこの角の筋 形勢は、-405 
*次の手、▲2六飛は△3五馬で飛車が押さえ込まれてしまいます 
▲2五飛 △6七角成
*馬を2枚作ってどうか 後手が手厚いように見えます
*激指の形勢判断は-491です
*ここで▲2二歩成は△4七馬が飛車取りと、6九の金取りの詰めろで後手勝ち筋です
*
*ここで先手に勝負手があります ▲5八金右(左もある)という手です
*▲5八金右と▲5八金左に分岐します
▲5八金右
*これが案外、やっかいなのです
*激指の最善は△同馬右です
*以下、△同馬右▲同金△3九馬と進んだ局面、激指の形勢自体は-664と出るのですが、そこで先手に▲6八玉とされてみると、すぐの寄りがありません 長引けば大駒を3枚持っている先手がだんだん良くなります
△3四馬
*2枚換えはあきらめ、馬を引くのが得策と思います
▲5七金 △2五馬
*ここまで進んでみて、どうか 
*後手の次の狙いには△2六飛があります
*
*激指の判断は-622で後手有利
*駒の損得は全くないですが、先手陣がバラバラです
*△8二飛に▲8五角でも、飛車を切る筋で後手が充分指せそうです  
*(28手目の分岐に戻る)


変化:29手
▲5八金左
*こっちの金でいくと、どう違うか
△3四馬
*2枚換えはせず、馬を引いておく
▲2八飛
*▲5八金右のときと違い、3九の銀が浮いていないので、飛車を引く手が考えられる
*以下は、後手の戦い方の一例
△2七歩 ▲同 飛 △3五馬引 ▲2二歩成 △2六歩 ▲3一と
△同 金 ▲2八飛 △8九馬
*だいぶ進めましたが、こう進むくらいが考えられます
*この局面、激指の評価は-433で後手有利とのことです 後手の2枚の馬がどこまでいっても手厚いようです
*
*△8二飛に▲8五角にも、後手が充分有利に戦えることがわかりました
*
*<今回のテーマの結論>5手目▲2四歩に対しては、従来の定跡手の△1二飛でなく、新手の△8二飛で後手がより有利になる
まで40手で中断
佐藤天彦 七段vs山崎隆之 七段 NHK杯 1回戦
解説 稲葉陽 六段

天彦と山崎、1回戦屈指の好カードだ ワクワクする 天彦は今日はそれほど目立った格好はしていない
みんな期待していると思うので、もっと奇抜な格好で来て欲しい(^^;
山崎は髪の毛を逆立て気味にしていて、いい感じだ 

天彦は2006年四段、竜王戦1組、B2 予選で佐藤紳哉、西尾、藤井に勝ち 本戦は5回目の出場
山崎は1998年四段、竜王戦1組、B1 予選シード 本戦は13回目の出場

解説の稲葉の顔、モロにホームベース型(笑)
稲葉「天彦は序盤の研究が深くて、最新形も指す 基本的には攻め、受けるときも力強い
 山崎は序盤から独創的で人まねを全くしない 粘り強くて逆転勝ちも非常に多い」

事前のインタビュー
天彦「山崎は序盤から独創的、個性豊かな将棋 まずは1回戦を勝たないことには始まらないので、
 目の前の一局に集中して全力で戦いたい」

山崎「天彦は最近特に強くなって、この間もやられた 強い、厳しい相手だなあという印象
 強い相手と当たったんで、この1回戦しか表を見ていない 悔いのないように戦う
 戦型予想は、私が後手番なら、矢倉で前回と同じ戦型でリベンジしたい」

この2人の対戦成績は、1-1のイーブンということだ
稲葉「山崎は両方とも後手番だったが、勝ったのは一手損角換わり、負けたほうは矢倉だった」

先手天彦で、矢倉の出だしから、相居飛車の持久戦になった
▲早囲い~穴熊vs△高美濃~4枚美濃だ
天彦が▲9八香と上がった瞬間、矢内「ああー、そういうことですかー」
稲葉「相居飛車だと、穴熊は『遠い』ということが大きいですね」

山崎が攻め側の右桂を△9七桂成と突っ込み、桂損ながら、9筋と8筋に2つ歩を垂らすことに成功した
稲葉「玉頭に2つ歩を垂らされているのは、ちょっと天彦が苦労している感じ」
天彦はどう粘るのか、と思っていると、▲7八桂打! 自陣桂だ うわー、これは思いつかないわ
稲葉「ひゃー」 矢内「専守防衛ですね」
この自陣桂、いかにも穴熊を指しなれているという感じだ 山崎はもうここから30秒将棋、大変だ

玉形は固い山崎、何か攻めがつながればいいのだが、攻め駒が少なく、
何を指したものやら、難しい局面が続く 十字飛車で△2五飛と回ったはいいが、▲2八香と打たれて、
飛車が狙われる駒になってしまった そしたら、△2七金という奇手がキターー!
矢内「あ」 稲葉「はあ~」 歩は二歩で打てないので、金で代用というすごい着想!

それでも山崎の竜は捕獲を余儀なくされ、稲葉は「天彦ペース」と言っていたところ、
山崎に7筋を攻める巧妙な歩使いが出た
稲葉「こういう手がうまいですね 7筋が急所だったんですね
 これはもう、どっちが優勢かわからない」
両者、手練手管を使いまくり、全く気が抜けない戦いが続く 息つく暇があったもんじゃない
30秒将棋なのにレベルが高い 2人とも、さすがに強いわ 

難解な終盤、いっぱい駒が当たってる局面が出現、
天彦は金が2つタダで取れる、山崎は飛車、金、銀がそれぞれタダで取れる 
合計5枚、同時に当たってる 棋士冥利に尽きる局面だ 何がどうなってるの!?(^^;

山崎は思いつきにくい自陣飛車で、天彦は金3枚でまた穴熊を再構築で、両者魅せるわ~
が、きっと山崎は攻めをあせったんだと思う、
玉を囲っていた金銀銀をボロボロッと取られていってしまった

実戦は最後、稲葉「どこが急所の筋か、見えないです」と言っていたところ、
天彦が見事な叩きの歩の2連発を指し、山崎陣を崩壊させ、勝負あった
155手、天彦の勝ち 長い中終盤、ねじり合いでの力勝ちだった

稲葉「形勢の揺れ動きはあったが、天彦が穴熊の遠さを冷静に活かしきった」

ふーー、疲れた(^^; 将棋って、こんなに大変なゲームなのか、とまた思わされた
いったん始まったら、終わるまで、全く気を緩めることが出来ない レベルが上がれば上がるほどそうだ

詰む、詰まないといった攻防はなかったが、見所たくさんだった 
とくに歩を使った手筋が多く見られた一局だった 参考にな・・・らないです、レベルが高すぎて(笑)

来週は行方vs先崎、そして解説に羽生! ひさしぶりに先ちゃん登場、いいところを見せられるか?
銀河戦 本戦Cブロック 9回戦
糸谷哲郎六段 vs 鈴木大介八段
対局日:2013年2月21日
解説:畠山 鎮七段
聞き手:香川愛生女流初段

糸谷と大介、早指しの雄どうしの対決ということで、注目していた
糸谷はここまで、大石、塚田、豊川、畠山成幸に勝ち 大介は予選シード

平成24年度の成績は、糸谷33勝11敗、大介18勝16敗
解説のハタチン「糸谷は非常に早見えで頭の回転が早い 踏み込みも決断力もいい 居飛車党
 大介は細かいことにこだわらない豪快な振り飛車党 10秒将棋を指し込んだ実戦派」

先手糸谷で、後手大介のノーマル四間飛車 ▲居飛穴vs△銀冠という図式になった
中盤早々、お互いの駒が取りになり、それを放置しあう激しい展開
ハタチン「気合いの応酬 もうどっちかが倒れていてもおかしくない
 お互いにやりたいことをやっている」

ハタチン「ギリギリですね 糸谷がさばくか、大介が押さえ込むか」
そこから糸谷が見事に大駒をさばいた 
ハタチン「20代のうちは、駒がどんどん、さばけるんですよ(笑)」

大介も勝負手を放ったが、糸谷には通じなかった
優勢になってからの糸谷の指し回し、そして最後の糸谷の寄せは見事の一言で、
一手違いをキッチリ見切って勝っていた

123手、糸谷の勝ち 糸谷は考慮時間を3回余しての勝ち (大介は全部使い切っていた)
開始から1時間11分、手数のわりに早い終局で、いつもの糸谷将棋だった

感想戦によると、中盤の分かれでは、大介が優位に立っていた、とのことだった
大介「ちょっといい、ちょっといい、が一番怖いですね 
 糸谷の気迫に追われて、ここから終始弱気でした」

この一局、角が端から利いていたり、穴熊と端を伸ばした銀冠のどちらが遠いのか、が私にはわからず、
大局観が働かなくて、今どちらが有利なのかわかりづらく、困った(ハタチンの解説は良かった)

手が広い局面が続き、正確に指した糸谷と、ちょっとずつ緩くなってしまった大介の差が出た一局だった
糸谷はやっぱり早指しが強い 感想戦を見ていても、変化の手順で、よどみなくビシビシ発言していた

糸谷vs大介の早指し対決、今回は糸谷の快勝という内容だった 
大石直嗣 六段vs浦野真彦 八段 NHK杯 1回戦
解説 中田功 七段

矢内、今週も美しい~ いいね~ 今日は大石と浦野、新鋭とベテランか 面白くなればいいがどうか
解説はコーヤンか かなり、やせてるな(^^; 

大石は2009年四段、竜王戦5組、C2 総合成績優秀により予選免除 本戦は3回目の出場
浦野は1983年四段、竜王戦5組、C1 予選で伊藤博文、田中魁秀、神崎に勝ち 9回目の本戦出場

解説のコーヤン「大石は居飛車の本格派 後手では中飛車も指す
 浦野は色々な戦型を指す ゆっくりした流れで終盤で勝負するイメージがある」

事前のインタビュー
大石「浦野は詰将棋作家として知られ、寄せの終盤力と固い玉形を好みにされている印象
 NHK杯は1度も勝ったことがないが、初戦突破を目標に楽しんで指したい」

浦野「大石はマイペースで着実に強くなっている 関西会館にいつも居る
 優勝したいとかいうのは一切ない、ただ今日いい将棋を指したい、それだけ」

先手大石で相居飛車、後手の浦野が角道を止め、無理やり矢倉模様にした
粛々と駒組みが続く、長い序盤戦となった 

雑談で、詰将棋の話になった 矢内「プロの人たちは、何手詰くらいに取り組んでいるんですかね?」
コーヤン「私は奨励会のときは、15手詰前後をやっていました 実戦形とか」
矢内「『詰むや詰まざるや』という有名な本がありますよね 一番長いので600何手詰」
ろ、ろっぴゃく手!! ぐええー(笑)
コーヤン「私は一問目から挫折しました 最後はどうなっているんだろうと、
 すぐ最後のページをめくった(笑) 向き、不向きがあると思います」
矢内「んふふふ(笑)」
あー、プロでも「詰むや詰まざるや」は、解かない人もいるんだね なんか安心した(^^; 

大石は全くノーマルな矢倉、浦野は金銀4枚の総矢倉で固いが、1筋を突いてしまったため、
端攻めされるのが心配だが・・・
コーヤン「大石にだけ攻撃態勢を作られて、潰されちゃうかもしれないから、
 浦野のほうから動いていくかも」
その言葉どおり、浦野は右銀を盛り上げ、4筋を圧迫しにいった 
大石の攻撃陣を押さえ込むことができるか? しかし、大石のほう、攻めの理想形だ 
攻めを完全に防ぐというのは無理そうだ
そして案の定、端攻めを防ぐことはできず、浦野は1筋を詰められてしまった 
△1二歩と一方的に受けさせられ、浦野、苦戦だ
コーヤン「大石としては大戦果」

その後も大石の好調な攻めが続く 浦野、考慮時間もほとんどなくなり、苦しい展開だ
大石は右桂も手順に攻めに参加、全軍躍動だ なんかもう浦野、このまま潰されそう・・・
コーヤン「浦野にとって厳しい局面じゃないですかね」
浦野、このまま何もできずに負けてしまうのか? これではあまりにも寂しい、と思われたそのとき、
浦野に攻防の角打ち(△4六角)が出た! おお、これは見るからに良さそうな角、
やっと浦野に魅せる手が出た! これでまだがんばれるか?

しかし、大石は3筋、4筋を歩でどんどん攻めてくる 
浦野の金銀は、歩で拠点を作られながら、次々と退却を余儀なくされた
あらー、やっぱ、攻めが止まらないか 浦野のほうだけ終盤になってる感じがする
ただ、浦野のさっきの角打ちが受けに効いているし、大石の攻めは飛車が参加していない 
コーヤン「浦野も駒得していければ、まだがんばれる 先ほどより形勢は接近しているんじゃないか」
うん、一時はもうボロボロになるかと思われたけど、
大石の攻めが続くかどうか、まだ私にはわかんない 

大石、攻め駒が不足ぎみ、どうやって攻めをつなぐかというとき、うまそうな歩の垂らしが出た
あー、こうやって攻め駒を増やすのかあ 浦野は△4二歩と受けたいところだけど、
△4七歩と前に打っちゃってるから、△4二歩が二歩で打てないんだね
コーヤン「こういう歩の使い方がうまいんですね」
矢内「と金の種をまいておいて」
・・・と言っていたときだった、浦野、秒を読まれて、なんと歩を手に持ったではないか
おいおい、△4二歩は二歩だぞ~!! 秒読み係が9を読んだとき、浦野、超ギリギリで歩を手放し、
他の手を着手! ひえ~、二歩寸前(笑) 矢内「今、危なかったですね~!」 ここは笑えた

大石に歩で攻められ、もう受けが効かないと見た浦野、攻め合いに活路を求めた
しかし、大石の攻めがツボに入ってきたようだ
コーヤン「大石の攻めは、守りの金を狙う、確実な手ですね」
大石の寄せは素早かった 最短と思われる寄せで、スパッと鮮やかに決めた
浦野の攻め合いは、全く間に合わずだった 投了図はけっこう差がつき、113手、大石の快勝だった
浦野は駒台にいっぱい駒を持っていたが、使うヒマが全くなかった

コーヤン「大石の矢倉崩しのお手本のような指し方だった 銀、桂、香が攻めに参加した」
矢内「大石の見事な指し回しが光りましたね」  
バリバリの若手が勢いよく攻め、ベテランを一蹴した、という一局だった

結果論だが、浦野の無理やり矢倉という作戦がどうだったのか、というところまでさかのぼるなあ
作戦としてやっぱり消極的なんだよね それが端攻めされて△1二歩と打たされるという、
苦しい展開を呼び込んでしまっていた 戦場が自玉方面になり、相手に歩で攻められてしまううちに、 
自玉だけが薄くなって、そのうち寄せられてしまう、という矢倉の典型的な負けパターンだった

プロの人には、無理やり矢倉なんかじゃなく、もっと元気のいい作戦を見せてもらいたい!
まあ、矢倉が得意中の得意というなら無理やり矢倉もありかもしれないけど、浦野さんはせっかく
「色々指す棋風」ということだったからね  
今週の一局は「おおっ」という手があまりなく、物足りなかった

さて、来週は山崎vs佐藤天彦という好カード、これは期待大! 今から楽しみだ
銀河戦 本戦Aブロック 9回戦
長岡裕也五段 vs 藤井 猛九段
対局日:2013年3月22日
解説:松尾 歩七段
聞き手:竹部さゆり女流三段

ひさびさの銀河戦の記事 長岡は、なんと1回戦から8連勝して9回戦まで上がってきた 
前局の戸辺戦を見たが、長岡は難しい将棋を勝ちきって、好調だなと思わせた
その長岡の相手は藤井だ どんな将棋を見せてくれるのか、ワクワクする
藤井は今期NHK杯では予選で佐藤天彦に負けてしまい、出場ができなかったのだ
銀河戦は藤井の貴重なTV放送だ 

長岡は、安西、坂口、中村亮介、菅井、日浦、村山、安用寺、戸辺に勝って8人抜き
今期の成績は22勝17敗
藤井は予選シード 今期の成績は30勝16敗

解説のマッツォ「2人とも序盤の研究家 長岡は直線的な切り合いに持ち味を発揮する
 藤井は新しい指し方を次々生み出している 中終盤の力もある」

先手長岡で居飛車、後手藤井は角交換四間飛車だ
今や藤井と言えば、この角交換四間飛車と矢倉だね
マッツォ「この戦法が広まったのは、戦法自体が有力ということと、
 他の振り飛車に行き詰まりを感じた人もこの戦法に流れて来ているんですよ
 藤井は新しい指し方を生み出す、振り飛車の最先端は藤井と言っても過言ではない」

さて、序盤早々、藤井がさっそく面白い趣向を見せた 
長岡に飛車先の歩をわざと切らせ、△3一金と受ける形だ
これ、たしかタイトル戦であったなあ そうそう、「将棋序盤完全ガイド 振り飛車編」に出てるわ
そのときは相手は羽生で、先手の藤井が▲7九金としたのだ 今回もその形だ

そして駒組みが少し進んだところで、藤井がほとんどノータイムで打った自陣角、
△3二角という手が出た  ・・・ハァ? 意味が全くわからん どういう意味だ?
マッツォ「△3二角ですかあ この手は長岡も研究はできないですね」
そこまで早指しで飛ばしていた長岡、大長考に沈んだ 

マッツォの解説によれば、これは藤井のほうから飛車交換を狙う手ということだ
藤井は4筋と3筋の位を取っているので、立石流のような作戦になっている
飛車交換という単純な狙いだが、見れば見るほど受けにくそう! 
ま、まさか、この一発で長岡がしびれてる!? 
マッツォ「新手というか、新構想ですね」
藤井は持ち時間を使わずに△3二角を指しているから、これが藤井の研究であることはあきらかだ
こんな手を研究してあったのか 実に思いつきにくい自陣角、藤井の研究、やっぱりすごい!

開始早々いきなりピンチになった長岡、勝負手を繰り出した 4筋を逆襲しようというのだ
4筋は藤井の飛車が居る筋だぞ もうそれくらいしか手がなかったか
マッツォ「これはすごい勝負手ですね 怖い、リスキーです」
この長岡の勝負手に藤井は落ち着いて対応した 飛車を中段で振り回し、いい感触だ
マッツォ「これは気持ちがいい飛車の転回、藤井が一本取った」

ここからこの一局、藤井の独壇場となった 長岡ががんばって勝負所を求めようとするのだが、
藤井は全く動じず、沈着冷静 最善と思われる対応を続けていく
マッツォ「藤井がうまく指し回している 振り飛車が充分
 序盤で大量リードしてしまう、藤井将棋の恐ろしさが出ている」
 
リードしてからも藤井の指しっぷりは、実に安定している 見ていて安心感がある
全くもって、すばらしい指し回し! ノーミスと思われる このまま行け~!
寄せになり、マッツォが「いったん竜を逃げるんでしょうけど」と言っていたが、
藤井はバサッと切って、一気に行った~!  マッツォは感心、「なるほどです」

藤井は小駒だけになったが、大丈夫と踏んでいるようだ
マッツォ「藤井のガジガジ流の寄せ 長岡はかなりツライけど粘り強く指している」
長岡も必死の防戦 藤井、着地をうまく決められるか?
藤井の終盤と言えばハプニングが起こることで有名だが、本局ではそんな心配は全く杞憂だった
長岡玉をどんどん縛っていき、受けなしに追い込んだ 
112手で藤井の勝ち 会心譜で圧勝! うわ~、これはお見事! パチパチパチパチ 

マッツォ「藤井の△3二角が印象的だった 序盤のリードを保って勝ちきった」
藤井、本局の指し回しは本当にすばらしく、全体を通して完璧と思わせる内容だった
もう完全に復調していることを強くアピールしたね B1でも期待が出来ると思わせた

藤井の研究手がモロに炸裂し、その後も完璧に指したという一局で、
これはカネの取れる将棋だったなあ 「魅せて勝つ」、プロはこうでなくっちゃ! 
藤井将棋が堪能でき、満足、満足! とても面白かった、良かった! 
将棋ウォーズというサイトで、色々な将棋用語が使われているようです
囲いができた瞬間、エフェクトが出ますね (私は将棋ウォーズでは指していないんですけど)
用語集を作ってみました 重要度を4段階に分けて、私なりのコメントをつけました
◎・・・超有名で基本
○・・・普通に使われるので知っておきたい
●・・・たまに使われることもあるので、マニアなら知っておきたい
×・・・将棋ウォーズだけで使われていると思われる

左の番号は通し番号です 気にしないで下さい

【囲い一覧】

0 カニ囲い ○ 囲いとしては中途半端、案外、使うときがない 矢倉囲いに組むときの途中形

1 金矢倉 ◎ 超有名 しかし、私はこれに組むことをおススメしない 手数がかかりすぎます
           その間に、相手に攻められることが多い 居飛車党で受けが好きな人向け
           攻めが好きな人はこれに囲うヒマがあったら攻めましょう
2 銀矢倉 ● 初めから狙ってできる囲いではなく、レアな囲い  
3 片矢倉 ● 藤井が指して、今一気にメジャーになった囲い 知識として知っておこう
4 総矢倉 ● 組めば堅いですが、どうやって攻める? 後手番で専守防衛策のときに見られます   
5 矢倉穴熊 ○ 今、注目度急上昇 ▲7七金寄まで組めれば堅いよ   
6 菊水矢倉 ○ 中途半端な存在 出現率低い 
       しかし、相手が右玉だったときにはよくこの囲いで対抗する 
7銀立ち矢倉 ● 矢倉からの変形ですね 手数がかかりすぎ、最初から目指す囲いではないです 
8 菱矢倉 × えーっと、知らない(笑) 今調べたら、▲6六銀右とくっついた形ですね
     名前をつけるほどでもないです 相手が棒銀で攻めてきたら、この形にして銀交換になっても
     まだ矢倉が残っている、という意図です

9 雁木囲い ● これ、超中途半端なんです 上部からも横からも弱い
       ただ、相手が右四間で攻めてきたときに有効な囲いであるので、使うのはそのときくらい
10 ボナンザ囲い ○ これ、覚えておいて損がない 角換わりで有効な囲い
         コンピュータソフトのボナンザが多用したことからその名がつきました

100 美濃囲い  ◎ これ以上シンプルイズベストの囲いがあろうか 
          短い手数で組みあがり、堅い、そして進展性がある
          ただ、いったん王手を食らうと、2八に利きがないので、
          連続して王手を食らってしまうということはある
          ▲5八金左が入っている形を本美濃、金銀2枚だけなのは片美濃と言います
101 高美濃囲い ◎ 本美濃からの進展形 桂を攻めに使える ここから銀冠に組めれば組もう
102 銀冠 ◎ 上部からの攻めにめっぽう強くなっている 横から攻められたときも強い
      (振り飛車の銀冠の場合)本美濃と比べ、金銀が右にあらかじめ移動して、敵の横からの
      攻撃から遠くなっている分、強度が増している 例えば相手が、と金で攻めてきたときにも、
     美濃だと4九の金を狙われるが、3八に逃げている分、手がかりがなく攻められにくい 
     下段から攻められたときに弱いのでは、という意見があるが、それも間違い 
     飛車を9段目におろされて△2九金と打って王手されても、▲1七玉と逃げておけば
     その後の後手の攻めはない 銀冠は穴熊と人気を二分する最強の囲いと言えます

103 銀美濃 × 1度も聞いたことがない ・・・調べたら、左銀をくっつけた形ですか 
        もちろん悪い形ではないですが、最初から狙う囲いではないですね 
        わざわざ覚えなくていいでしょう
104 ダイヤモンド美濃 ● 金銀が4枚組みあがった美濃ですね 形と名前だけ覚えておけばいいでしょう
             居飛車側から見れば、うんざりするくらい堅いです(^^;
105 木村美濃 × 銀が左側に居るので、敵の横からの攻めをすぐ食らいやすい
              銀冠のほうがはるかに固く、木村美濃は流行らなくなりました
106 片美濃囲い ◎ 金銀2枚の美濃の基本形ですね 
107 ちょんまげ美濃  × 今調べたら、▲2六歩と突いた美濃ですか 
             陽動振り飛車(初手▲2六歩から振り飛車にするとか)
             にした場合くらいにしか出現しませんね 
108 坊主美濃 × これも知らなかったです 2七の歩がない美濃ですかあ 
              ひねり飛車をやったときですね
              ひねり飛車はいい作戦なんで、この囲いもありですね 
              でもこの名前は一般には通用しないでしょう(笑)
200 左美濃 ○ 居飛車側が美濃にすると、こう言いますね 
        天守閣美濃と混同されて使われることもあります
        美濃は堅いので、もちろん有力な囲いです
201 天守閣美濃 ○ 左美濃の中で、玉が角の上に来る形を、特にこう言いますね 
          下段の飛車打ちの攻めからにはめっぽう強い一面を持ちます
          反面、玉頭を攻められると弱いんです
          プロでは藤井システムによって滅ぼされました

202 四枚美濃 ● 左美濃で金銀4枚くっつけた形ですね 
         強い人は、6筋の位を取ってきて、これに組ませてくれません
         組めれば振り飛車穴熊より堅いと思います 

300 舟囲い ◎ 対抗形での居飛車の囲い、基本中の基本の囲い 多くはこの囲いから発展します
        このままで戦うのはリスクが大きいですが、勝ったときの喜びも大きいです

301 居飛車穴熊 ◎ 一時、プロ間で振り飛車党を絶滅寸前に追い込んだ、あまりにも堅い囲い
          現代プロの振り飛車党は、これにどうやって組まさないかが序盤のテーマと
          なっています
302 松尾流穴熊 ● 右銀を7九にひっつけてくる ここまで組めれば作戦勝ちと言われているので、
          振り飛車はこれに組ませないべく工夫する  なのでプロでは出現率が低いです
303 銀冠穴熊 ○ 組めればめっちゃ堅いです でもなかなかここまで組ませてくれないです 
304 ビッグ4 ● 名前は知っておきましょう 最強の囲いです

305 箱入り娘 × 船囲いから▲6八金寄と、金をひとつ寄った形 
         わざわざ覚えるまでもないかと思います
         この後の進展性がないので、実戦で指す人は少ないです 
306 ミレニアム囲い ● いちおう名前は知っておこう、くらいです 
           手数がかかるわりに、イビ穴ほど堅くなく、中途半端です
          居飛車側の藤井システム対策として生まれましたが、絶滅危惧種の囲いです                 
400 振り飛車穴熊  ◎ 以前は3マスかける3マスに収まっていましたが、
            今は▲4七金型というのが大流行です
            これで▲3八飛と振りなおして、3筋を攻めようというのです
            居飛穴と違って、藤井システムを食らう心配がないので、
            勝ちを目的とするなら超優秀な戦法と思います

401 右矢倉 ○ 何かと思ったら、矢倉囲いの右側バージョンですね 
        相振りでは矢倉は理想の囲いです
        相振りは矢倉に組む、いやそうはさせない、そのやりとりになることが多いです
        でもこの名称は私は知らなかったです 広まってなさそうですね   
402 金無双 ○ 相振りでの基本的な囲いですね 
        でも、壁銀だし、進展性はないしで、あまり堅くないです

403 中住まい ○ 相掛かり、横歩取りでよく見られますね  
404 中原玉 × 中原玉では検索でヒットしませんでした 中原囲いのことかな? それだったら○ですね
        中原囲いは横歩取り△8五飛と合わせて大流行しました
        でも、横歩取り△8五飛自体がべらぼうに難しい戦法なので、
        私は中原囲いも使う機会がないです 

500 アヒル囲い ● アヒル戦法という奇襲での囲いですね 
           アヒル戦法というのを1度検索してみると面白いですよ
501 いちご囲い ● 名称がほとんど広まっていないですね 私は知りませんでした 
           調べたら、相掛かりや角換わりで普通に見る囲いでした 
           ただ、この弱い陣形を「囲い」と言っていいのかどうか
502 無敵囲い × ・・・調べたんですけど、ただのギャグですね(笑)
中川大輔 八段vs松尾歩 七段 NHK杯 1回戦
解説 豊川孝弘 七段

おおっ矢内、真っ青のスーツ、いいねいいね
今日は中川と松尾、やや地味な2人だけど、熱戦が見れるといいな
ちなみにこのブログでは、松尾はマッツォというニックネームで呼んでいる

中川は1987年四段、竜王戦3組、B2 予選で藤倉、長岡に勝ち 14回目の本戦出場
マッツォは1999年四段、竜王戦2組、B1 予選シード 10回目の本戦出場

豊川「2人とも居飛車党で先行逃げ切り型 中川は力戦派 独創的な独自のスタイルを持っている
 マッツォは対照的で技巧派、うまい将棋 最新形に精通している」
2人の対戦成績は中川1勝、松尾5勝とのこと

事前のインタビュー
中川「マッツォは居飛車党の本格派、私は力戦派なので定跡どおりにはならないんじゃないか
 NHK杯は、ひさしぶりに本戦に出れたので、上位進出を目指してがんばりたい」

マッツォ「中川には四段の頃から研究会でお世話になっている 中川は力強い将棋
 目標は特に立ててないんですけど、一局一局、一生懸命やりたい」

先手中川で、横歩を取らずに飛車を引き、相掛かりになった 相腰掛け銀だ
豊川「ここから中川は駒組みを直していくんですよね」と言ったとおり、
ものすごい長い駒組みになったorz どっちからも仕掛けず、全然戦いが起こらない
手詰まり状態になり、延々駒組みをやっている 見ていて退屈だ 千日手ムードが漂う

豊川「(どっちも)負けたくないんですよ」
番組開始から35分が過ぎた 中川は右玉、マッツォは穴熊に組んで、もう千日手かなあ、と
思われたところ、中川が穴熊に対し、端攻めで仕掛けた! 
あ~、やっと戦いが始まった 早回しして、ここから見れば充分だったな(^^;

豊川「中川の端攻めはいい手でしたね マッツォの駒組みが危なかったです」
と言っていたのだが、マッツォは穴熊の金を力強く上がり受け、飛車交換に持っていったではないか
これは、どっちがだまされたのか?
豊川「僕はどっちも持ちたくないですね(^^;」

豊川「マッツォの穴熊の固さが活きる展開になりました」と言っていたが、
攻めを続ける手が難しい 次の手、私には全然見えないぞ
豊川「ここでマッツォにうまい手があるかどうかですね」
マッツォの手、それはベタ金を貼って、強引に角を取りにいく手だった おおー、これはうまそうな手!
豊川「なかなか打てない金ですよー」

囲いの金銀の剥がし合い、寄せ合いになり、見ていて面白い終盤だ
豊川「マッツォ、竜を切って寄せに行きましたね  
 マッツォがいい気もするが、中川が持ちこたえてる気もする(笑)」
おいおい、どっちなんだ 豊川の形勢判断、ブレまくりだ でも、実際に形勢は2転3転していそうだ

寄せ合いの最中、手が難しいところで、マッツォは中川の竜を金を打って詰ます、という手を指した
おおお、そんな手があったのか 竜の1手詰みだ 盤面が広く見えてるなあ
豊川「あー うっひゃー」 矢内「そんなところに金が打てたんですね」

豊川「どこまでいってもいい勝負ですね 僕の力じゃどっちが勝ってるかわかんない
 いや いい勝負ですね ホントに」

どっちが勝ってるんだー 豊川の形勢判断が当てにならないので、自力で考えるしかない
中川が勝ってる気がするが? マッツォは桂や香をたくさん持ってるけど、これの使い道がないだろう
そしたら、マッツォ、桂を使うべく、歩を突いてきた さすが、難しい手をやってくる
いかにも相手が間違えそうな手だ 中川、どうするか? おお、攻防の角打ち! 
これで勝ちなら話が早い しかし、第一感、ひねりすぎてる手の気がする ど、どうなってる?
豊川「角打ちは、詰めろ逃れの詰めろなんですけど、微妙ですよ」

マッツォが王手ラッシュを続けていく 中段から敵陣に逃げていく中川玉
詰むや、詰まざるや? どっちだ・・・ 良し、読みきった! 詰みなしで、中川勝ちだ!
だが!! マッツォは香捨ての妙手一発、そして自陣飛車、さらに引っ張ってきていた竜を転回、
ピッタリと中川玉を詰ませた うおおおーーー つ、詰みがあったのか お、お、お見事!!
持ち駒は歩しか余らない、本当にピッタリの詰みだ  香捨てから竜の転回、見えなかった・・・

184手、マッツォの勝利で、熱戦の幕は閉じた 
あ~、中川、惜しかったな~ 勝ってた気もしたのだが・・・

豊川「中川がうまく戦機を開いた しかしマッツォの受けの金の使い方がうまく、懐の深さが出た
 最後はマッツォに指運があった 大激戦だった」  

序盤の駒組み合戦は退屈だったけど、最後は詰むや詰まざるやの将棋の面白さが出て、良かったわ
終盤の最後、豊川が詰むかどうか言わなかったおかげで、楽しめたわ 
私は詰みなし、と思ったからね
豊川の形勢判断が3転4転していたけど、実際の形勢も何度も変わっていたように思う
もっと現状がどうなってるのか、正確に把握したかったけど、まあ仕方ないか

中川は残念だろう 調べれば勝ちがあっただろう 
詰めろ逃れの詰めろの角打ち、あれが多分疑問手だったんだろう 惜しかった!
マッツォは、最後の即詰みは見事だった 心技体、そして指運、総合力でもぎ取った勝利だったね

ご存知の通り、電王戦はコンピュータ側が勝利し、
今は24でponanzaが指していて最高得点を叩き出している
でも私はNHK杯はあまり変わらず、今までどおり見て楽しめている 
NHK杯は早指しでどんどん手が進み、「どっちが勝つか」に面白さの重点があるからだと思う
手の内容も「持ち時間が短いから、まあ、そんなに高度じゃなくっても」というのがある

タイトル戦は一手指すまでの時間が長く、内容的に高度なものが求められるので、
コンピュータが強くなった影響も大きいだろうな、と思う 
そして、NHK杯でも、見所がなくつまらない対局だった場合には、
「これだったらコンピュータどうしの対戦を観戦していたほうがマシだった」ということに
なりかねない プロ棋士の人たちにとっては厳しい時代に入ったなあ、と思っている
昨日、子供将棋名人戦の放送がありました
当日に新聞のテレビ欄を見るまで、私は気づきませんでした 見逃すところでした(^^;

準決勝からの3局が放送されたのですが、どれもレベルが高く、何より人間ドラマが存分に出ていて、
今年は実に面白かった! 

<準決勝第1局> ▲三間飛車vs△居飛車で棒金で押さえ込み という戦型
序盤、後手が△8三金と出た瞬間、私は後手の負けだろうな、と思った 
先手は飛車を下段に引き戻して備え、右金を4段目に進出させるという、「棒金破り」の形
この棒金対策が、ものすごく優秀なのだ  
案の定、戦いが始まると後手の金が完全に遊び駒になってしまった
ところが、ここから後手の子が魅せまくる 局面を複雑にする手順を連発、粘りに粘った
そして終盤の秒読みの中、渾身の勝負手、銀のタダ捨ての王手!! 
これには、解説の森内名人も気づいておらず、驚きの声を上げていた 流れを変えた絶妙手だった
先手の子もがんばり、最後は詰むや詰まざるやの中、後手の子が見事に詰ませ、逆転勝ちを収めた
まさに手に汗握る大熱戦だった すばらしい一局だった

<準決勝第2局>
一手損角換わりの相腰掛け銀 プロ級の戦法を小学生が使ってる(^^; 
先手の猛攻を後手が受け、最後まで耐え抜いて勝った、という一局 
後手の子は中盤で△8五桂と跳ねて、飛車先を保留していた手を見事に活かしていた 
なかなかこううまく一手損の利点は活かせないものなんだけど、強いねえ
さて、この一局、先手の猛攻の最中、後手がとんでもない一手バッタリの大悪手を指してしまう
金で受けたのだが、その金が実は丸っきりのタダだったのだ 
金を取られたら、後手玉は5手詰みだったのだ
しかし先手の子は30秒の中では、気づくことが出来なかった そして攻めが切れて負けてしまった
局後に森内名人に「実は金がタダだったんだよね」と指摘されて、その子は「あっ!!」と言って、
思わず泣き出してしまった ここは子供らしい、実にいいシーンだった 
一生懸命やったからこそ、泣いちゃったんだよねえ 
負けたとき笑っているプロ棋士もいるけど、それとは好対照で、よっぽど感動的だったよ

<決勝>
▲矢倉vs△矢倉崩し右四間飛車
一気に勝負がついてしまいがちな戦型になったが、攻め合いになって一進一退
しかし先手の攻めが切れ筋、後手の子は準決勝でも受けまくって勝った力を発揮し、大優勢になった
後手は豊富な持ち駒であとは寄せていくだけ 
縛りの手を落ち着いて指すなど、もう完全に後手の勝ちムード
長い寄せになり、いよいよ最後、銀3枚持ち、森内「詰みがあります」
と言ったそのときだった、後手の子、なんと詰みを発見できず、自陣に手を戻してしまった!! 
先手の子に手番が回り、超大逆転で先手の勝ち
これには、私は唖然、呆然(笑) 一局の流れとして、完全に後手の勝ち将棋だった
まさかまさかのとんでもない大逆転、こんなことってあるんだなー 

局後、負けて準優勝になった後手の子は堂々と「ここまでこれて、いい成績だったので満足です」と
言っていたのは偉かった  
優勝した子は2局とも苦しい将棋を逆転勝ち、「粘れ粘れ、と思って指した」と言っていた
この子の精神力が指し回しに表れていて、感銘を受けたよ 尊敬に値するなあ 

今年の3局はどれもハイレベルで、子供らしい好局ばかりで、好感度大、とても面白かった 満足!
聞き手は鈴木カンナちゃんだったわけだが、個人的には、お好み対局で、優勝した子と30秒将棋で
対局を見てみたいが・・・ カンナちゃん、勝てないだろう(笑)
まあ、決勝の最後の詰み、私も見えてなかったわけで、この子たちには勝てません、はい(^^;
森内名人の解説というのも豪華で良かったです
昨日はコンピュータ選手権もあったのですが、こっちも穴場でしたね(^^)
中田宏樹 八段vs佐々木勇気 四段 NHK杯 1回戦
解説 石田和雄 九段

うっひょー、矢内、ショートヘアー、超似合ってる かわいー!
今日は石田和雄九段の解説がどんな風か、楽しみだな

中田宏樹はニックネームが「デビル」だが、これはあまりにもアレなので、
以下、普通に「中田」と書くことにする(^^; 
佐々木勇気は、同姓に佐々木慎がいるので、「勇気」と書くことにする

中田は1985年四段、竜王戦4組、B2 去年までB1だったので予選免除 14回目の本戦進出
勇気は2010年四段、竜王戦5組、C2 予選で武市、石田直裕、菅井に勝ち本戦初出場

解説の石田「中田は居飛車の本格派、スケールが大きい 攻守のバランスがすばらしい
 勇気は私の弟子で、幼稚園くらいの頃から私の道場に通っていて、私の力を注入してある
 子供の頃は攻防のバランスが良かったが、今は攻め一本のような棋風になった」

事前のインタビュー
中田「最近の若手は研究が深くて、それでいて中終盤がしっかりしている
 とりあえず1回戦を勝つのが目標 相手の若さに負けないようにしたい」

勇気「本戦に出れて、とてもうれしいです みんなが見ていると思うと少し照れますが、やる気が出ます
 今日は何が何でも勝ちたいと思います 終盤で誰も思いつかないような手を指して、
 石田先生を驚かせることができたらな、と思っています」

聞いていた石田「まあー あんまり気負うと、いいことないんですけどね 
 でも勇気の将棋は、終盤でハッとする手が出る将棋ではあるんですよ」

18歳で初出場の勇気、強気の発言のとおりにうまく指せるのかに注目が集まることになった

先手中田で、オーソドックスな相矢倉の出だし 
石田「矢倉は両者得意の戦型です」
しかし、中田が工夫を見せた 1筋を集中的に攻めようとする駒組み、これは「スズメ指し」だ
石田「これは私たちがやっていた頃の指し方ですね 勇気の研究を避けて、古い形へ持っていこうと
 いう意図かもしれません」
スズメ指しの攻めの狙いを、大盤で駒を動かしてパパッと説明してくれる石田、
こういう親切な解説は実にありがたい

さて、まだ駒組みが続くのかな、と思って見ていると、中田がいきなり6筋と7筋の歩を突いて、
超積極的に動いていったではないか これにはびっくりした 矢倉って、こんな仕掛けもあるのか
石田「おー! 早くも激しい戦いになりましたねー 中田の狙いは(角を殺しに行くという)
 極めて単純なんですけどね 面白いですよー」

ちょっと雑談になり、石田「9年前の5月5日、小学生名人戦の決勝があって、
 小4で勇気が9歳の最年少記録で優勝した、決勝の相手は菅井だった」ということだ
そうかー、勇気は小4で小学生名人か 渡辺も小4で優勝してたっけ

中田の攻めが続きそうな雰囲気が盤上に漂った
石田が「中田の一方的な将棋になる可能性も」と言っていたが、勇気、一気の壊滅はなんとか回避した
しかし、勇気が1筋に打った香、それが遊び駒になるかもということだ

中田が落ち着いて金銀を中央に繰り出し、じっくりと第2弾の攻めを狙うと、
石田「これはいい、重厚な感じだ 私もそういう将棋なんですけど(笑)」
そう言っても全然嫌味に聞こえない、石田先生、手が見えてる 

弟子の明らかな苦戦ムードに、
石田「将棋はいい手で勝とうという精神ではいけない、と勇気に言ったんですけどね
 大局観、大勢(たいせい)で勝つと教えたはずなんだけど」

中田ペースながら「まだ長丁場かな」と石田が言っていたところ、
矢内「▲5四香というのは?」(▲5四香は単純な銀角の田楽指し) 
石田「なるほど なるほど それいいじゃないですか」
そして中田も▲5四香と打ち込んだ あわわ、こりゃ痛そうー もう、ほぼ無条件の田楽指しだ
石田「そうなんだよな 打たれちゃうんだよ 困ったね こりゃ
 中田は泰然自若(たいぜんじじゃく)、不動明王 こりゃー困ったなー 困ったすよ」
この手を指され、勇気、大長考に沈んだ 扇子で顔を強くあおぎ、目を閉じて
「なんでこうなったんだ」と言わんばかりの表情だ あちゃーー(^^;

この後は石田先生、勇気に対してお小言が多くなった(笑)
石田「甘いんですよ、まだね 局面が悪くなってしまえば、驚かす手も何もないですからね」
矢内「(弟子に対して)今日は厳しいですね(^^;」

完全に有利になった中田だが、この直後に、ミスをしたと思う 
▲5四歩が急ぎすぎで、先に▲5八飛と回って力を溜めておけば磐石だったと思う
(後日注:激指定跡道場3によれば、▲5四歩は正着、▲5八飛は悪手とのこと(笑)
中田の▲9五銀のとき、後手は飛車を見捨てて△6五金と勝負すべきとのことだった) 

中田は安全勝ちからの方針変換を迫られ、そっぽに持ち駒の銀と金を投入、
勇気の飛車をかなり強引に取りに行く、という勝ち方を選ぶことになった
石田「勇気が勝負に行くには、ここしかない! まあ勝負形にはなったかな」
矢内「さあ、勇気が食いつけるかどうか 手つきも気迫が戻ってきましたね」

だが、勇気のラッシュに、中田は的確に応じ続けた 
最後、端歩を突いて、勇気の唯一の攻め駒である角まで取りに行ったのは激辛だったなー 
あれは痛烈だった 見ていて、デビル(悪魔)の手と思った(笑)
石田も中田の落ち着いた指し回しを褒め、「うまーい、冷静」

105手、中田の快勝に終わった
石田「敗着は、中田の仕掛けに対する勇気の初動にまでさかのぼってしまうかもしれません
 (機敏に仕掛けた)中田はさすがです 有利になったあとは、じっと金銀を盛り上がって、
 手も足も出させないという展開に持っていったベテランの味だった
 勇気君、残念だったね」

感想戦で、勇気はこのスズメ指しの戦型は「経験ないです」とのこと
一方、石田と中田は「昔良く指しました」ということを言っていた
新人が戦法の選択でベテランに一本取られた一局だった 
個人的には、勇気は攻め将棋というのだから、阿久津流急戦矢倉をやれば良かったのに、と思った
佐々木勇気、今回は初出場で、事前に強気のコメントをしたが、NHK杯は甘くなかった
また次回頑張って欲しい 次回に出場したときも同じようなコメントをしたら大物だが(^^;
そして石田先生、岡崎将棋祭り、楽しかったです どうもありがとうございました
「アメトーク」の「将棋好き芸人」、面白かったです
ルールがわかるくらいの棋力の人でも、充分楽しめる作りになってました
さすが、人気番組だけありますねえ とても感心しました
呼ばれた芸人の中で、最強は三段のつるのさん、次が初段のてつじさんでした

羽生さんの勝ちが見えたときの手の震え、佐藤紳哉さんのNHK杯でのインタビュー、
山崎さんの矢内さんへの告白?のシーンが、それぞれまた見れたのはとても貴重でした

いずれDVDになるでしょうし、レンタルもされるでしょうから、見逃した方にも見るチャンスはありますね
<ひとつ急なお知らせ> 今日木曜の夜、NHKのEテレで夜10時から、「ニュースで英会話」と
いう20分番組で、電王戦のことが扱われるそうです(再放送なので、もう見た人もいるかも)
さらに、夜11時15分から、テレビ朝日の「アメトーク」でも将棋の特集とのことです

森雞二 九段vs畠山鎮 七段 NHK杯 1回戦
解説 福崎文吾 九段

今週の日曜にあったNHK杯 森けい二とハタチンか ベテランの森がどんな将棋を指すかな
今調べたら、森は1946年生まれ・・・って、67歳か! ひえー、大ベテラン(^^;
ちなみにハタチンは43歳だ

森は1968年四段、竜王戦4組、C2 予選で松本、大平、門倉に勝ち 32回目の本戦出場
ハタチンは1989年四段、竜王戦2組、B1 予選はシード 16回目の本戦

解説の福崎「森は振り飛車党、勢いのあるエネルギッシュな乱戦派
 ハタチンは居飛車党、序盤はじっくりいくが、中終盤が得意な元気な将棋」

事前のインタビュー
森「ハタチンは関西なので、あまり対局していないんですけど、居飛車党でじっくりするタイプな人
 私がちょっと動いて、面白い将棋にしたい ひさびさのNHK杯本戦なんで、最後まで勝ちあがりたい」

ハタチン「森は常に勢いのある若々しい力強い手を指される いつもねじりあいの大熱戦になる
 勢いのある手を指して、思い切りいい将棋を指して勝っていきたい」

聞いていた福崎「両者とも勝つんじゃないか、というインタビューでしたね(笑)」
ちなみに両者の対戦成績は、森2勝、ハタチン6勝で、直近の5局ではハタチンの全勝ということだ

先手森で、角道オープンの森のダイレクト向かい飛車になった
そこから角交換でお互いに美濃囲いだ
福崎「振り飛車は楽しい、相居飛車の腰掛け銀なんかを見てると、頭が痛くなることがあるんですけどね」
福崎先生、今回は振り飛車で良かったね 関西会館の大盤解説会で、福崎先生が解説のとき、
横歩取り△8五飛になってしまったときがあったけど、あのときは解説が・・・(^^;

福崎「森は晩学で、16歳で将棋を覚えた それでA級、タイトルというのは他で聞いたことがない」
そうか、16歳でか これは隠れた大記録だろうね もう今後も誰も達成できない気がするな

さて、福崎が「森の将棋は若々しく~」と言っていたら、桂の跳ね捨て、行ったー まずは森流、出た
ハタチンが桂を取り、戦闘開始 ここから両者、腕の見せ所だ 
桂得のまま、ハタチンがさばければハタチンの勝ちだ
したらば、森が指したのは、飛車を中段に浮いて受ける、気づきにくい手!
福崎「ふわっと受けた手、森流が出ましたねー 丸っきり思いつかなかったです」
実に味の良さそうな、うまい手に見える! ハタチン、困ったか?

ハタチンは端に桂を打って局面を打開してきたが、
それは福崎が「ここに桂は打たないでしょう 非常手段です」と言っていた手だ 
形勢、ちょっと森が良くなったか・・・
しかし、考慮時間のほうが心配だ ▲1回vs△6回になって、早くも森は使い切りそう
そこで、また森に出た 自陣角! またも味の良さそうな手だ
福崎「森、手を編み出しましたね~ 読めないですよ これね ハタチンの狙いを全部消してますからね」
おおーー、森、魅せる! しかし、このまま森が優勢か、と思われたが、ハタチンも自陣の
遊び桂を活用してきて、ムードはまだどっちがいいか分からない  うんうん、高レベル!
矢内「形勢は?」
福崎「矢内さんに先に言ってもらわないと(^^; 一手指したほうが良く見える、そういう結論で(^^;」

ハタチンが2枚の桂をうまく跳ね出して使ってきたな、と思われたそのときだった
森に局面のド急所を突く手が出た それは美濃囲いへの端攻め! 
森の駒台には、端攻め用の駒が一式揃っている うわ~、こりゃーめっちゃ厳しそう!
福崎「指されてみると、これが一番怖いな」
流れるようにどんどん続く森の強烈は端攻め
福崎「これはハタチン危ないですね ピンチです」
もう30秒将棋なのだが、ノータイムでバシバシ指す森
福崎「森、いけいけどんどんになりましたね(笑)」

ハタチンの美濃囲い、あっという間に崩壊 
ノータイムで指す森の手つきが、もうこの将棋は逃さん、と言わんばかりだ
福崎「すばらしい森の指し方」
矢内「私も端攻めをしよう(笑)」
ハタチンも自陣角を投入、
福崎に「あー、この角は根性を出しましたね!」と言わせたのだが、森は差を詰めさせなかった
森は猛攻から一転、冷静に馬を逃げ回り、確実にリードをキープ 緩急自在だ
矢内「私もこんな風に指したい」

ハタチンの最後のお願い、竜切りからの勝負手にも、森は最強と思われるの手の連続で対応、
受けていても勝ちは動かなかったはずだが、自玉に詰みなしとキッチリ読み切って、
(おそらく)最短の手順で勝ちを収めた 109手、森の会心譜!

福崎「森のすばらしい指し回しだった、年齢は一切関係ないですね」

いや~、これはお見事! パチパチパチ 森のいいところが存分に出まくった内容となった本局、
大ベテランの好手連発で、見ていてこっちまでうれしかったよ 67歳、未だ健在、森、グッジョブ!!
羽生世代と若手ばかりが目立つ将棋界なだけに、こういうベテランの存在は実に貴重だ

感想戦でも、森は手がよく見えていたことを感じさせる発言を連発していて、
この一局の内容が偶然の産物ではなかったことを示していた 
森先生、これからもお元気で、好局を見せてください 
67歳でここまで指せる、これは元気が出るものを見せてもらった 満足の一局だった