2013.08.30 最近の銀河戦
銀河戦、本戦を勝ち上がった16名による決勝トーナメントの1回戦が着々と進行しています

▲高崎vs△ハッシー
▲石田流+ダイヤモンド美濃vs△居飛車の金銀分裂型
高崎が意表をつく桂捨てでさばきに成功、ハッシーは駒がバラバラでまとめにくくピンチと思われた
しかし、長い終盤で高崎が遊び駒を多く作ってしまい、ハッシーがじわじわと逆転に成功した
138手でハッシーが勝利 順当な結果と言えるだろう

▲木村vs△大石
▲居飛車vs△角交換向かい飛車 
木村が筋違い角を打ち、難しい中盤へ そこから、と金2枚で木村が圧倒した 
相当な大差がつき、終局 141手で木村の勝ち 
格下を全く寄せつけず、木村強し、を存分に見せつける内容となった

▲行方vs△阿部健
角換わりの▲腰掛け銀vs△早繰り銀の力戦
難しい中盤、阿部健にハッとさせる角打ちが出て、行方陣は薄くさせられた これは行方ピンチか!
と思われた刹那、行方に7手1組の絶妙の順が出て、逆にリードを奪った
そしてあっという間に終局、91手で行方の勝ち 行方、つええーーと思わせるに充分な内容だった
これは見ごたえがあった一局だった

▲屋敷vs△稲葉
▲矢倉vs△工夫した銀冠模様の力戦
中盤、飛車と角が総交換になりそうな局面で、屋敷が角の捨て駒の奇手を放ち、「おおっ」と思わせた
しかし、これが結果的にどうだったのか シンプルに指しても屋敷が指せそうだった
長い終盤になったが、稲葉の寄せ手順が実に巧妙でうまかった 140手で稲葉の勝ち
1回戦では初の波乱の結果となった 


1回戦で残すは豊島vs長岡だけです 
今のところ、私の予想した優勝候補の、郷田、行方、糸谷は順当に勝ちあがってます
中村太地 六段vs高橋道雄 九段 NHK杯 2回戦
解説 深浦康市 九段

さあ、楽しみなNHK杯の時間だ 今日は太地とタカミチか 25歳と53歳、若手vsベテランの対決だ
若手がベテランを鮮やかに吹っ飛ばすところが見れそうだが、どうかな

太地は2006年四段、竜王戦4組、C1 1回戦で野月に勝ち 3回目の本戦出場
タカミチは1980年四段、竜王戦2組、B1 1回戦シード 33回目の本戦出場

解説の深浦「太地は攻め将棋、奨励会の頃は振り飛車をよく指していたようで、フットワークの軽い攻め
 タカミチも攻め将棋、矢倉のような腰の重い攻めを好む
 ハードパンチの打ち合いになると思うが、冷静な受けのタイミングも見どころ」

事前のインタビュー
太地「タカミチは手厚い印象、最近は将棋界以外でもマルチに活躍されている
 横歩取りの空中戦になると思う 面白い将棋が指せるように精一杯がんばりたい」

タカミチ「太地は最近の若手の中でも好成績を上げている 今日は横歩取りになるかな
 初対局なので様子を見つつ指したい 今期NHK杯では大熱戦のいい将棋が目立つので、
 それに負けないくらい、いい将棋を指したい」

先手太地で、予想通り横歩取りになった ▲中住まいvs△8四飛+△4一玉型中原囲いだ
タカミチがさっそく△5四飛と歩越しに回り、積極的だ
深浦「タカミチの作戦は、ひと頃、中原流ということで見られたが、最近は見ない形 
 何かタカミチの研究があるはず」

タカミチ、中央を突破すべく、早くも長考に沈んでいる 
その間、雑談で、深浦「太地は好青年で、将来の連盟の会長候補じゃないかというくらい人望がある」
矢内「もう今からですか(笑)」
故・米長会長の愛弟子だもんね でも今から会長を考えるのはまだ早すぎるね(^^;

深浦「タカミチは他人と集まらず、一人で研究をするタイプ」
う~ん、しかしまだ序盤、すごくシンプルな局面なのに、早くも時間を使いすぎのような・・・
もう考慮時間を5回も消費してしまったぞ タカミチ、研究不足か 
いったん飛車を8筋に戻して、タカミチの決断は△5七桂成捨ての特攻! うわー もういけいけか
攻めが続けば、ということだが、果たして?
深浦「これもあるかなーと思ったんですけど」

太地、桂を▲同玉で取るか▲同銀で取るか迷うところだったが、銀で取ったか
でも△5五角が両取りであるから、これはどうなの? ▲同玉のほうが良かったような?
深浦「どっちで取るか、迷うところでしたけど」

桂得した太地が良さそうだが、自陣の駒がバラけている タカミチの中原囲いは鉄壁
太地は2枚角で受けきる方針か これで受けきれているのか? 
タカミチにじっと手を渡されてみると、やはり後手の中原囲いは堅い
手が全然ついてない これはどっちがいいか、わかんないのでは? 
時間をどんどん使っていってしまう太地、残りが▲2回vs△2回、残り時間がついに追いついた
これはタカミチが追い上げているのでは・・・

深浦「先手陣も乱れがあるんで、勝ちきるまでには大変なんで」
まだ深浦は形勢は太地がいいようなことを言っているが、これはもう大変なんでは?
もう両者ともに考慮時間を使いきり、30秒将棋になった 
まだ先が長いのに、これはここから両者しんどいな

飛車を打ち込まれた太地、秒を読まれて、何をする? おお、じっと玉の早逃げか! 
深浦「ほおー またこれは才能を見せましたね」
8八まで玉が行ければ先手も堅い、しかしタカミチもすかさず8八に歩の打ち捨てで壁銀にさせ、
ぬかりがない

タカミチが桂損を取り返し、深浦「太地がいいかなと思っていたんですけど、ここまで来てしまうと
 タカミチが盛り返した感じ」
うーん、どうだったのかなー △5五角を打たれた時点で、すでに相当競っていたのかもしれない
ついに太地、金を端に逃げるだけの手を余儀なくされ、これはつらい! こんな端の金、見たことねえー

さらに太地は玉を中段に浮かして、しのぎにかかる ギリギリの受け、危ないー
でも、後手からもこれ以上、どう攻めたらいいのか?
と思っていると、タカミチは、じっと、と金を作りにキター
こ、これは冷静、超冷静! 深浦「タカミチは落ち着いてますよね」

と金を間に合わせるべく、太地の手に丁寧に対応していくタカミチ
深浦「タカミチは方針を変えませんね これがマネできないんですよね」

そして、ついに、と金が間に合ってキター 太地、詰めろをかけられ、大ピンチ!
矢内「どう受けたらいいんですか?」
深浦「わかりません(^^;」
太地、秒を9まで読まれ、わあああーーと思って見ていると、太地、玉のナナメの歩をスッと上げた!
なんと、これが詰めろ逃れの詰めろ、盤上この一手と思われる妙手!
深浦「いや~ すごい手ですね 紙一重の受けですね!」

しかし、対するタカミチも、自陣に歩を受けた手がこれまた落ち着いた好手、全く引けを取っていない!
これは両者、強い!! さすがプロどうし、レベルが高い~
深浦「うわ~ すごい将棋だ なんでこんな冷静な手が指せるんですかね」 

と金で攻めている分、タカミチが優勢だなあ そしてタカミチが決めに出た
先手の馬の頭に歩を打ち、これがド急所の一発だった 最後は竜で桂をタダで食いちぎった手が必至、
鮮やかな手で勝負あり! 最後の竜で桂を取った手、これをあの秒読みの中、何パーセントくらいの
視聴者が気づいていたのか、個人的に知りたいところだ 私は全く見えていませんでした(^^;
104手、タカミチの快勝となった

深浦「タカミチが少し苦しいかと思ったんですけど、その後すぐ崩れないでついていく指し方は
 すごく印象的でした 太地は決定的な良さを見出せないまま、タカミチの追い込みを許した」

いや~、タカミチ、強かった! パチパチパチ
秒読みになってからの指し方は実にお見事で、一手の間違いもなかったんじゃないだろうか?
終盤、と金を作ってしっかり間に合わせた構想が実に素晴らしかった 
終盤の丁寧な受け、素早い寄せ、どれも魅せた!
53歳のタカミチ、25歳の太地を相手に、してやったりの会心の指し回しだったね 

実は私は最初は太地のほうを何となく応援して見ていたのだけど、タカミチが勝ったときには
完全にタカミチに拍手を送っていた ベテラン健在、おじさんパワー爆発! やったぁ(笑)

両者、ずーっと30秒将棋だったとは思えない、これぞプロどうしの芸だった
太地のほうもよくがんばっていて、見ごたえのある内容、
とても面白かった一局だった 満足、満足だ(^^) 

個人的な余談であるが、この一局は、東京から帰省していた兄(24では指せないくらいの低い棋力)と
一緒に観戦した 兄も充分楽しんで観ていた
NHK杯、棋力に関係なく楽しめる魅力的なコンテンツだと再認識できて、それも良かった
(NHK杯の前の将棋フォーカスの特集の内容も、特に良かった)
第3回電王戦の開催が発表されましたね

・来年3~4月に行われ、5vs5の団体戦、ということ
・プロ側は屋敷九段だけ出場が決まっているということ
・今年11月に新たに開催される「電王トーナメント」により5つの出場ソフトを決めるということ
・コンピュータ側は5つとも、統一ハードであること(何台もつなげることは出来ない)

他はだいたい第2回と同じルールで行われるようです
しかし、最大の問題は、当日と全く同じソフトとハードの貸与があり、
事前にプロ側はそれで練習したいほうだい、ということです

これは私は賛成できませんね・・・ これでは、バグ探しゲームのようになってしまうではないですかね
貸与は無しでガチンコでやってほしかったです

まあしかし、プロ側としてはこの第3回で勝って、「もうコンピュータとは勝負はやらない」ということに
したいのだと思います 私も、もうコンピュータとはやらないほうがいいと思います
どうあがいても、今後はプロはコンピュータに抜かれてしまうのですからね

小学生名人戦を観ていて楽しいように、最強レベルでなくとも観ていて楽しい、
それが将棋だと思っています プロ棋士どうしの対決を観て楽しむ、それでいいのだと思います
ただ、私はプロ棋士に「夢」を感じることはもうなくなりました・・・
時代の流れなのでしょうがないですね なかなかこの現実を受け入れられませんがorz 
森内俊之 名人vs松尾歩 七段 NHK杯 2回戦
解説 野月浩貴 七段

名人、森内の登場だ 対する松尾、2人はなんとなく似ている 
居飛車党でバランスの取れた棋風、温厚な性格、髪の毛が有り余っていることが共通している

森内は1987年四段、竜王戦1組、名人3連覇中 18世永世名人資格保持者 
1回戦シード 25回目の本戦

松尾は1999年四段、竜王戦2組、B1 1回戦で中川に勝ち 10回目の本戦

解説の野月「森内は私の兄弟子(あにでし)、名人を防衛して気持ち的にのっているところだろう
 松尾はずっと第一線で活躍している、序盤から自分なりの工夫を用意している」

事前のインタビュー
森内「松尾は大変な研究家、最先端の形にも精通している、バランスのいい将棋
 相居飛車のじっくりした戦いになるんじゃないか 終盤まで競り合っていって、なんとかしたい
 全力を尽くします」

松尾「森内は最近の防衛戦でも充実した内容で指されている 負けないようにがんばりたい
 今日の展開は出たとこ勝負で行こうと思っている 先のことは考えずにがんばってやりたい」

先手森内で、相矢倉になった 森内は▲6六歩より▲7七銀を先に指したが、松尾はやり過ごした
森内が引き角から3筋を交換にいったところから、早々に戦いが始まり、力将棋となった
野月「矢倉は森内の一番の得意戦法 それを松尾が受けて立った 今日のテーマは角」
お互いに角をどう使うか、が問題か これ、早くも相当に難しい局面だ

野月「かなり、のっぴきならない」
矢内「早くもそういう局面を迎えてますね」
形勢、どっちがいいんだ? どっちが読み勝っている?
そうした戦いの最中、野月が「3七に、と金を作らせるのはさすがに先手は無理」と言っていたのに、
なんと森内は、と金を作らせてしまったではないか! えええ 大丈夫か森内??

松尾が△2七と~△3七と~△2七と、で、千日手含みの指し方! 森内は飛車を逃げ回るしかない
野月「森内からは千日手回避は無理」
やっぱり、と金を作らせたのはまずかったんだなあ が、松尾も小ミスしたようで、森内が一転、攻勢に、
松尾は自陣桂の勝負手を放ち対抗、そこから森内、竜を引き成って、長い展開に・・・
うわ~ どうなっとるねーん

矢内「形勢はどうなってるんでしょうか」
野月「パッと見は森内がやれそう、実際は大激戦」
うわ~ どうなっとるねーん

延々続く戦い、それも盤全体を使った戦いでお互いに手が広い 考え方が難しい 
何分でも考えたいところを30秒で指さないといけない 本当に難しい将棋だな、こりゃあ
松尾、歩を打って成り捨てて、時間稼ぎでやり直し、という場面も見られた
野月も思わず「大変だ」 
うわ~ どうなっとるねーん

そして長い戦いの最後の見所がおとずれた 松尾が王手しながら森内の竜を捕獲に成功
こういう手が入ると、まず松尾の勝ちとしたものだ 
森内は駒をいっぱい持っているが、後手玉に迫る手がかりがない こりゃ、松尾が勝ったな・・・
森内、苦心の▲4五桂から桂成らずの王手で角を入手、あとは攻防の角を放つしかないが、
松尾に狙いを悟られたようで、これでゲームセットだろう・・・

森内、最後のお願いで攻防の角を打ったはいいものの、松尾に何か正確な対応をされたらもう終わり、
しかし観ていた私にはどう対応したらいいかわからん、松尾はどうする? △3四歩の中合いか
この手を見た瞬間、森内の表情が変わった! 「えー なんだこの手は!?」という感じで、頭を抱えた
野月「こりゃまた逆転したっぽいですね △3四歩はどうだったか」
うわああ 松尾、ミスったのか 最後の最後で!!

後手玉に必至をかけた森内、攻防の角がよく利いて、先手玉に詰みなしで、なんと森内の逆転勝ち!!
125手で森内の勝ち  ひえーー す~げえ終盤戦やったな これは・・・

野月「いやー 序盤の角をめぐる争いから激しくなりまして、
 中盤、微妙な形勢で、細かい逆転が2~3度あったかなと思います 
 秒読みの中で、最高の技術を見せてもらいましたね ドキドキしました」

あー、濃かったな 面白かった 終盤はすさまじく充実したものを見せてくれた
先週の森けい二vs屋敷と同じゲームとは思えん(笑)

手が広く、難解な将棋で、お互いにミスもあったようだ
21日に電王戦に関する発表があるが、名人の森内といえど、
コンピュータと戦わせるのはやめといたほうがいいと思えた
こういう手の広い展開の将棋になって、1秒間に何千万手と読まれたら、
人間側にまず勝ち目はないだろう

早指しならではのハラハラ感と逆転劇、人間同士の大熱戦、NHK杯の醍醐味が見れた一局だった
2013.08.17 最近の銀河戦
Gブロック最終戦 ▲渡辺vs△ハッシー
 角換わり相腰掛け銀、渡辺が勢いよく攻め込みリードした 
 しかしハッシーの端攻めが絶妙のタイミングでモロに炸裂、一気に渡辺玉を寄せきった
 ハッシー、96手で会心の逆転勝ち
 
Hブロック最終戦 ▲森内vs△木村 
 相矢倉から森内が攻め込んだ 森内の攻めが決まるか、木村が受け止めるかだったが、
 木村が見事に受けきった一局 132手で木村の快勝 
 木村は「千駄ヶ谷の受け師」の本領発揮だった
 それにしても相矢倉は難解 見ていてめっちゃ難しい(^^; ひふみんが解説で、がんばっていた

決勝トーナメント 1回戦
▲コーヤンvs△郷田
例によってコーヤンのノーマル三間vs郷田の居飛穴
いつものように桂成り捨てから攻め込んだコーヤン、見たことがない受けの自陣角を打ち、リードした
難しい終盤になだれ込み、最後に郷田の鋭い寄せが決まって112手で郷田の逆転勝ち
郷田はヒヤヒヤものの勝ち方だった コーヤンは実に惜しかった

▲小倉vs△糸谷
小倉のノーマル三間vs糸谷の居飛穴に囲う途中での力戦
中盤、急戦での激しい変化、見ていて非常に面白い戦いになった 
そこから長い展開になり、お互いに力を出し合った接戦が繰り広げられた
総合力で上回ったのはやはり糸谷、164手、糸谷の勝ち
こんな長手数にもかかわらず、糸谷はなんと考慮時間を9回も余して
勝ちという離れ業をやってのけた すげえ(^^;

▲松尾vs△大平
相掛かりから、松尾がうまく攻め込んだ 大平も粘り決め手を与えない、見ごたえある攻防が続いた
しかし両者30秒将棋になり、やはり攻めているほうが有利だったようだ
松尾が見事に攻め切って、快勝していた 125手で松尾の勝ち
松尾の細い攻めをつなぐ技術、大平の受け、両者の持ち味が出ていた好局だった


最近の銀河戦、各ブロック最終戦、そして決勝トーナメントに入りレベルが高く、
指しているプロ達の「勝ちたい」という空気が伝わってくる内容ばかりで、とても面白いですね
森雞二 九段vs屋敷伸之 九段 NHK杯 2回戦
解説 高橋道雄 九段

連日の猛暑、みなさま、くたばってませんでしょうか 暑中お見舞い申しあげます 私はくたばってます
さあ、楽しいNHK杯の時間がやってきた 今日から2回戦、森と屋敷か 
1回戦で快勝した森、あれは胸がスカッとした 67歳の森が今回も元気のいいところを見せてくれるか

森は1968年四段、竜王戦4組、C2 1回戦で畠山鎮に勝ち 32回目の本戦出場
屋敷は1988年四段、竜王戦2組、A級 1回戦シード 17回目の本戦出場

解説の高橋「森は力強い振り飛車を得意としている 今期NHK杯出場では私の先輩は森だけ
 屋敷はA級になってから安定感が増している 居飛車の矢倉を得意としている」

事前のインタビュー
森「屋敷はどんな手をやってくるかわからないので、注意しようと思っています
 今回は居飛車vs振り飛車になる感じがします 勝ってもっと先に進みたいと思います」

屋敷「森は乱戦に強いタイプ 今回は力戦模様になると思います
 しっかりといい将棋、いい終盤を指したい」

先手森で、対局開始 先手が森だったので、「やった」と思った人は事情通だ
屋敷はA級順位戦で、先手番にめっぽう強く、後手番では負けているのだ

注目の戦型は、なんと森の▲ノーマル三間飛車+美濃vs屋敷の△居飛車穴熊!
も、森~ 角道止めたら、力戦にならんだろ、大丈夫なのか?
高橋「現代だと、ノーマル三間飛車には、居飛穴が定番ですね」
居飛穴に組ませてしまっていいのか 森には何か特別な作戦でもあるのか

高橋「歩越し銀のまま右桂を跳ねたのが、森らしいです」
さて、屋敷は何の不自然なところもなく、しっかり穴熊に組んだ
そしたら、森がいきなり銀をぶつけていった~! ええ~ もうぶっつけか もう本格的に戦いか
高橋「思いっきりいきましたね いや~ 勢いよく(笑) 
 どうなるかわからないけど、よくいってくれましたね」
なんだか、すんごい乱暴というか横着というか(^^;
高橋「プロ的には、味もそっけもない仕掛け(笑)」

銀交換になった結果、必然的に森の右桂が4五に跳ねることになったが、これがどう出るか
穴熊相手には5三に桂が成っても、全然大したことがないことが多いからなあ
高橋「4五に桂が跳ねてくれると、居飛穴側としては安心する
 あんまり見たことがない強気な振り飛車の攻めなので、森は大変と思う 腕の見せ所」

森、もう5回目の考慮時間に入っちゃったぞ と思って見てたら、飛車も切っちゃうのか!
どしぇ~ って、ええええ 今度は、飛車捕獲のために、完全にそっぽの銀打ち!!
こんなムチャな指し方、ありなの? プロの指し口とは思えないが(^^;
高橋「これ思い切った打ち方ですね これはなかなかできないや 勝負手ですね」
もう「勝負手」って(^^; 駆け引きとか、細かい応酬とかとは全く無縁な一局だなー
高橋「どう見ても、森のは率のいい指し方じゃないんですけど」

森、考慮時間を早くも使い切り、▲0回vs△6回になっちゃった わぁ、もう大丈夫じゃなさそう・・・
屋敷は冷静に対応していっているようだ 一時は駒割りが森の角得になったが、
駒の効率、そしてなんと言っても穴熊が堅い
高橋「屋敷としては、ここまで流れに乗って指していただけですね」

森~ がんばれ~ 屋敷玉が遠くて森が勝つ順は見えないが、
まだ簡単に森が負ける筋も私には浮かばない
高橋「(屋敷が優勢とはいえ)時間がないとあせるんですよね・・・っと言おうとすると、じっと香車を
 補充するんですよねえ こういうところが屋敷の強さ でも森も嫌味、嫌味と攻めている・・・」

そしたらば、屋敷は二度の底香打ち、そして鉄壁を築く△3三銀打ち!!
この手を予想し当てた高橋「△3三銀打ちの埋め込み、やると思いました(笑)」 
これで金銀4枚に底香付き、これぞ穴熊流!
あまりに手堅い屋敷の指し回しに、矢内も「うわー そうなんですね そうなんだ(笑)」

終盤だというのに玉を固めあった両者だったが、森のほうに手段が尽きた
もう固める手がないのだ
高橋「いやー ここにいたって森に指す手がなくなりました これは大変困りました」
でも、まだ終局までは長いんではないのか、と私は思っていると、ここから屋敷が素早かった
竜を3段目に引いておき、美濃の金が一枚浮いた瞬間を狙い、森の玉頭に香車をドカーーーン!!
この手が全く見えてなかった私は、一瞬「???」となってしまった
なんと、この香が取れない!! そして続く角打ちで、森の美濃囲いは轟沈(ごうちん)した
あっという間の出来事だった 森、なす術なく、あっけなく、即、投了! 96手で屋敷の勝ち

高橋「今度から(ルールを)穴熊はしないようにしないと(^^;
 これ、悲しいことになっちゃって」
なんじゃ、この投了図の圧倒的な大差はーーー 
屋敷の居飛穴、仕掛けられたときよりも断然堅くなってるもん 金銀4枚に底香付き、全く手付かず・・・
屋敷は考慮時間を3回余しての勝ちだった 圧勝と言える、磐石の勝ち方だった
高橋も思わず本音を漏らさずにはいられなかったね(笑)

高橋「森の気迫を感じた仕掛けだった しかしちょっと無理だったか
 その後の屋敷の落ち着いた指し回しが目立ちました 屋敷の堂々たる将棋でした」

感想戦が20分あったが、やはり持ち時間が短い将棋では、穴熊が勝ちやすい順が目立った
本譜の森の仕掛け、飛車切り、そっぽの銀打ち、いくらなんでも乱暴だったよ あー残念
1回戦のvs畠山鎮のときに見せた森のいいところは、今回は出なかった 完敗と言える内容だった
67歳の森の元気のいいところがまた見たかったのだが・・・

屋敷の居飛穴の勝ち方の見本といった内容だった 一局の流れとして、危なげなかった
森の敗因、それはやはり居飛穴に組ませてしまった作戦自体に問題があったと思う
角道を止める振り飛車は、コーヤンや鈴木大介にまかせておけばいいのだ
森には力戦振り飛車をやって欲しかった 
ノーマル振り飛車に対する居飛車穴熊・・・ 
それは高橋をもってして「(ルールとして)穴熊はしないようにしないと」と言わせてしまう、
そんな強力無比な作戦なのだ それをまたしても見せ付けられた一局だった 
第21期銀河戦、決勝トーナメント16名が出揃った
羽生、森内、渡辺というタイトルホルダーが全滅し、誰が優勝するかわからない混戦になっております

1回戦8試合の見所を書いてみようと思います
(カッコ)の中は、各ブロックで誰に勝って出てきたかです


郷田(深浦)
vs
中田功(瀬川、片上、近藤)

郷田は優勝候補、コーヤンは番狂わせを起こせるか


長岡(安西、坂口、中村亮介、菅井、日浦、村山)
vs
豊島(千葉、中川、北浜、高橋、三浦)

勢いのあるものどうしの対戦
豊島はすごく強い勝ち方をしてきているので、私が一押しの優勝候補だ 


橋本(大平、渡辺)
vs
高崎(中村太地、杉本、中村修)

ハッシーは底力がある 落ち着いて指せば高崎には勝てるはず・・・


大石(佐々木勇気、土佐)
vs
木村(阿部健、森内)

大石はたった2勝のラッキーで最多連勝者になれた まず木村の勝ちは動かないだろう


屋敷(藤井)
vs
稲葉(金井、窪田、飯島、畠山鎮)

どちらも強いが、なぜか優勝するとは思えない両者(^^;
人柄が勝負にカラくないということが大きいか


小倉(斎藤、横山、内藤、高野)
vs
糸谷(大石、塚田、豊川、畠山成幸、鈴木、丸山、康光)

怒涛の7人抜きをした糸谷の勝ちで決まりでしょう 糸谷と豊島の決勝戦が見たい!


松尾(阿部健、阿久津、谷川)
vs
大平(長沼、泉、南、広瀬)

大平のがんばりに期待したいところ 松尾は堅実だが、爆発力がない


阿部健(牧野、加藤、小林裕、天彦、堀口一史座、山崎)
vs
行方(高崎、羽生)

1回戦屈指の好カード 行方、今の勢いを維持して優勝なるか


私の予想では、郷田、豊島、糸谷、行方、この4人の中から優勝者が出ると思いますね
上田初美 女流三段vs西川和宏 四段 NHK杯 1回戦
解説 戸辺誠 六段

1回戦の最後、女流棋士の登場だ 女流がどんな戦いぶりを見せてくれるのか、毎年すごくワクワクする

上田は2001年女流プロデビュー、女王のタイトルを保持していたため女流枠で本戦初出場
西川は2008年四段、竜王戦5組、C2 予選でコバケン、森信雄、澤田に勝ち 2回目の本戦

解説の戸辺「上田は元気で、いつ会っても楽しく話題を振りまいて、その場がパアッと明るくなる
 西川と私は同い年(27歳) 関西の控え室ではムードメーカー的な存在と聞いている、
 サッカーがうまかったり、将棋に負けたら頭を丸めたり、ちょっと面白い部分がある」

上田「初出場なのでとても緊張しています 普段の対局と少し雰囲気が違いますので、
 自分の力を精一杯出せればいいなと思っています
 西川は角道を止めないタイプの振り飛車党、おそらく対抗形になると思っています」

西川「上田は筋の良い攻め将棋という印象、戦型は相振りで私が受けの展開になると思います
 前回出たときは1回しか勝てなかったので、今回は2回、3回と勝っていきたいと思います」

戸辺「上田はちょっと緊張していましたかね 西川が前回勝った相手は私なんですよね(笑)
 お互い、中終盤、粘り強いので、ねじり合いになると思う」

雑談で、戸辺「上田と言えば6月にいいニュースがありましたね」
そうだね 及川拓馬五段と結婚したんだね しかし、及川の名前は出なかった
シークレットではあるまいし、及川の名前を出してあげるべきだったのでは(^^;

先手上田で、居飛車 対して西川は角道オープンの四間飛車から三間に振り直す、
 という変わった作戦だった
上田から角道を止め、お互い穴熊へ 戦型は相穴熊に落ち着いた

戸辺「西川は角道を止めての三間飛車か中飛車を得意としている 
 西川がこの作戦をするのを私が見たのは、初めてかもしれない」
矢内「上田は穴熊は得意ですからね」
戸辺「上田は四間飛車穴熊が好きでいつもやっていましたけど、
 最近は居飛穴も武器として手に入れましたね」 
そうか、上田と言えば四間飛車穴熊だったか 上田、がんばれよ~
相穴は一方的になることも多く、ミジメな負け方をすることもあるから、それは避けてほしいところだ

上田が右桂を使おうと跳ねた手に対し、西川はじっと歩で受けて辛抱
戸辺「跳ねさせたことを、負担にさせようという意味がある」
ひえ~、そういうことか プロはやりとりが細かいな~

中盤、矢内が西川から△1五角と飛び出す手を質問している 戸辺いわく、「それもある手です」
しかし西川の手はスッと一路引く、△4二角!
戸辺「なるほどという手ですね こういう組み立てが、攻めさせて反撃する棋風の西川らしい手
 上田も予想していなかったんじゃないか」 

右桂の頭を狙われたか 上田、早くもピンチ? 
しかし上田も5筋から反撃、角切りの特攻で勝負をかけた
戸辺「いや これはすごいことになってきました」
上田の飛車が成りこめそう、まだいい勝負なのか・・・ 上田、がんばれ~ 
そこで西川に出た、この一局最大のポイントとなる一手、△1二角!
戸辺「これは決断の一手だと思います」
な、なんだこの角は? ▲2三銀で角が即死ではないか?
戸辺「▲2三銀には△2二飛を狙っている」
ひ、ひえ~ そんな返し技が用意されているのか だけどこの△1二角、ホントにいい手なのか?

上田の対応が俄然注目された どうする上田!? うまくやれよ・・・!
だが、数手進んでみると、上田は飛車を成りこんだだけ、
西川は2枚角を先手陣の急所ににらませて、と金まで攻めに参加させてくるという結果になった
上田、痛恨の対応ミス! うわー こりゃダメだわ 上田ああぁorz
戸辺「少し、西川が良くなった ちょっと上田に誤算があったかなと
 駒割りは、西川のほぼ角の丸得」

ここからはもう手続き、フルボッコかと思われたが、西川の攻めも最善は逃したらしい雰囲気が?
戸辺「上田、粘ることによって西川を切れ筋に導く可能性もまだある」
おお、まだがんばれるか 上田、粘れ~ 

そして粘る上田 こりゃ、西川の攻めもギリギリか 後手の小駒だけの攻め、駒が足りるかどうか
戸辺「上田は最善の粘りをしている 西川はプレッシャーを感じているだろう」

西川、なるほどという手で攻めをつないでくる 上田、がんばっているが、西川の攻めが止まらない・・・
西川、一歩も余らせず、駒全てを使いきり、見事に攻めをつなげてしまった
ああー だめだー 先手玉、ついに受けなし、必至に追い込まれ、上田投了
112手、西川の勝ちとなった
戸辺「西川は終始落ち着いてましたね 自分のペースで戦った」

あー、これどうだったのかなあ 上田が違う受けの対応をしていれば、まだ長引いたかもしれないと
思えた局面もあった 西川の攻めも見事ではあったのだけどね 
ただ、その場の空気として、西川の勝ちムードというのがずっと流れていた

戸辺「西川が△1二角という一手鋭い手を放って、流れに乗って、そこから優勢を築いた」
矢内「じゃあ その辺り中心に感想戦をよろしくお願いします」
うん、△1二角っていうのが、ホントはどうだったの?
しかし、この感想戦が問題だった
戸辺が「仕掛けの辺りから」と言ってしまったため、6分間しかなかった感想戦の中では、
△1二角周辺については全く何も触れることができないまま、時間が終了してしまったではないか
これは戸辺の悪手だった・・・orz

まあしかし、投了図を見れば大差ではあるものの、一局を通してはそんなに大差ではなかった一局だ
最後の西川の攻めはギリギリだったからね 
△1二角に対する上田の対応が残念だったのと、寄せのところで上田がもっと違う受けかたをしていれば
まだ長引いたかもしれない、その粘りをもっと見たかった

今年もNHK杯は女流は負け、通算では3勝22敗、ここ10年近く初戦敗退の連敗が続いている
(ウィキペディアのNHK杯で検索すると女流の通算成績の一覧表があります)
でも、また来年も女流の戦いぶりを楽しみにしたい 
去年、女流が出たときに私はこのブログに書いたのだけど、女流だけの16人くらいのNHK杯、
これが実現すれば最高なのだけどね 
ハッシー、やってくれました! 
銀河戦Gブロック最終戦、ハッシーが見事に渡辺竜王を撃退しました

先手渡辺で、角換わり相腰掛け銀
渡辺が勢いよく先攻し、「渡辺がペースを握った」と解説の木村 
ああ、ハッシー、ノーチャンスでこのまま負けてしまうのかと思われた

しかし、ハッシーの端攻めが絶妙の好判断 堅かった渡辺玉があれよあれよという間に寄った 
96手でハッシー会心の逆転勝ち! やったぁぁぁ

前期の勝率が7割超えの渡辺と3割台のハッシーの対戦だったから、
こりゃー勝負は見えてると最初は思ってた(^^; 将棋界にハッシーあり! 次もがんばれ~!
2013.08.01 最近の銀河戦
最近の銀河戦を、一気にまとめてみます
今までのように、一戦ずつ書く気力がもうないので(^^;

銀河戦は各ブロック、最終戦に進んでいます(勝ったほうは最終勝ち残り者)

Aブロック ▲藤井vs△屋敷 藤井の角交換ダイレクト向かい飛車+穴熊vs屋敷の2枚銀の繰り出し
 屋敷がかなりめずらしい意欲的な作戦を見せ、優位に立ち、そのまま押し切って84手で勝ち
 屋敷の作戦、アマでもなかなか思いつかない自由な発想だ 
 藤井は序盤でリードしなければやはり苦しいようだ
 Aブロックは屋敷と8人抜きの長岡が決勝トーナメント進出

Bブロック ▲深浦vs△郷田 ノーマル角換わりの相腰掛け銀
 壮絶な攻め合いになり、104手で郷田の勝ち この一局だけは観ていない あー、観れば良かったな
 Bブロックは郷田と4人抜きの稲葉が決勝トーナメント進出

Cブロック ▲糸谷vs△佐藤康光 康光の一手損角換わり 康光が趣向を出したが、それが不発
 91手で糸谷が順当に押し切った 康光、趣向を出すのはいいがそれがダメなときは
 一気に不利になってしまうのは相変わらず(^^; 特にこの戦型での趣向の不発は致命的だった
 糸谷はNHK杯では負けてしまったが、銀河戦は鬼の強さで7人抜きで最終勝ち残り者になった 
 駒に勢いがあるのがビンビン伝わってくる
 この結果、大石が2人抜きながら決勝トーナメント行きに決定した

Dブロック ▲松尾vs△タニー 居飛車+銀冠vsタニーの角交換ダイレクト向かい飛車から穴熊
 非常に長い戦いで体力も問われる総力戦となった 結果131手で松尾の勝ち
 ああー、タニーにも何かチャンスはあったと思うのだが、今の実力をそのまま反映した結果だろう
 Dブロックは松尾と3人抜きの中田功が決勝トーナメント進出

Eブロック ▲行方vs△羽生 ノーマル角換わりの相腰掛け銀
 これも非常に長い戦いになった 行方がずっと攻め続け、羽生が受け続ける将棋
 羽生の入玉を狙った手を、行方が飛車を切る手で見事にとがめ、羽生の入玉を阻止
 163手、力将棋を制した 今の行方、やはりなかなか強い 前回王者の羽生は初戦で消えた
 Eブロックからは行方と3人抜きの高崎が決勝トーナメント進出

Fブロック ▲豊島vs△三浦 横歩取り△3三桂からの力戦
 三浦は振り飛車みたいな陣形 この一局は大熱戦になった 
 どちらがいいのかわからない形勢がずっと続き、白熱の終盤戦、秒に追われて「ここぞ!」と
 いうときに出た、豊島、渾身の詰めろ逃れの詰めろ、これが次の一手のような角打ち一発!
 123手、豊島の勝ち 実力拮抗の名局だった これで豊島は対戦成績で三浦に4-0とのこと
 Fブロックからは豊島が5人抜きで最終勝ち残り者、小倉が4人抜きで決勝トーナメント進出となった

Gブロック ハッシーvs渡辺 まだ放送されていない 大平が4人抜きで決勝トーナメント進出している

Hブロック 木村vs森内 まだ放送されていない 阿部健が6人抜きで決勝トーナメント進出している
 
銀河戦、このブログでは最近取り上げてないけど、何気に内容的に盛り上がってる(^^;
特に勢いがあるのが、糸谷、行方、豊島の3人 見ていて迫力がある! この3人には注目だ