11月に北九州で行われた将棋の日のイベントの録画放送

前半のペア将棋は・・・(^^; 低学年の部で優勝した子と高学年の部で優勝した子、
これは棋力にかなり差があるだろうと思っていたらそのとおりだった 
持ち時間が独特で、プロと小学生が2手組みで40秒とのことだったが、プロが30秒以上考えてしまい、
小学生が後5秒くらいしか残っていない、といった場面もあった
この持ち時間制はもう次回からやめたほうがいいと思った
後手が負けた直接の敗因は斉藤五段の十字飛車だったが、あれは何を狙っていたのか、
解説が欲しかったところだ
玉頭に味をつけておいて、9筋に手を戻しておくのが狙いだった?
 
後半の森内vs羽生は熱戦で、すごく良かった!
▲森内の玉頭位取りvs△羽生の四間飛車 
私も次の一手名人戦に参加した気分でやってみていたのだけど、はずれまくり(^^; 
これと思った手が手順前後で指されることも多く、今回は難しかったわ 
中田功が手を挙げて、△3一飛から仕掛ける狙いを指摘したのは、うならされた さすがコーヤン!
誰もが▲1一角成かと思っているところ、森下が「ここは何かすごい手が飛び出しそう」と言っていたら、
そのとおり▲3三歩成 森下もやるね 
終盤での飛車の打ち場所、▲4一飛を当てた女子学生にも感心した  
羽生ピンチかと思われた流れから、羽生の、と金作りが絶妙のタイミングで間に合ってくるという、
羽生ファンにはたまらない展開!
最後は合駒を何にするかというギリギリの勝負、
羽生の飛車をたくみに使った詰み、実に見事だった あー、面白かったわ(^^)

<お知らせ> 31日はニコニコ動画で電王戦リベンジマッチ、船江五段vsツツカナがあります
 1月2日にはNHKのEテレで、午後0時から2時まで、新春お好み将棋対局があります
順位戦、いよいよ第4コーナーに差し掛かったというあたりなので、
ここらで星取りを見ての感想をば
(カッコ)の中はそのクラスの中での順位です

<A級> 1人が名人挑戦、2人が落ちる 全9回戦 
 羽生が6連勝、それを渡辺と深浦が4勝2敗で追う、か 
 まあまた羽生vs森内の名人戦だな、こりゃ(^^;
 残留争いのほう、タニー(8)が1勝5敗で大ピンチ あとは2勝4敗が3人、
 屋敷(5)、郷田(3)、三浦(2)の順でヤバイということか 
 タニーは会長職とプレーヤーの両方なので、かわいそうな感じ
 まだ51歳で全然老け込む年でもないので、あと10年は現役だけ続けさせてあげたかった
 今年落ちたとして、来年B1でまた落ちないかと、今からもうそれが心配だ

<B1> 13人中、2人が上がって2人が落ちる 全12回戦
 豊島(13)が8勝2敗でトップだが、順位の関係で自力ではない
 7勝2敗の広瀬(8)と阿久津(9)が自力で、2人が残り3戦を全勝すれば、
 豊島は上がれないということだ 
 しかしこのクラスはなんと言っても残留争いが熾烈、高橋(1)が1勝9敗ともう後がない
 あと一人、鈴木大介(10)が2勝7敗、そして藤井(12)と木村(6)が3勝6敗で危ない
 藤井、B2から上がってきたばっかりで落ちるとショックだろうな~ B1は今はもう激戦区だな

<B2> 25人中、2人が上がれる 全10回戦 
 佐藤天彦(4)が8勝0敗でマジック1としている 
 先崎(16)と村山(22)が6勝1敗で続く 先ちゃん、今期は千載一遇のチャンスだなあ
 先ちゃんが上がれるかどうか、個人的にかなり注目している
 こんなチャンス、めったにないぞ なんとかあと3連勝で上がりたいところだろう
 相手は安用寺、森下、井上か B1で通用するためには勝たなくてはいけない相手ばかりだ
 B2も何気にメンバーが揃ってきていて、島が7連敗で最下位という有様 
 
<C1> 34人中、2人が上がれる 全10回戦
 若手とベテランが交錯するクラスとなっている
 糸谷(9)が7勝0敗でトップ、それを6勝1敗の佐々木慎(4)、中村太地(10)、
 高崎(20)、菅井(28)が追う展開  事実上2敗失格システム、順位下位の1敗も頭ハネでダメ、
 うわ~これは厳しいわ ベテラン勢は、のきなみ苦戦だ

<C2> 46人中、3人が上がれる 全10回戦
 昇級枠がたった3人、これを聞くだけでも苦しい
 大石(18)が7勝0敗で単独トップ、それを6勝1敗で澤田(4)、佐々木勇気(5)、
 村田顕弘(7)、千田(45)が追う 
 降級点が下位の9名に付くということだが、これが新四段の上村(43)が2勝5敗、
 千田(45)が1勝6敗で、もらってしまいそう 新四段2人、いきなり降級点か 大変だわ

<三段リーグ> 39人中、上位2名が上がれる 全18回戦 ただし半年のリーグ
 26年前の第1回は17人だった三段リーグ、どんどん増えていっていて、現在では39人の大所帯
 猛烈に厳しい今の三段リーグ、今期は興味はないが、来期は里見香奈さんが入ってくる!
 今21歳の里見さん、どんな成績を残すのか、26歳までに果たして四段になれるのか 興味深々だ
羽生善治 三冠vs大石直嗣(ただし) 六段 NHK杯 3回戦
解説 山崎隆之 八段

今日は羽生だ ワクワクするなあ どんな勝ち方をしてくれるのだろう 
若手の大石相手に、まず不覚は取らないだろう 羽生は43歳、大石は24歳ということだ
山崎は、いつの間にか八段になってたのか 

羽生は1985年四段、竜王戦1組、A級 現在、王位、王座、棋聖の三冠 2回戦で木村に勝ち 
28回目の本戦出場 ちなみに2回戦の木村戦は、先手で角換わり相腰掛け銀から攻めをつなげての
危なげない快勝だった
大石は2009年四段、竜王戦4組、C2 1回戦で浦野、2回戦で行方に勝ち 3回目の本戦出場
1回戦の浦野戦は、浦野の無理やり矢倉を攻め倒して圧勝、
2回戦の行方戦はダイレクト向かい飛車で、行方のポカに助けられて勝っている
 
矢内「羽生三冠は、山崎八段にとってはどのような棋士で」
山崎「え? 僕にとっては? 僕にとっては迷惑な棋士なんですけど(^^;」
矢内「そんな ハッキリと(笑)」
山崎「いや あの 将棋界にこの棋士がいないと困ります 今日も控え室でソフトな感じのオーラに
 包まれているんですけども、対峙(たいじ)すると真剣を持っているような印象を受ける方で、
 魅力ある雰囲気に包まれている」

山崎「大石君は近年の活躍を見ると、もういつもこれくらいの成績を残してますし、
 誰に勝ってもおかしくない 若手の中でも有数の勢いがあります 楽しみな、頼もしい弟弟子
 大石の持ち味と言えば攻め
 『あ、こうやったら簡単に勝てるんだ』というようなうまい攻めがパッと出てくる」

事前のインタビュー
羽生「(今日の展開予想は)先後によってかなり違うと思うんですけど、最初からかなり激しい
 展開になるかなと思っています 大石さんは若手の伸び盛りの棋士だと思っていますので、
 私も元気な将棋が指せるようにがんばりたい」

大石「(今日の展開予想は)先手番なら相掛かりか横歩取りみたいな将棋で、
 後手番ならダイレクト向かい飛車みたいな力戦を指したいと思います
 将棋界を代表するスターの先生なので、自分らしく挑みたいと思います」

先手羽生で対局開始 羽生の居飛車に、大石が宣言どおりダイレクト向かい飛車に振ったところ、
羽生が▲6五角と打った 角交換の後、大石が飛車を7筋に戻し、袖飛車で対応 
山崎「ダイレクト向かい飛車の出だしなんですけど、これはもう相居飛車」

2人の対戦成績が出て、1戦だけしていて、銀河戦で羽生が勝っている
その将棋は先手大石の相掛かりで、羽生がかなり危なかった一局と私は記憶している
山崎「1年半前の銀河戦は、羽生がリードし、大石が追い上げたが届かなかった 
 『もう勝てないな』という印象を植え付けられた一局ではない」

駒組みが続く 羽生は矢倉に囲って自然 大石も矢倉風で、金銀を密着させて玉は堅い
雑談で、矢内「大石六段は普段はすごく物腰が柔らかくて勝負師という感じは・・・」
山崎「全くないんですけどね ボーッとしてて(笑) でも普段見るよりはTVで見ると大分違いますね
 対局姿は目つきが鋭い」
矢内「山崎八段は、なんと言ってもこのNHK杯、羽生三冠に勝って優勝されてますからね」
山崎「もうそれがなかったら、本当にもうー たぶん立ち直れないくらい負けてますので、
 その何十倍も負けてますのでね」
私は山崎が羽生にどのくらい負けているか、気になったので調べてみた
棋譜でーたべーすによると、羽生17勝、山崎2勝ということだ(非公式戦含む)うわ、負けてるな(^^;

さて、大石の右銀が出てきて、この銀を受けに使う様子だ 羽生がそこに目をつけた
▲6一角と敵陣深く打ち込み、続いて▲7二歩でこの角を助けようという構想だ
おおー、そんな手があるか あら? これは馬と、と金が作れちゃう? もう羽生がちょっといいの? 
山崎「この角はなかなかちょっと見えにくいですね 後手の飛車を攻撃に参加させない意味が9割」
と山崎はのんびり解説していたものだから、私は安心して見ていたのだ ところがどっこい!

大石がお返しとばかりに△6九角と打ち込んできたではないか え? 何これ・・・?
山崎「あれ! なるほど 指されるとこれが一番の手に見えます」
なんと、さっき打った羽生の角が、取られてしまうではないか! あ、ありゃりゃ???
駒の損得だけ見れば角を消し合い、交換で損得なしなんだけど、羽生玉の横に居たカナメの金が
居なくなって、かなり弱体化してしまった 
しかも羽生は右銀まで撤退を余儀なくされるという、すごい利かされ!
山崎「(羽生の右銀の撤退)これは非常手段という感じ 形的にはかなり悪い」
うおー、羽生がモロに技有り食らってるやん 大丈夫か? でもまあ、まだこれからだ、大丈夫だろう?

山崎「これは大石、局面的にはすごくチャンス 完全にペースを握ってると思いますね」
そして、大石の手はここからうまかった 
羽生の桂を跳ねさせ、それを銀で食いちぎり、その空いた空間に角打ち
これが飛車取り、さらに、と金を作る手を見て、実に厳しいではないか
げ、げぇ~ やめて~ 羽生をいじめないで~
山崎「これは並の棋士だったら、もう困っちゃってますね」
うむ、山崎、いい表現だ 羽生はもちろん並の棋士なんかではないからな!

羽生、見るからに苦しいが、どうにかこうにか飛車を逃げ回っている
そして右銀も一段目(2九)に退却! うわ~ こんなん、見たことないわ
相居飛車で、三段目に居るべき攻めの右銀が2九に撤退って・・・
だが、ここはこれで最善のがんばりだったようだ 
山崎「さすが羽生 最小限の被害で抑えた 
 と金を作られたところからは、すぐにも敗勢に陥る危機だったが」
そうだろう、そうだろう NHK杯4連覇の羽生がそう簡単に負けるわけがないのだ
もちろん形勢はまだ悪いのだろうが、羽生ならなんとかしてくれる!

考慮時間を先に使い切ったのは、羽生のほうだった 残りが▲0回vs△1回 
山崎「羽生が先に使い切るのは、かなりめずらしいんじゃないですか」
羽生~ なんとかしてくれ~ 持ち駒に角金銀歩を持ってるから、羽生ならまだなんとか出来る!
そこで羽生がひねり出したのが、歩の突き捨ての連続から、▲6三角というわけのわからない、
ぼんやりした角打ちだった な、なんじゃこれは? どこにも利いていないような? 

この角が置かれた瞬間、盤上に一気に怪しいムードが漂った うお、これにはどう対処していいのやら? 
山崎「効いているような効いていないような角 羽生マジックの下準備ですね これは何でしょうね」
思わず最後の考慮時間を使う大石 大石にも「なんだこれは」という感がありありだ 
おおおお、これはいわゆる、羽生の手渡し! この終盤に来て、相手の手を訊くという一着、
一見ぼんやりした手で、相手の間違いを誘う手だ 出るか、羽生マジック・・・!!

が! ここで大石は玉の早逃げ! うわー なんと冷静な! あああ、それ、正着っぽい
羽生に手を渡し返して、絶対に損のない手だ あら~、大石、強えーぞ

大石の手が緩まない 冷静な、羽生の狙いを消す損のない手を連発してくる
山崎「いつの間にか、どちらが攻め勝っているかわからない状況になってますね」
そう言うが、しかし、玉の堅さが違う 羽生の玉は薄い 玉飛接近で、同時に攻められてしまうのが痛い
羽生ピンチ~ おい~ なんとかしてくれ~ 

羽生が「端玉には端歩」の格言どおり1筋を攻めたのだが、肝心の1九に香車がいない この攻めは?
もう他に手がなかったから、仕方なくか 
山崎「ん これは羽生が苦しい モニターでは大石には元気があるように見える 
 羽生はちょっと自信がないように見えますね」
流れが羽生のほうに来ないもんね ▲6三角の「羽生マジック」が見事にかわされた感がある

山崎「大石がちゃんとやれば勝つはずです チャンスが来てます」 
矢内「ドキドキしてきちゃった」
思わず矢内が羽生ファンの声を代弁、いや、それがNHK杯を観ている全将棋ファンの声だろう

おーい、羽生、負けるんかー まさか3回戦で負けるんかー
いよいよオーラス、山崎が「大石は飛車を取った後、どう羽生玉を縛るか」と解説していたら、
なんと大石は飛車を取りに行かない! 羽生の玉を逃がさない、縛りの歩打ちを優先!
うわ これ、いい手??
山崎「こういうところですね 大石君の優れているところはね 手自体は平凡に見えるんですけどね」

もう絶体絶命の羽生玉 うわー もうアカンわー 大阪弁になってるわー げえー 羽生先生ー
羽生玉が寄り筋に入り、山崎「僕がわかりますから、大石君が見落とすはずがないんです」
矢内「どうしてそんな自分を落とすんですか(笑)」
ここは笑った 山崎、自虐的なんだよね(笑) あああああ 香を打たれてもうそれまでか・・・
そして、大石は香を打った 羽生「あ 負けました」

「うおーーー」 羽生が頭を下げた瞬間、私は大声を発してしまった 
かなり前からこの結果は予見できていたのだが思わず(^^; 126手で大石の勝ち 

山崎「羽生先生らしく、相手の方針を決めさせて、戦機をうかがうという指し方をしたんですけどね
 うまく大石君らしい軽いカウンターで戦機を捕らえた が、さすがに羽生は一流の技で、どちらが勝つか
 わからないという状況まで持っていったんですけど、最後大石君らしい、簡単に勝ったように
 見えるんですけど、平凡な手に見えるすごさ、無心で実力を出し切り、見事な将棋だったと思います」  
 
たしかに、最後の大石の寄せでの、飛車を取りに行かずに、縛りの歩を打ったのは見事だったなあ
そして、その前の羽生が▲6三角と打ったときの羽生マジックが出るか、
という怪しいムードに包まれたときの玉の早逃げという冷静な一着、実に落ち着いていた
「羽生の手渡し」に対して、手渡しのお返しをしたんだもん

うわーー でも羽生が3回戦で消えたか 渡辺に続き、NHK杯で絶対王者の羽生が消えた
ああー 年が越せねえー(笑) NHK杯、来年もやるの? 羽生がいないのにまだ続くん?
羽生が負けたから、もう終わりじゃないの? 

えーっと、まだ放心状態なんですけど・・・(^^; 
羽生の生涯勝率が0.7223だから、4回やれば1回以上の確率で負けるんだけどね 
いやしかし負けるか・・・ 今調べてみたら、大石はC2で、今7戦全勝で単独トップなのか
そんな調子良かったのか それを早く言ってよ(^^;
羽生がベスト8に行けずに敗退したのは、第56回の深浦戦で負けたとき以来の7年ぶりということだ

渡辺が消え、羽生も消えた第63回NHK杯 こうなってくると、がぜん森内が有力か 
今期は波乱状態になって参りました (来週はNHK杯はお休みで、将棋の日の模様が放送されます)
銀河戦、私は女流とアマに注目していて、
トーナメントの下のほうでも女流とアマが出るときは観ている

中川アマはCブロックで、伊藤能六段、石田直裕四段を破って3回戦に進出
3回戦の相手は、藤原直哉七段 これが相矢倉の名局となった
細い攻めをつなげる中川アマ、対して藤原七段もギリギリの受けを繰り出す
攻めがつながっているのか? それとも受けきるのか? 手に汗握る攻防が延々続く
ハラハラドキドキ、まるでトッププロ同士のタイトル戦のような内容! 
藤原七段がかろうじて余し、結果、138手で藤原七段の勝ち いや~、これは見ごたえがあった!
両者に拍手を送りたい パチパチパチ

正直、藤原直哉七段って私は全然知らなくて、順位戦はフリークラス?と思ってた
48歳、C2で31位ということだ 降級点2つ持ってるけど、まだC2でがんばってたんやね(^^;
今期勝率7割超えということで、好調っていう話だった わかるわ~ こんな将棋が指せるんやったら、
C2レベルじゃないもん 藤原七段、強かった!
そして中川アマも強かった 奨励会に入ってなかった純粋アマなのに、よくこれだけ指せるものだ
アマ棋界に中川慧梧あり!を印象づけた一局だった これからも純粋アマ代表として活躍を期待!

今泉アマはEブロックで、竹内雄悟四段、伊奈祐介六段を破って3回戦に進出
3回戦の相手は高見泰地四段 こちらは相穴熊の、逆転が何回かあった人間同士らしい名勝負となった
大駒をぶった切ったりタダで取らせたり、という、相穴熊らしい非常に面白い内容だった
解説の田中寅彦、いつもながら序盤はテキパキとしゃべるが、終盤になって急に手が見えなくなり、
「あら? そんな手があった? どうなってんの? 私にはわかんない」とか言い出す(笑)

が、しかしこの一局に関しては、対局者の今泉さんもそうだった、との感想戦
今泉さん、「勝ちと思った局面が、後から振り返ると負けだった」という、一番ガックリくる負け方
あー、これは残念だろうなあ 今泉さんは、銀河戦で活躍してプロになる、というのが目標にあるもんね
(後日訂正・今泉アマは、2013年現在、プロを目指す予定はないそうです)
今泉さんの面白いところは、顔つき、手つきにモロにその時の精神状態が出てるところだ
自信のあるところはビシッ!と音をさせて指すし、秒に追われると盤上で手が泳ぐ(^^;
だから見ていて楽しい あー、惜しかったなあ プロでこういう人めったにいないからなあ

これで今期の銀河戦は、女流2人とアマ4人は消えた 通算、女流は2敗、アマは5勝4敗だった
郷田真隆 九段vs高橋道雄 九段 NHK杯 3回戦
解説 中村修 九段

郷田は42歳で高橋は53歳、居飛車党のベテラン同士の対戦だ 
タカミチは今期のB1の順位戦、1勝9敗と苦戦している NHK杯でがんばって欲しいがどうかな
矢内は先週から髪を染めている、との私の母の指摘があった そう言えば、ブラウンになっているね
似合っている、いいよいいよー

郷田は1990年四段、竜王戦1組、A級 2回戦で永瀬に勝ち 22回目の本戦出場
ちなみに2回戦の永瀬戦は、永瀬の角交換振り飛車穴熊に対し、落ち着いた指しまわしで完封している
タカミチは1980年四段、竜王戦2組、B1 2回戦で中村太地に勝ち 33回目の本戦出場
ちなみに2回戦の中村太地戦は、後手番の横歩取りで、中盤から抜群の指しまわしでの会心譜だった

解説の中村修「各ブロックで若手が勝ちあがっている中で、なんとなく昭和の香りがする対戦だなと
 思います 郷田は居飛車党の正統派、すごくこだわりがあって、自分のいい物、美しいものに対して
 素早く反応する、最善手よりもそういうところを追求している きれいな棋譜を残したいと思っている
 
 タカミチもある意味似ている、得意な形が決まっている 攻め将棋で小駒を使った軽い攻めが得意、
 そして玉が堅いというのが特徴 似たタイプの2人、強情な2人のぶつかりあいが楽しみです」

事前のインタビュー
郷田「お互い居飛車党ですので、矢倉、横歩取りなどを中心に相居飛車の将棋になると思います
 月並みなんですけど、一生懸命対局して、いつもの力が出せればと思っています」

タカミチ「両方とも居飛車党ですので、矢倉、横歩取りといった相居飛車の将棋を予想しています
 郷田はいつも堂々とした棋風で、カッコイイなといつも思っています
 私も胸と胸を突き合わせて、堂々とした戦い方をしたいと思っています」

先手が郷田だったので、中村修は「間違いなく横歩取りになると思います
 玉の位置もわかります」と言っていたのだが、郷田がなんと▲2六歩△3四歩▲2五歩、と、
角換わりを強要したではないか(^^; タカミチの手もここでピタッと止まった(笑)

矢内「意表の角換わりになりまして」 中村修「帰っていいですか」 矢内「ふふふ ダメです(笑)」
中村修「タカミチの駒台の角が少し横を向いてます 動揺が伝わってきます」
細かいところを見ているね 郷田は1回戦の永瀬戦でも、先手で▲2六歩△3四歩▲2五歩だった
相手の得意を受けて立つのはもうやめたのかな
中村修「今年、郷田が先手で2局連続でタカミチと横歩取りをやっているんですよ 
 2局とも郷田が勝っているんですけど、さすがに3局は危険と見ましたかね」

2人の対戦成績が出て、郷田14勝、タカミチ8勝 最近5局は郷田の5連勝とのこと
郷田が右銀を棒銀に出て、やったあ、と私は思った ここのところNHK杯では、
角換わりの相腰掛け銀が続いていたから、棒銀は歓迎だ

雑談で中村修「私とタカミチは四段になったのが同期、同期が8人もいまして、その後も8人くらい
 四段が出たので、ちょっとこれは棋士が出すぎだ、ということで、その直後の三段リーグができた
 郷田はそのあおりを食ったが、三段リーグを勝ち上がってきた」

郷田が棒銀で3筋から攻めかかり、タカミチも右銀を玉側に寄せてきて受けるという展開
そして、タカミチがその右銀を5段目に出て、早くも力戦模様となった
矢内「(こういう力強い手が出ると)なんかうれしくなっちゃいますね」
中村修「(こういう手は)自分のペースに持ち込める可能性がありますからね」

郷田は棒銀で銀を交換、タカミチは一歩得 双方に主張があるね 後手は居玉、局面は完全に手将棋だ
郷田が再度2筋に歩を合わせた手を見て、
中村修「うわー 歩打ち うわー すごいね この細かい展開!」
ふふふ、中村修の解説、素直に感情を出してくれるので、面白い(笑)

大盤で、後手がたとえ飛車を取っても2筋を突破されてしまうのは危険、と検討していたところ、
タカミチがその順に突っ込んだではないか! 
これは中村修が「こうやればすぐ終わっちゃう」と解説していた順だぞ!?
中村修「ちょっと待って下さい! 今日は初手から指し手が当たんない(笑) あーらら」
うおー、もう終局近しか? タカミチに何か見落としが?

が、さすがにタカミチも読み筋だったようだ 玉を早逃げさせたのが好手、郷田が考え込むことになった
中村修「タカミチは指したい手がたくさんある ここが勝負」
そこで郷田が繰り出した手、それは▲4一銀という手
中村修「はぁ~ この一手も意外な手だな~ こういう手は浮かばないですね~
 俗手ですねどね 角なら打ちますけど」
さすが郷田だ この銀を足がかりに、と金を作って後手玉に迫っていく郷田 形勢は先手がいいのか?

だがタカミチの玉にすぐには寄りはなさそうで、どっかで郷田は1回は受けに回りそう、と思っていると、
その通り、郷田は狙われた金を逃げて様子を見た 難しい将棋になったな
漠然とした局面、中村修が自陣角を指摘、すると郷田もその手を放った おおー これはよく当てた
中村修「ようやく当たりました(笑)」
画面に郷田が映り、中村修「郷田の眼鏡、だんだん落ちてくるんですよ
 鼻で引っかかって止まるんですけどね」
郷田~ 20歳くらいのときの超美形はどこにいったんだ~(^^;

その角を飛び出した手が詰めろで、タカミチ、どう受ける・・・ 
そしたらタカミチは玉を力強く3段目にグイッと上がって顔面受け! 
中村修「あーっとっとっ! 勝負手! これは勝負手!」 
おお、タカミチ、いいぞ~ 中村修の解説も面白い(笑)

中村修が、後手は6筋の歩を伸ばして玉を広くする手が良さそう、と解説していたところ、
その手もビンゴ! 中村修「あー これは良い手だな これはタカミチが良くなったと思いますね」
おお、タカミチが良くなったか がんばれタカミチ~ 

が、しかし桂が交換になり、タカミチが竜を追われて逃げた場所が何かおかしい?
中村修「いや~ 一手一手難しいです」
どうなってるんだ 形勢難しいのか タカミチが桂を使って攻めたところで、双方30秒将棋
ぐっ 秒読みは厳しい・・・ 後手玉はどれくらい危ないのか

タカミチの玉、中段に逃がしてまだがんばれるだろう、と見ていると、あれ? 桂で王手来た?
中村修「そうか(後手玉は逃げ方によっては)いきなり詰むのか」
矢内「△7五玉と逃げるのは?」
中村修「ん? あ ? ん? なるほど 7五に逃げる一手か」 
そしたら、なんとタカミチは6五の角を取って、詰むほうに逃げてしまったではないか!
中村修「取るのは詰みですね」
ええー 詰むほうに? なんでー
矢内「後手は攻めの桂打ったことによって、玉が狭くなってたんですね」

郷田が詰ませて、81手で郷田の勝ち あららーー 最後あっけない!
中村修「詰んでしまったですね 驚きましたね あっという間にね
 桂を渡したのが結果論かもしれませんけど、決め手になってしまったかな でも面白い将棋でした」

いやー ずっと面白かったんだけどなあ 最後が・・・ 
せめて、矢内の指摘どおり△7五玉と逃げてほしかった
最後、角を取らずに△7五玉ならどうだったのか? 私にはわからなかった
激指定跡道場3に訊いてみると、△7五玉▲6六銀△8五玉に▲7三歩成が決め手で、
それが▲7七桂からの詰めろになっていて、それで先手勝勢(+5000以上)とのことだった
あー、これは解説が必要だったね 
秒読みの中、もし郷田がこの寄せ方を発見できなければ、まだ大変だった

感想戦では、郷田は▲4一銀では銀ではなく角を打つ手が見えてなかった、と反省しきりだった
中村修は角を打つ手は発見できていて、銀は全く見えてなかったというのに(^^;
タカミチのほうにも、他にも有力な受け方が色々検討されていた
タカミチ「途中から中村君に代わって欲しかった」
これはちょっと笑った 中村修と言えば「受ける青春」がニックネームだからね
タカミチ、受ける展開に回らされ、秒読みでつらかったか・・・
でも郷田の攻めもギリギリだったけどね

81手とは思えないほど長い間、戦っていた 面白かったけど、終盤、もっと続いて欲しかった

来週は羽生vs大石 ド本命の羽生の登場だ これは楽しみだ
再来週は年末のため放送が休みということで、羽生のスカッとする将棋で今年最後を飾って欲しい
居飛車党の級位者のための定跡講座、その2は、矢倉崩し右四間飛車(以下、右四間)編です

「その1」で取り上げた早石田に負けず劣らず、この右四間も恐ろしい「クソ戦法」です
矢倉側が無策に矢倉に組み、右四間側の一気の猛攻を食らい、一方的に矢倉が壊滅、という展開は低級ならずとも、よくあるのではないでしょうか

右四間で潰されないためには、どうしたらいいのか?
根本的な解決策、それは「角道を止めるな」ということです
自分の側から角道を止めると、相手に主導権を取られてしまうのは仕方のないことなのです

「角道を止めなければ矢倉に組めないじゃないか」という声が聞こえてきそうですが、その通りです
「矢倉に組むからには、最初から右四間を受けて立つ覚悟がないといけない」
これは「居飛車党の常識」なんです
私のおじいちゃんの遺言、「心臓止めても角道止めるな」という言葉には、相手に右四間で攻められたくない、そういう意味が含まれているのです

ちなみに、あの山崎七段も、解説会で「僕は矢倉をやらないのは、右四間がイヤだからなんです」
と言ったほどです(2009.6.16のこのブログに記事あり) それほど右四間は恐ろしい戦法なんです 

もちろん、矢倉側も受け方を知っていれば、互角に戦えます
右四間で矢倉が必ず潰されるなら、矢倉という戦法自体、絶滅しているはずですからね
 
さて、実際に矢倉vs右四間になった場合は、矢倉側はどう受けるのがいいのでしょうか
(以下、先手が矢倉側、後手が右四間側で進めます)
それは「金銀を6筋に集中させ、徹底的に受けよ」 これが基本理念となります
ヘタに攻め合いなど考えないほうがいいです 
まずは右四間側の攻めを受け止めて、局面が一段落してから、それから反撃、そう覚えておきましょう

受けの駒組みは色々ありますが、次の3点が基本となります セットで覚えておきましょう
①△8五歩と突かれるまでは左銀を▲7七銀と上がらない(△8五桂が▲7七銀に当たってくるため)
②右銀は▲5七銀として受けに参加させる
③角は居角(引き角にせず、8八のままで6筋の受けに利かせておく)
この3点が駒組みのポイントとなります

では、女流の実戦譜を見てみましょう
伊奈川愛菓(いながわ まなか)女流1級と、中澤沙耶(なかざわ さや)アマの一局です 
これは矢倉vs右四間のほんの一例ですが、先手の駒組みは参考になると思います
①~③の3つがきちんと実践されているのがわかります
以下をコピペしてKifu for Windowsに取り込んで下さい

開始日時:2013/7/12
棋戦:女流王将戦 
先手:伊奈川愛菓女流1級
後手:中澤沙耶アマ

▲7六歩
*持ち時間は25分、切れたら一手40秒未満 先手は伊奈川女流1級
△8四歩
*後手は中澤アマ 中澤さんは東海研修会に所属 
▲6八銀 △3四歩 ▲6六歩
*角道を止めた手 持久戦に持ち込める反面、相手に攻めの主導権を与える手でもある
△6二銀 ▲5六歩 △6四歩
*来た! この手で、もう相手の右四間を警戒しないといけない 先手が何もしないと、いきなり△6五歩の仕掛けがある
▲7八金
*がっちり受けるのが手堅い
△6三銀 ▲4八銀
*この銀を5七に上がって受けるのが手堅い 相手が速攻を狙っているので、先手は棒銀などで攻め合う展開ではない
*
*この▲4八銀で、先に▲5八金右としてしまうと、△6五歩▲同歩△8八角成▲同金△6六角で両取りの筋が発生するので注意したい
△7四歩 ▲2六歩
*飛車先を突いて自然だが、手堅く先に守りに手をかけるのもあった
△5四銀 ▲5七銀右
*このように、▲5七銀右とするのが受けの形
△6二飛 ▲2五歩
*先手は飛車先を一つ突いたからには、もう一つ突かなければ意味がない
△3三角
*後手は歩交換を受けたが、受けないで攻めに手をかけるのも有力だ
▲5八金
*金銀を6筋に集中させ、徹底的に受ける これが右四間に対する受けの根本的な考え方だ
△3二金
*後手は囲い方は色々あるところ △3二銀として、美濃に囲う手もあるし、何も囲わず、居玉のまま攻めてくるのもあるところ 
▲6九玉 △4一玉
*後手としては△3二金が壁になっているので、すぐに△6五歩とは行きづらい 
▲6七金右
*金も守りに参加させ、6筋が手厚い
*
*後手がもっと速攻で来たときには、△6七銀と上がって受ける手がいい手になることもある 
△9四歩
*様子を見た手
▲9六歩
*無難に受けておいた
△4二銀
*後手は壁が解消された
▲7九玉
*しかし、先手もこの玉を寄れて一安心
*これで△6五歩に堂々と▲同歩と取れる △8八角成に▲同玉と取れるからだ
△7三桂
*桂跳ねだが、やや早い気がする 右四間側としては、桂は攻める直前に跳ねるのがいい 桂頭を狙われる手がないからだ
▲4六歩
*先手はこの歩を突いて、徹底防戦の構え
*しかしここの歩を突くと、もう▲4六銀と出る筋がなくなるので、善悪は微妙だ 
*▲4六銀で△6五歩を誘い、以下▲5七銀上△6六歩▲同銀・・・といった展開も互角でありうる
△5一金 ▲1六歩 △3一玉
*後手は玉を固めている
▲3六歩
*先手は何かの折に、▲3七桂~▲4五桂で攻めたいところだ
△1四歩 ▲3七桂
*そろそろ駒組みが終わり どちらが動くか
*先手から動く手も難しい
△6五歩
*後手の中澤さん、攻めてきたが、先手としても待ち受けるところ
*後手としては、△6一飛など、何か一手パスして様子見という高度戦術もあった
▲同 歩
*本譜は▲同歩だったが、激指定跡道場3では、▲3五歩で攻め合うという手も有力とのこと これは難しいので省略します
△8八角成 ▲同 玉
*▲同金は形が悪いので、▲同玉と取りたい
△7五歩
*手を渡してきた 微妙な手だ
*ここで先手の伊奈川さん大長考
*感想戦で解説の稲葉六段が指摘したが、ここではいい手があった
*<ヒント>6筋に注目 軽い手筋の一手
▲6六角
*本譜はこう打ったが、ここでは▲6四歩の突き出しが有力だった △同飛には▲8二角の桂香両取りがある
*▲6四歩なら後手は身動き取れず、困っていた
*▲6四歩のような手はぜひ覚えておきたいところだ
△4四角 ▲同 角 △同 歩
*解説の稲葉六段は、なんで▲6六角を打ったんでしょうね?と不思議がっていたが・・・
▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛
*このときの△3三角を防ぐために、伊奈川さんは△4四歩をあえて突かせていたのだった
△2三歩 ▲2八飛
*▲2六飛と下がるのも有力だった、と稲葉六段
△9五歩
*端に味付け
▲同 歩
*後手の中澤さんとしては、次の手があまり良くなかった
△6五桂
*この手が疑問手だった △6九角ならまだまだ難しかった
▲6六銀
*▲4八銀は、飛車の横利きが消えるので、あまりやりたくない手だ
△7六歩
*ここで、次の先手の手が当然の一手ながら厳しかった
▲7三角
*飛車取りで厳しい
*本譜は△6一飛と逃げたが、後手がハッキリ悪くなった
*稲葉六段によれば、ここでは勝負手として△7七桂成!があったとのこと(激指も同意見)
*
*△7七桂成▲同銀(どちらの銀でも)なら△同歩成で実戦より数段に得だし、△7七桂成▲同桂なら△6六飛で△3九角を見て勝負形、ということだった
△6一飛 ▲6二歩
*飛車を押さえ込んで、好手
△8一飛 ▲6四角成
*先手が良くなった この後、後手の中澤さんもがんばり、終盤かなり危うい局面までもつれたが、なんとか先手の伊奈川さんが逃げ切った (終局は125手)
*
*先手の矢倉側としては、序盤の駒組みと、取られる歩を突き出す▲6四歩の手筋の受けの一手を、ぜひ覚えておきたい


今回のまとめ
「右四間が怖いのなら、最初から角道を止めるな、矢倉はもうあきらめろ」
「相手が右四間で来たら、居角のまま6筋に金銀を集結させて徹底防戦」 

これで講座を終わります 早石田編、矢倉崩し右四間編、参考になれば幸いです
「クソ戦法」に潰されて将棋が嫌いになる人が少しでも減れば、と願っております
以下のように発表されました

3月15日(土)▲菅井竜也五段vs△習甦    有明コロシアム
3月22日(土)▲やねうら王vs△佐藤紳哉六段 両国国技館
3月29日(土)▲豊島将之七段vs△YSS   あべのハルカス
4月5日 (土)▲ツツカナvs△森下卓九段   小田原城
4月12日(土)▲屋敷伸之九段vs△Ponanza  将棋会館

対戦カードの組み合わせは、妥当と思えました
対局場がすごいことになってますね 最後は将棋会館なんですけどね(笑)
あべのハルカスとは、来年の3月7日に大阪にオープンする超高層ビルとのこと

振り駒では、なんと阿倍晋三首相が登場しました 歩が5枚出て、プロ棋士側が3局先手をゲット
阿倍首相、駒を手の中で、あまりかきまわしてなかったようにも見えましたが(^^;
屋敷九段が先手番を引いたのは大きいですね

豊島七段の話では、11月30日にソフトが貸与されたとのことでした
私が疑問なのは、プロ側が練習で使っていたPCとソフトをそのまま当日会場に
持ち込んで対局するの?ということです
今のソフトは全くの同一手順で負けないように、一回負けた手順を回避させるようにプログラムを組む
ことができるということなので、それを考えると、プロ側が練習でやった手順を覚えているPCを
使うのだろうか?という疑問があります

12月31日の大晦日では、船江恒平五段がツツカナ(第2回電王戦時のもの)と再戦するとのこと

電王戦、どうなるか今から楽しみです
広瀬章人 七段vs村山慈明 六段 NHK杯 3回戦
解説 鈴木大介 八段

今日は広瀬26歳と、村山29歳の対決だ 広瀬は前回の渡辺竜王との相穴熊での完勝が衝撃的だった
でも広瀬が先手番だから、今日は広瀬は居飛車をやるかなあ

広瀬は2005年四段、竜王戦2組、B1 1回戦で瀬川、2回戦で渡辺に勝ち 7回目の本戦出場
村山は2003年四段、竜王戦4組、B2 1回戦で阿部光瑠、2回戦で佐藤天彦に勝ち 5回目の本戦出場

両者ともに今期順位戦は好調で、広瀬はB1で7勝2敗で2番手(残り3局、自力)、
村山はB2で6勝1敗で3番手(残り3局、自力ではない)につけている

解説の鈴木大介「広瀬は一言で言うと終盤の天才、距離感がすばらしい 一手違いにすごく強い
 以前は振り飛車穴熊一辺倒だったが、最近は居飛車も多く指す

 村山は序盤の天才、『序盤は村山に訊け』という言葉があるように、たぶん棋界で一番、
 序盤に詳しいのではないか 手厚い将棋を好む居飛車党」

事前のインタビュー
広瀬「最近は先後によってだいぶ選ぶ戦型が変わるんですけど、今日はどちらになっても最新形から
 逃げないようにしたい 村山とは研究会も含めてかなりひさびさの対戦になりますので、楽しみ
 早指しらしいスリリングな将棋をお見せできればと思います」

村山「広瀬と言えば振り穴のスペシャリストで、奨励会の頃から相穴の将棋しか指したことがないので、
 今日は他の将棋を指してみたい 全力を尽くしていい将棋が指せるようにがんばりたい」
 
先手広瀬の作戦が注目されたが、やはり居飛車だった 対して村山は4手目に即、角交換し、
一手損角換わりになった 相腰掛け銀模様に進む
2人の対戦成績が出て、広瀬の2勝、村山の1勝 今回は5年ぶりの対戦ということだ 

解説の大介が、お互いに飛車先をなかなか伸ばさない理由についてしゃべってくれた
大介「先に玉を固めたほうが飛車先を伸ばすより価値が高いですからね 
  昔はお互いに自分側の理想形を目指してただ組む、というのが多かったんですけど、
 最近では『後の先』て言うんですかね、なるべく姿を出さないほうが開いての陣形によって
 形を変えられるので、得であるという考え方が多いです」 

さらに、大介ならではのエピソードも話してくれた 
大介「私正直、プロになってしばらくずっとですね、自分の陣形しか見ないでだいたい組んでたんですよ
 自分の理想形になるようにひたすら組んでだんですけど、今はそれではダメみたいです
 相手の出方をうかがいながら指すのがいいみたいです(笑)」

これは振り飛車党で、終盤に強い大介だからこそのエピソードだと思う
まず角道を止めて、飛車を振って、美濃に囲ってそれから考え始めても間に合うのだろう
相居飛車の将棋で、相手のやっていることを見ないなんていうのはすぐ致命傷になるからね(^^;

そしてさらに、貴重な発言があった
大介「序盤から一生懸命考えると、終盤で疲れがたまって燃料切れというのは人間同士では
 けっこう起こりますね」
なるほどな~ そういう発想もあるか 私だと「序盤からちょっとでも有利になったほうがいいに
決まってるじゃないか」と思うんだけど、終盤で逆転する「まくり」にはそういう理論があるんだなあ

さて、局面は広瀬が早々に▲4五歩と位を取ったことによって、あまり前例のない戦いになっている
広瀬が▲9六歩と突いたので、村山も何も考えずに△9四歩と受けると思いきや、
村山は「▲9五歩としてもいいですよ」と、ゆうゆうと△8四歩とここで指してきた
広瀬は「それには乗りません」とすぐには▲9五歩を指さなかった 
大介が「いや~ これは▲9五歩詰めたいですね~」と言った局面もあったのだが、
結局▲9五歩は指されなかった 端一つとってもこのやりとり、これがこの一局を象徴していた
めっちゃ高度な戦いが、この後、延々続くことになる

広瀬は▲4六角、村山は△2二角と打ち合い、非常~に難しい戦いになった
大介「自分は若干、後手持ちかな? いや、村山ブランドで後手が指せる気がするだけかな(笑)」
激しい中盤、駒がいっぱい当たっている こ、これは難解!

大介「村山の指し手の速さからいくと、村山は自分が充分と見てるでしょうね
 ただこう言っては何ですけど、広瀬は今、右に出るものはいないくらいの終盤力ですから」
広瀬は跳ねた桂をタダで取られたが、2筋の歩をじっと突いて、プレッシャーをかけている
大介「じわじわ行きましたね こういう手が指せるのは自信があるからでしょうね」
両者自信がある中盤戦というわけか む、むずい(^^;

大介は振り飛車党だから、角換わりの解説は大丈夫か、と思っていたのだけど、実に良く手を当てている
はずれる場合もあるのだけど、とにかく事前に候補手を言ってくれて、ビシビシ当てていく
その大介をもってしても、形勢判断がしづらい熱戦だ
大介「いや~ 難しいですね これはずっと村山ペースかと思ってたんですけど、
 広瀬の距離感が出てきましたかね」

広瀬が自陣に飛車を引き成って、大介が「村山、やや苦しい」と言ったところで、
村山にじっと金を自玉側に寄せて引き締める、という手(△5二金)が出た
大介「これは村山流ですね~ 感心しましたね いい手と思います」
そしたら、広瀬もそれに呼応して、7九の玉を囲いに入城させる▲8八玉!
大介「あ~ 出ますね~ お互いの持ち味が出まくってますね~」
散々戦った後に、双方自陣の整備、ものすんごいハイレベル!! 

大介「これはもう勝負がつきません もう引き分けでいいんじゃないでしょうか」
思わず大介からこんなセリフも飛び出す混戦(^^;

広瀬、ちょっと有利で、どうするか権利があったのだが、決め手を見つけられないようだ
大介「△5二金で景色が変わりましたねー 広瀬は最後の1分を使いましたね
 最後の1分は『命の1分』と呼びますよね 広瀬としては残しておきたかったのだけど、
 局面がそれを許さなかった」 

大熱戦で双方30秒将棋が続く いよいよ最後が近い
広瀬が攻め、村山玉の回りで双方の金銀がからみあっているが、どうなっているのか
ところで、矢内は、今日はあまりに高度な内容だったから、言葉が少なかったな、
矢内の力量をもってしても言葉を発しにくかったか、と思って私は見ていた、まさにそんなときだった
矢内から衝撃の発言が!
矢内「▲3二銀成△同玉に、▲4一銀ともう1回打ったら・・・」
大介「あ!? そうだ 最後に矢内さんが来ましたね!」
なんと矢内が即詰みを指摘 しかし、あろうことか広瀬はそれを指せず!!

大介「あ!? すごい これは矢内さんが対局者だったら勝ってましたね 広瀬でもこんなことが
 あるんですね 今、詰んでましたね! 広瀬が村山の読みを信用しましたね いやーこれは痛恨」
村山はこのチャンスをがっちり掴んで逃さず、しっかり広瀬玉を詰まし上げた

124手、激闘に終止符、村山の勝ち 
しかし、あれだけ延々、高度な応酬で、最後の最後には、簡単な7手詰みを詰み逃し
劇的としか言いようがない勝負だったな 見ていて疲れた~(^^; 

終局直後の映像で、広瀬が「最後詰んでましたね」と指摘したのだが、村山は「えっ!?」と驚き、
全く自玉に詰みがあったことに気付いていなかったとが判明した

大介「すごい将棋でしたね あの広瀬が並べ詰みの7手詰みを逃すという、めったに見れないものが
 見れましたね 感想戦、すぐ広瀬も詰みは気がついたみたいですけど、
 広瀬が秒読みの中で相手を信用しましたね 村山の粘り強い指しまわしが、広瀬の錯覚を生んだ
 お互い、自分の棋風が出せた一局だと思いますね」

今回の内容の高度さがわかっている人ほど、最後の広瀬の詰み逃しを責めることなど、決してできまい
あれだけすごい応酬が続いてたら、まさか相手が詰む筋に飛び込んでくるなんて予想できないもん

今期NHK杯でも、屈指の激戦だった本局 見ていてこれだけ疲れた内容もめずらしい
先週の一局も角換わりだったが、今回も、超難解だった さすが3回戦ともなると、レベルが高い! 
私は理解しようとがんばって見てますけど、他の視聴者のみなさんはどうなのでしょうかね
私の父(24には参戦不能なほどの低級の棋力)なんかは、もう途中で寝ながら見てることも
多いんですけど、本局もたぶんそうなるんじゃないかと(笑)

<お知らせ>10日の火曜、第3回電王戦の対戦カードの発表があるそうです
突然ですが、居飛車党の級位者のための定跡(常識)講座をやりたいと思います
先日、「将棋観戦記」というブログを拝見していて、そこで「クソ戦法対策」のコーナーをもうけたいという趣旨があり、ぜひやって欲しいというすごい数の拍手が集まっていました
私も楽しみにしていたのですが、なかなか始まりません(^^;
そこで私がやろうというわけです 簡単に習得できる講座です

居飛車党にとって、相手にやられてイヤな2大クソ戦法、
それは早石田と、矢倉崩し右四間ではないでしょうか
もちろん、プロでも指される戦法ではあります しかし、そのあまりにムチャクチャな攻めっぷりに、受けて立って潰されてしまうと、思わず「このクソ戦法が!!」と叫びたくなる、そういう戦法ではないでしょうか

この2つの戦法に比べれば、棒銀なんかはかわいいもんです
銀が交換になっただけで、致命傷にはまだ程遠いことはよくあることです
かたや早石田と矢倉崩し右四間、この2つの戦法の破壊力たるや、恐ろしいものがあります
始まって30手目くらいでもう敗勢、そんなこともしょっちゅうです
そうならないための簡単な対策を伝授しましょう

今回は早石田編です もういきなり結論から述べます 
「早石田に対しては、安直に飛車先を伸ばすな!!」
これが結論です 私が言いたいことはこれだけです 
これを覚えているだけで、短手数で潰される確率がガクンと減ります

今、女流王将戦の本戦トーナメントが囲碁将棋チャンネルで放送されています
香川愛生(まなお)さんが新しい女流王将になりましたね
つい先日放送された2回戦の中井広恵女流六段vs香川愛生女流二段が、▲居飛車vs△早石田でした
その翌週に放送された伊奈川愛菓女流初段vs中澤沙耶アマが、▲矢倉vs△矢倉崩し右四間でした
この2つの実戦を題材に、講座をやります
棋譜は囲碁将棋チャンネルのHPに行けば、動く盤面で見れます↓
http://www.igoshogi.net/shogi/Loushou/index.html

では、中井vs香川の戦いを見て行きましょう 以下をコピペしてKifu for Windowsに取り込んで下さい
とりあげた棋譜では42手目までのところですが、もうすでに後手の香川さんが勝勢になっています
「居飛車がぼんやりしてると、こうやって早石田に潰される」という、まさに典型の棋譜です
この一局、中井さんの負けた原因が、5手目の▲2五歩にあると言えば驚かれる方も多いでしょう

 
開始日時:2013/7/12
棋戦:女流王将戦
先手:中井広恵女流六段
後手:香川愛生女流二段

▲2六歩
*先手は中井女流六段 
△3四歩
*後手は香川女流二段 この2回戦に勝ち、その後も勝ち進み女流王将を獲得することになります
▲7六歩 △3五歩
*来ました! 相手は早石田のようです 居飛車党としては、実はもうここが勝負所なのです 
▲2五歩
*中井さんは何気なく飛車先を伸ばしましたが、これがこの一局で実質上の敗因となりました 信じられないかもしれないですが、なんと、この5手目が敗因なのです この後の展開を見ていきましょう
△3二飛
*香川さんは三間飛車 ここから早い戦いになれば、総称して早石田と呼ばれます
*ここで先手から▲2四歩は、△3六歩~△1五角の王手飛車の筋があり無理筋 その変化は有名なのではぶきます
▲2二角成
*中井さんの対策は、早々の角交換 かなり早い段階での角交換ですが、いずれは角交換になることが多い戦型です
*▲6六歩といった手なら、すぐには潰されませんが、その後に相手に好きなように駒組みされるので、居飛車側としてはあまりやりたくない手なのです
△同 銀
*ここで居飛車としては▲6五角が考えられますが、それには△3四角の受けがあり互角です
*
*もしくは、▲6五角△3六歩▲同歩△5五角の一気の決戦策があり、この変化は居飛車側としては非常に怖いです 
▲8八銀
*中井さんの作戦は?
△6二玉
*ここで▲6五角はやはり△3四角があり、それで形勢は互角です
▲7七銀
*中井さんは持久戦策を選びました しかし、それが▲2五歩と早めに決めた手と矛盾することがこの後、明らかになります
△7二玉
*これでもう▲6五角の筋はなくなり、早石田側としては一安心です
*まだ居飛車側から▲2四歩とは行けません △1五角で王手飛車がかかりますからね
▲4八銀 △3四飛
*香川さんは浮き飛車にし、これで2筋も受かりました
*結局、中井さんは早々の乱戦での決戦にはいきませんでした それなら、▲2五歩を急ぐ必要はなかったのです
▲4六歩
*以下、少し駒組みです 
△8二玉 ▲4七銀
*中井さんも3筋を受けました
△7二銀
*香川さんは美濃に囲いました
▲6八玉 △3二金
*角交換の場合、後手は金がこちらに行くのがバランスがいいです
▲7八玉 △9四歩 ▲9六歩
*端歩を付き合い、まだまだ序盤のようにも思えます
△3三桂
*ところが、この桂がやっかい! 早石田は2五の歩を狙ってくるのです 仮にここで後手番だと、△2五桂と取ってくるのです ▲同飛に△1四角となったら居飛車側の敗勢です
*もう居飛車側は絶対に間違えられない局面なのです
▲5八金右
*4七の銀にヒモをつけた手 この手では手堅く▲3八金もよく見られます しかし、それだと居飛車側は堅く囲えません
*次に、香川さんが狙いの一手を放ちます
△1四角
*狙いはやはりこの角 2五の歩取りが受かりません
*▲1六角と受けても、△2五桂▲同角△2四飛で、居飛車困ります
*中井さんはここから時間を使いはじめます
*(この棋戦は持ち時間25分、切れたら一手40秒)
*香川さんのほうが手がわかりやすく、もうすでに早石田ペースと言っていいでしょう
▲5六角
*もうゆっくりしていられない居飛車側は何とか局面を互角に保とうとします
△5四飛
*いぜんとして、次の2五の歩取りが受かりません もう中井さんとしては戦いに持ち込むしかありません
▲3六歩
*これを△同歩なら▲同銀で、居飛車が調子がいいのですが
△2五桂
*当然、早石田側としては暴れてきます ここから香川さんの猛攻が始まります 
▲3五歩 △3六歩
*軽い好手 ▲同銀には△3七桂成があります 解説の稲葉六段も、この手にどう対応するべきか、迷っていました ▲3八飛、▲3八銀など色々考えられます 
*中井さん、時間を使わされ、もう雰囲気は完全に香川さんペースです 観ていてそれが伝わってきました
▲3八銀
*稲葉六段が一番手堅い受けと解説していた手
*(激指によれば▲3八飛もあったようです)
*ここから、香川さんの、いかにも早石田らしい攻めが炸裂します 
△5六飛
*うおっ
▲同 歩 △3七角
*ドッカーン! 強烈な打ち込み! これぞクソ戦法と呼びたくなる証のような攻め(笑)
*稲葉六段の解説では、これが成立しているとのこと 
*ここで中井さんが正解を指せば、まだ難しいとの解説でしたが・・・
▲同 桂
*稲葉六段のお勧めは▲1八飛の辛抱でした 実戦ではこの角を取ってしまったため、一気に中井さんが敗勢に陥りました
△同歩成
*こういう展開、ありがちですよね~(^^;
▲2六飛
*この手では▲同銀とし、と金をなくしたほうが良かったですが、盤上の空気がもう完全に香川さんペースなんですよね
△3八と
*ここで中井さん、はたと困った 持ち駒が大駒ばかりで、使いどころがないです 
▲7五歩
*つらい一手です
△3七桂成
*香川さん、乱暴狼藉してやったり 後は後手としては、と金と成桂を寄せていけばいいので、手がわかりやすいです
*以下、香川さんが押し切りました 正直、居飛車党としては、目を覆いたくなる内容でした(^^;
*
まで42手で中断


この一局、中井さんの敗因は何か? 事実上、それは5手目の▲2五歩にまでさかのぼるのです
早石田に対して、居飛車側が超急戦での決戦を望まないのなら、実は▲2五歩は不急の一手なのです
中井さんは持久戦を目指していたのですからね
香川さんの駒組みが終わったとたん、早石田の常套手段、△3三桂~△1四角で、▲2五歩が狙われてしまい、それがもう勝負に直結してしまっているのです

居飛車側は、▲2五歩の代わりに▲4八銀とでもしておけば、持久戦に持ち込めたのです
「すぐには飛車先を伸ばさずに他に手を回すべき、飛車先はいつでも伸ばせる」
それが早石田に短手数で潰されないための、一番簡単な居飛車側の心得です
居飛車側が後手番のときにも、この心得は使えます

今回の講座は、早石田に潰されないための講座であって、こうすれば居飛車側が有利になるというような、必勝講座ではありません そこは誤解のないようにお願いします

なお、後手早石田は、今期のNHK杯の▲中田宏樹vs△ハッシーでも出てきた戦法です 
(中田プロは5手目▲2五歩としていますが、その後△1四角を警戒して▲1六歩と様子を見るという、工夫をしています その指し方は高度です ▲2五歩とすぐに伸ばさないほうが簡単な対策です)

今回のまとめ「早石田に対しては、安直に飛車先を伸ばすな!!」 次は矢倉崩し右四間編です
矢内さんの結婚式が、昨日あったそうです↓ やうたん、お幸せに~(^^)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131201-00000130-sph-soci
丸山忠久 九段vs金井恒太 五段 NHK杯 3回戦
解説 郷田真隆 九段

矢内、相変わらずの美貌を保っているね 今日から3回戦、ベスト16ということで新しい表になった
若手が目立つなあ 16人のうち、8人が20代の若手ということだ
(金井、大石、高崎、船江、西川和宏、豊島、村山、広瀬 )
ここのところNHK杯は拙戦が続いている 阿久津の飛車切りうっかり、行方のポカ、深浦の寄せ逃し、
今日はこれらを払拭するいい内容が観たいところだ

丸山は1990年四段、竜王戦1組、B1 2回戦で飯島に勝ち 23回目の本戦 
金井は2007年四段、竜王戦5組、C1 1回戦で井上、2回戦で久保に勝ち 3回目の本戦

郷田「丸山はNHK杯で優勝の経験もある、毎年安定した成績を残している実力者
 金井は最近非常に調子が良くて伸び盛り、勢いのある若手 
 お互い居飛車の本格派なので、がっぷり4つになるんじゃないか」

事前のインタビュー
丸山「相居飛車の将棋になると思う 相手の研究とこちらの経験、どのようにそれが組み合わさるか
 とにかく白熱した将棋にしたいという気持ち 金井は最近めきめき力をつけてきているので、
 勢いに押されないようにがんばりたい」

金井「おそらく角が交換になりまして、丸山は序盤はすごく早く指してくるのではと予想しています
 相手は日頃からご指導いただいている丸山九段ですけど、今日は恥ずかしい将棋を指すわけには
 いかないので、精一杯集中したいと思います」

先手丸山で対局開始 両者の挨拶、声が大きい「お願いします!」
ところで丸山の髪型はどうなってるんだ 正面から見ると、四方八方にツンツン、宇宙人のようだ
美容院で「宇宙人ヘアーにしてください」とでも言っているのだろうか

戦型は角換わり、相腰掛け銀にスイスイ進んだ 
郷田「金井は後手のときは横歩取りを指すこともあるが、今日は角換わりを受けて立った
 これは今プロ間で最前線の局面 先手は仕掛けを模索、後手は仕掛けられても大丈夫な形で待つ」

矢内「金井は郷田九段の将棋にあこがれているということで」
郷田「はは そうですね 前からそんなことを言ってくれて 
 私も2年くらい前から金井と研究会をやっています」
矢内「金井とは兄弟弟子なんですけど、金井には何を頼んでも大丈夫という安心感があります」

さて、郷田が「角換わりでも穴熊が最近増えてきた」と言っていたとたん、丸山が▲9八香!
この手を見て、潜られてはまずいと、金井が3筋から動いた 
ここまで、双方、一手の妥協もしていない 素人では覚えきれない、難しいな(^^; 

丸山が3筋をやわらかく受け、金井も金銀4枚をスクラムさせて守っている
郷田「バランスを崩してしまうことがあるので、短時間ではお互い厳しい将棋」
矢内「なかなか戦いになるまでが長い」
郷田「そうですね 戦いが始まるとその瞬間に差がもう、ついてるってことがある」
ここでなんと金井も△1二香! 金井も潜る作戦か~ 
郷田「あー んー これはやはり現代流ですね」
角換わりで相穴熊なんていうのがあるのか? 現代将棋はここまできたか

しかし本局は丸山もこの香上がりを見て、攻めていった 1筋から戦端が開かれた
お互いの狙い筋を詳しく解説してくれる郷田 
矢内「郷田九段の形勢判断は」
郷田「よく分からないですね(^^; 3七にドーンと成桂ができると後手が勝てる」
他でもない、一流プロの郷田が「分からない」と言うんだから、形勢は難しいんだろう
郷田の解説には説得力がある 

ここで、丸山がこの一局の眼目という手を放った 4筋の歩を突く▲4五歩だ 
ん? なんだこれは? 一手パスか? 私には意味が全然わからなかった
が、即座に郷田が狙いを指摘 ▲8三香から、後手の飛車を攻めて角で両取りをかけようという手か!
よくそんなところに目が行くなあ! 
この▲4五歩を境に、丸山がペースを握った 丸山の攻めに、一気に幅がでた
郷田「▲4五歩はさすがになるほどという手です ちょっと金井陣、危ない形です 少し丸山ペース
 ▲4五歩いい手でした 丸山は手馴れてます」

考慮時間の残り、丸山▲7回vs金井△1回まで差が開いた 金井、ピンチか・・・
金井は開き直って攻め合いに出た、金井も8一の桂も使って全部の駒を使おうとしている
郷田「ただ丸山優勢です 丸山陣、縦に並んだ金2枚が堅いですね」
しかし金井はあきらめない 今、桂で取った銀を守りに投入 8一の桂が守りの銀となったのだから、
金井としてもかなりの戦果だ 
郷田「この銀は金井の勝負手です 意外と大変なのかな」
金井、まだやれるのか? ここで丸山にまたすごい手が出た ▲3七角と自陣角! 
うわあ そんな発想が! 
郷田「(後手の飛車を攻めようという)B面攻撃ですね 指されてみるとなるほどという手」 

丸山の猛攻を金井がかろうじて防いでいるという応酬が続く 
郷田「この辺が金井が力をつけてきたところ ちょっと苦しいかもしれないけれど、簡単には勝たせない
 丸山もプレッシャーを感じているだろう」

金井が△8三香と、飛車の頭に香を据えたところ、また丸山に驚愕の手が出た
なんと▲7一銀! うわ~ これは何だ いくら後手の飛車が邪魔だからって、こんな手筋があるのか
どこまで盤上を広く見ているんだ ここまで発想を広げないと勝てないのか
郷田「これは白熱した終盤になりましたね どっちが勝っているのか」
解説の郷田にすら、よく分からないようだ 見ている私はもっと分からん(^^;

ここから、秒読みでギリギリの攻防が続いた
郷田「金井は最善の粘りかもしれないです うまくがんばっていますね もうお互い時間がないですから
 いやあ 熱戦ですね どうなっているのかな これはどうなっているのか もうわからないですね」

長い複雑な終盤になった こ、これは難しい とても30秒じゃ把握しきれない
バタバタと手が進んでいく これは秒読みは酷だな 対局者、解説者、そして何より視聴者に酷だ(^^;  

この流れの将棋を金井が逆転したらすごい、金井、がんばれ~と思って見ていた
しかし金井にもチャンスがあったが、受けすぎたとのこと
郷田「金井がちょっとチャンスを逃したような気がします」 

ついにオーラスがおとずれた
郷田「金井が下駄を預けましたね 駒を渡さず私の玉を寄せられますか、と」
しかし、的確に丸山は即詰みに討ち取った 149手、丸山の勝ち 
最後は7一の銀まで働いての詰み

はあ~ 熱戦だった ああー、金井、惜しかったな~ 
郷田「すばらしい将棋だったと思います 終盤、お互いに色々なことが起きていた」
感想戦の時間が全くなかったのは残念だった あー、感想戦が5分でもあればな

丸山が▲4五歩、▲3七角、▲7一銀と、私が全く予想できない印象的な手を指していた
にも関わらず、踏ん張って逆転かと思われるところまでがんばった金井、やはりプロのレベルは高い
見ごたえがあった だけど、本局はとにかく難しかった 今期のNHK杯で、難解さでは一番の将棋だった 
角換わりの最新形で、攻めたり受けたりの149手 
郷田はがんばって解説してくれていたと思う しかし郷田ですら分からないところが多くあった終盤、
これは私には難しかった(^^; 

来週は気分を変えて振り飛車を見たいな、と思ったら、うまい具合に広瀬vs村山ではないか
広瀬、また振り飛車穴熊を頼む!