普通、駒落ちと言えば、飛車や角を落とすものです
しかし、金や銀を落としたらどうなるのでしょうか 
例えば金1枚落ちとは、上手がどちらか好きなほうの金を選んで落として戦うものです
これが、面白いのですよ

激指定跡道場3でコンピュータと実際に対局できます
「盤面編集」で後手側の金や銀を駒箱に入れ、盤面編集終了、手番を上手番にし、
「対局」で「通常対局」、開始局面を「現在局面」、先手を人、後手をコンピュータにすると、
人間が下手、コンピュータが上手で、金落ちや銀落ちを体験できます
他の激指シリーズでも、たぶん同じ手順で対局できると思います

私が下手で、銀の2枚落ちで激指の六段+と対局してみると、これが私は勝てないんです
コンピュータはスキを見せず、終盤のゴチャゴチャに持ち込まれ、いっつも逆転されてしまいます
金の2枚落ちでも、なかなか勝てない 金が2枚もないんだから勝てるだろう、と思うのですが、なかなか勝てないです

ただ、これには訳があり、私はコンピュータと指すと、いっつもノータイム指ししてしまうのですよね
相手が人間だったら、考えることが苦にならないのですが、相手がコンピュータだと、私はほとんど考える気にならないのです なぜでしょうね

金や銀の駒落ちの良い点として、上手側を持っている人が面白く指せる、ということがあります
飛車があるので、振り飛車も指せるんですよ 序盤の作戦の幅が、がぜん広がっています
そして上手も下手も、従来の駒落ちの定跡に捕らわれずに、自由に指すことができます
感覚が平手に近いのです  

そして、さらに良い点として、下手側が負けたときに、精神的にそれほどダメージを受けずに済む、というのがあります
角落ちで負けたら、「角という強力な大駒が相手にはなかったのに」となりますけど、金1枚落ちだと、「金を落とされただけだから、まあ仕方ないな」で済みます これはけっこう大きいです

レーティングで言うと、400点差で金1枚落ち、300点差で銀1枚落ち、くらいがいいのかな、と思っています ちなみに激指定跡道場3の検討モードだと、左金1枚落ちで最初の形勢が+371点と出ました 左銀1枚落ちで、+138点と出ました 銀落ちはもう少し下手有利に思いますが、検討モードの形勢判断も、慣れないので思考が混乱している、というところでしょうか

真面目な話、現状では「角落ち」の次は「香落ち」ですが、ハンデがいきなり縮まりすぎです
「角落ち」の次は「金落ち」、「銀落ち」、そして「香落ち」というのが妥当だと思います 

金や銀の駒落ち、今後、必ず広まると私は思います 何年かかるかはわかりませんが(^^;
入玉のときのルールの「トライルール」も、先崎プロが提唱してから、「将棋ウォーズ」で採用されて広まるまでには何年もかかりました
でも、優秀なルールなら必ず広まるものと思っています
金や銀の駒落ちも、今後、広まると私は確信しています だって、面白いですから!

囲碁の置き石と違って、将棋は駒落ちが広まらないと、嘆いている人が多いんじゃないでしょうか
そんな人にぜひおススメしたいのが、金落ち、銀落ちです やってみる価値ありですよ
屋敷伸之 九段vs大石直嗣 六段 NHK杯 準々決勝
解説 豊島将之 七段

今日は屋敷と大石か 大石がどれだけ屋敷に迫れるかだな そして解説には豊島か、これは楽しみだ

屋敷は1988年四段、竜王戦2組、A級 2回戦で森けい二、3回戦で中田宏樹に勝ち 17回目の本戦
 ちなみに前局の中田宏樹戦は、相矢倉で駒得を着実に広げて快勝していた
大石は2009年四段、竜王戦4組、C2で9連勝し、昇級を決めている 1回戦で浦野、2回戦で行方、
 3回戦で羽生に勝ち 3回目の本戦 ちなみに前局の羽生戦は、ダイレクト向かい飛車からの力戦で、
 終始落ち着いた会心の指しまわしを見せ、羽生マジックに惑わされず金星を手にした一局だった

解説の豊島「屋敷は攻守のバランスが良くて、序盤中盤終盤、スキがない将棋というイメージ
 相手が定跡をはずさない限りは定跡で行く、王道の将棋 
 大石は非常に攻め将棋で駒が躍動している感じ 玉を堅く囲うタイプ」

事前のインタビュー
屋敷「大石は居飛車も振り飛車も指しこなす、自在派の棋風と思います 
 ですので、おそらく私の居飛車対大石の振り飛車の対抗形になるのではないか
 いいところまで来ましたので、いい将棋を指していい終盤戦にしていきたいと思っております」

大石「屋敷は攻守にわたってバランスの良い先生だと思っております
 戦型は、私が先手なら相居飛車、後手ならダイレクト向かい飛車で行こうと思っています
 観ていただいている方に楽しんでいただけるような、楽しい将棋を指したいと思っています」

先手屋敷で、予想どおり対抗形になった 大石のダイレクト向かい飛車だ
豊島「▲4六銀型ですね 盤面の右側が同じような駒組みになり、お互いに手出ししづらいので、
 実戦例が少ない形 先手の屋敷がどこで打開するかですね」

駒組みが進み、▲7筋位取りvs△銀冠 ただし、お互いの金一枚は囲いに参加していない
屋敷が一歩手持ちにした後、大石から動いた 桂跳ねで、桂交換だ
そこで、大石がスーーッと飛車を4筋に展開してきた! 
下段に引いた飛車を急所の筋に回す△4一飛という手
豊島「これはセンスがいいですね こういうところが大石はセンスがあるので、
 序盤をそれほど研究しなくてもやっていけるということですね」

屋敷が小考に沈んだとき、雑談があった 3月の電王戦に関することだ
豊島「コンピュータはすごく強い部分とまだまだな部分がある 
 プロが100点~70点の幅の手を指すとすると、コンピュータは200点くらいのときもありますし、
 全然低いときもある 出場者5人で集まる機会もある 僕と屋敷は聞いていることが多くて、
 他の3人がしゃべっていますね」
うむ、電王戦、私もとても楽しみにしているよ 
といっても、持ち時間5時間なので、ずーっと観てることはないけど(^^;

大石が飛車先を通しながら、左金を玉に寄せてとても味がいいように見える
豊島「屋敷としては怖いところです 大石はここでうまい手を指しそうな気がする 5筋を突き捨てるか」
と言っていると、大石はそう指した さすが豊島、ビンゴ! 大石と研究会をやっているだけあるね

矢内「屋敷としてはここを踏ん張らないと」
これ、屋敷大丈夫か? 玉形が大差になっているぞ 右銀が遊んでいて、もう永遠に使えなさそうだ
矢内「大石がペースを握っている感じですか?」
豊島「そんな感じがしますね まだこれからですけど」

竜を作った大石、好調っぽい 次はどう指すか 手が広そうなところだ
豊島「またセンスがいい手が見れそう」
そしたら、大石はじっと自陣の銀を活用させる、地味な手を指した
豊島「なかなか指せない手ですね 自陣の嫌味を消す手」
これが、かなりの好手だったようだ 屋敷の側から手がないことを見越しているのだった 
この落ち着きぶり、大石はタダ者ではない!

屋敷は自陣角を放って、なんとか後手陣に狙いをつけるのだが、
大石に角筋をシャットダウンされてしまった
豊島「屋敷は使えない駒が多いので、つらいと思う」

しかしまだすぐに終わるわけではなかった 屋敷もアヤを求めて局面を複雑にしていく
豊島「いやー 難しいですね 指し手がね お互い、何かやってくださいという手が続いてます」
終盤なのに、相手に動いてもらおうという手が続く なかなか見ない展開だ(^^;
8筋の玉頭戦になっているのだが、先に攻めると相手からの反動が大きいのだ

お互い、ほぼ同時に30秒将棋に突入 一手違いは間違いない
そしてついに、屋敷が玉頭の歩を取り込んだ 
豊島「いやー ギリギリですね」
大石はなんと取りこみに手抜き、カナ駒3枚が当たりになっている局面が出現、
おお、どうなってんねーん!? 見ているぶんには楽しい!
矢内「たくさんの駒が当たりに」 さあ、いよいよ最後の寄せ合いだ

豊島「上部を厚くしながら詰めろをかける手があれば」
と解説している お互いにそういう手を狙っているね
矢内「こういった玉頭戦は、対抗形の醍醐味ですよね」 うんうん、面白い
豊島「普通に進めると、大石が勝つので、何か屋敷は変化するしかない」
やっぱりそうか 屋敷は右側で、飛車、角、銀が遊んでいるもんなあ 遊び駒の差が出たね

屋敷は変化し、銀のタダ捨てから詰めろまで追い込んで、最後のお願いに出た
しかし大石は冷静だった キッチリ詰め上げ、確実に勝利をものにした 102手で大石の勝ち

豊島「△4一飛から大石がペースを握って、そのまま押し切った 
 終始センスのある手、落ち着いた手を指した
 屋敷のほうは遊び駒が多くなっていた分、力を発揮しにくい展開だったが、
 一手間違えば逆転というところまで持ち込んだのは、さすがに腕力があるなと感じた」

大石、強いわ 普通に強い 飛車を成りこんで終盤になってから、5三に居た銀を5七まで進めて
勝ったのだから、いかに落ち着いていたかの証拠だ
大石としては、疑問手のない、快勝と言える内容だったのではないか うーん、これは強いな 
羽生に勝ったのはまぐれじゃない!
屋敷としては、△4一飛を見落としか?と思えた 自陣がバラバラなときに戦いを起こされ、
苦戦をよぎなくされてしまったね 感想戦で△4一飛に対する受け方を豊島から指摘され、
「そうか」と、さかんにうなずいていた

豊島の解説は安定感があって、とても良かった 大石の棋風も知っていて、手を当てていたのもグッド!

これで今期の準決勝は、郷田vs西川、丸山vs大石という顔合わせになった
西川と大石にとっては、大チャンスだね 西川v大石というフレッシュな決勝も、いいんじゃないかな
ソチ五輪、フィギアスケートの浅田真央さん、前日のショートプログラムでジャンプを何度も失敗、
まさかの16位でした
そして今日の演技、どうなるのかと思っていたのですが、ほぼ完璧の出来栄えでした 
ものすごく良かったです! 奇跡的な復活劇に、本当に感動して、ウルっときました・・・ 

演技が終わったあとのアナウンサー「6種類の3回転ジャンプ8つ、すべて成功
 これができるんです これが浅田真央です 浅田真央のスケーティングです
 なんというすごいスケーターでしょう 場内が一つになりました」

フリーの得点は自己ベスト更新ということでした 
でも、他人がどう評価するかなんて、実はどうでもいいことなんですよね
自分がどうやれたかが大事、フリーではすべてを出し切れた浅田真央さん、すばらしかった!!
2014.02.18 クイズ
ネタもないので、ここでクイズを出します

<クイズ> 今の私の部屋の状態は、どんな感じでしょう?

選択問題です

・とても散らかっている
・大変散らかっている
・本とCDとゲームと衣服が、辺り一面散らばっている
・恐る恐る足を踏み出すと、何かを踏んづけてベキッという音がする
・ゴミ収集車が来ない無法地帯があったら、こんな感じだと思われる

正解はどれでしょうか? ご想像にお任せします
西川和宏 四段vs村山慈明 六段 NHK杯 準々決勝
解説 阿久津主税 八段

今日は西川と村山か 西川は27歳、村山は29歳ということだ そして解説の阿久津は31歳

西川は2008年四段、竜王戦5組、C2 1回戦で上田女流、2回戦でタニー、3回戦で豊島に勝ち
2回目の本戦出場 前局の豊島戦では、ノーマル四間飛車で、豊島の棒銀に対抗、
154手の大熱戦で西川が凌ぎきって勝っている

村山は2003年四段、竜王戦4組、B2 1回戦で阿部光瑠、2回戦で佐藤天彦、3回戦で広瀬に勝ち
5回目の本戦出場 前局の広瀬戦は、村山の一手損角換わりで激戦になり、
最後は広瀬が簡単な7手詰みを見落とし、村山が際どく勝った一局だった
 
解説の阿久津「西川と言えば親子棋士 今のところ活躍しているわけではないが、他棋戦でも勝っていて
 勝率が高い このNHK杯で名を売りたいところだろう 終盤の粘っこさが特徴
 終盤が長くなればなるほど西川が力を発揮してくるんじゃないかと思う 

 村山のほうは、ここ数年、ずっと安定して高勝率を上げている 序盤の研究家として有名
 序盤でリードして逃げ切りたいところだろう」

事前のインタビュー
西川「村山は研究家で、中終盤が読みが深くて正確なイメージです 村山は居飛穴で来ると思うので、
 それを美濃囲いで粉砕したいです ここまでの3局は、自分らしい泥臭い将棋が指せたので、
 本局も自分らしい将棋を指して結果を残したいです」

村山「西川はどんな筋にも飛車を振ってくる振り飛車党で、非常に器用な印象があります
 あと、終盤の腕力がすごいなという印象があります 今日は対抗形になると思いますので、
 ねじり合いの白熱した将棋がお見せできればと思います」

先手西川で、ノーマル三間飛車だった 西川は宣言どおり、美濃に囲う いいねえ
村山は居飛穴に囲おうとするが、それを西川がけん制して玉頭銀を見せた
阿久津「村山は穴熊に囲っているヒマがあるかどうか」

ここが重大な作戦の岐路だった
村山は玉頭銀を追い返すため、△3三桂と跳ねて、穴熊はあきらめた ミレニアムに近い囲いだ
これがもう、どうだったのか △3三桂、敗着とは言わないまでも、敗因となったと思う
居飛車側は玉の囲いがどうにも薄く、まとめにくい将棋となってしまった

西川は中飛車に振りなおし、金銀4枚の美濃囲いがめっちゃ堅い 俗に言う、ダイヤモンド美濃だ
玉を固めた西川は長考の末、▲8六歩と、ここから戦いを起こした 私もこの手はちょっと考えて
いたのだけど、まさか本当にやるとは・・・ 

中盤に突入した、と思った瞬間だった 西川が▲6四歩という、焦点の歩の突き捨て!
後手の飛車、角、歩が利いているところに突き捨てた歩が絶妙手、これで村山はシビれたのだと思う
単純に、飛車交換になってしまった ええー、玉形が差があるので、これは実戦的に、西川が
勝ちやすくなったなあ そして西川の、金取りに歩を打った手がまた好手、これが対応しづらい!
一段金に働きかける歩、村山は困ったと思う

最初は差があった考慮時間の減り方も、村山が小考を重ねたため、追いついてきた
阿久津「村山はどうするんでしょうね 西川のほうが手がわかりやすいですね」

お互いに飛車で桂を取りあい、寄せ合いになったが、やはり西川のほうが良さそう
手の選択支がある 村山は選択支がなく、手が限定させられている感じ
終盤に入ってからも、西川は冷静だった 攻めの桂を放ったと思ったら、今度は底歩で受け、
相手の桂打ちに対して、取るぞとプレッシャーをかける冷静な受け
受けの西川、本領発揮だ 

阿久津「村山のほうが、何かひねり出さないといけないです」
・・・が、そんな手は出なかった 終始、安定した指しまわしを見せた西川が受けきった
117手で西川の勝ち

阿久津「西川がギリギリで凌ぎきりましたね」
矢内「西川の冷静な指しまわしでしたね」

序盤が得意な村山としては、序盤の駒組みに失敗してしまったのだと思う
やはり居飛穴は桂を跳ねては、一気に囲いが弱体化する 
▲ダイヤモンド美濃vs△ミレニアムのできそこないでは、勝ち目が薄い、と感じざるを得なかった
一方の西川は、強さをまた存分に発揮していた 
勝因となった▲6四歩の焦点の突き捨て、あれはお見事だった

負けた村山は残念だろうが、先日の順位戦B2で、地力昇級の権利を得た 最後の森下戦、勝負だね
先崎は森下に負け、昇級が厳しくなった 先崎負け、の記事を見た瞬間、「うあっ」と声を上げてしまった
やはり私は先崎さんのファンなのだ(^^;

個人的なことだけど、今回、4回くらい途中で寝てしまった(^^;
囲碁の電王戦はどうなっただろうか 今から確認したい 小沢さん、勝ったかな
そして、やねうら王の24の参戦はいつからだろうか 正座して待ってます(笑)
奇襲講座、最後の3回目は、「腰掛け角」です
木村さゆりさんの講座の棋譜と、激指の検証棋譜、2枚貼ります

<今回の結論>
初手から▲7六歩△8四歩に▲6六角!がこの戦法の骨子
そして▲7七桂とバーンと跳ねていく、すごい戦法(笑) 相手が驚くこと間違いなし!
早々に自分のペースに巻き込むことが可能です
後手が△6六角と交換してきた場合は互角に渡り合えますが、角交換せずにじっくり
落ち着いて待たれていると、先手が少し苦しくなるようです


<木村さゆりさんの講座編>

▲7六歩
*将棋ファンのみなさま、いかがお過ごしでしょうか
*女流棋士の木村さゆりです
*今回の戦法は、腰掛け角の奇襲という戦法をやります
*ぜひ腰掛け角を勉強して、ライバルたちをあっと言わせて下さい
△8四歩
*先手が腰掛け角です ▲7六歩に△8四歩と後手が来たときのみに、腰掛け角を指すことができるんです
▲6六角
*いきなりです これはもう、後手の人は驚くと思いますよ
△3四歩
*先手はここでバーンと行って下さい
▲7七桂
*バーン! 
*ここで後手がですね、まずしないと思うんですが、次の手で△4四歩と指しますと、先手は▲8六歩~▲8八飛と回って指します
△6六角
*後手は取ってくると思います
▲同 歩 △6七角
*後手は馬を作りに来ます ここから先手は、奇襲戦法たるゆえん、バーンと行きます
▲6五桂
*バーン!
△5二金右
*ここで先手にいい手があります
▲5五角
*後手は▲1一角成を受けることができないです
△6四歩
*後手はこう反撃してきます よくばりさんは、▲同角と取ってしまうでしょうが、それだと△6三金で受かってしまいます
▲7三桂成
*桂を成り捨てます
△同 桂 ▲1一角成
*このように、すごく難しい形勢になるのですが、面白いので、腰掛け角をやってみていただけたらと思います


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<激指定跡道場3で検証編>

▲7六歩
*さて、腰掛け角の、激指定跡道場3の評価はどうか?
△8四歩 ▲6六角
*ここでの評価は、-155と出ました ▲6六角は、そんなに悪い手ではなさそうです
*
*ここで次に△8五歩は、▲8八飛で-4の評価、全く互角と出ました
△3四歩 ▲7七桂
*桂跳ね以外に、無難な手はいくつもありますが、この桂跳ねが奇襲たるゆえん この手の評価はどうか?
*が! 評価が-318になってしまいました! ああー(^^; 
*次の後手の手では、△6二銀か△4二玉と、じっくり指すのが激指のおすすめです
△6六角 ▲同 歩
*角交換になった場合はどうでしょうか
△6七角
*角交換から、こう打ち込んできた場合、評価が-109と、差が縮まりました! このくらいの点差なら、先手も充分、互角に戦えそうです
▲6五桂
*評価は-100でちょっとだけ後手有利
△6二銀
*銀で受けるのが自然ですよね 激指のおすすめも銀で受ける一手
▲5五角
*一見、後手が困ってるかのように見えますが・・・
△1二香
*こう上がるのが好手とのこと 香を取られる位置を変えたのですね
▲1一角成 △3二銀
*ここでの形勢は、-99とのこと 先手は香は取れますが、6五の桂は死んでいます でも、先手もけっこうやれますね
*角交換から△6七角と打ち込んできてくれれば、先手もやれる、ということがわかりました
*
*しかし、後手が角交換せず、じっくり落ち着いて指すと、少し先手が苦しい戦法のようです

奇襲講座、角頭歩突き戦法(後手番)の紹介です
今回は、木村さゆりさんの講座と、激指の検証、一気に貼ります
それぞれ1枚ずつ棋譜を貼ります

<今回の結論>
初手から▲7六歩△3四歩▲2六歩に4手目△2四歩がこの戦法の骨子ですが、
このとき、先手に▲6八玉とされて様子を見られていたら、
後手は何を指したらいいのかわかりません
「使える奇襲の紹介」と、以前にお知らせしたのですが、これはあまり使えなさそうです(^^;


4手目△2四歩の局面は、「イメージと読みの将棋観」の第1巻のテーマ図ともなっています
以下、抜粋します

羽生「ない手じゃない。▲2五歩と行ってよくなりそうだけど、そんなに簡単じゃない。」
佐藤「実際に指されたら長考しますね。」
森内「△2四歩は、悪手と一局の将棋の中間の手。▲6八玉が無難な選択だと思う。」
谷川「▲6六歩と突く手が冷静かもしれない。」
渡辺「へー、こんな手があるんですか? 先手の勝率は75パーセントくらいでしょう。」
藤井「実戦なら、大人の態度で▲6八玉としてじっくり勝ちます。
 先手勝率60パーセント以上はいくでしょう。」

平成以降で、プロの実戦例は一局もないそうです 残念!

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<木村さゆりさんの講座編>

▲7六歩
*将棋ファンのみなさま、いかがお過ごしでしょうか
*女流棋士の木村さゆりです 
*今回の講座は、角頭歩突き戦法の奇襲というのをご紹介いたします
△3四歩
*角という駒は、ナナメなら最強の駒なんですけど、いかんせん角の頭は弱いんです その角頭の歩を大胆に突いてしまおうという戦法なんです
▲2六歩
*この戦法は、後手からやろうと思います
△2四歩
*ここでですね、△2四歩と突いてしまう これが角頭歩突き戦法と言われるゆえんです
▲2五歩
*これは当然、なんだこのヤローと来るでしょう
△同 歩 ▲同 飛 △8八角成
*ここで角交換します
▲同 銀 △3三桂
*(ここで▲2八飛、▲2一飛成、▲2三飛成の3つに分岐します)
▲2八飛
*ここで先手が、たぶんしないんではないかなーと思うんですが、飛車を引いた場合は、すぐには決まらないんですが・・・
△2五歩
*△2五歩と打ちましてですね、次に△2二飛から▲2七歩と打たせて、非常に長期戦になりますが、向かい飛車としては成功していると言っていいでしょう
*(10手目に戻る)


変化:11手
▲2一飛成
*この▲2一飛車成には、飛車を強くぶつけてください
△2二飛
*ここで先手がひるんで、▲1一竜としますと、△2九飛成で後手有利です
▲同 龍 △同 銀
*ここで先手の攻めなのですが、ちょっと味付けして▲2三歩と打ちます
▲2三歩 △同 銀
*ここで先手の攻めは、▲2二角が考えられますが、それは△4四角がすばらしい好手で、▲7七銀に△2一飛と打ち、角頭歩突き戦法、大成功と言っていいでしょう
▲2一飛 △2五飛
*▲2一飛には、これが銀取りを防いで、攻防手です
*先手は歩切れなので△2九飛成が受けにくいです
*角頭歩突き戦法が成功と言っていいでしょう
*(11手目に戻る)


変化:11手
▲2三飛成
*▲2三飛成にも飛車をぶつけます
△2二飛 ▲2四歩
*▲同竜だとさきほどと同じになります 先手は▲2四歩と打つと思います
△3二金
*それには△3二金と上がります
▲3四龍 △1二角
*ここに角を打って、竜が逃げれば△6七角成で、馬ができるので角頭歩突き戦法が成功と言えます
*(終わり)

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<激指を使って検証編>

▲7六歩
*激指定跡道場3による、角頭歩突き戦法の検証です
△3四歩 ▲2六歩 △2四歩
*問題のこの局面、激指は+200ほどで先手若干有利と判断しました 次の手、▲6八玉または▲4八銀が有力のようです ▲2五歩は行かないで、後手の様子を見るのがいいとの判断ですね
▲2五歩 △同 歩 ▲同 飛
*ここでは+70ほどの形勢判断 
△8八角成 ▲同 銀 △3三桂
*ここでの形勢は+6で全く互角と判断
*しかし、検討モードの次の最善手にはびっくり
*▲2四飛が最善手と激指先生! なんやそれ!?
*
*ここで、▲2三飛成と▲2四飛に分岐します
▲2三飛成 △2二飛 ▲2四歩 △3二金
*木村さゆりさんの解説どおりの変化
▲3四龍
*このとき、△1二角は▲2三角でまぎれるとのこと
*△4五角のほうが良く、それで-400ほどで後手有利とのこと
*先手も△3二金に▲3四竜がまずく、▲2二竜と取っておいて全く互角と激指先生
*(11手目に戻る)
まで15手で中断

変化:11手
▲2四飛
*こんな手があるのですか・・・
△2二飛 ▲2三歩
*この歩を打つのが▲2四飛の狙い
*以下は△2一飛か△4二飛か△5二飛が考えられ、形勢は+60ほどで互角とのこと
丸山忠久 九段vs三浦弘行 九段 NHK杯 準々決勝
解説 木村一基 八段

今日は丸山と三浦か 強豪同士の対決だ それにしても、丸山の髪型は、
毎度のことながらすごいことになってるな 異性人と交信しているとしか思えない

丸山は1990年四段、竜王戦1組、B1 2回戦で飯島、3回戦で金井に勝ち 23回目の本戦出場
3回戦の金井戦は、角換わり相腰掛け銀の149手の大熱戦だった
三浦は1992年四段、竜王戦1組、A級 2回戦で阿久津、3回戦で高崎に勝ち 18回目の本戦出場
3回戦の高崎戦は、相穴熊の大熱戦を三浦が163手で逆転勝ちしている

解説の木村「丸山は、あまり触れられませんが、大変な研究家 本局でも対策を練っているんじゃないか
 三浦はよく触れられますが、大変な研究家 棋界トップの研究量をほこると思います
 研究がぶつかりあって、興味深いところですね」

事前のインタビュー
丸山「三浦は非常に研究が深く、パンチ力のある将棋という印象です 
 今日は相居飛車になると思うのですけど、展開はよくわからないので楽しみにしています
 早い段階でペースをうまくつかめればいいなと思っています」

三浦「丸山は早指しでは何度も優勝されていますので、非常に手ごわい相手だと思っています
 戦型は相居飛車になるのではと思っています 
 丸山にはNHK杯で準々決勝で負けている印象が強いので、今日はがんばりたいなと思っています」
調べてみたら、三浦はNHK杯で、3年前と4年前に丸山にベスト8で負けている
前期もべスト8で郷田に負けている 三浦にとってベスト8が鬼門だね

木村「三浦は後手になると、横歩取りを得意としている 丸山がどういう対策を立ててきているか」

先手丸山で、予想どおり横歩取りになった
△3三角型から、お互いに横歩を取り合い、中住まいに囲う力戦形だ
お互い、猛烈なスピードで指していく 本当に、早すぎるくらい早い
木村「この2人には『あんたもうちょっと考えたほうがいいんじゃないの』とは言えませんね(笑)」
矢内「編集してあるんじゃないかと思えますね(笑)」
よっぽど下調べをしてきているのだろう 
しっかし、NHK杯で、こんなに序盤が早指しになる時代が来るとはね
羽生が低段者だった頃のNHK杯なんか、12時過ぎてもまだ駒組みしているのが普通だったけどね

2人の対戦成績が出た 丸山17勝、三浦の9勝ということだ 意外にもダブルスコアに近い数字だ
三浦は丸山を苦手としているということか 

お互いの手が、突然ピタッと止まった ここまでが下調べの範囲らしい
木村「手番を渡されたけど、プラスの手がないという、すでに難しい将棋になっています」
横歩取りの相中住まい、金銀が前に出ていく将棋ではないので、何を指すか難しいんだなあ 
こういうのはプロに任せた、私は自分で指すなら、やりたい手がいっぱいある将棋のほうを指すわ(^^;

したらば、三浦も丸山も、角頭を守っていた金を引くという手を指したではないか
こんな序盤で、もう双方が手渡し! 
木村「戦いが始まっていないのに、ガマン比べですね」

双方、時間を使って考えてる 三浦は自分から角交換してわざと一手損して、また手渡し
まだそれほど手数は進んでないのに、もう飽和状態で、動かす駒がないということか・・・ 

三浦が棋王戦のタイトルに挑戦したということで、和服に関する雑談になった
矢内「和服で対局するのと、スーツでするのでは違いますか」
木村「んー まあ、慣れればあまり違わないように思います じゃあパンツ一丁ならどうなんだというと、
 それも違う気がするんですけど」
矢内「んふふ(笑) 大いに違う気がします(笑)」

こんなアホな雑談をしていると、三浦のほうに動きがあった 丸山に角を打たせて、局面を打開!
一気に激しくなった 三浦、これは思い切ったな どうなるか
木村「(盤面が激しく動いて)山の天気のようですね」
飛車交換になり、形勢はどうか? 
木村「三浦のほうは、壁銀が気になる」
そうなんだよね 7二の金と8二の銀、金銀が完全に壁だ これ、ヘタをすれば、実質、
金銀の2枚落ちみたいな将棋になりかねないぞ

丸山が馬を作ったのを見て、木村「丸山の積極性が生きている感じ」
そしたら一転、丸山は馬を自陣に引っ張ってきた これは手堅い! 攻めて勝ちたいと思うところだが、
自陣に馬を引くのか ああー、そう言えば、丸山は自陣に成駒を引いてくるので有名だった 
木村「丸山は少し自信を持っていると思いますが、1回間違えると逆転します それくらいの差です」

三浦も攻防の角を打って粘る
そしたら、丸山、相手の竜の横利きをさえぎる歩打ち! ううーん、ここでも辛抱か
これはいい手に見える 受けの丸山、本領発揮!
矢内「竜の横利きを3重に止められてしまうと(三浦は苦しい)」
さらに丸山は桂も受けに投入、木村「念には念を3回くらい入れて」
手堅い、手堅いな~! いったんリードしたら、もう負けません、という丸山流が炸裂(さくれつ)だ

そして丸山は攻めでも魅せた 飛車を成れる準備をしておいて、桂のタダ捨て成!
矢内「困りましたね」
木村「いい手ですね 丸山陣は弱体化していないですが、三浦陣はもろくなってきた感じがしますよね」

三浦も壁金を解消させて必死のがんばりを見せるが、どうしても手遅れの感がいなめない
丸山は悠々と、と金作りに出た うわー これが決め手になるのか
そして、自陣の馬で三浦の竜の位置を微妙に変えさせて、無力化させる小技も見せた
最後はその馬をまた活用、これを指したときの丸山の手は早かった 
「読んでるぞ、逃さん」という丸山の声が聞こえてきそうだった

三浦は壁銀を解消させたが、丸山にあっという間に詰められた 
矢内は詰みを指摘したが、木村は詰みが見えてなかった 木村さん、やはり終盤力に問題があるな(^^;
117手で丸山の快勝だった  
木村「丸山がうまくまとめた印象がありますね 
 三浦の仕掛けを誘って、それをうまくとがめた指しまわしだったですね」

ふえ~、丸山、リードしてから手堅いわ 
優勢なほうにあれだけ受けに回られると、指す手がなくなっていって、実に困るなあ 
三浦としては精神的に堪える負け方だ(^^; 
丸山は終盤も強い 馬の使い方、と金で間に合うという判断、さすが名人経験者だわ 
三浦としては、やはり金銀が壁形のまま戦いを起こしてしまったのは悔やまれるところだろう
 
三浦は今期もベスト8で丸山に負けた
丸山とは対戦成績も、ちょうどダブルスコアに差が開いてしまった、というけっこう痛い敗戦だった

丸山は、3年前と4年前にベスト4に出ている(いずれも糸谷に負けている)
丸山は2005年度にNHK杯の優勝経験があるが、ここらでまた優勝したいところだろう 
矢内には次回のインタビュー時、あの髪型の意味についてぜひ聞いてほしいものだ
さて、前回掲載した、木村さゆりさんの講座、「横歩取り・後手の強襲」を、
激指定跡道場3を使って調べてみます

2枚棋譜を貼ります
1枚目の棋譜は、木村さゆりさんの講座のあら探しになってしまってます(^^;
入門者向けの奇襲講座ですので、ココセがあるのは仕方ないですね
正直、1枚目の棋譜はさほど意味はないです
2枚目の棋譜は、序盤だけにしぼり、上級者向けに本格的に検証したものです
こっちを見て欲しいです

<今回の検証から得られた結論>
8手目△8六歩の強襲は、充分ありえる 
先手側がハマってくれる可能性がある分、8手目△8六歩としたほうが後手にとって
得とすら言える
後手のデメリットは、横歩取り△2三歩型にする順は選べない、ということ
今の定跡では8手目は△3二金が圧倒的に多いが、8手目△8六歩が当たり前になる日が
来てもおかしくない  アマチュアでは、相手(先手側)を迷わす効果が期待できる



まずは1枚目の棋譜です

▲7六歩
*では、激指定跡道場3(2012年発売)で、木村さゆりさんの講座を検討してみましょう
△3四歩 ▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7八金
△8六歩
*ここで攻めるのが今回の奇襲です
▲同 歩 △同 飛
*ここで先手は手が広いところ
▲2二角成 △同 銀 ▲7七角
*こう打ってくれたら、後手が成功というのが木村さゆりさんの講座です
△8九飛成 ▲2二角成 △3三角
*この△3三角は激指も推奨しています
▲同 馬 △同 桂
*ここでまた先手は手が広く、手が難しいところ 木村さゆりさんは、わかりやすく一気に寄せ合いにするために、▲2四歩を取り上げていました
▲2四歩 △同 歩
*△同歩ではなく、△8六桂も有力と激指の指摘
▲同 飛 △8六桂
*激指は、ここでは形勢は-150ほどで互角とのこと
▲2一飛成
*この手は悪手で、一気に-1500ほどで後手が大優勢になりました(^^;
△7八桂成 ▲3二銀 △7九龍 ▲4八玉
*ここでは次の手、△6八竜と王手が良い、と激指の指摘
*△6八竜▲5八角△4五桂が激指の読み筋
*または、△6八竜▲5八金△5九角▲4九玉△3八銀で攻めが続くとのこと
△5八銀
*この手はそんなにいい手ではないようで、-700ほどに差が減っています 
▲同 金 △2七角
*これは悪手で、敗着になる手とのこと(^^;
*普通に△4九金から追っていけば、後手勝ちでした
*なぜ△2七角が悪手なのか、以下、進めて確認してみましょう
▲4一銀成 △6二玉
*ここで木村さゆりさんの講座では▲2七竜だったので、先手玉は詰まされてしまいました
*しかし、盲点になる返し技がありました
▲2二龍
*これで一度、合駒請求するのがうまい手 これで後手は困りました 
*△5二金打では、▲2七竜で角がタダで後手は駒不足になってしまいます
△5二金
*仕方なく、節約して受けましたが・・・
▲同 龍
*竜切り!
△同 玉 ▲5一金 △6二玉 ▲5二金打 △7二玉 ▲6一角
△8二玉 ▲8三銀
*ピッタリ詰まされてしまいました(笑) 
*△2七角は悪手でした
*
*まあ、木村さゆりさんの講座は、奇襲を華麗に成功させるために、ある程度のココセもあるのは仕方ないでしょう 気にしないでおきましょう(^^;
*
*さて、2枚目の棋譜で本当に△8六歩の攻めは成立しているのかどうか、もっと詳しく調べてみましょう


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以下、2枚目の棋譜です


▲7六歩
*さて、「横歩取り・後手からの強襲」を、激指定跡道場3(以下、激指)を使って検討してみましょう
△3四歩 ▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7八金
*ここで△8六歩は成立しているのかどうか?
△8六歩
*なんと、激指にはこの手はちゃんと「定跡手」として登録されているのです!
*ここでは「プロ間で最近10年で△3二金が1853局、△8六歩が4局」と激指に出ています たった4局ですが、△8六歩はプロでも実戦例があったのです!
▲同 歩
*これは取る一手
△同 飛
*ここで、先手の手の候補は、①▲8七歩②▲2四歩③▲2二角成の3通り考えられます
*それぞれ調べていきましょう
▲8七歩
*まずは▲8七歩から調べます
*結論から言って、これは穏やかな流れになります
*ここで後手が△7六飛と横歩を取るのは、▲2二角成△同銀▲6五角があって、先手有利です
*したがって、飛車をどこかに引くしかないです
*△8五飛、△8四飛、△8二飛、いずれもあるところで、これは全く互角でこれからの勝負という他ないです
△8四飛
*一例として、8四に引いた場合を進めてみましょう
▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △3二金
*後手は手堅く受ける一手
*次の先手の手で▲2三歩は悪手で、角交換から△3五角があります
*また、▲2二角成△同銀▲6六角がちらっと浮かびますが、△2三歩で受かっています
*
*先手は横歩を取れず、後手が相掛かりに誘導したかっこうとなりました
*以下は一局としか言いようがありません
*(10手目に戻る)


変化:11手
▲2四歩
*▲2四歩とした場合にはどうなるのでしょうか?
△同 歩 ▲同 飛
*ここでは後手は、木村さゆりさんが言っていたように、穏便に△3二金とするよりありません
*
*「B級戦法の達人」という本に、「ノーガード戦法」として、ここから△8八角成で突っ込む変化が書かれているので、ついでにそれを検討してみることにします
△8八角成
*後手は一気に攻め潰そうという作戦に出ました
▲同 銀 △3三角
*この攻め方は成立しているのでしょうか?
▲2一飛成 △8八飛成
*ここは先に飛車を切る一手 先に△8八角成とすると、▲3三角の王手竜取りがあり、後手負けです
▲同 金 △同角成
*ここで先手からうまい小技があります
▲8二歩
*これが好手、痛いです ▲同銀には△8五飛があり後手が大優勢
△2二馬
*後手は狙われた馬を移動させ、竜を殺すくらいですが・・・
▲同 龍 △同 銀 ▲8一歩成
*以下、もう少しすすめます
△8八飛
*ここでの形勢判断は、+400ほどで先手が有利
*しかし、この飛車打ちは、なんと詰めろ! ▲7一となどとすると、△6九金▲同玉△6八銀以下、即詰みです くわばらくわばら(^^; 
▲7七角
*しっかり受けておく
△8九飛成 ▲6九桂
*ここまで進めてみると、先手有利です 評価値は+500ほどです
*
*14手目に△8八角成とする「ノーガード戦法」は無理筋です 14手目では、△3二金と無難に指すしかありません
*(10手目に戻る)


変化:11手
▲2二角成
*①▲8七歩、②▲2四歩は、いずれも後手が穏便に応じて一局になるという結論でした 
*では③▲2二角成、これはどうでしょうか
△同 銀 ▲7七角
*この変化は果たして?
△8九飛成 ▲2二角成
*ここで激指の形勢判断は、-300ほどで後手が少し有利とのことです
*次の後手の手、激指検討モードでは、△3三角と△8六桂で迷っていました 個人的には△3三角をお勧めします
*
*△3三角、△8六桂、どちらにせよ、以下、乱戦で後手に少しだけ分がある戦いになるようです
△3三角
*すぐに△8六桂を打たず、△3三角のほうが私のお勧め
*
*先手側は、金を、なまじ▲7八金と上がってしまったため、△8六桂で狙われることになっているのです
▲同 馬 △同 桂
*後手は次に△8六桂を狙う展開になります 竜の存在が大きいです 
*△7七角!という強手もありえます
*
*この局面、激指の評価は-255 まだまだこれからの勝負ですが、わずか18手で後手のペースに巻き込んで、後手満足と思います
*
*結論は、8手目後手△8六歩の強襲に対して▲2二角成~▲7七角の変化は、後手が少しペースを握る、です
森内俊之 竜王・名人vs郷田真隆 九段 NHK杯 準々決勝
解説 佐藤康光 九段

ちょっと他の話題ですけど、囲碁の電王戦が発表されましたね 非常に興味深いところです
私は今月、ニコニコ動画に525円払ってプレミアム会員になりました 囲碁は打てないんですけど(^^;
さあ、NHK杯は今週からベスト8だ 今回は優勝候補の本命、森内の登場 対する郷田も前期、
準決勝で羽生に大逆転負けを食らっているので、今期は優勝を狙っているだろう  
強豪同士の一戦、楽しみだ 

森内は1987年四段、現竜王、名人 18世永世名人資格保持者 2回戦で松尾、3回戦で船江に勝ち
25回目の本戦出場 前局の船江戦では、横歩取りで難解な将棋を、受けの妙技を放ち、競り勝った
郷田は1990年四段、竜王戦1組、A級 2回戦で永瀬、3回戦で高橋に勝ち 22回目の本戦出場
前局の高橋戦では、角換わりで郷田が棒銀に出て、攻め続けて勝っている

解説の康光「奨励会入会が同期のライバル対決となりましたね 
 森内は戦略家、幅広い指し方を好んで、手厚い受けに強みを発揮する
 近年は中盤以降のみならず、序盤にも独特の指し方を開発されまして、非常に充実いちじるしい
 定跡通で、定跡を重んじる
 
 郷田は居飛車党の本格派で、長年それ一筋というイメージが強い 非常に長考派なんですけど、
 早指しも強く、早見えもする 時間のない中でも、本筋に手がいく
 このNHK杯で優勝がないのが不思議なくらいの実績を持つ強豪」

事前のインタビュー
森内「郷田さんも私も居飛車党ですので、相居飛車の力戦形で一手一手が難しい将棋になるかなと
 思っています トーナメントもベスト8で佳境に入ってまいりましたので、今日も面白い将棋が
 指せるようにがんばりたいと思います」

郷田「相居飛車の将棋になることが多いので、矢倉とか角換わりになるかなと思っています
 思い切って自分らしい対局にしたいと思います」

先手森内で、矢倉に進んだ
康光「森内が早囲いをめざして、郷田がそれをけん制しているところ 
 近年では藤井九段が連続して採用してまして、藤井矢倉とも言われています
 森内の中では、これは力戦形という認識なんでしょう
 郷田が先攻して、森内が対応するという展開になりそうです」

2人の対戦成績が出た 森内26勝、郷田22勝とのことだ 競っているね、ライバルなんだな 
この前の竜王戦の挑戦者決定戦3番勝負でも当たっていて、森内が2-1で勝っている

雑談で、森内が竜王を獲得した今期の竜王戦を振り返って、
康光「森内は、竜王戦ではほとんど攻めなかったんではないですかね ずーっと最初は受けに
 まわって、という指し方で4勝1敗 現代でこういう勝ち方ができる棋士は、他にはちょっと見当たらない」

さて、郷田が左右の銀2枚を歩越しに出てきた おおー、これはカニカニ銀風の構え!
康光「これは2枚銀の急戦矢倉ですね 郷田はあわよくば、一気に攻め潰してしまおうという構想」
こういう構え、私は好きなんだよなあ 一撃必殺のロマンを感じるからね

康光「郷田は長考派ということもありますから、このあたりから大長考になるかもしれません」
と言っていたら、郷田はすぐに仕掛ける手を指した
矢内「すぐ指されました(笑)」
このあたりのやりとりは笑った なんか康光って、ひょうきんで笑えるところがある解説をしてくれる

郷田は戦いを広げていく 互いに囲いがかなり不安定な力戦だ 
康光「これは収まらなくなりましたね わかりにくいところでプラスマイナスが
 はっきり出てしまう局面が続く、難しい」

郷田が右金を力強く3段目に上げた手を見て、
康光「はあ~ 思いつかない、驚きですね 自ら自玉を薄くする手ですからね
 郷田は全部の駒で攻めるイメージですね」

森内も飛車先を伸ばす、独自の構想で対抗 構想の勝負だな 私には形勢は全然わからない(^^;
康光「局面の形勢判断は非常に難しいですね 互角と言ってしまえば簡単なんですけど」
うむ、こういう風に、互角なら互角と時々言ってくれると、見ているほうは助かる 

中央で銀交換になってから、難しい中盤戦が続いている 
私の好みの、双方玉形の薄いかっこうでの攻め合いで、見ていて楽しいな
双方棋力が高いので、大きなミスをしないので緊張がずっと続いている
森内が飛車をギューンと5筋に回してきて角取りに当てたところ、郷田も端歩を突いて角取りに当てた
康光「森内の飛車回りは当然の手といえうまい、郷田はこれまたすごいタイミングで端歩を突きましたね」
おー、大駒をめぐる派手な攻防、ドキドキして面白い 

角交換になり、流れが加速された感があるが、どうなるか
と思って見ていたら、なんと、森内は飛車を見捨てて金と交換で、一気に勝負をかけたではないか!
森内が金を取った瞬間、私は「おおー!」と声を上げてしまった(^^; これでいけるのか!?
矢内「踏み込んでいきましたね」
康光「これはすごいことになりました」
一気に寄るかどうか、大きな見せ場になったな どうなる?

森内が、康光の気がつかなかった手で郷田玉に迫る 迫っていく・・・
が、郷田に先に先にと受けられていき、どうしてもあと一息足りない
ああー、飛車を見捨てたからには、それなりの寄り形を作りたかったところだけど、
ちょっと攻め駒が足りないな 森内ピンチだ

逆に馬で迫られ、森内玉がそうとう危ない
康光「いやー ちょっとこれは対応が難しいです」
それをどうにか受けた森内 今度は秒を9まで読まれ、最後のお願い、と持ち駒の銀をつまんで
ギリギリで着手した これは詰めろだが、森内の負けムードだ 

だが!? 郷田の受け方が危なかったようで、なんかわからんけど、森内に最後のチャンスがきた!
康光が「銀のタダ捨てを放てば、詰むや詰まざるやになる」と解説している ど、どうなる・・・?
したらば、森内はその銀のタダ捨てを指した! おおお、これはどうなってんだ
康光「4筋に歩がたちますからね 合駒も悪いのも気になる 怖い」
矢内「郷田玉は耐えてるんですか?」
康光「いやー とても生きた心地はしません」

康光の見解は、詰まないだろうが何か変化する順があったら詰む、とのことだ
康光「いやー でもホント、際どくなりましたね」
詰むや詰まざるや・・・ これぞ終盤、将棋の醍醐味! 
ドキドキ ドキドキ 詰む? 詰まない? 
康光も矢内も黙り込み、盤面を見守る 何も音声が流れず、着手と読み上げの声だけが続く

沈黙が続き、緊張が最高潮に達していたその時、突然、
康光「え!?」
うわ なんだ トン死筋を発見か!
康光「あ そうか ごめんなさい すみません 失礼しました 錯覚でした」
矢内「びっくりしました うふふふ(笑)」
なんやねーん、それは!(笑) この緊張感を笑いに変えるとは、康光、やってくれるなー(^^;

郷田玉は打ち歩詰めでギリギリ逃れたようだ
矢内「打ち歩詰めに詰みありと言いますが」
康光「攻め駒が金銀だけで、飛び道具がないので変化できませんね」

森内「あ 負けました」 ギリギリ逃れた郷田、120手で勝ちをものにした
ふうーー、ドキドキした終盤だった!

矢内「迫力満点の終盤でした」
康光「序盤から工夫を凝らした戦型で、中盤の戦い方も、大駒の使い方とか見所が多かったですね
 終盤、詰んだのかと思って、私も思わず声を上げてしまったですけど(笑)
 郷田のギリギリの読みきり、郷田の終盤力が発揮されたすばらしい内容でした」

あー、面白かった 満足だ 双方、薄い囲いで相居飛車の攻め合い、私の好みだった
森内は飛車を捨てたのに、それほど厳しい攻めが続かなかったのが敗因か
森内は負けはしたが、最後に銀のタダ捨てで打ち歩詰めまで追い込んだ 見ごたえがあった一局だった

それにしても康光、詰むや詰まざるやの終盤で、笑いを取るとは、やってくれるな(笑)
郷田がまずベスト4に名乗りを上げた タイトル保持者が消えた今期NHK杯、誰が優勝するのだろうか
突然ですが、今回から、奇襲講座をやってみたいと思います 
木村さゆり女流(現・竹部さゆり女流)が囲碁将棋チャンネルで約15年ほど前に収録した、
「入門講座・木村さゆりの奇襲伝説」(1回10分、全13回の講座)の内容をベースにします

私が「この奇襲は使える」と思ったものを厳選、木村さゆりさんの講座を再現した後、
激指定跡道場3を使って、講座の内容を、検討、検証してみようという企画です
ちなみに、私は木村(竹部)さゆりさんのファンなのです(^^;

全部で3つの奇襲を取り上げる予定です 今回が「横歩取り・後手の強襲」、
次が「角頭歩戦法」、最後が「腰掛け角」です
対象棋力は特になく、これらの奇襲を知らない人すべてです

この「横歩取り・後手の強襲」、早い段階(8手目)ですぐ後手から来る奇襲なので、
横歩取りをやるなら知っていないといけない奇襲です 広まってないと思ったので、取り上げました 
今回はまず木村さゆりさんの講座を紹介 私の解説はまた後日です (月曜か火曜あたりに予定)
いつもどおり、以下をkifu for winにコピペして、貼り付けてください

▲7六歩
*将棋ファンのみなさま、いかがお過ごしでしょうか 女流棋士の木村さゆりです 
△3四歩
*今回の講座は、横歩取り後手の強襲です
▲2六歩
*横歩取りと言いますのは、すぐ終盤になってしまう、ホントに戦い好きの戦法なんです
△8四歩
*そういう戦い好きの方には、ぜひお勧めの戦法なんです
▲2五歩 △8五歩 ▲7八金
*ここでですね、従来は△3二金と上がって、▲2四歩△同歩▲同飛となるわけなんですが、普通にやらないのがこの講座の趣旨なんです
△8六歩
*ここは力強く△8六歩と突いてください
▲同 歩 △同 飛
*ここで結論から言うと、▲2四歩と突かれれば△同歩▲同飛△3二金で、これは普通の横歩取りと同じになってしまいます ▲2四歩と突かれてしまった人はあきらめてください
▲2二角成
*でも、▲2二角成としてきた場合はハマってくれるんですね 
*私なんかは、弟と将棋を指す場合は、お菓子なりみかんなり、色々賭けるわけなんですが、みかん1個を賭けるとすれば、「この角を取れば、みかん1粒を君にあげよう」と、いきなり交渉をしだしてしまうんですね
△同 銀
*歩1枚がみかん1粒という感じでね ぜひコミュニケーションを取って、相手が角交換してくるように自分で努力してください
▲7七角
*この▲7七角があるので、先手も充分指せると思って、角交換してくると思います
△8九飛成 ▲2二角成
*先手から見れば、銀桂交換で馬ができて、先手も充分指せると思っているはずですが・・・
△3三角
*この角がすごくいい手なんです 
*この手に対し、▲2一馬なら△9九角成で、次の△7七香があるので、後手してやったりです
▲同 馬
*先手はこう取らなければいけないんです
△同 桂
*これで一見、収まったかに見えるんですが、後手には次に△8六桂、この手が残っているんです
*だからと言って、どうやって受けていいかわからないんですね
▲2四歩
*ここはですね、先手は横歩取りらしく攻めに行きます
△同 歩 ▲同 飛 △8六桂
*△8六桂と打つんです
▲2一飛成 △7八桂成 ▲3二銀
*先手もかまわず、銀を打つんです 怖いですねー
△7九龍
*銀を取って王手!
▲4八玉
*ここは後手、攻めて勝って欲しいと思います
*次の手、わかりますか?
△5八銀
*ここはですね、この銀がすごくいい手なんです ▲同玉は一手詰みなので、▲同金と取る手なんですが・・・
▲同 金 △2七角
*△2七角と打ちます
▲4一銀成
*1回は▲4一銀成ですね
△6二玉 ▲2七龍
*そしてそこで▲2七竜と取られてしまいますが・・・
△4九金 ▲3八玉 △3九金 ▲2八玉 △2九金 ▲1八玉
△1九金 ▲2八玉 △2九龍
*まで、ピッタリで詰みですね このように、色々な意味で大変なんですが、激しい戦いを好まれる方、ぜひやってみてください
まで42手で後手の勝ち