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まずは、日曜の夜に放送された、サイエンスZEROの感想から 
「ついに出た!? 夢の“量子コンピューター”」 という題でした ムチャクチャ難しい内容を含んでいたのですが、私が理解したことは、こんな感じ 「アメリカのベンチャー企業が開発した量子コンピュータのプロトタイプ(原型)が出来上がった この量子コンピュータというのは、今までのコンピュータでは膨大な時間がかかっていた複雑な計算を瞬時に出来る可能性を持つ、革命的なものだ そのプロトタイプをグーグルなどの巨大企業が最近買い取り、本格開発に乗り出した」

・・・知らない専門用語の連発で、いかに自分がコンピュータに対して無知なのかを思い知らされる内容でした 自分が全く知らない世界、理解も到底できない世界があって、研究が進んでるんだ、と思わされました 仮に、この量子コンピュータが実現出来なくても、従来のコンピュータの分野でも、将来には私には想像もできない技術革新があるのでしょう コンピュータはまだすごい可能性を秘めてますね はっきり言って、今後のコンピュータ将棋について考えるときに、必見の内容でした 再放送は、サイエンスZERO 2014年10月4日(土) [Eテレ] 昼0時30分~


さて、女流王将戦だ 今回から2回戦、ベスト8に入る 上田女流三段と室田女流初段の対戦か 実力者の上田に対し、室田がどこまでやれるか、見ものだ ちなみに、室田は囲碁の井山六冠の嫁さんだ 一口に囲碁の六冠と言っても、棋聖 ・ 名人 ・ 本因坊 ・王座 ・ 天元 ・ 碁聖 これを全部持っているのだ 室田さん、すごい人を捕まえたな(笑) 本局の解説は村中六段、聞き手は高群女流三段だ

上田は通算180勝114敗 0.612 1回戦で渡部女流初段に勝ち この一局は、上田がノーマル四間で、相穴熊の熱戦となり、渡部にかなり迫られ、危ないところがあった内容だった

室田は通算80勝86敗 0.482 1回戦で中井女流六段に勝ち この一局は、中盤互角に進んだものの、中井があっと驚く飛車のタダ取られ、超大ポカを指してしまって勝負がついた なので、室田の終盤力は私はまだ知らない

解説の村中「上田は以前は振り飛車穴熊を得意とした腕力の将棋だったが、近年は柔軟に居飛車も指す 総合的に今、充実している 室田は生粋の振り飛車党 力戦形よりは、オーソドックスで攻めを意識して指すタイプ 室田は棋戦優勝はないが、着実に力をつけてきている印象 年が近いので(2人とも25歳)、実績では上田が上でも、室田はライバルとして見ているだろう」
2人の過去の対戦成績は、上田3勝、室田1勝とのこと

先手上田で対局開始 上田の▲居飛車vs室田の△ゴキゲンの対抗形になった 観ていると、開始早々、上田が▲5八金右の超急戦の順に進めているではないか おいおい、これ、もう、超急戦になるじゃん うお、女流でまさかの、この戦型!と思ったら、室田が安全な手順を選び、回避した ズコッ(笑) 

村中「室田が乱戦を避ける形で、玉の囲い合いになりました まあこちらを選んでも、中飛車が特に悪いってことではないですから」
うん、そうだね 自分の力が出せる作戦を選ぶべきだ、室田、安全策できっと正解だ でも、上田は超急戦を挑んだなあ 自信があったのか? 50手も行かずに終局しても全然おかしくない作戦なので、すごい勇気だ
駒組みが進み、▲左美濃vs△金銀分裂型の美濃囲い+浮き飛車になった 双方、互角に進めているようだ

さあ中盤、というところで、面白い折衝があった 角がにらみあっている場面で、▲2二角成△同金とすれば、後手の室田の金の位置が悪くなるのだが、両者、それを放っておいて、ずっと他の手を指しているではないか これ、どう考えても、▲2二角成△同金とやったほうが、先手にとっては得だし、後手にとっては損になるのでは?? しかし両対局者とも、気にする様子がない
村中「へー 非常に独特な感覚ですね 実戦心理ですかね お互い角交換をどうぞどうぞ、となってます」
ここは面白かった どう観ても、単に対局者が変だとしか思えないが、村中がなんとかフォロー(笑) 

しかし、なかなか難しい中盤になっている けっこうレベルは高いなあ
村中「まだ互角、ここが勝負所 上田は玉の堅さ、室田は、と金が主張」
手が進み、終盤になったのだが、村中の解説がこんな感じ
村中「こうなってみると、室田のさっきの手順はどうだったのか しかし上田も焦りますね 形勢は全然わからないです」
おーい、どうなってんねん(^^; でも、互角なのかもしれない そして、だんだんと、かなりの熱戦の様相を呈してきた

村中「上田が一瞬良くなったかと思ったが、室田がうまく食らいついて形勢はわからないです」
おいおい、これ、上田を相手に、室田が大善戦してるんじゃないの 室田、やるぅ~ もう終盤だけど、これだけ戦ってて、双方これといった悪手がない

村中は「あっ そちらですか」と言ったりするが、その直後に、村中「いや、そちらもありますよ、ええ」とフォローが入る(^^; ホントにダメなとき以外は、ダメ出ししない、これが女流棋戦の解説の秘訣かもしれない(^^;

そんな中、室田に好手が連続して出た
村中「おー なるほど これは軽手がありましたね シャレた好手」
村中「いやー この手は実戦だと指しにくいんですよ 1回休みみたいに思えちゃうんです 感心しました」
おおおー、室田、なんか、ペースを掴んだなー!
この終盤に来て、ペースがどうとかいう表現はおかしいかもしれないのだが、まだハッキリしないのだ

村中「白熱の終盤になってきました 室田にチャンスが来ている感じ 室田は攻め駒が潤沢にある 上田といえども、この攻めを受けきるのは大変ですよ」
おおー、室田が上田を力で追い詰めている 室田、すげー! しかし、上田も粘る もうそれしかない、という手を連発、攻め合いに持ち込んだ やっぱ、上田もただ者じゃないな

そして、室田が決断した 受ければ無難なところを、攻めて一気に決めに行ったーー!
よ、読みきりか? これを読みきるのは、かなり難しいと思うが?
村中「非常に際どいですね」
そんな中、村中の予想手と、室田の指し手が食い違った! あっ、これはどうか・・・

攻める室田だが、進めてみると、これ以上、手が続かない・・・
村中「まだ手がある 竜の横利きで王手して、合駒請求がある これはすごいですね 相当際どくなりましたね いやー すごい将棋になりましたね」
うわー、室田、合駒請求で自玉への攻めを緩和するという手筋か こりゃ、マジですごい

聞き手の高群「室田は表情に出ないですね」
村中「ポーカーフェイスですね」
ホント、よく無表情で指しすすめられるな(^^; 上田はけっこう表情に出てる
室田の最後の王手ラッシュ、上田の玉の玉、詰むか、詰まないか ギリギリ~
村中「ん! ん! うーん・・・」
あの、村中さん、解説になってない(笑) 追う室田、逃げる上田・・・ 結果、上田玉、どうにか逃れていて詰まず!! 最後は玉と玉が1マス違いで向かい合う、という終局図だった 139手で上田の勝ち いやー、大熱戦と言うにふさわしい内容だった これほどの終盤はめずらしいね

村中「もう、ものすごい終盤戦でしたね なかなかめったに観られないくらいの応酬でした 室田にチャンスが多い終盤だったと思うんですけど、上田の底力を感じましたね 最後は踏みとどまった 最後は指運もあったと思う どちらが勝ってもおかしくない大熱戦だった 上田はかろうじて勝ち、ホントに負けを覚悟したときもあったと思う」

ああーー、室田さん、惜しい~ これ、勝ててたなあ ムードが勝ちムードだったもん 寄せ方で、あとほんの一息、踏み込みを欠いた手があった それが敗着だろう んんーー 最後まで自分に選択権があり、ここまで上田さんを追い込んでおきながら・・ 惜しい! しかし、室田さん、その実力はしっかりと見せ付けた内容だった 延々、ねじり合いだったもんね 負けはしたけど、▲5八金右の超急戦、受けなくて良かったなあ 力は存分に発揮していたもんね 超急戦だと、あっという間に終わったかもしれないから(^^;

マジで、室田さんを見直したわ 井山六冠の嫁さんというだけじゃない、確かな実力があることを示し、実に見事な「女流棋士」っぷりだった! 上田さんもよくこれを勝ったものだ 勝負形にならない負け方だってありえた展開だった 2人とも25歳、まだ強くなるかもしれない こりゃ、2人に拍手だね パチパチパチパチパチ! 

そして、村中六段の解説、
「女流将棋の解説では、明らかにダメな手以外はダメ出ししない」という心がけが感じられた これはこれでいいと思う 女流棋士には、観ている側だって、高度な最善手の連続ばかりを求めるものではないからだ 一定レベルの内容であれば、人間vs人間の面白い対局が観れれば、私はそれでいい とにかく、大熱戦だった 日曜のハッシー戦も力が入ったので、少々疲れた(^^;
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橋本崇載 八段vs郷田真隆 NHK杯 NHK杯 2回戦
解説 佐藤康光 九段

おおっ、清水さん、髪の毛をストレートにして、サラサラにしている なんかクレオパトラみたいだ(^^;
服もピンクでいいねえ さあー、今日は大注目の一戦だ 人気者、我らのハッシー登場!
対するは、前期優勝者の郷田 こりゃもう、ファン垂涎の大一番だ!
あー、ハッシーは和服だー! 金髪でパーマをかけて、服は和服 
もう、西洋風なのか和風なのか、わけがわからん(笑) 
左側ということは、先手がハッシーか、よーし、いけー!! もう私は全面的にハッシーの応援しちゃうもんね

ハッシーは2001年四段、竜王戦1組、B1 1回戦で土佐に勝ち 10回目の本戦出場
1回戦の土佐戦は、ハッシーは三間飛車穴熊の作戦で、土佐を全く問題にせずに圧勝している
郷田は1990年四段、竜王戦1組、A級 前期優勝により2回戦からの登場 23回目の本戦出場

解説者は、佐藤康光! おおおー、解説も最高級に豪華だ やったー 今週はなんて贅沢なんだ
もう、将棋ファン冥利に尽きるな~ 
清水「佐藤康光九段は棋士会の会長としても活躍さてれるようですが、どのような活動を?」
康光「この秋口は、東日本大震災の復興イベントで被災地のほうを何ヶ所か回らせてもらってます」
そうか、被災地ではまだ大変だろうね 私はせいぜい、このブログをがんばる! 私にはそれしかないわ

康光「ハッシーは本格派なんですけども、居飛車、振り飛車を問わない じっくりした形を好む 郷田は昨年度は見事な優勝、大活躍した 居飛車一辺倒の本格派で、本筋の手を好む 郷田の将棋はプロが見ても感心する将棋  2人は棋風は似ているところがある」

事前のインタビュー 答えるハッシー、太っているので顔がでかい、パンパンだ(笑)
ハッシー「はい、えー、おはようございます 橋本です えーとまあ、おかげ様でですね、この夏はずいぶんと楽しむことができました 色んなところへ行ってきました その分ですね、ちょっと将棋の勉強がおろそかになってしまい、どうも申し訳ございません
まあ、将棋の勉強不足の分は、あり余る才能でカバーしようかなと思っております (相手が)前回優勝の郷田さんということで、まあ、はい! かなり気合い入ってます! 本局に何としても勝ちたいです 棋士人生の全てを賭けて、戦いたいと思ってます! なので! みなさん私を応援してください よろしくお願いします ・・・っていうか、相手を応援しないでくださいね(^^)」

・・・お、面白い(笑) なんやねーん、ハッシー、落語家の前口上か? 楽しいなー
インタビューの前半、体が左右に揺れる揺れる、もう振り子状態(笑)
そして、書くときには省いたけど、「えー」を連発、軽く10回以上(笑)   
インタビュー時間があまりに長かったので、計ってみたら、1分4秒もあった これ、きっと史上最長(笑)

聞いていた康光「才能が余ってるんですねー(笑) うらやましいですねー(笑) 毎回、何かやってくれるんじゃないかと注目されてると思うんですけど、今回わりと率直に話されていた感じもしましたねえ」
うむ、体が左右に揺れていたところとか、緊張しているのがよく伝わってきたよ(^^;
体は緊張しているのを隠せないんだけど、頭はファンサービスで楽しいことを言おうとしてくれている、
それがハッシーの魅力なのだ!

郷田「橋本さんはいわゆる本格派という風に思っています じっくりした将棋が好みという印象があります 本局は今期NHK杯では私にとっては初対局なので、張り切って思い切っていい将棋を指したいと思います」

・・・郷田の答え、全く普通そのもの(^^; 面白くな、いやいや、これが普通(^^;
ちなみに、郷田のインタビュー時間は23秒 ハッシーの1分4秒と全然違う(笑)
私はハッシーを応援するぜ~ 郷田は前回優勝者、相手にとって不足なし、いったれや、ハッシー!!

先手ハッシーで、初手▲5六歩! おー、ゴキゲン中飛車か、と思いきや、スイスイと手が進み、
ハッシーの▲ダイレクト向かい飛車+美濃vs郷田の△居飛車+舟囲いになった

画面にハッシーと郷田が交互に映る ハッシーの顔がでかいせいで、郷田の顔がすごく小さく見えるな~ 
ハッシーの茶色の和服もカッコイイが、郷田のスーツもめっちゃ高級感がある いくらぐらいするのかと思う
2人の対戦成績が出て、ハッシー5勝、郷田4勝とのこと おー、ハッシーが勝ち越してるか
清水「2人の対戦は戦型がバラエティに富んでいて、中飛車、四間、三間、相掛かり、矢倉ということでした」
過去5年で銀河戦で3局も当たっていて、それは全てハッシーの勝ち
他の持ち時間の長い2局は郷田の勝ち 今回のNHK杯、どうなるか・・・!

郷田から角道を止め完全な持久戦になり、2人とも高美濃に組み替えた 
1~5筋の歩をひとつづつ全て突き合う形で、がっぷり4つだ
康光「ハッシーは普段は明るい青年なんですけど、対局姿勢が集中力があり、非常に真摯(しんし)です 考え方がまじめです 対局以外でも将棋バーを開いたりとか、すごい熱心にファンのことも考えている 20代の頃からそういうことをやっている なかなか20代の頃は自分の将棋のことしか考えられないものなんですが、ハッシーは立派」
うむ、ハッシーを語るときのキーワードとして、「まじめ」という言葉は外せないものだ
さすが康光は、わかっていらっしゃる

駒組みが終わり、ハッシーが中飛車に振りなおして、戦いが始まった
考慮時間がちょっと気になることになっている ハッシー残り▲4回vs郷田残り△10回!
差がついたが、大丈夫かな? 
康光「郷田は決断がいいですね」
そうだよな~ 郷田と言えば、長考派の代名詞のような人だ 今日は飛ばす作戦か

手が進むが、郷田が8筋の飛車先の歩を捨てたタイミングが良かったようで、
ハッシーは角で取ることを強要された
康光「展開としては、ハッシーのほうが神経を使う展開です 角が質駒でいつでも相手の飛車で切られてしまう 玉の堅さもハッシーのほうがちょっと薄いように見える 郷田は手が早いですね ふふ」
んー、まだまだ戦いはこれから、ハッシー、がんばれよ~

すると、ハッシーが8筋を放棄して角の飛び出し一発!  
康光「これはなかなか思い切った手ですね 見ごたえありますね この角はさすがという感じ うまい、才能を示した一着だと思います 郷田も意表を突かれたかもしれません」
その解説どおり、この角は効果抜群で、みるみる郷田が考慮時間を減らしていく 
残りハッシー▲3回vs郷田△4回、ほとんど追いついてしまった やったー いいぞー

康光「これはなかなかハッシーがうまく立ち回ったかもしれません」
ハッシー、自陣の整備にも成功し、4筋、5筋に位を取った
康光「ここの位は大きいですよ」
このまま行けー、と思ったとたん、郷田もなるほど、と感心する勝負手を出してくる 
んー、やはり郷田も強い やっぱやるなー!

難しい終盤に突入した 手の広いところ、力が問われる場面だ・・と思っていると、郷田がハッシーの陣内に角を打ち込んできた しかし? 何だ、これは?
何のタダ取りにもなってないし、わけがわからないではないか? 意味不明な手だが?
康光「これはひねりましたね これは直接の狙いはないんですけど ちょっとハッシーも自分が指せると思っているはずなので、ここは考えたいところ」
両手を顔の前で合わせて、仏様に祈るようなポーズと取っているハッシー がんばれ~

ハッシー、どう答えを出すか、というところ、ハッシーの一着は、相手玉をにらむ自陣角だった
ほおー、そう来たかー いい手なの?
康光「このナナメのラインを受ける手が難しい、とハッシーは見てますね」
ところが! ここから郷田の手が素早かった 焦点の突き捨ての歩から、さっき打った角をバッサリ切り捨て、ハッシーの飛車を詰ませてしまったではないか!!
ぎゃああああー な、なんだこの大技は!! こ、これはモロに炸裂、やられちゃった!?
清水「そのための郷田の角打ちだったんですね これが目的でしたか」
うそやろー ハッシーが自陣角を打つ、なんていうのを予測していた、というのか?
これが郷田の読み筋?? 郷田は予知能力でもあるのか? 私はもう、頭が大混乱だ   

だがしかし! 我らがハッシーは、動揺しなかった! 
ハッシーのほうも、郷田の大技を予測していたかのように、落ち着いて対応した
清水「形勢はどうでしょう?」
康光「うーん そうですねー 見た目はなんか、ハッシーが指せそうな気はします」
す、すげー 郷田もハッシーも、この攻防、相手の手が見えていたというのか? いったいどういうレベル?

決定権を持ったハッシー、いよいよ決め所 行けそう、行けそう、行け行け、ハッシーー!
今までがんばって取った位を活かし、攻め立てるハッシー
康光「これは強気ですね 一気に決めに行った」
おおー、康光に強気、と言わせる決め方か どうなる?
康光「んー どうなんでしょうねえ ちょっとハッシーとしても怖いところがある」
まだわからんか! マジでドキドキするなあ ハッシーが急所に角を打って、飛車に当てたが、
康光「郷田としても飛車を逃げてる場合じゃない」
郷田、飛車をタダで取らせる勝負手の受け! うわー、そういう手があるかー
康光「ギリギリの1手違いになりましたね」
 
こ、こりゃー好局だわ ここまで来たら、勝ちきれ、ハッシー!
康光「何かハッシーにうまい手がある気がします 郷田としてはちょっと苦しそうな局面」
考慮時間の残り、▲0回vs△0回 2人の表情が画面の小窓に映されながら、手が続く

康光「この一連のハッシーの手は、なかなか落ち着いた手だったかもしれません 郷田としてはしょうがないという手順になっています」
おおおー、いいぞいいぞ、そういうときは大抵、勝ちパターンだ 
実に長い終盤に感じるが、スタミナ切れせずに、このまま行けるかぁー

そして、ハッシーの一着が、康光の予想手と完全に一致した 解説の手が当たりだした、というやつだ
康光「そうですね これが痛いです」
やったー、もうこれはほぼ勝ち、もらった! 終局間近だろう、終わったか!?
ところが! ここで郷田がとんでもない一着を放ってきやがった! すんごい遠くから、角で王手一発!!
な、何、これ? 全く考えもしなかった うわー 対応が全然わからん
清水「ほおー ほおー 遠見の角」
康光「これは・・・ これは難しい手が出ましたね」
画面に映ったハッシー「うえーっ」
清水「ちょっとハッシーも、『うえーっ』と言ってましたが」
ここ、清水さん、橋本のことを、モロに「ハッシー」と呼んでいたではないか 
おおーい、この土壇場にきて、笑わせないでよー(笑)

両手でガッツリと頭を抱えたハッシーだったが、ここでも冷静と思われる手で対応した
す、すげー 両者すげぇー
そして、ハッシーは詰ます必要もなかったのだが、郷田玉を一気に詰ましに行った!
康光「何とか詰んでる感じはしますけど」
王手を続けるハッシー、その手つきが、頼もしい! 
そして、ついに、ここまで来れば、私にも詰みが見えるところまで来た・・・
郷田が「ふー」と大きくため息をついた そして、郷田投了!

117手でハッシーの勝ち やったあああああああーーーー 勝ったああああああーーー
ふうううううううううううーーーーー よく勝ちきった!! 難しい将棋だった!!
これぞ、強い人間どうしの終盤戦の魅力!! ふううううーー、面白かったーーーー!!

清水「ものすごい終盤戦という感じでしたが」
終盤の最中の雑談で、康光「そういえば、僕が以前解説したときに、森内vs郷田だったんですけど、一瞬『え』とか言って、ファンの方に不評を買いました 詰んでる局面で『あ』とか言ったもんですから、詰まないんじゃないかという印象を与えてしまって(笑)」
あったねー、そういうのねー(^^; 土壇場では解説者も細心の注意が必要、と思わされたことがあった(笑)
(2014.02.02 森内俊之 竜王・名人vs郷田真隆 九段 NHK杯 準々決勝での出来事)

さて、康光が投了図以下の詰み手順の解説を終え、さあ、この大熱戦の総評は、と思ってワクワクしていると、なんと清水さんが「ありがとうございました それでは感想戦をよろしくお願いします」
と言って、なんと、康光の総評がなかったではないか!! 何これ、どういうこと????????
総評なしなんて、そんなの、私の記憶では過去のNHK杯では前代未聞だぞ 総評はどうしたーーーー!!
康光のこの一局の感想、ぜひとも聞きたかったのにーー!! 
清水さん、勝手に終わらせたらダメだろう、康光も、そして何より、そばについているであろう、スタッフはいったい何をやってるの!? こんなミス、観たことないわ・・・
感想戦も4分ほどしかなく、中盤をサラッとさわっただけで終わった

しょうがない、完全に力不足だけど、私が代わりに総評をしよう(^^;
ギズモ「これは見ごたえ満点の一局でしたね 両者、力を出し合った素晴らしい内容で、早指し戦の名局でした 郷田の敗着がどこだったのか、すぐには分かりません 郷田が悪かったというよりも、ハッシーが強かったですね
ハッシーは作戦選びから始まって、中盤の競り合い、終盤の度重なる郷田の勝負手に、ことごとく冷静に対応していました 派手さはないけど、ミスなくという、これぞハッシー将棋の真骨頂、会心譜だったと思いますね
ハッシー自身、これは納得の一局だと思います 全国のハッシーファンも、大満足の一局でしょう 
今日は祝杯ですね みんなで飲みましょう おーい、酒だ酒だ、酒持って来い!」

こんな感じだ 酒の飲めない私ですら、マジで、酒だ酒だ、酒持って来い!! という内容、ハッシー、よくやった!! 素晴らしかった!! そして、面白かった!! 郷田もよくやった、2人とも、面白い将棋をありがとう!! ハッシー、これからも応援するぜーーー!! いやっほぅーー!! ハッシーがやってくれたぜ、NHK杯、やっぱり最高~ 乾杯~!! 
ついに出た!? 夢の“量子コンピューター”
2014年9月28日(日) [Eテレ] 夜11時30分~
再放送 2014年10月4日(土) [Eテレ] 昼0時30分~
http://www.nhk.or.jp/zero/

将来のコンピュータ将棋の強さに、モロに関わって来そうな話です ぜひ観ておきましょう!
あら、また解説が山崎さんで聞き手が本田女流だ~ 
準決勝だというのに、2局が完全に2本撮りなのがバレバレ(^^;
渡辺と天彦、普段からつるんでいる、仲のいいどうしの対戦だ 天彦、「渡辺超え」なるか?

渡辺は決勝トーナメント1回戦でナルゴン、2回戦で康光に勝ち
今期の成績はここまで5勝5敗

天彦は決勝トーナメント1回戦で森下、2回戦で田中悠一に勝ち
今期の成績はここまで12勝5敗

解説の山崎「渡辺は近年は振り飛車も指されることがありますけど、居飛車党で、王様を固める技術、細い攻めをつなげる技術でトップ棋士になった 若手に多大な影響を与えている
天彦は将棋界ではめずらしい、オーダーメイドのスーツを着ている 将棋はよく研究している 才能だけじゃなくて、自分なりの信念のある手を指す 直線的な気持ちのいい棋風」

2人の対戦成績は、渡辺2勝、天彦1勝とのこと
山崎「横歩取りで、天彦が激しく動く展開を予想」

先手渡辺で、横歩取りかと思いきや、渡辺は▲5八玉で横歩を取らず! これは、康光流というやつだ
山崎「天彦は、最近、横歩取りの後手番で勝ちまくっていますので、渡辺が警戒したのでしょう」
横歩取りとは全然違う、相掛かり模様での、じっくりした駒組み合戦になった

山崎「この2人は研究会も同じで、プライベートでも仲がいい 天彦がプロになる前からの友達関係」
本田女流「今日は控え室で、顔を合わせても会話はなかったですね」
山崎「仲がいい人にほど、負けたくないっていうのはあるかもしれないですね」
本田女流「それはありますね」
山崎「僕は仲がいい人がいないかもしれない」
ここには笑った(笑) 山崎、面白いなー

序盤、駒組みが続くので、まだ雑談があった
本田女流「山崎さんも相掛かりが得意ですよね」
山崎「自分の指し手を信じてやっているだけなんですけど、それが他の棋士と違うと言われることは多いですね ふふ」
いいねー、最後の「ふふ」というところに山崎の自信、余裕が感じられた

駒組みが一段落した 渡辺の▲矢倉風vs天彦の△しゃがみ矢倉(菊水矢倉)だ
山崎「後手番の天彦としては、不満のない駒組み」
しかし、ここから渡辺の、実にうまい手づくりが始まった 飛車を5段目に持ってきて、左に振り回した手が、天彦の偏った陣形のスキをついた、巧妙極まる攻め方だった

渡辺の攻めに対し、山崎が「天彦としては、ここに角は打ちにくい」と検討していたところ、天彦はモロにそこに角を打った
山崎「あ、打ちましたか んー 打ちづらいと思ったんですけど」
結果、その角は撤退を余儀なくされ、渡辺に飛車を成りこまれてしまった
なんか、形勢が渡辺に傾いたようだ

しかし、本田女流「パッと見たところ、天彦のほうが良さそうな感じも」
山崎「渡辺のほうが主導権を握っているので、渡辺のほうがいいのかと思ってしまいがちなんですけど、天彦良しという考えもありますね」
確かに、天彦の玉形は、金銀4枚に飛車に底歩に、と金も上部を守っている、すごい形だ
けど、こういうところから、渡辺は細い攻めをつなぐのがうまいからなー どうなるか・・・

と思っていると、天彦が何気なく渡辺陣の5筋の歩を取った 
その瞬間、渡辺がノータイムで天彦陣に、垂らしの歩の攻め!! 
今、5筋の歩がなくなったので、発生した垂れ歩の攻めだ う、うわ、これ、厳しいんじゃないの!?
山崎「攻め合いにならず、自分だけが攻めれる手ですね 渡辺の持ち味です 渡辺はこういう戦い方がうまいんですよ」
自陣の歩が相手に取られた瞬間、その筋に垂れ歩の攻め う、うまい~ 
ぐわー、これ、天彦、しびれたのでは?
観ていると、なんと、天彦、ここで4回連続考慮時間を使って、大長考した もう見落としがバレバレ(^^;
山崎「この垂れ歩は、やっかいですねー」

山崎「天彦は、何か勝負手を放たないといけません」
そして、天彦は勝負手を放っていったのだが、ことごとく渡辺に見切られ、冷静に対応されてしまった
山崎の解説も冴えた
山崎「こういう、と金で攻められたときは、相手のと金を、金と思ってください と金と思って、狙われた駒を逃げると、どんどん攻めが続いてしまいますから」
あー、この解説はわかりやすいなあ そして、渡辺も、山崎の解説どおり指し、天彦のと金を盤上から消してしまい、自玉を完全に安全にしてしまった 渡辺、後は攻めるだけだ

ここから後は、渡辺のショータイムだった 魚屋さんが、よく「マグロの解体ショー」として、巨大なマグロを包丁でさばいて見せるショーがある 本局、ここから、渡辺の「4枚しゃがみ矢倉の解体ショー」が始まった
端をからめる超難易度の高い攻めの組み立てで、山崎をも驚かせた
バッサバッサと、渡辺は金銀を剥がし、囲いを薄くしていく
そして、それがめっちゃ厳しい もう天彦としてはどうしようもない感じ
あれほど駒がたくさん密集していた天彦の囲いが、みるみるうちに崩壊していく様は、まさに「解体ショー」と呼ぶにふさわしかった 渡辺の本領、ここに極まれり!

山崎「渡辺は一気に必至をかけてしまおうとしています 天彦は、首を差し出した ちゃんと指されたらしょうがない、寄せてみてください、という手」 
もちろん、渡辺が間違えるはずもなく、バッサリと即詰みに斬って落とした
これにて解体、完了! 107手で渡辺の勝ち 完勝とも言える内容だった 渡辺、つ、つえー・・・

山崎「渡辺の横歩取らずの▲5八玉の作戦に対して、天彦は柔らかい指し回しで後手としては、面白い展開になったと思いますけど、戦いが始まってからの渡辺の戦い方がうまかった 天彦は勝負手を放ったが、渡辺のフトコロは深かった」

感想戦で、やはり5筋に垂れ歩を打たれたところが問題になっていた
天彦「どうしようもないですね これ 粘る順ないですよね」
山崎「その歩が決め手に近いですかね」
中盤以降、相手の歩をうかつに取ってしまうと、自陣に垂れ歩の攻めが飛んで来る、という好例だった
この垂れ歩で優劣がハッキリしたなあ 

そして、感想戦では渡辺の戦術、「相手の攻めを、駒損するが甘受して、その代わり相手の攻めの手がかりをなくしてしまう」 この渡辺の戦術を山崎が賞賛していた
そして渡辺の最後の猛ラッシュの見事な「解体ショー」、うーーーーん、渡辺、強い! めちゃんこ強い!

渡辺の良いところばかりが出た一局となった 格の違いを感じさせた内容だった
でも、渡辺の会心の一局というよりは、渡辺はこれくらい指して普通、と観ている側に思わせるところが、またすごいところなんだよね 竜王9連覇は、伊達じゃない!

決勝について、山崎「渡辺と松尾は少し年は離れてますけど、奨励会入会が同期なんです しかも同門(所司門下) お互いに負けたくないという気持ちのこもった戦いになるんじゃないか」

インタビューがあった
渡辺「本局は、飛車を5段目に持ってきて、左に転回させた手が案外うまくいったかな、という感じでしたね (勝ちを意識したところは)寄せの形がハッキリしたあたりですかね この銀河戦は何回か優勝させてもらったことがあるんですけど、決勝戦は久しぶりなのでまた優勝回数を増やしていけるようにがんばりたいと思います
松尾さんとは同門なんですけど、こういう大きなところで当たる機会はなかったので、師匠(所司)は喜んでいるかもしれないです でも対局者は自分が勝たないとどうしようもないですから(笑) 師匠が喜ぶだけで、あんまり関係ないかな(笑)」

渡辺が天彦を、ものすごく強い内容で一蹴した一局だった 決勝は渡辺と松尾の同門対決だ
渡辺の通算4回目の優勝か? 松尾の初優勝か?
私としては松尾に勝って、全棋士参加棋戦での初優勝を飾って欲しいが、結末やいかに!
今期銀河戦も、いよいよベスト4、準決勝まで来た 松尾vs羽生、渡辺vs天彦のカードだ
本局は松尾と羽生、王者羽生に松尾がどう挑むかだな
解説は、山崎八段! 背が高くてカッコイイね 聞き手は本田小百合女流だ

松尾は決勝トーナメントで、村田顕弘、郷田に勝ち 今期はここまで7勝1敗
(画面に出た松尾の今期の成績、郷田戦の前も7勝1敗だった 
1勝が追加されていない 番組スタッフの数え間違えか?)
羽生は決勝トーナメントで、阿部光瑠、広瀬に勝ち 今期はここまで13勝1敗

解説の山崎「松尾は性格は男気あふれる、すっきりとした性格 将棋は本格派 最新形でも少し自分流にアレンジして、毎局工夫をしている
羽生はオールマイティ 長時間でも短時間でも幅広く活躍している 今期も絶好調 どうやってこの何十年も勝ち続けるエネルギーを保っているのか、逆に聞きたい(笑)」

先手松尾で、中飛車にした 5筋位取り中飛車だ 羽生は居飛車の急戦型で対抗
山崎「松尾はあまり振り飛車を指すイメージはない しかし、対羽生戦の渾身の作戦だろう」
松尾は、前局の郷田戦で、やはり先手で5筋位取り中飛車を採用して83手の短手数で快勝している
羽生にも通用するのか?

山崎「松尾と羽生は、同じ研究会の仲間 手の内は分かっている部分が多いだろう」
2人の対戦成績は、松尾0勝、羽生3勝とのこと
山崎「私は羽生と20局ぐらいやってますけど、2局しか勝ってない(^^; 松尾は羽生と3局しか当たっていないのは幸運かも(笑)」
松尾と山崎、同じB1の棋士なのに、羽生との対局数が極端に違うなあ
20戦ぐらいでたった2勝、山崎はもう、フルボッコ状態だね・・・

雑談で、山崎「羽生のクラスになると、将棋は簡単に勝てない、と思っている人が多くて、ちょっと自分が良くても、『難しい』とか『自分が少し苦しい』という心構えで指しているんです だから、羽生クラスの人たちが『はっきり良し』と言うときは、その将棋に逆転のチャンスがないくらいのレベルなんですよね」
そうだねー、羽生は終局後に「勝ちを意識した局面は?」と訊かれたら、いっつも、最後の最後のところを答えるもんね そこまで行けばプロなら誰でも勝つ、という局面を羽生は答えるんで、インタビューの意味がないんだよね(^^;

さらに、山崎「羽生は簡単なところで考え込んで、難しいところでサッと指すので、相手をしていて調子が狂うんですよ」

さて、お互いに軽い囲いでの急戦形だ 松尾は木村美濃という、銀冠と逆側に銀を上げる、
今時めったに見ない囲いだ 対して羽生は舟囲いから金銀を盛り上げてきている
羽生が鎖鎌銀(くさりがまぎん)で、積極的に攻めに出て、銀交換になった

羽生が持ち駒の銀を投入して、盤の中央に銀2枚を並べて、5筋を徹底防戦だ
松尾もそれを破るべく、持ち駒の銀を投入したのだが、その銀が相手の歩であっさりと追い返されてしまったではないか んー、何だ、これは? 松尾、どうした?
山崎「松尾、これは何かの誤算か、完全な勘違い 持ち駒の銀も考慮時間も使って、何も手ができなかった 羽生という相手の見えないプレッシャー、影の大きさに影響を受けたのか」

羽生陣の金銀4枚が、全て3段目以上にあるという、すごい押さえ込み体勢だ
山崎「羽生は松尾の攻め駒を攻めて、悪いところを完全になくしてしまおうという作戦に出ましたね 松尾は精神的に厳しい」
うわー、羽生は歩得を全面的に主張、完封勝ちを狙っているのか 気が早いが全駒もありうるぞ 
これは大変なことになったな 松尾、ここからどうにか出来るのか?

山崎は、松尾側に立って、検討を続ける さすがちょい悪王子、このくらいの形勢ではあきらめないな
したらば、松尾も山崎の考えた手のとおり指していく 手が進むが、
山崎「私の目からは、差がそんなに広がったようには見えない」
おおー、まだわからんか この本局の羽生の陣形は、まるで2枚落ちの上手みたいだなあ 
玉の守りはほとんどスッカラカンで、金銀は相手の攻め駒を押さえ込むための配置になっている

松尾、このまま押さえ込まれてしまうのかと思って観ていたら、異変が起きてきた
山崎「いや? でもこれは・・・ 松尾の飛車角が封じ込められていたのが、中央で一気に働く可能性が出てきましたよ 飛車と角がさばければ、逆転までありうる」
おおおー、まだわからない、混戦模様か? がぜん面白くなってきた!

山崎「まだまだ松尾もがんばる気が起きる局面 羽生といえども容易ではない」
考慮時間も、松尾が先に使い切っていて不利だったのが、羽生も使い切った!
お互いに▲0回vs△0回で、30秒将棋だ これはここから見ものだな~

厳密に見れば羽生がまだ押し気味のようなのだが、松尾もがんばっている 踏ん張れ、松尾~
こうなると、私は松尾に肩入れしたくなってくる 格下のほうにがんばって欲しい、という判官びいきだ
難しい終盤で、手が広くて実に見えづらい展開だ お互い、どう相手玉に迫るのか? 構想の勝負だ

そんな折、山崎「今の羽生の攻めはどうだったのかな これ、むしろ逆転した!?」
んんー、まさか羽生がミスったのか? もうここまで来てのミスは致命傷になるかも?
画面の小窓に、羽生が右手を額(ひたい)に当てて、苦虫をかみつぶしたような表情が映し出された 
明らかに普段の羽生と違う、変調を裏付けるしぐさ! 
山崎「これは逆転したかもしれない」

松尾の、飛車金両取りのド急所の角打ちがきれーいに決まった 
プロでこんなきれいに両取りが炸裂するのはめずらしい
山崎「これは厳しい」
聞き手の本田女流「松尾の手つきが落ち着いた感じでしたね」
松尾の顔つき、良し、行ける!という表情だなー 
山崎「さすがの羽生先生も暗い表情ですね めったにこういう負け方をしないので、自分自身に後悔があるのでしょう」
その角打ちが明快な決め手となり、羽生は直後に投げた 121手で松尾の勝ち!

山崎「松尾の攻めが、羽生に頑強に受け止められてしまって、途中は松尾がはっきり失敗した しかし羽生を相手に決め手を与えなかったところが、大変めずらしい羽生の逆転負けにつながった 松尾は理想的な勝ち方ではなかったが、強敵相手に苦しい将棋を勝ちきった」

感想戦が5分しかなかったのだが、最終盤の一番のポイントのところ、勝敗を分けたところをやってくれて、実にナイスだった 5分しかなくても、充実した感想戦を放送できる、その見本だった いいよいいよー! 
羽生が2手ほど連続して疑問手を指していたのが敗因、とのことで見解が一致していた
羽生を持ってしても、間違えたか 羽生の陣形は2枚落ちの上手状態で、大局観が難しかっただろうなあ
双方があまり見たことがない玉形で、「これどうやって寄せるんだ状態」になっていた終盤だったね
時間が30秒だったのがモロに羽生のミスを誘ったと思われる
松尾が悪い将棋を決め手を与えずがんばって、羽生のミスを誘い辛勝した、という一局だった

対局後、勝利者インタビューがあった おー、めずらしい(^^;
松尾「かなり苦しい将棋になってしまって、中盤ではっきり悪い手を指してしまって、それを堺にずっと苦しい時間が長かった将棋だった 最後は自陣が粘っこい玉形だったのが幸いしたかな
(勝ちを意識したのは)最後の最後までわかってなかった感じですね
(決勝への抱負は)トーナメントで決勝戦に出ること自体がかなり久々なので、大きい舞台でみなさんに観ていただいて指せるのはありがたいです うれしいですね」

この一局、羽生がミスして逆転負けしたわけだが、私はそれほど驚かない 
羽生はBブロック最終戦の森下戦こそ、ものすごい圧巻の勝ち方をしたものの、決勝トーナメントの阿部光瑠戦、広瀬戦と、内容がそれほど良くなかったからだ
松尾が勝って、私はうれしい 前にも書いたが、私は友人に「お前の将棋は松尾に棋風が似ている」と言われたことがあるからだ(笑) 
松尾は2001年に新人王を取ったことがあるだけで、全棋士参加の棋戦での優勝はない
地味なイメージをくつがえすべく、ぜひ優勝して、プロ16年目で自身初の棋戦優勝を飾って欲しい!
毎週火曜は、女流王将戦の模様をお伝えしている 今回は、1回戦最後の対局だ
甲斐二冠と岩根女流二段、2回戦のベスト8に進むのはどちらか
この女流王将戦には、奨励会所属の女の棋士の参加が認められていない
よって、甲斐が挑戦側では唯一のタイトルホルダー参加者、本命中の本命になる 
その甲斐に岩根がどう戦うかが見ものだ

甲斐二冠は、昨年度は12勝7敗 ここまでの通算成績は205勝117敗 0.637 
中原門下 予選はシード 31歳
岩根女流二段は、昨年度は2勝3敗 ここまでの通算成績は138勝92敗 0.600
コバケン門下 予選で和田女流3級、竹部女流三段に勝ち 33歳

甲斐さん、二冠保持のわりには、昨年度はあんまり飛びぬけて勝ってたわけじゃないな
岩根さんは何があったのか、昨年度はたった5戦しかしていない

解説の村中六段「甲斐は攻守のバランスが取れたオールラウンダー
岩根は生粋の振り飛車党 中盤のさばきと、終盤の腰の重い粘りの棋風」

戦いが始まる前、両者の駒の置き方を見たら、どちらも升目の下のラインに揃えて置く置き方だった
駒は升目の真ん中でなく、下のラインに合わせて置くほうが主流になる時代が来るかもしれないな(^^;

先手甲斐で、相振りになった 相三間で、持久戦だ
双方美濃囲いに囲い、長い序盤戦が続くことになった

聞き手の高群女流「岩根は自分の棋風は、『攻め将棋とよく言われる』
甲斐は『盤面全部の駒を使ってバランスよく指す棋風』とのこと」
村中「甲斐の師匠は中原先生で、自然流ですからね」

双方、長考派のようで、じっくりと駒組みを進めていく 岩根は角交換を拒否して決戦を避けた
村中「どこで駒がぶつかるか、わかりづらい こうなると先が長い スローペースですね」

雑談で間をつなぐしかない時間帯が続く(^^; 
高群「この2人は、奨励会で1級まで行きました」
へー、そうだったのか 今、女の棋士では、加藤桃子女王(19歳)が奨励会初段だ そしてもう一人、つい先日の9月21日、西山朋佳(ともか)さん(19歳)が奨励会二段に昇段したとのこと 楽しみな人材が育ってきていることが分かる

村中「甲斐が深浦に勝ったのはすごいですよね」 
昨年10月の男子プロの王位戦、持ち時間4時間の棋戦で、女流枠で参加し、あのA級棋士の深浦に勝ったのだから、これはすごいことだ

番組開始からすいぶん経っても、まだじっくりとした駒組みになっている
そして、両者ともに25分の持ち時間を使いきり、40秒将棋に突入した
村中「まだ歩しか交換になってない(^^;」
岩根が、飛車を5段目に浮いて、甲斐の伸びきった1歩を取りに行った
村中「これは揺さぶりをかけた手ですね なるほどという手です」

岩根、1歩を取ることに成功はしたのだが、その間に甲斐に駒組みを進められてしまった
甲斐は銀冠に組むことができ、万全といった感じだ
村中「こう進んでみると、甲斐がうまくまとめました 銀冠になったのは大きい」

そして、番組開始から59分、ようやく本格的な戦いが始まった ここまでが長かったなー(^^;
村中「ちょっと甲斐がいい 岩根はまぎれを求めている この中盤で、甲斐の方だけ、手をいっぱい指した勘定になっている 甲斐の駒が前に出てきているのに対し、岩根はさっきからほとんど駒組みが進んでいない 甲斐の自然に指すという、いいところが出ている」

そして、ここから甲斐の怒涛の攻めが開始された 攻めに銀をどんどん繰り出し、岩根の美濃囲いの端に集中攻撃、これがモロに炸裂した うわー、この端攻め、厳しい~!
村中「岩根が困っているように見える 甲斐の銀冠は厚い」

岩根、どうにかしようと、玉を早逃げするが、これは将来に希望がある手じゃないなあ
ただ単に、美濃囲いを放棄した手だ どんどん崩される岩根の美濃囲い
村中「形勢は、はっきり甲斐が良し 甲斐は非常に自然な手を続けてます しかし岩根はまだ金銀を剥がされたわけではないので、逆転の余地はある」
そう言っていたのだが、現実は非情だった 甲斐の攻めが的確で急所にビシビシ来る

岩根陣、ボロボロにされていく それも、一方的に駒損になっていく
村中「これは、岩根はつらいですねー キツイですねー」
そして寄せ方も、甲斐は緩みなかった  
村中「甲斐の寄せは、すごく筋のいい手ですね」
最後は長手数の並べ詰みをしっかり読みきり、甲斐の圧勝となった 
121手、女流二冠が岩根を寄せ付けず、完勝譜という内容だった

村中「岩根がうまく揺さぶりをかけたと思ったが、それに対する甲斐の対応が素晴らしかった 局面が落ち着いてみると、気づいたら甲斐が指しやすくなっていた 岩根も逆転のチャンスをうかがったが、甲斐の安定感のある指し回しと、しっかりした収束が光りました」

甲斐、女流二冠の貫禄、格の違いを見せつけた内容だった さすが女流の第一人者だ
攻めに守りに、実にバランスがいいねえ 一度攻め始めたら、もう守ることは考えない、という人もいるが、それとは好対照、手を戻すべきところはしっかり戻していた
岩根を寄せ付けなかった甲斐、香川女流王将への挑戦者は、この人がやはり本命と思わせる、圧勝劇だった 岩根としては完敗で、もう相手が悪かったとしか言いようがないわ
 
これでベスト8は、
上田初美女流三段 vs 室田伊緒女流初段
松尾香織女流初段 vs 甲斐智美女流王位倉敷藤花
清水市代女流六段 vs 中澤沙耶アマ
矢内理絵子女流五段 vs 伊奈川愛菓女流初段

この顔合わせになった 私は女流棋士の対局は、長い間観てなかったので、新鮮なんだよね どれも楽しみだ
個人的に特に注目は、清水クイーン四冠vs中澤アマだ クイーン四冠にアマが勝ったら、えらいことですよ
飯塚祐紀 七段vs西川和宏 五段 NHK杯 2回戦
解説 久保利明 九段

いやー、すごかったですねえ、土曜の電王戦タッグマッチ・・・ 
何がすごいって、プロ棋士たちが身につけていたデバイス(機器)ですよ
今まで、私はコンピュータのハードとソフトの進化ばっかり心配してました
でも、問題はそれだけじゃなかったですね コンピュータのことばっかり私は考えて、
デバイスの方を考えるのが、すっかり抜けてました 未来のデバイスを考えると、妄想が止まりません 

今回は、飯塚vs西川かあ NHK杯のHPで今後の対局予定を見ると、魅力ある顔ぶれがずらりと並んでいる その中にあって、この2人は、ええっと、いや、何でもないです(^^; 西川のノーマル振り飛車の指し回しに期待だなあ

お、清水さん、髪の毛、すごいきれいにしてるね
清水「日曜のひととき、究極の読みの数々をお楽しみください」
んー、清水さん、相変わらずの、ハードルを上げてしまう発言だ(^^; 

飯塚は1992年四段、竜王戦4組、B1 1回戦で塚田に勝ち 6回目の本戦出場
1回戦の塚田戦では、角換わり相腰掛け銀の先手番で、塚田に何もさせず、きれいに完勝している
西川は2008年四段、竜王戦5組、C2 前期ベスト4進出により本戦2回戦から登場 3回目の本戦出場

久保「飯塚は本格派の居飛車党というイメージ 重厚な戦い方で、中終盤粘りの強い将棋
 西川は振り飛車党で、軽快なさばきが見られるか 角道を止める中飛車と三間を使う」

事前のインタビュー
飯塚「西川五段は、前回ベスト4進出ということで、すばらしい活躍の方だと思います 東と西に分かれているので、今まで練習将棋でも手合わせしたことがないと思うんですけど、棋譜は拝見しております 振り飛車党で力強い中、終盤を得意にされている方だと思います (抱負は)一手一手、心を込めて、みなさまに感謝の気持ちで指せればとこのように思っております」

これを聞いていた久保「すごく人柄が表れている、まじめなコメントですね(笑)」
ホント、ここまで丁寧とは、あの律儀な森下以上だなー(^^;

西川「飯塚七段とは、先ほど初めてお話させていただいたんですけど、とても気を使われて優しい先生だなと思いました 将棋は本格居飛車党で、終盤はねばり強い将棋だと思います (抱負は)強い相手ばっかりですけど、一局でも多く勝って自分の将棋を観ていただきたいです」

久保「戦型予想は、対抗形 お互いに序盤から工夫が出るんじゃないか」

先手飯塚で、予想どおり西川が振り、対抗形になった そこから、相穴熊だ
対局者の2人とも、だいぶ盤から離れて座ってるなあ これって思うんだけど、TVがワイド画面になった
ことと関係あるのだろうか ワイド画面だから、なんとか対局者2人が画面に収まっていると思う(笑)

久保「昔ながらの角道を止める三間飛車になりましたね 角道を止める三間飛車を観たいファンはいっぱいいらっしゃると思いますので」
さて、序盤の駒組みが長かったので、雑談になった
久保「角道を止める振り飛車は、居飛穴に堅く囲われてしまうことで、敬遠している人が多いんですけど、西川はこの形を得意としています 本局の西川は、堅さには堅さで対抗しようという戦い方」

飯塚は、右銀まで穴熊にくっつけて、4枚穴熊にした ガチガチだ
久保「従来は居飛車の右銀は、攻め駒だったが、最近では守り駒ですね 私も角道を止める三間飛車、やりたいんですけど、この居飛穴がねー 振り飛車側は、さばくところまでは行っても、なかなか囲いを崩せない」

清水「西川は、座右の銘は、『猪突猛進』だそうです 普段は慎重なのでまっすぐどんどん行けるように、いましめるために、だそうです」
そりゃー、めずらしいな 普通、性格が猪突猛進なので、それをいましめるために、「慎重に」、という意味の格言を座右の銘にする人が多いだろう 西川は全く逆(笑)
清水「ご自身の棋風を漢字で、という質問には、飯塚は重厚の『重』という字、西川は『粘』という字を上げた」
久保「飯塚は、ピッタリですねー」
飯塚は、囲碁将棋チャンネルで講座をやっていて、タイトルは「コッテリ将棋の神髄  あくまでも手厚く」だ

さて、西川が5筋と4筋に位を張ってきたところ、飯塚が仕掛けた 
飯塚のほうは、もう4枚穴熊が完成しているし、これ以上待つ手も必要なさそうだ 仕掛ける頃合いか
久保「西川が角道を開けて、やって来い、と言ったところに飯塚が仕掛けた」

仕掛けた後の変化を検討する久保、
久保「少し飯塚がポイントを上げている」
あら、西川、手数をかけて出ていった銀が、取られる運命か
ん、この銀でプレッシャーをかけていく予定ではなかったのか

結局、本譜、さばき合いになり、先に飯塚が駒得をした
久保「飯塚は手をひねる必要がないかもしれない 自然に指して優勢のようです 瞬間的には、飯塚の銀桂得、だが西川も、と金を作っていてまだチャンスはある」

またここで雑談になった 
久保「穴熊は苦戦になっても、自玉が王手がかからないという特徴を活かして攻めることで、逆転勝ちができやすい」
清水「お話を伺っていると、穴熊は良い事づくめのようですが、何かマイナスはないんですか」
久保「マイナスは・・・ 昔は攻めが細いと言われてましたけど、今はもう飛車角桂で攻めれる時代になってきてますんで、穴熊のデメリットないんじゃないですかね」
清水「そうですかー」
久保「私なんかは、いかに穴熊に組ませないか、というところから指してるんでね 穴熊側が良くなったらそのまま順当に勝ちやすいし、悪くなっても逆転できやすい、そういうイメージ」
うーむ、あらためて、久保からこういうセリフが出てくるのは重みがあるなあ
ここは清水さん、ナイスな質問だった 穴熊、久保に「デメリットはない」とまで言わせるのか すげーな

この後は攻め合いになりそうだが、
久保「西川もまずまずの感じがしてきました 相手の金を一枚はがせば、それを自陣に打って粘れる」
西川は長考を繰り返し、早くも30秒将棋になった 飯塚の4枚穴熊がそのまま残っていて、
まだまだ先は長そうなのに、ここから30秒かー もう使い切って、大丈夫か
しかし、早々に使い切ったのは飯塚も同じだった たちまち両者、考慮時間▲0回vs△0回の30秒将棋に・・・
お互いに長考派だったか(笑) だけど、飯塚は何を長考していたんだろう?

すると、その答えが出た! 飯塚、相手の竜を引き付けておいて、竜2枚に対し、両取りの金打ち!
うわ! そんな手があったか これで、竜1枚は絶対に取れる 指されてみれば、当然の手だ
久保「あ 2枚の竜取りに金を打つ手もあるんですか よく見ればどっちかの飛車が手に入りますね 見落としてました(^^;」
んーー、これ、これは痛いんじゃないの、飯塚の不安材料だった、攻め方をどうするか、というのが飛車が手に入れば、解消される これは、西川、困ったなー 

そしたら、西川、驚くべき手を放ってきた なんと、竜を金とでなく桂と刺し違える、竜をぶった切る強手! 
清水「ほお~ 竜と桂の交換ですが」
久保「あ~ 基本的には大損なんですけど、非常手段 西川が苦戦を意識した手ですね」
西川、無理やりの、居飛穴を薄める勝負手だけど、これは・・・ どう見ても苦しいなー

西川の駒台には桂が3枚揃ってしまって、これは不吉だ 持ち駒の桂3枚以上は、使い道がない場合が多い
盤上にすでにある分には、問題ないんだけど、持ち駒が桂ばっかりじゃあ、使えないことが多いのだ
桂は自分の何かの駒と交換になって持駒になっているはずなので、使えないと、実質、駒損になるのだ
「持ち駒に 3桂あって 使い道なし」 この格言、覚えておくといいと思う

ちなみに「3桂あって 詰まぬことなし」という格言があるが、これは言葉が間違って伝えられたものだ
もともとは、「計算あって 詰まぬことなし」だったのだ 計算とは、頭の中できっちり読むことをいう
つまり、「詰ますときは、ちゃんと頭の中で読みを入れて考えなさいよ」という、将棋で当たり前のことを述べた格言だったのだ  
それが、町道場のおっちゃんたちが「計算、計算」と言っているうちに、
いつの間にか、「桂3、桂3」になり、変化して「3桂、3桂」になったのだ
だから多くの人が持つ感想「桂馬を3枚持っていたって、詰まない場合が多いんだよ」、これは当然なのだ
もともとの意味は、「詰ますときは、頭の中で計算しなさいよ しっかり読みを入れなさいよ」という意味の格言なのだ この格言は、言葉がいつの間にか、すり変わって、間違って伝わったのだ もう知っていた人には、くどい話だったか(^^;

さて、盤面、飯塚は馬を自陣に引き付け、西川は竜を自陣に引き付けた
久保「これはすごい長期戦になりますね 飯塚は5筋どころか、4筋くらいから攻めるしかない まだ終局までは40~50手かかる気がします」
うわー、ホント、2人ともまだまだやる気だな 先は長そうー

・・・と、思われたのだが、ここからの飯塚の指し回しが実に見事だった 
西川が歩をぺタぺタと自陣に貼り付けたりして、粘ろうとするのだが、飯塚がそれを許さなかった
30秒将棋だというのに、指されてみればなるほど、それが最善か、と思われる手をことごとく指し続け、西川の戦意を奪っていった 終局は突然訪れた 西川、あきらめて投了! 105手で飯塚の勝ち
え? たった105手? 150手くらいじゃないかと思った(^^;

西川の駒台を見ると、桂3枚と歩が2枚だ 桂3枚が使えずに、モロに不良債権と化してした 
「持ち駒に 3桂あって 使い道なし」の格言は、本局でもバッチリ当てはまった

終局直後、西川「(仕掛けのところ)5筋突かれて、ちょっと面白くない将棋にしちゃいました」

久保「投了図は感覚的には、1手半から2手くらい足りないイメージの局面です 相穴熊の熱戦だったと思いますが、飯塚のほうが終始自然な手を積み重ねて、悪手らしき悪手がなかった 飯塚の完勝という感じ」

感想戦が、10分もあった 時間、10分も残ったかー
久保「竜の両取り厳しいんですね」
西川「本譜は、ちょっと形もできなくなってしまいました さばき合った分かれは、難しいと思っていましたが、進んでみたら悪かったです」
最終的には、西川の敗因は角道を開けて仕掛けを誘ったところ、もうそこまでさかのぼっていた
ものすごい巻き戻しなきゃ、互角に戻らないんだな(^^;

ざっと振り返った感想戦、飯塚は早指しの将棋で、修正する手が1手もなし! これは相当すごいことだ
手の広いところもたくさんあったぞ それなのに・・・! 
飯塚、B1棋士の面目躍如、会心の一局と言えるだろう
去年のベスト4に、ノーミスで指して完勝、かなり実力がないとできないことをやってのけた飯塚 すごい!

でも、なーんか、地味なんで、この棋譜が注目を集めるかと言ったら、集めないだろうなあ(^^;
それはもう、仕方ないか 飯塚、完璧に指して完勝しても、何かが足りない
それはズバリ、スター性、というやつか 今後ぶつかる相手に勝ち上がれば、注目されるだろう 
飯塚、1回戦に続き2回戦もノーミスで完勝、このまま勝って、今期NHK杯でスターになれるか?
来週は郷田vsハッシー、やはりこの顔合わせなら、観たいと思う(^^; 期待大、楽しみだ!  
ベスト8の最後の一戦 郷田と松尾、安定感のある実力者どうしの対戦だ

松尾はFブロックでナルゴン、屋敷に勝ち最終勝ち残り、決勝トーナメント1回戦で村田顕弘に勝ち
今期の成績は7勝1敗 
郷田はDブロックで丸山に勝ち最終勝ち残り、決勝トーナメント1回戦で永瀬に勝ち
今期の成績は7勝4敗
2人の対戦成績は、松尾1勝、郷田4勝

解説の稲葉「松尾は居飛車党の本格派で研究が深くて、最新形に精通している 松尾流と呼ばれる形もいくつかある バランスのいい棋風
郷田も居飛車党の本格派、最新形というよりは、自分なりのこだわりを持った戦型を貫くタイプ 長考派だけど、早指しも強い 戦型予想は、両者、居飛車は何でも指せるんで、相居飛車の中のどれか 矢倉かな」

先手松尾で、なんと中飛車を選んだ まあ、松尾はたまにやっていた気がする
稲葉「松尾が飛車を振りましたね びっくりしました(^^;」
松尾の▲5筋位取り中飛車+金銀分裂型の美濃囲いvs郷田の△居飛車の舟囲い急戦形になった

お互いに軽い囲いで、戦いが開始 松尾が十字飛車の筋で、郷田側の3四の歩、
いわゆる玉頭の歩をかすめ取った 
稲葉「松尾がスキを見つけて突破するか、郷田が松尾の飛車を押さえ込むか 差がつきやすく、どっちかが必勝形になりやすい展開」

この将棋、ここから、松尾の飛車をめぐる、盤面右、お互いの玉側での縦の戦いになった
通常の対抗形の展開とは違うな~(^^; そして、松尾が積極果敢に1筋から端攻め!
稲葉と聞き手の山田久美女流「激しくいきましたね~」

たびたび郷田が長考しているので、雑談があった
山田女流「稲葉さんは前期の銀河戦で優勝されましたが、考慮時間の使い方で気をつけていたことというのはありますか?」
稲葉「10回ある考慮時間は、まとめて使うと損と思ったので、なるべく小刻みに使うように心がけていました」
へ~、そうか ・・・ここで、ちゃんと考えてみることにする

ある局面から、3手指すと仮定して、最初の1手を指すのに考慮時間を一気に3回使ったとすると、
3分30秒考えることになる その後の2手で30秒ずつだから、3手で合計4分30秒だ
それを、1手ずつに分けて3手で各1回ずつ考慮時間を使うと、1手ごとに1分30秒考えれる計算だから、
3手では合計4分30秒・・・! あれー、結局、おんなじじゃん 
一気に使おうが、小刻みに使おうが、合計の数字では全く変わりないんじゃん(笑)
あ、この計算はNHK杯でも全く同じに成り立つんで、知っておくべきだな(^^;

郷田は、松尾の端攻めに対し、交換になって持ち駒になっていた角を打って受けた
松尾は攻めの左桂を活用させ、稲葉に「振り飛車らしい手ですね」と言わせている

郷田はどんどん時間を使い、まだこれからと思わせる局面で、30秒将棋になった
山田女流「早くも30秒将棋になりました」
稲葉「いやー すごいですね 時間がないと、いやあー、なんですけどね(笑)」

難しい中盤と思われる 松尾は5三の地点に、と金を作るべく垂れ歩の攻め
郷田の玉は、舟囲いで毎度おなじみの定位置である3二に玉が居るので、と金はいかにも厳しそうだ
稲葉「5三の、と金作りに対する受けがなかったですかね 郷田は攻め合いに出ましたね」

郷田も時間をなくしたが、松尾ももう全て使い切った 両者、▲0回vs△0回の30秒将棋だ
松尾も長考派だな~(^^;
局面、5三の地点に松尾の待望の、と金ができた
稲葉「これで郷田からの攻めがなければ、はっきり松尾良し」

自陣に火がつき、なんとか攻めたい郷田、秒を9まで読まれてギリギリ着手、持った駒が盤上でふらつき、乱れてしまい、指した駒が盤上で立ってしまった 「10」とは言われなかったが、あやうく時間切れだ
「すいません」という仕草を見せ、頭を下げる郷田 松尾は「いえいえ、いいですよ」と大きくうなずいて、「問題ないですよ」、とジェスチャーで返事をした
お互いのこういうところは、見習いたいねえ やっぱり気持ちよく、紳士的な態度で臨みたいものだ
マナーの悪い人どうしだと、時間ギリギリで着手した駒が盤の上で立ってしまっても、指した側は何にもあやまらないだろうし、指された相手は、時間切れの反則負けだ、と言いだしかねない
そんなプロは観たくないからね その点、この2人はマナーがいいわ

郷田は松尾の飛車を狙って攻め、飛車をどうにか取ったのだが、その代償が大きすぎた
飛車と、桂香香の3枚換えだ それに、郷田は5三の地点に、と金も作られている
稲葉「松尾がはっきり良くなった」
松尾の美濃は堅い 郷田の玉、舟囲いはもう見る影もない 

松尾が攻めかかり、郷田はどうするかと思っていると、攻めを催促! 
稲葉「これはまた、勇気にある手ですよ」
おおー、まだどうにかなるのか、と思ったが、松尾の攻めが的確で、郷田玉は召し取られてしまった
83手で松尾の勝ち 短時間で快勝だった 「5三の、と金に負けなし」の格言どおりになった

稲葉「すごく激しい将棋でした 最後は一方的になってしまいましたけどね 郷田が飛車を取れるかどうかの戦いの中で、松尾がうまく立ち回った 端攻めから積極的に動きつづけて、うまく戦果を上げた」

感想戦で、郷田「端攻めに対して、角を手放して受けたのが、もうすでに覇気のない手でした」
とのことだった 38手目の角打ちがもう早々に敗着か 残念だったな

感想戦の中で、稲葉が「この手はどうでしたか」と何度も割り入って訊いていて、対局者の2人が「なるほど、そうですね~」と納得していた
うん、今回の稲葉くらい、遠慮せずに感想戦に入っていって、いいと思う
TV棋戦の解説者は、TVで放送される時間の感想戦には、これくらい積極的に対局者に訊いて欲しい
ホントにじっくりした感想戦は、TVの放送時間が終わってから、たっぷりいくらでもやればいいのだ
解説者が対局中に解説していて、疑問が残った点を、感想戦で対局者に訊いてみて欲しい
それは多くの視聴者が望むことだと思う

稲葉が、裏芸とも言える中飛車で、郷田に快勝という一局だった
どうも、振り飛車側に十飛車の筋で3四の歩、舟囲いの玉頭の歩を取られると、居飛車側はその後の構想が難しくなるようだ
形勢は互角かもしれないけど、その後の手が広く、まとめにくくなる、というやつだ
あの強い郷田ですら、対応を誤ってしまったという内容だった

これで、ベスト4の準決勝は、羽生善治名人 vs 松尾 歩七段、 佐藤天彦七段 vs 渡辺 明二冠
この組み合わせとなった タイトルホルダーどうしの決勝も良し、松尾と天彦の決勝でも良し、面白い対局を見せて欲しい! 私個人としては、松尾に優勝して欲しいかな 
私は友人から「お前の将棋は、松尾と棋風が似ている」と言われたことがあるからだ(^^;
今、阪田大吉さんの「将棋のブログ」で、あさってから始まる、電王戦タッグマッチについてのアンケートが取られています 今日18日午前1時現在のところ、
・こういうのもアリだ・・・61件
・これはNGだ・・・45件
・どうでもいい・・・17件 

この電王戦タッグマッチの件について、私の意見を表明させてもらいます こんなおおげさな表現するのは、このブログを書きはじめて以来、初めてのことなのですが、それくらい重大なことと思います プロ棋士とコンピュータのタッグマッチ、今年はプレマッチをやり、再来年の2016年から、賞金を出して本格的にやるそうですね

今回意見を書くに当たり、まず私は、去年、ニコニコ動画で行われたタッグマッチを観てみました 5チームで行われ、佐藤慎一プロとPonanzaのペアが優勝していましたね 私は「プロがコンピュータの手を参考にしながら指す」という行為をすることに、嫌悪するのではないか?と観る前には思っていましたが、そんなことはありませんでした わき合い合いと笑いある中にも真剣勝負で、棋譜の内容が高度になり、長時間の放送を、楽しめました 面白かったです ただ、去年の方式では、どれくらいの割合でコンピュータの手を採用しているのかが、完全にはわからない仕組みでしたね 感想戦でプロが明かさなければ視聴者に伝わりませんね 

さて、ではタッグマッチを行うことに賛成派なのか?というと、私はこれまでは、「やりたければ、やればいい」と思っていました 今、現状では楽しめるだろうし、喜ぶお客もいるでしょう なぜ、冷めた言い方なのかというと、「この棋戦は短期間の内に、成立しなくなる棋戦」ということが私には予想されるからです 

5年、どんなに長くても10年も続かないでしょう どうしてかと言うと、もう今後はプロよりコンピュータのほうが圧倒的に強くなり、コンピュータの指し手に100%従ったほうがいい、という状態になることがもう想像に難くないからです 全部コンピュータの手を選ぶようになったら、もうこのタッグマッチの棋戦は成立しません 当然ですよね

今までは、人間とコンピュータのタッグ>コンピュータ>人間と思われた時代もありました でも、もう将来的には、コンピュータ単体>人間とコンピュータのタッグ、になることが分かっています チェスの世界では、現にもうそうなっているそうです コンピュータの指し手に、人間は考えを差し挟む余地がなくなるんです これは残念ですけどね

第2回電王戦で▲三浦vs△GPSの将棋で、GPSが全く人知を超えた指し手を続けて勝ってしまった、あの棋譜を見たら、ある程度棋力のある将棋ファンなら、それが分かると思います あの△8四銀からのずっと細い攻めをつないだ継続手の数々に、とても人間が途中で口出しできるもんじゃありません それに、約700台のコンピュータをつないだGPSじゃなくても、第3回電王戦では、たった30万円のPCの習甦が、中終盤、圧巻の指し回しで菅井プロを完敗に追い込んだ一局は、みんな観たはずです

タッグマッチでは近い将来には、100%コンピュータの手を採用とまではいかなくとも、重要な局面ではことごとくコンピュータに頼り、プロは序盤の作戦と、最後の絶対間違いのない単純な寄せだけを担当することになるでしょう このタッグマッチ棋戦、はっきり言って、5年続けばいいほうと思います もうチェスという前例があるのだし、今までのコンピュータ将棋の歴史や、電王戦での内容を観ていれば、それくらいの予測はつきますよ 

ちなみに、人間vsコンピュータの、5vs5の電王戦ほう、これは来年の第4回が「FINAL」です 5vs5の電王戦という棋戦の早い終局も、私には予想どおりでした だって、2007年のBonanzavs渡辺竜王の内容、あれを見れば、あの時点でもうコンピュータがトッププロに並んだことが明快に分かるじゃないですか? 2007年の時点で渡辺竜王が負けそうになったんですから、それから5年以上が経過して行われた電王戦って、プロが大負けすると予想するのが普通、でしょう

第1回電王戦で米長会長が戦う前のニコニコ動画の告知PV(プロモーションビデオ、宣伝映像)で、コンピュータに詳しいと思われていた棋士、連盟のモバイル部門の担当をしておられる遠山雄亮プロは、「まだまだこっちも弾は残ってるんで はっはっは」と高らかに笑っておられました (今でもニコニコ動画でそのPVは観れます) このときの遠山プロ、電王戦がたったの第4回で、3年後に終わる、ということが予想できていましたか? プロ10人が戦って2勝しかできず、もうこれ以上続けられんわ、ということで早々の終了を余儀なくされた、それが電王戦の事実じゃないですか それと同じく、この電王戦タッグマッチも、長くは続かない棋戦なんですよ 私は嫌味を言いたいんじゃないんです、こういう事実と予測が大事になってくるから、しょうがないんです

さて、だから、私は本来は、タッグマッチは、やろうがやるまいが「どうでもいい派」だったんですよ どうせ、5年くらいで終わる、のだから、観たい人が観ればいいし、観たくない人は観なければいい、私も観るかどうかは気分で決める、それだけの話でした

が! ここからが重要です あるブログの内容を読んで、考えが変わりました 即席の足跡《CURIO DAYS》 ここの9月15日付けの記事を読んで、ハッと気付きました これは、今、とんでもないことが起ころうとしているんだ、と、この記事がわからせてくれたんです 主張の多くは、もうここの記事に書かれてあるので、そちらを参考にしてください 私も全面的に賛同です 下にアドレスを張っておきます

http://blog.goo.ne.jp/nanapon_001/e/d8051fd58f664fd75917a7f7087042bf?fm=rss

私の意見表明、主張というのは何か?それは、「電王戦タッグマッチは開催してもいいが、プロ棋士が賞金を受け取ってはいけない」ということです これが私の言いたいことです プロがコンピュータを使いながら指すタッグマッチは、あくまで「遊び」、と位置づけておくべきです プロが賞金を受け取るのは、してはいけません! しかも、「竜王戦、名人戦に次ぐ高額の賞金」ということじゃないですか ものすごく危険です 賞金が多額であればあるほど、受け取ってはいけません!!

なぜ、危険なのか? 開催すれば、やっている最中は、それなりに盛り上がり、反対意見や雑音もかき消されるかもしれません しかし、このタッグマッチ棋戦は、早晩、終わる運命です この棋戦が終わった後に、何が残りますか? それは、「プロ棋士が対局中にコンピュータの手を参考にしても、高額の賞金がもらえた棋戦があった」という事実です これが残るんです 対局中にコンピュータを使ってお金をもらってしまうことは、今まで生きてきたプロ棋士全員がずっと続けてきた、「対局中は自分の頭で考えて一切の責任を取ること、それで賞金がもらえる」という大前提を崩すことになるのです

そして、いったんタッグマッチで賞金をもらったら、このことが、日本将棋連盟という組織が残る以上、今後永遠に、じわじわと効いてくるんです これからの棋士には、普通の棋戦で、「いかにコンピュータに頼りたい気持ちを抑えながら戦うか」というのが、大テーマとして伸し掛かってくるんですよ 手持ちの携帯端末、スマホやタブレットなどを使えば、たちどころにコンピュータが高度な手を示してくれる・・・ そんな時代がこれから来るんです ポケットの中にあるスマホで検索すれば、自分が考えるより、はるかに優れた手がわかる・・・ 対局室にスマホなどの持ち込みが禁止されても、プロは持ち時間が長いので、席を中座することが楽々可能です 別室のバッグの中にはスマホがある それで調べれば最善手がわかる・・・ そんな状況で、自分の頭で考えて指さないといけないんです

これからそういう時代が来るのに、「コンピュータの手を見ながら指しても、高額の賞金がもらえた棋戦が過去にはあった」という事実は、プロ棋士の頭の片隅に絶対に生き続け、プロ棋士を「コンピュータの手を参考にしたい」、「ちょっとぐらいコンピュータの手を見てもいいんじゃないか」と誘惑してくるのです 

これは、恐ろしいことです ほんの短期間、賞金をもらってしまったがために、プロ棋士のモラルを、そしてプロ棋士をプロ棋士たるべくしているもの、「対局中は自分の頭で考えて指して対局料をもらう」、というアイデンティティを根底から破壊しかねないのです この電王戦タッグマッチの高額の賞金というのは、一度手を出したがために、一生後遺症に苦しむ、まるで覚せい剤みたいなものだと思いますね 大げさじゃなく、です
   
ニコニコ動画のドワンゴ側に、悪意があるとは思えません 川上会長は、タッグマッチがいつまで続くかなんて、知ったこっちゃないのでしょう ただ一時の利益を追求しているだけです まあ、そのことは私は何とも思いません ドワンゴというのは、資本主義の中での株式会社で、利益追求が第一目的なのですからね でも! 連盟は違うのです 公益社団法人なのです 守っていくべき伝統、文化、理念があるのです

川上「お金をいっぱいあげるから、プロ棋士がコンピュータと組んで戦う大棋戦を作りたい、いいよね?」
谷川「あ、はいはい 何だかよくわからない棋戦だけど、お金をいっぱいもらえるんですね いつも本当にありがとうございます」
今の状態は、こういう状態じゃないですか 谷川会長しっかりしてください! そして片上理事、コンピュータに疎い谷川会長を助けてあげてください!

谷川「あれから考えましたが、対局中は自分の頭で考えてこそ、お金がもらえる それがプロのプロたるゆえんです コンピュータの思考を見ながら戦う以上、プロ棋士にとっては遊びにしかなりません 遊びではお金は受け取れません それに、私のところの組織は、公益社団法人なのです 利益追求が目的の株式会社とは違います ですから、やるとしたら賞金抜きでやらせてもらいます」
誰か、谷川会長にこう言わせてください! 今のままでは、ホントに高額の賞金を受け取ってしまいます

橋本崇載プロが、反対運動を起こす、とのこと 全面的に支持します ただ、私はタッグマッチ自体は、やってもいいと思うんです プロもコンピュータを使って楽しく遊んでもいいと思います もう、名人戦の舞台でもコンピュータが事前に発見した手が指され、それが勝敗を分ける重要な要素になる時代です プロもコンピュータを使って棋力を上げようということ自体はいいと思うんです  

だけど、対局中にコンピュータを使って、その結果、高額の賞金をもらってしまうことは、本当に危険極まりない、将来に大きな禍根を残すことだと確信します 非公式戦だからいいだろう、じゃダメです 賞金をもらってしまうことに、大問題があるのです

とにかく、プロ棋士のみなさんは、まず議論をするべきです 話し合いもなーんにもなくて、ただ川上会長と谷川会長の間だけで、こんな大棋戦が成立しそうな流れになってるじゃないですか もう連盟のページにも、2016年からこの棋戦を作る、と書いてありますしね まず、理事会、そして臨時の棋士総会を開くべきです こんなときのために理事は居るし、棋士総会もあるのでしょう?

棋士のみなさん、今、考えないとダメです 賞金をもらって既成事実ができてしまってからでは、遅いんです 今まで、プロ棋士は「対局中にコンピュータに頼らないのは当たり前のことだ」として、モラルだけでなんとかコンピュータと付き合ってきました でも、今、もうちゃんと考えなければならないときが本当に来たんです! 再来年には高額賞金を賭けたタッグマッチが始まってしまいます それまでに、「コンピュータを使用した対局では、プロ棋士は賞金はもらえない」という取り決めを、きちんと制度として作らなくてはいけない時が来たんです!

利益追求の株式会社ではない存在、日本将棋連盟という公益社団法人を、今こそ、正会員であるプロ棋士のみなさん一人ひとりが守ってください! この一件、本気で考えてください!      
ベスト8の3試合目、佐藤天彦、羽生に続きベスト4を決めるのは誰か
おお~、渡辺と康光の激突か 大物どうしの対決だ 解説は、前期優勝の稲葉、聞き手は山田久美女流だ

渡辺は今期ここまで4勝5敗 Gブロック最終戦で山崎に勝ち、決勝トーナメント1回戦でナルゴン(畠山成幸)に勝ち
康光は今期ここまで8勝2敗 Hブロック最終戦で村田顕弘に勝ち、決勝トーナメント1回戦で村中に勝ち
今期の成績は、渡辺はいまひとつ、対して康光は好調だね

解説の稲葉「渡辺は現代的な将棋、玉を固めて細い攻めをつなぐのがすごくうまい 事前研究も深くて、勝ちやすさを重視した将棋
康光は序盤から自由、時に大胆な作戦を用いる 中終盤は力強くまとめてくる 渡辺とは対照的な将棋かなと思う お互いに銀河戦は3回優勝している」
2人の対戦成績は、渡辺17勝、康光21勝とのこと

最近、個人的にちょっと気になっていることなのだけど、棋士の駒の置き方がどうかだ
今回の2人、渡辺は駒を升の下のラインに合わせて置いている 康光は普通に駒を升の真ん中に置いている
駒を下のラインに合わせて低く構える置き方、プロ間でかなり流行しているなあ
そのうち、上のラインに合わせて、高く構える置き方をした棋士が出て来たら、どうするんだろう
すぐに襲い掛かるよっていう置き方だ さすがに、なんかそれは相手に失礼な気がするがどうかな

さて、先手渡辺の居飛車に対し、後手の康光の選んだ作戦は、角交換のダイレクト向かい飛車!
私は、やったーと思った 振り飛車が見たかったんだよね
渡辺は研究範囲、とばかりにすぐに▲6五角と両成りに打ち、早々に駒交換がある手順に進んだ
稲葉「激しい変化になってますけど、定跡どおりの、よくある進行です」

渡辺は角と歩を、康光は角と金を駒台に乗せる、という、このダイレクト向かい飛車の独特の序盤だ
稲葉「角交換はよくあるんですけど、金まで駒台に乗る定跡はめずらしいですよね」
▲6五角の変化を、後手側を持って互角に受けきれると、最初に見抜いた人は素晴らしいねえ
誰だか知らないけど(^^; 後手番の作戦の幅が広がるのは、将棋の面白さが広がり、大変いいことだと思う

最初の駒交換が終わり、まだしばらく駒組みかな、と思っていると、康光がいきなり魅せた
稲葉「康光側としては、銀が上がりたいのですが、すぐ上がると▲5五角の、飛車香両取り (それも飛車にもヒモがついてない)があるから、銀は上がれないんですよ」
と言った直後、康光はなんと銀上がり~!! おおおーー
渡辺に、飛車香両取りの▲5五角を打って来いと誘う康光の序盤の構想!!
稲葉「いや~! いや~! すごいですね」
山田女流「康光らしい手ですね」
こ、これはすごい こんな序盤に相手にわざと両取りをかけさせて、それで指せるっていう驚愕の発想、今までで見たことないわ~ すげえーー これぞ康光流!
稲葉「相手が弱かったら、うっかりしているのかと思いますけど、康光は読み筋ですからね」
この一手だけでも、並のプロには絶対指せないぞ 康光、魅せたな~ パチパチパチ

渡辺は挑発に乗らず、▲5五角は打たなかった じっくりと受ける方針のようだ
渡辺はパッと見には意味不明の端歩突きを指すなど、実に繊細に指している
稲葉がすかさず解説してくれるおかげで、ようやくなるほど、と意味がわかる
山田女流「解説を聞いてみないと、何で端歩なんだろうって思いますけど、ちゃんと意味があるんですね」
うむ、もし解説者が山田女流だったら、全然解説できないと思う(笑) 
さすがに重量級の2人、序盤からこのレベルの高さ! いいよいいよー

どちらから動くのかという場面で、先に重大な決断を下したのは、康光だった 
△5四角と筋違い角を打ち、何が何でも、飛車先を逆襲しますよ、と宣言だ
稲葉がまた変化を色々と解説してくれ、すぐには渡辺が悪くなるわけではない、とのことだ
山田女流「なんか、うまくできてるパズルを見てる感じですね」
全くだわ 変化は多くてもまだまだ互角か 形勢を良くするのは大変だな~

何だか、この対局、空気が重い ピリピリしているのが、局面や2人の時間の使い方から伝わってくる
今までの、他の対局とは違う これはすごいな~ 盤面から、空気の重さを感じさせるとは・・・!
稲葉「康光の陣形はバラバラですけど、こういうのを康光はうまくまとめるんです 私はマネができないんです(^^;」
▲自然な形で受けようとする渡辺vs△強引に技をかけにいっている康光という図式だ

難解な中盤に突入した ホントに難解、居飛車vs振り飛車の対抗形の手の見え方には
私は少々自信があるのだが、この一局は手が見えないな  
康光の後手側は金が一枚持ち駒、その分、玉の守りが薄いのだ 
一手で局面がガラッと変わってしまうし、やったらその分、やり返される、という計算をしないといけない
果たして、どっちが読み勝つか?
稲葉「渡辺が少し失敗したような感じがある 少し受けが変調  渡辺は少し苦しいくらいの変化でもしょうがない」
いやあー、渡辺は、丁寧に受けようという意図が手から伝わってきたけどな それでも悪くしたのか

そろそろ終盤、渡辺は、遊んでいた銀を使い、玉頭銀に出て勝負をかけた これが間に合うか?
康光、相当手が広いところだ どうする・・・? と思って観ていると、金をベタッと打って、強引に相手の飛車を取りに行った~ うわー、こりゃ、またかなり強引だな 発想は康光らしいが、どう出るか?
稲葉「金・・・ 金ですか 狙いがわからない」
解説の稲葉は、ちょっと真意がわからないといった感じだ

この康光の金打ちに対し、渡辺が実にうまく立ち回った 飛車を取られる最後のギリギリまで働かせた
そして飛車を犠牲にして豊富になった持ち駒で反撃に転じた渡辺、玉頭銀の上からの攻めと、垂れ歩の横からの攻めで、厳しく康光玉に迫る  康光も強気の攻め合いに出たのだが・・・
稲葉「ホントにこの渡辺の攻めを康光は受けきれるのかな 渡辺が良くなった感じです」
渡辺の、あの間に合うのかと思われた玉頭銀が、ものすごく攻めに効いてきている

手が進んだが、稲葉のコメントが明快になってきた
稲葉「はっきり渡辺が良くなりましたね 渡辺がどう勝ちを決めるか」
そして、渡辺の手は緩まなかった 最善と思える順を逃さず、きっちり寄せを決めて、確実に勝ちきった
77手で渡辺の勝ち 最後は差がついていた 

稲葉「康光が意欲的な指し回しで少しペースを握ったのかという感じでしたけど、渡辺は玉形をうまくまとめて、反撃がうまかった」

感想戦で、序盤の康光の▲5五角の両取りをわざとかけさせようという構想には、渡辺「最初、ポカなのかと思った いやー びっくりしました」
中盤以降は、2人が何を言っているのかが、実に難しかった(^^;
まあ、対局者の2人も、どうすれば良かったのか、苦慮している局面が多くあった
普通の居飛車vs振り飛車の対抗形とは、何か違うな~
それにしても、感想戦で出るどんな変化に対しても、候補手がポンポン口から出るのは、さすが渡辺や康光としか言いようがないね 一流プロがホントにすごいと思う瞬間だ

康光の直接の敗着は、強引に金で飛車を取りにいってしまったこと、ということだった
康光は飛車は取れたのだが、その飛車が攻めに役に立たなかったから、負けたということだ
そこを見切って、渡辺は飛車をわざと取らせて、攻め合いを選んだのだ うーん、強いわ
今回は渡辺が一枚上手だったね 
序盤~中盤は康光がリードしたようだが、渡辺が終盤で一気に抜き去った、という内容だね

感想戦の最後に、山田女流「佐藤九段は、こちらの解説陣が驚く手がけっこうあって」
康光「そうですか けっこう自然に指したつもりですけど」
これには、みんな笑っていた  康光、終盤では失速したけど、序盤の▲5五角の両取りをわざとかけさせようという手順、あれはホント、魅せたわ まあ、また例によって、怖すぎて他の棋士は誰もマネしない手順だろう(笑)

この一局、序盤から緊迫感が盤面から伝わってきて、空気がピリピリと痛いのが感じられた対局で、すごく良かったわー 全体を通して、ものすごい緊張感だったもん これぞ、一流プロどうしの将棋!
盤上の空気が画面を通して伝わってくる、TV将棋の醍醐味だ 満足だ!
毎週火曜は、女流王将戦の模様をお伝えしている 囲碁将棋チャンネルで先週の土曜に放送があった分だ
さあー、今回は1回戦で、一番注目の対戦だ 矢内さんと、蛸島さん!
矢内はもちろん有名人で大注目だし、ベテランの蛸島さんの実力や、いかに? 楽しみだ
解説は千葉幸生六段、解説は山口恵梨子女流だ

矢内は、昨年度11勝7敗 通算成績356勝221敗 0.617 34歳
予選で、中村桃子女流初段、貞升女流初段に勝ち

蛸島(たこじま)は、昨年度2勝5敗 通算成績325勝309敗 0.513 LPSA所属 68歳
予選で、安食女流初段、船戸女流二段に勝ち 

矢内さん、昨年度の対局数が18局かあ もっとあるかと思ってたけどな
女流って、一人当たりの年間の対局料の平均額って、いくらぐらいなんだろうか(^^;
蛸島さんは、68歳! 大ベテランだ なお、蛸島というのは結婚前の旧姓で、現在の本名は武田だそうだ
旧姓のままのほうが、私はいいと思う 将棋界に、その名前で売ってきて実績を作ってきたのに、途中で名前を変えるのはもったいないと思う 矢内さんは、結婚したけど名前を変える様子がない、いいね!

解説の千葉「矢内はずっと居飛車党だったんですけど、ここ数年は振り飛車も取り入れて、 幅広い戦法を指しこなしています 安定した手堅い棋風 今、女流棋士会の会長
蛸島は振り飛車党で、昔からずっと中飛車を得意としています 形にこだわらない力強い棋風 蛸島は女流棋士の創設に尽力した人 蛸島の力強いさばきを、矢内がどう押さえ込むかが見所になりそう」

先手矢内で居飛車、後手の蛸島はゴキゲン中飛車になった 一目散に穴熊に潜る矢内
矢内の▲居飛穴vs蛸島の△ゴキゲン中飛車+美濃になった
千葉「矢内は、数年前までは、居飛穴を指さないので有名だったんですけどね 最近は振り飛車を指すし、棋風が変わった」
これ、矢内が振り飛車退治の本を出した頃から、棋風が変わったと記憶している
2009年に発売された「矢内理絵子の振り飛車破り」という本の帯には、「私はこれで戦います!」とデカデカと書かれていた ところが、その本が出版された後、めっきり矢内はその本に書いてある戦法を採用しなくなって、変わって居飛穴や振り飛車を指すようになった・・・(笑) まあ、本を出して、気持ちが一区切りついて、気持ちが変わったんだろう(^^;

さて、蛸島が5筋の位のついでに、3筋の位も取り、浮き飛車にして石田流に組むことに成功した
んー? なんか、安々と、あっさり蛸島に好形に組まれてしまったように見えるのだが、矢内、大丈夫?
千葉「蛸島としては、まあまあな序盤 機敏に立ち回った 矢内の右銀は穴熊から離れてしまっている 穴熊をやっていて、イヤな感じのする局面」

雑談で、山口女流「矢内は、自分自身の棋風を『手堅い棋風』ということです どこを観て欲しいか、は『一手一手の積み重ね、流れを観て欲しい』とのこと
蛸島は『攻めたいと思いながら、守りを読んでしまう棋風』とのこと」

序盤の駒組みが一段落したところ、
千葉「蛸島は、昔は角道を止める中飛車だったんですが、今風にチェンジした この局面は蛸島のほうを持ちたい」
そうだよな~ 蛸島のほうからだけ、仕掛ける権利がある 矢内はもう相手が来るのを待つしかない 矢内、無策に穴熊に組んで、序盤、堂々の作戦負け! 
駒がぶつからないうちから苦しいな~ こんなにあっさりと作戦負けに陥ってたらダメじゃん 私は矢内を優勝候補と思って観てるんだけど・・・? 

ここで、2人の対戦成績を山口女流が言った
山口女流「矢内10勝、蛸島0勝です」
うへー 何それー 大差どころではないな これには千葉もびっくりだ
千葉「しかし、本局では今までの借りを返すべく、蛸島は軽快にさばいてますね」

蛸島から仕掛け、振り飛車がいい感じだ 矢内は苦しい受けを強要された
まだまだ戦いはこれからだが、模様は蛸島良し!
千葉「じっくりと、落ち着いた手を指していれば、蛸島が充分な形勢」
と、言っていた、まさにその直後だった 蛸島、何を思ったか、いきなり飛車をぶった切った~!!
な、何じゃそりゃーー!! 模様良しっていうのに、何で飛車切って大勝負に出るの???
千葉「若々しいですね~(^^;」
山口女流「まさか、切るとは・・・」

蛸島、この後に何か特別な手でも用意してるのか?と思ったが、蛸島はそんな手を指さなかった
千葉「蛸島の手は、ソフトな攻めですね」
矢内の受けもちょっと変、と千葉が解説、危ない筋もあるとのことだったのだが、蛸島はことごとくそれらの攻め筋をスルー おーい、蛸島、チャンスを逃してるんじゃないの
そして、決定的な事が起こってしまった 蛸島、無条件に桂を殺されて、取られてしまった
これ、ホントに無条件の駒損・・・ 桂を助ける手はずっと前からあったのに、放置した結果、歩を打たれて桂がタダで死んだ こういう駒損をしちゃいけないって、アマ低級者レベルの話なんだけど・・・

駒得した矢内、盤面左側に駒を集中させ、すごく手厚い形を築くことに成功した
千葉「矢内がうまく陣形をまとめましたね 穴熊が堅い」
この矢内の駒のまとめかたには、千葉も感心していた
後は、もう一方的だった 蛸島が粘りを欠いた手を指していることもあり、矢内が怒涛の寄せを決めた
桂を殺して、駒得がはっきりしてからは、大差がついた終盤となった 97手で矢内の勝ち

千葉「序盤から蛸島がどんどん攻めて、ペースを握ったかなと思うんですけど、ちょっと途中で攻めあぐねてしまった 矢内は優位に立ってからの指し回しは手厚くて、無理がなくてうまかった」
千葉の解説、今回は良かった 千葉の予想がことごとくハズレまくり、「あら~ 全然当たりませんね~」と苦笑していたところは笑えた 千葉の解説の手のほうが、実戦の2人の手より良いと思えた場面が何度あったことか(^^;

早く終わったため、感想戦を詳しくやってくれて、良かった 
序盤で矢内が作戦負けしたあたりと、中盤で蛸島の桂が死んだところがポイントとなっていた
矢内「序盤は右銀の処置に困っちゃって、わかんなくなっちゃった」
千葉「(中盤で蛸島が)桂を取られちゃったのは、けっこう痛かったかな」
蛸島「いいところなかったですね 最後ね」

この一局、言いたいことが色々ある・・・ まず、蛸島さん・・・ せっかく作戦勝ちだっていうのに、飛車をいきなりブチ切るっていうのは、なぜ??? どこからそういう発想が来るかなあ
模様がいい場合に、一気に一か八かの手を放つっていう攻めの組み立ては、ありえない発想でしょう
勝負手っていうのは、形勢が悪いほうが出すもんですよ  
強い人ほど、いきなり勝負がつく単調な手っていうのは、嫌うもんなんだけどね
まあ、それは個人の好みかもしれないので、置いておくとしても、あの中盤での無条件の桂損、あれだけはないわー あまりにあからさまな桂の殺され方 桂の頭に歩を打たれて桂が死亡 ホントにそれだけ、技でも何でもない これを食らうとはアマ低級者レベル・・・

矢内さんにも言いたい 序盤、あまりに無策に作戦負けになりすぎだわ
アマチュアの将棋と違って、この女流王将戦の場合、対局相手は事前に決まっていて、相手はゴキゲン中飛車が得意な蛸島さんということが分かっていたはず 事前に研究しようと思えば、簡単に出来たはず それであの序盤の作戦負け・・・ 
昨年度は18局しか対局がなかったのでしょう?  
もっと一局一局、相手を想定して、序盤くらい研究して対局に挑みましょうよ
矢内さんは、たしか半年くらい前のTV番組で「仕事をいっぱいください」と言っていたけど、女流棋士の一番の仕事って、対局じゃないんですか? 

厳しい言い方になるが、蛸島さんは24では2000点に全然行かないだろう
24の2000点はもっと強い 私と蛸島さんなら、どっちが強いか 
この一局を観るかぎり、私でも勝てそうだけどな 怖さ、粘りが全然感じられない
矢内さんは、まだ子供が生まれていない、今がもう最後のチャンスかもしれないので、がんばって欲しい!
子供が生まれたら、世話が大変で将棋の研究どころじゃなくなりますよ
私の妹は今1歳半の子供がいて、妹を見ていてそう思います 

問題は、実は蛸島さんにだけあるわけではない、蛸島さんは、この女流王将戦、予選を2回勝ち抜いて本戦に出ている、ということだ もうね、この蛸島さんに2回も勝たしてはいけないだろう(^^;
女流棋士の本分は、やはり将棋の強さにある、と思いたいんです 多くを望んでいるわけではない、女流棋士のみなさん、24で2000点ぐらいの実力は全員がつけてください! 
私に「さすがプロ、少なくとも私よりは強いわ」と思わせてください 頼みます!
現状での女流棋士の実力不足が露呈した一局で、ある意味では私の期待どおりの物が見れた(^^;
小林裕士 七段vs谷川浩司 九段 NHK杯 2回戦
解説 豊川孝弘 七段

小林裕士は、185cm、105kgとでかいので、私のブログではデカコバとニックネームをつけている
この人、なかなかの隠れた実力者なのだ 
対するは、会長のタニー! タニーは、NHK杯ではここ5年連続、初戦負けだ
2回戦からの登場は、今年が最後か? なんとかがんばって欲しいところだ
タニーの対局姿は、相変わらず、めっちゃカッコイイなあ 指し手でもカッコイイ手が観たい!

デカコバは1997年四段、竜王戦1組、C1 1回戦で鈴木大介に勝ち 9回目の本戦出場
タニーは1976年四段、竜王戦2組、B1 B1以上に在籍のため本戦にシード 35回目の本戦出場
 
清水「10月から、豊川さんは将棋講座の講師をなさるそうですね」
豊川「15年くらい前ですかね 一度やらしていただいてるのでね 準備が大変です 大変なことになってます(笑)」
今、ウィキペディアで調べたら、「1999年度後期 ファイター豊川のパワーアップ戦法塾」というのを豊川さんはやっていた 1回ごとに戦法を変えて、講座をやってくれたらいいね

豊川「東京には小林宏七段というのが居ますけど、大阪の小林裕士七段はプロ間で評価が高いんですよ 早見え早指しでね 中、終盤タイプ NHK杯に9回出てるってことは、(順位戦がC1なので)予選を勝ち抜いているということなんですよ 体も大きいですけど、将棋もスケールが大きい
谷川先生と言ったら、王道の将棋 最近は振り飛車も指しますけど、居飛車が基本 やっぱり何と言っても光速の寄せ 終盤の切れ味はプロ間でもあこがれの的 今回も期待してるんです」

事前のインタビュー
デカコバ「谷川九段は、中盤から徐々に力を発揮する将棋 終盤勝負になってはまず勝てないと思います 最初から時間を使って悪くならないように考えていきたいと思います 3回戦進出を目指してがんばりたいと思います」

タニー「(今年の夏はいかがお過ごしでしたか、という清水の質問) 8月は学生の大会、天童と福岡へ行ってきましたけれども、夏休みも取れましたので、家族でのんびりすることもできました NHK杯はホントに、ここのところ初戦で敗退することが多いんですけども、精一杯、相手は後輩ですけども、負けないようにがんばります」
 
豊川「タニーが振るかどうか 中終盤は2人ともすごい手が見えますから、つばぜり合いになるんじゃないか」

そうそう、本局でも記録係を務めている、黒沢怜生(くろさわ れお)三段が、四段に昇段したってね
おめでとうございます もう顔を知っている人なんで、新しく覚える必要がなくて、こっちは楽でいいわ(笑)
22歳、振り飛車党だそうだ

先手デカコバで対局開始 あー、デカコバは、モロに駒を升目の下のラインにそろえるタイプだな
タニーの駒の置き方と全然違う、一目瞭然だ

タニーの作戦が注目されたが、居飛車だった 横歩取りの流行形になった
デカコバの中住まいに対し、タニーは△8四飛+△5二玉型だ

雑談で、豊川「デカコバは、苦しくなったときに、あきらめが早いのが弱点」
清水「阿部隆さんは、デカコバはもっと活躍していいとすごく高く評価していました」
豊川「阿部隆さんは10年以上前、小林君は強いで、と言っていた 田中魁秀門下の中で一番の才能と言っていた 兄弟弟子の福崎、佐藤康光はどうなっちゃうんだろうと僕は思った」
清水「好きな駒は、デカコバは飛車が好き、タニーは角と桂が好き、とのこと」

2人の対戦成績、デカコバ2勝、タニー0勝だそうだ これを見た豊川、かなりびっくりしていた
豊川「谷川さんに2勝はすごいですよ!」
あの~、豊川さん、解説をするんだから、事前に調べておきましょうよ(^^;

さて、駒組みはだいたいこんなものか、というところまで来た
そこで先手のデカコバのほうから7筋から仕掛けた 7筋は後手から仕掛けそうなものだけどな
そして△4二玉の早逃げに▲7六飛の転回・・・ うわー こんなところまで定跡か
豊川「横歩取りはホントに難しいですね」
じっくりした戦いに進んでいるなあ、と思って、私はまだのんびり構えていた
タニーが2五で桂をぶつけ、桂交換になっても、まだ戦いはこれからだろう、と思って観ていたのだが!

なんと、急にタニーが動いた △9四角の端角、一発! うおっ 何だこれは!?
豊川「痛いですね 痛い かゆくないですね 痛い!」
この△9四角という手、豊川の解説によると、先手の飛車と玉がナナメのラインで狙われていて、デカコバは飛車が逃げても、桂打ちの追撃があり損害が免れない手、ということだ 
うわー こ、こりゃ、もう早くも技ありじゃん こんなに早く技あり? それも、もう勝敗に直結しそうなくらいの差がつく手じゃん!

豊川「ここでデカコバが考慮時間を使ったら、たぶんうっかりですよ」
デカコバ、どうする・・・ したらは、考慮時間に入った~ これ、うっかりかあ! あ、あっちゃーー
豊川「いやー、横歩取りはホント怖いんですよ」 
これはやったな、もうタニー、大優勢は間違いない 気が早い人なら、投了も考えたくなるような技が決まってしまったな~ が、デカコバ、まだ粘っている
豊川「善悪は別ですけど、デカコバが力を出した手ですよ」
しかし、駒割は飛車桂交換で、タニーの大得 これはいくらなんでもでかいなー

あとは、タニーがどう決めるかだが、光速流、炸裂なるか?
清水「決まってますか?」
豊川「順調のような気がします ここで魔法のような一手があります」
タニーの手は、十字飛車狙いの合わせの歩だった
豊川「歩は、上手に使うと、光輝くんです デカコバはツライ時間が続きます」
デカコバ、桂を自陣に貼り付けて、なんとか粘ろうとしている タニー、あと一息だ、決めれるか?  
まさか、タニー、これを負けないだろうな? 何しろ、去年度のタニーの成績は14勝22敗 0.389だからなあ

と心配していたところだった、タニーが飛車をズドンと切っていった~ おお~ 
清水「あ」
豊川「いやいや 光速が出たかもしれないですよ」
やったー、タニーが光速の寄せを決めた! と、喜んだのも、つかの間だった 
飛車を切った直後の手順を見て、
豊川「タニーの決め方に手順前後があったと思います これ、しっかり決めないと、攻守入れ替わりますよ」 
ええー、タニー、決め損なったのか うそやーん 大丈夫? 

ここから、よもやの攻め合いに! と金を作って攻めるデカコバ
豊川「デカコバもギリギリで、くっ付いていっている」
どっちが早いかの終盤になった タニー、残してるか~? この将棋が何でこんな心配をすることに(^^;
豊川「デカコバは下駄を預けましたね」
デカコバの玉、寄ってるか? 先手玉を歩で叩くと・・・ 即詰みが、あった! デカコバ、投了 
100手でタニーに勝ち  あー、ドキドキした まあ、2手違いだけど、ふう~っ、っていう感じ

豊川「横歩取りの流行の形にタニーが誘導して、序盤から激しく行った △9四角の端角が厳しかった そこまでのタニーの攻めの構想がうまかった もしかしたらデカコバにもっとうまいがんばりがあったかもしれない タニーの気合いが鋭かった一局」

終局直後、タニー「いやー ひどかった なんか逆転されそうでしたねえ」
・・・やはりタニー自身もそう感じていたのか こんな混戦になる将棋じゃないはずだもんね  

感想戦は、ポイントのところをやってくれた 重要な駒組みのところで、
デカコバ「練習での手を思い出せなかった」
おい~、それが敗因か~(^^; デカコバ、頼むよ~ △9四角以降は、練習将棋なら、もう検討打ち切りだろう
△9四角打たれてはダメなのでそれ以前を考える、というのがプロの将棋だろう
事前のインタビューで、デカコバは「早い段階で悪くならないように時間を使いたい」って言ってたのにな~ 
タニーも、この手が入ったのは存外だったようで、
タニー「きれいに決まりそうな感じになりそうだったので、(本譜は)意外だった」

しかし、タニーはきれいに決めきれず、タニー自身、「本譜、寄せの調子は変ですよねえ」
変! 変だったよ もう~ ちゃんと勝てるかどうか、ドキドキしたよ
飛車を切ってから、一気に行けず、角を引き上げてるようじゃ、明らかにおかしいもんね
豊川の指摘した変化の順に、タニーはうなずいていた
んー、まあ、でもとにかく勝ちきったか 光速じゃなくて、急行くらいの寄せだったけどね(^^; 

中盤早々に、タニーの△9四角の技が決まり、相当の差がついた
その後はタニーが寄せをもたついたこともあり、デカコバは粘ったが届かなかった、という一局だった 
タニー、光速の寄せはもう過去の話なのかなあ でも、勝ったということは、次があるということだ
タニーの次戦に期待したい! 
王者、羽生四冠の登場だ 迎え撃つは、新A級の広瀬 NHK杯のほうでは、森下に惨敗してしまったが、
銀河戦はいい内容で、安定して勝ち続けてここまで来た 羽生を止められるか

羽生は今期ここまで11勝1敗 決勝トーナメント1回戦で阿部光瑠に勝ち
広瀬は今期ここまで11勝5敗 決勝トーナメント1回戦で高見に勝ち 

解説の戸辺「羽生名人は銀河戦、何回も優勝されていますので、ここまで勝ち上がってきたのは順当 前局の阿部光瑠戦は、危ないところもあった
広瀬は前期優勝の稲葉に勝ってきている 両者ともにオールラウンダー」

あら、羽生も駒を升目の下に揃えて置くタイプの棋士なのね 初形から低い陣形に見える
2人の対戦成績が出て、羽生の8勝、広瀬の4勝とのこと
それにしても、羽生の今期の成績がとんでもない数字になってるなあ 誰か止めようよ(^^;

先手羽生で、ノーマル角換わりの相腰掛け銀になった
聞き手の古河「後手から角交換して、一手損角換わりなんですけど・・・」
戸辺「あー 本局は普通の角換わりですね ▲7七角と上がっているんで、一手損じゃない」
古河「あ、▲7七角が入ってましたね そうですね」
おーい、古河さん、あんたもプロやろ~ それくらい、見分けようよ~(^^;

さて、じっくりした駒組みが終わり、羽生から仕掛けていった
戸辺「羽生の攻めを広瀬が持ちこたえられるか 羽生は近年、棋風が攻撃的になっている 駒損をしても、駒をいいポジションに持ってきて、細い攻めをつなげている」
本局の羽生も積極的に出た 羽生が桂損ながら、馬を作って攻め立てた
が! しかし、羽生の馬が、盤中央の5五から、9一のそっぽに追いやられる、という展開になった
別に香を取ったわけではない
これは? こんな僻地に馬が追いやられては、羽生が悪いように見えるが??

戸辺「んー ちょっと羽生の攻めが細い気がする 広瀬のほうが模様がいいんじゃないかな 広瀬が桂得だし、指せそう」
んんーー?? いくらなんでも、これは広瀬がいいやろ?? 羽生、攻め間違いか

広瀬は色々と手が選べるところだったが、受けきりでなく、攻め合いを選択した
広瀬、駒損して羽生玉に迫る 羽生もやってこい、と催促し、激しい終盤に突入した 
局面が進むにつれ、
戸辺「先ほどまでは、広瀬のペースかと思っていたんですが、そんなことなかったんですかね?」
金銀の打ち換えで千日手模様か、と思われたが羽生が打開
おいおいおい、もうどっちが勝つか、全然わからない展開になってるじゃん
戸辺「羽生の作った、桂3枚の囲いが堅いですね」

手数は長く続いたが、結局、広瀬は羽生の玉に迫ることができなかった 
最後は羽生は金2枚を余して広瀬玉を詰まして勝ち
2人の終盤力の差がモロに出たかっこうとなった 131手で羽生、けっこう余裕の勝利

戸辺「羽生から仕掛けて、細い攻めをつなげる展開だった 中盤は広瀬のほうが指せるんじゃないかと思ったんですけど、実はそうではなかったか、 あるいは羽生の強さで逆転したか 羽生の中盤の強さが光った一局」

感想戦が5分くらいあったのだが、これがポイントのところから始めてくれて、ナイスだった
問題の中盤はどうだったか、という話になり、やはり広瀬のほうが良かった、とのこと!
羽生の攻めを受けきる順があった、と両者の認識が一致 
広瀬、攻め合いに出たのが痛恨の判断ミスだったのだ!
羽生の馬が9一に追いやられた局面について、
羽生「これじゃあ、つらい」
そうだよね いくらなんでもそうだよねー 香車を取るわけでもないのに、中央の5五に居た馬が無条件で
9一に追いやられては、つらいよねー 当たり前だよね

広瀬は、勝つチャンスが充分にあったのだ ああー、何で逃すかなー
1回戦の羽生vs阿部光瑠では、光瑠が単純な2択を誤り、受け間違えて羽生の攻めがつながり、羽生辛勝
このベスト8でも広瀬の判断ミスか んーー、納得がいかないなー
広瀬はもうトッププロなんだから、正確に指して欲しいよ
羽生は他の棋戦で疲れているので、全力が出なくても仕方ないと思える
羽生が大きなミスをしたら、相手はちゃんと正確にとがめて、勝ち切らないといけないだろう
9一に馬を追いやった、あの局面から勝てないのか 広瀬・・・ ああ~orz
広瀬は今期の銀河戦、相当いい内容で勝ち進んできたのに、よりによって羽生戦で精度が落ちたか~

羽生が完璧に指してきたのなら、もう負けは仕方ない でも、そうじゃない
1回戦、そしてこのベスト8と、羽生はかなり大きなミスをしても勝ち切った
相手のプロは何やってんの、と言いたくなってしまう 羽生はミスしてるのに勝たせてちゃ、ダメじゃん
私は羽生も好きだが、強い棋士っていうのが観たいのだ もう決勝トーナメントなのだしね
相手の大きなミスは、正確にとがめて、勝ち切る! これ、プロの条件! 頼みますよ~

羽生、仕掛けが疑問で不利になったが、広瀬の判断が悪く形勢混沌、長い終盤は羽生は実力差をいかんなく見せつけ、投了図では余裕の勝利、という内容で、ベスト4進出となった  
銀河戦も、いよいよベスト8まできた 田中悠一四段vs佐藤天彦七段、羽生善治名人 vs 広瀬章人八段
佐藤康光九段 vs 渡辺 明二冠、松尾 歩七段 vs 郷田真隆九段
そうそうたるメンバーの中にあって、今日登場の田中悠一だけが、実力的に落ちるように
思うが、どうなのか 前局で豊島に勝っていたが、あれは豊島の不出来な将棋だったと思う

田中悠一は、決勝トーナメント1回戦で豊島に勝ち 今期ここまで2勝7敗 竜王戦6組、C2
佐藤天彦は、決勝トーナメント1回戦で森下に勝ち 今期ここまで10勝5敗 竜王戦1組、B1

解説の戸辺「田中は本戦で6人抜きして、豊島にも勝って今すごく勢いに乗っている 振り飛車党
天彦は本戦で森内竜王に勝っている 確かな実力を示している」
2人の対戦成績は、1-1のイーブンとのこと

駒を並べ終わって思ったのだけど、2人とも、升目の下の線にきっちり駒を合わせて置いている
けっこうこのスタイルの人、多いね まだ一手も動かしていないのに、低い陣形という印象を与える(笑)

先手田中で、田中の角交換四間飛車になった ▲田中の美濃vs△天彦の銀冠だ
序盤を田中がうまく進めた、と戸辺
戸辺「振り飛車側が、1筋、7筋、8筋の3つも位を取っている 田中がやりたいことが全部通った ただ、天彦は千日手でもいいので、先手の田中がどう動くか」

しかし、動いたのは天彦のほうだった 1筋から逆襲し、位を奪還し、積極的だ
それに呼応し、田中も角を敵陣に打ち込んで勝負に出た
戸辺「これは面白いことになりましたよ」
この田中の角の打ち込みに対し、天彦が妙防を見せた 生角を受けに打ち、田中の攻めを焦らせる一手だ
戸辺「天彦は、粘り強く指すところと、決めに行くところの間合いの取り方がうまいんですよ」

難しそうな終盤に突入、天彦が田中の飛車を強引に取りに行き、飛車得になった
戸辺「天彦は飛車が好きなんですよ 形勢は少し天彦がいいかな」
田中も、お返し、とばかりに天彦陣に残っていた飛車を取りに行ったのだが、これが悪い構想だった
天彦に猛烈に攻め立てられ、田中は飛車を取る手が回ってこない
戸辺「田中の手が無駄になった 急に天彦が優勢になった」

天彦の攻めが全く止まらず、田中の美濃囲いは見る間に崩壊、ボロボロになった
戸辺の予想が度々はずれるのだが、天彦の実戦の手のほうが厳しい! 天彦、強いな~
天彦が無駄のない、鋭い寄せを決め、田中を圧倒した 88手で天彦の完勝に終わった

戸辺「天彦の攻めが厳しかったですねー 序盤から田中が位を取り、積極的に指したが、天彦が非常にうまく切り返した 天彦が中盤巧みに指し回して、終盤は粘りを与えず、一気に勝った」

天彦の圧勝と言える内容だった 投了図、天彦の囲いは手付かずで乱れなし、田中は成駒3枚が何もできずに残っていて、寂しいことになっている 2手差以上の差がついていた
うーん、正直、この一局だけ観たら、田中は何でここまで勝ち残ってこれたんだ、という印象しか持てないなあ
田中はプロ6年目なのにまだ四段で竜王戦6組、C2だもんなあ 
豊島、なんで田中に負けちゃったんだよ・・・(^^;

一方の天彦は、格の差を見せ付けての勝ち、勝ち方がしっかりしているから、安心して観ていられるわ
中盤、うまく受けたし、寄せはホントに鋭いね 
感想戦でも、天彦は田中と戸辺の見えない手を指摘して、この一局を振り返っていた 

天彦が、田中を寄せ付けずに圧倒し、準決勝進出を決めた ベスト4一番乗りだ 
飯野愛女流1級は飯野健二七段の娘、そして松尾香織女流初段は松尾歩七段の嫁さんということだ
飯野愛さん、いったいどんな将棋を指すか注目だ
松尾香織さんは、松尾歩と結婚していたのか 全然知らなかった(^^;

解説は千葉幸生六段、聞き手は山口恵梨子女流初段だ

飯野愛女流1級は、昨年度の成績が1勝2敗 通算成績が3勝4敗 0.429 17歳
予選で中倉宏美女流二段、大庭女流初段に勝ち まだプロ2年目ではないか
なんで女流1級なんだ? 通算でたった3勝しかしてないのに、もう2級から1級に上がったのか
ウィキペディアによると、この女流王将戦で予選に勝ち本戦入りしたから1級に上がった、とのこと
・・・この制度は問題あるなあ 予選で2勝しただけで、もう1階級上がるって、早すぎだろう

松尾香織女流初段は、昨年度の成績が4勝5敗 通算成績が82勝112敗 0.423  40歳 予選で高群女流三段に勝ち LPSA所属 ウィキペディアでは、2005年に松尾歩と結婚したと書いてある 私、ず~っと知らなかったわ(^^

解説の千葉「飯野は振り飛車党で、非常に研究熱心 序盤からていねいに将棋を作っていく 松尾も振り飛車党 中盤のさばきにセンスがある」

先手飯野で、相振りになった 相三間の、双方早石田だ 大乱戦もあるか、と思われたが、回避された
あー、大乱戦、期待したが、さすがにならなかったか
お互い、同じような駒組みで、浮き飛車+金無双という形

千葉「飯野は、棋譜を見ていると序盤で作戦勝ちが多い印象がある」
飯野、金無双から銀冠への発展を目指し、積極的だ
千葉「松尾としては、漠然と駒組みを進めてしまうと、飯野にいい形を作られて苦しくなる」
山口「事前のアンケートで、どこを観て欲しいかという項目で、松尾は『中盤の組み立てが好きなので中盤を観て欲しい』ということでした」
そう山口が言った直後だった 松尾、なんともう仕掛けた! おおー 早い仕掛け これはどうなの?
千葉「びっくりしました まだ駒組みが続くかと思ったんですけど パッと見、そんな簡単に松尾の攻めが決まるとは思えない」

山口「事前のアンケートで、抱負はという項目で、飯野は『この一戦で、その後も注目していただけるような印象に残る将棋を指せたらと思います』とのこと 
松尾は『昨年はこの棋戦の本戦の1回戦で中澤アマに負けて悔しい思いをしたので、今年は1回戦は絶対勝ちたいです』とのこと」

さて、松尾の攻めが無理攻めっぽいんで、すぐ受かるかと思われたが、一段落してみると、飯野の1歩得になったが、その代わり飯野は囲いがバラバラという局面になった
千葉「松尾も、まあまあに見えてきました」
これは面白くなったなー もう引き返せないからね あんまり長手数になりそうもないしね ここのところ、NHK杯はやたらと長手数だからな(^^;

千葉「松尾の攻めは単調、少しでもいやらしく迫るしかない 飯野はちゃんと受ければ優勢にできる」
うむ、これは受けきれてるだろう 飯野、最善を指せるか? ここらへんが勝負所だぞ
すると、飯野は強く、相手の高飛びの桂馬を歩で取りに行った! おー、もっと安全な手もあったが、これは最強の手だな ちょっと嫌な予感がしないでもないが、桂が取り切れれば話は早い どうなる?

が、この飯野の判断が、完全に間違っていた! 桂を取りにいったのは失着だった!!
松尾の怒涛の攻めが開始された 松尾は1歩を絶妙のタイミングで補充、桂が取られる直前に仕事をし、結局、桂はタダでは取られなかった 
千葉「攻めがつながってる雰囲気が いやいや 松尾、うまく勝負に持ち込みましたね」

千葉「松尾はうまく攻めをつなげましたね まだ形勢は微妙だと思いますが」
しかし、飯野は気落ちしたのか、もう形勢に差があったのか、松尾の一方的な攻撃がやむことはなかった
あっという間に、飯野陣、壊滅!! もうボロボロ! 松尾の駒、全軍躍動だ 
千葉「飯野はそれほど悪い手をやった感じではないんですけど、不思議ですねー こうなってくると、松尾の攻め駒は全部さばけた 飯野がもう受け切れそうという局面もあったのですけどね 飯野からすると、信じられないという負け方」

圧倒的な大差がついた 松尾の玉は、全く、なーんにも全然手付かず 飯野の玉だけ終盤になり、あれよあれよで丸裸にされた そして即詰みに切って落とされた 76手で松尾の圧勝となった

千葉「飯野はそれほど悪い手を指した感じはなかったんですけど、松尾が細い攻めをうまくつなげた 松尾の会心の一局だった」
あー、これ、飯野さんは残念だろうなー 投了図は、圧倒的な大差、逆の意味で「視聴者の印象に残る一局」となってしまったなー(^^;

感想戦をやってみると、飯野さん、何回も最善を逃していたことが判明した
千葉六段、もっとしっかり解説を頼むよ 飯野さん、けっこう悪い手をやってたんじゃん
まあー、それにしても、相振りは怖いわ どちらかが攻めて、それが続いたら、もう攻め倒されてそれっきり、っていうことが多いねえ 一方的になりやすい戦型のナンバー1じゃないのかな

松尾さんの攻めもちょい無理気味のようだったが、受けきるのは容易じゃないね
飯野さん、相手の桂を歩でタダで取りに行った瞬間に、手を作られて、結局桂を活用されてタダで取れず、歩を突いた手が完全に一手パス、という、プロがやってはいけない類の悪手を指してしまったな・・・
やはりまだまだ甘いが、まだ17歳と若い、これからだね! 

松尾さんは会心の攻めを決め、気分がいいだろう これでベスト8進出、旦那さんの松尾歩七段も銀河戦でベスト8に進出している 夫婦で、どっちが上まで行けるか?
行方尚史 八段vs澤田真吾 五段 NHK杯 2回戦
解説 豊島将之 七段

今日は行方と澤田か 今やトップ棋士になった行方に、若手がどう挑むかだな
解説は、豊島か! 大物来たな

行方は1993年四段、竜王戦2組で優勝 A級 1回戦はシード 18回目の本戦出場 40歳
澤田は2009年四段、竜王戦4組、C1 1回戦で永瀬に勝ち 2回目の本戦出場 22歳
ちなみに1回戦の永瀬戦は、相矢倉で終盤に会心の指しまわしを見せて勝っている

清水「豊島さん、王座戦、いかがでしょう」
豊島「(前回挑戦した)王将戦から3年半ぶりの挑戦なんですけど、前回1回経験しているので、落ち着いて指せるかなと思います がんばります」
なんとか、豊島王座誕生になるようにがんばってほしい 羽生世代と渡辺だけじゃ、さびしいからね

豊島「行方は居飛車の本格派で、序盤中盤は納得いくまで考えるタイプで、終盤は時間がなくなるんですけど、正確に指す 逆転を呼び込むような手を指す 終盤が特に強い棋士というイメージ  いつも激しく妥協のない将棋を指すイメージ
澤田も居飛車の本格派で時間の使い方とか行方と似たところも多い 勝つときのパターンが逆転勝ちっていうのが少なくて、良くなってそのまま押し切るタイプ 自然な手を積み重ねて勝利に持っていく棋風 受けもしっかりしてバランスが取れている 澤田はデビューして1、2年は独創的な将棋だったが、今は本格派というイメージですね」

事前のインタビュー
行方「澤田五段は、関西で強い若手がいっぱいいますけど、その中の一人 個性的な将棋を指されるなという印象です 私はNHK杯には、いつの間にかもう18回出ているらしいので、初心を忘れずにきびきびとした将棋を指したいと思います」

澤田「行方八段は居飛車党の長考派で、特に終盤を得意とされている印象があります 相手はA級の先生ですので、全力でがんばりたいと思います」

先手行方で、相矢倉になった
豊島「▲4六銀+▲3七桂戦法という形で、今一番指されている 50年くらいずっと流行している矢倉の形ですね」

両者の手が止まらないで、ずーっと進んで行く 編集されて何度もカットされているのが早々に丸わかり
豊島「うまくバランスが取れていて、形勢が難しいと思いますね お互い、相手の玉を攻めるって感じではもうなくなってきてて、相手の攻め駒を攻めるって感じ」

さらに攻防が続き、
豊島「もう終わりが見えない 気が早いが入玉含みもありうる」
考慮時間、お互いに使いきり、▲0回vs△0回に・・・ まだ番組開始から31分だぞ 
ここから1時間、30秒将棋が続いたのか?
▲行方の攻めvs△澤田の受けが続く 攻めが続くか、受け切るか?
豊島「どっちが勝ってるのか 行方の攻めが切れてそうにも見えるんですけどね」

豊島は秒読みでも乱れない澤田の受けを賞賛、
豊島「やっぱり澤田は受けが安定してますね 普通はこんなになかなかうまく指せないですよ」
行方は、さかんに「いやー」とか「ひえー」とつぶやいている(笑)
豊島「ちょっと切れ模様になってきたかな」
が、行方もさすがにA級2位の粘り腰を見せた
豊島「澤田が、行方が読んでいない手を指したと思うんですけど、行方はすぐ勝負手で返した、すごいですね ずっとギリギリの攻防ですね ホントに」

澤田も攻め合いに出て、延々戦いが続いている この間、形勢、揺れ動いていたと豊島の解説
豊島「澤田の入玉を止めるのは大変そうですね 行方も相入玉の方針だと思います 点数が微妙ですけど、行方の点数、24点にギリギリ足りてそう 持将棋になりそうですねー」
なに~ どうなるねん まだまだ入玉確定までは時間がかかるぞ
と思っていると、テロップが出た
「この対局は2時間を越えて指され、持将棋となりました 持将棋成立の局面からご覧ください」
な、なんじゃこの字幕は~ こんなん、初めて見たわ

局面、一気に進み、お互いにもう駒が相手陣に進んでいる 特に、行方はもう動かす駒がないわ
どうやって持将棋が成立したのか、その瞬間が見ものだったが、行方から口を開いた
行方「どうでしょう 25点ありますんで、持将棋ということに」
声が小さくて完全に聞き取れなかったが、こんな感じのことを言っていた
澤田が了解し、252手で持将棋成立、引き分け! うわー、くたびれた~(^^;

清水「ものすごい攻防の末、持将棋ということになりましたけれども」
豊島「終盤が白熱していて、見ごたえあるすごい将棋だったと思います」
この時点で、番組開始から56分が経過していた あと残り34分で指し直しか・・・
対局者も大変と思うが、観てるほうも大変なんですけど(^^;

指し直しで、先後が入れ替わった 先手澤田で、相掛かりになった
澤田の引き飛車+▲3六銀型に対し、行方が△8五飛+△8三銀型だ
豊島「△8五飛というのが最近出て来た形で、△8三銀はもっと最新の形ですね 両対局者ともに体力には自信があるかなというイメージ 澤田は順位戦でいつも最後のほうまで残ってやっている、行方も順位戦で中川と朝の9時頃までやっていた」
この一局は、2004年のB1の2回戦で、1局目が持将棋、2局目が千日手で3局目でやっと決着がつき(行方勝ち)、23時間15分の激戦だった、とのこと うわーー(^^;

澤田の陣形が変わっていて、6筋に位を張って、金銀で位を確保している 左金が、角交換の関係で8八に居るのだが、これがどうなるか 完全な力戦という形 一方の行方は全く自然な銀冠だ

行方が右銀を繰り替えて、端の9筋から攻めていった 澤田の金が8八に居るのに、考えにくい攻めだな
この攻めには豊島も驚いていた
澤田は攻め合いを選んだ 盤中央で筋違い角を打つ 
豊島「ちょっと行方が良く出来そうなので、行方はチャンスと思って読んでいる」
行方、その澤田の角にプレッシャーをかけ、切ってこい、と強気の手を着手
豊島「行方は相手の攻めを引っ張り込む手が得意」
澤田は角を切って勝負に行ったが、
豊島「行方が少し指せてる感じ 澤田の持ち駒の銀2枚では攻めれない」

そして、行方に強烈な手が出た △3七角の強引な打ち込みだ 3七は、先手の桂が利いている場所なのだが、おかまいなし! この手が行方の優勢を決定づける好手となった
澤田の玉は囲われておらず、横からの攻めに弱い その弱点をモロに行方に突かれた
澤田もなんとか追い込み、形は作ったが、行方の的確な終盤力の前に、屈した 88手で行方の勝ち
行方は終盤はノーミスだったと思う

豊島「行方の速攻が功を奏した 右銀の繰り替えがいい構想だった」
そうだねー、それに、角を切ってこい、と澤田に攻めさせた判断も良かったね
「行方は攻めを引っ張り込む手が得意」という評価どおりだ
△3七角の打ち込みも、読み筋どおりだろうし、最後の寄せも万全だった 行方、強しだわ
(最後、▲7九玉のところで▲7八玉は先手玉に即詰みがある)
やっぱり、23時間を戦ったことがある棋士は違うな~ 持将棋の指し直しくらい、何でもない、というところか
若い頃に23時間という伝説の一局を指しておくと、一生モノだねえ 

いや~、それにしても、疲れた一局だった みなさま、お疲れさまでした(^^;
同じTV将棋でも、銀河戦は、持将棋や千日手は、「引き分けになりました」の一言で、
指し直し局からしか放送しないんだけどね NHKは放送するのがいいのか悪いのか・・・
決勝トーナメント1回戦、最後の対局だ ナルゴンと渡辺、ナルゴンがどこまで食らい付くかだな
ちなみに、ナルゴンとは畠山成幸(なるゆき)のニックネームだ 
双子の畠山鎮(まもる)は、ハタチンと呼ばれている
あら、また森下さんと上田女流のコンビか もう2本撮りがバレバレ(^^;

ナルゴンは、今期ここまで1勝4敗 田村、飯塚に勝ち、Fブロック最多連勝者として決勝トーナメント進出
って、たった2人抜きで最多連勝者か これはラッキーだったな

渡辺は、今期ここまで3勝3敗 山崎に勝ち、Gブロック最終勝ち残り者として決勝トーナメント進出
山崎との勝負は、横歩取りで難解な長い戦いがずっと続き、大苦戦して辛勝した一局だった

解説の森下「ナルゴンはバランスの取れた柔軟な棋風 双子の鎮は、非常に鋭い攻め将棋なんですけどね
渡辺はまだ棋士になって14年なんですけどね なんかもう30年くらいやってる感じがする(笑) 年齢的には30歳なんですけど、風格があります 竜王連続9期の大偉業を成し遂げた 年は若いけど、重鎮と言ってもいい存在ですね」

ちなみに、おとといの記事で、私は上田初美女流のことを、もうベテラン?と書いた
上田さん、調べたらまだ25歳だった 25歳の人にベテランは失礼だったな(^^; 
もっと年齢が上かと思ってたわ ただ、なんと12歳でプロになっていた、とウィキペディアに書いてある!
12歳でプロ~! もうプロ13年目か やはりベテラン・・・?(笑)

先手ナルゴンで対局開始
森下は、渡辺が後手になったので、振るんじゃないかと予想していたが、横歩取りになった
△8四飛+△5二玉型の最新定跡に進んでいるそうだ

例によって、森下の雑談が弾んだ
森下「渡辺は、『勝ちやすい』という概念を確立した人なんです 勝ち方のうまさは際立っています」
上田「渡辺は、居飛車も振り飛車も指して、作戦の幅を広げておこうということでしょうか」
森下「そうですね 横歩取りの歴史も進みまして、平成5、6年頃に中原さんが中原囲いを編み出したんです そして中座さんが平成9年に中座飛車を発表されました」
ホント、よく覚えてるな~ 年号とかも覚えてるのはすごいわ

早々に渡辺から飛車をぶつけ、飛車交換になった
森下「最初、この飛車ぶつけを見たときには絶句しました ついに将棋もここまで来たかと独創性と知識、両方が必要になる戦型です この将棋を大山先生が見たら、怒られちゃいますよ 大山先生が言っていた名局の定義は、40枚の駒のうち、35枚以上が動いたのが名局の定義の一つと言われていました 今の将棋は15枚くらいしか動かないことがある(笑)」
うむ、今の将棋は、金銀を前に出さない将棋も多いからねえ 低い陣形のほうがいい、ということで、歩も突かなかったりね

さて、ナルゴンも渡辺も、淡々と手を進めている 飛車交換になって、ナルゴンが竜を作ったが、こんなところまで定跡、という森下の解説だ 
上田「お互いにどこまで自分の研究が正しいかというのを、ぶつけ合っている形ですね」
森下「私は、自分が知らないだけで、これはもう結論が出てるんじゃなかと不安に思いながら、実戦を指しています(笑)」
森下さん、正直だな(笑) 考えてみればそうだろうなあ、定跡形になるとそうなるよね  
全部の最新の変化なんて、日々変わるから知ることはできないからね

局面、落ち着き、じっくりとした戦いになった
森下「これは力比べですね ナルゴンの盤上の竜が強いか、渡辺の持ち駒の飛車が強いか パッと見、渡辺の方が手がわかりやすい 飛車の打ち込みを狙う確実な手がある ナルゴンの竜はたしかにすごい駒ですけど、竜1枚で動いてますから」
この森下の予言が、モロに的中した 手が進むほどに、渡辺の模様が良くなっていく
渡辺の確実な攻めが来る前に、ナルゴンは何か動かねばいけないのだが、どうにも動く手がない

森下「ナルゴンは、動かす駒がないんですよねー 渡辺が充分な形勢と思います」
そんな中盤、一瞬、渡辺側に、何をするか、手が広い場面が訪れた 
有利を拡大する攻めの直接手があるのか? 
すると、渡辺、じっと、と金の卵を作る歩の垂らし! う、うまい! これはいい手っぽい! 
森下「こういう風に、渡辺は、最小のリスクで価値の高い手を選んでくる 佐藤康光の将棋なんかは、柔道で言えば力でねじ伏せて放り投げる剛の将棋、ただそれは危険も多いんですよ」 

直接の駒の損得はほとんどないのだが、どうにも駒の効率が違いすぎる 渡辺の駒がナルゴンの駒を全面的に押さえ込んでいるかっこうだ ナルゴンは身動きが取れない こりゃー、渡辺、もう逃さないだろう
森下「私が渡辺側だったら、攻めるとみせかけて受けにまわって、駒を取りに行く(笑)」
上田「全駒狙いですね(笑) ナルゴンは、包囲されている感じで厳しいですね」

もう完封まであと少し、攻め合って勝つか、受け切って勝つか、選択権は完全に渡辺にある
渡辺なら逃さないだろうと思われたのだが、異変が起こった
そこまで完璧に指していた渡辺の手が止まり、考慮時間が▲0回vs△0回に・・・
あれ、渡辺、何か誤算か? ナルゴンに勝負手が出て、
森下が「これはなるほど、うまい手です」と賞賛している
渡辺、さっきからずっと受けに回っているのだが、なんか、ナルゴンの攻めがつながってしまったような雰囲気が!? 渡辺、これは想定内なのか?

森下「あれー? このナルゴンの攻めは、ちょっとイヤなんじゃないですか ちょっとじゃ済まない気がします これ、かなりイヤな局面ですよ さっきまでは、だいぶ渡辺がいいと言っていたんですけどね」
んーー? 渡辺、攻めても受けても勝てそうな終盤だったのだが、よもやの受け間違いか?

ナルゴンにまさかのチャンス到来? ナルゴン、このチャンスを活かせるか?
指し手が進む・・・ が! ナルゴンも30秒では、勝ち筋を発見できなかった!
明らかに攻め負ける順に、秒に追われて飛び込んだ あああー 
森下「ちょっとナルゴン、慌てた感じがありますねー」
ああー、ナルゴン、それじゃ勝てないわー ここまでがナルゴンの限界だったか ガクッ
まあ、私は森下の解説があるから、こんな風に思えるわけだけど(^^;

森下は、この忙しい終盤で、ナルゴンの8九の桂を7七に跳んで活用させたい、と何回も言っていた
遊び駒の活用とともに、自玉も広くなる、と言う森下 これはすごい大局観、と本当に思った
そのチャンスを、ナルゴンは逃してしまった 本譜はナルゴンは明快に負ける順を選んでしまった

最後は渡辺が攻め合いに持ち込み、勝ちきった 134手で渡辺の勝ち ふー、事なきを得たか・・・
森下「ナルゴンは遊び駒がたたった 8八の銀、8九の桂が壁になった 一方の渡辺には、いないほうがいい駒が一つもない 渡辺らしい勝ち方のうまさだった」

森下さん、解説、お疲れ~ 雑談が良かったよ~ 
終盤、8九の桂を活用させたかったって、すごい発想だった  

感想戦で、渡辺「(終盤)受けすぎてイヤなことになっちゃったなと思ってました おかしいですよね」
やはりそうだったか 渡辺、途中で失敗していたか 危なかったもんねえ 
んー、この優勢な将棋を完封勝ちに持っていけない、どうも渡辺の調子がおかしいと思える
本来の渡辺なら、あれだけ中盤で模様が良くなったら、全く危なげなく、
ナルゴンに何もさせずに勝ち切っていたはず
それが終盤、ここまで危なくなって、なんとか着地っていうのは、渡辺、調子が良くないなあ 
 
結果だけ見れば順当、無風だった 
しかし、渡辺の勝ち方の内容が山崎戦に続き、良くないのがかなり気がかりだ 
渡辺はもしかしたら、今後、タイトルホルダーとしてコンピュータと戦うということがあるかもしれない
そのときには万全の調子で臨んで欲しいものだ この内容だと危ないわ(^^;

これで、ベスト8が出揃った これからの放送予定は、
9日 佐藤天彦七段 vs 田中悠一四段  11日 羽生善治名人 vs 広瀬章人八段
16日 佐藤康光九段 vs 渡辺 明二冠  18日 松尾 歩七段 vs 郷田真隆九段
田中悠一が、ダークホースとして目立つ それ以外は、順当なメンバーだ 
私は康光と羽生の決勝になると予想するがどうか? ここからはハイレベルな戦いを期待したい! 
村田顕弘と、松尾か 他棋戦ではいまいち、目立たない2人 銀河戦はかっこうのアピールの場だ
おお、解説に森下さんか! 楽しみだな 解説、若手よりベテランが出てくれたほうが、
味があって面白いことが多いんだよね 聞き手は上田さんか こっちも、そろそろベテラン?(笑)

村田は、今期ここまで6勝4敗 Hブロックで、中座、富岡、真田、安用寺、阿久津、久保に勝ち、最多連勝者で決勝トーナメント進出 
松尾は、今期ここまで5勝0敗 Fブロックで、畠山鎮、屋敷に勝ち最終勝ち残りで決勝トーナメント進出
おっ、松尾、髪型がいつもとちょっと違う 整髪剤をつけて、ビシッと決めている これはカッコいいね~!

解説の森下「村田は大変な研究家 特に横歩取りの研究にかけては、現将棋界で一番と言ってもいいくらい とにかく細かく深く研究しています また詰将棋でも非常に有名で、いい作品をたくさん発表している 
松尾はとてもバランスの良い棋風 居飛車が基本だが、ゴキゲン中飛車や角交換振り飛車も指す 非常にうまく局面をまとめていく 村田と同じく深く研究していて、横歩取りには一家言も二家言もある」

事前の戦型予想で、森下「どちらも横歩取りを避けないでしょう 最新形の横歩取りが見られるでしょう」
ところが! 始まってみると、なんと先手の村田は迷いなく中飛車に~(笑) 対抗形になった
森下「いやいやいや 予想が大ハズレで(笑)」

さて、後手の松尾が、普通の舟囲いから、△4二金右と固めたのだが、これに森下も上田もビックリ仰天した
上田「驚いた手が出ました」 
森下「これは私は初めて見ましたね ネット将棋でしたら、クリックミスかと思います(笑) 現代将棋は何でもありと言われますけど、さすがに前代未聞だと思います」
上田「初めて見ました」
森下「私が奨励会の頃にやったら、破門されます(笑)」
ええ~、これ、「箱入り娘」っていう、マイナーだけど、ちゃんと名前も付いている囲いじゃん
私は、2人が全く知らなくて驚いた、ということに驚いたわ(^^; 2人ともホントに初めて見た、とのことだ

序盤、駒組みが長かったので、雑談で森下が楽しませてくれた
森下「昔は、『将棋はこうあらねばならぬ』という固定観念が強かったですね それが取れてきたのは、羽生さんたちが活躍した平成に入ってからではないですかね 私がプロになった当初は『定跡を勉強する』なんていうのは、弱いからだと言われました 米長永世棋聖なんかは、『悪いくらいじゃないと力が出ない』と言われていました 将棋は、中終盤で勝負するものだとね もう将棋に対する考え方が全然違いました」
上田「今ですと、いかに先に1点を取ってそれを守りきるかですよね」
森下「そうですね」

まだ雑談が続く
森下「僕は、村田の書いた本を何冊か持っているんですけど、自分がもしここまで研究してたら、これは秘密にしておくなあ、っていうのがありましてね(笑) 今の人は研究をどんどんオープンにしてますよね (村田の本が難しいので)今の将棋の本は、プロと奨励会員とアマチュアの超強豪、それ以外は誰が買うんだろうというくらい、難しい本が多いですよ(笑)」
全く、それは私も思うことがある プロの最先端を扱った本が数多く出てるけど、そんなの、プロしか読まないんでは? 出版社は採算は取れてるのかな、と心配になってしまうわ(^^;

局面が進み、相穴熊模様になった 森下は、まだ松尾の「箱入り娘」に感心していて、
森下「松尾の△4二金右は、中飛車の定跡を根こそぎ変えるくらいの手かもしれません この一局の後では、この同一局面で△4二金右が激増すると思います」
ん~、ただの「箱入り娘」だけどな~(^^; 
ウィキペディアにも、「相手の様子をみながら居飛車穴熊や左美濃を組む際にこの形になることはある。」
と出てるよ ちなみに、「箱入り娘」の命名は、あの有名な「将棋は歩から」の著者の加藤治郎だそうだ
相当昔からある囲いだね・・・(^^;

コンピュータ将棋についても雑談で話してくれたので、書いておく
上田「最近ですと、コンピュータと研究されている棋士も多いと思うんですけど」
森下「私もコンピュータとぶつかり稽古しているんですけど、私のほうが良くなることが多いんですね ところが、コンピュータは陸上競技で言うと、すぐ後ろからヒタヒタとついてくるんですよ そして最後に抜かれちゃう(笑) この将棋を負けるかっていうのがありますね 決定的なリードは与えてもらえないんです ヒタヒタヒタヒタついてきて、こちらがちょっと息を切らしたら、さっと抜かれる 人間だと、ヒタヒタついていくほうも苦しいんですよ 人間は追っている側も気持ちがなえてしまう コンピュータは気持ちが絶対なえないんです それがコンピュータの一番の強みですね ハッとするようないい手もよく指してきますね」

さらに、まだ面白かった雑談があるので、書いておく もう書いてるこっちも意地だ(^^;
森下「上田さんの師匠の伊藤果さんの詰将棋、スポーツ紙に載せられている問題が、えらい難しいので、この問題を解く人は誰なんだろうと思います(笑)
上田「私の師匠の伊藤果は、読者に解かせてあげる、というより、解いてみろ、と読者と勝負してます(笑) 最近では初心者用の詰将棋をネット上に載せているので、検索していただければ」
今ちょっとだけ検索したら、13手詰とか11手詰で中合いが出てくるとか、そんなページが見つかった
ぜんっぜん初心者向けじゃないんですけど・・・(^^; あ、別のページも見つかった 
けど、こっちは3手詰からあるけど、15手詰もあるのね 私は全然ダメだわ(笑)
ちなみに、私は詰将棋は7手までで充分と思ってる 9手はよほど調子がいいときでないと、解かない

さて、お互いにガッチリ相穴熊に囲いあい、戦いが始まった
中盤の折衝で松尾がうまく立ち回ったようだ 村田は飛車を捕獲されてしまって、不利っぽい 
これで、▲村田の角2枚+と金vs△松尾の飛車2枚+桂得という終盤になった

飛車2枚の松尾のほうが良さそう、と森下 
私もそう思って観ていたのだが、村田が角2枚を敵陣に打ち込んで、無理やり攻めていった
この強引な攻め方に森下は驚愕、
森下「飛車2枚を持たれたら、僕は受けに回ることしか考えなかったんですけど、斬り合って勝とうということですね 村田はすごいですね~」
この村田の攻め合いが存外、うまくいき、盤上、攻め合いの激戦になった 
村田は大駒を全て捨てて、相手の穴熊をとにかく薄くして迫る 
大駒4枚を持った松尾も相手玉にプレッシャーをかけていく すごい終盤だ

お互いに攻めつつも、自玉が危ないので、どの駒を渡したらダメ、と考えなくてはいけない、というギリギリの終盤だ こりゃー、大熱戦になったな 
村田の攻め方がすごかった 松尾の玉が2段目に居るのに、村田は6段目の銀を5段目に上げて迫る手を指した おいおいおい、そんな手が間に合うのか!? しかし、実戦、なんとこれが間に合ってきた!

そしてついに必至をかけられた松尾、駒を大量に持って、後は詰ますしかない!
詰むか? 詰まないか? 村田の合駒が価値の高い駒しかないのがどう影響するか、という、ホントにギリギリの詰むや詰まざるや! こ、こりゃすげえな 大差がつきやすい相穴熊でこんな僅差なのはめったにないぞ 松尾、詰ますか~? 村田、逃げ切るか~?

すると、松尾の手が伸びた 金と銀をどちらを捨てるか、を間違えることなく、見事、長手数の詰みをビシッと決めた!! おおー カッコいい~! 森下は解説で金と銀、打ち間違えてた(^^;
数えたら、25手詰! 松尾、やったー 会心の詰まし方だね さすがA級を狙う棋士だけある! 

森下「最初はちょっと松尾がポイントを取ったかと思うが、途中危なくした しかし最後はこれほど見事な詰みがあるとは思いませんでした 見事でした 大激闘でした」

いや~、濃い1時間38分だったな~ 森下さんの雑談も濃かったし、将棋も濃かった 充実してたな~ 
最近、ブログの更新が忙しいんで、もっとあっさりした内容がいいなと思ってたら、この濃さ(笑)
松尾、最後の詰みは、さすがトップを狙うプロだ 「うまく局面をまとめる」という棋風紹介の表現が
バッチリ当たっていた 遊び駒が全然なかったもんね 素晴らしかったよ~ パチパチパチ 

森下さんの解説も、よくがんばって詳しかったし、これが視聴率の高いNHK杯じゃないのが残念なくらいだ
ただ、「箱入り娘」が昔からある囲いだということは、誰か森下さんと上田さんに教えてあげたほうがいいと思う(^^;  見ごたえ充分、面白い内容だった さすが決勝トーナメントだ!
毎週火曜は、女流王将戦の模様をお伝えしている ちなみに、囲碁将棋チャンネルで土曜に放送がある
今回は、室谷由紀さんか 最近、関西から関東に移籍したんだってね 
ちょうどこの前の将棋フォーカスで、がんばっている姿が取材されていた
相手はNHK杯の聞き手でおなじみの、清水市代さん! クイーン称号を4つも持っていてタイトル通算獲得数が43期の、女流界の大御所だ (ちなみに里見香奈さんは通算16期)

室谷由紀女流初段は、昨年度の成績が10勝5敗 ここまでの通算成績が52勝35敗 0.598 森信雄門下 予選で島井女流二段、中村真梨花女流二段に勝ち 21歳

清水市代女流六段は、昨年度の成績が18勝7敗 ここまでの通算成績が556勝221敗 0.716 予選はシード 45歳

解説の村山慈明七段「室谷は振り飛車党で、非常に攻めっけの強い棋風 控え室でもよく見かける よく詰将棋を解いている 終盤が強い印象 
清水は女流棋界の第一人者 基本的には攻め将棋なんですけど、振り飛車が相手のときはどっしりと構えて反撃していく」
過去の対戦成績は、室谷0勝、清水2勝ということだが、村山「直近の一局は、室谷が勝ち寸前まで行った」

聞き手の本田女流「事前のアンケートでは、室谷は自分の棋風を『攻めがほとんどを占めている棋風』 抱負は『まずは1回戦を勝ちたい ライバルの香川さんと番勝負を戦いたい』 
清水は自分の棋風を『水のような棋風』 どこを観て欲しいかは『構想を見て欲しい』」

私はちょっと笑ってしまったのは、清水の自分の棋風についての言葉だ
「水のような棋風」・・・これは、あの格闘家のブルースリーが言った言葉、「武術の究極のスタイルは、水のようであることが理想」というセリフにつながるではないか
水は入れる容器によって自分の形が変わる、つまり戦う相手によって変幻自在ということだ そんな棋風を清水が体得しているのだろうか?

さて、先手室谷で、角道オープン型の向かい飛車だ 清水は例によって居飛車 
本田「以前、私は室谷と指したんですけど、攻めを受け止めて安心していたら、第二段、第三段の攻めが、ひるまず来るんですよね 動揺して負けてしまいました(^^;  室谷は今日のためにたくさん練習してきたそうです」

室谷の片美濃、清水の舟囲いの組む途中、という双方軽い囲いで、早々に戦いが始まった
解説の村山の予想手が度々はずれ、「なかなか当たらないですね~(^^;」
両者、最善を指し続けているわけではないようだ しかし、それが絶妙な形勢のバランスを生み、釣り合いが取れてるではないか かなりのいい勝負になっている!

形勢不明のまま終盤の40秒将棋に突入 室谷さん、強豪の清水さんを相手に、こりゃ、大健闘しているな
清水に受けの妙手、大駒を近づけて受ける手が出て、村山「なるほど~ 良さそうな手ですね!」
村山も感心だ さすが清水だ、こりゃ、室谷、厳しくなったか

が、室谷も、なりふり構わず、金銀打ち換えの千日手模様で踏ん張る
清水は千日手にする権利を放棄して、局面を打開した
そして、右手をクルクルッと顔の前で2回転させて、頭を抱えた な、なんだこのアクションは(笑)
村山「激戦ですね どっちが勝っているのか」
解説の村山、「この手は詰めろになっているかどうか」というセリフが何度も続く
うーむ、ここまでの形勢不明の混戦はなかなかめずらしいな 
あの香川女流王将vs熊坂五段の戦いを思い起こさせるなあ 全く退屈させない、息詰まるとはこのことだ

村山「コンピュータなら詰めろをかけておいて、ハイ、自玉は詰みません、とやるでしょうけど、人間は恐怖がありますからねー」
清水が5段目に攻防の飛車を打てば、室谷も金を受けに投入、最善かどうかはわからないが、まさに実戦的な手の応酬だ こ、こりゃ、めっちゃ見ごたえあるな 女流とは思えん!
村山「目まぐるしいですね 今の室谷の受けで、これは清水は慌てますよ」

解説の村山さえも次の手が見えない、そのときだった 清水、相手の歩頭に銀のタダ捨ての鬼手!
村山「おおー! またすごい手が出ましたね! どういうことなんでしょう?」
と、村山も指された瞬間、意味がわからないと発言したのだが、進んでみると、これが室谷の美濃囲いを崩壊に導く、最短の一手となっていた
村山「銀捨てはすごい順でしたね 清水がうまく攻めをつなげたですね すごい勝負手でしたね」

結局、この清水の一連の攻めの順が決め手となり、勝負あった 104手で清水の勝ち
げ、激戦だったな・・・ 24手目から駒がぶつかり、延々、戦っていた

本田「大熱戦でしたね~」
村山「ホントに大熱戦になりました 終盤ホントに、清水のほうに底力を見せた手がたくさん出ました 白熱した終盤で、室谷のほうにもこうやれば勝ち、というチャンスがきっとあったと思うんですけど、秒読みということもあり、見つけられなかった」

いやー、これは、間違いなくここまでの1回戦の中で一番の熱戦だった 
ここまで追い詰めた室谷さんも見事だが、それを底力で上回った清水さんの強さが際立っていた! さすがクイーン称号4冠!! こうでなくてはね! 
清水さんの自己分析、「水のような棋風」というところにちょっと笑ってしまった私だが、そう言うだけあるわ!
清水さん、終盤は、室谷さんの攻めを水のように柔らかく受け、そして自らは、まるで津波のごとき怒涛の寄せを決めたな~ いや、これは素晴らしかった! パチパチパチ

室谷さんも、練習の成果を存分に出したが、清水さんにここまで力を出されては仕方ないね
大御所の清水がその本領を発揮、若手室谷を打ち砕いた一局だった どちらも見事だった! 良かった!
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