前回の記事↓
将棋世界1月号の付録より 後手番に苦労している棋士 あ~た行編
http://mune1232007.blog121.fc2.com/blog-entry-2654.html

将棋世界2月号の付録、「現役棋士データブック 下 2016 た~わ行」を入手しました
後手番に苦労している棋士が知りたいので、それを調べる後半、た~わ行編です
2012年度~2015年度(10月末時点まで)が載っています

前回調べたときと同じく、2014年度を見てみます・・・と思ったのですが、そんなに目立つ差のある棋士がいなかったです

増田康宏四段 2014年度 先手勝率 0.8333 後手勝率 0.000  年度成績 5勝3敗
でも、これは たった8局のデータですからね

中尾敏之五段 2014年度 先手勝率 0.6667 後手勝率 0.1250 年度成績 9勝11敗
この棋士、ふだん、屈指の目立たない棋士なのでは(^^;

渡辺明竜王 2014年度 先手勝率 0.8095 後手勝率 0.4737 年度成績 26勝14敗
た~わ行では、2014年度に後手番に苦労していた、有名な棋士は、この人ぐらいでした


でも、下(た~わ行)では、2013年度に、おお、これはそうとうな差だな、という棋士が何人かいたので紹介します
なお、上(あ~た行)では、こんなに差がある棋士は、いなかったです

豊川孝弘七段 2013年度 先手勝率 0.6875 後手勝率 0.1111 年度成績12勝13敗

長岡裕也五段 2013年度 先手勝率 0.5882 後手勝率 0.1000 年度成績11勝16敗

中川大輔八段 2013年度 先手勝率 0.5385 後手勝率 0.1667 年度成績10勝16敗

中田功七段 2013年度 先手勝率 0.5000 後手勝率 0.1818 年度成績9勝16敗

堀口弘治七段 2013年度 先手勝率 0.8333 後手勝率 0.1818 年度成績7勝10敗

山本真也五段 2013年度 先手勝率 0.6000 後手勝率 0.1111 年度成績5勝9敗

この6名は2013年度、後手で負けまくり、後手の勝率1割台・・・ 先手は5割以上勝ってるのになあ
振り駒が勝負に直結ということか(^^; 


ちなみに、羽生名人のデータを載せておきましょうか 
2015年度(10月末まで)の羽生さんの後手勝率に注目です

羽生善治四冠
2012年度 先手勝率 0.8529 後手勝率 0.6471 年度成績 51勝17敗 0.7500
2013年度 先手勝率 0.6667 後手勝率 0.6875 年度成績 42勝20敗 0.6774
2014年度 先手勝率 0.7407 後手勝率 0.7037 年度成績 39勝15敗 0.7222
2015年度 先手勝率 0.4667 後手勝率 0.8000 年度成績 19勝11敗 0.6333
(2015年度は10月末時点までの数字)

羽生さんって、先手が得意な印象が私はあったんですけど、2013年度は後手のほうが成績が良かったんですね 
そして、今年度は先手で負けて後手で勝っているというデータ、へえーですね

せっかくなので、もう一人、比較対象として渡辺明竜王を載せておきましょうか
渡辺明二冠
2012年度 先手勝率 0.8000 後手勝率 0.6774 年度成績 45勝16敗 0.7377
2013年度 先手勝率 0.5385 後手勝率 0.5185 年度成績 28勝25敗 0.5283
2014年度 先手勝率 0.8095 後手勝率 0.4737 年度成績 26勝14敗 0.6500
2015年度 先手勝率 0.6923 後手勝率 0.5000 年度成績 16勝11敗 0.5926
(2015年度は10月末時点までの数字)

渡辺さんのほうは、やっぱり、後手で苦労があるようですね 
統計として出ているという結果でした

プロ棋士全体の統計として、2014年度は2590局、先手1326勝、後手1191勝、千日手65、持将棋8
先手勝率0.5268と書いてあります
過去20年間で先手勝率が一番高かったのは、2004年度の 0.5540
過去20年間で先手勝率が一番低かったのは、2008年度の 0.4972 となっています
激指14の検討モードに初手を考えさせてみました もちろん、定跡は使わず、です

私のPCは、去年17万円ほどで買ったものです
性能は、Intel(R) Core (TM) i7-4790K @4.00GHz 4.00GHz  メモリ 16.0GB
と書いてあります 64ビットオペレーティングシステムです

検討モードで初手を考えさせて、最高レベルのPro+11が思考完了になるまで、2時間40分かかりました
さて、結果は?

2時間40分考えさせたときの初手を指す前は形勢は互角 ・・・(あたりまえ)
初期配置での評価値 26
おお、26点分、先手がいいわけですね うん、なんか妙な説得力が私には感じられます

候補手の数「5手」、読みの蓄積「無視」、定跡の利用「無し」 で、どうなったか

最善手 ▲7六歩 (26)
次善手 ▲4八銀 (26)
3    ▲7八飛 (13)
4    ▲2六歩 (5)
5    ▲5六歩 (3)


うわ、かなり個性的だ ▲7六歩と同点で▲4八銀が候補に上がりました!
それに3番手に▲7八飛がきています!
(2手目の読み筋、後手の手は5つ全部△3四歩でした)

▲4八銀というのは、形を決め過ぎと思いますけどね もう振り飛車にしにくくなるでしょう
そして▲7八飛って何でしょうね? 2手目に△3四歩と突かれたら、3手目▲7六歩と突けない気がしますが・・・
角交換から△4五角がありますもんね  

個人的に、なかなか興味深い結果でした ソフトは初手から発想が自由ですね 
(激指の検討モードは毎回そのつどソフトが考えて答えを出してますんで、毎回この結果になるとは限らないと思います)
なお、検討モードを「定跡の利用有り」にした場合に出てくる、「激指定跡」では、初手▲4八銀も初手▲7八飛も「悪手」と登録されてます
毎年恒例の、将棋の日のイベントの模様が放送された
収録は11月22日
岡山の倉敷で収録されたとあって、さかんに大山15世名人の話が出てきていた

前半1時間は、ペア将棋対決 10手ずつ交代 ただし先手番の最初の人は5手指したら交代

▲菅井+山崎ペアvs△天彦+行方ペア
先手3手目▲7五歩から、▲石田流vs△居飛車になった
先手側の、引き角にする独特の構想が見事にハマり、菅井+山崎ペアが完勝していた

序盤の構想、相手の馬を封じ込める歩打ち、遊び駒の飛車の活用、最後の詰み、どれも「こんな手が指せたら気持ちいいなー」と思わせるものだった もう、天彦+行方ペアは、完全な斬られ役だった(^^;

解説の島さんは「傑作でしょう」とのことだった 
こういう勝ち方があるから、振り飛車はやめられない、振り飛車の醍醐味だというのにふさわしい一局となった

2局目、久保vs郷田で、▲ノーマル三間の玉頭銀vs△居飛車の棒銀
例によって、お客が赤青黄の札を上げる、次の一手名人戦
これは途中でそうとう眠たくなってしまった 毎年思うのだけど、5人以下になったときにもう全員が次の一手名人ということで、終了したらいいんじゃないだろうか 5人全員に粗品を上げたらいいのだ 何度も何度もストップするのは観ていてだるい

中盤の終わりごろ、形勢判断で、解説の山崎と行方が、2人とも「久保のほうを持ちたい」と言っていたけど、あれは久保有利で本当に合っていたんだろうか 大駒は郷田が多く持っていたので、私は長引けば郷田有利だと思っていたのだが・・・
終わってみれば、郷田玉は寄らずに入玉確定で、郷田が勝っていた
よくわからない一戦だった 
(気になったので、激指14に訊いてみると、▲8二角が甘かったとのこと その角を打つ前はPro+の思考で+385点 で先手有利と出た)

前半の、「振り飛車やりたい放題」の一戦が良かった 観ていて気持ち良かった
ただ、菅井は感想で「やっぱり将棋は一人でやるものなのかなと思いました」と言っていたが(笑)

後半の次の一手名人を決めるこの形式、誰が次の一手名人になろうと、どうでもいいんですよね、ハッキリ言って(^^;
他に何かいいコンテンツのイベントにできないかなあ 目隠し将棋とか、女流を使って何かやるとか・・・

来週は10秒将棋が観れるということで、そっちを楽しみにしています
放送時間が普通とは違い、1月2日(土) 午後1時~3時 Eテレです
雨宮編集長のコゴト@2015年十大ニュース
https://book.mynavi.jp/shogi/blog/detail/id=46987

マイナビ週刊将棋編集長の雨宮さんの2015十大ニュースを元に、私の感想を書いていきます

その1 稲葉聡さんが加古川青流戦で優勝
アマが優勝ということで、新しい風が吹きましたね 
もっとどんどんプロ棋戦でのアマの出場枠が増えたらいいと私は思ってます
アマプロ区別なしのフリーオープントーナメントもやったらいいんじゃないですか

その2 吉田正和五段が結婚、渡辺に改姓
もう渡辺姓は、渡辺明と渡辺大夢(ひろむ)がいるというのに、さらにややこしいことになってしまったと思います

その3 リアル車将棋
私は興味が持てない企画でした 
豊島も羽生も、結局、車をあまり見ずに手元の盤を見て指していましたからね 
まあ、連盟は大企業とコラボをしたかったんでしょう それはいいことですね

その4 藤井聡太
13歳三段、すごいことです でも私は三段には触れるのが怖いです
騒いでいて、四段になれなかったらどうするんですかね
「オールイン」の天野貴元さんのように、16歳で三段になったけど、10年間上がれずに退会になりました、というようなケースも別にめずらしくないですからね

その5 王将戦第5局短縮開催
これはよくわかりません たしか、現地への船が出ずに、本来2日制のところを1日制でやったんでしたっけ

その6 カロリーナ女流誕生
これも、まだ触れるのは早いかなと思って、スルーしていました
女流2級になって、正式な女流になれたら素晴らしいことですね
でも2級にはたぶんなれるでしょう・・・ サポートした北尾まどかさんの功績が素晴らしいですね

その7 里見香奈21連勝
女流相手にここまで強いと、もう女流棋戦には見切りをつけて三段リーグだけに絞ってほしいとすら思えてしまいます
女流と三段リーグを両立させるつもりということで、すごいがんばりですね

その8 叡王戦創設
スポンサーを新聞社頼みにしている今までの路線からの脱却、成功すればいいですね
まあ、私は叡王戦はほとんど観ていないのですけど・・・

その9 リコー杯が女流棋戦初の第6局に
女流棋戦、見やすいTV放送の形態が増えればいいなーと思っています

その10 3棋戦連続20代挑決
しかし3人連続で奪取は失敗とのこと
糸谷だけでなく、若い人がタイトルを奪取してくれないと、新しい人に注目がいきませんからね
毎回、羽生の取材じゃあ、飽きるでしょうから、目新しい人がタイトルを獲ってくれるといいですね
今年4月の電王戦FINAL最終局、阿久津プロがAWAKEを相手に△2八角打たせのハメ手を使い、21手で勝っていた
私は思った、「あーあ」「プロがアマチュアの考え出したハメ手を流用か」と・・・

しかし、よくよく考えて、最近、私の心境が変わりつつある
今度の山崎プロの相手は、ほかならぬponanzaだ
ponanzaは電王戦では佐藤慎一プロ(第2回)、屋敷プロ(第3回)、村山プロ(FINAL)から3年連続勝利を上げている

2014年3月の100万円チャレンジでは、20分切れ負けで166人抜きした
そして今年の24での「早指し2」ルールでの高段者ばかりを相手に69人抜き・・・
足して235連勝って、とんでもない数字だ
山崎プロに、これに勝てと・・・ もう無理なんじゃないか・・・

そこで、先後1局ずつあるので、どちらか一局は、△2八角打たせのハメ手を使ってもいいんじゃないかと思うようになった
阪田大吉さんの分析によれば、2015.12.23の「電王ponanza」の記事の中で、人間側がいけそうになった対局はわずか2局、その中に△2八角のハメ手作戦がある これ、もう使っていいんじゃないかな?

山崎プロは事前にponanzaと練習できるので、このハメ手が成立するかどうか、確かめられるだろう
2局ともこれをやってしまうとイベントが壊れそうだけど、1局なら、いいんじゃないかな
そう思うようになってきた だって、ponanza、強すぎるもんなあ 
24での人間が勝てそうになった「詰み」があった局面からのponanzaの逆転に導く指し回し、これが本当に恐ろしい・・・
打ち歩詰めで逃れって、すごいわ

ちなみに激指14にはこのハメ手が全く通用しない とにかく打ってこない
ponanzaも山本さんが改良したら、もう通用しなくなるが、「特に問題がない限りこのまま来年の電王戦に使います」とご自身のブログに書いていらっしゃる

もうコンピュータとプロのどっちが強いかではなく、
プロがハメ手を使うかどうか、それが私の中で最大の見どころとなっているという、寂しいことに(^^;
山崎プロには番狂わせを期待したいのだけど、さてどうなりますか
澤田真吾 六段vs広瀬章人 八段 NHK杯 3回戦
解説 豊島将之 七段

今日は解説の豊島が見ものかな ・・・おおっと、豊島の髪型が直ってる、やったー(笑)  ナチュラルスタイルのほうがいいと思う

澤田は2009年四段、竜王戦3組、B2 1回戦で高野、2回戦でハッシーに勝ち 3回目の本戦出場
広瀬は2005年四段、竜王戦2組、A級 2回戦でハタチンに勝ち 8回目の本戦出場

豊島「広瀬は元々振り飛車党だったんですけど、最近は居飛車中心で棋風を変えられて、A級に昇級したり王位戦に挑戦して充実している印象、終盤の切れ味が特徴だと思います
澤田は長考派、居飛車党で終盤の粘りが持ち味と思います、攻守にバランスの取れたタイプ」

先手澤田で、相矢倉になった 序盤は解説がなく、観ていてヒマである
角交換から、広瀬が積極的に仕掛けていった 敵陣深く角を打ち込んだ広瀬
豊島「角が取られるので、思い切った手」
清水「広瀬が、ご自身の持ち味は細そうな攻めをギリギリつないでいくところと、おっしゃっていた」

澤田が豊島の予想を上回る受けを出している 
広瀬の攻めを止められるか、攻めが続いてしまうか・・・!
豊島「澤田はギリギリのところで耐えている」

と、そんなときだった 広瀬、なんと自陣の矢倉の金を攻めに参加させる、凡人には思いつかない着想!
豊島「攻めが切れるか、つながるかという勝負になりましたね」
澤田、がんばれ、簡単に土俵を割るなよ~

澤田が一時的にすごい駒得しているが、澤田陣は崩壊寸前
豊島「ちょっと広瀬のほうを持ちたい、澤田の狙いは入玉です」

広瀬側に自然に駒損を回復する手が出てきて、ペースは広瀬・・・
豊島「広瀬は終盤で相手に手を渡す、間合いの取り方がうまいんです」

あー、でも澤田、まだ入玉目指してがんばれよ~、と思っていたら、なんと、突然澤田が「負けました」
なんと投了! ええーと思ってしまった まだここから先は長そう、続ければ広瀬といえど間違えるかもしれんのに・・・
104手で広瀬の勝ちとなった

豊島「ちょっと驚きましたね まだもう少し粘れるところではあるんですけど
澤田が広瀬の終盤力を認めて早い投了だった
広瀬が細い攻めをつなげて勝ち切った将棋、広瀬の仕掛けが手になったので感心しました」

感想戦では、澤田の受けの修正手順を並べていた 修正すれば澤田も充分戦えたとのことだった

あああー、でも、なんで早く投げてしまうかな 今回の投了図からだと、私はたとえ相手が私と同じ棋力でも勝ち切るのは難しいと思えた(^^; 秒読みで入玉を正確に阻止するのは厳しい
それだけ広瀬の終盤力を信用しているというのはいいけど、視聴者のためにあと10手は進めて欲しかったなー

豊島の解説は、まあまあだった 感想戦で豊島の解説が及ばなかったところにフォローがいっていたんで、まずまずか
でも最後、澤田は入玉はできるけど点数勝負で負けるのか、それとも広瀬が入玉を阻止して勝つのか、私にはそれがもうわからなかった(^^;

澤田は、一手損する先手矢倉という作戦だったのだけど、うまくはいかなかったようだ
広瀬の細い攻めをつなげる技術の高さが出て、広瀬の快勝という一局だった
いつも「将棋ワンストップ」のサイトを楽しみに読ませてもらっています
そこの管理人さまが、こんなことを書いておられました

>あと、私将棋ファンになった当時(2年ぐらい前です)人間と
>コンピュータが戦う「電王戦」というものにあまり興味がなくて
>真剣に見てなかったんですが、その理由として田中九段と同じように
>「コンピュータが人間に勝つのは当たり前やろ」と思っていたフシがありました。

(将棋ワンストップ 2015年12月17日  より引用)

これを見て、私(ギズモ)は「こういうタイプの人は強いなあ、プロ棋士がコンピュータに負けることへの耐性がある、これからはこういうタイプの人がプロ棋界を支えていくんだろうなあ、と思いました

私とコンピュータ将棋との出会いは、30年ぐらい前でしょうか
当時の家庭用ゲーム機といえば、ファミコンです
その中の将棋ソフトの一つ、「内藤九段将棋秘伝」というのがあり、私はそれを買ってもらっていたんです
このソフトは1985年に出てます、今からちょうど30年前ですね

当時これで、よく遊びましたよ 
ロボットが画面右上に描かれていて、そいつが輪っか状の手で指すという設定でした
駒や盤が見やすく、そして何より音が良かったです
「ピラリッ」という音で駒をつまみ、着手音の「バシッ」が聞きやすく、そして駒が成るときに「ギャギャギャン」と音がして、パワーアップする快感があります
それと、コンピュータがかなり早指しで指して来るのが特徴で、イライラしませんね

さて、当時小学生の私は当然弱かったです
私は当時小学生どうしの大会に出ていますが、そこで採用していたのが(私が先手として)▲9六歩△8四歩▲9七角△8五歩▲5三角成という作戦でした このいきなり角を成り込む作戦?が、通用していた大会でした(笑)
矢倉とか穴熊とかは知っていましたが、まあそんな名のある囲いを採用しなくても、勝てるだろう、とかいうレベルでしたからね
美濃囲いとかをしてくる相手だと、「おっ、強い、美濃を知ってるのか」というレベル(笑)

このソフトはそんな私を圧倒的に下回る弱さでした 
そんな私にもあっさりと負けていたんです 数の攻めがもう、理解できていないんですね
ただひたすら、成り駒を量産することが目的の攻め(笑)
価格は、けっこうな値段で、たしか定価が5000円ぐらいしたと思いますね
なにしろ、正式名称が「本将棋 内藤九段将棋秘伝」なんです 
はさみ将棋や回り将棋じゃありませんよ、ということです

しかし、わかりやすい・見やすい・操作しやすいユーザーインターフェースの点で、今でも私は傑作ソフトだと思っています 
ちょっと提案ですが、「内藤九段将棋秘伝」の対局画面と、「激指14」の思考回路とを組み合わせられませんかね~(笑)
このファミコンソフトの対局画面なら、気後れせずに「オレでも勝てそう」とみんな思えるでしょう(^^;
そして中身が激指なんで、ちゃんと対局してくれる、というね

そう、私の中では、「コンピュータ将棋ソフト」といえば「ponanza」でも「激指」でもなく、「内藤九段将棋秘伝」なんですよ
そんな時代から将棋ファンでしたから、今のソフトの強さって、もう「信じられない」んですね
つまり私の頭の中では、プロ棋士がソフトに負ける、イコール、プロ棋士が「内藤九段将棋秘伝」の続編に負ける、というようなものなんです

30年前のソフトの棋力を体験している私からすれば、プロがコンピュータ将棋ソフトに負ける? そんなことは、「あ り え な い」 んですよ・・・(^^; 
「将棋ワンストップ」の管理人さまの立場と、私は全く真逆なんです・・・
なまじ昔を知っているがゆえに、というやつです
でも、もう電王戦でもプロ棋士はさんざん負けましたし、「激指14」はトッププロの絶好調時の強さかな?、と思っております

プロ棋士、がんばれ~ ソフトに負けるな~ 
山崎八段には「内藤九段将棋秘伝」と練習して、自信をつけてもらいたいです
今ならブックオフで100円で売ってるよ!

YouTube 関連動画 「内藤九段将棋秘伝 最少十五手撃破」↓
https://www.youtube.com/watch?v=3m06TYlFaFg
24で、ponanzaが一週間指して、全勝で69連勝しましたね

人類のトップクラスが、69連敗したわけです
もう、残念という他、ありません がっくりです

佐藤康光九段は、11月末に出した著書で、こう書いています
「この先、たとえコンピュータがどれほど強くなったとしても、人と人の指す将棋の力が減じることはない。」
(長考力 P197より)

しかし、これは「減じることがなければいいな」という康光プロの願望でしかないでしょう
男子プロの対局や研究での、「神の一手を極める、真理の探究」という役割は、もう終わったなあと私は思います
康光プロの本に出ている△6四銀という手、(2005年第76期棋聖戦第5局)、それも激指14は検討モードで△6四銀が最善と考え出しました
(2時間ほど検討させた結果) 右玉の守りのカナメの銀を攻めに繰り出す、驚愕の発想の手なんですけど、それがコンピュータにもう指せるんですね

私は、人間が指した良い手には、もちろん感動します
しかしponanzaや激指の指す数々の手にも、同じように、すごい、素晴らしいと思えてしまうのです
時速200キロの球を投げるピッチングマシンがあっても、別にすごいとは思わないのに、です
頭脳競技と運動競技の違いでしょうか
プロ棋士とコンピュータを、モロに比べてしまうのです
じゃあこれからはコンピュータを応援すればいいじゃないか、と言われても、コンピュータの指す手自体には感動しても、コンピュータそのものを応援しようという気にはならないんですね、これが・・・

まあ、後ろ向きなことばかり言っていてもしょうがありません

今までもちょくちょく書いてきましたが、私は、これからは女流の存在意義が、かえって増すのではないかな、と思っています
元々、女流は最強の看板を背負って指していたのではありません
神の一手、真理の探究のために指していたのではありません
目の前の相手にどうやって勝つか、が目的でした

だから、男子プロがコンピュータに負けても、女流はそれほど関係ないと思えます
スポンサーも男子プロとは別の組織がついています
女流の将棋は、私は観ていて素直に面白いと思える対局が多いんです
もともと持ち時間も短いですしね

これは、小学生名人戦などの子供の大会を観ていても思うことです
小学生どうしが、バシバシと早指しで戦っているのを観るのは、面白いです

ただ、小学生名人戦を観ていて私がいつも思うのは、インタビューで「将来、何になりたい?」と質問するところです
出場者の多くが「プロになりたい」と答えるわけですけど、これはどうなのかなーと思ってしまいますね
小学生がこれから10年かけてプロになれたとしても、10年後はプロの組織の在り方がどうなってるか全然わかんないですもんね・・・

私は現在、銀河戦はもう上位しかほぼ観ない状態になっています

渡辺明プロが、去年出た本「ルポ 電王戦 人間vsコンピュータの真実 」でこう発言してますね
渡辺「自分は現在三十歳です。棋士になり、将棋を職業として、ギリギリよかった、という最後の世代となってしまうのかもしれません」
これからプロ棋界はどうなっていくのか、私のプロ将棋への興味は、いつまで続くのでしょうかね・・・?
戸辺誠 六段 vs 行方尚史 八段  NHK杯 3回戦
解説 野月浩貴 七段

戸辺は、まず間違いなく振り飛車なので、楽しみにしていた一局

戸辺は2006年四段、竜王戦4組、B2 1回戦で山崎、2回戦で飯塚に勝ち 3回目の本戦出場
行方は1993年四段、竜王戦1組、A級 2回戦で藤原に勝ち 19回目の本戦出場

解説の野月「戸辺は振り飛車党で攻め将棋 戸辺攻めと言われ、序盤から前へ前へ行く
行方はじっくりタイプだが、相手が攻め将棋の場合、戦いに乗っていくことも多い」

先手戸辺で、角交換型の▲中飛車vs△居飛車となった 
野月「しばらくは、じっくりした展開」
戸辺は左金を左に上がり、金銀分裂型なのに、穴熊に囲った
野月「穴熊は金銀2枚でも堅い、しかし陣形のバランスは悪い」

行方は4筋に金銀を集中させ、盛り上がっている
清水「行方八段は、自分のタイプは、相手の得意な形を真っ向から受け止める、と言ってましたので」
考慮時間の残り、戸辺▲9回vs行方△1回まで差が開いた
それにしても、長いな、戦いが始まるまでが・・・

戦いが始まったのは、番組開始から51分が経過したときだった 長かったorz
戸辺から仕掛け、飛車角が交換、打ち合いになり、一気に激しい展開となった

戸辺が一気に寄せれるかも、というところ、清水が驚きの指摘をした
清水「▲2三銀とかでは?」
野月「あ、あります、あります」
おおーー、めっちゃめずらしい、清水さんが自分から手を指摘するなんて!(笑)
そしてその▲2三銀が的中し、攻め立てる戸辺 これはいけそうかな? 戸辺玉は穴熊だしなあ?

野月「中段玉を寄せるのは大変だけど、穴熊らしい展開です」
しかし、行方に、自玉の腹に角を打って守るという手が出て、なんだかおかしい空気になっていった
野月「戸辺の手が止まっているときは、優勢じゃないんですよ」
その言葉どおり、戸辺は小考の連発となり、残りの考慮時間はたちまち▲1回vs△1回、並んでしまった

戸辺はなんとか迫ろうとがんばったが、また行方に同じ位置に角を打ちなおされて、手がもうない
戸辺の穴熊は、金銀2枚の欠点をモロに突かれて、攻め合い負け・・・ ガクッ
92手で行方の勝ちとなった

野月「両者、じっくり駒組みに行ったんですが、戸辺から仕掛けてからは、激しい攻め合いとなった
行方の角打ちの受けがうまかった、行方は中段玉を利用してギリギリ残していた」

うーん、戦いが始まるまで51分もかかったこと、見せ場となった、目立った好手が行方の角打ちぐらいだったこと・・・
もっと、おおおっという叫び声をTVの前で上げてしまう戦いを期待しているのだけど、毎回そうもいかないよな・・・
確かに、行方の「中段玉で不安定だけど行ける」との判断はさすがだった
「行方の順当勝ち」という言葉で終わってしまった感じの一局だった
日曜の昼3時30分から、NHKのBSプレミアムで、「激闘!第28期将棋竜王戦ダイジェスト」が放送されます
藤井九段の解説で、1時間番組です
将棋世界1月号の付録、「現役棋士データブック2016 上 あ~た行」を入手しました
この付録はかなり充実していると思います よくこれだけ、まとめあげましたね
先手後手別の勝率が私には興味深いデータです

さて、私は後手番で苦労している棋士が誰なのか知りたかったので、書き出しておきます
先手勝率と、後手勝率の差が激しいプロ棋士は誰なのか?
2012年度~2015年度の10月末までの成績が書かれていますが、2014年度だけに焦点を当ててみました
特に差が激しい棋士のみ、書き出しています あ~た行編です

2014年度の先手番、後手番の勝率  年度成績

阿部隆八段 先手 0.7692 後手 0.4211  18勝14敗

石田直裕四段 先手 0.7368  後手 0.3810  22勝18敗

大石直嗣六段 先手 0.8125  後手 0.3333  19勝15敗

片上大輔六段 先手 0.6667  後手 0.2143  10勝14敗

勝又清和六段 先手 0.5333  後手 0.1875  11勝20敗

佐藤康光九段 先手 0.8000  後手 0.4815  25勝17敗


この中で目を引くのは、やはりトップ棋士の佐藤康光! 先手が8割で後手が4割8分・・・
ちなみに康光は2012年度は先手後手の勝率がほぼ同じだったのですが、2013年度は先手0.7059、後手0.3500とやはり苦戦
2015年度10月末の時点でも先手0.5714、後手0.2222と苦戦中ですね

なお私はタニーも気になったのですが、タニーは2012年度は先手0.7273、後手0.2000と大苦戦したものの、それ以降はそれほどでもなかったですね
これらの数字をみていると、やっぱり先手が有利なゲームなのかなーと思ってしまいますね
将棋の渡辺くん 1
伊奈めぐみ著 講談社 2015年12月9日初版発行 別冊少年マガジンの連載をまとめたもの
評価 A  コンセプト<渡辺家の日常を、奥さん自身が描いたエッセイマンガ>

私は、渡辺明プロのことをかなり知っている
・・・と思ってました、この本を読むまでは(^^;

私の知っている渡辺明プロは、それはそれは頼もしい将棋を指して、解説ではキビキビしゃべってくれますからね
本書では、仕事中とは裏腹な、家での渡辺明プロの様子が主に描かれています
家での「渡辺くん」は、欠点がかなり多い人に描かれているので、楽しい(笑)
 
渡辺プロがドカンと稼いで、4つ年上の奥さんが旦那をリードしてあげてる
いやー、相性ピッタリの理想のカップルですねえ!

渡辺プロは、やらないと決めたことはトコトンやらないんでしょうが、やらなければならないことは、実直にしっかりと、できるまでやることを、私はよく知っています
それは観ている将棋ファンなら、みんな気づいてるんじゃないかな 
だからこの本でどういう扱いを受けても(笑) 、将棋ファンは安心して読めますね

昨今は、プロ棋界はコンピュータの侵略をモロに受けて、「いったいプロ棋界はどうなるんだ」という空気が私のような観る将棋ファンには漂っています
今日も24では電王ponanzaが勝ち続けているのでしょう

そんな中、無条件に笑わせてくれる本書の存在は、貴重! 
著者の絵は独自路線を行き、文房具1個を描かせても、どこか味がある!
話のネタも、日常の小さなことに目をつける、その着眼点が光っています、楽しいです
著者の絵と文章のセンスで、他にライバルがいない、他に類書がない本になっている、素晴らしいです

このレビューを書くために一気に読んだのがもったいなかったくらいです
来年の夏ごろに出る予定という、続編の2巻も、早く買いたいですね
郷田真隆 王将 vs 阿部健治郎 六段  NHK杯 3回戦
解説 丸山忠久 九段

叡王戦で決勝まで行っている郷田と、若手有望なアベケンの対決か 相居飛車は間違いないだろう

郷田は1990年四段、竜王戦1組、A級 2回戦で天彦に勝ち 24回目の本戦出場
アベケンは2009年四段、竜王戦3組、C1 1回戦でタニー、2回戦で渡辺明に勝ち 3回目の本戦出場

解説の丸山「郷田は練習将棋でもとにかく負けてくれないんですよね すごい勝負に厳しいというか、一生懸命にいつも指している
アベケンとは彼が奨励会の頃から研究会で一緒、山形県から5時間かけて研究会に通ってきていた、熱意がすごい
郷田はジャブ主体の攻め将棋 アベケンは直線的なストレートな攻め将棋」

先手郷田で、相掛かりの力将棋となった
丸山「お互いに研究しようがない手を指している、見たことがない将棋になったなと思っているはず」

駒組みも難しく、空中戦の力比べ 
丸山が「ちょっと郷田のペースになりかけたけど、またアベケンがペースを引き寄せた」という、難しい展開が続く
丸山「郷田は相手の言い分を全部通しているようで、自分の言い分も通している この辺が郷田のうまいところ」
丸山「アベケンは、良かったはずなのになー、という表情ですかね」
清水「お互い攻めと受けがギリギリのところでバランスが保たれている」

アマチュアレベルでは、予想手を当てるのも難しい、予想すること自体が難しいという、困った将棋になってしまった
もう、理解するのも困難なので、手が進んでいくのを鑑賞するしかないな・・・

アベケンが歩切れになったところから、郷田が良くなったのかもしれない
終盤は郷田がリードを保って逃げ切った一局だったと思う
127手で郷田の勝ち

終局後、郷田は開口一番、「いやーだいぶ苦しかった」とつぶやいていたから、難解だったのだろう
残念ながら感想戦はなかった

丸山「ホントにすごい将棋でしたね、どっちかが半歩リードしたかなという感じの局面が色々あったんですけど、なかなかハッキリと良くなるまでにならなくて、最後まで均衡を保ってくるというのは、両者すごい技術だと思いますね 小競り合いの見どころのある将棋だったと思います」

トップの郷田と若手バリバリのアベケンの相居飛車の力戦・・・ やはりというか、難解な内容になったなあ
これが娯楽なのかという難しさ(^^;
丸山はがんばって説明しようとしてくれていたと思う 
小競り合いが延々続くと、どうしても難しいということになってしまう プロの将棋の宿命だろう
長考力 1000手先を読む技術
佐藤康光著 780円+税 幻冬舎新書 2015年11月30日初版発行
評価 B  コンセプト<康光流の将棋の考え方>

冒頭、この文で始まります
「棋士の特殊能力ともいうべき、深く、正確に『読み切る力』を、人生やビジネスで活かすことができるのか。どうすれば論理的に物事を考えられるのか。そういった期待を持ってこの本を手に取られた方も多いかと思う。」 (まえがきより)

しかし、この本は、どうも読むほどに、将棋を指すときの精神論になっています
将棋好きなファンで、ある程度プロ棋界に精通していないと、面白くないんじゃないかなあ、と思えますね

全6章から成りますが、序盤、退屈なところがあります 
「定跡」、「大局観」、「利かし」、「スペシャリストとジェネラリスト」といった言葉の定義は、別に康光にわざわざ教えてもらわなくとも、もう私は知っていますからね・・・
こういう言葉を知らない人向けなんでしょうけど、本の後半では一転して、森内とか郷田とか森下とか島とか室岡とかが出てきて、「どう考えても、今度はマニア向けの話だよな」と思えます

後半が面白かったです 康光本人による「康光新手」の解説とか、新手を作るときの苦労、このままの変則な棋風でいいのかという葛藤、私は興味深く読ませてもらいました
でも、矢倉の組み方の進化とかを図面で教えられても、将棋に興味ない人が読んだ場合、何を思うんでしょうね(^^;
(図面は全部で10個程度しか出てこないですけどね)

タイトルの「長考」に関しては、もっと深く取り上げて欲しかったです
「好きだから読み続けられる」という項目がありますが、結局まあ、そうなんだろうなあと感じました
康光といえば、今年の将棋年鑑のアンケート、「一生お金に困らないとしたら?」に、「将棋の研究」と答えていますから、もう将棋のことを考えるのは本能というレベルなのでしょう

ただ、「長考の中身」について、あまり触れられてません 「何をそんなに考えてるのか」がいまひとつ書かれてませんでした
堂々巡りはないのか?、と思ってしまいますね

あと、なぜ康光が居飛車本格派から、破天荒な棋風に変わったのか、それが書いてあるのはいいですね
原因は、あの人との戦いで12連敗を喫したから、だったんですね(笑)  

電王戦、叡王戦については、分量7ページで、ちょっと触れられているだけです
叡王戦について、「私も参加する以上、コンピュータと戦うときは全力を尽くすしかない。」と書かれてあるだけです
康光といえば、米長著の「われ敗れたり」で、コンピュータとの対戦をきっぱり断った話が有名ですが、なぜ今回は叡王戦に出たのか、私はいまだに不思議に思っております・・・

強いコンピュータが出てくる中、出された康光さんの「長考力」というタイトルの著書
康光は巻末で、「人間にしかできない将棋とは何か。その答えは持ち合わせていないが、深い読みに支えられた『読みだけではない驚き』を与えることにあるのではないだろうか。」と述べています
康光は観る人に驚きを与えてくれるよう、これからも、がんばってくれるようです 
創造派の第一人者は、これからどんな将棋を見せてくれるんでしょうかね 期待しております
渡辺が竜王に復位しましたね
私は最近、渡辺さんの書いた、「勝負心」(2013年発行)を読んでいたんですよ
その中から、一番印象に残った一文を抜粋します
渡辺が竜王戦で、5連覇を達成して永世竜王になったときの、渡辺の感想です

「私にとっては、これでようやくスタートラインに立つことができた。」
(勝負心 35ページより)


読んでいてさすがに、ひっくり返りそうになりました 
永世称号を取ったところが、やっとスタートラインかい!!
いやあ、超一流ってのは、やっぱり違いますね 
渡辺竜王には、これからも羽生名人と名勝負を繰り広げて欲しいものです
瀬川晶司五段 vs 牧野光則五段
対局日:2015年10月16日
解説:先崎 学九段
聞き手:山田久美女流四段

10月から、第24期の銀河戦が始まっている
私は銀河戦にもう興味をなくし気味で、囲碁将棋チャンネル自体をしばらく解約しようかとも悩んでいた
11月は女流王将戦があったから、それを観て楽しんだけど、12月からは何があるんだ・・・
竜王戦の中継番組があるのか、じゃあそれを観て、12月で解約しようかと思った

そんな折、昨日、瀬川さんのブログで「銀河戦に出たので観てね」と書いてあった
ちょうど先日、瀬川プロ編入問題の本を2冊読んだところだ じゃあ瀬川戦を観るか?
おおっ、解説に先ちゃんじゃないか こりゃー、観る価値ありだな
何しろ、私はここのところ先ちゃんの昔のエッセイを立て続けに4冊も読んだのだ
もちろん昔読んではいたが、また読みたくなって、読み直したのだ
すごく面白いんだ、これが・・・ 文章の才能バリバリだ~ やはり先ちゃんの昔のエッセイは最高だ 

さて、解説に登場した先ちゃん、明らかに太っている・・・ 俳優でいうと、香港アクション映画に出てくる、サモハンキンポーにそっくりだ

ところで瀬川さんだけは、なぜか「さん」づけしてしまう、アマ時代の印象が強いからか
先手瀬川さんで、後手牧野の一手損角換わりになった

▲棒銀で積極策に出た瀬川さんvs△意表の向かい飛車で居玉のまま受けようとする牧野
しかし牧野の構想はやはり自然ではなく、無理があったようだ
着実にポイントを稼いで優勢に進めた瀬川さん、だが考慮時間を早々に使い切り、30秒の秒読みが続く
牧野が意外な勝負手を放ってくる それに対し瀬川さんが、攻防の自陣角を放つ!
実に思いつきにくい端角だ 30秒でそんな手が指せるのか~
その端角の威力が抜群で、優勢に進め、最後はなんか危なくなったが、どうにか瀬川さんが勝ち切った

最後のほう、中段で双方の玉と玉が1マス空けてにらみあう、ということになり、けっこうハラハラしたなあ
瀬川さんの秒読み耐性が存分に感じられた好局だった、やはり30秒将棋で真価を発揮するのかもしれない 
瀬川さんのプロ入りの原動力の棋戦といえば銀河戦だからね
牧野がアマっぽい奇抜な作戦をしてくれたおかげもあり、なかなかに面白かった一局だった

先ちゃんの解説、やはりわかりやすい 気になる変化をほぼ網羅してくれる
先ちゃんと瀬川さんとは旧知の仲とのことだったが、雑談でそれに触れてくれなかったのがまあ残念といえば残念だ
序盤からけっこう神経を使う将棋だったのでしょうがない
先ちゃんは瀬川さんよりも読みの深さで負けていたところもあったが、解説者は変化を解説する仕事があるんで、対局者より読むヒマがないのでこんなものだろう 
そして、銀河戦のいいところ、それは聞き手の女流が毎回変わるところだね
山田久美女流、自然な受け応えで、いい感じだった
あと、秒読み係の飯野愛女流は、「9」を何回も読むことになり、けっこう心臓に悪い仕事だな~と思った

これからも囲碁将棋チャンネルを解約することなく、銀河戦を、注目カード、あるいは注目解説者のときだけは記事にしていこうかと思っている
NHK杯じゃないから、短い文章で一局を紹介するのもいいかもしれない
激指14を買ったので、棋譜解析と検討モードについて、どんな具合か書いてみます
私が激指を買ったのは3年前の2012年の7月に発売された定跡道場3(以下、道場3)以来です

私のPCは、去年17万円ほどで買ったものです
性能は、Intel(R) Core (TM) i7-4790K @4.00GHz 4.00GHz  メモリ 16.0GB
と書いてあります 64ビットオペレーティングシステムです

棋譜解析で、第3回電王戦の最終局、▲屋敷vs△ponanzaを解析してみました
棋譜は終盤で屋敷の▲8一成香という手が敗着、ということがハッキリしているので、これを選びました

まず激指14の棋譜解析の強さは、初段~七段+までの14段階に分かれています
道場3では六段+++まででした

最低レベルの初段で解析してみると、アッという間に、5秒くらいで解析が終わる(笑)
持ち時間5時間で、10時間ぐらいかけて行われたこの一局が5秒で解析終了とは(^^;
精度にやはり無理があったようで、▲8一成香は何もコメントがなく無視されてました

次は四段でやってみましたが、20秒くらいで終了、▲8一成香は疑問手の扱いでした
そして五段でやってみると、1分弱で終了、ここで▲8一成香が敗着と出ています
おー、やはり1分かけると、だいぶ正確になったようです 
(でも道場3の五段の解析でも1分ほどで敗着も▲8一成香ときちんと出ていましたから、とくに変わりません)
六段で約2分でした 

そして最高レベルの七段+は、約20分もかけて解析してしました
10時間ぐらいかけてあったプロの対局ですから、20分かけて解析でもまだ短いくらいかもしれませんね
しかし私的には充分な機能となっています


追記・▲屋敷vs ponanzaをもう一度検討をさせたら、約10分で解析を終えてました
さらに、3回目を試してみたら、また10分で終わりでしたが、▲8一成香にコメントが何もつきませんでした 同じ七段+の解析なんですけどね なぜでしょうね さらに後日の追記・その後、何回かやっても10分で解析を終えてました 20分かかったというのは間違いだったようです、すいません


さて、次は検討モードです 
阿久津が指した△2八角を誘う戦術は、通用しないです
検討モードの候補手を10個にしても、候補手に入ってきません 何らかの対策がされてますね
(AWAKEが△2八角を打ってしまった局面から数えて)先手側が、わざとスキを作ったままで10手くらい進めても、検討モードの10個の候補手の中に△2八角が入ってきません
しかも、なにがなんでも△2八角を打たないのではなく、私が先手側を持って対戦して、ずっと打たせるべく手待ちしてみたら、「ここからは△2八角が成立して後手の攻めが続く」と激指が判断して△2八角を打ってきて私が攻めつぶされたときがあり、それには軽い感動を覚えましたね
もう△2八角打たせは通用しない時代に入りました

次に、第2回電王戦の最終局、▲三浦vs△GPSの、△8四銀が検討モードでは指せるかなと思ってやってみました
そしたら、4時間も検討させて、Pro+9というレベルまで進み、最善手が△7五同角で0、次善手が△8四銀で+88という結論でした
要するに、まだ△8四銀は指せないようです
もっとも、最高はPro+11まであるのですが、4時間で私は「いつまで考えとんねん」、とぶち切れました 


そして、歴代の名手とされている手は指せるのか、と思い、やってみました
ここからが本当の地獄でした 凶悪なのです・・・ 強すぎて・・・
書いてしまっていいものかどうかわかりませんが・・・

1989年のNHK杯、▲羽生vs△加藤の▲5二銀てありますよね あれを最短5秒で見つけたりします ぐはっ
何回も検討モードにかけると、そのたびに▲5二銀を見つける時間が変わるので、最高2分くらいかかったときもありましたが、最後には結局見つけます
もっとも道場3でも平均30秒ぐらいで見つけていたのですが・・・

2005年4月26日 第63期名人戦第2局 森内俊之名人 vs 羽生善治四冠
森内の▲4八金の捨て駒は3秒で発見でした
あべし
でも道場3でも30秒ほどで発見してましたけどね

1993年第62期棋聖戦、羽生善治竜王-谷川浩司棋聖
谷川の△4七角のタダの中合いってありますよね 
あれは2秒でした ひでぶ
というか、道場3でも2秒で見つけてました・・・

1972年 4月18日 第31期名人戦七番勝負第2局 中原誠 vs 大山康晴
大山の△8一玉ってありますよね あれも0.5秒くらいです ズギューン
もっとも、△8一玉は絶対正しい手であるため、コンピュータには見つけやすく、道場3でもすぐみつけてました

1971年名人戦 第3局大山康晴vs升田幸三
升田の△3五銀ってありますよね あれは1秒かかりませんでした ドッギャーン
でも、これも道場3でも3秒かからずに出てました・・・

1989年の新人王戦、▲羽生vs△森内の羽生の指した中盤、忙しいと思われたところでの▲9六歩の手渡しも名手とのことです
激指14は2分ほどでの考慮で▲9六歩が最善と出ました (定跡の利用を無しに設定)
中盤での、ゆっくりした手もちゃんと考えることができるんですね
(ただ、2回目の10分間、3回目の10分間では検証では▲9六歩は第3~第4候補止まりで、指せず
2分で▲9六歩が最善と出たのはたまたまか?)
 
こんなこと書いて良かったかわかりませんが、もうとにかく強いんですよ・・・
圧倒的、圧倒的じゃないか、というぐらいです
しかし、今更ですけど、道場3もこんなに強かったんですね 
道場3も歴代の名手を見つけるため、あまり14との差がハッキリしないという結論でした 

中原の▲5七銀、谷川の△7七桂はまだ最善手には登らないようですけどね
追記・中原の▲5七銀、検討モードのPro+が発見しました 激指が発見した瞬間、評価値が+200程度から+1000程度まで、一気に跳ね上がりました うわあ、▲5七銀も発見できるのかorz

さすが、将棋レボリューション(革命)というだけありますよ 
私はドリームクラッシャー(夢の破壊者)という名前にしたらどうかな、と思いますが・・・ 
強いソフトを入手できること自体はうれしいんですよ、ただため息がでますね 以上です