島本亮 五段vs豊島将之 七段 NHK杯 1回戦
解説 小林健二 九段

島本の登場  島本はシマーと呼ばれ、熊坂のクマーと並んで、一部で人気者だった(笑)
島本はフリークラスに落ちたけど、またC2に参加できるようになったとウィキペディアに書いてあった
豊島を相手にどこまでやれるのか、注目だ
島本はアロハシャツみたいなのを着ていただが、これは沖縄の「かりゆしシャツ」だそうだ

島本は2003年四段、竜王戦6組、C2 NHK杯本戦初出場
豊島は2007年四段、竜王戦1組、B1 8回目の本戦出場

解説のコバケン「島本はいい男ですよ、ひょうひょうとしたところがありましてね
将棋もひょうひょうとしてるんですけどね
豊島のほうは今や関西のホープ 将来のタイトルホルダーですし先輩後輩からも大変慕われています」

事前のインタビュー(要約)
島本「棋士になって10数年経つんですけど、初めて出場できるとは思ってもいなくて、とてもうれしく思っています
緊張から来る凡ミスがないように精一杯戦いたい」

豊島「島本は同じ関西の先輩で、受け将棋で早見え早指しのタイプかなと思います
思い切りよく指していい将棋をお見せできればと思います」

先手島本で、ごく普通の相矢倉となった 序盤の駒組みは、解説がないし、淡々と進むだけで退屈だった
コバケン「島本は色んな面白い戦法も使うんですけどね、ユニークな本も書かれたりしてるんですけど」
そういう戦法は、こういうプロレベルの真剣勝負ではやはり使うのは無謀ということか・・・
「きんとうん戦法」とか「ドラゴンスペシャル」とか、見て見たかったが(^^;

藤田さん情報によれば、島本の着ている「かりゆしウェア」の「かりゆし」の意味は「沖縄の言葉でめでたいとか縁起が良いという意味が込められている」とのことだった
コバケン「暑いですし、彼は初出場ですから、服装でリラックスしたかったんでしょうね」
私としては、何を着て出てきてくれてもOKです 
むしろ、プロ棋士はサラリーマンじゃないんだから、背広ばかり着てくるのは芸がないと思う
一番着てくれるといいのは、やっぱり和服ですね

相矢倉から角交換で、双方馬を作って、自陣方面に引き合い、先が長そうな雰囲気が漂う
コバケン「難解は局面とかけて、藤田さんと解く」
藤田「その意味は?」
コバケン「綾(あや)がある」
・・・うまい(笑) コバケン先生、こういうの好きなんかなー(笑)
何年も前に、関西会館の解説会に行ったときも、「形勢は難解です、南海ホークスです」と言っていたし・・・
※南海ホークスとはだいぶ昔あったプロ野球球団です

コバケンが手を先読みし、当たるかどうかの「当てもんゲーム」みたいな解説になっているが、たまにはこういうのもいいよね
コバケン「(島本の手に)あー それやっちゃうとー」 コバケン「(豊島の手に)ああー これいい手ですねー」
コバケン「(豊島の手に)ああー その手があったか 厳しいですねー」

こんな感じでずーっと、豊島が押しているかに見えたのだが、島本がどうにかしのいでいる 
決め手を与えない島本
うーん、手が広い局面が続き、どちらも最善手が考えにくい 難しい将棋だなー

コバケン「豊島が押しているように見えますけど、島本ががんばってますね
島本は負けるときにポキッと簡単に折れちゃうことがあるんですけど、粘ってますね」

コバケン「いやー大熱戦になりましたね、どっちが勝つかわかりませんよ」
いやー、たしかに熱戦だなー、うーん、もう頭がクラクラしてきた 今日はまた暑いし・・・(^^;

秒読みで何度も「9」でギリギリに指す豊島、心臓に悪い

島本が豊島玉を寄せられるか、というところだったのだが、豊島が上部脱出を試みたのがうまかったようだ
コバケン「んー、がんばったけどなあ、島本」 124手、豊島の底力の前にシマーは力尽き、投了した

コバケン「んーすごい将棋だった、惜しかったなあ、島本」
総評がこれだけで、寂しかった  もっとどこがどうだったか言ってほしい

感想戦が3分ほどだったが、結局よくわからなかった
なぜ豊島が勝てたのか、島本のどこがいけなかったのか

シマーが望外の力を発揮し、豊島を苦しめたのだが、やはり地力で優ったのは豊島という結果だった
解説者のコバケン先生ですらどこがポイントかよくわからなかったようだ
相矢倉らしい、総力戦となった本局、手が広くて難しい将棋で、暑い日向けではなかったな・・・(^^; 
来週はNHK杯の放送時間が変わっているので注意されたし
AI ~THE BLUE HEARTS 「青空」 の替え歌~

元の歌 https://www.youtube.com/watch?v=v1sJ9Pfm9qk&list=RDv1sJ9Pfm9qk

ディスプレイの 向こう側
事もなげに プログラマが
プロの棋士を 打ち倒した
ピカピカ電王手さんで
出来れば僕のゆううつを
打ち倒して くれればよかったのに

スポンサーにカネをもらい
禁断のソフト指しを ねだるなんて 本気なのか?
世間の目を知りもせずに
やろうとした奴がいるよ
将棋指しの 矜持を見せてみろよ

評価関数や クラスタリング技術
いったいこの僕に 何が分かるというのだろう
コンピューター その進歩
僕も乗っけてくれないか
たぶん僕は ついてけない

こんなはずじゃなかっただろ?
電王戦が問い詰める
哀しいほど ボロ負けするプロ棋士 

機械学習や ディープラーニング
いったい世の中の 何が変わるというのだろう
テクノロジー その進歩
僕も乗っけてくれないか
もはや僕は ついてけない

こんなはずじゃなかっただろ?
電王戦が問い詰める
哀しいほど 強くなったAI 強くなったAI
週刊少年ジャンプで連載中だった「ものの歩」が連載終了しました
前触れがなく、けっこう突然・・・(^^;
先週、掲載順位が下から2番目になっていたから、ん?人気ないの?とは思っていたんですけどね
去年の9月から連載が始まったから、1年持たずに終わってしまいました

でも、最終回はうまくまとめてたと思います 

「ものの歩」、いったい何が敗着だったのか?
私は他のマンガは「こち亀」しか読まないので、打ち切りの理由がわかりません
まあ~、たしかに、これ以上続けても、なんかいまいち、盛り上がらなかったでしょうね
主人公の信歩くんがもうひとつ突き抜けてないし、ライバルといえるキャラも、微妙・・・
かやね荘の仲間たち、出したキャラが多すぎたか
描いたのが、みなとさんの、お色気サービスシーンだけではダメだったか

ああーー、でも、私は毎週、コンビニで楽しく立ち読みしてたんですけど(笑)
作者の池沢さんは、納得の上で終わりということですけど・・・ もっと描きたかったんじゃないでしょうか
野球で言えば、3回裏で試合終了、みたいに感じましたんで(^^;
私はブログを書いてるわけですけど、打ち切りにされる心配がないので、気楽です
雑誌はページ数が限られてるから、ページの取り合いになりますからねえ

「ものの歩」、お疲れさまでした! 今まで楽しい時間をありがとう!

別の将棋マンガの話ですけど、今、チャンピオンでやってる、「永遠の一手」は、私は毎週チャンピオンを買って読んでます
何が言いたいのかよくわからない設定ですが、おもしろいところもありますよ 
ソフトのせいでプロ将棋人気がなくなって、連盟の内部で、ののしりあいが始まるところなんか、「実際にありそう~」とか思いますし(笑) こっちはたしか短期集中連載だったはず、もう終わる覚悟はできてます、「永遠の一手」に期待です
加藤桃子 女王・女流王座 vs 佐藤和俊 六段 NHK杯 1回戦
解説 島朗 九段

いよいよ女流の登場 と言っても、加藤は女流ではなく奨励会員・・・
加藤は21歳とのこと どこまでやれるのか、楽しみだ
女子はNHK杯では、2004年に中井が勝ったのが最後で、それ以来、1回戦で12連敗中である(^^;
(ウィキペディア NHK杯将棋で調べると詳細がわかります)

加藤は2014年初段、獲得タイトルは女王3期、女流王座4期 今回は連盟の推薦で本戦初出場
佐藤和俊は2003年四段、竜王戦2組、C2 4回目の本戦出場

へー、和俊は竜王戦は2組なのか、なかなか強いのか

解説の島「加藤は果敢な将棋、和俊は芯が強くて折れない感じで、加藤にとっては難敵」

事前のインタビュー
加藤「こんなに早く出場の機会をもらえるとは思わなかったので、とてもうれしくて心より感謝しております
本局は対抗形になると思いますが、私が穴熊にするか急戦にするかは佐藤先生次第ですね」

和俊「加藤さんは非常に謙虚な方で、真摯な姿勢で取り組まれているという印象を受けます
自分の持ち味は形勢が悪くなってからの粘り強さなんですけども、できれば悪くならないように進めたいと思っています」

先手加藤で、対抗形になった ▲居飛穴vs△ノーマル四間飛車+美濃だ
この戦型はアマには人気があると思う、私も好きだ
島「普通の四間飛車が見直されていて、居飛穴に対する研究が進んでいるんです」
ほー、それはいいことだ 本局の展開が注目だな~

序盤が進み、和俊が玉頭銀みたいな作戦だ
島「今のところ和俊が策をねってきたという感じですね」
うーん、和俊の急戦策に、居飛穴が一手間に合ってないのか
早々に角交換から和俊の再度の△3三角と据えた手で、和俊が攻勢だ
どうやって加藤さんは受けるのか・・・ って、▲6八飛! 飛車を6筋に回って我慢! うわー、もう我慢か(^^;

島「あ、▲6八飛ですか 専守防衛ですね」
だがしかし、和俊に攻めの権利があり、もう居飛車を持ちたくない(笑)
島「加藤は早くも試練のときを迎えていると思います、加藤は自然に組んでいたように見えたが、和俊の主張は通った」

加藤さーん、がんばれー、と思っていると、なんだか、耐えているとの島の解説
島「加藤はここまで堂々としていて、いいんじゃないか、時間の配分もいい」

雑談で、島「私は以前、NHK杯で甲斐さんと戦ったが、みんな甲斐さんを応援していて、やりにくかった(笑) 」
そうだろうなー、私も女流が出るときは絶対女流を応援してるもん

さて、難しい中盤だ 和俊の金が取りになっている、という状況で、和俊は金を見捨てた!
飛車先の突破を優先し、これがどう出るか・・・
島「金を見捨てたのは、なかなかの手だった 加藤はけっこう苦しい 和俊が少し抜け出した」

ここから、和俊の独壇場となってしまった
和俊ばっかり攻めて、加藤は防戦一方 
加藤が攻めた手もあったのだが、完全に無視されてしまった・・・

とにかく、玉の安全度が違い過ぎる 
加藤の玉形、金が1枚もいない穴熊の薄さときたら、財布にお札が1枚も入っていないときぐらい寂しいものがある(笑)
一方の和俊の玉は全く安泰そのもの
ガンガンにいいように攻められ、大差がつき、加藤、ついに降参してしまった あああああーー
94手で佐藤和俊の勝ち、完勝だった

島「和俊としては中盤で緊張した場面、加藤の頑強な手に苦心を強いられたところがあったと思うんですけど、開き直って、金を捨ててからは安定して力を出し切って、加藤の終盤力を封じ込んだ
和俊にとっては力と技を融合した会心の一局だったのではないか
加藤はちょっと残念でしたけどね
居飛穴に苦しめられている方にとっては今日の和俊の四間飛車は常に攻勢を取っているので参考になったのでは」

加藤が投了した瞬間、私は「だめだこりゃー」と言ってしまった(笑)
まあ、投了図だけ見たら、大差だもんね  
中盤に難しいところはあったとの感想戦だけど、そこで間違えちゃうというのが棋力の差だから・・・
これで女流は1回戦で13連敗、素直に悲しい(^^;

ただ、島が言っていたけど、プロ間で(藤井システムではない)ノーマル四間飛車が復権しているのだとしたら、私にとってはとてもうれしいことだ
本局、加藤は守りの金が常に上ずってしまい、その処置に頭を悩ますことが強いられていた
普通の居飛穴だったら、守りの金はただ定位置に居ればいいことが多く、手が簡単だからね
今回、和俊がやったように玉頭銀で揺さぶるというのは非常に簡単に真似できるので、それが居飛穴対策になればいいね

将棋における男子と女子の差を改めて感じた一局となった
だけど、里見さんと西山さんが三段リーグでがんばっているのだ それがすごいことだと思う
2016.07.23 不屈の棋士
不屈の棋士 大川慎太郎著 講談社現代新書 840円+税 2016年7月20日初版発行
評価 S  コンセプト<プロ棋士たち11人へ将棋ソフトに関するインタビュー>

ひさしぶりの棋書レビューです
私は今まで、この「ソフトの件」については、イライラしていました
その原因が、「プロ棋士がソフトに関して、あまりしゃべらない」ということに起因していたのだということがこの本を読んでわかりました
本書、かなり突っ込んでインタビューをしてくれています
例えば羽生さんへの質問を一部抜粋してみます

大川「第1期叡王戦にエントリーしなかった理由を教えてください」
大川「羽生さんがいま、もしソフトと戦うとしたら、アンチコンピュータ戦略というか、たくさん対戦して弱点を見つける、というような準備になるのでしょうか」
大川「将棋指しは『強い相手と戦いたい』という欲求をお持ちだと想像しますが、大舞台でソフトと指してみたいという思いはあるのでしょうか?」
大川「『いまいちばん強いソフトと対局したら勝つ自信はありますか?』という質問にはどう答えますか?」

・・・まだまだどんどん延々続く質問の嵐(笑)  こういう刺激的なインタビューとその回答が、延々318ページ
つまらないわけがないです  
ただ、延々ソフトに関する質問集なので、私は「またソフトの話題か!」と、途中で思ってしまいましたけど(笑)  それは、そういうテーマの本ですから(笑)  ちょっとずつ読むのがいいんでしょうかね  

千田さんがやっぱり面白い存在で、研究にソフトを取り入れまくっています
そしてその対極の存在として、ソフトに背を向ける行方さんのような人もいる
私は行方さんに共感してしまいます
千田さんは棋力向上と言ってますが、完全にソフトに依存する勉強の仕方で、100%ソフトの指示どおり指せるようになったとして、じゃあ人間の存在意義って、どこにあるのか? それはもう人間というよりソフトそのものではないか、そう思ってしまいますね

「プロ棋士の存在価値はこれからどうなるのか」、「ファンが離れていくのではないか」という過激な質問もバンバンしてくれていて、プロ棋士もそれに対して何らかの答えをしてくれています
「電王戦の貸し出しルール」に賛成か反対か、そして「評価値」が視聴者向けに出ることにどう思うかも質問してくれていますね

普段のプロの研究において、私が思っていたより、もうプロ棋界にはソフトが浸透していることがわかり、私はショックで、「あー、もうプロの将棋は割り引いてしか楽しめなくなっちゃったな」という思いが沸きましたが、しょうがありません

とにもかくにも、丸々本一冊分、こういう機会を設けてくれたことにより、私の「イライラ」はかなり解消されました
貴重な証言集に仕上がりましたね
大川さん、そして答えてくれたプロ棋士のみなさん、ありがとう

私のような一ファンが、これからもプロ棋士の将棋を観続けるのか、それは自分で決めていかないといけません
私はまだ葛藤の日々を送ると思います・・・(^^;
僕のプロ棋士 ~THE BLUE HEARTS「僕の右手」の替え歌~

元の歌 https://www.youtube.com/watch?v=mUzQUTHeFT4

僕のプロ棋士 知りませんか?
行方不明になりました
ボコボコにされた電王戦 ニコ生で観てたよ
今すぐ捜しに行かないと
さあ 早く見つけないと
敵に飢えたプログラマー 今夜 吠えている

観た事もないような 無理攻めの仕方で
聞いた事もないような 手筋を使われた だから
僕のプロ棋士 知りませんか?

人間はみんな弱いから
コンピューターに負けるんだ
あきらめて奥に閉じ込めた くじけない心
いまにも目からこぼれそうな
涙の理由が言えません
今日も 明日も あさっても 将棋は観たいでしょう

観た事もないような 新手  織り交ぜた作戦で
聞いた事もないような 玉さばきをされた だから
僕のプロ棋士 知りませんか?
土曜の夜にTVで放送のあったETV特集「最強ソフトVS個性派棋士~激闘 電王戦二番勝負~」の感想です

正直、私はもう電王戦はTVや出版媒体から、見放されたと思ってましたので、こういう放送があるのは素直にうれしかったです
去年の「電王戦FINAL」の後では、こういうTV放送や出版物を、とんと見かけなくなっていましたので・・・

さて、印象に残った発言をピックアップ
今後のソフトの進化を聞かれた山本一成さん
「ここまでが限界だ、という理論は特に言われていないので、人が理解できない領域になると思います」
おおー、そうですか、まだまだ進化しますか! 
もう人間を抜いたし、どんどん強くなっちゃえ(笑) 

山崎叡王のPONANZAとの練習
ナレーション「手も足も出ず、初手合いは完敗に終わりました」
ナレーション「山崎さんはその後、何度指しても歯が立ちません」
ナレーション「山崎さんは練習を重ねるうちに、自分の読みに自信が持てなくなっていきました」
ナレーション「山崎さんは攻略の糸口が見いだせないまま第1局にのぞむことに」
ナレーション「第2局の展望が全く見えません」

・・・なんか、もうボロボロな言われ方なんですけど(^^; 
思うのは、結局、山崎叡王は練習で一局でも、待ったなしでPONANZAに勝てたことがあったのか? それは思ってしまいますね

千田五段と山崎叡王との違い
ナレーション「千田さんは今や棋士は、ソフトの形勢判断を参考にして指し手を選ぶべきだと言います」
ナレーション「しかし山崎さんはその言葉を素直に受け入れられません」

ここ、面白かったです
千田が正しいのかもしれないけど、ただのソフトのコピーに成り下がりたくない山崎の気持ちもよく分かります

技術的なことは、2か所、疑問点がありました
第2局の▲2二角成と踏み込むと山崎叡王にチャンスがあったかのように言われていましたが、▲2二角成としてやっと五分だったんじゃないでしょうかね
△5六歩▲2二角成△5七歩成▲3二馬△同玉▲5七金のときに、△3九角とPONANZAが打つ読みでしたけど、そこでは△3三銀として互角との激指の読みです 
△3九角はココセでしょう 

その後の△1三同玉のときに▲1五香と走れば山崎叡王にチャンスだったとも番組では言われていますが、千田五段のブログで「後手玉が逃げ出せる形になるのでチャンスとは言えないようだった」と書かれていますね
(「千田翔太 ブログ」で検索すると出てきます)

でも色々な資料映像が多く見られました
よく1時間も番組の放送時間を確保してくれたと思います 
この企画に対してはNHKさんには感謝しております、ありがとう
欲を言えば羽生vs佐藤天彦の名人戦でも、これぐらいの番組があったら最高だったんですが(^^;
糸谷哲郎 八段 vs 菅井竜也 七段 NHK杯 1回戦
解説 井上慶太 九段

糸谷と菅井、若手実力者どうしの一戦  糸谷の早指しに注目だ

糸谷は2006年四段、竜王戦1組、B1 8回目の本戦進出
菅井は2010年四段、竜王戦3組、B2 5回目の本戦進出

解説の井上「糸谷さんは見ててもユニークですし、将棋も独創的ですし、指しても非常に速くてとにかく魅力のある棋士ですね
菅井さんは糸谷さんと棋風も全然違いまして、糸谷さんは重厚な棋風、菅井さんは軽快なさばきの棋風ですね
人生観も対照的な2人」

事前のインタビュー
糸谷「菅井さんは非常に研究家の棋士で、最近は何でも指しこなすようになって、オールラウンダーの棋士
相手の作戦がしぼりきれませんので、自分の将棋を指すことによって戦おうと思います」

菅井「糸谷さんは終盤が強くて重厚な棋風と思っています
一局でも多く勝てるようにがんばりたい」

先手糸谷で、横歩取りの持久戦になった 相中住まいで、これ以上ないくらいのじっくりとした駒組み合戦となった
井上「私は昨年度、NHK杯の2回戦で糸谷さんと対戦したんですけど、うまく指せて、ほぼ必勝やと思ったんですけど、えらい逆転負けを食いまして、ずいぶんファンの方に『なぜあの将棋を』というふうにね、もう何回言われたかわからない(笑) 」
・・・NHK杯は反響が大きい、そこが一番の魅力だからね(^^;

駒組みの最中、糸谷に変な手が出た 8筋を歩で取り込まれて、一歩損して詰められる手が出たのだ
井上「えー これは信じられない、私には理解できない」
のちの感想戦によれば、糸谷のうっかりだったとのこと やはりそうか
ただ、致命傷には程遠い、軽いダメージで済んだとのことだった

菅井が中住まいから玉を8筋方面に移動、そこを糸谷が狙いすまして、9筋からスズメ指し風で攻めを見せる
駒組みがとにかく長い・・・(^^; でも糸谷は手が早いので、それほど時間は経っていない

角交換から角の打ち合いになり、そこでまたも糸谷らしい手が出た 
玉を3段目に上がって、力強い受け
井上「糸谷は中段玉にするのが好きなんです」

菅井、しつように角を打って、糸谷玉をナナメのラインで攻め立てる
井上「これは良い手ですよ、ちょっと菅井の手に勢いが出てきました」

おー、けっこういい勝負だな、と思われていたところで、糸谷に会心の一手が出た
糸谷は駒音高く、パンッと桂を叩きつけた
持ち駒になっていた桂を、端に打つ▲9六桂という、一点狙いの手
菅井の飛車をどかす、それだけの意味の手だったが、これがなんとも、対応しづらい・・・!

井上「はあ~ これは見えない手でしたね~ 私は一秒も考えませんでした
これは筋の悪い良い手ですね、筋のいい良い手はプロなら誰でも見つけられますから」

この桂で明らかに「パンチが入った」という状況になり、菅井はノックダウン寸前
井上「▲9六桂が好手でしたね~」
なんとか菅井、最善の対応で勝負手を放つが、糸谷は勝機を逃さなかった
強く踏み込んだ糸谷に、井上は感心
井上「糸谷は見切りがすごいなあ」

菅井の「最後のお願い」の攻撃を、確実に読み切って、糸谷は勝ち切った 
135手で糸谷の勝ち 長手数ながら、感想戦の時間が18分も余っていた これがいつもの糸谷将棋(笑)

井上「どっちが良かったかわからないんですけど、そうとう際どい局面になったんですけど、▲9六桂がすばらしい俗手で厳しかった」

横歩取りの超持久戦から複雑な戦い、難解だったな~(^^; 
菅井が感想戦でちょっと漏らしていたが、駒組みが飽和状態になり「どこが急所で何をやっていいものか」と、対局者ですらそう思っていたとのこと
菅井は玉を中住まいから右玉に移動させたことを後悔していた
▲9六桂を食らってから、粘ろうとしたけど、もう将棋の作りが粘れない形になってしまっていた
そこからもう逆転を許さないのも、さすがプロの将棋のレベルの高さだね

糸谷の▲9六桂、これはそうとう弱い人なら見つけられるかもしれない、という類の手だった
前から思っているが、「糸谷の桂の使い方」は、注目に値すると思う
糸谷が才能の片りんを見せつけ、快勝という内容だった
7月16日土曜 NHKEテレ1
午後11時00分~ 午前0時00分
ETV特集「最強ソフトVS個性派棋士~激闘 電王戦二番勝負~」
http://www4.nhk.or.jp/etv21c/x/2016-07-16/31/11480/2259545/

今、朝の6時なんですけど、今日の夜、こんな番組があるそうです
「将棋ワンストップ」さんを見てないと、見逃したところでした・・・

再放送が23日にあるそうです
阪田大吉さんのブログのこの記事、読みました
(色々な記事をいつも楽しく読ませてもらってます)

電王戦の後、将棋のおもしろさは変わったのか?
http://shogikisho.blog54.fc2.com/blog-entry-4380.html

「将棋ワンストップ」の管理人さんのように、電王戦が始まって3年ほど経った後に、新たにサイトを立ち上げる人もいます
そうかと思えば、山崎バニラさんのように、すっかり将棋自体に興味をなくし、すでに去っていった人もいます

私は、阪田さんのようには気持ちが行ってません(^^;
私の作っている替え歌を読んでくれれば分かるとおり、葛藤の日々です

今年の電王戦は、内容が悪かったです 
2局とも、2日目まで興味が続かないというぐらいのプロの完敗でした
去年まではいちおう、いい勝負をしていた面があったんですけど・・・

今年の内容を観ていて、私はそうとうなダメージをこうむっています(笑)
電王戦で負けたダメージって、私には後から徐々に効いてくるんです

結局、どう思うかは個人個人の感性で、人それぞれなんですよね
この件は、何が正解とか、そういうもんじゃないでしょう

阪田さん、アンケートを取ってみたらどうですか?
・電王戦の後、ますます将棋がおもしろくなった
・電王戦の後、おもしろさは何も変わらない
・電王戦の後、おもしろさが多少なりとも減じた
・電王戦の後、相当におもしろさが減じた

これくらいでアンケートしたらどんな結果になるのか、私は興味ありますが・・・
ただ、去って行った人はアンケートに答えてくれないでしょうけど(^^;
定跡の嘘 ~THE BLUE HEARTS「情熱の薔薇」の替え歌~

元の歌 https://www.youtube.com/watch?v=O2xWwXryqlg

永遠なのか本当か プロの将棋は続くのか
いつまで経っても終わらない そんなもの あるだろうか

見てきたものや 聞いたこと いままで覚えた全部
でたらめだったら面白い そんな気持ち分かるでしょ

答えはきっと奥の方 ソフトのずっと奥の方
新手はそこからやって来る ソフトのずっと奥の方

なるべく最近指された手 なるべく昔に指された手
なるべくいっぱい調べよう そんな気持ち分かるでしょ

答えはきっと奥の方 ソフトのずっと奥の方
妙手はそこからやってくる ソフトのずっと奥の方

定跡の真っ赤な嘘を ソフトでさらし出そう
パソコン起動させましょう ソフトのずっと奥の方
黒沢怜生 五段 vs 山崎隆之 八段 NHK杯 1回戦
解説 高橋道雄 九段

黒沢と山崎・・・ 黒沢は私は全然知らない、山崎の自由な発想が見どころだろう

黒沢は2014年四段、竜王戦5組、C2 本戦に初出場
山崎は1998年四段、竜王戦2組、B1 16回目の本戦出場

解説の高橋「黒沢はまだまだ新人だが、早くも五段になって活躍している
振り飛車党でさばきを得意としている、終盤の切れ味も抜群
山崎は山崎流という独自の優秀な指し方を色々と発表されていて、非常に個性的であり才能豊か」

事前のインタビュー(要約)
黒沢「NHK杯は3年間、記録係を務めさせていただいた
この舞台に出ることがあこがれでした
今日は喜びとともに気合充分な態勢で臨んでいます
山崎八段は力戦が得意とされていて、特に中終盤が強い印象です」

山崎「黒沢五段は振り飛車党の早見え早指しで自分のペースを握るとすごく破壊力のある将棋だと警戒しています
近年1回戦負けをしてしまっていることが多いのでぜひなんとか1回戦を突破して勢いよく指していきたいです」

先手黒沢の、▲角道オープン四間飛車vs△2筋の向かい飛車という、相振りになった
NHK杯で相振りはいつ以来だろう? 私は楽しみだったのだが、この一局は私にとって難局となった

この一局、戦いが始まるまでが異様に長かったのだ・・・
お互いじっくり駒組みし、考慮時間をたっぷり投入
▲中飛車+穴熊vs△向かい飛車の力戦形
本格的に戦いが始まったのは、番組開始から50分が経過したころだった

最近ではめずらしいけど、30年ぐらい前は、こういう「1時間近く経ってからようやく戦いに」という将棋も多かった(^^;

角交換から、山崎の角打ちに対して、黒沢が自陣角で受けたが、これがやはり高橋の言うように「黒沢は利かされた感が」という感じがした 
黒沢の角は、受け一方だからだ

高橋は「お互いに攻めが難しい、こう着状態になりそう」と言っていたが、山崎がうまく手をつなげていった
黒沢は苦しく、中央から動こうとしたが、結局、「相振りで中飛車にするのは、作戦負けになりやすい」というセオリーどおりとなってしまった

相振りで中飛車というのは、中央を攻めてみても、相手は中央は手厚いことが多い
そして相手は攻め駒と守り駒が、元々、役割が完全に分離しているので、中央を攻めても効き目が薄いのだ

山崎は格の違いを見せつけ、どんどん引き離していった
途中、黒沢が馬で山崎の飛車を追いかける展開となったが、山崎は丁寧に対処した

最後は黒沢が桂と飛車の交換という、大幅は駒損になったところで、希望なしとみて投了した
もう黒沢は山崎玉に迫る術がなく、大差だった

高橋「山崎は相手に力を出させない指し方が非常にうまかたですね
黒沢のほうはいつもの力を出せなかったですね」

感想戦が3分ほどだったが、どこをやるかということで、対局者が困っていた
徐々に差がつき、どこが勝負所だったんだ、という将棋だったなあ、相振りはこうなることも多いからしょうがないけど(^^;

今週は大差になってしまい残念だった 序盤が長いので私は眠たくなった 
山崎は強かったね、本局では手が伸びていた 人間相手だと、強い山崎が観れる
黒沢は力不足というか、選んだ作戦が損だった・・・ やはり相振りで中飛車は問題あると思った
タニー ~尾崎豊「シェリー」の替え歌~
日本将棋連盟の谷川会長に捧ぐ

元の歌 https://www.youtube.com/watch?v=ooQlFa0J_dc

タニー プロは転がり続けて こんなとこにたどりついた
タニー ヨネはあせりすぎたのか むやみに電王戦 しちまったけれど
タニー あの頃は夢だった 夢のために指してきたプロだけど
タニー 川上の言いなりで 金か夢か わからない棋戦さ
転がり続ける プロの生きざまを ブランドスーツのかっこうで支えてる

タニー 優しい会長でいてくれ そして強く決断してくれ
連盟の その運命 にぎるから

タニー いつになれば PONANZAに勝てるだろう
タニー どこに行けば スポンサー様 いるだろう
タニー プロ棋士指す 愛すべきファンすべてに

タニー 見知らぬ人から 趣味を聞かれたら どうすりゃいいかい
タニー 俺は「観る将」だから 「趣味は将棋です」とも 言えやしない
タニー 夢を求めるならば 電王戦は観てられないよね
タニー プロ棋士のファンならば 涙なんか見せちゃいけないよね

戦い続ける プロとコンピュータ 
時にはハメ手を使って 勝ちに行く

タニー 言い訳など 聞きたくはない
プロはすでにハンデ もらっている
事前練習 家庭用パソコン

タニー 羽生は最後の希望なのか 天彦名人期待できるか 
山崎再び叡王獲るか 郷田はデジタル使えているか   
康光の序盤成立するか 森内の受けは通用するか 
千田の研究に意味はあるかい 渡辺はまた参加しないかい
ハッシーはまだ反対してるかい

タニー いつになれば PONANZAに勝てるだろう
タニー どこに行けば スポンサー様 いるだろう
タニー プロ棋士指す 愛すべきファンすべてに

タニー 近い未来 スマホにさえ 負けるだろう
タニー ハンデもらい 角落ちにして 五分だろう
タニー 俺は観たい プロ棋士対コンピュータ
稲葉陽 八段 vs 高見泰地 五段 NHK杯 1回戦
解説 石田和雄 九段

稲葉と高見・・・ 特に興味をひかれないが、予期せず面白いということもあるから、どうなるか

稲葉は2008年四段、竜王戦1組、A級 4回目の本戦出場
高見は2011年四段、竜王戦4組、C2 2回目の本戦進出

解説の石田「稲葉はA級になって一番乗っている、指し手はしっかりしている
高見は昨日電話したら、『強い相手だけどそれだけにやりがいがある』と言ってました
どちらも居飛車党で似たようなタイプ」

事前のインタビュー(要約)
稲葉「NHK杯では勝ったなと思った局面から負けたことがあったので、今日は優勢になっても油断せずに、悪くなってもあきらめずにがんばりたいと思います」

高見「稲葉八段は崩れにくい棋風、粘り強く指したい
師匠が解説してくれるので、いいところを見せたい」

先手稲葉で、横歩取り△3三角から、一番流行している形となった
石田「この戦法はね、歩得している先手のほうが必ずや良くなるに違いないから、そのうちに後手がやらなくなると見てたんですよ
ところがところが、そんなに簡単なもんじゃないですね
流行は続いているということは、相当優秀ということですね」

横歩取りが後手がダメだとなると、居飛車党の後手は相当困りそうだ・・・(^^;

戦いが起きたが、石田師匠は、高見の「香損」にご不満のようだ
石田「香損ですが、高見君は攻め切れる自信があるんですかねえ? 大丈夫ですかねえ」

高見、そこに角を使うのでは、という妙な勝負手を放ち、うーん、これではいかにも苦しそう、と思っていたところ、続く香の使い方が巧妙だった
石田「意外な手・・・ なるほど・・・ これは良い手ですね・・・」
稲葉が「なんだこれは」という仕草を見せ、局面一気に混沌

石田「これはいい勝負ですよ、高見君、よく戦ってます」
やるなー、高見、食らいついてるね A級の稲葉を相手に、すごいことだ

ハラハラの終盤、お互いに相手の狙いを消す手を指すなど、難解だ
こんどは稲葉のほうが急がされてる展開
手がないかに見えた稲葉も、工夫した手を出して、攻めをつないできている
どっちがいいのか、これは熱戦だな、と思っていたところ、この一局の白眉の一手が高見に出た

働きのなかった自陣の金を捨てて、一手を稼ぐ、絶妙の受け! うおおー
石田「奇抜な手ですねー」
藤田「すごい受けですねー」

最後も、いかにも高見の玉は寄っていそうだったのだが、広さを活かして、逃げ切った
石田「これ高見玉、意外に詰まねえか、すごいね」

100手で高見の勝ちとなった 大熱戦だった 

石田「わけのわからないというかね、しかし最後に△1三金というすごい受けで、最後も詰まされたと思ったんですがね、詰まなかったですね
稲葉さんも自信があったとおもうんですけどね、足りなかったですね」

△1三金より、やはり捨て駒の△5二金だろう

高見、これは強い勝ち方! 受けに回ってしのいで勝ったのだから、なかなかできることではない
ましてや相手は格上のA級棋士・・・ もう若手の間では「格」なんて意味がないものなのか?
これは名勝負だった、互いに工夫した手の応酬、そしてレベルが高い、実に面白かったよ
私は事前にあまり何も期待してなかったもんだから、お得感があった(笑)
どっちが勝つか、最後までハラハラっていうのが、やはり将棋の醍醐味、それが味わえた

感想戦が、2人の言葉が聞き取りにくかったのがまあ、良くないところだった 
まだ番組は続いているんで、ハキハキとしゃべってくれると助かる
C2の高見がA級の稲葉から、良い内容で金星をあげた、見ごたえある一局だった