第26期 銀河戦 本戦 Hブロック 1回戦
藤井聡太四段 vs 藤倉勇樹五段
対局日:2017年9月22日
解説:佐藤慎一五段
聞き手:真田彩子女流二段

注目の藤井聡太が出場した銀河戦。
先手藤井で、藤倉が三間飛車に振り、対抗形になった。今、NHK講座で解説している三間飛車での居飛穴崩しシステムになるか、というところだった。しかし藤井は居飛穴に潜ることに成功、解説の佐藤慎一「藤井の主張は通った」

そこから、藤井が「いかにも、藤井らしく元気よく」という、大駒を切る手を連発、4回大駒を切って、藤倉を攻め倒した。
111手で藤井の快勝。
佐藤慎一「中盤以降、藤井の思いもよらない手が2回か3回ありましたね。穴熊を活かして飛車角をうまくさばいた。
大駒を切るのをどの段階から読んでいたのか。やっぱりすごく読んでいるんだなと感じましたね」

さすがに藤井聡太は強い。特に不利になったところもなかったように思う。
大駒を切る手、どれも「こう指せて勝てたら気持ちいいだろうなー」という手だ。
理想的な勝ち方だったと思う。

このHブロック、このあとは上村、黒沢、石田、富岡、安用寺、田村、飯島、斎藤、康光、久保というラインナップ。
正直、藤井聡太なら、8回戦の飯島まで勝てるんじゃないかと(^^; 8連勝できるんじゃないかと(^^;
藤井聡太が負けたら、囲碁将棋チャンネルを解約しようかと私は思っているんで、この後も注目だ。
将棋のほうでは「やねうら王」が、もうプロ棋士の棋譜を使わなくて最強レベル。
囲碁のほうでは「アルファ碁ゼロ」が、やはりプロ棋士の棋譜を使わなくて最強になったという。
とうとうそうなってしまったか。
今までの人間の歴史はいったい何だったのか。ショックだ・・・。
今月から、新期に銀河戦がスタートした。
前期の銀河戦は、私は全く観る気にならなかった。理由は名人がコンピュータに完敗したことと、例の冤罪事件があったことだ。
私はマンガの「こち亀」全200巻を買ったりして、将棋じゃない時間を過ごしていた(笑)

でも、今期から、藤井四段が出場するという。うーん、どうするかと思ったが、月に1900円程度を払えばいい(契約基本料込み)ので、再度、スカパーの囲碁将棋チャンネルに加入した。1回戦ではアマ4人、女流3人が出るというのも、私には興味深い。

開幕前の、今期銀河戦の見所を紹介するというコンセプトの番組があり、それがなかなか良かった。
出場者を1ブロックずつ居飛車党、振り飛車党、そして年齢別に色を分けて紹介したのが面白かった。こういう番組は毎年ぜひやってほしいところだ。今期が終わったあとは、振り返り番組もやってほしい。

で、今まで3局観た。その印象が、どれも、スゴイ強い、と思える勝ち方を勝ったほうがしているということだ。
先日のNHKの糸谷vs郷田での郷田の勝ち方もすごかったが、銀河戦の3局も、それに劣らない。
阿部光瑠vs板谷アマの光瑠の中盤からの一気のラッシュ。
勝又vs天野啓吾アマの、勝又の会心の寄せ。
小山アマvs島本の、小山アマのピカッと光る最善と思える決め手。
どれも、実に見事で、ほれぼれした。

持ち時間が短いNHK杯や銀河戦でこの出来栄えなのだ。
結局、強い人が強い手を指すことは当たり前なのだろう。
強い人の手がソフトの手と一致したところで、それだけではソフト指しの証拠には成り得ない。
だって、みんなが最善を指そうと目指しているのが将棋というゲームなのだ。
ソフトはすごい手を指すだろうが、人間がすごい手を指しても不思議はない。そう思う今日この頃だ。

今月末にHブロックで藤井四段が出場してくるので、その感想はこのブログに書きたい。