紅井さんは今日も詰んでる。1巻と2巻(完結) 各562円+税
ヤングガンガンコミックス 1巻は2016年9月24日初版発行 2巻は2017年12月25日初版発行
原作 尾高純一 作画 野田大輔
評価 B

主人公の紅井(あかい)さんは、将棋以外は徹底的にだらしない生活を送る高校生の美人奨励会員。
その姿に「お前はどうなっとんねーん」とツッコむ男性教師との「詰んデレコメディー」だ。

1巻の冒頭で、紅井さんがいきなり爆弾発言をする。
なぜ過酷な奨励会を戦うのかについて、「一生やりたくないことはせず、やりたいことだけやっていく為にね」と答える。
作者の方、かなり攻めている。プロ棋士になりたいというのは、ぶっちゃけ、そういうことだもんね。ふはは(笑)

しかし1巻を読み終えた時点では、さほど面白さを感じなかったが、2巻が良かった。
面白いフレーズとして、「この隠れ居飛車タンめ」というセリフが出てくる。
(江戸時代の「隠れキリシタン」から来ている。)
私は居飛車党だが、実は「隠れ振り飛車タン」なのだ。振り飛車の華麗なさばきをやってみたいが、才能がないのでできないのだった。
2巻で紅井さんを見守る教師との仲が接近し、ドキドキする恋愛要素が楽しい。
気が付けば、「詰んデレワールド」にハマっていた。
ゆるーい雰囲気が、ぬるめのお風呂みたいで気持ちいい。ずっと入っていたい感じ。
登場人物が4人しか出てこないのもいい。2巻で完結したのも、潔い。
難をいえば、表現が理屈っぽいこと。あと、セリフの数が多い。
(現在、ヤングガンガンのホームページで1話の立ち読みが可能)

評価Aにするとこれから読む方のための期待値(ハードル)が高くなるので、Bにしておく。私には面白かった。もう一回は読もうと思う。