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奨励会 ~将棋プロ棋士への細い道~ 
橋本長道著 マイナビ新書 850円+税 2018年6月30日初版第1刷発行
評価 B コンセプト<元奨励会員の著者が、丸々一冊、奨励会の内部に迫った、めずらしい本>

「サラの柔らかな香車」という著作がある著者です。(橋本長道で検索すればネットにもいくつか記事がありますね。)
今回出されたこの奨励会の本は全体的には面白く、私は一気に最後まで読みました。

記録係の不毛さについて語ったところや、奨励会員がアルバイトをすることに「連盟が口出しすることではない」、と言い切っているところなどはとても賛成できます。
貴重な丸一日をついやして弱いベテランどうしの記録係、そりゃやりたくないでしょう・・・。
ネット中継などで棋譜は手に入るし、ソフトに聞けばたいがいの疑問は解けるということで、時代の変化を感じます。

「香落ちついては奨励会員はみな一家言あり、香落ちは奨励会員を哲学者にさせるようだ」 ここのところは非常に興味深かったです。「現役奨励会員による香落ち座談会」てな感じで将棋世界で取り上げてほしいですね。

取材のために現役奨励会員にアンケートをしたとのことですが、もうそのアンケート結果を全部載せてくれると私なんかはうれしかったですが(^^;

面白かった一方、肝心なところで情報が足りない面があり、残念な感がありました。
奨励会の基本情報が足りないです。
対局日は約2週間に一度のペースで、持ち時間は級位者は各60分で切れたら1分、そして一日3局。
有段者は各90分で切れたら1分。一日2局。これぐらいは書いておいてくれてもいいのでは。
(持ち時間、連盟のページにもどこに載っているのか、今私がちょっと探しただけでは見つけられない)
そして、当時の奨励会員の人数。そのうち何人が退会したか。一番遠い地方の人は、どこから通って来てたか。

一番大事な情報として、著者がいったい、4年間の奨励会員の間に、どういう勉強方法を、どれだけしていたのか、が、まるで書かれていない。
井上師匠のお父さんが、「慶太は一日10時間勉強しとったで」というセリフに、著者が「そこまではしてなかったです」と返すシーンがあります。
そこぐらいしか著者の勉強量の情報がない。なんでかな? そこは読み手がぜひ知りたいはずだし、隠すようなもんでもないと思いますが。著者は自身のプライベートまで踏み込んで昔を振り返ってるけど、一番肝心なそこの情報がない・・・。

「おわりに」で、「私には将棋界に関しては常に在野の一アマチュアプレイヤーとして物申したいという気概がある」と書いておられます。その意気や良し!これからもご活躍を!とは思いますが、元奨だわ、プロ棋界を題材にした小説で受賞するわ、奨励会の本を出すわ、もうすでに在野の一アマチュアプレイヤーの領分を超えてしまっている人生なんで、やはり連盟に対して真っ向から敵対することは言えないだろうな、と感じました(^^;
「おわりに」での「もし今のまま12歳の頃に戻れるとしたら、棋士を目指すだろうか?」の答えは正直で、笑ってしまいました(笑)  

いろいろと書きましたが、レアな奨励会本で、内容もいいですので、気になる方は買いましょう。
図面は香落ちを解説した1枚しかありませんので、将棋を知らなくても読める本です。
奨励会という組織を全く知らなかった人には特におススメしたいです。

7月2日 追記・評価Bの理由は、物足りなかったことです。分量が199ページと少な目。「奨励会・奇人変人列伝」なんてのを期待したのですが、なかったので。
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ずいぶん久しぶりの記事になります。
先月からビッグコミックスピリッツで連載されているマンガ、「リボーンの棋士」。
この今週号がかなり面白かった。今5話くらいだと思います。コンビニで立ち読みしているので、手元に資料なし(^^;

元奨励会員vsアマトップ。
この戦いをマンガで扱ってくれたのは、史上初ではないか。と思ったがハチワンダイバーがあったか。まあいいです。
主人公は明るい性格の元奨という設定。

しかし、主人公の友人のもう一人の元奨は、アマに対し優越感を持っている、根暗なタイプ。
この友人が典型的な元奨っぽい味わいを出している。いいねいいね、すごくいい(笑)
そして今週号から出てきたアマトップの人は、表には出さないが心の中で元奨を完全に軽蔑している。
「元奨とは、将棋に集中する環境にめぐまれたのに、そのチャンスを活かせなかった失格者」だと。
いいねいいね、すごくいい(笑)  
高い実力がありながらプロになれなかった者たちが抱える心の闇を、見事に描いている。

このマンガ、私にとっては大化けする可能性がでてきた。
ただし、こんなに面白かったのは今週号だけとなるかもしれない。先週号まではそんなに興味持てなかったし・・・。

ここからの考えられる最悪の進行は、主人公が順調に勝ち続けプロ棋士になり、結局プロでタイトルも取ってしまう、という、超安易なサクセスストーリー。それだけはやめてほしい。
そういえば、主人公は職場で美人に好感を持たれており、その美人がなぜか将棋に興味深々という、こりゃ相当安易な・・・ いやこれ以上は言わないでおきたい。
もう、真面目なところ、今からでも、友人の暗い元奨のほうを主役に変更してほしいんですけど(^^;

今週号の面白さは、「久々に、将棋関係で、この楽しさをみんなで分け合いたい」と思えた出来事でした。
だからブログに記事を書きました。「リボーンの棋士」のこれからに期待!(スピリッツは毎週月曜日発売)
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