画像を貼り付ける3パターン目。
外部ページに頼らず、Kifu for Windows から局面を取り込む方法。
備忘録として書いておきます。しかし、こんなにややこしいのか?

・Kifu for Windowsのファイルから棋譜と局面を選ぶ
・右クリックして「局面の印刷プレビュー」をする
・青い枠でトリミング(不要な部分の切り取り)をする
・その画面のまま右クリックして、名前をつけて画像を保存する、このときGIF形式を選ぶ
・FC2ブログ(私のブログの場合)の管理ページへ行く
・たくさんのアイコンの中から緑色の「ファイル挿入」のアイコンを選ぶ
・Kifu for Windows のファイルから、すべてから選ぶを選択する
・目的のGIF形式ファイルをドラッグしてF2ブログにドロップ
・「アップロード」をクリック
・「この画像で記事を書く」を選び、文章を書く


 伊藤かりんvs森内 二枚落ち67手

ここで伊藤かりんちゃんの次の一手は? 正解は下に。






かりんちゃんの次の一手は▲6四同飛の決断でした。好手。以下△同玉▲9七角から寄せに行きました。
この後、待ったを一回してしまったものの、森内九段に好勝負をしたことで、かりんちゃんは初段を認定されました。(2018年3月)
引き続き、図面の貼り方を違うパターンでもう一つ試してみます。
「Shogipic」というページから作りました。
<参考>Shogipicで棋譜の取り込みがうまく行かない場合
・先にKifu for Windowsでファイルを選び、編集→局面のコピー→通常としておいてから、Shogipicに張り付けるとうまくいく場合がある。
・最終手強調は、チェックを入れた状態で、最後にマウスでクリックした駒で変わるので、それを使おう。



この図は知っている人が多いはず。ここで菅井が▲4六角と指し、反則負けに。
しかし朝日新聞の25日夕刊によれば、なんと対局相手のハッシーは反則と気づかずに△5五銀打と指し続けたという。
ハッシーは記録係が秒を読むのをやめたので、読み続けるようにうながした。
記録係が菅井に「その角はどこから来たんですか」と訊いて反則を指摘したという。
ハッシーも相当おかしい・・・。

まあそれはいいです。この局面、激指14のpro+によれば、+340で先手有利。
tanuki-2018年版によれば+1628という差がついている。(深さ49分の26)
激指とtanuki-双方、7分くらい考えさせたのだが。
ずいぶんと点数が違うものだなと思わされる。やはり激指14ではもう古いのか。
(もう一度激指14で計測してみたらpro+で+439という数字。さっきよりは上がった)

ところで、私は将棋神やねうら王を買ったのである。
だからtanuki-2018年版を持っているのである。(tanuki-シリーズは、ぽんぽこという名で有名)
そこの説明に、tanuki-2018年版はCPUの温度が上がりやすいので注意してください、と書かれている。
私はCPUの温度がわかるソフトを持っているので、調べてみる。
何もしてないときは23~24度。
激指14で検討中は58~59度。
やねうら王2018年版で検討中は51~53度。
tanuki-2018年版で検討中で53~54度。
あれ、激指14が一番、温度が高い・・・。(上記図を1分くらい検討させたところで温度を計測)
ただし将棋神やねうら王のソフトは、カスタムでハッシュやらスレッド数を変えられる。
私はそれらが分からないので自動のままにして温度を検出した。
まあ将棋神やねうら王については、またそのうち何か書くかもしれない。
試しに図面を載せることにチャレンジしてみます。
「局面図を Webで作成 - 将棋盤局面図を作成」というページで作りました。


囲碁将棋チャンネルで、この10月から始まった瀬川さん特集。
2000年8月31日の第9期銀河戦Aブロック2回戦。(1回戦は瀬川さんの不戦勝)
▲瀬川vs△窪田で、下の図面。今91手目▲7六歩と打って守りを固めたところ。



どう見ても窪田が大優勢だ。もう瀬川さんに手がなく、これは全ゴマされるか、というところ。
しかし、ここで何を思ったか、窪田が△4四角とぶつけたのがココセの超大悪手。一手パスしたほうが100倍マシだった。
以下、▲同馬△同金▲5一角と進み、一気に形勢混沌となった。
終局直後、窪田は「魔が差した・・・」とつぶやき、うなだれた。(^^;
ここから瀬川さんはこのブロックで怒涛の7連勝を挙げる。
もし窪田が△4四角でなく普通に△3五角と指していたら、瀬川さんの運命は変わっていたはず。
囲碁将棋チャンネル、この時期に瀬川特集を再放送したのはナイスな企画。パチパチパチ。
今観ても、瀬川さんの活躍はそうとう面白い。
順位戦の各クラスの今期人数から昇級と降級の確率を計算してみました。
ただの割り算です。小数第2位を四捨五入しました。 

<昇級確率>
A→名人挑戦 10人中1人 10%
B1→A 13人中2人 15.4%
B2→B1 24人中2人 8.3%
C1→B2 39人中2人 5.1%
C2→C1 49人中3人 6.1%

<降級確率>
A→B1 10人中2人 20%
B1→B2 13人中2人 15.4%
B2で降級点 24人中4人 16.7%
C1で降級点 39人中7人 17.9%
C2で降級点 49人中9人 18.4%

注・B2とC1は降級点2つで降級。C2は降級点3つで降級。
なおフリークラスは現在28名。

上がるほうでは、C1とC2がキツイ。B1からAに上がるのは他と比べて高い。
落ちるほうは各クラスそんなに差がない。Aが落ちやすく厳しいことがわかる。
C2で降級点も地味にキツイ確率。

ちなみに三段リーグはどうか。10月から始まった最新のリーグは参加が33人。
四段になれるのは2人なので確率は6.1%。ただし半年ごとのリーグ。
コンピュータは将棋をどう変えたか? 
西尾明著 マイナビ出版 2018年10月31日初版第1刷発行 1800円+税
難度 ★★★★~ コンセプト<コンピュータの新しい指し方をまとめた本> 
評価 A

コンピュータは(主にプロの)将棋をどう変えたか。ワクワクして読みました。
内容は期待どおり。勝又教授の新手年鑑に似ています。
本書はプロの最先端の研究と言ってもいいので、凡人が理解するのに苦労します。それはもう仕方ないですね。
中でも激ムズのところは、相矢倉。ここは難度最高で、私の脳レベルではどうにもならず、もう投げ出しました。
そもそも相矢倉の従来の定跡がわからないわけだから、それをコンピュータがどう変えたか、なんて・・・。

ただ、たくさんコンピュータの新手を見れるので、必ずしも理解できずとも私はそれなりに楽しみました。

振り飛車についてのところはかなりボリューム的に寂しく、21ページ分しかありません。(全310ページ)
あとは全部相居飛車についてです。

もうね、コンピュータがプロに影響を与えまくり。新手、新戦法、新構想が、たっぷりです。
コンピュータが全部の戦型に影響を与えてるのがわかります。

電王戦の棋譜をはじめとして、私が知っている棋譜がかなり紹介されています。
知っている棋譜が出てくるとうれしいのはなぜ(^^;
西尾はフラッドゲートからも大量に取材しており、西尾さんはよくがんばるな~と尊敬してしまいます。

これだけコンピュータが新しい指し方を示すと、ため息が出ます。
人間が自分たちの考えだけで指していたら、あと100年かそれ以上、気づかなかっただろうと思える指し方をコンピュータがバンバン見つけてくる。人間はそれをありがたく拝借する。
今後の将棋は、人間はコンピュータの下請け作業をやっているようなものになってしまいませんかね?
これからどうなるのか、心配してるんですけど。

ただ、まだしも救い、なのが、コンピュータによって作戦の幅が狭まるのではなく、あれも有力これも有力、となってきていることです。将棋の可能性はまだまだ広い。それをこの本から感じたのは良かったです。
もうひとつの闘い ~浜田省吾「もうひとつの土曜日」の替え歌~

元の歌 https://www.youtube.com/watch?v=ZXhDTCKH3qM

昨夜 眠れずに 泣いていたんだよ
プロ棋士がソフトに 負け続けて
ニコ生のコメントで 俺は笑うけど
瞳ふちどる 悲しみの影

息がつまる程 AIに押されて
電子書籍で 将棋世界を読む
ただ週末の わずかな NHK杯を
つなぎ合わせて 俺は生きてる

もう電王戦は 忘れてしまえよ
まだプロは強く その頬の涙
乾かせる聡太が この将棋界で
ファンのために 勝ち続けてる

Woo 指す意味を Ha-Woo 探して 探して

ソフトを想う時 喜びと悲しみ
ふたつの想いに 揺れ動いている
羽生を はるかに上回る その棋力が
時に俺を 傷つけてしまう

今夜 一局指そう スマホのアプリに
飛車角 落として 指導してもらおう
この週末のNHK杯 誰が出るかな
たとえ名も無い C2のプロでも

Woo まっすぐに Ha-Woo 見つめて 見つめて

プロとソフトとの 共存共栄
叶えることなど 出来ないかもしれない
ただいつも プロ棋士に 強くあってほしい
負けないでほしい 安いパソコンに
負けないでほしい スマートフォンに 
本戦Fブロック 1回戦
渡部 愛女流王位 vs 島本 亮五段
対局日:2018年9月7日
解説:横山泰明六段
聞き手:谷口由紀女流二段

昨日、囲碁将棋チャンネルで放送があった銀河戦。
里見は脇に負けたので、残る女性は渡部一人のみ。
渡部愛(わたなべ まな 25歳)という人はあんまり目立ってないイメージがあるが私が知らないだけか。
相手がシマーなら勝ち目があるんじゃないか。

先手渡部で得意戦法だという居飛車。
対してシマーは相居飛車で雁木か、と思いきや、なんと右金を△4三金~△5四金~△6五金で攻めに使ってきて、まるで「玉頭金」戦法。
そこからシマーはさらに四間に振ったので、これには解説の横山も、あ然。
横山「なんていう戦型なのでしょう、急所が全くわからない」 これには笑った。
初心者並だろ、シマーのここまでの駒組みは(^^;

中盤、互いに相手陣を破壊し、一手違いの終盤へ。
渡部の攻め駒が足りないようで、あー、こりゃもう渡部は負けたか、と私は思っていた。
が、渡部がうまい手でシマー玉に詰めろ詰めろで迫る。もう双方30秒将棋。
うわ、こりゃシマーのほうも絶対間違えられない、面白くなってきた! そこでシマーが魅せた、玉の早逃げ2回!
おお、さすが男子プロ! なんともフトコロが深い。

が、その直後、シマーは攻めの手を指し、今打った駒がタダで取られるという状況に。
違和感のある手順。うなだれて、天を仰いだシマー。 な、なに、シマーに何か勘違いが? 
どうなってる? こりゃ大ミスか、渡部さん、金星もらったか!
と私は興奮していたのだが・・・ 早逃げしたシマー玉に迫る手が見当たらない。
しかし渡部玉にはまだ手がかりがないから、もしかして渡部玉は詰まないかも、と思っていたのだが、シマーは手番を握るや、大量の持ち駒を活かして、鮮やかに長手数詰に打ち取った。最後の詰みはシマーはノータイム指し。
124手でシマーの勝ち。

終盤でのシマーの、ミスに見えたタダ捨ては、終わってみれば絶妙手だったぽい。すごい。面白かった。

ああー、渡部さん、力負け。その表現がピッタリ。渡部さんも存分に力が発揮できる力戦形だった。
地力の強いほうが勝ったという一局。負けたのは、もうしょうがないか・・・。
相撲でいえば、技を出し合い、相手を土俵際まで追いつめたものの、こらえられて、豪快にぶん投げられてしまい勝負ありという感じだ。

シマーはユニークな作戦を採用して視聴者を楽しませてくれた。
シマーは色々やって、将棋の可能性を見せてくれているのだ。
これからも変則戦法でよろしく。
シマーのフロンティア精神とサービス精神に拍手を送りたい。パチパチパチ。
リボーンの棋士(1) 小学館 2018年10月3日初版第1刷発行 591円+税
鍋倉夫著  棋譜監修 鈴木肇
評価 A

毎週月曜にスピリッツで連載されています。しかし休載される週も多いです。
そしてスピリッツ自体が合併号のときもあるので、毎週は読めません。
私はコンビニで立ち読みするのを楽しみにしているのです(^^;
で、コミックスが出たので買って読んだら、やっぱりとても面白い!買って良かった。
ちなみに私の母にも無理やり読ませたところ、かなり好評でした。

(いまのところ)このマンガは、挫折を経験した人たちの人間模様を描いてます。深い心理描写が持ち味。
元奨で暗い性格のほうのキャラがツボに入りました。いかにも居そうな性格で。
そして、東大出のエリート商社マンも、ナイスなキャラ設定。奨励会に挑戦することを許されなかったという経歴。このキャラの少年時代のエピソードは心に沁みました。

私のレビューよりも「棋書ミシュラン」のレビューが素晴らしいので、そちらを読んでください。
このマンガ、これからもこの調子で頼みます。
ここから安易なサクセスストーリーにならないようにしてほしいです。
サブキャラでのスピンオフ作品を今から期待してます。
増田康宏の新・将棋観 堅さからバランスへ
増田康宏著 マイナビ将棋BOOKS 2018年10月31日初版第1刷発行
難度★★☆~ コンセプト<増田の工夫を自戦記で12局紹介> 1540円+税
評価 A 

「矢倉は終わった」「詰将棋、意味ない」で知られる若手棋士、増田康宏六段の著作。
私は増田のファンなのです。ビッグマウスは素晴らしい。若手はそれでこそ面白い。
「将棋世界」の「イメージと読みの将棋観」でも、増田は矢倉は終わったと言い続けて郷田と張り合っているのが頼もしい(笑)

雁木、角換わり、相掛かり、対振り飛車の4章に分け、それぞれ3局ずつで計12局の自戦記となっています。
この本の特徴としてあるのが、「聞き手役」が存在し、進行役を務め、かつ的確に質問していることです。聞き手の棋力設定はアマ中級~上級程度でしょうかね。
この聞き手の存在のおかげでそうとう分かりやすくなっています。本にはこの聞き手が誰なのかは書かれていません。
(ただ、構成・内田晶と書かれているので、観戦記者の内田晶氏が聞き手なのかもしれません)
対話形式のおかげで私には楽しく最後まで一気に読めました。読了の所要時間は3時間強~4時間弱くらいでしょうか。

取り扱っているテーマも、個人的に興味深いものが多かったです。新感覚の雁木、角換わりの速攻、相掛かりの棒銀の受け方、対振り飛車での角交換で居飛車の駒組み。これらはどれも私好み。まるで横歩を取れない居飛車党である私のためのチョイスのよう(^^;
しかも増田の先手番が3局のみであとは増田は後手番。(それも先手番3局の内、2局は対角交換振り飛車)
相居飛車の後手番を増田はどう工夫して戦っているか、が分かる内容となっており、とてもうれしいです。
(本の中では後手番のときは便宜上、先後逆で解説されているので読みやすい)

対戦相手は12人中8人が若手です。これもいいと思います。

第1章の雁木は、私には目新しいことが多く、とても楽しかった。指し手の難度も低め。私は後手番で困っているので雁木を採用しようかと。
しかし第2章の角換わりの2局は、指し手の意味が異様に難しいです。
角換わり相腰掛け銀の総力戦、そしてやはり角換わり相腰掛け銀で相手の陣形が乱れるのを待つ手待ち。これは難しかった・・・(^^; 
残る1局は右桂跳ねで一気の速攻、これは痛快。
第3章相掛かりは先手棒銀に対し後手はどう対応するかが2局。もう1局は出だしでの超ありがちな十字飛車対策。
第4章は角交換振り飛車対策が2局。角道止め振り飛車穴熊対策が1局。

1局を通して解説したあと、どこがポイントだったか3~5ページの振り返り解説がありますが、そのおかげで分かりやすさが増しています。

本書で一番重要な肝として、序盤の駒組み~中盤での戦い方、があげられ、それぞれの対局で目新しいところがあるのが素晴らしい。

対話形式でNHKの講座を見ているみたいな感じで読むことができます。
従来の定跡本よりもテレビ番組に近い雰囲気。

しかし問題もあります。「将棋情報局」のホームページに「初級~中級向け」と書かれてあります。
プロの実戦譜が初級者にどれだけ理解できるのでしょうね。いくら対話形式と言っても、限界がありますよ。
この本は最大11手、符号で次の局面(図)に進めていました。
11手を頭の中で動かす必要があるわけで、初級者にそんなことができるとは思えません・・・。
終盤での増田の切れ味は鋭く、すんなり理解できればそれだけでアマ上級以上はあるかと。

読み物としてコラムが5つ、そして巻末には棋譜並べ用に12局の総譜付き。(1局につき2ページ使い、ここにも解説があります)
増田はソフトにも敬意を払っているところがいいです。
私はビッグマウス増田のファンでしたが、この本で増田将棋のファンにもなりました。

こういう対話形式の実戦解説本、新たな流行になるといいですね。構成の内田晶氏のまさに「新・将棋本観」と言えましょう。とても良かったです。私にとっては積読の将棋本にならなかったので、それだけで試みが成功してますよ(笑)  パチパチパチ。

藤井聡太もいいけど、増田康宏にも注目ですね(^^) 
解説の中村修が冒頭で「今日は女流棋界の歴史を変える日になってほしい」と言った一戦。
私も加藤に勝ってほしい(^^;

先手加藤で相居飛車の完全な力戦となった。
加藤の銀が五段目まで出たが、「銀ばさみ」の形にされタダ取られのピンチに。
あ~、こりゃひどいことになる可能性が・・・ と思われたのだが、加藤はなんとか凌ぐことに成功。
加藤は桂一枚の駒損だが、竜が作れて、恰好がついている。
形勢判断が難しい。互角なのか。

局面が落ち着き、中村修が「これはむしろ先手の加藤のほうが楽しみが多い気がしますけど」と言った。
おお!もうけっこう手数を指したが、そんなことがあるのか!
「後手の森内としては、(陣形を)まとめきれませんね」と中村修。がぜん、盛り上がる私(笑)

しかし中村修は「でも、受けているのがあの森内さんですから」と何度も発言。
加藤が果敢に決めに行く。加藤の攻めが決まるか?、森内が受けて凌ぐか?
そうとう複雑な局面になった。もう加藤は考慮時間がない。どうなる!まさかの結末が?

・・・が、やはり加藤の攻めは決まらなかった。森内が受けきってしまった。
最後はあっというまに加藤玉を仕留めた。 96手で森内が制した。
中村修「加藤はもう少しじっくり指せば勝機があったと思う」
でも難解なところがあった一局で、加藤としては力を見せた。

この一局は良かったよ。加藤は私の予想以上に強かった。うんうん、これなら納得。
昨日、私は8月14日に行われた女流王将戦の挑戦者決定戦という番組を囲碁将棋チャンネルで再放送を観た。
加藤桃子vs伊藤沙恵の一局だった。この対局で加藤が勝ったわけだけど、勝ち方がダメだった。
大優勢になってから、ものすごい遠回りしてしまっていた。これじゃ森内に勝てるわけない、と私に印象づけた。

でもNHK杯の本局ではあと一押しのところまで森内を追いつめていた。
森内の本領である受けの力を十全に引き出していた。だから良かったよ。加藤の強いところが観れて。

加藤は1回戦は勝ったとはいえ、及川のトン死による逆転という内容だったので、好評価を抱かなかった。
むしろ森内を追いつめた本局のほうが好印象だ。観ていて楽しい時間だった。
第27期 銀河戦 本戦Bブロック 1回戦
里見香奈女流四冠 vs 脇 謙二八段
対局日:2018年8月21日
解説:島 朗九段
聞き手:山口恵梨子女流二段

実は私は、10月に入り、スカパーの囲碁将棋チャンネルを1年ぶりに再加入しました・・・。
だって結局将棋が観たいという結論に達したからです!
前期は銀河戦で藤井聡太が負けた時点で、囲碁将棋チャンネルを解約していました。
それ以来の再加入です。10月からまた新たな第27期の銀河戦が始まっています。
そこで注目していたのが、おととい放送の里見女流。どんな手を見せてくれるのか?男子プロに勝てるのか?
ワクワクで観戦しました。

対局前に、両者の年齢が出るようになっていて、とてもありがたい。里見26歳vs脇58歳だ。
脇といえば今C2で4連敗中で順位戦では全参加棋士中、成績が最下位の棋士だから、里見には充分チャンスがあるだろうと思っていた。

先手里見で、戦型は里見の向かい飛車での対抗形。
里見から積極的に動いて、里見にどうするかの権利があるという中盤。
双方竜を引き合って長い戦いにするのか、里見が敵陣に竜を残したまま決着をつけにいくのか、というところ。
解説の島が長期戦をお勧めしている。しかし里見は斬り合いの勝負に出る!
うわー、やっちゃったかー、と思っていると、意外とまだ難しいのか?

そして、また里見に選択の場面が現れた。攻めて短期決戦か、受けて長期戦にするか?
そこでまた里見は強く決戦に踏み込んでいった・・・!が、これが疑問手。
脇の的確な手の前に、差をつけられる里見。

不利が確定してからものすごい長手数を粘る里見。美濃囲いに籠城して結局、90手くらいを粘り倒したが、倒れたのは里見のほうだった。
粘り倒すじゃなくて、粘り倒れるという表現がピッタリくる負け方。160手で脇の勝ちとなった。

あああー、男子プロと女流で、力の差は感じた。しかしすごく面白かった。
脇がファイト満々、闘志満々な表情で指しているのはカッコよかった。(脇が何度もメガネをはずしていたため表情が見えやすかった)
脇は優勢になってからは、まるでベテランの外科医みたいで、「これくらいの手術は何度も経験している」といわんばかりの指しっぷりだった。
ミスする気配がなかった。「私、失敗しないので」という米倉涼子みたいな感じが脇にあった。これだからベテランプロはあなどれない。甘くない。

男子vs女子の対決は本当に盛り上がる。まあ私の中で盛り上がってるだけかもしれんけど(笑)
これの一つ前、Aブロックの1回戦でアマがプロに勝っていたが、それはいまいち興奮しない。男が男に勝っただけだ。藤井聡太の対局以上に、男子vs女子のほうに興味ある。
銀河戦、今期は女子が2人しか出ていないので、残るはFブロックの渡部愛女流王位vs島本五段だけとなっている。
シマーが相手なら勝機ありか!? 銀河戦、前期は女子が3人出ていた。私の希望としては女子枠を4人にして欲しいところだが・・・。だって、男vs男はいっぱい観れるもん。

明日のNHK杯の、森内vs加藤桃子の感想も、なにがしか書こうと思う。