昨日、岡崎城公園で行われた将棋まつり。私はフリートークに参加して観てきた。

朝9時半、現地到着。もうすでに人がいーっぱい。食べ物を売る出店が多数出ている。
岡崎将棋まつりでは、棋士の公開エキシビジョン対局や指導対局や一般の将棋大会がある。
公開エキシビジョンは事前申し込みで抽選に当たらないと観れない。私は今回申し込んでない。

さてフリートークは11時からで先着300名。
ちなみに私は去年は11時ちょうどに着て、フリートークに参加しようとしたが追い出された。(おととしも同じ過ちをしてしまっている)
フリートークに参加するには、事前に着て、列に並ばないといけないのだった。最後尾はここというプラカードを持ったスタッフが居る。
私の前にはすでに100人ほどが並んでいる。女の人がけっこう居る。将棋がわからなくても棋士をアイドル的な感じでおっかけている女性がそれなりにいるんではないかと思わせた。
列に並ぶこと1時間ほど。会場の能楽堂に入ることができた。
そこでさらに30分待って、フリートークが始まった。

石田九段。豊島2冠。高見叡王。斎藤王座。佐々木勇気七段。谷口女流。
このメンバーで30分間、トークするというもの。
トークが始まる前に、スタッフのお姉さんが「動画撮影は禁止」ということを言っていた。

今回、私はメモを取っておらず、ちょっとしか記事を書けない。
石田「今日は気温がちょうどいい。去年は日射病になりそうだった」

高見叡王の発言が面白いと感じた。受け狙いの答えをしようとする姿勢が素晴らしい。
自己紹介で高見「僕のタイトル戦は、暗雲立ち込めているんですが」
ふはは、正直でいいね。
石田「この岡崎将棋まつりに呼ばれた棋士は、活躍するというジンクスがあるんですよ」
高見「僕は薬が効きにくい体質なんで」
うまいこと言うと思った。

豊島は真面目で発言も笑うところはない。
しかしいいのだ、2冠で名人も取ろうかという存在なのだから、居るだけでいい。

斎藤王座はハンサム。トークもけっこう面白い。永瀬がバナナを8本も食べたことに斎藤が言及し、「あれは食べすぎ」という話を斎藤がしていたら、その話が長びき、周りから「もうバナナの話はいいよ」と突っ込まれていた。
タイトルホルダーになって何か変わったか、と聞かれ、斎藤「今でも普通に冷凍食品を食べている」と言っていた。

佐々木勇気もそこそこ面白い。タイトルホルダーに囲まれて、佐々木は恐縮していた。
佐々木は「今はプロになって初めてスランプにあるが立ち直りたい」と言っていた。

谷口女流は「室谷姓から谷口姓に変わったが、谷口姓で結果を出したい」と言っていた。
谷口さんはとても感じがよく、私は大好きだ。誰からも好かれてそう。

質疑応答が一回だけ。
ある客が「それぞれを駒に例えると何になるか、本人以外が答えてくれ」というもの。そういう凝った質問だった。
斎藤を他の棋士たちは「王」に例えていて、「自然と周りに斎藤を守る人が集まってくる」と言ったところ、斎藤は否定し「全然守られている感じがない」と答えた。これは面白かった。

今回私の感想は、総じて、若いっていいね、と思った。やはり若いと生命エネルギーが強く、輝いている。
出場者が石田先生以外は若いのでそう感じた。

フリートーク終了後、豊島が名人戦第一局の解説をするというサービスをしてくれた。
千日手局でなく決着局。これがなかなか名局だった。豊島にはたぶん一手のミスもない内容。
長手数になりがちな展開を、豊島はスパッと終わらせた。
銀のタダ捨ては鮮やかで、豊島は名人を取る棋士にふさわしいと思わせるものだった。

300人の客も誰一人、進行を妨げることなく、拍手と笑い声だけして、きちんと観ていた。
日本人はマナーが良い。私としては、並ぶのはしんどいが、せっかく岡崎で将棋まつりがあるんだから、来るべきだろうなあ、と思った。以上です。
「小籔千豊の将棋道場小破り」という番組が3月から始まっている。
スカパーなどで観れる番組。ファミリー劇場というチャンネル名。
芸能人の小藪と板倉が、奇襲戦法を学んで、実戦で使ってみるという構成。
週1回30分の全10回で、今6回まで終わったところ。
この番組はなかなか面白くて、私は楽しみに観ている。
というか、この番組のためにスカパーの「ファミリー劇場」に加入した。(月756円 ただし基本料は別途)

まずは奇襲戦法を学ぶ。2人はそれを実戦で使おうとするのだが、実戦では相手は違った手を指してくるので、役に立たない。
小藪が「習ったことが意味ない」とボヤいていた。
今まで習ったのは、嬉野流と早石田。早石田はともかく、嬉野流は力戦に持ち込むのが目的だから、ハメることは難しい奇襲だよね。
次回はパックマンを習うそうだが、これも、相手が食いついてこなかったら、まったく意味ない奇襲である・・・(笑)

この番組で光っているのは、なんといっても、独自に創作された「歌」だ。
ラップ調、フォーク調、バラード調、アニソン調と、今まで6~7曲、流れている。どれも聞いていて楽しい。
嬉野流を紹介した歌詞はこんな感じ。
まずはフォーク調。
♪熊本の嬉野さんが考えた 飛車の先も突かず 角の道も空けず
♪いきなり伝説の6八銀!からの角を引き
♪誘えばアイツは攻めてくる 飛車先の歩を交換
♪そこですかさず打つのは 土下座の歩 通称ドMの歩 嬉野~
(まだ先は続くがここまでにしておく)

次はラップ調。
♪嬉野流はまずはじまり 初手そーっと6八銀
♪知らない相手は驚き どうしようと 心の奥 内心
♪だけどもふつうな感じで 飛車先の歩 突いてくる
♪さらにこっちが角ちゃん引いたら 相手は押してくる
♪歩交換に控えて歩 弱気に見えて秘めたる意志
♪土下座の歩 通称ドMの歩
(まだ先は続くがここまでにしておく)

実戦で、板倉がボロボロになり自陣が崩壊していく様を、バラード調でつづった曲も素晴らしい。
(森田童子を思わせる歌い方で)
♪桂馬を打たれ 金取ったけど 金をはがされ 角を打たれた
♪銀は泣いてた 僕の手には桂馬しか 桂馬しかなかった バリケードは消えた
♪もう逃げるしかなかった バリケードは消えた 
♪もう望みはなかった 最後に飛車ちゃん動かした
♪そうして逃げた 僕の王様は 最後の場所を 探して逃げた (板倉、投了)

いやあー、こういうの大好き。そもそも歌っていうのは、こういうふうに軽くゆるく作るのもアリなんだなー、と気づかされた。
これは将棋番組だけど、実は歌番組だった。ビバ、ゆるい将棋ソング。