2020.02.18
テレビドラマ「煙が目にしみる」の名シーン
1981年に放送されたテレビドラマ、「煙が目にしみる」の再放送を、先日、BSでやっていて、面白かったです。
そこから名場面を紹介。脚本家のジェームス三木さんの創案シーンだと思われます。
31歳の年齢制限(昔は31歳までだった)が間近の奨励会三段の弟子と、その師匠との会話。
(正座をして深刻な顔をする三段の弟子)
弟子「・・・先生、将棋とはいったい何でしょうか?」
師匠「ああ?」
弟子「教えてください。この世に将棋のある意味を」
師匠「そんなことは俺にはわからんよ」
(弟子が師匠を見つめる。師匠も向き合って正座した)
弟子「では、いったい何のために将棋は指すのですか?」
師匠「お前はいったい何のために生まれてきたんだ。どういう目的で生きとるんだ?」
弟子「・・・わかりません」
師匠「おそらく誰にもわからんだろう。しかしだ、将棋の中には人生がある。哲学がある。芸術もある。建築のようでもあり、音楽のようでもあり、数学のようでもあり、経済学のようでもあり、化学方程式のようでもある。おそらく全てのものがあるんだ」
弟子「・・・おっしゃることは漠然とわかります。将棋は人間そのものだと思います。でもどうして勝ち負けを決めなければならないのですか?」
師匠「うーん。闘争本能があるからだろうなあ」
弟子「闘争本能・・・」
師匠「人間は戦う動物なんだ。いつもどこかで戦争が起きてるじゃないか。平和が続けば集団ヒステリーが起こる。戦争のかわりにスポーツや勝負事が盛んになる」
弟子「すると将棋指しは、野蛮な職業ですね。闘争本能むき出しの残酷な人間が勝つわけですね?」
師匠「それは違う。タイトルを取るようなスーパースターには必ず優しさがある。闘争本能を超越した美しさがある。そうは思わんか?」
弟子「思います」
師匠「そこだよ。百戦錬磨の強い相手を倒すためには、思いやりが必要なんだ。敵を知り、己を知り尽くすことが勝利につながるんだ。最も優しい人間が、最も強い人間なんだよ。勝つということは、そういうことなんだ」
弟子「・・・」
そこから名場面を紹介。脚本家のジェームス三木さんの創案シーンだと思われます。
31歳の年齢制限(昔は31歳までだった)が間近の奨励会三段の弟子と、その師匠との会話。
(正座をして深刻な顔をする三段の弟子)
弟子「・・・先生、将棋とはいったい何でしょうか?」
師匠「ああ?」
弟子「教えてください。この世に将棋のある意味を」
師匠「そんなことは俺にはわからんよ」
(弟子が師匠を見つめる。師匠も向き合って正座した)
弟子「では、いったい何のために将棋は指すのですか?」
師匠「お前はいったい何のために生まれてきたんだ。どういう目的で生きとるんだ?」
弟子「・・・わかりません」
師匠「おそらく誰にもわからんだろう。しかしだ、将棋の中には人生がある。哲学がある。芸術もある。建築のようでもあり、音楽のようでもあり、数学のようでもあり、経済学のようでもあり、化学方程式のようでもある。おそらく全てのものがあるんだ」
弟子「・・・おっしゃることは漠然とわかります。将棋は人間そのものだと思います。でもどうして勝ち負けを決めなければならないのですか?」
師匠「うーん。闘争本能があるからだろうなあ」
弟子「闘争本能・・・」
師匠「人間は戦う動物なんだ。いつもどこかで戦争が起きてるじゃないか。平和が続けば集団ヒステリーが起こる。戦争のかわりにスポーツや勝負事が盛んになる」
弟子「すると将棋指しは、野蛮な職業ですね。闘争本能むき出しの残酷な人間が勝つわけですね?」
師匠「それは違う。タイトルを取るようなスーパースターには必ず優しさがある。闘争本能を超越した美しさがある。そうは思わんか?」
弟子「思います」
師匠「そこだよ。百戦錬磨の強い相手を倒すためには、思いやりが必要なんだ。敵を知り、己を知り尽くすことが勝利につながるんだ。最も優しい人間が、最も強い人間なんだよ。勝つということは、そういうことなんだ」
弟子「・・・」
2020.02.16
未公開だった替え歌を3つ公開しました
作成時とは事情が変わってしまって、未公開だった替え歌を3つ、公開しました。
時間が経ったりしていて、すでに現状とは合致しませんが、せっかくなので出します。
以下の3つで、いずれも羽生さん関連です。
HABU HABU HABU
完敗宣言
Habu is over
時間が経ったりしていて、すでに現状とは合致しませんが、せっかくなので出します。
以下の3つで、いずれも羽生さん関連です。
HABU HABU HABU
完敗宣言
Habu is over
2017年7月作成
HABU HABU HABU
〜Dreams Come True「LOVE LOVE LOVE」の替え歌〜
ねぇ どうして すっごくすごく強いプロ
ただ 望みたいだけなのに ルルルルル
うまく いかないんだろう・・・
ねぇ 電王 戦で 会いたいと願う
日々に限って いちども ルルルルル
出てきてはくれないね
ねぇ どうして すごく安いパソコンに
負けました と言うだけで ルルルルル
涙が 出ちゃうんだろう・・・
名人が 負けた日が
少しずつ思い出になっても
まだ観てる まだ観てる ルルルルル
ねぇ どうして
涙が 出ちゃうんだろう・・・
涙が 出ちゃうんだろう・・・
HABU HABU 彼を叫ぼう 彼を呼ぼう
HABU HABU 彼を叫ぼう 彼を呼ぼう
HABU HABU HABU
〜Dreams Come True「LOVE LOVE LOVE」の替え歌〜
ねぇ どうして すっごくすごく強いプロ
ただ 望みたいだけなのに ルルルルル
うまく いかないんだろう・・・
ねぇ 電王 戦で 会いたいと願う
日々に限って いちども ルルルルル
出てきてはくれないね
ねぇ どうして すごく安いパソコンに
負けました と言うだけで ルルルルル
涙が 出ちゃうんだろう・・・
名人が 負けた日が
少しずつ思い出になっても
まだ観てる まだ観てる ルルルルル
ねぇ どうして
涙が 出ちゃうんだろう・・・
涙が 出ちゃうんだろう・・・
HABU HABU 彼を叫ぼう 彼を呼ぼう
HABU HABU 彼を叫ぼう 彼を呼ぼう
2020.02.16
完敗宣言 〜さだまさし「関白宣言」の替え歌〜
2016年9月作成
完敗宣言 〜さだまさし「関白宣言」の替え歌〜
羽生がソフトと戦う前に ソフトに言いたいことがある
かなりきびしい話もするが 俺の本音を聴いておけ
羽生より先に攻めてはいけない
羽生より後に攻めてもいけない
玉は薄く囲え いつも次善手を指せ
ルールの範囲で構わないから
忘れてくれるな 機械に勝てない男に
権威を守れる はずなどないってことを
機械には機械にしか できない事もあるから
余計な手出しをせず 黙って羽生に負けてくれ
ソフトの駒と羽生の駒と どちらも同じだ 大切にしろ
手心 手加減 かしこくこなせ
たやすいはずだ 組み込めばいい
羽生の陣地に 行くな入るな
それからつまらぬ 王手はするな
羽生はトン死はしない たぶんしないと思う
しないんじゃないかな ま、ちょっと覚悟はしている
将棋は人間が 考え抜くもので
機械が計算して つくろうものではないはず
ソフトは名人を 超えて行くのだから
ファンを泣かして いると思え
これからも羽生が 最強の棋士
終盤になって競り合ってたら 羽生より先に詰ましてはいけない
例えばわずか 半手でもいい
羽生より早く 詰ましてはいけない
何もいらない プログラマーは 涙のしずく ふたつ以上こぼせ
お前のおかげで いい対局だったと 俺が言うから 必ず言うから
忘れてくれるな 世界最強の棋士は
最強の棋士は 羽生善治 ただひとり
忘れてくれるな 俺の愛するゲームは
愛するゲームは 人間同士の将棋
完敗宣言 〜さだまさし「関白宣言」の替え歌〜
羽生がソフトと戦う前に ソフトに言いたいことがある
かなりきびしい話もするが 俺の本音を聴いておけ
羽生より先に攻めてはいけない
羽生より後に攻めてもいけない
玉は薄く囲え いつも次善手を指せ
ルールの範囲で構わないから
忘れてくれるな 機械に勝てない男に
権威を守れる はずなどないってことを
機械には機械にしか できない事もあるから
余計な手出しをせず 黙って羽生に負けてくれ
ソフトの駒と羽生の駒と どちらも同じだ 大切にしろ
手心 手加減 かしこくこなせ
たやすいはずだ 組み込めばいい
羽生の陣地に 行くな入るな
それからつまらぬ 王手はするな
羽生はトン死はしない たぶんしないと思う
しないんじゃないかな ま、ちょっと覚悟はしている
将棋は人間が 考え抜くもので
機械が計算して つくろうものではないはず
ソフトは名人を 超えて行くのだから
ファンを泣かして いると思え
これからも羽生が 最強の棋士
終盤になって競り合ってたら 羽生より先に詰ましてはいけない
例えばわずか 半手でもいい
羽生より早く 詰ましてはいけない
何もいらない プログラマーは 涙のしずく ふたつ以上こぼせ
お前のおかげで いい対局だったと 俺が言うから 必ず言うから
忘れてくれるな 世界最強の棋士は
最強の棋士は 羽生善治 ただひとり
忘れてくれるな 俺の愛するゲームは
愛するゲームは 人間同士の将棋
2020.02.16
Habu is over ~欧陽菲菲「Love is over」の替え歌~
2016年1月作成
Habu is over ~欧陽菲菲「Love is over」の替え歌~
Habu is over 悲しいけれど 終わりにしよう きりがないから
Habu is over ワケなどないよ 将棋を観てる みんなのため
Habu is over 時代の流れと 笑って言える 時が来るから
Habu is over 泣くな男だろう 電王戦は 早く忘れて
わたしはあんたを忘れはしない 輝く一手を忘れはしない
史上最強の棋士だと思うから
Habu is over わたしはあんたの 一ファンでいい そっと心に
Habu is over 最後にひとつ 機械に負けちゃいけないよ
タイトルなんかでごまかさないで 機械の力をちゃんと認めて
きっとそのうちスマホにも 負けるから
Habu is over 悲しいよ 早く終わって 電王戦を
Habu is over, uh.... 名人でいてね Habu is over....
Habu is over ~欧陽菲菲「Love is over」の替え歌~
Habu is over 悲しいけれど 終わりにしよう きりがないから
Habu is over ワケなどないよ 将棋を観てる みんなのため
Habu is over 時代の流れと 笑って言える 時が来るから
Habu is over 泣くな男だろう 電王戦は 早く忘れて
わたしはあんたを忘れはしない 輝く一手を忘れはしない
史上最強の棋士だと思うから
Habu is over わたしはあんたの 一ファンでいい そっと心に
Habu is over 最後にひとつ 機械に負けちゃいけないよ
タイトルなんかでごまかさないで 機械の力をちゃんと認めて
きっとそのうちスマホにも 負けるから
Habu is over 悲しいよ 早く終わって 電王戦を
Habu is over, uh.... 名人でいてね Habu is over....
2020.02.02
時空棋士 (ネタばれなし) (棋書レビュー)
時空棋士
新井政彦著 マイナビ出版 2020年1月31日初版第1刷発行
Amazonで紙版1628円 Kindle版1465円
評価 A
コンセプト<奨励会三段の少年が幕末にタイムスリップ>
面白い。実にワクワクさせられた。読みやすく、紙版で全328ページであるが、どんどん読み進められる。(改行による空白がかなり多いのという事情もあるが) 私は読んでいて、えっ、もうこんなに読んじゃったの? あとちょっとしかページが残ってないじゃん!ぐあー、読み終わりたくない!という事態になった。
ストーリーに関してはここでは触れないとして、欠点が2つ。
私は紙版を買ったのだが、漢字に「ふりがな」がない。これがけっこう痛い。江戸時代で文化が現代と違うので、なじみのない難しい単語が随所に出て来るのだが、ことごとくふりがながない。「月代」とか「行燈」とか普通、読めるか?(さかやき、あんどん)
とくに「簪」という小物が重要になってくるのだが、これが私には読めなくて困った。(正解は「かんざし」)
もうひとつの欠点、それは図面と符号がふんだんに出て来て、それで対局の場面の話が進んでいく、という形式なのだ。
なんでこんなふうにしちゃったのか。局面は難解で、手数にして一気に20手ぐらいどんどん進められていく。
まるで将棋世界の観戦記のような状態。いちおう24の有段者の私ですら、理解するのをあきらめる。
こんなの、将棋ファンで高段者じゃない人は突き放されてしまう。なんでこの方式を採用してしまったのか。
図面と符号を無視して、文章で表現しているところを追っていけば、どうにかド素人でもストーリーを理解はできるとは思うが。
この作者の文章力をもってすれば、文章だけで対局シーンを書くことは充分に出来たはずなのに。
万人向けにしておかないなんて、じつにもったいない。残念なことをしたと私は思う。
でも、読んでいるときのワクワク感は、他では得難いものがあった。面白かった。「現実には不可能な夢を、本の中で実現させてみせる」というフィクションの醍醐味が味わえる。作者の才能には敬意を表したい。
新井政彦著 マイナビ出版 2020年1月31日初版第1刷発行
Amazonで紙版1628円 Kindle版1465円
評価 A
コンセプト<奨励会三段の少年が幕末にタイムスリップ>
面白い。実にワクワクさせられた。読みやすく、紙版で全328ページであるが、どんどん読み進められる。(改行による空白がかなり多いのという事情もあるが) 私は読んでいて、えっ、もうこんなに読んじゃったの? あとちょっとしかページが残ってないじゃん!ぐあー、読み終わりたくない!という事態になった。
ストーリーに関してはここでは触れないとして、欠点が2つ。
私は紙版を買ったのだが、漢字に「ふりがな」がない。これがけっこう痛い。江戸時代で文化が現代と違うので、なじみのない難しい単語が随所に出て来るのだが、ことごとくふりがながない。「月代」とか「行燈」とか普通、読めるか?(さかやき、あんどん)
とくに「簪」という小物が重要になってくるのだが、これが私には読めなくて困った。(正解は「かんざし」)
もうひとつの欠点、それは図面と符号がふんだんに出て来て、それで対局の場面の話が進んでいく、という形式なのだ。
なんでこんなふうにしちゃったのか。局面は難解で、手数にして一気に20手ぐらいどんどん進められていく。
まるで将棋世界の観戦記のような状態。いちおう24の有段者の私ですら、理解するのをあきらめる。
こんなの、将棋ファンで高段者じゃない人は突き放されてしまう。なんでこの方式を採用してしまったのか。
図面と符号を無視して、文章で表現しているところを追っていけば、どうにかド素人でもストーリーを理解はできるとは思うが。
この作者の文章力をもってすれば、文章だけで対局シーンを書くことは充分に出来たはずなのに。
万人向けにしておかないなんて、じつにもったいない。残念なことをしたと私は思う。
でも、読んでいるときのワクワク感は、他では得難いものがあった。面白かった。「現実には不可能な夢を、本の中で実現させてみせる」というフィクションの醍醐味が味わえる。作者の才能には敬意を表したい。
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