電王戦 ~森高千里「渡良瀬橋」の替え歌~

電王戦で観る将棋を 私はとても好きだったわ
楽しい棋戦で良かったね ずっと観てたいと言った
プロモーションビデオ ニコ生中継 ドワンゴは盛り上げてくれたわ
私は今も あの頃を 忘れられず生きてます

今でも ニコニコ動画で ヨネさん見ると 将棋のこと祈るわ 
願い事 一つ叶うなら あの頃に 戻りたい

パソコン600台に負けた 三浦弘行 覚えてますか
冤罪事件に巻き込まれ なんども応援したの

この間 電王戦の ログにアクセス ずっと棋譜 観てたわ
名人が とてもボロ負けで ドン引きしちゃいました

誰のせいでもない プロがコンピュータに
勝てないこと わかってたの
なんども悩んだわ だけど私 将棋と
離れて暮らすこと出来ない

今では NHK杯や銀河戦にも
評価値が出てます
強いコンピュータに挑んだプロたち みなが観た電王戦 
歴史に残った棋戦    
去年の7月、73.1㎏だった体重。今朝は62.3㎏だった。
ついに来た、BMI標準値の62.8を下回った!

それというのも、この季節が来たのだ。冷凍ゼリーが活躍できる季節、つまり夏が!
今までは甘栗とかチョコレートだったのだが、冷凍ゼリーがうまい!
今まではtaramiの「くだもの屋さん」というメーカー品のゼリーを買っていた。
しかし、冷凍するレパートリーが増えた。
どこのメーカーやらわからん、安物のフルーツゼリー、コーヒーゼリー、プリン、といったものを凍らす。
特にコーヒーゼリーはクリープ(ミルク)をかけて食べると、これがシャリシャリして、うまい!
冷凍プリンもめっちゃうまい!3つで100円とは思えない!
母にも冷凍コーヒーゼリーは好評で、ときどき母も食べている。食べるのに時間がかかり、満足感があるのだ。

ゼリーは冷蔵庫に入れるもんじゃない!冷凍庫に入れるもんだ!
プリンも同じ!一度は冷凍プリンを食べてみよう!
少なくとも我が家の冷凍庫では、カチカチになってしまうことはない。

さあ、来月の検診まであと少し! 
ジーパンを履くと63㎏台になっちゃうので、検診の測定で去年から10㎏減は無理かもね。
全24回に渡った企画、目次を作った。クリックでそのページに行ける。
そして、カテゴリーに「奇襲戦法の評価値をソフトで調べてみる」を加えた。 

企画の最後に、初期配置をもう一度、ソフトに検討させてみた。3つのソフトで各20分ずつ、各3回。(ただし激指15は、定跡なしでも4分ほどで思考完了になってしまう)
候補手3つ。▲7六歩が3番人気で、平均+35.1。▲2六歩が2番人気で平均+37.4。▲7八金が1番人気で平均+38.6という結果だった。
初期配置の最善手の評価値の平均は、+44.3だった。(9回分の最善手を9で割った)

評価値の特徴は、激指15はマイルド。やねうら王は辛口で差をつけたがる。水匠3改はその中間ということで、ちょうどいい感じで企画ができたと思う。ソフトの評価値は同じ環境でも毎回微妙に変わるので、参考までにしてほしい。
また調べたいテーマ図があれば、新たに調べるかもしれない。今のところはここまで。

~準備編~
~初手の最悪手~
~後手の2手目端歩突き~
~後手の2手目△3二金と△3二飛~
~後手の2手目△6二銀と△6二玉~
~ノーマル振り飛車~
~筋違い角の先手バージョンと後手バージョン~
~筋違い角の対策~
~筋違い角・V作戦~
~角換わり・木村定跡~
~角換わり・升田定跡と一手損△8四歩型~
~相掛かり・原始棒銀~
~2パターンの一手損角換わり~
~角頭歩~
~4手目△3三角~
~阪田流向かい飛車~
~鬼殺し・新鬼殺し~
~相掛かり・5手爆弾~
~相掛かり・源内流と△8四飛を狙い撃ち作戦~
~横歩取り・△4五角戦法と相横歩取り~
~先手早石田・後手早石田~
~右四間飛車~
~パックマン~
~端角中飛車と九間飛車~
♪シェリー 俺は転がり続けて こんなとこにたどりついた シェリー 俺はあせりすぎたのか むやみに何もかも捨てちまったけれど
というわけで、今回の第24回で、この企画も最終回。BGMには尾崎豊が流れている。

今回は2つ取り上げる。まずは端角中飛車。初手から▲9六歩△3四歩▲5六歩△8四歩▲5八飛△6二銀▲5五歩△5二金右。
これはタイトル戦で指されている。1996-07-11 王位戦 ▲深浦康市 vs. △羽生善治の一局だ。

図1 端角中飛車 △5二金右まで


図1から▲9七角と出たのが深浦の作戦だった。これは成立しているのか。
例によって、「イメージと読みの将棋観2」に、図1に対するプロの意見があるので、それを紹介する。

羽生「▲9七角と出ちゃうと若干不利」
佐藤康光「▲9七角と上がると先手は苦しくなる」
森内「やったらやったで面白いのでは?でも自分が敢えてやるかといわれれば、やりませんけど」
谷川「(▲9七角と上がらずに)△8五歩に▲7六歩と突けば一局」
渡辺明「厳密には、△8五歩に▲9七角と上がるのはちょっと無理なんでしょう」
藤井猛「▲9七角から▲5六飛で持久戦になる。一局だけならうまくいくかもしれないが、先手がよくなるのは限られたパターンしかない。▲9七角と上がってしまうと、先手勝率のイメージは30%」

▲9七角を否定する棋士がほとんど。ではソフトの見解はどうか。
まず、図1を水匠3改に10分、考えさせた。すると、-152という数値を出した。ソフトは振り飛車を不利飛車と見るし、▲9六歩も何だか一手パスのような手なので、こんな数値で妥当だろう。

そこで次に、図1から▲9七角と上がった局面を3つのソフトに考えさせた。
各10分、考えさせた。候補手は3つで調べたが、載せたのは2つ。

<激指15>
-215 △8五歩 (▲9七角とした場合の後手の最善手)
-215 △9四歩 (▲9七角とした場合の後手の次善手) 以下、他のソフトの場合も同様。

<やねうら王>
-435 △4二銀
-430 △8五歩

<水匠3改>
-295 △9四歩
-281 △4二銀

プロ棋士6人が言うとおり、▲9七角と上がると、のきなみけっこうなマイナスになってしまった。相変わらず、やねうら王は差をつけるね(^^;
5筋がすぐに突破できるわけではないので、形を決めすぎなのだと思う。
なお、▲深浦vs△羽生では、羽生が5筋を金銀4枚でガッチリ守って勝っている。


さて、次。次もプロの実戦から。
2001-07-01 将棋日本シリーズ ▲佐藤康光 vs. △先崎学
九間飛車って何だと思われるだろうが、後手が△9四歩~△9五歩~△9二飛~△9四飛と浮く作戦だ。
上記の実戦では初手から▲7六歩△9四歩▲2六歩△9五歩▲2五歩△3二金▲4八銀△7二銀▲7八金△9二飛と進んだ。
それが図2。

図2 九間飛車 △9二飛まで


△9二飛で、後手は作戦の正体を現した。この図2をソフトはどう見るか。

<激指15>
+122 ▲2四歩
+76 ▲3八銀

<やねうら王>
+342 ▲3六歩
+338 ▲6八玉

<水匠3改>
+232 ▲3六歩
+196 ▲6九玉 

この▲佐藤康光vs△先崎の戦いは、後手が3筋の位を取り、△9四飛~△3四飛と形良く駒組みすることに成功した。
序盤を互角にすることに後手が成功している。しかし結果は康光の勝ち。

~今回のまとめ~
端角中飛車も、九間飛車も、なかなかうまくいかないようだ。まあそれが奇襲たるゆえんだが。
でも、こういう将棋を試してくれるプロたちには敬意を表したい。昔はソフトがなかったから、自力で考えてたんだろうし。

♪シェリー いつになれば 俺は這い上がれるだろう シェリー どこへ行けば 俺はたどりつけるだろう シェリー 俺は歌う 愛すべきものすべてに
明日、目次のページを作って、この企画の終わりとしたい。ではでは。
♪君の肩に悲しみが 雪のように積もる夜には~
第23回。BGMには浜田省吾が流れている。

今回はパックマンを取り上げる。後手の奇襲で、そこそこ有名だ。
手順はシンプルで、初手から▲7六歩△4四歩で図1。これを▲同角と取れば、パックマンの発動だ。
なお、▲4四同角と取ってくれなければ、乱戦にはならない。

今回は、参考になるブログがある。「人生0手の読み」というサイト。そこのURLを貼っておく。
http://blog.livedoor.jp/nifu_senkin-daily/archives/84163738.html

図1 △4四歩まで


図1の局面を、ソフトはどう見ているか。いつものように各10分、考えさせた。 候補手は3つで調べたが、載せたのは2つ。
<激指15>
+191 ▲4四同角 (3手目の先手の最善手)
+64 ▲2六歩 (3手目の先手の次善手) 以下、他のソフトの場合も同様。

<やねうら王>
+212 ▲4四同角
+212 ▲4八銀

<水匠3改>
+170 ▲4四同角
+164 ▲4八銀

やねうら王と水匠は、▲4四同角と取らずに▲4八銀でも先手不満なしと出ている。
では次に、図1から2手進めて、▲4四同角△4二飛と進んだ局面を調べる。それが図2。

図2 △4二飛まで


<激指15> 
+203 ▲5三角成
+109 ▲6六角

<やねうら王>
+235 ▲5三角成
+222 ▲6六角

<水匠3改>
+165 ▲5三角成
+164 ▲6六角

▲5三角成以下は、△3四歩として、大乱戦になる。しかし、それを避ける手があるのだ。それが図2から▲6六角と引く手。
上記の「人生0手の読み」のサイトで書かれている手だ。そしてソフトは▲6六角を有力と出した。
特に、一番信頼がおける水匠が、▲5三角成と比べて、たった1点差しかつけなかった。
▲4四同角とパクッと食いついておいて、後手に「しめた」と思わせておいての▲6六角。これは面白い(笑)

なお、▲6六角以下には続きがある。それが図2以下、▲6六角△4七飛成▲4八飛。それが図3。

図3 ▲4八飛まで


図3でもし後手が△4六歩と打ってくれば、ハマり。先手の術中に落ちる。△4六歩以下▲8八飛と遠くに逃げておき、後手の龍が助からない。▲8八飛に△3四歩としても、▲2二角成△同銀▲4八銀で、後手の龍は詰んでいる。(水匠で+490) 
戻って、図3からは飛車交換が必然だったのだ。図3は互角(水匠で+126)でこれからの将棋だ。


さて、次に、山崎プロがNHK杯で採用したパックマンを調べてみる。
2020-03-16 第70回NHK杯 1回戦第2局 ▲西川和宏 六段 vs. △山崎隆之 八段

図4 山崎流パックマン 後手山崎△4四歩まで


図4から▲同角△4二飛▲5三角成△4七飛成と進み、乱戦になった。それを山崎が勝ち切った。
さすが山崎将棋の面目躍如、魅せて勝つ!
なお図4の局面は、水匠3改で調べると+75でほぼ互角ということだ。

~今回のまとめ~
△4四歩パックマンには、▲同角でもいいし、他の手を指してもいい。しかし個人的には▲同角と取りたい。その後▲6六角と引いて、局面を収めるのも一局だし、▲5三角成から乱戦を受けて立っても面白いだろう。

今回はここまで。
♪誰もが Wow Wow 泣いてる 涙を 人には見せずに~
次回はいよいよ最終回。ではまた会いましょう~。
♪あとどれくらい 切なくなれば あなたの声が 聴こえるかしら~
というわけで、この企画も第22回を迎えた。BGMには酒井法子が流れている。
今回は右四間飛車を取り上げる。

ここでひとつ、私からお詫びがあります。このブログに「2021.02.19 最も優秀な戦法は?それは右四間飛車!」という記事があります。
そこで私は、「24の常駐ソフト、JKishi18gouが対振り飛車の右四間飛車を時折指している」と書いてしまいました。
しかし、JKishi18gouの棋譜では、私が調べた限り、対振りの右四間が見当たらないです。確認できないです。
私の曖昧な記憶だけで書いてしまい、間違っていた可能性が高いです。申し訳ない。すいませんでした。

その後、JKishi18gouが対振りで右四間を指している棋譜を発見しました。(2023.04.25) さらにその後、JKishi18gouは相居飛車でも右四間を指していました。(2023.04.27)

さて今回はせっかくなので対振りと、対矢倉、2種類の右四間を調べてみた。
まずは対振りから。対振りの右四間と言っても、とても手が広いので、限定して一局面だけ調べた。
「イメージと読みの将棋観1」でテーマになっている図があるのだ。そこから引用。またこの本だ(^^;
質問・図1から▲2五桂の仕掛けは成立するか?先手勝率はどのくらい?

図1 対振りの右四間 △5四銀まで


羽生「結構有力だと思います。もちろん▲2五桂と仕掛けます。勝率50%はいくでしょう」
佐藤康光「▲2五桂の仕掛けが成立するとは全く思えない。限りなくゼロに近いですね。2五に跳んだ桂をあとでぽろっと取られちゃうんでしょ。ありえないですよ」
森内「仕掛けは成立すると思う。先手勝率55%~57%」
谷川「先手勝率50%いくかどうか」
渡辺明「仕掛けは成立すると思う。先手勝率52%」
藤井猛「実戦なら先手は40%勝てないでしょう。自分なら▲3七桂のところで▲8六歩△6四歩▲8七玉と固める」

では、ソフトはどう評価値を出したか。いつものように各10分計測した。候補手は3つで調べて、3つ載せた。

<激指15>
-47 ▲7七角 (図1からの先手の最善手)
-51 ▲1六歩 (図1からの先手の次善手)
-67 ▲8六歩 (図1からの先手の3番手の手) 以下、他のソフトも同様。

<やねうら王>
+165 ▲3八飛
+145 ▲6八銀
+142 ▲2五歩

<水匠3改>
+137 ▲1六歩
+132 ▲4九飛
+117 ▲8六歩

激指はちょっと後手に振れている。しかしやねうら王と水匠は先手持ち。(もちろん互角なのだが)
やねうら王の▲3八飛って、何なんだ(^^;
で、ここで思ったのだが、▲2五桂が候補手に現れない。どういうことなのか。
そこで、激指の候補手を最大の10手、やねうら王の候補手を最大の15手、水匠の候補手を最大の10手にして調べてみたのだが(各10分)、なんと▲2五桂が1回も候補手に現れなかった。

そこで、図1から▲2五桂と跳んだ場合の評価値を調べてみた。もちろん各10分。候補手は3つで調べて、3つ載せた。
<激指15>
-334 △2二角
-33 △1五角
+252 △2四角

<やねうら王>
-455 △2二角
+31 △1五角
+376 △2四角

<水匠3改>
-280 △2二角
+98 △1五角
+401 △2四角

なんと、図1から▲2五桂は、△2二角と引かれて、のきなみマイナス評価だ。マイルドな評価値で知られる激指が-334も出すとは。これじゃ、候補手を10手表示にしようが、▲2五桂が候補に上がって来ないはずだ。
「イメージと読みの将棋観1」では、佐藤康光と藤井猛が▲2五桂に否定的で、康光は全否定していたが、それが裏付けられる結果となった。(もちろんソフトが正しければだが) この本によると、昭和52年度以降で図1になった対局は数局あるが、▲2五桂とした将棋は▲羽生vs△河口の一局だけだそうだ。(羽生の勝ち)



さて次に、対矢倉の右四間について調べる。これは「イメージと読みの将棋観2」にテーマ図が載っている。それが図2。
初手から▲7六歩△3四歩▲6六歩△6二銀▲6八銀△6四歩までが図2。

図2 先手の矢倉模様に後手の右四間 △6四歩まで


6人の棋士の意見を聞いてみよう。
羽生「先手は▲7八金か▲6七銀か▲5六歩の三択。一番指したいのは▲5六歩~▲5七銀~▲6八飛。▲7八金でも悪くはない」
佐藤康光「自分なら▲7八金と上がって受けに回る。それなりに自信はあります」
森内「△6四歩の直前の▲6八銀がどうかと思う。△8四歩の一手を省略されているので、すでに先手の得がなくなっている気がする」
谷川「▲7八金と指します。△8四歩の一手を省略されているのがちょっと損な気がするけど、後手も形を決めてしまっているわけだし」
渡辺明「先手がすでにちょっと損な感じ。仕方ないので▲7八金から矢倉にします。四間飛車もあるけど棋風じゃないので。それに腰掛銀で先手が潰されるとは思えないから」
藤井猛「この局面になってしまった以上、▲5七銀型四間飛車で対抗するのが自然でしょう。右四間飛車をやられて困っている人にはこの作戦がお勧めです」

「イメージと読みの将棋観2」では、この局面は平成以降101局現れ、先手が49勝52敗だそうだ。

ではソフトの意見を調べてみよう。各10分。候補手は3つで調べて、3つ載せた。

<激指15> 定跡なし
-1 ▲6七銀
-1 ▲1六歩
-17 ▲4六歩 (意味不明な手だけど、こう出たんだから、しょうがない(^^;)

<やねうら王>
-2 ▲7八金
-56 ▲6七銀
-78 ▲4八銀

<水匠3改>
-1 ▲6七銀
-1 ▲7八金
-36 ▲5六歩

~今回のまとめ~
まず図1だが、▲2五桂は成立しないようだ。康光会長、あんたが正しかった!(笑)
ただし、その仕掛けをしなければ、局面自体は先手は充分に戦える数値だ。個人的には藤井猛の言うように、天守閣美濃に囲って、仕掛けはその後にしたい。図1で互角である以上、対振りでも右四間は有力な戦法と言えると思う。(後手の△5四銀型がどうなのか、気になるところだが)

そして図2は、多くの棋士が言うように、すでに先手がちょっと損をしていることが分かる結果となった。もう先手の得は消えている。後手は△8四歩を指さないまま右四間に組めるので、不満なしだろう。
右四間は駒組みも易しいし、主導権を握っているしで、やはり優秀な戦法である。右四間は奇襲じゃない!・・・じゃあなんでこの企画で取り上げたんだと言われそう(笑)

今回はここまで。
♪碧いうさぎ ずっと待ってる 独りきりで 震えながら~
あと2回でこの企画も終わる。ではまた次回~。
♪淋しいなんて 口に出したら 誰もみんな うとましくて 逃げ出してゆく~
というわけで、第21回を迎えたこの企画。私の体力もそろそろ限界(^^; BGMには中島みゆきが流れている。

今回は、早石田について調べてみた。まずは先手早石田から。
初手から▲7六歩△3四歩▲7五歩で図1。

図1 先手早石田 ▲7五歩まで


「イメージと読みの将棋観2」(2010年初版)と、「イメージと読みの将棋観3」(2014年初版)にこの局面がテーマ図として載っている。

「イメージと読みの将棋観2」(2010年初版)の6棋士の意見をまとめてみた。
羽生「△6二銀でも△4二玉でも△5四歩でも△8四歩でも後手勝率50%。△8四歩が一番強い手」
佐藤康光「△8四歩は私が一番よく指すんだけど、一番危険な手でもあり、悪くなる可能性がある」
森内「どれも一局というしかありません。気分でいろいろやります」
谷川「優劣の順番はないです。△8四歩は一番強い指し方だが、急戦に対する準備がないと指せない」
渡辺明「流行と相手を見て決めることになりますね」
藤井猛「僕は振り飛車党だから△5四歩で行きます」

なお、図1は平成19年度で61局指されており先手38勝28敗。
平成20年度は93局指されており先手57勝36敗。
平成21年度は123局指されており先手70勝50敗3千日手。という統計が書かれている。

次に、「イメージと読みの将棋観3」(2014年初版)にも、このテーマが取り上げられている。なんと2回連続、テーマ図として選ばれているのだ。そこでの6棋士の見解やいかに。
渡辺明「△8四歩~△8五歩は現状では後手の明確な対策が発見されていない」
佐藤康光「今は△8四歩の可能性は一番下かもしれない。△8四歩と突くのはかなりリスクが高いことが分かってきた」
森内「一番普通だと思っていた△8四歩が実は危ない手になっているとは驚きです」
谷川「△8四歩は後手をもって収めるのが大変なんですよ。(図1で)後手を持ってどうするかちょっと悩んでいるところです」
久保「△8四歩で決着をつけに行ったらどうなるか。まだ結論は出ていない」
広瀬「△8四歩は覚悟が必要」

なお、図1は平成23年度は192局、平成24年度は158局指されているということだ。(勝敗は書かれてない)
激指15(2019年発売)では▲7五歩はプロ間で1832局前例があり、最近10年で1527局指されていると出る。

多くの棋士が△8四歩の危険性を指摘している。特に2010年から4年経過した2014年には、△8四歩は危ない、と言う棋士が多い。興味深い内容だ。
さて、ソフトはの評価値はどうか。いつものように各ソフトに10分、考えさせた。候補手は3つで、今回は3つ載せた。

<激指15> 定跡なし
-64 △7二銀 (4手目の後手の最善手)
-62 △4二玉 (4手目の後手の次善手)
-45 △1四歩 (4手目の後手の3番手の手) 以下、他のソフトも同様。

<やねうら王>
-150 △5四歩
-145 △6二銀
-114 △1四歩

<水匠3改> 定跡の利用なし
-126 △8四歩
-94 △6二銀
-101 △7二銀 (3番手のほうが2番手より後手にとって数値が高いが、よくある現象)


さて、次は後手の早石田を見てみよう。初手から▲7六歩△3四歩▲2六歩△3五歩となって、図2。
この局面は「イメージと読みの将棋観1」(2008年初版)のテーマ図として採用されている。

図2 後手早石田 △3五歩まで


6棋士の意見をまとめてみた。
羽生「(図2から)▲6八玉△4四歩▲2五歩△3三角として先手十分。後手の石田流はあまりいい作戦じゃないと思う」
佐藤康光「▲2五歩△3二飛▲4八銀と指します」
森内「実戦なら▲6八玉を選びます」
谷川「無難な指し方なら▲4八銀とか▲5六歩。強く指すなら▲2五歩」
渡辺明「平凡に▲2五歩△3二飛▲4八銀とします」
藤井猛「▲5六歩の一手さえ知っていれば先手は困らない。他に▲6八玉もある」

「イメージと読みの将棋観1」(2008年初版)によれば、平成以降の公式戦で50局指され、先手の30勝20敗、だそうだ。
激指15ではちょっと調べにくかったが、図2は123局前例があり、最近10年で49局指されているようだ。
ソフトはどう考えているか。

<激指15> 定跡なし
+150 ▲2五歩
+150 ▲7八金
+129 ▲6八玉

<やねうら王>
+298 ▲5六歩
+260 ▲7八金
+244 ▲2五歩

<水匠3改> 定跡の利用なし
+180 ▲6八玉
+141 ▲2五歩
+134 ▲3八銀

やねうら王の数値が+298と、かなり先手側に振れた。たった4手でこんなに差がついては、ソフト同士では先手が有利だろう。

~今回のまとめ~
先手と後手、いずれも早石田を受ける側に有利という結果だった。
でもソフトは振り飛車を不利としているので、数値はあまり参考にならないかもしれない。
先手早石田に対する後手の対策の手は膨大にあり、やねうら王の候補手を最大の15にすると、15とおり、どれを選んでも互角の候補手が出て来る。個人的には、4手目△8四歩はとても危険な手で、△8四歩を突いたからには△8五歩としないと意味がないので、もう一回飛車先を突くことになる。すると、その間に久保流やら鈴木大介流やらの攻めをモロに受け止めなければならない。4手目△8四歩はおススメできない。

後手早石田は、先手はすでに▲2六歩と一回飛車先を突いている。これが先手にマイナスに作用するときもあるのだ。後手が3筋から強襲してきた場合、角交換から▲1五角が3七に利いて「王手なんとか取り」になる筋がよく出てくる。しかしそれが▲2六歩と突いていると、3七に利いていないので、▲1五角が打てなくなってしまっているのだ。先手だからって、メリットばかりではない。
囲碁将棋チャンネルの講座で、門倉プロが、後手早石田の講座を詳しくやっており、「後手早石田をとがめるのは、容易なことではない」と思い知らされる。とがめきれたらプロ級だろう。

♪歌姫 スカートの裾を 歌姫 潮風になげて 夢も哀しみも欲望も 歌い流してくれ~
今回はここまで。この企画も、あと3回で終わる予定だ。ではまた次回~。
♪七回目のベルで 受話器を取った君~ 名前を言わなくても声ですぐ 分かってくれる~
というわけで、めでたく第20回を迎えたこの企画。BGMには宇多田ヒカルが流れている。

今回は横歩取りを調べてみる。△4五角戦法と相横歩取り戦法だ。この2つの戦法を、ソフトはどう考えるのか。
特に△4五角戦法の評価の悪さはどれほどか、知りたかった。では行ってみよう。
各10分ずつ。候補手は3つで調べたが、ここに載せたのは2つ。

図1 基本図 ▲3四飛まで


図1のように、相居飛車で角道を開け合い、先手が3四の横歩を取る形を横歩取りと言う。
ここから色々な戦い方がある。その中で奇襲とされている代表格が△4五角戦法というもの。
図1から△8八角成▲同銀△2八歩▲同銀△4五角と進んだのが図2。

図2 △4五角まで


なお、激指15で検討モードを定跡有りにすると、前例が出る。△4五角の局面はプロ間で15局。最近10年で2局と出た。

<激指15> 定跡の利用なし
+84 ▲2四飛 (図2での先手の最善手)
+5 ▲7七角 (図2での先手の次善手) 以下、他のソフトも同様。

<やねうら王>
+605 ▲2四飛
+222 ▲7七角

<水匠3改> 定跡の利用なし
+590 ▲2四飛
+81 ▲3五飛


では、次に相横歩取り。図1の基本図から、△8八角成▲同銀△7六飛と進む戦い方を相横歩取りと言う。

図3 相横歩取り △7六飛まで


激指15によると、図3の局面はプロ間で161局前例があり、最近10年で34局指されていると出る。

<激指15> 定跡の利用なし
+202 ▲7七桂 (図3での先手の最善手)
+193 ▲7七銀 (図3での先手の次善手) 以下、他のソフトの場合も同様。

<やねうら王>
+416 ▲7七銀
+330 ▲7七桂

<水匠3改>
+318 ▲7七銀
+252 ▲7七桂


さて、おまけとして、もう1つ調べてみた。それは青野流という、近年、幅を利かせている戦法だ。(青野流は2018年に升田幸三賞を受賞している)
これが優秀なため、横歩取りの後手を持ちたがらない人が増えたという話をよく聞く。
その結果、相掛かりや雁木が増えたらしい。青野流の評価値はいかほどか。調べてみた。

図1の基本図から、△3三角▲5八玉△2二銀▲3六歩△8二飛▲3七桂と進んだのが図4。
先手は飛車を引かず、右桂を跳ねていく。これが青野流という指し方だ。

図4 青野流 ▲3七桂まで


激指15は図4はプロ間で17局前例があり、最近10年で13局ありと出る。
少ないように思うが、激指15が発売されたのが2019年。うーん、17局しか前例がない?よく分からない。

<激指15>
+78 △4二玉
+154 △8八角成

<やねうら王>
+311 △4二玉
+355 △8八角成

<水匠3改>
+204 △4二玉
+242 △8八角成

~今回のまとめ~
まず△4五角戦法の評価だが、激指はたった+84と出した。しかし、やねうら王がなんと+605。序盤の作戦選びの時点で、もう600を超えるとは・・・。そして水匠も、なんと+590という評価。冷静な水匠先生がこんな数字を出すとは。
やはり△4五角戦法は奇襲なのだ。ちなみにこの戦法は、後手が攻め切るか先手が受け切るかという戦いになる。

次に相横歩取りだが、これも後手にとって厳しい評価が出された。やねうら王が+416。水匠が+318。
詰みまで研究されているが、まだ結論が出されてない無茶苦茶に難解な戦いなのだ。しかしソフトは作戦選びの時点で差があるとしている。

最後に青野流。やねうら王が+311。水匠が+204。先手に不満なしの数値だ。
なお、私に横歩取りのことを訊かれても、何も分からない(^^; 空中戦がとにかく苦手で、指していても観ていても、ちんぷんかんぷん。私は横歩の取れない居飛車党なのだ。もう、しょうがないよね。

♪It's Automatic 抱きしめられると 君とparadiseにいるみたい~
というわけで、今回はこれで終わり。また次のテーマで会いましょう~。
♪懐かしい匂いがした スミレの花時計~ 恋愛中ってもっと 楽しいと思ってた~
というわけで、第19回。BGMには大黒摩季が流れている。

今回は、前回の続き。5手爆弾から派生した奇襲を2つ紹介。先手番の奇襲。
まずは源内(げんない)流から。この奇襲は軽いハメ手。「新版奇襲大全」(1999年初版)という本に載っている。
「天理市の源内光範さん愛用のもの」とのこと。

初手から▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩▲2四歩△同歩で図1。

図1 △2四同歩まで


この図1から、▲7八金と上がるのが源内流。そして後手がすぐ△8六歩と突いて来れば、ハマり。図1以下、▲7八金△8六歩▲同歩△同飛▲2三歩で図2へ。

図2 ▲2三歩まで


図2以降は、△8七歩▲2二歩成△同銀▲7五角△8二飛▲5三角成(図3)と進むのが一例。

図3 ▲5三角成まで


新版奇襲大全には、こう書かれている。「役者なみの演技が必要」「この戦法を実行するには、少々口三味線を弾く必要がある。」「図1の局面で定跡に気づいたふりをして、『あっ、いけない。これ(△2四歩)を取ったらイカンのや』とつぶやく。」「そして2四歩に掛けていた手をひっこめ、残念そうに▲7八金と上がる。」「この演技力いかんで成否が決まるので要注意だ。」

要するに、7手目▲7八金のあと、後手に8手目△8六歩と突いてもらわなければ、全く成立しない奇襲なのだ(^^;
図2になってしまえば、先手が+450ほどリードと水匠の見解。・・・でも、こううまく行くとは思えない(^^;
それにしても奇襲大全の書き方は面白い(笑)


さて、次も5手爆弾から派生した奇襲だが、今度は本格的。
図1から、▲7八金と上がる。それが図4。ここまでは源内流と同じ。

図4 ▲7八金まで


図4から、後手のある一手を待つ。もし図4から△3二金と上がられたら、もう奇襲はあきらめて、普通に▲2四飛と歩を取って通常の相掛かりになる。
図4から△8四飛と浮き飛車にするのが、2四の歩を守って考えられる手だ。
そして、この手を先手は待っていたのだ。それが図5。

図5 △8四飛まで


「イメージと読みの将棋観1」(2008年初版)で、5手爆弾のテーマで、羽生がこう語っている。
羽生「もし自分の実戦でうっかり(5手目)▲2四歩と突いちゃったら、▲7八金(図4)と上がりますよ。そのあと△8四飛から△3二金~△2三金という調子で一歩得を主張されて悪いとは思うけど、▲2四歩△同歩▲同飛といくよりはいいでしょう。▲2四歩△同歩▲7八金の反省手順も30%くらいの勝率かなあ。やっぱり一歩損は大きすぎる。」

羽生がこう語るくらいなので、△8四飛は人間には魅力的に映るのだ。なにせ、一歩タダ取りだから。
ところが、ソフトたちはそう思っていないのだ。前回調べたが、5手目▲2四歩に6手目△同歩の局面では、先手はほぼ初期配置のリードを保ったままである。これはどういうことなのか。

つまり、△8四飛をソフトはあまり良い手と考えていないのだ。△8四飛でなく△3二金をススメている。

△8四飛以下、どういう風になるのか、先手の狙いは何か。一例を示す。変化は色々あるので、あくまで一例。

図6 △8四飛からの一例


KI2形式でも初手から貼っておく。
▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲2四歩 △同 歩
▲7八金 △8四飛 ▲7六歩 △3二銀 ▲6六角 △7四飛
▲6八銀 △7六飛 ▲7七銀 △7四飛 ▲4八銀 △2三銀
▲5六歩 △3二金 ▲5七銀 △4二玉 ▲4六銀 △3四歩
▲5七角 △7二銀 ▲6九玉
まで27手で中断

まず、先手は▲7六歩~▲6六角で、後手の△8四飛に当たりをかけていく。後手は2筋を△3二銀~△2三銀と守るくらいだろう。(羽生は△3二金~△2三金を推していたが、銀が普通の感覚と思う)
後手は△7四飛~△7六飛と、もう一歩を取りに来るだろうが、先手はもう一歩もあげてしまう。
先手が持ち歩ゼロ歩vs後手の2歩得だから、後手が形勢いいだろうと一見、思われるが、実は互角。(図6は、水匠3改で10分計測で+127) むしろ先手のほうが方針が分かりやすい。先手は▲5七角と引き、右銀と飛車で協力して2四の地点を狙っていく。そして玉も囲いやすい。
後手は飛車が中途半端で、玉が囲いにくい。△2三銀の形がいまいちなのだ。そして歩が伸びていないので、持ち歩の使い道がない。先手は3筋でいずれ歩は手に入る恰好だ。
水匠によれば、図6の局面は互角だが、先手も面白く戦えると思う。(棋譜の途中、先手は▲2二角成~▲8三角の筋があるが、▲5七角を実現したいために、あえて見送っている)

この5手爆弾のスタートからの7手目▲7八金は、プロも採用している。2018年11月19日の▲千田vs△船江で、千田プロが採用している。
その時は船江は誘いに乗らず、8手目△3二金と自重し、通常の相掛かりに戻った。

この5手爆弾から△8四飛を誘って、それを先手がとがめに行くという作戦を、私は勝手に「△8四飛を狙い撃ち作戦」と名付けた。
この奇襲は、破壊力はない。しかし、ノーリスクで指せるところに、すごさがある。
5手爆弾からの7手目▲7八金を、後手はとがめることはできないのだ。後手が△8四飛にしてくれればこの作戦が発動できるし、△3二金なら通常の相掛かりに戻るだけ。ノーリスクで奇襲が指せる。こんな奇襲は他にめったにないだろう。
ネットの「将棋Wikibooks」というページに、少しだけ紹介されているこの作戦。あまり知られてないし、面白いと思ったので今回、取り上げた。

♪ら・ら・ら~ 今日も明日もあなたに 逢いたい~ 
ではまた次回、お会いしましょう。
♪感じてみろ! 叫んでみろ! 全て脱ぎ捨てろ~!
というわけで、第18回。BGMにはX JAPANが流れている。

今回は、相掛かりの5手爆弾をソフトで調べてみる。
初手から▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩▲2四歩と、一直線に進む変化だ。(図1)

例によって、「イメージと読みの将棋観1」(2008年)にも5手爆弾に対する6棋士による見解が載っている。
羽生「定跡通りの手順で馬を作られたら、先手勝率30%いかないでしょう」
佐藤康光「先手が35%くらい勝ってもおかしくない。それなりに難しいところもありそう」
森内「基本定跡で先手不利。先手勝率は30%くらい」
谷川「先手勝率のイメージは40%くらい」
渡辺明「先手勝率30%」
藤井猛「先手勝率のイメージは30%以下」

実はこのテーマは2013年にも、私は調べている。
それが以下。詳しく知りたい人は参考にしてほしい。
相掛かり5手目▲2四歩、通称「5手爆弾」を激指定跡道場3で研究
http://mune1232007.blog121.fc2.com/blog-date-201305.html

さらに、最新のプロの見解(2020年)として、村中プロのYouTubeの講座もチェック。
【5手目▲2四歩はNG⁈】素朴な疑問を解明します!で検索。この村中講座は、たぶんソフトを使って研究したと思われ、安心で、分かりやすい。さすがプロの仕事だ。
https://www.youtube.com/watch?v=lg3qCtFvVNo

図1 5手爆弾 ▲2四歩まで


各10分ずつ、3つのソフトで調べてみた。候補手は3つで調べたが、ここに載せたのは2つ。
なお、激指にこの▲2四歩は定跡に登録されてなかった。

<激指15>
+28 △2四同歩 (ソフトが示した6手目の最善手)
+252 △8六歩 (ソフトが示した6手目の次善手) 以下、他のソフトも同様。

<やねうら王>
+44 △2四同歩
+421 △8六歩

<水匠3改>
+50 △2四同歩
+386 △8六歩

上記で分かるとうり、5手目▲2四歩では、まだ先手が悪くなっていない。次の手は当然の△2四同歩。問題はその次7手目▲2四同飛にある。(▲2四同飛でなく▲7八金としていれば、ソフト的にはまだ差がつかず互角ということだ。)

さて、図1から△2四同歩▲同飛△8六歩▲同歩△8七歩▲2三歩△8八歩成▲同銀△3五角▲2八飛△5七角成▲2二歩成と進んだのが図2。

長いのでKI2形式で初手から貼っておく。
▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲2四歩 △同 歩
▲同 飛 △8六歩 ▲同 歩 △8七歩 ▲2三歩 △8八歩成
▲同 銀 △3五角 ▲2八飛 △5七角成 ▲2二歩成
まで17手で中断

図2 ▲2二歩成まで


ここはいつも問題になるところ。△2二同銀か、△2二同飛か?
ソフトに考えさせてみた。各10分ずつ。候補手3つで調べて、今回は3つ載せることにした。

<激指15>
-321 △2二同飛
-145 △2七歩
-62 △2二同銀

<やねうら王>
-525 △2二同飛
-228 △2二同銀
-2 △2七歩

<水匠3改>
-324 △2二同飛
-132 △2二同銀
-60 △2七歩

3つのソフトは△2二同飛が良いと言っている。△2二同銀だと、▲8五角などと6三の地点を狙う角打ちが受けづらく、紛れるもとであるのだ。▲8五角に△6二飛の受けは▲5二歩(妙手)で、もう先手優勢になってしまう。

さて、△2二同飛に、先手が飛車交換すると、後手が馬を作っている分だけ後手が良くなる。
▲2二同飛成△同銀▲5五飛の筋には△6七馬が桂取りで後手が良い。このあたりは村中講座を見て欲しい。
飛車交換がダメとすると、先手は▲2三歩と打つことになる。
図2から△2二同飛▲2三歩△1二飛と進んだのが図3。従来、ずっとこの5手爆弾の定跡は、この△1二飛というのが信じられてきた。でも、実は△1二飛じゃなくて△8二飛のほうが良いんじゃないか、というのが私が2013年に研究したこと。(と言っても、ソフトが示しただけだが)

次の図3では、△1二飛の局面について調べてみよう。従来の定跡手で、長くこれで後手良しと言われてきたが、これだとどれだけの差があるのか。各10分ずつ。 

図3 従来の定跡手△1二飛まで


<激指15>
-75 ▲7八金 (図3からの先手の最善手)
-98 ▲6八金 (図3からの先手の次善手) 以下、他のソフトも同様。

<やねうら王>
-110 ▲7八金
-113 ▲6八金

<水匠3改>
-1 ▲7八金
-1 ▲6八金

なお、△1二飛というのは、次の▲2二角の打ち込みに備えた手で、1一の香をあらかじめ守っているという意味なのだ。
△1二飛に強引に▲2二角なら、△2四歩で受けきってハッキリ後手が良い。
しかし、3つのソフトが示したように、△1二飛に▲7八金などと待たれてみると、先手の無理攻めだったはずが、もうすっかり互角になってしまっている。水匠は-1で、全く互角と判断している。図2で得ていた後手のリードはどこへやら。これじゃ、奇襲退治としては失敗だ。
「イメージと読みの将棋観1」でのプロたちの「先手勝率30%発言」は何だったのか。(森内と佐藤康光と藤井猛が△1二飛までで後手良しと言っている)
なお、村中プロの講座では、△1二飛でなく△8二飛で進められている。ソフトのおススメも△8二飛と戻る一手なのだ。以下、変化は多岐に渡るが、△8二飛なら後手の飛車は活躍が見込めるのだ。

~今回のまとめ~
従来の定跡、△1二飛は間違いだ。ソフトが正しければ、そういうことだ。そして、私はソフトが正しいと思う(笑)
ともあれ、この5手爆弾は定跡として長ったらしく、難解で、初心者には全くおススメできない。
村中講座にあるように、相掛かりを初心者に教えるときは、初手から▲2六歩△8四歩▲2五歩△3二金、この手順を教えるのがいいと思う。
将棋は「5手爆弾をとがめきれたらアマ三段」。そう言っていいくらい、この定跡は難しい。
今回は、あえて色々な変化には触れなかった。興味ある人は自分で調べて欲しい。強いフリーソフトもあるのだから。

♪感じてみろ! 叫んでみろ! 心燃やせ~!
というわけで、今回はこれで終わり。また次のテーマで会いましょう~。
♪この雨にやられて エンジンいかれちまった オイラのポンコツ とうとう つぶれちまった
というわけで、第17回。BGMにRCサクセションが流れている。 
今回は、鬼殺しと新鬼殺しを取り上げる。

鬼殺しは、初手から▲7六歩△3四歩▲7七桂。図1。

図1 鬼殺し ▲7七桂まで



例によって、3つのソフトに各10分、考えさせた。候補手は3つで調べたが、ここに載せたのは2つ。

<激指15> 定跡の利用なし (▲7七桂は定跡には登録されていない)
-290 △6二銀 (4手目の最善手)
-227 △7二飛 (4手目の次善手) 以下、他のソフトの場合も同様。

<やねうら王>
-641 △6二銀
-533 △7二飛

<水匠3改>
-385 △4二玉
-375 △7二飛


次は新鬼殺し。初手から▲7六歩△8四歩▲7五歩△8五歩▲7七角△3四歩▲7八飛△7七角成▲同桂と進んだのが図2。
この図2に進めるのが新鬼殺しの狙い。

長いのでKI2形式でも貼っておく。
▲7六歩 △8四歩 ▲7五歩 △8五歩 ▲7七角 △3四歩
▲7八飛 △7七角成 ▲同 桂
まで9手で中断

図2 新鬼殺し ▲7七同桂まで



図2の評価値はどうなのか。新鬼殺しは成立してるのか。

<激指15>
-271 △4二玉
-223 △3三角

<やねうら王>
-543 △4二玉
-497 △6二銀

<水匠3改>
-313 △4二玉
-294 △6二銀

~今回のまとめ~
鬼殺しの3ソフトの4手目の最善手の平均値は、-428だった。やはり、だいぶ悪いようだ。
対策としては、飛車先を伸ばさずじっくり指すのがいいとソフト達は言っている。
なお、「イメージと読みの将棋観1」にも鬼殺しが取り上げられている。ただし、鬼殺し側が後手。
初手から▲7六歩△3四歩▲2六歩△3三桂がテーマ図。
そこでは6棋士とも、痛烈に鬼殺しを否定している。楽勝できるという棋士も多い。羽生は笑い出してしまっている。
だが!2015年のニコ動「電王戦FINALへの道♯52と♯53」で、▲Selene対△永瀬で、Seleneの鬼殺しが永瀬に炸裂している。プロも鬼殺しに負けるのだ。

新鬼殺しのほうだが、▲7七同桂の局面での最善手の平均値は、-375。こちらも苦しい。
ちなみに、後手の対策として6手目に△3四歩と突かずに、△3一角からの引き角にして△4二銀~△5三銀~△6四銀で、伸びた▲7五歩を取りに行くというのも、有力な対策だ。

♪こんな夜にお前に乗れないなんて こんな夜に発車できないなんて
また次のテーマで会いましょう。
日が昇った~!霊峰富士の天辺に日が昇った~!富士の国に日が昇った~!歌え~!(長渕剛・10万人オールナイト・ライヴ 2015 in 富士山麓)

というわけで、第16回。今回は、阪田流向かい飛車を取り上げる。(今、BGMで長渕が流れている)

阪田流向かい飛車とは、主に後手番で指される戦法である。初手から▲7六歩△3四歩▲2六歩△3二金▲2五歩△3三角▲同角成△同金▲6八玉△2二飛と進む。それが図1。

長いので、KI2形式形式でも貼っておく。
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △3二金 ▲2五歩 △3三角
▲同角成 △同 金 ▲6八玉 △2二飛
まで10手で中断

図1 阪田流向かい飛車 △2二飛まで



この戦法の評価値は、どのくらいなのか。調べてみた。いつものように、3つのソフトで10分ずつ。候補手は3つで考えさせたが、ここに載せたのは2つ。

<激指15> 定跡の利用なし
+146 ▲9六歩 (△2二飛に対する先手の最善手)
+133 ▲8八銀 (△2二飛に対する先手の次善手) 以下、他のソフトの場合も同様。

<やねうら王>
+222 ▲3八銀
+211 ▲7八玉

<水匠3改>
+195 ▲4八銀
+175 ▲3八銀

激指15(2019年発売)によると、図1の△2二飛までの局面は最近10年で11局あると出る。


さて、次に、マンガ「リボーンの棋士」で、主人公の安住が、この戦法で新手を開発するシーンがある。
局面も分かっている。2巻の第15回の最終ページに局面が出ている。△4四角という手だ。
それが以下の図2。

図2 阪田流向かい飛車・安住の新手△4四角まで



今、後手が△4四角とした局面。
この局面まで、手数が合うか、一応、私が調べたが、ちゃんと合っている。
この図2の△4四角を採用した後手のロートル棋士が、若手有望の棋士に勝つ、という設定になっている。
負けた若手棋士が「こんな工夫があるなんて、これで阪田流が復活するかもしれませんね」と感心する。
将棋界のちょっとした話題にもなる、というストーリーで、重要な局面なのだ。
果たして、この△4四角に、ソフトはどう評価を下すのか。完全に個人的興味で調べた。
もし阪田流が互角以上に戦えるなら、それこそすごい発見なのだが・・・?

<激指15>
+139 ▲7七銀 (△4四角に対する先手の最善手) 
+121 ▲7七桂 (△4四角に対する先手の次善手) 以下、他のソフトも同様。

<やねうら王>
+403 ▲7七桂
+415 ▲7七銀 (次善手のほうが点が高いが、こういうことはよくある現象)

<水匠3改>
+340 ▲7七桂
+278 ▲7七角 

なお、△4四角を打つ前の局面を検討させてみたことろ、水匠3改は+238と出した。(10分計測)

~今回のまとめ~
まず図1。3つのソフトの最善手の平均値は+187。うーん、やはりちょっと先手側に振れた。でもまあ互角で勝敗的にはまったくこれからなんだけどもね。私の想定内の結果だった。

そして図2。3つのソフトの最善手の平均値は+294。結論として、△4四角は大した手ではない、と3つのソフトは言っている。
やねうら王は辛口で、400以上先手が良いと言っている。水匠も+340という数字をつけた。
水匠先生は△4四角以降は、先手は▲7七桂と跳ね、△2四歩▲同歩△同金に、▲3七桂~▲3八金と、がっちり受けて先手不満なし、と言っている。
安住流、不発でした(^^;
でもリボーンの棋士は名作だし、もう完結してるから続きを待たなくていいし、ぜひおススメのマンガだ。

ちなみに水匠先生は、図2で△4四角を打たない後手の駒組みとして、△4四歩~△4三銀~△5四銀~△4三金と出していた。ふーむ、金より銀を前線に出す筋を読んでいる。

あと一週間くらいで、このシリーズは終わると思う。ではまた次のテーマで会おう。
♪明日へ向かって~ ずっとこのまま 突っ走って行けばいい~
第15回。♪ド・ド・ドリフの大爆笑~ 5人はますます元気です 今日のテーマは何だろな?力いっぱいぶつかるぞ!
てなわけで、今回のテーマは4手目△3三角戦法を紹介。

初手から▲7六歩△3四歩▲2六歩△3三角となり、図へ。
例によって、この戦法は「イメージと読みの将棋観1」のテーマ図ともなっている。
「その本ばっかりじゃねーか」という声も聞こえてくるが、たまたま私の興味と重なるのでしょうがない(^^;

図 4手目△3三角まで


6人の棋士たちの意見を聞いてみよう。
羽生「▲3三同角成△同桂▲6八玉とします。△3三桂が好形ではない」
佐藤康光「後手も5割近く戦える」
森内「先手勝率53%。初期値と同じです」
谷川「一局の将棋。有力な作戦」
渡辺明「これは一局。先手勝率53%。後手は四間飛車にして結構指せる」
藤井猛「この局面はプロの実戦である程度調べがついている。後手は作戦の幅が狭くあまり自由度がない」

では、ソフトの見解はどうか。
各10分ずつ考えさせた。候補手は3つで調べたが、ここに載せたのは2つ。

<激指15> 定跡有り
±0 定跡手 ▲4八銀 最近10年で45局前例あり
±0 定跡手 ▲同角成  最近10年で316局前例あり

<激指15> 定跡なし
+161 ▲同角成 (5手目の先手の最善手)
+52 ▲4八銀 (5手目の先手の次善手) 以下、他のソフトの場合も同様。

<やねうら王>
+185 ▲同角成
+52 ▲4八銀

<水匠3改> 定跡の利用にチェックあり
+171 ▲同角成
+31 ▲7八金

<水匠3改> 定跡の利用なし
+161 ▲同角成
+46 ▲4六歩 (この手は意味不明(^^;)

~今回のまとめ~
定跡なしで最善手の平均値を出すと、+169だった。初期配置の平均値が+52ということを考えれば、後手があまり面白くない作戦と言える。ただ、人間どうしでは力戦になり一局だろう。
6人のプロ棋士も羽生と藤井猛以外の4人は「これも一局」と言っている。
4手目△3三角は、「平成12年(2000年)ごろ現れた新手」と、「イメージと読みの将棋観1」に書いてある。
この戦法で一番有名な棋譜は、清水vsあから2010だろう。あからが後手でこれを採用し、清水は角交換から居飛穴へ。あからが清水をボコボコにした一局だ。
この戦法は、後手は結局、振り飛車になるので、振り飛車党向けなんだろう。有力な戦法だと私は思う。
第14回。一日くらい休もうかと考えたが、また書く(笑)
豆腐の角(かど)に、頭をぶつけて死んでしまえ!とよく言うが、今回は角頭歩(かくとうふ)を取り上げる。

後手番の奇襲である。指し手は単純で、初手から▲7六歩△3四歩▲2六歩△2四歩。(図1)
この局面をどう見るか。「イメージと読みの将棋観1」でテーマとして取り上げられている。

図1 角頭歩 △2四歩まで



図1を6人の棋士たちはどう考えたか。
羽生「そんな簡単じゃない。相当考えないと、どれを指すか決められない」
佐藤康光「長考します」
森内「先手勝率57~60%。▲6八玉が無難」
谷川「▲2五歩は先手が悪くなる可能性もある」
渡辺明「先手勝率75%」
藤井猛「▲2五歩と突いても先手必勝とまではいえないから、実戦では▲6八玉」

ではソフトはどう考えたか。いつものように各10分ずつ、考えさせた。候補手は3つで調べたが、ここに載せたのは2つ。

<激指15> 定跡有り
±0 定跡手 ▲6八玉  (5手目の先手の最善手)
±0 定跡手 ▲7八金  (5手目の先手の次善手) 以下、他のソフトの場合も同様。

<激指15> 定跡なし
+180 ▲7八金
+179 ▲6八玉

<やねうら王>
+367 ▲3八銀
+363 ▲6八玉

<水匠3改> 定跡の利用にチェックあり
+320 ▲6八玉
+301 ▲3八銀

<水匠3改> 定跡の利用なし
+288 ▲3八銀
+236 ▲6八玉


さて、次は、先手が誘いに乗って、▲2五歩と突いた場合を調べてみた。
図1から▲2五歩△同歩▲同飛△8八角成▲同銀△3三桂。(図2)

KI2形式で書くと、以下のようになる。
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △2四歩 ▲2五歩 △同 歩
▲同 飛 △8八角成 ▲同 銀 △3三桂
まで10手で中断

図2 先手が誘いに乗って△3三桂まで



図2をソフトはどう見ているのか。

<激指15> 
-17 ▲2三飛成
-82 ▲2一飛成

<やねうら王>
-1 ▲2三飛成
-118 ▲2四飛

<水匠3改>
-114 ▲2八飛
-125 ▲2三飛成

~今回のまとめ~
まず、図1。ソフト的には、おおむね、先手良しが確立している。激指の▲7八金って、意味が分からないが(^^;
いつも辛口のやねうら王が、今回も3ソフトの中で最大差の+367点をつけた。
定跡なしで最善手の場合の平均値を出すと+278。

問題は、図2だ。先手が誘いに乗って、▲2五歩とした変化。図2はけっこう驚きの評価値が出た。
なんと3つのソフトが全てマイナス評価。一番頼りになる水匠先生が-114。3つのソフトの最善手の場合の平均値は-44。
角頭歩においては、先手は▲2五歩と行くべきではないのだ。それがハッキリした結果となった。
「角頭歩の誘いに乗ったら、豆腐のカドで頭を打つ」 こんな格言ができた、今回の調査だった。

気になったのは、「イメージと読みの将棋観1」(2008年発行)では、図1は「平成(1989年)以降、一局も現れていない」と書かれている。
しかし激指15(2019年発売)では、最近10年でプロ間で15局前例がある、と検討モードに出る。2008年から2019年までに15局現れたということなのか。女流を含めたのか。私にはよく分からない。
第13回。元気ですかー!元気があれば何でもできる!(アントニオ猪木)
私はお疲れモード(笑) でも元気がなくても、ソフトに考えさせることはできるぜ!

というわけで、今回は一手損角換わりがテーマ。2パターン、調べる。
いちおう、一手損角換わりは奇襲の範囲ってことで大目に見よう。

まずはノーマル型。初手から▲7六歩△3四歩▲2六歩△3二金▲7八金△8四歩▲2五歩△8八角成▲同銀△2二銀。(図1)
ザーッと進めたが、難しくはない。この手順は西尾明プロの「よくわかる角換わり」に準拠している。

そして、次に調べるのが、丸山流という、丸山忠久プロがよくやる、4手目角交換。
初手から▲7六歩△3四歩▲2六歩△8八角成▲同銀。(図2)

一手損角換わりの評価値が、初期配置の評価値と、どれほど差があるのか。
そしてこのノーマル型と、丸山流の違いを知りたかったのだ。4手目角交換はダメなのか?
丸山流のメリットとして、のちに△3二玉という、いわゆる「ボナンザ囲い」という囲いに組む余地がある。
ノーマル型だと、△3二金ともう指してしまっているため、ボナンザ囲いにはしにくい。

なお、初期配置の評価値だが、以前調べたものを参考にした。5分間を2回ずつしか計ってないが、その平均値。
頼りないが、まあそれで今は勘弁してほしい。またいつか計るかもしれない。
激指15 +29.5
やねうら王 +66
水匠3改 +60.5
・・・以上から計算して、3ソフトでの平均値は+52という数字が出た。

いつものように、候補手は3つで調べたが、ここに載せたのは2つ。各10分ずつ考えさせた。

図1 ノーマル型 △2二銀まで



<激指15> 定跡の利用なし
+88 ▲9六歩 (ソフトが示した△2二銀の次の一手の最善手)
+38 ▲3八銀 (ソフトが示した△2二銀の次の一手の次善手) 以下、他のソフトも同様。

<やねうら王>
+151 ▲4八銀
+118 ▲1六歩

<水匠3改> 定跡の利用なし
+138 ▲4八銀
+123 ▲3六歩


図2 丸山流4手目角交換 ▲8八同銀まで



<激指15> 定跡の利用なし
+54 △2二銀
+54 △4二銀

<やねうら王>
+135 △3二金
+125 △4二銀

<水匠3改> 定跡の利用なし
+125 △4二銀
+121 △3二金 

~今回のまとめ~
激指15(2019年発売)によると、図1がプロ間で最近10年で696局。図2が最近10年で652局も指されているということだった。(検討モードで定跡有りにすると出る)。勝敗は残念ながら出ない。
3つのソフトの最善手の平均値は、ノーマル型が+125。丸山流が+104だった。ほとんど差はない、という結果だった。
でも、ほんのわずか21点差だが、丸山流が後手にとって優っている。(+が大きいほど先手有利なので)
もう10年以上前だが、私がまだ大阪に居たとき、街のリアル道場に行って指していた。そこで私が丸山流の4手目角交換をすると、相手の人が「そんな手は将棋にない」と言ってきたのだ。おいおい、丸山流を否定するんじゃないよ、と私は言いたかった。
今回、ソフトでも丸山流は否定されなかった。今回のテーマは、完全に私の個人的趣味だった(^^;

連日の投稿で、少々疲れてきたので、次の更新はいつか分からない。さすがに明日は休むかもしれん。
第12回。今回は、相掛かりの原始棒銀を取り上げてみる。ソフトの水匠3改を使って解説。
受け方の講座と言っていい内容となっている。

まず、初手から以下のように進む。
KI2形式で貼るとこうなる。後手は飛車を△8四飛と引くのがポイント。

▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7八金 △3二金
▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三歩 ▲2八飛 △8六歩
▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △8四飛 (図1)

図1 △8四飛まで


5手目▲2四歩の、通称「5手爆弾」はあるが、また別の問題なので、今は考えないことにする。

図1から、▲3八銀△6二銀▲2七銀△3四歩▲2六銀△3三角と進む。それが図2。先手が棒銀で行くことを意思表示した▲2七銀を見て、後手は△3四歩と突く。▲2六銀を見て、△3三角と上がっておく。

図2 △3三角まで


この図2が岐路。ここから、▲2五銀or▲3六歩~▲3五歩or▲7六歩が考えられるが、▲3六歩~▲3五歩と▲7六歩は、一局としか言いようがない。
ソフトの水匠も、図2から▲3六歩~▲3五歩と▲7六歩の場合は、全く互角と出ている。自力で勝つしかない。
なので、図2から▲2五銀を解説する。

▲2五銀には、△3五歩と突く。これが習いある手筋。後手の飛車の横利きで2筋は受かっているので、先手としては応援部隊を送るしかない。
必然的に▲7六歩と角道を開ける手になる。そこで後手も△2二銀と備えておく。それが図3。

図3 △2二銀まで


図3から、先手は強引に攻めて行ったら、どうなるのか。
図3以下、▲3三角成△同桂で、図4へ。

図4 △3三同銀まで


もう、これで受かっている。話が早い。もし先手が角交換して来ない場合は互角の一局だが、いつでも後手から△8八角成~△3三桂はある。
図4からは蛇足だが、先手は銀を▲1六銀と撤退するか、▲6六角とさらに強引に攻めていくくらいだろう。
▲1六銀では棒銀側の作戦負けは明らかなので(△3六歩が厳しい)、▲6六角の変化のほうを進めてみる。

図5 ▲6六角△5四飛▲2四歩まで


▲6六角以下、△5四飛▲2四歩と攻めて来る。(図5)
図5以下、△2五桂▲2三歩成に、△同銀が水匠のおススメ。△同銀で-500ほどになり後手有利。
△同金は意外に難しくなると水匠先生。

図5以下、△2五桂▲2三歩成△同銀に▲2五飛は△2二歩で受け切っている。 
△2三同銀に▲1一角成には△2四歩で後手が良い。後手には△5七飛成と、△3七桂成~△3六歩の楽しみが残っている。
先手は▲6八玉と受けるくらいだが、△6四角と打って先手の飛車のコビンを攻めるのがわかりやすい。それが図6。(水匠で-743)

図6 △6四角まで


初手からKI2形式でまとめると、こうなる。
▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7八金 △3二金
▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三歩 ▲2八飛 △8六歩
▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △8四飛 ▲3八銀 △6二銀
▲2七銀 △3四歩 ▲2六銀 △3三角 ▲2五銀 △3五歩
▲7六歩 △2二銀 ▲3三角成 △同 桂 ▲6六角 △5四飛
▲2四歩 △2五桂 ▲2三歩成 △同 銀 ▲1一角成 △2四歩
▲6八玉 △6四角
まで38手で中断


なお、1つ補足しておきたい。
▲2五銀と出たときに、△3五歩と突かれるから、棒銀が成功しないんだ。なら、△3五歩の前に▲3六歩と突いておけばいいんじゃないか?それから▲2五銀と出ればいい、と思う人もいるだろう。その場合の後手の対処法を書いておく。簡単だ。

図2からの変化図 ▲3六歩と突いてから▲2五銀


このように、△5五角と飛び出ることにより、あっさり棒銀を撃退できる。△5五角以下は▲1八飛△3三桂とすれば後手が良い。(△3三桂以下▲5六歩には、△6四角▲3四銀のときに△7五角が好手で、銀取りと△5七角成の両狙いで後手良し)

~今回のまとめ~
原始棒銀に対しては、たしかに受け方はある。しかし受け側は序盤から一手も油断は許されない。ミスできない。一手一手、慎重に指そう。
棒銀側が▲2五銀と出ずに、▲3六歩~▲3五歩や▲7六歩としてきた場合は、もう奇襲ではない。互角の勝負になる。
YouTubeの「女流棋士 山口恵梨子ちゃんねる」も参考になる。そこでは出だしで双方が飛車先の歩を交換しない形の解説をしている。
さて、第11回目を迎えた。最初は「全10回くらいの予定」、と言っていたこの企画だけど、まだネタがあり、もっと続けられそうだ。
今回は、前回の続きで、角換わり相腰掛銀の升田定跡と、一手損角換わり相腰掛銀の△8四歩型を調べてみることにした。
何か新しい発見はないかな?ということで、試してみたのだ。

でも、結論から言って、何も目新しいことはなかった。予想どおりの数値が出た。
では見て行ってみよう。

図1 升田定跡 △3三銀まで



図1のように、▲7九玉vs△3一玉の先後同型の形を、升田定跡と呼ぶ。升田幸三プロがここから▲4五歩と仕掛ける筋を研究したとのこと。この図1は、ちょっと前までプロでさかんに指されていて、互角とされている。この図1を、例によって3つのソフトに考えさせた。思考時間は各10分ずつ。候補手は3つにしたが、ここで取り上げるのは2つまでとした。

<激指15> (定跡の利用有り)
±0 定跡手 ▲4五歩 (図1からの先手の最善手)
±0 定跡手 ▲8八玉 (図1からの先手の次善手) 以下、他のソフトの場合も同様。

<激指15> (定跡の利用なし)
+68 ▲4五歩 
-36 ▲4七金 

<やねうら王>
+121 ▲4五歩
-82 ▲4七金

<水匠3改> (定跡の利用にチェックを入れた)
+205 ▲4五歩
-1 ▲4七金

<水匠3改> (定跡の利用なし)
+161 ▲4五歩
-1 ▲4七金


図2 一手損角換わり△8四歩型



図2は、後手が△7三桂と跳んだところまで。一手損角換わりなので、後手の飛車先の歩が△8四歩までしか伸びていない。
これが局面にどれほど影響を与えるのか。それを知りたかったので、ソフトに考えさせた。

<激指15>
+62 ▲8八玉
+64 ▲4七金 (次善手のほうが数値が高いが、ソフトではよくある現象)

<やねうら王>
+130 ▲8八玉
+16 ▲4七金

<水匠3改>
+78 ▲8八玉
-1 ▲4七金

~今回のまとめ~
升田定跡のほうの3つのソフトの最善手の平均値は、+116。一手損△8四歩型の平均値は、+90。なお、木村定跡の平均値は、+195。(いずれも定跡の利用なしの数値で計算)
升田定跡(図1)は、激指15によると、プロ間で329局前例があり、最近10年で151局指されていると出る。
それだけまだまだ難解で結論は出てないということだ。平均で+116で、そんなものだろう。
升田定跡を解説してくれよと言われても、超難解で私には絶対ムリ。プロが本を何冊も書けるだろう。
島プロの「角換わり腰掛銀研究」を御一読あれ。たぶん、将棋が嫌いになるから(笑)
一手損△8四歩型のほうも、平均で+90と、事前の予想の範囲内の点数だった。
どのソフトも▲8八玉と入城するのが先手の最善と出している。歩の位置が1つ違うだけで、全く別の世界が広がるのだ。

今回は、特に目新しい発見はなかった。正直、ハズレの回であった(笑)
こういうときもあるさ!そうそう面白い数値なんて出ない!次、行ってみよう! 
次回は相掛かりの原始棒銀を取り上げてみる予定。ニーズがありそうなんで。

追記・図1と図2は、「イメージと読みの将棋観2」(2010年初版)にテーマとして載っている。
そこで書かれている勝率は、図1が平成(1989年)以降、先手の160勝110敗(0.592)。図2が平成15年(2003年)に初めて指され、それ以降で先手の28勝15敗(0.651)。しかし平成20年(2008年)以降では後手が6勝4敗と勝ち越しとのこと。もちろん数字は2010年までの話。
第10回の今回は、角換わりの木村定跡という定跡を調べてみた。結論として、とても興味深い結果が得られた。
木村定跡は名前を聞いたことがある人も多いと思う。相腰掛銀の先後同型から、先手が仕掛けて、勝勢になるというもの。
この定跡は、先手良しの結論がはっきりしていると言われている。
今回、参考にした棋書は、西尾明プロ著の「よくわかる角換わり」。(2011年初版)
「羽生の頭脳7巻・角換わり最前線」(1993年初版)には木村定跡は全く載ってない。
塚田泰明プロ著の「角換わり初段の常識」(2018年初版)にも、木村定跡は全く載っていない。

木村定跡の図は、以下。

図1 木村定跡 △2二玉まで


西尾本の解説を、一番長い変化手順を初手からKI2形式で張ると、こうなる。

▲7六歩 △8四歩 ▲2六歩 △8五歩 ▲7七角 △3四歩
▲8八銀 △3二金 ▲7八金 △7七角成 ▲同 銀 △4二銀
▲3八銀 △7二銀 ▲4六歩 △6四歩 ▲4七銀 △6三銀
▲6八玉 △4一玉 ▲5六銀 △5二金 ▲5八金 △3一玉
▲3六歩 △5四銀 ▲1六歩 △1四歩 ▲9六歩 △9四歩
▲7九玉 △7四歩 ▲6六歩 △4四歩 ▲3七桂 △7三桂
▲2五歩 △3三銀 ▲8八玉 △2二玉 ▲4五歩 △同 歩
▲3五歩 △4四銀 ▲7五歩 △同 歩 ▲2四歩 △同 歩
▲同 飛 △2三歩 ▲2八飛 △6三角 ▲1五歩 △同 歩
▲1三歩 △同 香 ▲2五桂 △1四香 ▲3四歩 △2四歩
▲3三桂成 △同 桂 ▲2四飛 △2三金 ▲1一角 △3二玉
▲3三歩成 △同 銀 ▲4四桂 △同 銀 ▲2三飛成 △同 玉
▲4四角成 △4三金 ▲4五銀 △4四金 ▲同 銀 △3九飛
▲3五銀打 △3二玉 ▲4三歩
まで81手で中断


さて、西尾本には、こう書いてある。
「木村定跡とは故木村十四世名人が定跡化された手順で、図1の局面はまだ駒がぶつかっておらず戦いが始まる前ですが、すでに先手必勝と言われています。」
ウィキペディアには次のように書いてある。「先手勝利まで研究が終わっていることから、完成された定跡とも言われている。」

本当に、木村定跡の図1は、先手必勝なのだろうか。どれだけ差があるのだろうか。ソフトの出番だ。
いつものように、各ソフトに10分間ずつ、考えさせた。

<激指15> 定跡の利用有り 
最善手 +81 ▲2四歩 
定跡手 ±0 ▲4五歩 定跡に登録されているのに、先手良しになっていない。不思議だ。

<激指15> 定跡の利用なし
最善手 +81 ▲4五歩
次善手 +45 ▲2四歩  読みの深さはプロ+7。

<やねうら王>
+220 ▲4五歩 (やねうら王が示した最善手)
+130 ▲2四歩 (やねうら王が示した次善手) 以下、他のソフトの場合も同様。

<水匠3改> 定跡の利用にチェックを入れた
+304 ▲4五歩 
-1 ▲2四歩

<水匠3改> 定跡の利用はなし
+281 ▲4五歩
-91 ▲6八金

先手必勝の局面のわりには、やねうら王は、たった220点しか差をつけていない。どういうことなのか。
そこで、次に、一手進めた▲4五歩と仕掛けた局面を調べてみた。いちおう、図を貼っておく。

図2 ▲4五歩と仕掛けた局面 


たった一手進めただけだが、この局面が問題だということが判明した。
3つのソフトに調べさせてみる。

<激指15>
+192 △8六歩 (▲4五歩に対する後手の最善手)
+230 △同歩  (▲4五歩に対する後手の次善手) 以下、他のソフトの場合も同様。

<やねうら王>
+224 △6五歩 
+475 △4五同歩

<水匠3改>
+285 △6五歩
+495 △8一飛  

やねうら王と水匠が、△4五同歩でなく△6五歩の攻め合いを後手の最善と読んでいる。激指も△8六歩と突き捨てたあと△6五歩を読んでいる。3つのソフトがそろって攻め合いが後手の最善と読んでいるのだ。
そして、点差を大きくつけたがる、やねうら王が、たった224点しか先手にプラスになっていない。こんなんで、本当に先手必勝と言えるのだろうか。
西尾本には、▲4五歩に△6五歩の攻め合いは、全く解説されていない。


さらに、別の問題がある。西尾本の変化手順で、▲4五歩の仕掛けを△同歩以下、次のものがある。
冒頭の棋譜では後手の桂頭を攻める▲7四歩の狙いを後手が△6三角で受けた(52手目)が、△6三金で受けた場合の変化。

初手からKI2形式で張ると、以下のようになる。
▲7六歩 △8四歩 ▲2六歩 △8五歩 ▲7七角 △3四歩
▲8八銀 △3二金 ▲7八金 △7七角成 ▲同 銀 △4二銀
▲3八銀 △7二銀 ▲4六歩 △6四歩 ▲4七銀 △6三銀
▲6八玉 △4一玉 ▲5六銀 △5二金 ▲5八金 △3一玉
▲3六歩 △5四銀 ▲1六歩 △1四歩 ▲9六歩 △9四歩
▲7九玉 △7四歩 ▲6六歩 △4四歩 ▲3七桂 △7三桂
▲2五歩 △3三銀 ▲8八玉 △2二玉 ▲4五歩 △同 歩
▲3五歩 △4四銀 ▲7五歩 △同 歩 ▲2四歩 △同 歩
▲同 飛 △2三歩 ▲2八飛 △6三金 ▲1五歩 △同 歩
▲7四歩 △同 金 ▲4一角 △8四金 ▲4五銀 △同銀右
▲同 桂 △同 銀 ▲4三銀 △3一銀 ▲3二銀成 △同 銀
▲6三角成
まで67手で中断

最終図は、こうなっている。
図3 ▲6三角成まで


西尾本では、「最終手▲6三角成が銀桂の両取りとなっており、この変化も先手良しとなっております」
これで西尾の解説は終わっている。
でもソフト的にはどうなのか?この図3の局面を、ソフトに考えさせてみた。

<激指15>
+108 △7六歩
+135 △3七角

<やねうら王>
+197 △3七角
+571 △7六歩

<水匠3改>
+317 △3七角
+440 △7六歩

なんと、驚くべきことに、まだまだ難しいというソフトの判断。
あの辛口で差をつけたがる、やねうら王が、たったの197点差。こんなんで本当に、先手が勝ち切れるのか。

~今回のまとめ~
ソフトで検討させた今回の結果は、すごく興味深いものだった。
「木村定跡は、先手の必勝」という認識は、本当に正しいのか。かなり疑問があるということが分かった。
図1から、▲4五歩には△6五歩の反撃がある。それも難解。
▲4五歩に△同歩と取ってくれたとしても、図3に進み微差しか良くならない。
やねうら王や水匠3改と戦って、図1から確実に勝てるプロが何人いるのだろう。
ぜひ、木村定跡で先手プロvs後手ソフトで、戦ってみてもらいたいものだ。私は後手のソフトが勝つと思ってしまう(^^;
第9回。今回は、特別編として、私と友人の実戦から生み出した、新戦法を御覧いただきたい。
名付けて「筋違い角・V作戦」。使える戦法と、ソフトのお墨付き!

まず初手から▲7六歩△8四歩▲2六歩△8五歩▲7七角△3四歩▲8八銀と、角換わり模様に進む。(図1)
ここまでは、後手が角換わりを目指すなら、充分ありうる定跡手順。
図1


ここで△7七角成としてくれば、先手はV作戦の発動だ。なお、V作戦とは、アニメのガンダムに出てくる作戦名だ。
△7七角成でなく△3二金の場合は、後手が一手得になり、V作戦がやりにくい。
図1から△7七角成▲同銀△2二銀▲4五角と打って、V作戦の開始。(図2)

図2


図2以下、△6二銀▲3四角△3二金▲5六角と進み、図3へ。この▲5六角が、右斜めと左斜めの前方に利いていることから、V作戦という名前をつけた。

図3


図3以下、後手は壁銀を直す△3三銀。そこで▲8八飛と振る。それが図4。

図4


図4以下、スキありとみて後手が△2七角としたが、これは悪手。▲8六歩△同歩▲8三歩と進めて、V作戦の成功。図5へ。

図5


図5以下、△9二飛▲8六飛△7二金▲8八歩成△同飛▲8四歩として、図6へ。

図6


図6は先手有利。(やねうら王で+650ほど) V作戦、大成功だ。図6以下も、△7四歩からまだ手は長いのだが、省略させてもらう。

~V作戦マニュアル~
角換わりの出だしから、▲4五角と筋違い角を打ち、▲5六角~▲8八飛で8筋逆襲から▲8三歩を狙う。単純な作戦だ。
しかし、後手としては序盤早々、まだ思考が始まっていないうちに戦いを起こされ、「いったいいつの間に悪くなったんだ」という現象が起きる。途中、後手の△2七角がはっきり悪手。
このV作戦への対策は、△7七角成の前に△3二金と上がること。(先手から角交換させれば、後手の一手得)
そして△6二銀ではなく△7二銀と上がる。(8三の地点に利かせておく) △2七角と打ち込むときはよく考える。この3点セットだ。
最後にシャアから一言。「勝利の栄光を、君に!」

KI2形式でもまとめておく。
▲7六歩 △8四歩 ▲2六歩 △8五歩 ▲7七角 △3四歩
▲8八銀 △7七角成 ▲同 銀 △2二銀 ▲4五角 △6二銀
▲3四角 △3二金 ▲5六角 △3三銀 ▲8八飛 △2七角
▲8六歩 △同 歩 ▲8三歩 △9二飛 ▲8六飛 △7二金
▲8二歩成 △同 飛 ▲8四歩
まで27手で中断
第8回は、筋違い角の対策について。
「イメージと読みの将棋観1」(2008年初版)に、テーマとして筋違い角がモロに載っている。そこから紹介したい。

質問・先手の筋違い角(5手目▲4五角まで)の勝率は?
羽生・森内「50%弱」
谷川「45%。やってこられたら、かなりありがたい」
渡辺明「30%」
佐藤康光「20~25%」
藤井猛「1割。後手の楽勝」

その藤井猛が推薦する後手の駒組みが、下図。(△4五歩まで)
藤井「図から自在に指す。後手は振り飛車にする可能性もある」



この図をソフトはどう評価するか。各10分ずつ考えさせた。

<激指15>
-207 ▲1六歩 (図からの先手の最善手)
-207 ▲4八玉 (図からの先手の次善手) 以下、他のソフトも同様。

<やねうら王>
-387 ▲4八玉
-420 ▲7五歩

<水匠3改>
-256 ▲4八玉
-275 ▲2八銀

~今回のまとめ~
3ソフトの最善手の平均値は、-283だった。前回、▲4五角と打った局面での平均値は-249だったので、後手としては順調に差を広げているということになる。この藤井猛が薦める駒組みは、非常に参考になる。
・・・のだが、問題点もある。筋違い角側が、振り飛車にしたら、受けて立つ後手はこの駒組みでいいだろう。
しかし、筋違い角側が居飛車で来たら、後手はどうするのか。全く不明だ。私の考えでは、筋違い角側は3四の歩を取っていて、角は2~3筋方面に利いているのだから、先手は居飛車にして右側を攻撃するのが理にかなっていると思う。正直、筋違い角側が振り飛車にする意味が分からない。

そして、筋違い角の後手バージョン(△6五角)の場合は、受けて立つ側はどうすればいいのか。
受けて立つ先手としては▲2六歩が突いてあるが、この藤井猛流の駒組みでいいのか。▲2六歩を突いているのに、そこから先手が振り飛車にしたら、▲2六歩の意味は全くなくなる。というわけで、後手の筋違い角も、有力ではないのか。
私は先手でも後手でも筋違い角は有力な戦法だと思っている。

「イメージと読みの将棋観1」でのデータによると、昭和57年~平成20年までプロで94局指され、先手の36勝57敗だそうだ。
そのうち、圧倒的に武市三郎が多く採用していて、武市は32勝42敗という成績を残している。(勝率0.432)
プロでは、持ち時間が長い。なおかつ事前に相手が誰だか分かっている。武市と戦ったプロたちは、事前に筋違い角の研究をしたはずだ。それでも4割以上、武市は勝てた。武市は、プロでは下位の人だ。もし上位プロが筋違い角を採用していたら、5割勝てたんじゃないかと思ってしまう(^^;
ぜひ、羽生vs藤井猛の「指定局面・筋違い角で7番勝負」を見てみたい。

次回は、私の実戦から、友人と共に考えた、筋違い角の新構想を取り上げてみたい。
第7回となった。今回から、ようやく本格的に奇襲戦法を取り上げる。
今日から3回連続で、筋違い角を調べる。まずは、筋違い角の先手バージョンと後手バージョン。
先手バージョンは、初手から▲7六歩△3四歩▲2二角成△同銀▲4五角。(図1)
後手バージョンは、初手から▲7六歩△3四歩▲2六歩△8八角成▲同銀△6五角。(図2)
筋違い角という戦法に対して、ソフトはどのような数値を示すのか。個人的にとても興味があった。

いつものように、3つのソフトで各10分ずつ、計測した。候補手は3つで調べたが、ここに載せたのは2つ。

図1 先手の筋違い角 5手目▲4五角まで


<激指15>
-168 △5二金右 (ソフトが示した6手目の最善手) 
-166 △7二銀 (ソフトが示した6手目の次善手) 以下、他のソフトの場合も同様。

<やねうら王> 
-335 △7二銀
-331 △6二銀

<水匠3改>
-245 △6二銀
-222 △5二金右 


図2 後手の筋違い角 6手目△6五角まで


<激指15>
+226 ▲3八銀 (ソフトが示した7手目の最善手) 
+221 ▲4八銀 (ソフトが示した7手目の次善手) 以下、他のソフトの場合も同様。 

<やねうら王>
+437 ▲3八銀
+406 ▲4八銀

<水匠3改>
+311 ▲3八銀
+306 ▲4八銀

~今回のまとめ~
先手の筋違い角が、最善手の平均が-249。(受けて立つ後手が有利)
後手の筋違い角が、最善手の平均+325。(受けて立つ先手が有利)
いずれも筋違い角側にとって、厳しい評価値となった。でも、約300点差くらい、アマの早指しだとワンチャンスで逆転できるぜ!と思えば、充分に使えるのだが。
それに何より、筋違い角は、やる側に圧倒的な経験値が溜まりやすい。やられる側はめったに体験する機会がないのだ。ノーマル振り飛車党に対して使うのも面白い。

さて、今回、なぜ後手の筋違い角も調べたのか。それは、筋違い角対策に関係しているのだ。受けて立つ側が振り飛車にすることがあるのだ。そうすると、受けて立つ側が飛車先を突いた手(▲2六歩)が、何の意味もなくなる。だから、後手で筋違い角も、充分ありうる作戦と私は思う。
その辺りは、明日の対策編に続く。参考棋書として、「イメージと読みの将棋観1」がある。それを取り上げたい。
第6回の今回は、ノーマル振り飛車の数値を調べる。先手が振り飛車。初手から▲7六歩△3四歩▲6六歩△8四歩と進んで、図の局面になる。ここで5手目▲7八飛or▲6八飛or▲5八飛とした場合に、ソフトはどんな数値を出すか。
ノーマル振り飛車は奇襲じゃないだろ、という声もあるが、奇襲と比べてどれほど違うのか、が知りたいのだ。
今回も10分間ずつ、考えさせた。なお、今回は6手目は手が広くあまり重要ではないので、候補手は1つだけ載せることにした(調べ方は候補手は3つ)



① 図から▲7八飛の三間飛車

<激指15>
-76 △8五歩 (ソフトが示した6手目の最善手) 以下、他の場合も同様。

<やねうら王>
-176 △8五歩

<水匠3改>
-108 △1四歩


② 図から▲6八飛の四間飛車

<激指15>
-56 △4二玉

<やねうら王>
-161 △1四歩

<水匠3改>
-126 △6二銀


③ 図から▲5八飛の中飛車

<激指15>
-77 △5二金右

<やねうら王>
-213 △4二玉

<水匠3改>
-140 △4二玉

~今回のまとめ~
やはり、ノーマル振り飛車にすると数値がマイナスになっている。これは予想どおりだった。特に中飛車が数値が低い。それも予想どおり。
平均値は、三間飛車が-120。四間飛車が-114。中飛車が-143。
あまり面白味のない数値が結果として出た(^^; 

さて、3つのソフトの特徴だが、もう分かってきた。激指がマイルド、やねうら王が辛口、水匠が中間だ。
水匠の数値だけでいいか?とも思うのだが、まあせっかくなので3つで調べていきたい。

次回は筋違い角をテーマにする予定。でも明日は用事があるので、更新はあさって以降になりそう。
第5回の今日も初手▲7六歩に対する、後手の2手目を調べていく。
今回のテーマは▲7六歩△6二銀、そして▲7六歩△6二玉。
この2つの手も、奇襲の範囲と言えると思うので、調べた。

△6二銀は、先手が振り飛車をしたら、後手は飛車先突かず+角道開けずのままの作戦を選ぶことができる。
半面、先手が居飛車で来ると、ちょっと後手が不利になる作戦だ。
△6二玉は、いわずもがなの、2012年第1回電王戦で、▲ボンクラーズvs△米長会長で指された手。

各ソフトに10分、考えさせた。候補手は3つで調べたが、ここに載せたのは2つにとどめた。

①初手から▲7六歩△6二銀

<激指15>
+54 ▲2六歩 (ソフトが示した、3手目の最善手) 
+54 ▲7八金 (ソフトが示した、3手目の次善手) 以下、他のソフトの場合も同様。

<やねうら王>
+120 ▲2六歩
+82  ▲4八銀

<水匠3改>
+101 ▲3八銀
+88  ▲2六歩


②初手から▲7六歩△6二玉

<激指15>
+136 ▲2六歩
+131 ▲7八金

<やねうら王>
+265 ▲2六歩
+191 ▲3八銀

<水匠3改>
+163 ▲7八金
+151 ▲2六歩


~今回のまとめ~
▲7六歩△6二銀は、私の予想ではもっと先手が有利になるかと思ったが、そうでもなかった。+100ほどで治まっている。
相手が振り飛車党なら、実戦で使っていけばいいだろう。「イメージと読みの将棋感1」でも取り上げられており、そこではプロ間では先手の11勝10敗(平成元年~平成20年まで)という記録が残っている。藤井猛がB1の順位戦で三浦に△6二銀を指され、「アツイ!」と叫んで3手目▲2六歩から居飛車にしたら負けた、と語っている。

▲7六歩△6二玉は、2012年当時のボンクラーズでは、△6二玉を、とがめることが出来なかった。(結果はボンクラーズが勝ったが、作戦的には米長の思惑どうりに進んだ)
今のソフトなら、△6二玉を、とがめることができそうだ。やねうら王が+265を示しているのだから。

次回は、ノーマル振り飛車について調べる予定。
第4回の今回も、初手▲7六歩に対する後手の2手目について調べていく。
2手目△3二金と、2手目△3二飛だ。
△3二金というのは、後手が先手に対し振り飛車を誘っている手だ。どのくらい先手有利になるのか、それともならないのか。
△3二飛というのは、今泉三段が升田幸三賞(2007年)を獲った手。どのくらい有効な手なのか。
各ソフトに考慮させた時間は10分。3手目の候補手は3つで考えさせたが、ここで紹介するのは2つにとどめた。

①初手▲7六歩に△3二金

<激指15>
+21 ▲7八銀 (3手目の最善手) 意味が分からない手だが、こう出てしまったのだ。
+20 ▲7八金 (3手目の次善手) 以下、他のソフトも同様。

<やねうら王>
+41 ▲7八金
+27 ▲2六歩

<水匠3改>
+42 ▲2六歩
+40 ▲7八金


②初手▲7六歩に△3二飛

<激指15>
+90 ▲2六歩
+105 ▲6八玉 (次善手のほうが点が高いが、よくある現象)

<やねうら王>
+272 ▲6八玉
+248 ▲2六歩

<水匠3改>
+178 ▲2六歩
+185 ▲4八銀 (次善手のほうが点が高いが、よくある現象)

~今回のまとめ~
ソフト的には、2手目△3二金は先手の数値が上がらない。△3二金は良い手で、これを先手が振り飛車でとがめに行くのは、ソフトは考えないようだ。やねうら王で候補手を15手にして10分間計測したが、飛車を振る手は一手も候補に現れなかった。
2手目△3二飛は先手の数値が上がる。それもかなり。やねうら王は+272点を叩きだした。研究すれば、明解な欠点があるのかもしれない。
ソフトが振り飛車は不利だと考えているのがよくわかる結果となった。

次回も初手▲7六歩に対する後手の2手目について書く予定。