第17期 銀河戦
決勝トーナメント 2回戦 第1局
北島忠雄六段 vs 橋本崇載七段
対局日: 2009年7月10日
解説:佐藤康光銀河
聞き手:高群佐知子女流三段
記録:上田初美女流二段

20年度の成績は、ハッシー28勝18敗 北島12勝16敗 2人の対戦成績はハッシーの2-0

いよいよここからベスト8の戦いに入った
ハッシーはベスト16で郷田を、北島は羽生を倒してのベスト8進出だ
ハッシーは26歳、髪の毛を染めていて、頭にチョコレート色のモンブランケーキをかぶっているようだ
対して北島は43歳、だいぶ頭に白髪がめだつ、対照的だ

解説の康光「ハッシーは居飛車党の本格正統派 大局観に明るく、理論的な将棋
 北島は居飛車党で手厚い将棋、最近は振り飛車も指す
 お互いに小さいポイントを積み重ねていくタイプ、細かい応酬が予想される」

先手ハッシーの居飛車、後手北島のゴキゲン中飛車になった
この将棋、早くに戦いが始まり、康光「これはハッシーが押さえ込むか、北島がさばくかどうかで、
 大差がつきやすい展開になりました」と言ったにも関わらず、最後まで接戦が続く大熱戦になった

序盤、北島が定跡よりも一手立ち遅れたのを見て、ハッシーは無難な順を選ばず、
果敢に仕掛けた うんうん、若手はそうこなくっちゃね

ハッシーが優勢と見て、銀をそっぽにやって歩得を狙ったのが疑問だったようで、
康光「これはどうも北島がうまくさばいた気がします、陣形が低くて
 飛車角総交換になったので北島良し」     
香落ちでよくある、ヒラメ戦法のさばきの見本のような展開になってしまった

ハッシーは考慮時間も無くした 自分はハッシーを応援していたので、あ~だめだあ、
と思っていたのだがここからハッシーは粘りに粘った
康光「なるほど、大変ですね」
なんと、お互いに考慮時間もなくなるという完全な30秒将棋に持ち込んだ
ハッシーの底力、発揮だ

北島側に決め手が見つからず、形勢混沌とし、康光が「これはけっこう先手もやれます、
先手もちかも」と言った瞬間だった
北島に△1五角打ちから△3三角の、絶妙の順が出た!
これであっという間に北島優勢が決定、この順には康光も全然気が付いてなかった
康光「あ~、これは△3三角がピッタリ、これは痛いですよ 一気に効きましたね」
△3三角と指すとき、北島は駒音高く、ビシッ!としならせた 
北島自身も、これでやれる、と確信したのだろう
北島がこんな駒音を立てるのはめったに見れない、めずらしい
実際、ハッシーの金銀がボロボロ取られた 北島、もう勝ちか?

が、ハッシーはまだ粘るではないか
康光「決まったかと思ったけど、まだまだですよ」
しかし、長手数になるも、北島は本局では、全然ブレない
30秒将棋というのに、攻めるべきは攻め、受けるべきは受け、
ハッシーの追い上げを許さなかった
康光も驚く、落ち着いた手の連発で勝利!北島、つ、強い!

この将棋、北島の超会心譜と言える内容と思う
ベスト16で羽生に勝ったのは、まぐれではなかった
まるで、強いときの森内が指しているかのような、的確さ、冷静さ、堅実さがあった
△1五角~△3三角の構想力も合わせて、これはホントに強い勝ち方、いや、お見事!
これはスタンディングオベーションだね  パチパチパチパチ

ハッシーは投了直後、頭をうなだれたまま動かなかった
ハッシーは本局では北島の引き立て役だった
今回はもうしかたないね よく粘ったよ

ベスト4進出となった北島、局後のインタビューで、
北島「めったにない、最後のチャンスかもしれないのでがんばりたい」とコメント
北島は四段になったのが29歳のとき、奨励会になんと15年間、居たそうだ
今まで棋戦優勝は竜王戦4組で優勝したことがあるだけの北島、
本局のような将棋が指せれば、今回の銀河戦、優勝できるに違いない
がぜん、北島に注目だ