第17期 銀河戦
決勝トーナメント 2回戦 第2局
佐藤康光銀河 vs 深浦康市王位
対局日:2009年7月8日
解説:屋敷伸之九段
聞き手:斎田晴子女流四段
記録:伊藤明日香女流初段

20年度の成績は、康光32勝21敗 深浦16勝14敗 2人の対戦成績は康光の16-14
康光は野月を破っての、深浦は西尾を破ってのベスト8進出

解説の屋敷「お互いに色々戦法を指すので戦型の予想ができない」
聞き手の斎田「過去の将棋年鑑のアンケートによると、『自分の将棋を言葉で表すと』の質問に、
 深浦は『ねばりの将棋』、康光は『どうも変らしい』と答えたそうです(笑)」とのこと

先手康光で、一手損角換わりの出だしから、なんと深浦が四間に振った
康光が▲7八金としたので、四間飛車にしたとのことだ
これで戦型は、▲居飛車vs△立石流もようの力戦四間飛車になった

康光が7筋と8筋の位を取り、深浦は5筋の位を取った
玉の囲いをお互い金銀4枚に固めた持久戦だ
屋敷「どうやって戦いが始まるかですね」と言っていたら、
なんと康光が▲8七玉と3段目に玉を上がった
屋敷「ほ~!力強いですね」と言っていたら、後からまた▲8八玉と引いた ドタッ

屋敷「深浦としては完封で勝ちたいですね、康光としてはもう角道を開けて荒っぽく
 行くしかないんじゃ?他に手がなさそう」と言っていたら、
なんと康光、いきなり飛車を切って角と交換してしまった!
ここは自分は「お~っ!」と叫んだ 
屋敷も「もっと荒っぽく行きましたね あ~、いや、これはすごい手ですね(^^;
 後は、康光の攻めが続くか、深浦が切らせるか、ですね」

このあたり、屋敷は「形勢はいい勝負」と言っていた
もう飛車角交換になったのだが、康光はじっと金を寄り自陣にひきしめる手を指す、
深浦も自陣の2段目に歩を打ち、康光の馬引きを消す手を指す、
終盤での自陣の整備、こういうのは参考になる

7、8筋で玉頭戦になったが、形勢を分けたのは、康光が王手に歩を▲8三歩と叩いた手に対し、
深浦が取らずに玉を逃げた手だった 感想戦でもここが問題になっていた
屋敷もこの玉を逃げる手に気づいていなくて、
屋敷「そうか、先手は8筋に歩が立たなくなって、△8五香があるのか!
  さすがに今打った歩を成り捨てるわけにはいかないし(^^;」
ここは聞いていて笑った もう康光のほうは、最後の一歩だったもんね

その後、△8五香と進んでみると、これがめちゃ厳しかった
逆に深浦の玉頭攻めが決まり、あっという間に深浦の勝ちになった
康光の攻めをうまくかわした、深浦の快勝となった

局後のインタビューで深浦「ひさしぶりに力戦四間飛車を指した、作戦勝ちが大きかった」とのこと
康光が駒組みで、玉の上下運動をしてたのは作戦負けだったわけか

後手一手損角換わりの出だしから、立石流もようの力戦四間飛車にするという作戦が
あることを知った一局だった また後手に新しい戦法の登場か 
今回の戦法はオールラウンダー用なので、オールラウンダーがますます有利になるね
ともあれ、新しい戦法が出てくるのは面白い

深浦はインタビュー時にも、落ち着き払っていて、タイトルホルダーの貫禄だ
康光にも、これで15勝16敗、互角だもんね
深浦の将棋はどこが強い、と言われると困るけど、序、中、終盤と、
全部がバランスよくまとまっている印象を受ける 本局もそのとおりの内容だった