<第72話>
『終盤の入り口の局面で 飛鳥田の手は しばらく止まっていた』
飛鳥田“罠か・・・ そうじゃないのか・・・ 行くべきか 行かないべきか・・・
 いや 罠だとしても ほかに行く道 分かるか!? 決まりだ”
(飛鳥田、歩を成って、時計を押した)
カシャ
(相手が微笑み、思わずギクッとなった飛鳥田)
相手“フ・・・”
飛鳥田“ギクッ 罠だった・・・ のかな・・・?”

局面、優劣が決まる難しいところです

飛鳥田“この場面 先手がいいように見えるけど と金の威力で こちらが良くなるはず”
(相手が着手した)
飛鳥田“「待ってました」って 手つき・・・ やっぱ罠? ここまで目いっぱい 読んできた
 罠があっても いくしかないんだ!! 罠ならボクの負け!! でなければボクの勝ちだ!!”
(飛鳥田、着手した 相手はびっくりして、考え込んだ)
相手“ハッ! ム・・・”
飛鳥田“あの表情・・・ 良かった・・・”

飛鳥田君、なんとか優勢を手にしました!

(場面変わって、馬島の対局 馬島の相手はアフロヘアーにちょびヒゲを生やしている)
相手“か・・・ 角頭歩 ・・・だよなコレ? 実戦で初めて見た”
(相手の顔をモロにじーっと見つめる馬島 それに気がついた相手)
相手“・・・・・・?”
(馬島の視線を避けようと頭を横に移動させる相手、それに合わせて視線を送り続ける馬島)
相手「な・・・ なんか用スか 人の顔じっと見て」
馬島「え? あ・・・いや 何でも・・・」
(ちょっと怒った相手)
相手「何でもはないっしょ あんなに見てて」
馬島「あ ゴメンゴメン オレすぐ人の気分悪くさせっから ゴメンネ」
(笑いながら謝る馬島に、本格的に怒ってきた相手)
相手「・・・何だよ? 言えよ」
馬島「言ってもいいけど アンタ怒るから」
相手「怒らないから言え!!」
馬島「そう? じゃ言うけどさ 『もともとおっかない顔してんのに なんでヒゲまではやしてんだろ』
 って思ってさ」
(ブチ切れた相手)
相手「てっ てめえ!!」
馬島「なんだよ 怒らねぇって 言ったじゃん!!」
(ケンカになった 遠くからみていた女子たち)
鳥山香「また・・・?」
内村「ウマ・・・」

馬島君いるところに乱ありですね

<第73話>
(場面変わって、角野の対局)
角野“う・・・ まずい・・・ 序盤の損が 回復できない・・・ このままやられる!
 ほかの将棋はどうなんだ?”
(角野、となりで真剣な表情で集中している飛鳥田を見つけ、
 飛鳥田の「全国大会へ行こう」の言葉を思い出した)
角野“く・・・ くそぉ チームプレーなんか すんなっつったのはオレじゃねぇか!!
 そのオレが 人の将棋ばっかり気にして どうすんだオレ!?
 いけっ!! オレ!!”

角野君、ふっきれました!

(飛鳥田の対局)
相手“う・・・ 馬が強いし上が広い・・・ これは捕まえられない!? こちらも入玉するか?”
飛鳥田“逃がさない”
パシィッ
相手「負けました・・・」
飛鳥田「ども・・・」

飛鳥田君、勝利を手にしました!

飛鳥田“勝った・・・ 勝てた・・・ ホゥ”
(一息ついて、となりの角野の様子を見た飛鳥田)
飛鳥田“角野君!”
(角野、青ざめて生気がなく、うなだれている)
飛鳥田“ギクッ!! 角野くん!?”

角野君、負けてしまっていました!! (つづく)