第18期 銀河戦
本戦Bブロック 2回戦
大石直嗣四段 vs 木下浩一六段
対局日: 2009年9月1日
解説:依田有司六段
聞き手:村田智穂女流初段
記録:渡辺弥生女流2級

20年度の成績は、木下5勝19敗 大石は4月に四段になったばかりで5勝4敗 2人は初手合い

解説の依田「木下はほがらかで明るい性格、振り飛車党
 大石は関西所属で四段になったばかりなんでよくわからないが居飛車党」
ちなみに「大石ただし」と読み、21歳だ 大石は村田顕弘に勝ってのテレビ登場とのこと

先手木下で、▲三間飛車銀冠vs△居飛車穴熊になる
ありがちな展開になりそう、楽しめるかな、と思っていたが、
これがかなりの充実した好勝負になった 

序盤、大石に8筋を交換され、木下は角交換を拒否するために▲7七桂と跳ねさせられた
そして、その桂頭を狙われるハメになる 木下、早くも困ったか? 
だが木下は手慣れたもので、軽く角、桂をさばいて互角を保っている
木下はずっとノータイム指し、さすがはプロの指し回しだ

木下は竜を作られたものの、まだまだ勝負はこれからだ
だが?木下は飛車を回って銀に当てたのだが、
大石の桂打ちの合駒が見えにくい好手だった
木下の手が初めて止まった これ、困ってる 木下、どうにもこうにも飛車がさばけないのだ

大石に香を補充され、木下はその香で飛車を攻められるハメになった
もう万事休すか、と思われた瞬間だった 木下、なんと気合の香と飛車の刺し違え!!
これ、駒割りは、飛車の丸損だ それも相手は穴熊なのだ こんなの、めったに見たことが無い 
だが、よく局面を見ると、お互いの玉形が堅すぎて、飛車一枚損しても、
なんだかまだやれそうなのだ この木下の大局観には恐れ入った

大石のほうは飛車得したものの、攻め駒の効率が悪すぎる、いったいどうするんだろうと思っていたら、
桂を成り捨てて、攻め駒を軽くし、なるほどと思わせた

終盤になったが、木下の馬付きの金銀4枚の銀冠vs大石の居飛穴+2枚飛車の攻め、
いったいどっちがいいのかわからない

そんな混沌とした形勢のときだった、大石が△3七歩、と焦点の歩を打った
先手の駒がなんと7枚も利いているところだ 
解説の依田が「これは▲同銀だけはないですね」と言った瞬間だった、
木下、よりによって▲同銀!! これはアア、金がタダ取られ!! 木下、やっちまった!!
それまでの攻防が見ごたえがあっただけに、見ていて一気にずっこけた(笑)

木下は早指しでパッパッと指していたのだが、それがこの手拍子の敗着を呼んでしまったと思う
あ~、せっかく穴熊相手に、飛車の丸損から逆転模様だったのに、惜しい!

もうこの将棋は終わった、と思ったが、まだ見せ場があった
自陣に駒を投入し、まだ粘ろうとする木下に対し、
大石は淀みない寄せ手順から、最後に魅せた、金の焦点の捨て駒での即詰み!!
見えにくい金打ちだと思うのだが、数手前から大石はノータイム指しだった
いや、これは大石、強い!
まるでタニーの光速の寄せを見ているかのようだった
あ~、自分もこんな寄せを指して勝ちたい!

見どころがたくさんあって、面白かった
この一局、一言で言えば「色々あったが、大石が強かった」 これに集約される内容だった
大石、ずっと落ち着いていた 感想戦でも、きっちり読み筋を披露してくれていた
また関西に有望な新人が現れたと感じた 新四段の大石、なかなか期待できそうだ