第18期 銀河戦
本戦Eブロック 2回戦
西川和宏四段 vs 中川慧梧アマ
対局日: 2009年9月10日
解説:石田和雄九段
聞き手:貞升 南女流1級
記録:伊藤明日香女流初段

さあ、中川アマの登場だ 相手は新四段の西川和宏
20年度の成績は、西川和宏3勝4敗 2人はもちろん初手合い 

西川の成績が、テレビ画面では「73戦49勝24敗」と映っていたが、
どう考えてもそんなに指してないので、テロップの入力ミスだ
・・・というか、調べたら、それは最多賞の久保の成績じゃないか(笑)
よりによって久保と取り違えたね(^^; 

解説の石田「中川アマは1回戦の小阪戦は完勝でしたね 17歳なのに、しっかりした将棋でした、
 勝負に辛い、居飛車の正攻法とお見受けした
 西川四段は親子棋士、父は西川慶二七段 
 棋風はよくわからないが振り飛車の変わった将棋らしい 23歳」
 
石田「中川アマは岩手高校の2年生、これに勝つようでは大変ですよお
 私の経験上、高校生くらいが一番強くなる、寝てても強くなる
 西川君は、私はお父さんのほうを『西川君』と呼んでいた世代だから(笑)」
ちなみに調べてみると、現在、父の西川慶二が42歳、石田は62歳だ

さて、将棋は先手中川アマで、▲居飛車穴熊模様vs△角道を止めた昔ながらの中飛車になった
中川が穴熊に組もうとしたところを、西川は早い左銀の進出でけん制、四間に振りなおして
とがめに行く、という戦術だ この振り飛車の作戦は、なるほどと思わせた 
これは軽くていいね 真似しやすいので、居飛穴に苦しんでいる振り飛車党の人は
ぜひ参考にしてみてはどうだろうか 
早くも飛車交換からさばきあいになった

石田の予想した手順がハズレていくが、指されてみればなるほどという手で、
両者均衡を保っている 一手指したほうがよく見える将棋だ
石田は予想した手は当たらなくても、後追い解説がしっかりしていて、わかりやすい
手の見え方、衰えを感じさせないね これはいいわ

石田は中川をさかんにほめ、「急所、急所、しっかりしてる、急所」
 「プロの経験があるような気がします」 「はあ~、さすがですね、さすがです」
うん、中川アマ、強い ちょっと振り飛車にさばかれ気味な気がするけど、ちゃんと食い下がってる

西川のほうが先に時間を使いきり、考慮時間が▲6回vs△0回になった
これが大きかった気がする  
西川、わざと王手竜取りをかけさせたまでは良かったが、
▲5五馬の王手に△7三桂と跳ねてしまう危険な手!
ここまでうまく指し回していて、石田も感心する好局だっただけに、これには石田がびっくりしていた

△7三桂が指された瞬間、
石田「ん~!危ないことを~!そんなことを~、やる手じゃないですよ、ん~な、あ~た、
△6四銀に決まってますよ~」(あ~た、はあなたの意味)
石田節でのダメ出し、これには笑った でも、桂を跳ねて、▲5五馬の王手を消すのは、
相当罪が重かったようだった 
確かに、素人目にもいかにも守りが弱くなりそうな手だ
感想戦でも西川自身、「△7三桂はひどい手だった、そんな手はなかったですね」と
繰り返すことになった

石田は西川ほうには、「ん~、なんか悪い手ばっかりやってる気がする、はっきり言って」
 「わざと形勢を難しくしてる気がする」 とダメ出し(^^;
一方、食いつきに成功した中川のほうには
石田「強いですよお、この人は、強い!」 
はっきり言ってくれるので面白い 石田の場合、嫌味がないしね

石田「何で当たり前の手をやらないかな~、と思うでしょ、傍(はた)から見てるとね
 でも実際に自分が盤の前に座るとねえ~、悪い手やるんですよお、説明のつかない悪い手を」
事実、石田はついこの前の銀河戦で、終盤、秒に追われて、
角のタダ取られをうっかりして負けているからね 説得力がある(笑)

中川は、自陣が穴熊で、食いつきに成功、その後の寄せ方も冴えを見せ、寄せきった
西川は最後の△7七歩と叩く勝負手も逃してしまったのが痛かった
この△7七歩は石田はすぐ見えていて、さすがだった

いや、これは見ごたえがあった面白い将棋だった 西川は穴熊模様に対して機敏に反応して
ちょっとリードしたが、△7三桂の悪手で負けにした、という一局だった
指し手に人間味があって良かったよ 石田の解説は人間味ありすぎるくらいだし(笑)
石田、よく手が見えていて感心させられた まだまだ現役でいけそうだね

中川アマ、前回の対局ではまだ底が見えなかったが、この対局では不利になる変化があり、
底を見せた しかし、随所に好手が見られ、感想戦でもしっかり応対し、
その底がかなり深いことを示した一局だった
17歳の若いアマが、石田の予想を上回る手をビシビシ指してくれるので、
見ていてとても痛快だ

石田「はたしてどこまで中川アマは勝ち続けるか」 
まったく、これは注目だね 勝ち方が強いのもいい
最後に飛車を打ち下ろすとき、ビシッ!と駒音高く、指をしならせて「勝ちました」と
いう手つきだったのもカッコよかった

実力があり勝つべくして勝った中川アマ、次は相手は遠山だ
遠山さんのブログはちょくちょく読ませてもらっている これは見逃せない一戦だ!