第18期 銀河戦
本戦Eブロック 4回戦
長岡裕也四段 vs 遠山雄亮四段
対局日: 2009年11月5日
解説:片上大輔六段
聞き手:藤田 綾女流初段
記録:伊藤明日香女流初段

20年度の成績は、長岡19勝14敗 遠山8勝15敗 2人の対戦成績は長岡の2-0

解説の片上「長岡は研究が趣味の研究家、居飛車、振り飛車、両方指す
 遠山は生粋の振り飛車党 粘り強さが身上
 長岡は突き詰めてここはこう指すべきという棋風、極端な完ぺき主義者
 遠山は思いついた手を指す棋風」

先手長岡で、後手遠山のゴキゲン中飛車に対して、先手から角交換する丸山ワクチンだ
また相穴熊もあるかと思われただけに、ほっとした(^^;

序盤、定跡手順で進む 一手一手詳細に解説してくれる片上 これはありがたい
さすがに片上は詳しいね しっかし、これ、かなりのところまで定跡化が進んでいて、難しいわ
プロは実に細かい駆け引きをしているんだね

長岡は美濃、遠山は銀冠に組んだ
序盤から形勢が動いた 研究範囲なのだろう、ノータイムで指していく長岡につられてか、
遠山はいきなり馬を作られてしまう それも無条件だ
片上が「場合によってはもう考えどころをすぎてしまったかも」というくらいだ 
え~、もうこんなに早く形勢が決まったのか

ところが、ここから遠山は粘りに粘る まず、銀を見捨てて左桂を手順に跳ねた
片上「これは長岡のほうがいいが、どうやるかの構想がまだ難しい」
 「長岡がいかにも研究してきたという感じで優勢になったけど、
 ごちゃごちゃしている間に遠山が力を発揮している お互いの持ち味が出てる」

聞き手の藤田女流が「長岡のほうが囲いが金銀4枚に馬付きで、すごく固く見えます」と言ったのに対し、
片上「遠山の銀冠は先手の攻め駒から遠いので固いんです、長岡の囲いは、と金で攻められやすい
 9筋の端も後手の勢力圏なので、粘りがまだ相当利く」
この片上の発言が、ズバリ的中することになった

片上が手をズバズバ当て、対局者はほとんどそのとおり指していく
あのー、片上さん、解説者があんまり手を当てすぎるのも、味気ないんですけど(^^;

終盤、攻め合いになったが、片上の発言どおり、長岡の美濃は遠山のと金攻めで駒がはがされていく
遠山の銀冠にはなかなか有効な攻めがない どんどん差が詰まっていく

長岡が長考した後、遠山が当然の一手と思えるところで考慮時間を使ったときがあった
そのときに片上「これは相手が考えたので自分も一度考える『半分返し』という技術です
 ふらふらと指してしまわないように」 この「半分返し」は面白い言葉だね

さて、長岡が決めにいき、角を切る手をビシッと指した おおこれは読みきりか・・・
と思いきや、進んでみると遠山玉がなんとギリギリで詰まないではないか 9一の香が利いている
まさに紙一重だ そして盤上、詰むや詰まざるやの大熱戦になった

片上「どうなっているんでしょうか 歯切れが悪くてすいません」
いや、片上さんは歯切れが良すぎたから、それくらいでちょうどいいよ(^^;
見ていてハラハラするもんね 8筋に駒柱もでき、片上にもどっちがいいのかわからない熱戦だ 

そして、詰めろをかけてくる長岡に対し、遠山は詰めろ逃れの桂跳ねが2回も出た!
自玉をギリギリのところで逃がし、この終盤を制したのは遠山だった
結果、152手で遠山の逆転勝ち!

いや~、これはホントに大熱戦だった
片上「長岡にしてみれば、作ったような負け方、残念でしょうね」
遠山にしてみれば、序盤の不利から、最終盤で好手の桂跳ねが連続で飛び出すという逆転勝ち、
これはこたえられない気持ちいい勝利だろう

見ているほうとしてもこれは面白かった 
銀冠という囲いの粘り強さが存分に出た一局だったと思う
いつもブログを書いている遠山さん、やっぱりブログを見ていると親近感がわく
この勝ちをどう書くか、楽しみだ 次の一局も、ぜひ面白い将棋を見せてほしい