<第91話>
(飛鳥田のクラスの男子たちがしゃべっている)
男子A「アレに蹴られた跡 まだ痛ぇよ」
男子B「あー あのヒョロ長いの?」
男子C「あいつ 審判が見てないと やりたい放題だもんなぁ」

男子A「バスケ部のヤツに聞いたら そういうギリギリが多くて バスケ部クビになったって」
男子B「なんだよ そんなヤツこそ バスケに出すなよ」
(席で聞き耳を立てる飛鳥田)
飛鳥田“馬島くんの話だな・・・”

男子C「んじゃ どこの部なんだ?」
男子A「それが将棋部」
(いっせいに男子たちの視線が飛鳥田に向く ギクッとなる飛鳥田)

(男子たちが飛鳥田を取り囲んだ ほっぺたをひっぱられたり、頭をグリグリされたりする飛鳥田)
男子たち「てめ!! あんな備品まであんのかよ!?」
 「あやうく 胸で 将棋部入部 しようと思っちまったぞ!!」
 「よく しつけとけ!!」
飛鳥田「さ・・・ 最近 部活に来てないってば」

飛鳥田君、ボコボコにされてます

飛鳥田“たしかに乱暴だったな・・・”
(バスケの試合を思い出す飛鳥田)
・馬島のひじてつを食らう飛鳥田
・馬島のショルダーアタックを食らう飛鳥田
・馬島のシュートの踏み台にされる飛鳥田

飛鳥田“別に 憎くてやってるわけじゃ ないみたいだけど・・・
 将棋でも同じようなもんか・・・
 普段から奇襲だし いちゃもんつけるし 気に入らなきゃ暴れるし・・・”

鷹洋の選手に蹴りを食らわした馬島君、将棋部が出場停止処分にならなかったのが不思議なくらいです

飛鳥田“たしかに女子には 受けが悪いけど・・・ 
 でも! ああいう荒々しさが 将棋部には必要だと思う
 強くなるためには! 目標に届くためには!
 なにより・・・ 仲間なんだ!! もしかしたらバスケ部に 里心ついちゃったらまずいし
 気まずくて 部活出にくいだけなのかもしれないし
 来ないならこっちから 向かえに行けばいいんだ 授業後に・・・!”

(授業後)
馬島「行かねぇよ オレ 将棋部には」
(ずっこける飛鳥田)
飛鳥田「そ・・・ そんな 即断即決しなくても」
馬島「言っただろ? 大学入るのに有利── できればAOだけで 入れるように 部活やってんだって
 将棋部もう見込みないし・・・ 部の存続に必要なら 名前残といていいけど
 あ でも女子が2人 入りそうだから 必要ないのか? じゃ消しとけ」
飛鳥田「いったい・・・ どうするつもりなの?」
馬島「そうだな あ これなんかよさそう “書の甲子園” 夏休み明けに 作品提出締め切り
 個人の受付もあるから チームでほかのメンバーに 足ひっぱられなくてすむからな」
飛鳥田“ガーン”
馬島「こう見えても 字 うまいからさ んじゃあな」
(去っていく馬島 肩を落とした飛鳥田)
飛鳥田“がっかり・・・”

(帰り道の街中をブラブラと所在なさげに歩く馬島 
 将棋道場の看板が目に入り、足を止めた)
『世界アマ王者 浅利氏 指導対局中』
馬島「・・・・・・」 

馬島君は、将棋への情熱が消えたのでしょうか? それとも? (つづく)