第18期 銀河戦
本戦Aブロック 8回戦
青野照市九段 vs 小林裕士六段
対局日: 2010年1月26日
解説:小倉久史七段
聞き手:久津知子女流初段
記録:井道千尋女流初段

21年度の成績は、デカコバ23勝12敗 青野10勝10敗 2人は初手合い

解説の小倉「デカコバは居飛車党で矢倉を好む 青野は本格的な居飛車党
 両者振り飛車はほとんど指さない」

小林裕士は身長185cm、体重92kgとデカイので、このブログではデカコバという愛称で呼んでいる
前局で豊島にものすごい長手数の詰み手順で大逆転勝ちしての登場

青野はいつもながら、和服を着ての登場だ やっぱり和服はいいね
聞き手の久津「青野先生はよく和服を着ていますが、クラシックを聴きながらワインを飲んだり、
 バーに行ったり、そういうお洒落な趣味もお持ちですね」

先手デカコバで、後手青野の一手損角換わり 
デカコバの早繰り銀に青野が腰掛け銀で対抗する形
局後の青野「最近、一手損の本を出したので、やらなきゃと思った」

この一手損角換わりという戦型、互いの玉が薄く、すぐ戦いになり、手将棋になりやすい
何を狙いとしているのか見ていてわかりやすいことが多いし、短手数で終わりやすい
個人的に好きな戦型だ 
本局でも、先手の単純な2筋突破を後手がどう受けるかという素人向けの興味深い内容になった

デカコバの研究手であろう、▲4六角打ちという手に早々に考え込む青野
久津「私が昔、アマチュアのときに、『困ってから考えても挽回するのは難しいので、
 困る前に考えなさい』と教わりました」
小倉「その『困る前』というのが、いつなのかわからないんですよね」
ここはけっこう笑った

小倉は振り飛車党なので、こういう将棋に慣れていないのだろう、
小倉「指す手が難しい これもありそう それもありそう」を連発 
でも、気になる手全てに言及してくれていて、解説としてこれはこれで良かったと思う

青野は慎重に指していったにも関わらず、デカコバの単純な攻め筋で、後手の2筋が破れてしまった
うーん、青野のどこが悪かったのか、うまい受けが見つからない
小倉「単純な攻めだけど、後手が困ったかなあ」
あら~、モロに2筋を突破されて、と金ができちゃった 

青野、受けの銀打ちという考えにくい手を指したが、これが敗着になった
感想戦で、実はまだまだここでは難しかったとのこと
でも、青野は早くに考慮時間を使い切っていて、
ムードが完全にデカコバのほうに傾いていたから、もう仕方ないだろう

青野、けっこう追い込み、千日手含みで粘ろうとしたが、もうデカコバは逃がさない
終盤に強いデカコバ、早見えの才能を発揮し、スパッと鮮やかに青野の玉を寄せた
デカコバの快勝だった やっぱりデカコバの終盤の手の見え方は、棋界でも屈指だね
この早見えの仕方、糸谷と互角くらいか、と思った

感想戦で、青野は中盤の局面で、次々に読み筋を披露、相当広く手を読んでいたことを示してくれた
本譜や小倉の解説手順以外にも、まだまだ手が水面下にあり、難しい将棋だったのか
青野さん、負けたけど、完敗ではなかったんだね
デカコバの研究手に、序盤で時間を使わされたのが痛かったか
持ち時間がもうちょっと長い将棋なら、どっちが勝っていたかわからなかったね

それにしても、デカコバはやはり強い・・・ 
何度も書くけど、終盤の、特に寄せの手の見え方の速さは並みではない 
NHK杯での里見女流戦では、手を緩めてくれないだろうか(^^;