第18期 銀河戦
本戦Cブロック 8回戦
中川大輔八段 vs 千葉幸生五段
対局日:2010年1月7日
解説:中村 修九段
聞き手:中村桃子女流1級
記録:伊藤明日香女流初段

21年度の成績は、千葉8勝13敗 中川11勝12敗 2人の対戦成績は、中川の1-0

解説の中村修「千葉はデビュー当時は振り飛車一辺倒だったが、最近は居飛車も指すようになった
 これから棋風改造の成果が出てくるかもしれない
 中川は連盟の理事、居飛車中心の力戦に強い将棋 昨年は王座戦の挑戦者決定戦までいった
 今は理事の仕事が忙しくて自分の時間がほとんど取れない状態みたいなんですが、
 がんばってほしい」

最近、女の子が生まれて父親になった千葉の登場
中川はトレードマークのヒゲに、薄いピンクのYシャツ、胸のハンカチがオシャレだ

先手千葉で、意外にも相振りになった 
中村修「いや~、中川さんは居飛車中心と言ったのに、困ったな(^^;
 相振りは定跡があるようでないようで、という将棋なので、力戦に持ち込もうとする中川の作戦でしょう」

千葉の▲向かい飛車vs中川の△三間飛車の力戦だ
千葉が8筋の歩を伸ばし、左銀も出ていき、攻めに手をかけたのに対し、
中川は玉の囲いを後回しにして積極的に攻撃態勢を作った

千葉は美濃の陣形を作ったが、中川の攻撃が早く、居玉のまま戦うハメになった
おとなしく3筋に歩を受けた千葉に対し、中川は銀をバシッ!!っと駒音高く5段目に進出させた 
中村修「本局一番の駒音で銀を出ましたね」
2人の勢いの差が出ている感じだ 中川が押している空気が流れる
考慮時間にも差がつき、千葉は残り3回、中川は残り10回だ 

中村修「千葉は居玉なので、中川の強引な攻めが通りそう」
が、千葉、中川の銀を呼び込む勝負手を指した
局後の感想戦で、千葉「作戦負けだったので、勝負に行った」
対して、銀を出て攻めていった中川、局後「銀を引く手もあったかもしれないけど、
 銀が出る手を見てる人は待ってるんでしょ(笑)」

ここまで、中川が勢いのある会心の指し回しだ 
千葉は考慮時間もなくし、30秒将棋になったのに対し、中川はまだ6回も残している 
終盤の寄せに入り、中川の快勝か、と思われた

が、中川、プロらしからぬ致命的な悪手を指してしまう
飛車打ちで王手したのだが、これが大問題で、「王手は追う手」の格言を地でいく手だった
手順に千葉の玉に美濃囲いに入られてしまった
さらに、飛車打ちのせいで馬が陰にかくれ、全く遊ぶ展開になってしまった
これは自分の目から見ても、どうにも変調だ
中村修「逆転したような気がします・・・」

感想戦で中川「飛車打ちが悪い手だったか ちょっと味が悪いと思ったんだけどね~
 わかってはいたんだけどね~ わかってるんなら(ちゃんと)やれよなっていうことだよな」
ここは面白かった 

形勢が入れ替わり、中川は自陣の金無双の囲い弱点である、6筋の継ぎ歩攻めを食らい、
△8二銀の壁銀の悪形がモロに響くハメになった
中村修「8二の銀は、『もう相手にあげるからもらってくれ』っていうくらいの駒です」

以下、手数は続いたものの、千葉の攻めが厳しく、千葉の逆転勝ちになった
千葉にとっては、中川の悪手に助けられたラッキーな勝ち方だったと思う

感想戦で、中川は敗着の飛車打ちのかわりに、馬を活用する見事な手順を指摘していた
うまい手順だ どうみても、そうやってたら中川が勝っていたね
ああ、中川さん、惜しかったね 序中盤は見事な構想、勢いのある会心の指し回しだったもんね

自分は相振りはまずやらないので、気軽に見れた一戦だった
居玉での力戦で、まずまず面白かった