第18期 銀河戦
本戦Eブロック 8回戦
中田宏樹八段 vs 中村太地四段
対局日: 2010年3月26日
解説:藤井 猛九段
聞き手:山口恵梨子女流1級
記録:伊藤明日香女流初段

注:中田宏樹八段のことをデビルと書いていますが、悪意はないんです ただのニックネームです(^^;
21年度の成績は、デビル19勝10敗、太地23勝15敗 2人は初手合い

藤井「デビルは居飛車党の本格派 安定した実力で、プロ間でも高く評価されている、
 常に勝率が高く、順位戦でB1に昇級したのも当然という感じ
 太地は若手らしい勢いのある将棋、基本的に居飛車の攻め将棋
 本格派に新鋭がぶつかるという構図の一戦」

先手デビルで、後手太地の一手損角換わり
聞き手の山口さんが、天然系の面白い子で、漫談になった
山口「この戦型の魅力は?」
藤井「急戦調と持久戦調があるんですが、これは急戦調のほうですね」
・・・と言っていたが、なぜかデビルが腰掛け銀にして、相腰掛け銀の持久戦調になった
藤井「中田さんは人まねをあまりしない、独自の理論を持っていて、流行に流されない」
山口「武士道みたいですね」
藤井「うーん? そうですね(^^;」
武士道って、深い意味なのかなんなのかよくわからなかった(笑)

藤井「中田さんは野球がうまいんです」 
山口「(連盟の野球部の)キングスですね? どのポジションですか」
藤井「よく知ってますね(^^; 中田さんは外野を守ってましたが、エラーしているのを見たことがない
 僕はセカンドを守ってたけど、トンネルばっかり」
どのポジションか知りたいよね ちょっと突っ込んだ質問をする山口さん、いいねえ

藤井「太地は僕の主催する研究会に参加してもらってます 彼が三段の頃、声をかけたんです
 太地は『藤井先生を尊敬してます 藤井システムを指してます』と当時は言っていたんですが、
 その後、居飛車党になっちゃって(笑)」

山口「30秒将棋はけっこうキツイですよね」
藤井「人によって違いますけどね 僕はキツイですね(^^;
 勝つときは、あれ?まだ余ってるのか、と思うくらいあるんですけど、
 負けるときは、あれ?もうなくなったの、と感じます」
山口「ふふふ」

・・・藤井と言えば、竜王の頃は「神の一手を極めんとする人」というイメージがあったのに、
竜王失冠以来、3枚目一直線、なんでこうなったんでしょうね(笑)

さて、盤面、太地が△6四角と自陣に据えたのに対し、デビルがうまく対応した
藤井「デビルがうまくポイントを稼いでいる感じ」

一方的に馬を作る権利を得たデビル、飛車取りに▲7一銀と打ち、
藤井「▲7一銀、いい手ですね~ 困ったね」

もう大差がついて終局か、と思われたが、ここから太地が粘りを見せた
太地が飛車を取ってくれ、と開き直って先手の角の利きに逃げたのが盲点の好手、
デビルが飛車を取らなかったため、太地の飛車が生き返った
ここは見ごたえがあった
藤井「形勢はわからなくなった、先手が良かったはずだが、
 渋いデビルをもってしても差がつけられないでいる」

かなりの熱戦となった
藤井「難しい将棋、形勢不明です 次の手、どうするでしょう、山口さんお願いします」
どう解説していいかわからなくなり、藤井の「聞き手に聞く」という必殺技が2回出た

が、先に考慮時間を使い切っていたのが響いたのだろう、太地、攻め合いの局面で、
攻めを失敗してしまったかっこうとなった 力を出し合った結果、123手でデビルの勝ち

一局を振り返り、
藤井「やはり中田さんは全体的に安定感のある指し方だった、さすが実力者
 太地のほうにもチャンスがあったと思う」とのこと

角換わり、見ている分には面白いけど、自分が指すとなったら大変だわ
見ていて、将棋のほうより、藤井と山口女流の掛け合いが自然に漫談調になっていて、
それが面白かった一局だった

藤井先生、これからもこの3枚目路線で解説はお願いします
山口女流も、若さあふれる自由奔放な聞き手っぷり、この調子でどんどん発言をお願いします