第18期 銀河戦
本戦Fブロック 8回戦
神谷広志七段 vs 長沼 洋七段
対局日: 2010年2月16日
解説:佐藤秀司七段
聞き手:本田小百合女流二段
記録:井道千尋女流初段

21年度の成績は、長沼13勝10敗 神谷10勝13敗 2人の対戦成績は神谷の1-0

解説の秀司「長沼は居飛車中心の何でも指すタイプ 事前に作戦を考えて臨む 駒得が好き 
 神谷も居飛車中心、外見に似合わず筋のいい将棋(笑) 薄い玉形が好き
 どういう将棋になるか、戦型の予想がつかない」

途中の雑談で、秀司「長沼の性格は温厚で、怒ったところを見たことが無い、
 神谷は豪放な見かけによらず、周りに気配りをする人」

先手長沼で居飛車、後手神谷の一手損角換わりかと思いきや、神谷は飛車を4筋に振って立石流にした
これも後手の有力な作戦ということだ

序盤、神谷がいきなり4筋の飛車先を交換し、角交換にもなり、相居玉での乱戦模様だ
神谷は左桂も早々に跳び、どうなることかと思われた 
秀司「神谷はアグレッシブですね」 ・・・が、互いに玉形を整備し、持久戦に落ち着いた

秀司「居飛車側が構想が難しい」と言っていたが、長沼は2枚落ちの上手のような陣形に組み上げた
神谷は自然な美濃囲いだ ここまでの序盤は、後手の神谷が不満なしに思える

先手の長沼、どうやって手を作るのか、と思われたが、▲8六角と打ち、一歩を取りに行った
そして歩を取ったあと、▲4五歩の突き出し! おお、この▲4五歩は好手っぽい!
これで角を4六に引けるようになった!
実際に、長沼、角を▲4六角と絶好の位置に引き上げることに成功!

この角の利きで、長沼は後手の美濃のコビン攻めを開始 歩での攻めが受けにくく、厳しそうだ
聞き手の本田「▲4六角は絶好の位置ですね」
秀司「神谷が困った感じ」
・・・うわ、これ、神谷は実際にかなり困ってるっぽい 
この局面、どっちを持ちたいかプロに聞いたら、100人が100人とも「先手」と言いそう・・・
画面にも、いかにも「困った」という顔の神谷が映し出された

その後、長沼のコビン攻めがもう受からなくなった 長沼は馬を作り、無条件の香得に成功した
神谷もがんばろうとし、秀司に「耐えがたきを耐え、ということですね」と言わせたが、
どうにもこうにも、この差はプロレベルではいかんともしがたかった

秀司「こういう駒得になる展開は長沼は涙が出るほど好き」
長沼さんのニックネームは「駒取り坊主」ですもんね

以下、駒得を広げてから長沼が危なげなく寄せ、長沼の完勝!

感想戦での神谷はボヤきっぱなしだった
神谷「▲4六角と引かれるおバカさんは世の中にいないよなあ~!
 本譜は角を引かれて完全に終わりだね ひどいね ▲4六角でオワだね
 感想戦、まだやりますか?」
ここは面白かった もう、それ以降の手順は、プロレベルでは感想戦をやっても仕方ないよね
事実上、▲4五歩の一手で決まった、という一局だった

勝因、敗因が明確で、単純明快で、自分としてはそれなりに楽しめた一局だった
NHK杯は熱戦を期待しているので、こういう内容ならガッカリするだろうけど、
銀河戦では色々な将棋が見れるのが醍醐味と思っているのでね