2010.05.08
解説会 その3
局面は、羽生が優勢、あとは羽生がどう仕上げるかを見るばかり、という状況になっていた
井上「三浦が粘るとしたら、▲1二角くらいかな~ あ、棋譜が来ました
あ、打ってますね▲1二角! しかし、私の予想が当たりだすようでは、もうアカンわけです」
・・・と、言っていたのだが、井上先生、色々検討してみたのだが、意外にも羽生のほうにこれと言った決め手が見つからないではないか?
井上「がんばれ三浦、ですよ~ 根性の角打ちですね」
羽生は、じっくり行く手もあったのだが、一気に寄せに出た
井上「あ、羽生のこの手が詰めろか」
あ~、やっぱり何もかも羽生の読み筋だったのか?
・・・が、検討の結果、三浦玉に決定的な寄りがないではないか??
羽生の一気の寄せに行った構想はどうだったのか?
井上「正直言って、寄せ合いにもならんだろうと思っていたけど、何かあったら三浦にチャンスあり、という局面になってます」
一気に寄せにいったにも関わらず、自陣に手を戻すことになった羽生、これはどう見ても変調だ
手が進むにつれ、さらに局面がどんどん複雑化していく
井上「これは恐ろしいことになってますよ 三浦の▲4五角成り、いい手じゃないですか、これは!」
な、なにぃぃ この将棋が難しくなっちゃうの?!
井上「こんな将棋じゃなかったはずです 羽生が完封で勝てる将棋だった
あれ~、この将棋がこんなことになるとはね~ これは恐ろしい・・・
私は今日は、8時半には終わって帰れるかな、と思ってたのに」
井上「これはもう、流れ的に羽生さんが勝てない将棋になってます
こんなことがあるんですね~」
会場に異様な空気が流れる まさか、羽生の大逆転負け??
井上「羽生は△6五桂打ち! こんな手指されたら、もうわけわからんな~
超難解な終盤になってます これはもう指運ですね」
三浦、必敗形からの怒涛の追い上げ! しかし、羽生も盤面に3枚桂を並べてがんばる
うおー、これはどうなるんだ
そして、いよいよ詰むや詰まざるやだ
なんと、完全に遊び駒と思われた1一のと金まで利いてきての詰み筋がある
相当に難解で、三浦に角で王手されたとき、
羽生は合駒を何にするかで詰むかどうか決まるという、まさにギリギリだ
棋譜が入ってくる
井上「おー、角で王手してる、打ってる!」
ここで羽生が角合い以外ではどれも長手数ながら詰み、ということが検討されていたが・・・
棋譜を受け取った井上先生、
井上「羽生もさすが! 角合い!」
ぐ、ぐおおお 見ごたえありすぎ どうなってしまうんだ
検討の結果、はっきり三浦勝ち、と出た
その順は、羽生玉を一気に詰ますのはいったんあきらめて、
王手桂取りをかけて角を引き成っておく、という順だ
井上「三浦、この順でいきましょ! しゃかりきに詰ましにいくよりね!」
おー、たしかに、その手順なら、自玉が完全に安全になり、羽生玉はもう寄りだ
三浦、ついに勝ちだ 羽生戦の連敗が12でストップだ・・・
・・・と思われた瞬間だった、三浦の指した手は、安全策ではなく一気に詰ましにいく王手の桂打ち!!
井上「あ~! これはどうかな~! これはどうかな~! この桂打ちはどうかな~! 59秒まで読まれて指したんだと思いますよ」
あああああ~!! 最後の最後で、三浦、痛恨の一手!!
井上「次の手は、三浦は『この手じゃもう勝てない』と泣きそうになりながら指したと思います
羽生に勝つというのはこんな大変なんですね 久保はよく勝ったと思いますね」
三浦は奇しくも即詰みではなく、自分が逃した安全策の縛りを羽生にかけられ、結果、羽生の勝ち・・・!!
あああ・・・ 三浦、惜しいなんてもんじゃない、勝ちまであともう数センチというところまで来ていたのに・・・!
井上「いや~、すごい将棋でしたね 三浦は次につながるんじゃないかな、と思います 長時間ありがとうございました」
お客「パチパチパチ」
その後、エミちゃんの写メールに写ってあげる井上先生がいた
あー、今回の解説会、長かった・・・
ホント、羽生に勝つっていうのはどんだけ大変なんだ、というのがよく伝わってきた
最後の最後、アマ1級くらいあれば指せるであろう安全策の勝ちを逃した三浦、もうそこまでに至る難解きわまる過程で疲れ切っていたんだろうね ちゃんとこの一局を見ていた人は、誰も三浦を責めないよ・・・
「燃えたよ・・・ まっ白に・・・ 燃えつきた・・・ まっ白な灰に・・・」
という三浦の言葉が聞こえてきそうな一戦だった (終わり)
井上「三浦が粘るとしたら、▲1二角くらいかな~ あ、棋譜が来ました
あ、打ってますね▲1二角! しかし、私の予想が当たりだすようでは、もうアカンわけです」
・・・と、言っていたのだが、井上先生、色々検討してみたのだが、意外にも羽生のほうにこれと言った決め手が見つからないではないか?
井上「がんばれ三浦、ですよ~ 根性の角打ちですね」
羽生は、じっくり行く手もあったのだが、一気に寄せに出た
井上「あ、羽生のこの手が詰めろか」
あ~、やっぱり何もかも羽生の読み筋だったのか?
・・・が、検討の結果、三浦玉に決定的な寄りがないではないか??
羽生の一気の寄せに行った構想はどうだったのか?
井上「正直言って、寄せ合いにもならんだろうと思っていたけど、何かあったら三浦にチャンスあり、という局面になってます」
一気に寄せにいったにも関わらず、自陣に手を戻すことになった羽生、これはどう見ても変調だ
手が進むにつれ、さらに局面がどんどん複雑化していく
井上「これは恐ろしいことになってますよ 三浦の▲4五角成り、いい手じゃないですか、これは!」
な、なにぃぃ この将棋が難しくなっちゃうの?!
井上「こんな将棋じゃなかったはずです 羽生が完封で勝てる将棋だった
あれ~、この将棋がこんなことになるとはね~ これは恐ろしい・・・
私は今日は、8時半には終わって帰れるかな、と思ってたのに」
井上「これはもう、流れ的に羽生さんが勝てない将棋になってます
こんなことがあるんですね~」
会場に異様な空気が流れる まさか、羽生の大逆転負け??
井上「羽生は△6五桂打ち! こんな手指されたら、もうわけわからんな~
超難解な終盤になってます これはもう指運ですね」
三浦、必敗形からの怒涛の追い上げ! しかし、羽生も盤面に3枚桂を並べてがんばる
うおー、これはどうなるんだ
そして、いよいよ詰むや詰まざるやだ
なんと、完全に遊び駒と思われた1一のと金まで利いてきての詰み筋がある
相当に難解で、三浦に角で王手されたとき、
羽生は合駒を何にするかで詰むかどうか決まるという、まさにギリギリだ
棋譜が入ってくる
井上「おー、角で王手してる、打ってる!」
ここで羽生が角合い以外ではどれも長手数ながら詰み、ということが検討されていたが・・・
棋譜を受け取った井上先生、
井上「羽生もさすが! 角合い!」
ぐ、ぐおおお 見ごたえありすぎ どうなってしまうんだ
検討の結果、はっきり三浦勝ち、と出た
その順は、羽生玉を一気に詰ますのはいったんあきらめて、
王手桂取りをかけて角を引き成っておく、という順だ
井上「三浦、この順でいきましょ! しゃかりきに詰ましにいくよりね!」
おー、たしかに、その手順なら、自玉が完全に安全になり、羽生玉はもう寄りだ
三浦、ついに勝ちだ 羽生戦の連敗が12でストップだ・・・
・・・と思われた瞬間だった、三浦の指した手は、安全策ではなく一気に詰ましにいく王手の桂打ち!!
井上「あ~! これはどうかな~! これはどうかな~! この桂打ちはどうかな~! 59秒まで読まれて指したんだと思いますよ」
あああああ~!! 最後の最後で、三浦、痛恨の一手!!
井上「次の手は、三浦は『この手じゃもう勝てない』と泣きそうになりながら指したと思います
羽生に勝つというのはこんな大変なんですね 久保はよく勝ったと思いますね」
三浦は奇しくも即詰みではなく、自分が逃した安全策の縛りを羽生にかけられ、結果、羽生の勝ち・・・!!
あああ・・・ 三浦、惜しいなんてもんじゃない、勝ちまであともう数センチというところまで来ていたのに・・・!
井上「いや~、すごい将棋でしたね 三浦は次につながるんじゃないかな、と思います 長時間ありがとうございました」
お客「パチパチパチ」
その後、エミちゃんの写メールに写ってあげる井上先生がいた
あー、今回の解説会、長かった・・・
ホント、羽生に勝つっていうのはどんだけ大変なんだ、というのがよく伝わってきた
最後の最後、アマ1級くらいあれば指せるであろう安全策の勝ちを逃した三浦、もうそこまでに至る難解きわまる過程で疲れ切っていたんだろうね ちゃんとこの一局を見ていた人は、誰も三浦を責めないよ・・・
「燃えたよ・・・ まっ白に・・・ 燃えつきた・・・ まっ白な灰に・・・」
という三浦の言葉が聞こえてきそうな一戦だった (終わり)
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