瀬川晶司四段vs広瀬章人五段   NHK杯 1回戦
解説 片上大輔

瀬川登場だ 対するは若手の実力者の広瀬 何気にマニアには好カードだ
瀬川は予選で村中、泉、金沢に勝って出場 広瀬は新人王戦の優勝で出場とのこと

事前のインタビュー
瀬川「僕がアマ時代に通っていた将棋センターに、広瀬君も来ていた
 広瀬君は気持ちの優しいいい男  1回目のチャンスから積極的にいきたい」

広瀬「瀬川さんは面倒見のいい先輩 日ごろからお世話になってます
 瀬川さんは丁寧な受け将棋、僕は攻め将棋なんでうまく揺さぶりたい」

今週こそは相穴以外で頼みます、という気持ちで見たNHK杯
ところで、今ごろ気がついのだが、棋譜の読み上げが甲斐女王ではないか! 
そうか、この人が新女王か 甲斐さん、メガネ姿の印象があって、気がつかなかった(^^; 
何年もNHK杯を見ていて、自分は何を見ていたんだ・・・orz

解説の片上「ブログ研と言って、渡辺、瀬川、遠山、そして私の4人で月に1回、研究会をやっている
 研究会では私は瀬川になかなか勝たせてもらえない」
そうか、そんなメンバーで研究会をしていたのか それも知らなかったな

片上「広瀬は1年前くらいから、色々な戦型を指し芸風を広げようとしている
 現役の早稲田大学生」 現役の早稲田の学生だったのか それも知らなかった

NHK将棋講座のテキストに、片上は「片上ファイル」という、各棋士がどんな棋風かなどを
まとめたデータを書いているそうだ 
矢内「ぜひ辛口で書いてください」
片上「そういう(辛口の)キャラクターと思われてるようで(^^;」
矢内「思ってます(笑)」
自分はテキスト、買ってないからな~ 片上ファイルのことも知らなかった
知らないことだらけの自分・・・(^^;

さて、戦型は先手瀬川の居飛車急戦▲4六銀型vs後手広瀬のゴキゲン△3二金型だ
3週連続の相穴も覚悟していただけに、これはうれしかった
片上「この形は一番流行の研究対象、練習将棋でよく指され、
 東京でこの将棋が指されない日はないくらい
 昨年度のNHK杯の準決勝の▲丸山vs△羽生もこれと同じ将棋だった」
あったねえ、その将棋ね さすがにそれくらいは覚えてる

瀬川がフタ歩で広瀬の飛車を閉じ込め、いきなり後手が飛車を切る展開だ
片上「本局はプロにも注目される将棋になりました」  
瀬川がどこに自陣飛車を打つのか注目されたが、▲5八飛打ちだった これも有力手だそうだ

角銀交換で先手の駒得だが、形勢はどうか
片上「戸辺君が言い出したんですが、『1マス理論』というのがある 玉が1路奥まっていると、
 角銀交換くらいの差がある、という理論 だから本局はそれにのっとっているので互角」 

片上「ここまで瀬川の研究範囲なのかも、形勢はやや瀬川よし」と言っていたが、
ここで瀬川らしい手が出る 受けの手、▲5八歩だ だが、これは問題だったようだ
片上いわく、「▲5八歩は瀬川らしい受けの手だが、すぐに▲1一角成りとしておきたかった、
 結果的に△5一香との交換になってしまった」
この後、先手から5筋に歩が立たず、先手は攻めに苦労することになった
まさか、こんな小さな疑問手が敗因にならないだろうな、と思ってこの先を見ていたのだが・・・

この先、お互いにミスの出ない緊迫した将棋になる
広瀬がじっと△1八竜と1マス引いたのも片上「一石二鳥の好手」
対して、瀬川が▲4一金とベタ金を打って、無理やり香を取りにいった手には、
片上も矢内も「おおお~っ!」と驚いていた テレビの前の自分も声をあげて驚いた(^^;

瀬川は▲7一銀と王手をかけ、一見、広瀬ピンチかと思えたが、広瀬は粘って決め手を与えない
片上「こういう狭いところでの折衝は広瀬が得意
 さんざん戦ったあげく、形勢難しい 本当に好勝負」
おいおい、どうなってるんだ レベルが高すぎじゃないのか まだ1回戦だぞ・・・

30秒将棋が延々続く中、この勝負の一番のハイライトと思った一手が広瀬に出る
片上「広瀬は一気に攻めていきそう」と言っていたのだが、広瀬が指した手は、
自陣を安全にする△5二金! うわ、これは堅い・・・ 竜が逃げていてはもう瀬川に勝ちはなさそう
瀬川、仕方なく竜を切っていったが、攻めが単調になってしまった

そして、広瀬は「見切り」を発揮した 
王手ラッシュで、瀬川玉を圧巻の23手詰みの即詰みに切って落とした!
歩しか余らない、ピッタリの詰みだ ぐぁ、つ、強い・・・ 
30秒将棋でこの読みの正確さ・・・ うへぇ

瀬川がフタ歩をして飛車を閉じ込めたのが25手目、終局は142手 延々100手以上戦っていたのか
一局を振り返って、片上「押し切りそうになったところで、少し苦しい側が盛り返して、
 押したり引いたりの大熱戦だった 短い時間の中でバランスを保って指す2人の技術に感心した」

ホント、これが1回戦の内容か、と思えるほど高度な応酬だった 屈指の好勝負だったよ
瀬川、負けたけど、実力の高さは存分に見せたと思う 
結局、瀬川の▲5八歩まで敗因はさかのぼるのだろうか
プロって、こんなレベル高いの?と思ってしまう一局だった 
いやいや、見ごたえ充分の将棋だった さすがNHK杯、両者よく戦ったな~ ふうー、満足だ