2010.05.28
先崎 学八段 vs 中田宏樹八段
第18期 銀河戦
本戦Eブロック 9回戦
先崎 学八段 vs 中田宏樹八段
対局日: 2010年3月26日
解説:藤井 猛九段
聞き手:山口恵梨子女流1級
記録:伊藤明日香女流初段
21年度の成績は、先崎22勝13敗 デビル20勝10敗 2人の対戦成績は先崎の7-1
解説の藤井「先崎は居飛車中心のオールラウンダー、相手によって戦法を使い分ける
デビルは居飛車の本格派、振り飛車を指しているのは見たことがない
B1に昇級して勢いにのっているデビルだが、先崎を苦手としている デビルがどう戦うか見もの」
先ちゃんの登場だ 先崎の対局を見るのは、NHK杯の羽生戦以来だ
あの一局はこれ以上ないくらいのボロ負けだったが、今回はどうか
先ちゃん、顔が奈良の大仏に似ている 対して、中田はやはり悪魔に似ている(^^;
奇しくも、大仏vs悪魔という、霊界決戦になった
先手先崎で、相矢倉模様になった
藤井「両者の最も得意としている戦法になりました
我々の世代は、まず矢倉があって、他はまとめてそれ以外の戦法、という世代です
矢倉は総合力の戦い、全部の駒を使って、勝っても負けても力いっぱい戦ったな、となりやすい」
▲早囲いvs△左美濃だ
藤井「先崎は対局のときはほとんどしゃべらない、真剣モードになる」
聞き手の山口「藤井九段は対局中、相手の表情を見ることはありますか?」
藤井「見ると、相手もこちらを見ていて、『ゲッ』となることがあります」
山口「(笑)」
先崎が3筋の歩を交換してきた手に対し、デビルが△3二飛と大きく回すかどうか、というところ
藤井「将棋はガマンしているほうがいいんですよ、経験上ね
でもつい技を仕掛けたくなっちゃうんです」
その藤井さんの、技を仕掛けたい、という発想が、藤井システムを生んだんでしょうね
藤井システムなんて、一局通して、全部の手でひとつの技みたいな戦法ですもんね
角交換になったあと、デビル、飛車を3筋に回してきた! これで完全な力将棋に決定だ
藤井「デビルは今日は形にとらわれない指し方、作戦面においてはデビルが逆用に成功している」
互いに敵陣に角を打ち込み、相手の攻め側の桂、香を取る手を狙うという展開
先崎は5筋の歩突きから攻め、わざと重く銀を打ち込んだ かわすデビル
先崎が後手の金取りに馬を引いたところが、この対局最大のポイントだった
デビル、ここで飛車を取らせたが、これが敗因となった
感想戦では、飛車を取らせなければまだまだ難しかったとのこと
藤井「先崎がうまくやっている、5筋の歩突きからうまく攻めをつないでいる」
ここから先は、先崎の独壇場になった
ノータイムで飛車打ちで王手しそうなところで、相手の応手を聞く自陣の飛車回りの手、
このタイミングでの飛車回り、これはどれだけの人が指せるだろうか
藤井「攻めと守りの手を交互に指す、先崎らしい手」
じっと竜をひとつ引いた手も、藤井「これはいい手、厳しい」
デビルが自陣に角打ちで粘った手に対して、藤井は「先手は指す手が難しい」と言っていたが、
先崎の指した手は、垂れ歩ならぬ垂れ香! これも攻めをつないだ好手
デビルは金銀4枚で守り、粘ろうとしたが、先崎は切れ味するどく、一気に寄せた
藤井は「デビルの希望は入玉です」と言っていたが、先崎はそれも的確に阻止した
結果、先崎の会心譜! 飛車を取ってからは、全く緩みのない手の連発だった
うわー、これはお見事!
自分は見ていて、次の一手がわからない局面が続いただけに、先崎の強さを実感した
藤井「鮮やかですね 一瞬、持ち駒が角と桂だけになって、攻めきれるか大丈夫かと思ったけどね
一局を通して、先崎の手作り、5筋からの手作りが非常に鮮やかだった」
いやいや、先ちゃん、ホントに見事だった 先崎のいいところが存分に出た好局だった
今回はとても強いところを見せてもらった
これでデビルとの対戦成績は8-1、これは特筆物だ
羽生戦のカタキをデビル戦でとった先崎、次の相手はタニーだ 次の一局も見ものだ
本戦Eブロック 9回戦
先崎 学八段 vs 中田宏樹八段
対局日: 2010年3月26日
解説:藤井 猛九段
聞き手:山口恵梨子女流1級
記録:伊藤明日香女流初段
21年度の成績は、先崎22勝13敗 デビル20勝10敗 2人の対戦成績は先崎の7-1
解説の藤井「先崎は居飛車中心のオールラウンダー、相手によって戦法を使い分ける
デビルは居飛車の本格派、振り飛車を指しているのは見たことがない
B1に昇級して勢いにのっているデビルだが、先崎を苦手としている デビルがどう戦うか見もの」
先ちゃんの登場だ 先崎の対局を見るのは、NHK杯の羽生戦以来だ
あの一局はこれ以上ないくらいのボロ負けだったが、今回はどうか
先ちゃん、顔が奈良の大仏に似ている 対して、中田はやはり悪魔に似ている(^^;
奇しくも、大仏vs悪魔という、霊界決戦になった
先手先崎で、相矢倉模様になった
藤井「両者の最も得意としている戦法になりました
我々の世代は、まず矢倉があって、他はまとめてそれ以外の戦法、という世代です
矢倉は総合力の戦い、全部の駒を使って、勝っても負けても力いっぱい戦ったな、となりやすい」
▲早囲いvs△左美濃だ
藤井「先崎は対局のときはほとんどしゃべらない、真剣モードになる」
聞き手の山口「藤井九段は対局中、相手の表情を見ることはありますか?」
藤井「見ると、相手もこちらを見ていて、『ゲッ』となることがあります」
山口「(笑)」
先崎が3筋の歩を交換してきた手に対し、デビルが△3二飛と大きく回すかどうか、というところ
藤井「将棋はガマンしているほうがいいんですよ、経験上ね
でもつい技を仕掛けたくなっちゃうんです」
その藤井さんの、技を仕掛けたい、という発想が、藤井システムを生んだんでしょうね
藤井システムなんて、一局通して、全部の手でひとつの技みたいな戦法ですもんね
角交換になったあと、デビル、飛車を3筋に回してきた! これで完全な力将棋に決定だ
藤井「デビルは今日は形にとらわれない指し方、作戦面においてはデビルが逆用に成功している」
互いに敵陣に角を打ち込み、相手の攻め側の桂、香を取る手を狙うという展開
先崎は5筋の歩突きから攻め、わざと重く銀を打ち込んだ かわすデビル
先崎が後手の金取りに馬を引いたところが、この対局最大のポイントだった
デビル、ここで飛車を取らせたが、これが敗因となった
感想戦では、飛車を取らせなければまだまだ難しかったとのこと
藤井「先崎がうまくやっている、5筋の歩突きからうまく攻めをつないでいる」
ここから先は、先崎の独壇場になった
ノータイムで飛車打ちで王手しそうなところで、相手の応手を聞く自陣の飛車回りの手、
このタイミングでの飛車回り、これはどれだけの人が指せるだろうか
藤井「攻めと守りの手を交互に指す、先崎らしい手」
じっと竜をひとつ引いた手も、藤井「これはいい手、厳しい」
デビルが自陣に角打ちで粘った手に対して、藤井は「先手は指す手が難しい」と言っていたが、
先崎の指した手は、垂れ歩ならぬ垂れ香! これも攻めをつないだ好手
デビルは金銀4枚で守り、粘ろうとしたが、先崎は切れ味するどく、一気に寄せた
藤井は「デビルの希望は入玉です」と言っていたが、先崎はそれも的確に阻止した
結果、先崎の会心譜! 飛車を取ってからは、全く緩みのない手の連発だった
うわー、これはお見事!
自分は見ていて、次の一手がわからない局面が続いただけに、先崎の強さを実感した
藤井「鮮やかですね 一瞬、持ち駒が角と桂だけになって、攻めきれるか大丈夫かと思ったけどね
一局を通して、先崎の手作り、5筋からの手作りが非常に鮮やかだった」
いやいや、先ちゃん、ホントに見事だった 先崎のいいところが存分に出た好局だった
今回はとても強いところを見せてもらった
これでデビルとの対戦成績は8-1、これは特筆物だ
羽生戦のカタキをデビル戦でとった先崎、次の相手はタニーだ 次の一局も見ものだ
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