第18期 銀河戦
本戦Hブロック 9回戦
阿部 隆八段 vs 野月浩貴七段
対局日: 2010年4月8日
解説:丸山忠久九段
聞き手:藤田 綾女流初段
記録:井道千尋女流初段

21年度の成績は、野月23勝16敗 阿部15勝20敗 2人の対戦成績は1-1

解説の丸山「野月は筋のいい軽快な居飛車党
 阿部は野月とは対照的に、重厚な居飛車党」

野月は金髪に染めていて、顔が日焼けしている 阿部はいつもどおりやや丸っこい体型

先手野月で居飛車、後手阿部のゴキゲン中飛車になった
丸山「居飛車党でもゴキゲンを指す人は多いですね」
戦型は、▲居飛車4六銀型vs△ゴキゲン5筋位取りだ

後手の△4五歩が来たが、野月は▲同銀と取ってしまう作戦
丸山「△3三桂で銀が死んで、桂との交換になるが、
 銀と桂、歩の2枚換えなので、野月は互角と見るということだろう」

互いに美濃に囲って、丸山「お互いの主張が通った序盤」
丸山は口数も適度、解説が実にわかりやすいわ 雑談はほとんどないけど(^^;

中盤、阿部がうまい構想を見せる 銀を先手陣に打ち、じっと成りかえっておいた
成銀が遊ぶかもしれないので、怖いところだが、本局はこの成銀が働いた
丸山「阿部が満足な展開」

盤面を制圧され、苦しくなった野月、端攻めに活路を求めたが、阿部は的確に対応、
端はどっちがポイントを上げたのかよくわからない結果に終わった
阿部は美濃の6一の金を、なんと△5二金と上がり、
「もう中央から手は作らせません、この勝負、負けません」と言わんばかりだ 
丸山も△5二金を見て「これは手厚い手ですね」

このまま阿部の押し切り勝ちか、と思われたが、野月が勝負手を指す
阿部の9筋の叩きの王手に、野月は玉を下がる一手と思いきや、玉を上がった!  
自分は「まさか玉は上がらないだろう、怖すぎるもんな~」と思っていただけに、びっくりだ

両者、「この一手」というところはノータイム指し、気合と気合がぶつかっている
聞き手の藤田「着手が速いですね(^^;」

野月はなんとか寄りは免れたものの、金損するハメになった
阿部はどんどん早逃げして、入玉をほぼ確定させてしまった
丸山「これでもう後手玉は寄りはなくなりました」と、言っていたのだが・・・

野月が粘り、局面、相入玉模様になった 
手が長く続いたが、阿部は、野月の竜を詰ませることに成功、
あ、点数計算で大駒は5点だから、阿部が勝ちになったのだろうか、と思いきや、
なんと野月が突如、寄せに行った!? あ、あれ? 阿部玉、やばいの?
そうか、竜を詰ませる時に、金を2枚先手に渡したから、ピンチになってるのか!

で、阿部玉に必至がかかってしまった ガーン
ここまで、ずっと細かい攻防だったのに、最後の最後で大技がかかった一局だった
結果、169手で、野月の逆転勝ち

丸山「阿部が押していたが、野月の粘りが成功して逆転した、大熱戦だった」
あ~、阿部、最後は集中力が切れたのかもしれない
相入玉模様で、自ら寄せに行って、竜をうまく召し取ったと思いきや、
いきなり自玉が必至をかけられる、という結末だった

当然の一手のところではお互いノータイム指し、という将棋だったので、
24での将棋を観戦しているみたいな一局だった
負けた阿部にしてみたら、やっぱり常に28秒まで考えたほうが良かったか・・・
阿部は悔いが残る一局だったかもしれない
時間の使い方について、考えさせられた将棋だった