<第103話>
『それぞれの前夜 男子編 民宿にて』
(そのころ 西風将棋部 男子部員たちは──
 やっぱり将棋を 指していた やるコトないから)

(馬島と対局する角野 観戦する飛鳥田)
角野“こいつ変わった・・・ 指し手が慎重になった・・・”

角野「おい ウマ」
馬島「?」
角野「お前 どうして 部に戻ってくる気になった? 何があった?」
馬島「・・・・・・」
角野「AO入試対策の 部活捜し してたんじゃねぇの?」
飛鳥田「角野くん!」
角野「いいから 教えろよ ウマ」

馬島「・・・・・・」
角野「・・・」
飛鳥田「・・・」
馬島「オレは・・・ いい手を指せばいいと思った 最善手(テ)ってヤツな」
飛鳥田「最善手(シュ)」
馬島「だがな・・・ それだけじゃねぇんだ」

飛鳥田「誰かと対局したの?」
馬島「浅利ってヤツ」
飛鳥田「えー もしかして世界アマ王者の? それすごい!!」
馬島「たしかにすごかったよ まぁ見ろよ」
(駒を並べ始める馬島)
角野「これ・・・ その王者とウマの将棋?」
馬島「ああ・・・ こっちオレ」

飛鳥田「これ 馬島くんの勝ちじゃない!?」
馬島「そう 見えるな・・・」
飛鳥田「勝ったの? 世界王者に!?」
馬島「んで 王者が こういう手やって こうしてこうして・・・」
飛鳥田「・・・え?」
角野「なにコレ? 馬取らねぇの・・・?」
飛鳥田「──って あれ? こ・・・これは・・・ え? 詰み? 詰み? な なんでなんで?」
角野「ど・・・ どこから読んでたんだよコレ? どうやってこんな形を!!」

(王者の手に呆然とする飛鳥田と角野)
飛鳥田・角野「・・・・・・・」
馬島「な・・・?」

(馬島、盤上を指差しながら)
馬島「将棋って ココ 81マスの中 だけじゃねぇ・・・
 たぶんもっと深く たぶんもっと広い もっと高く もっと遠く もっと もっと」

ドドドド ドッ
大海原の上に、3人がポツンと浮いている絵が大ゴマで描かれています
海鳴りが3人には聞こえてます 

(呆然としたままの飛鳥田)
飛鳥田「──よ・・・ ようするに 将棋は奥深い・・・と?」
馬島「将棋の本質に触れる不安から 目をそらすために 安易な言葉にまとめないでくれるか?」
(主役の座を馬島に奪われ、コケる飛鳥田)

馬島「鷹洋がいっくら強いっつっても そんな奥深さや広さまでは いってねぇだろ?
 つけいるスキはある」 
角野「・・・」

馬島君、目がマジです カッコよくなってます・・・

(やっと馬島が真面目になって、うれし涙を流す飛鳥田)
飛鳥田“うるうるうるうる”
馬島「そういう目で 人を見るなって(^^;」

馬島「オレはAO入試に 有利な材料が 欲しいだけだっつうの!!」
角野「ハハッ まあそれでいいや」
飛鳥田“うるうる”

角野「明日は 女子を応援しつつ 全国がどのくらい 深くて広いか 見てやるか」
馬島「そういや 鳥山と いい感じなんだって?」
角野「な・・・! ん・・・ んなこと ない!! ない!!」

角野君、ムキになって否定しなくてもいいんじゃないですかね 純情ですね(笑)

『──と大会前夜の 夜はふけて 高校将棋選手権 全国大会 1日目開幕!!』 (つづく)