<第104話>
(会場に向かって歩く西風の一同)

鳥山香「お腹痛い 気分悪い お腹痛い 気分悪い お腹痛い(以下エンドレス)」
角野「お前 ちゃんと 食ってんのかよ?」
鳥山香「食べられないもん アメあるから いい」
角野「しょーがねーなー」
(チョコレートを差し出した角野)
角野「食っとけ お前はよくても 脳ミソは糖分 欲しがるから」
(赤面して受け取った鳥山香)
鳥山香「ありがと・・・」

(内村と馬島、聞こえよがしに)
内村「奥様 お聞きになりましたぁ?」
馬島「全国大会まで来て イチャついてるのに お腹痛いもんですかねぇ~」
角野「おい!! そこ!!」

キイッ(会場の扉を開いたとたん、そこは人だかりだった)
ザワアアア
飛鳥田「ウァ・・・ これ全員 選手?」
角野「すげ」
馬島「女子も 結構いるじゃん」

会場、人で熱気にあふれてます

(ビビる女子3人)
内村“ひぃ・・・”

番「あ 武藤先生 西風のみなさん お久しぶりです」
飛鳥田「あ 番さん」
内村「おー 高校将棋の 女王!!」
ウニャー(番の腕に抱きつく内村)
番「え? 参加者が多くて ビビった? 日本中でこの何十倍も 将棋指してるのよ?」 
飛鳥田“内村さんいつの間に そんなに番さんになついた?”

三条良乃「あ」
三条良美「む!! 番!!」
良乃「“番さん”やろ!?」
ズムッ(呼び捨てにした良美の脳天に、チョップを食らわせた良乃)
番「あ 三条さん お久しぶり」

良乃「妹なの 1年生」
番「へぇ~ かわいいですね」
(良美、頭を押さえながら)
良美「なんやのん あんたら やっぱり番のスパイやん!」
鳥山香「ちゃいますねん」

良乃「いい将棋 指そうね」
番「ハイ がんばります」

(去っていった三条姉妹)
飛鳥田「今の誰?」
内村「京都の三条さん おととしの選手権者 おととしの覇者と昨年の覇者・・・
 なんかもォ 次元ちゅうか 世界が違いすぎて・・・ ハア・・・」
飛鳥田「と・・・ とにかく指定の席に 行こうよ」

『女子団体戦は 1日目に予選リーグ3戦(2勝で本戦トーナメントへ)
 本戦トーナメントのベスト8まで決める 2日目に優勝まで決める』

(大将の成田の振り駒で、副将、三将の先手後手が決まった)
役員の人「時計の準備は できていますか? 20分の30秒です
 入玉の規定は27点法で・・・ 感想戦を行う前に 双方の大将は そろって勝敗の報告に来てください
 助言などの反則行為は・・・ それでは始めてください」

みんな「お願いしまーす」 「お願いします!」 「しまーす」 「っす!!」
バシィ バン バキィ ダッ ビーッ ダン ビーッ バシッ

『西風女子チーム 初の公式戦開始である!!』 

ついに試合開始です!

<第105話>
『西風女子チーム 初の公式戦は なんと全国大会の1回戦なのだった』 

相手の三将「あの・・・ あの・・・ 三将の人」
内村「は? は?」
相手の三将「私 先手番なんですが 時計押してください・・・」
内村「あ・・・ す すいません」
カシャッ(あわてて時計を押した内村 横目で見ていた鳥山香)
鳥山香“・・・ だ・・・ だめだ・・・ 内っちん 完全に浮き足だってる・・・
 3人対3人だから 1人負けると後がないし・・・ 1回負けると 予選突破がグッと難しくなる
 となると 私が負けでもしたら・・・ また成田さんに勝ち誇られる!!”

(胸を張り、脇を締め、拳を握った鳥山香 後ろで見守る、飛鳥田と角野)
鳥山香“絶対 勝つぞ!! 大丈夫 武藤先生と先輩たちが ついてる!!”

先手:鳥山香
後手:相手の副将

▲7六歩
*ピシィッ
△3四歩
*カチッ
▲2六歩 △8四歩 ▲6八銀
*カシィッ
*飛鳥田・角野「!!」
△8八角成
*(相手、間髪入れずに0秒で)
*ドン!!
*(目が目玉焼きくらい大きくなった鳥山香)
*鳥山香「!!」
まで6手で後手の勝ち

鳥山香“か・・・ 角素抜かれ・・・”
(完全に白目になった飛鳥田・角野・鳥山香)
鳥山香「ま・・・負けました・・・」

以上6手まで 後手の勝ち──

(いったい何事かと、驚愕する隣りの内村と成田)
涙目になった内村“か・・・ か・・・ 開始1分で 負けるなぁ!!
 ひぃいい もう私が負けられないじゃないのよォ~ あうあうあううぅ!!”

鳥山香“お・・・ 終わった・・・ たった6手で・・・”

鳥山さん、口からエクトプラズムを吐いてます

『鳥山の敗戦で 一挙にピンチに陥った西風だったが 
 約10分後 大将の成田 三将の内村が 相次いで勝ち!! 公式戦初の勝利となった!!』

(冷や汗をかいている、西風の面々)
飛鳥田「1分で星1つ落として 10分でチーム勝利」
角野「大会の最短記録じゃねぇの?」

(が、見ると、すでに結果報告している参加者の列ができていた)
角野「女子の対局 速っえぇー(^^;」

ずーん(顔を上げることさえできず、落ち込む鳥山香)
内村「大丈夫だよ 鳥ちゃん 私と成ちゃんで なんとかするから ね? ね?」
成田「そうそう ムリせず 自分のできる仕事 してくれればいいって」
飛鳥田“みょ・・・ 妙な具合に チームワークが 良くなってる気がする・・・”

鳥山香「・・・・・・」
(イスにへたりこんで、頭をヒザにくっつけたまま、ピクリとも動けない)

鳥山さんといえば、物語の初期の頃は、沈着冷静で聡明なキャラクターだったのですが、
この変わりようはいったい・・・(笑) とにかくチームが勝って良かったですね(^^;  (つづく)