第18期 銀河戦
本戦Cブロック 10回戦
杉本昌隆七段 vs 行方尚史八段
対局日: 2010年5月25日
解説:阿部 隆八段
聞き手:山田久美女流三段
記録:渡辺弥生女流2級

21年度の成績は、杉本12勝19敗 行方21勝16敗 2人の対戦成績は行方の7-2

解説の阿部「杉本といえば振り飛車だが、最近は先手番になると居飛車の採用率が高い
 棋風の変革を目指している最中 昔から居飛車を指して見たいという気があったようだ
 自陣に金銀を平気で投入するので長手数の将棋が多く、160手くらいいくことが多い
 行方はオーソドックスな居飛車党で本格派 中、終盤重視型 粘り強い
 お互いに長考派」

先手杉本で、角交換から、杉本の力戦振り飛車に行方が居飛車で対抗する将棋なった
序盤早々、もう油断ならない局面とはいえ、お互いにじっくり時間を使って考えてる
阿部「見てる方は、今は退屈かもしれませんね(笑)」

行方はふんだんに時間を使い、左美濃を完成させるまでにもう5回も考慮時間を使った
ホントに長考派だ(^^; 

角交換したが、また互いに自陣に角を打ち合う展開
聞き手の山田久美「これなら角交換しなければ良かったのにって思いました(笑)」

杉本がシンプルな攻めに出る 8筋からの棒銀、振り飛車側からの棒銀だ
阿部「どちらの読みが上回っているのか」
行方はどう受けるのか・・・って、おいおい、変化の余地がなく、
行方、飛車の頭に成銀をモロに突っ込まれちゃったぞ こんなんでいいのか?

しかも、行方、もう考慮時間を全部使い切り、30秒将棋だ
阿部「形勢は杉本がいいが、行方はちょっと悪いくらいのほうが力を発揮する」
あの~、行方、序盤にさんざん時間を使って考えていたのは何だったんだろうか(^^;

杉本、成銀は遊んだものの、桂香が取れて丸得、竜もできた
が、ここで杉本にこの一局を左右する致命的な疑問手が出てしまう
▲2六桂と打ったのだが、すかさず行方に△2四歩と催促され、杉本は急に忙しくなってしまった
桂がかえって負担になった・・・
阿部「桂打ちはたぶん悪い手 行方としてはありがたいと思ったはず」
この桂打ちは、打った瞬間、自分も「えっ? もう桂を使うの?」と思った

この一手を境に、形勢は混沌とした むしろ、行方のほうが指し手がわかりやすい感じ
あとは、お互いの腕力勝負になった 双方30秒で、どうなるかわからないが、行方が押している
阿部「杉本が困った」と言っていたが、杉本、渾身の攻防の角打ち!
が、行方、駒損になるのを放置して、急所に桂打ちの切り返し!
自陣の桂が跳べるところに桂を打つという、なかなか見ない筋だ ここは魅せたね~

複雑な終盤で、歩以外の駒が同時に4つもタダ取りの当たりになっている、
という局面が出現、これはめずらしいね

杉本の玉が薄すぎ、得意の自陣に金銀を打つ粘りが効かなかった
行方は優勢になってからは、いきなり受け重視になり、辛い手を選択、
阿部「勝ちになると手堅いからなあ~(笑)」
結果、116手で行方が逆転勝ちした

阿部「2人らしい将棋だった、行方の終盤の悪力(あくりき)が出ましたね」
あ~、でも、中盤以降、30秒将棋がずっと続いたこともあっただろうが、
2人ともやや指し手が雑な感があった

行方は序盤で時間を使いまくったのに不利になり、杉本はうかつな桂打ちから逆転された
その後の攻防も、レベルは高いけど最善の応酬とは思えなかった
・・・もちろん、阿部の解説があって初めて、自分はわかることなんだけどね(^^;

どちらにしろ、今回の内容では、2人とも、超一流を相手に勝つのは難しい、と思わざるを得なかった
もう銀河戦もトッププロが出てきている、見ているほうとしても最高のレベルを期待してしまうね