第18期 銀河戦
本戦Dブロック 10回戦
木村一基八段 vs 山崎隆之七段
対局日: 2010年4月23日
解説:北浜健介七段
聞き手:山口恵梨子女流初段
記録:伊藤明日香女流初段

土曜に放送された一戦 実力者同士の好カードだが、W杯のオランダ戦と放送時間がかぶってしまい、
視聴率は相当低かったかも(^^;
21年度の成績は、木村24勝23敗 山崎35勝19敗 2人の対戦成績は木村の4-3

解説の北浜「木村は千駄ヶ谷の受け師、形勢が悪くなってもあきらめない、闘志あふれる粘り強い将棋
 解説の時はサービス精神旺盛で、面白い 扇子に『楽勝』と書く茶目っ気もある
 山崎は形にとらわれない力強い棋風 序盤は人まねを嫌い、終盤は混戦で力を発揮する
 周りに気配りする人」

先手木村で、序盤から駆け引きがあり、矢倉調の力戦になった
▲菊水矢倉vs△8四角型のいわゆる3手角+右四間だ

駒組みが終わり、木村のほうから打開する順が自分には見えなくて、山崎の作戦勝ちかと思っていたら、
▲8五桂△同桂▲8六歩と、先に桂を捨てる順で木村が打開した
そうかあ、この桂捨てがあったかあ 

その後、お互いに桂を打ち合い、角を取り合う展開
この展開は北浜は全く予期していなくて、
北浜「え? 角を取り合いましたね・・・ 山崎の攻めが続くんでしょうか?」と言っていた
そうだよね、後手は、銀、桂の両取りが残ってしまい、これ、後手困ってるんじゃないの?
山崎、どうするの? と自分も思っていたら、角の打ち込みから、取られそうだった銀の突っ込みで、
見事に攻めをつなげた 取られる直前の桂が利いていてこそ成立した攻めだ
北浜「ん~、なるほど、攻めをうまくつなげましたね!」 山崎、さすがだ

山崎ペースか、と思われたが、木村も受け師の本領発揮、飛車を3段目にひとつ浮く、軽い受け!
北浜「これはいい手ですね! んー、これはなるほどという手が出ましたね」
北浜は感心しきりだ 両者強いねえ 

木村の玉は中段に上がり、なんだか入玉の匂いがする 木村の得意の展開か
聞き手の山口「将棋は寄せるだけが将棋じゃないというのを表してますね」

木村はこのまま上部を開拓して、入玉狙いかと思いきや、攻めていった
これが結果的にどうだったか 入玉狙いでいけば、木村が勝っていたんじゃないかな~
攻めていってくれたほうが、見てるほうとしては面白いんだけどね

木村の攻めに、山崎は強気な受けで対抗、自陣を薄くさせられたが、山崎の持ち駒が増えた
木村が歩切れになった瞬間を見て、山崎はすかさずカウンターで攻め合いに!
この大局観が、結果的に山崎の勝因となった
北浜「木村は歩切れが痛い この瞬間での攻め合いを木村はうっかりしたのかも」
一方の山崎のほうには、駒台に歩がなんと8枚もある(^^;

山崎は攻める手と受ける手を交互にうまく織り交ぜて指し続けている
うーん、こういう風に指すのは相当難しいんだけどね
山崎、木村の勝負手にも惑わされず、的確にリードを保っている さすがに強いねえ

だけど、まだまだ木村のほうも玉が堅い、山崎は持ち駒はいっぱいあるが、その中に桂が3枚もある
これをうまく使えるのか、自分なら到底無理だが・・・ と思っていると、
山崎は持ち駒を使わずに、まずは「端玉には端歩」の歩突きの攻めを見せた
これは自分にはまず指せないな~ 自分だと、持ち駒を打つ手しか考えられないわ

この端攻めがド急所だったようだ 木村の玉形を乱した後は、山崎は桂3枚を見事に使い、
最後は21手詰みの即詰みに切って落とした 158手で山崎の勝ち!
わあー、山崎、強い・・・ 桂3枚って、なかなか使えないよね
北浜「見事な詰みでしたね 大熱戦でした」

終盤が長く続き、局面がどうなっているのかの判断と、キッチリとした読みの両方が必要で、
理解するのが難解だった一局だった さすがにレベルが高いね 
自分はちょっと置いていかれ気味だった(^^;

感想戦が時間が押してしまい、なかったが、木村の敗因は、81手目に攻めていったところまで戻りそうだ
逆に山崎のカウンターを食らってしまった

山崎、やっぱり強いねえ 最後の21手詰みは、時間をあまり使ってなかったもんね
去年、大和証券杯で優勝したけど、タイトル戦にももっとどんどん出て欲しい棋士だ
これで決勝トーナメント進出決定、次は佐藤康光との個性派対決だ これも楽しみなカードだ