第18期 銀河戦
本戦Eブロック 10回戦
谷川浩司九段 vs 先崎 学八段
対局日: 2010年5月19日
解説:阿久津主税銀河
聞き手:野田澤彩乃女流1級
記録:伊藤明日香女流初段

木曜の夜、W杯のデンマーク戦の前に放送された一戦 楽しみなカードだ

21年度の成績は、タニー21勝16敗 先崎23勝13敗 2人の対戦成績は5-5のイーブン
なんと、先ちゃん、タニーと五分五分ではないか 羽生との対戦成績が1-14であることを考えれば、
奇跡的な数字かもしれない 

解説の阿久津「タニーは居飛車党、終盤の光速の寄せで有名
 先崎も居飛車党、混戦になって力を発揮する粘り強い将棋
 この2人のカードだと、後手番になったほうが飛車を振ることが多いが、
 振った側の勝率が悪い」

2人ともほっぺたがふくらみぎみだが、先崎のほうがよりふくれているように思う
先崎の顔は、大福モチに似ていると思うがどうか
先崎のほっぺたを伸ばしたら、中からアンコが出てきそうだ

先手タニーで、居飛車 後手先崎は飛車先を2つ伸ばしてから、角道を止めて飛車を振る、という
いわゆる陽動振り飛車の作戦だ
阿久津「8五まで伸びている後手の歩が負担になるかがポイント」

玉の囲い合いになり、タニーの囲い方が注目された タニーは手順の流れのままに矢倉に組んだ
▲矢倉vs△美濃+四間だ 普通に考えると、四間飛車に対して矢倉に囲う人はまずいない
見ていて、これはやや後手の作戦勝ちなのか?と思った

ところが、解説の阿久津が面白い手順を言っている なんと、先手から▲6五歩と突く順がある、
というではないか △同歩でタダなのだが、これで後手玉のコビンが開いて、
2筋で飛車角交換した後に、王手飛車の筋がある、とのこと おお~、そんな手筋があったのか
これはこわいね で、実戦でもタニーが▲6五歩と行った!

先崎は△同歩と取れず、丸々一歩取られてしまった
阿久津「先崎は▲6五歩を見落としていたのかも タニーが一本取った感じ
 先崎は勝負師なんで、あまり時間を使わずに歩を取り込ませましたね
 時間を使うと、見えてなかったことが相手にバレますからね 
 こんなに早く歩を取られていいはずがないんですけど(笑)」
局後の感想戦で、先崎「見えてなくてまいりました」
タニー「いやいや、(先崎さんはそんなことでは)まだまいらないでしょう ふふ」

この後、タニーが面白い構想を見せる なんと▲5七銀と上がったではないか 
これは△6五桂で両取りがかかるところにわざと銀を上がる手だ 
しかし、よく考えて見ると、銀桂交換になったあとの陣形が先手がすごくいい 
後手は△6五桂といくことはできない!
そうかあ、こういう手が指せれば、タイトルも取れるんだね

が、先崎も飛車を3筋に回して、反撃に出た 
阿久津「先崎が盛り返した、後手の形勢が好転してきた」
先崎、飛車交換に自ら飛び込む、強気な指し回し! 
だが、6筋にキズを抱えていたので、これはやりすぎだったようだ
すかさずタニーに▲6三歩成と指され、これを△同金左と取ることが出来ない・・・
阿久津「まさか△同金右と取る手はないでしょう それは幸せになれない形ですから」
と言っていたが、先崎は△同金右!
うわ、先崎、形にこだわらないのが持ち味とはいえ、これはすごいな~(^^;
ただ、感想戦ではこの一手しかなかったとのこと これではつらいね
序盤に歩をタダ取りされた罪が、やっぱりここにきてたたったね

攻め合いになったが、後手陣がバラバラ、どうにも勝ち目がなかったようだ
タニーにド急所に角を打たれ、上下から挟み撃ちにされた
一瞬、先手の攻めはどうやるんだろう、まだ難しいのか?と思った場面があったが、
タニーは自陣の桂を跳ねて、攻撃に参加させる、という盤上この一手の好手を放ち、攻めをつなげた
あとは、先崎の攻めのめんどうを見てから、確実に寄せた 最後はかなり差がついた
結果、タニーの快勝!

この一局のポイントは、やはり序盤で6筋の歩をタダで取ったことにあるね
先崎らしい、うっかりだったね(笑)
ただ、この後手側の作戦、8筋の歩を伸ばしてから飛車を振る、という作戦、かなり有力で面白いと思った
定跡をはずすことができるし、先手は玉をどう囲うか、迷うだろうからね 自分も今度指して見ようと思う