第18期 銀河戦
本戦Aブロック 最終戦
渡辺 明竜王 vs 藤井 猛九段
対局日: 2010年5月14日
解説:加藤一二三九段
聞き手:中村桃子女流1級
記録:野田澤彩乃女流1級

いよいよ渡辺の登場 対するは藤井 楽しみな一戦
21年度の成績は、藤井16勝15敗 渡辺37勝13敗 2人の対戦成績は、渡辺の3-2

解説のヒフミン「藤井は振り飛車が強いが、最近は居飛車、特に矢倉も指している 
 NHK杯で優勝あり、早指しも得意
 渡辺は完全な居飛車党、竜王6連覇中、A級での活躍が楽しみ 銀河戦は過去2度優勝」

先手藤井で、相矢倉に進んだ 
ヒフミン「渡辺は矢倉が得意です」
藤井の矢倉と言えば早囲いだが、本局もそうなった
藤井は独特の工夫を凝らしているようで、
なんだかよくわからないうちに無事に早囲いで玉を固めるのに成功した
▲6六銀右型の、4枚矢倉だ

ヒフミン「どちらも不満のない展開かと思います」
・・・と言っていたら、藤井、飛車を中飛車に振ってきた!
ヒフミン「目を見張るような一着です」
渡辺も中飛車にして5筋を受けたが、5筋を無条件に一歩交換されてしまった
なんだか藤井の作戦勝ちに思える
先手は右銀は6六でいい形、角もいい位置、飛車も手順に引き飛車、藤井の主張が全部通った感じだ
渡辺、こんなんでいいのかな?と思って見ていた

渡辺、大丈夫なのか、と思っていたら、△7三銀と一回上がった銀を、△6二銀と引いて受けた!
おおー、これは見ない手だ これが竜王の実力か?
ヒフミン「これはなかなか思いつかない、指しにくい手です」

しかし、藤井の攻め駒がいい位置、渡辺は動かざるを得なくなった
ヒフミン「渡辺の中飛車が中途半端かも」
ここで、また渡辺が驚くべき手を指す
藤井が中飛車なのに、渡辺、攻めを呼び込む、△5五歩! 
さらに、△6二銀をもうひとつ下げる△5一銀! 徹底防戦だ
ヒフミン「△5一銀、はあ~ こういうところはですね、うーん、なかなかですね、指しにくい手ですね~」

が、しかし、渡辺のこれらの手、いかんせん不自然すぎた
どれもこれも、棋理に無い手だもんね・・・ どうにもこうにも、渡辺、苦しくなってしまった
ヒフミン「藤井が優勢と思いますよ 渡辺としては困った感じです」 
なんと、渡辺、藤井に桂で王手角取りをモロにかけられてしまった!  
ヒフミン「藤井としては気分がいいでしょうね 渡辺は受け一方で不本意な将棋になってしまった」

藤井、駒得した後は、手なりで寄せていき、109手で藤井の快勝となった
渡辺としては全くノーチャンスだった
ヒフミン「藤井の積極的な指し回しで、会心の勝利だった」

え~・・・ こんなんでいいのか、渡辺・・・ 
感想戦では、渡辺「中盤から後は苦しすぎた もう終盤はひどすぎた」

渡辺の△6二銀も、△5一銀も、全部苦し紛れの手だったんだねorz
結局、この将棋の勝負所は、序盤の構想にあったことは明白だ 
藤井の序盤戦術、恐るべし、と言いたいところだけど、
矢倉が得意で竜王6連覇中の渡辺をして、この大差負けはどうにもこうにも・・・
熱戦を期待していただけに、かなり残念だった

矢倉って、定跡が山のようにあるよね 渡辺ともなれば、それをほぼ全部知っているよね
それがこんな作戦負けになるっていうのは、どういうことなんだろう
正直、今までの定跡の意味って何?と問いたくなるような一戦だった(^^;

これでAブロックからは、クッシーが4連勝で最多勝ち抜き者、
藤井が2連勝で最終勝ち抜き者になり、決勝トーナメント進出になった