第18期 銀河戦
決勝トーナメント 1回戦 第5局
藤井 猛九段 vs 中田 功七段
対局日:2010年7月2日
解説:先崎 学八段
聞き手:里見香奈女流名人・倉敷藤花

聞き手の子、見たことがないぞ、誰だこれは?と思ったら、里見女流だった(^^;
里見が聞き手をするのは初めて見る 解説の先ちゃんはよく見るね

22年度の成績は、藤井7勝2敗 コーヤン1勝4敗 2人の対戦成績は藤井の3-1
先崎「藤井というと藤井システムで一世を風靡(ふうび)、最近はその戦法は使っていないが
 粘っこさはあいかわらず この数ヶ月は好調、優勝を狙っていると思う
 コーヤンは軽快なさばきの三間飛車党、ハマると強いタイプ 終盤、手が見える
 中盤まで互角だと、コーヤンにもチャンスがあると思う」

先手藤井で、初手から▲7六歩△3四歩▲9六歩△1四歩と進む
そして、戦型はなんと、相振りの相四間飛車に!
先崎「これは驚きました 楽しい将棋になりそうですね
 コーヤンは若い頃は相振りは全然指さなかったが、最近は指すようになった」

今回は相振りだから、自分は気楽に見ようと思っていたが、それは間違いだった
お互いに序盤から一手一手、全然妥協を許さない駒運び!
先崎「相振りは駒組みに神経を使いますね」と言っているとおりだ

互いに向かい飛車に振りなおし、藤井が▲8五飛から、右に利かせて、後手の攻め駒を狙った
▲3七桂と桂馬も跳ね、積極的だ コーヤンは△7二金、△7一銀型なので、玉が壁形なのだ
この瞬間を狙って猛然と仕掛けた藤井、藤井が有利になったのか? 先崎も「藤井やや良し」の判断だ 

が、次の手で先崎の形勢判断が「互角」になる △7二の金をすっとひとつ寄る、△6二金!
うお、これは見るからに良さそうな手、一気に後手玉が広がった
先崎「かなりきわどいことだけは間違いない」
両者、手を口に当てて考え込んでいる

藤井の強気な手は止まらない 飛車交換も挑んで、飛車が交換になった
うん、これはまだ藤井がいけるのでは、と思って見ていたら、コーヤンの絶妙の判断が出た
コーヤン、王手で取れる桂を取らない! この好判断で、コーヤンの角が生き残る展開になった
これを先崎も藤井も完全にうっかりしていた

追えるはずの角が追えなくなり、藤井はしかたなく飛車打ちで金を取り、詰めろをかけた
ここからコーヤンの終盤の寄せの鋭さが発揮された
角のタダ捨ての王手から、一気に藤井玉を13手詰みに切って落とした! 結果、コーヤンの金星!

コーヤン、これといってミスのない、完璧な棋譜だったんじゃないだろうか
先崎「藤井が力みすぎて勇み足、コーヤンの快勝だった」
結果は金星だが、内容を見る限り、コーヤンの見事な指し回しが光った一局と思う
壁金を直した一手、桂を取らなかった判断、最後の詰み、どれも一級品だった

先崎は安定した解説ぶり、よく手が見えていた
(ただし、肝心かなめの、桂を取らない手は見えてなかったが(^^;)
里見女流は、なんだかその辺に居る、まったく普通の女の子っぽい感じで、新鮮だった

局後のインタビュー
コーヤン「いや~、勝てるとは思わなかった 相振りになるとは思わなかった
 決勝トーナメントに出れただけでも幸運 2回戦も自分らしい将棋を指したい」